JP4187872B2 - シートベルト装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、車両衝突等の緊急時にバックル部を引込み、シートベルトを乗員に密着させて乗員の移動量を減少させ、乗員の傷害軽減並びに車室内構造物への二次衝突防止・軽減を行うバックル緊急引込装置を有するシートベルト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、車両衝突等の急減速時にシートベルトを乗員に密着させて乗員を保護する手段の一つとして、シートベルトのリトラクタと、シートベルトの中間に装着されたタングプレートが係合するバックル部の方を車体下方に向けて引込むバックル緊急引込装置(バックルプリテンショナ)を組み合わせたシステムが使用されている。このバックル緊急引込装置は、一般的に、火薬の燃焼ガス圧によってバックル部を引込むバックル引込部と、このバックル引込部とバックル部とを連結する連結部材と、を備えて構成されている。
【0003】
前記バックル緊急引込装置は、バックル部を設定された引込ストローク量で引込んだ場合、連結部材の一部、もしくは連結部材に組み込まれた部材の一部が、バックル引込部の任意の部位に衝突する構造となっている。この衝突部位は、バックル部の引込作動中・作動後の乗員の安全性を確保するため、バックル引込部の強制ストッパとして機能している。
【0004】
しかしながら、この連結部材の衝突は、引込まれている途中のバックル部を強制的に停止させてしまうため、バックル部に引込方向とは逆向きの加速度を急激に与え、この加速度によってバックル部に係止されているタングプレートとの係合が外れてしまう虞がある。このため、乗員を拘束するシートベルト装置としての機能を維持するため、バックル側に様々な外れ防止対策が施されている。
【0005】
しかしながら、この外れ防止対策は、バックル緊急引込装置と組み合わされるバックル装置に対してのみ特別に設けられる機能であり、通常のバックル装置と比較して部品点数が増加する、バックル部の重量が増加する、異音が発生する虞がある、コストが増加する、等の欠点がある。
【0006】
そこで近年では、バックル部にかかる引込方向とは逆向きの加速度を低減させるため、前記連結部材、もしくは連結部材に組み込まれた部材の一部の衝突による衝撃を緩和させる衝撃吸収機構を設けたバックル緊急引込装置が紹介されている。
【0007】
このようなバックル緊急引込装置としては、例えば、実開昭58−25156号公報に開示されたものがある。このバックル緊急引込装置は、シリンダに挿入されたピストンと、このピストンに接続されたロッドと、ロッドとシートベルトとを連結するジョイント部材とを備え、ジョイント部材を取り付けたロッドの端部、またはジョイント部材と対向するシリンダの一方の端面部のいずれかに、エネルギー吸収部材(衝撃吸収部材)を設け、ピストンの駆動エネルギーを吸収するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の衝撃吸収機構を設けたバックル緊急引込装置は、衝撃吸収機構がバックル部を引込む方向にあるバックル引込線上に配置されているため、この衝撃吸収機構が追加された長さ分、バックル部の引込ストローク量を増大させてしまうという欠点がある。この引込ストローク量が増大すると、バックルの取り付け点から、バックル部のタングプレート挿入口までの距離が長くなり、バックル部を所定位置に保持しておくための自立性が低下する。例えば、実開昭58−25156号公報記載のバックル緊急引込装置では、ジョイント部材とロッドとの間にエネルギー吸収部材を設けているため、このエネルギー吸収部材の長さが、バックル引込部(バックル取り付け点)とバックル部のタングプレート挿入口までの距離に加えられてしまう。
【0009】
このため、バックル部の自立性が悪くなり、走行中の振動等によりバックル部がフラツキ易くなる。また、このフラツキ現象によって、異音が発生する虞もある。
【0010】
そしてまた、このバックル緊急引込装置と組み合わされたバックル装置は、バックル部がロッドによって支持されていることから、通常使用されている鉄板のステイによって支持されたものに比べ、ただでさえ自立性が悪いが、これに加えて、バックル引込部(バックル取り付け点)とバックル部のタングプレート挿入口までの距離が長いため、自立性の悪さをさらに助長する。このため、バックル部にタングプレートを挿入し難く、場合によってはバックル部を手で支持しなくてはならない等、使い勝手に悪影響を及ぼしていた。
【0011】
本発明は、このような従来の問題点を解決することを課題とするものであり、バックル緊急引込装置からバックル部のタングプレート挿入口までの距離を短くすることができ、走行中のフラツキを防止し、かつバックル部にタングプレートを簡単に挿入できるバックル緊急引込装置を備えたシートベルト装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明は、バックル部と、緊急時等に当該バックル部を引込むバックル引込部と、前記バックル部とバックル引込部とを連結する連結部材と、を備えたバックル緊急引込装置を有するシートベルト装置であって、前記バックル部が引込まれる方向を示すバックル引込方向線を、前記バックル引込部が前記連結部材を引き込む方向を示す引込駆動方向線に対し、所定の角度をもって配置し、前記引込駆動方向線上に、前記バックル部に加わる衝撃を緩和する衝撃吸収機構を設けたシートベルト装置を提供するものである。
【0013】
この構成を備えたシートベルト装置のバックル緊急引込装置は、バックル引込方向線と、バックル引込部の引込駆動方向線とが同一線上になく、すなわち、両者が所定の角度をもって配置され、かつ衝撃吸収機構が前記引込駆動方向線上に配置されているため、バックル引込部と、バックル部のタングプレート挿入口までの距離を極限まで短くすることができる。このため、バックル部の自立性を向上することができ、走行中の振動等によるフラツキを防止し、かつバックル部にタングプレートを簡単に挿入することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るバックル緊急引込装置を備えたシートベルト装置の概略図、図2は、実施の形態1に係るバックル緊急引込装置の断面図である。
【0015】
図1及び図2に示すシートベルト装置では、シート2に着座する乗員3は、ウエビング(シートベルト)4を装着できるようになっている。このウエビング4は、一端がアンカープレート5で車両側壁6の下部に取付られ、中間部は、タングプレート7、車両側壁6の上方に取付られたスルーリング8に、移動可能に巻きかけられて折り返され、他端側が巻取り装置9に巻き取られている。
【0016】
タングプレート7は、車両中央部の床に設けられたバックル緊急引込装置10の先端に設けられたバックル部11のタングプレート挿入口23から挿入されてバックル部11に係合するようになっている。
【0017】
バックル緊急引込装置10は、特に図2に示すように、バックル部11を引込むバックル引込部12と、バックル引込部12とバックル部11とを連結するワイヤロープ、連結棒、テープ、ウエビング等からなる連結部材13と、連結部材13を折曲げて方向を変えるプーリ14と、を備えて構成されている。
【0018】
なお、符号25及び26はキャップであり、符号27はボール、符号35はベースである。
【0019】
バックル引込部12は、シリンダ15と、シリンダ15内に移動可能に収容されたピストン部16と、シリンダ15の図中右方に隣接した燃焼室20に燃焼ガスを充填するガス発生装置19と、シリンダ15内の燃焼室20とは反対側(図2の左側)の先端部に設けられた衝撃吸収部材21と、を備えて構成されている。
【0020】
ピストン部16は、後に詳述するガス発生装置19から発生した燃焼ガスの押圧力により、シリンダ15内で押圧され、衝撃吸収部材21側に移動される。この方向が、バックル引込部12が引込を行う引込方向であり、引込駆動方向線に相当するものである。
【0021】
ここで、ピストン部16とシリンダ15の内壁との間には、ガス発生装置19と、ピストン部16とが形成する空間を密閉状態にするためのシール部材であるOリング22が設けられている。このため、前記燃焼ガスがシリンダ15内から漏れ出すことがなく、シリンダ15内の圧力(エネルギー)を効率よく、ピストン部16の押圧・移動に変換することができる。
【0022】
ピストン部16には、シリンダ15内に進退可能に引込まれる連結部材13の一端が連結されている。この連結部材13一端は、ピストン部16を貫通してカシメ玉17によってピストン部16の左側に固定されている。
【0023】
また、連結部材13は、プーリ14によって屈曲されて他端がバックル部11に連結されている。すなわち、連結部材13は、プーリ14によって引込方向が変換されているため、バックル部11は、車体の斜め下方(図2の右下方向)に向けて引込まれる。この方向が、バックル部11が引込まれる方向であり、バックル引込方向線に相当する。
【0024】
このように、本発明に係るバックル緊急引込装置10は、前述したバックル引込方向線と、バックル引込部12の引込駆動方向線とが、所定の角度をもって配置されている。
【0025】
ガス発生装置19は、例えば、電極(図示せず)と、点火装置(図示せず)と、燃焼ガス発生剤(図示せず)とを備えて構成される。この電極には、車両の衝突時に発生する急激な加速度を検出するショックセンサ(図示せず)からの信号を伝える点火信号伝達用ハーネス19a(図1参照)が接続されている。ショックセンサから点火信号が電極に伝えられると、点火装置が燃焼ガス発生剤を発火させて燃焼ガス(高圧ガス)が瞬時に発生される。
【0026】
衝撃吸収部材21は、例えば、樹脂、ゴム、バネ等、衝突(衝撃)によるエネルギーを吸収することが可能な部材から構成されている。
【0027】
次に、この構成を備えたバックル緊急引込装置10の具体的動作について説明する。
【0028】
いま、車両に乗った乗員3がウエビング4を装着しているが、この時点では車両に急減速が生じていないとする。この時は、ガス発生装置19は作動しないから、シリンダ15内のピストン部16に燃焼ガスの押圧力は作用せず初期状態にある。
【0029】
この初期状態において、車両衝突等により車両に急激な減速が生じたとする。これにより、ガス発生装置19は瞬時に燃焼ガスを発生し、この燃焼ガスが燃焼室20に瞬時に供給される。この燃焼ガスの圧力によって、ピストン部16が衝撃吸収部材21側(図2の左側)に押圧されて移動し始める。
【0030】
このピストン部16の移動に伴って、連結部材13がシリンダ15内に引込まれるが、この時、連結部材13は、プーリ14によって移動方向(引込み方向)が変換され、バックル部11は、車体の斜め下方(図2の右下方向)に向けて引込まれる。
【0031】
この過程で、ピストン部16に設けられているカシメ玉17が、ピストン部16の左方向への移動に伴い、左方向に移動する。予め設定されたストローク量の移動が完了に近づくと、カシメ玉17の先端が衝撃吸収部材21との接触を開始する。カシメ玉17の衝撃吸収部材21への押圧量(侵入量)が増加するにつれて、衝撃吸収部材21が変形し、カシメ玉17並びにピストン部16の左方向への移動速度が減じられる。このため、バックル部11の引込速度も減少し、バックル部11が急停止することを防止することができる。
【0032】
このように、実施の形態1に係るバックル緊急引込装置10は、バックル引込方向線が、バックル引込部12の引込駆動方向線に対し所定の角度をもって配置されており、かつ、衝撃吸収部材21が、前記引込駆動方向線上に配置され、バックル部11が引込まれる方向であるバックル引込方向線上には配置されていないため、バックル部11のタングプレート挿入口23と、バックル引込部12との距離Lを極限まで短くすることができる。
【0033】
このため、見かけの剛性を高めることができ、バックル部11の自立性を向上することができる。この結果、バックル部11のフラツキを防止し、タングプレート7の挿入を容易に行うことができ、使いやすさが向上する。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係るバックル緊急引込装置について図面を参照して説明する。
【0034】
図3は、実施の形態2に係るバックル緊急引込装置30の断面図である。なお、実施の形態2では、実施の形態1に係るバックル緊急引込装置10と同様の部材には、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0035】
図3に示すように実施の形態2に係るバックル緊急引込装置30は、バックル引込部42と、連結部材13と、連結部材13を折曲げて方向を変えるプーリ14と、を備えて構成されている。
【0036】
バックル引込部42は、シリンダ15と、シリンダ15内に移動可能に収容されたピストン部16と、ピストン部16の右方向(バックル引込部12が引込を行う引込駆動方向線)側に連結されたロッド18と、シリンダ15の左側の先端部に配置されたガス発生装置19と、シリンダ15の右方向側端部の近傍に設けられた衝撃吸収部材21と、を備えて構成されている。
【0037】
ロッド18の右方向側端部は、シリンダ15内から進退可能に延出可能に構成されている。シリンダ15の右方向端面には、ブッシュ31が配設されている。ロッド18の右方向側端部には、プーリ14(実施の形態2では動滑車)が設けられている。このプーリ14には、連結部材13が移動可能に架け渡されている。この連結部材13は、一端がバックル部11に固定され、他端がカシメ玉17を介してベース35に固定されており、プーリ14を起点として折り曲げられてその引込方向が変換される。すなわち、バックル部11は、右下方向に引込まれる。なお符号32及び33は、連結部材13を誘導支持するガイドである。
【0038】
ロッド18の左方向には、ピストン部16が配置されている。このピストン部16には、Oリング22が設けられており、ガス発生装置19とピストン部16とが形成する空間を気密に保持する。また、ガス発生装置19は、スペーサ34を介してシリンダ15に取り付けられている。ピストン部16は、ガス発生装置19から発生した燃焼ガスの押圧力により、シリンダ15内で押圧され、図3の右方向に移動される。この方向は、バックル引込部42が引込を行う引込方向、すなわち引込駆動方向線となる。
【0039】
このように、実施の形態2に係るバックル緊急引込装置30も、実施の形態1に係るバックル緊急引込装置10と同様に、バックル部11が引込まれる方向であるバックル引込方向線と、バックル引込部42の引込駆動方向線とが、所定の角度をもって配置されている。
【0040】
次に、この構成を備えたバックル緊急引込装置の具体的動作について説明する。
【0041】
実施の形態1と同様の初期状態において、車両衝突等により車両に急激な減速が生じたとする。これにより、ガス発生装置19は瞬時に燃焼ガスを発生し、この燃焼ガスの圧力によって、ピストン部16が図3の右方向に押圧されて移動し始める。
【0042】
このピストン部16の移動に伴って、ロッド18が右方向に移動し、シリンダ15から延出する。このロッド18の移動により、連結部材13はプーリ14を介して、図3に破線で示すように移動し、プーリ14によって移動方向(引込み方向)が変換され、バックル部11を引込む。この時、連結部材13は、プーリ14によって移動方向(引込方向)が変換されているため、バックル部11は、車体の斜め下方(図3の右下方向)に向けて引込まれる。また、連結部材13が動滑車であるプーリ14を介して引込まれるため、摩擦力を軽減させることができる。このため、より少ないエネルギーによって、高効率な引込み性能を発揮させることができる。
【0043】
この過程で、ピストン部16の右方向への移動が、予め設定されたストローク量の移動が完了に近づくと、ピストン部16が、衝撃吸収部材21との接触を開始する。ピストン部16の衝撃吸収部材21への押圧量(侵入量)が増加するにつれて、衝撃吸収部材21が変形して、右方向への移動速度が減じられる。このため、バックル部11の引込速度も減少し、バックル部11が急停止することを防止することができる。
【0044】
このように、実施の形態2に係るバックル緊急引込装置30は、バックル引込方向線が、バックル引込部12が引込を行う引込方向である引込駆動方向線に対し所定の角度をもって配置されており、かつ、衝撃吸収部材21が、前記引込駆動方向線上に配置され、バックル部11が引込まれる方向であるバックル引込方向線上には配置されていないため、バックル部11のタングプレート挿入口23と、バックル引込部42との距離Lを極限まで短くすることができる。
【0045】
このため、見かけの剛性を高めることができ、バックル部11の自立性を向上することができる。この結果、バックル部11のフラツキを防止し、タングプレート7の挿入を容易に行うことができ、使いやすさが向上する。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3に係るバックル緊急引込装置について図面を参照して説明する。
【0046】
図4は、実施の形態3に係るバックル緊急引込装置40の断面図である。なお、実施の形態3では、実施の形態2に係るバックル緊急引込装置30と同様の部材には、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0047】
実施の形態3に係るバックル緊急引込装置40の、実施の形態2に係るバックル緊急引込装置30と異なる点は、衝撃緩衝部材21の配設位置である。
【0048】
図4に示すように、実施の形態3に係るバックル緊急引込装置40は、ベース35の内側であって、ガス発生装置19の作動によって、ロッド18が右方向に移動し、プーリ14に架け渡された連結部材13が当接する部分に、配置されている。
【0049】
この構成を備えたバックル緊急引込装置40は、実施の形態2と同様の初期状態において、車両衝突等により車両に急激な減速が生じると、実施の形態2と同様に、ロッド18が右方向に移動し、連結部材13はプーリ14を介して、図4に破線で示すように移動する。
【0050】
この過程で、ピストン部16の右方向への移動が、予め設定されたストローク量の移動が完了に近づくと、連結部材13が衝撃吸収部材21との接触を開始する。連結部材13の衝撃吸収部材21への押圧量(侵入量)が増加するにつれて、衝撃吸収部材21が変形し、連結部材13が引込まれる速度が減じられる。このため、バックル部11の引込速度も減少し、バックル部11が急停止することを防止することができる。
【0051】
なお、この実施の形態3に係るバックル緊急引込装置40も、バックル引込方向線が、バックル引込部42が引込を行う引込方向である引込駆動方向線に対し所定の角度をもって配置されており、かつ、衝撃吸収部材21が、前記引込駆動方向線上に配置され、バックル部11が引込まれる方向であるバックル引込方向線上には配置されていないため、バックル部11のタングプレート挿入口23と、バックル引込部42との距離Lを極限まで短くすることができる。
【0052】
このため、見かけの剛性を高めることができ、バックル部11の自立性を向上することができる。この結果、バックル部11のフラツキを防止し、タングプレート7の挿入を容易に行うことができ、使いやすさが向上する。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るバックル緊急引込装置を備えたシートベルト装置は、バックル部が引込まれるバックル引込方向線を、前記バックル引込部の引込駆動方向線に対し所定の角度をもって配置し、前記引込駆動方向線上に、前記バックル部に加わる衝撃を緩和する衝撃吸収機構を設けたため、バックル部のタングプレート挿入口と、バックル緊急引込装置との間の距離を短くすることができる。したがって、バックル部の自立性を向上することができ、走行中の振動等によるフラツキを防止し、かつバックル部にタングプレートを簡単に挿入することができる。この結果、使い勝手のよいバックル緊急引込装置を備えたシートベルト装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るバックル緊急引込装置を備えたシートベルト装置の概略図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るバックル緊急引込装置の断面図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係るバックル緊急引込装置の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態3に係るバックル緊急引込装置の断面図である。
【符号の説明】
10、30、40 バックル緊急引込装置
11 バックル部
12、42 バックル引込部
13 連結部材
21 衝撃吸収部材

Claims (2)

  1. バックル部と、緊急時等に当該バックル部を引込むバックル引込部と、前記バックル部とバックル引込部とを連結する連結部材と、を備えたバックル緊急引込装置を有するシートベルト装置であって、
    前記バックル部が引込まれる方向を示すバックル引込方向線を、前記バックル引込部が前記連結部材を引き込む方向を示す引込駆動方向線に対し、所定の角度をもって配置し、
    前記バックル引込部は、シリンダと、当該シリンダ内に移動可能に収容されたピストン部と、当該ピストン部の前記連結部材側に連結されたロッドと、を有し、
    前記ロッドの前記連結部材側端部には、前記ピストン部の移動によって、当該ピストン部の移動方向に移動すると共に、当該連結部材を折り曲げて、当該連結部材の引き込み方向を変更するプーリが配設されてなり、
    前記ピストン部の移動方向線上且つ当該ピストン部と前記プーリとの間に、前記バックル部に加わる衝撃を緩和する衝撃吸収機構を設けたシートベルト装置。
  2. バックル部と、緊急時等に当該バックル部を引込むバックル引込部と、前記バックル部とバックル引込部とを連結する連結部材と、を備えたバックル緊急引込装置を有するシートベルト装置であって、
    前記バックル部が引込まれる方向を示すバックル引込方向線を、前記バックル引込部が前記連結部材を引き込む方向を示す引込駆動方向線に対し、所定の角度をもって配置し、
    前記バックル引込部は、シリンダと、当該シリンダ内に移動可能に収容されたピストン部と、当該ピストン部の前記連結部材側に連結されたロッドと、を有し
    前記ロッドの前記連結部材側端部には、前記ピストン部の移動によって、当該ピストン部の移動方向に移動すると共に、当該連結部材を折り曲げて、当該連結部材の引き込み方向を変更するプーリが配設されてなり、
    前記バックル部に加わる衝撃を緩和する衝撃吸収機構が、前記ピストン部の移動方向線上且つ前記ピストン部の移動が予め設定されたストローク量の完了に近づくと前記ピストン部の移動に伴って前記プーリを介して移動する前記連結部材が当該衝撃吸収機構と接触を開始する位置に設けられたシートベルト装置。
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