JP2003052673A - 異常陰影候補検出装置 - Google Patents
異常陰影候補検出装置Info
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Abstract
やコントラスト等が異なる画像データに基づいて画像中
の異常陰影候補を検出する場合でも、常に一定の検出レ
ベルを保つことを可能にする。 【解決手段】 再規格化処理手段10が、任意の規格化条
件に基づいて規格化処理が施されている規格化画像デー
タP′を入力し、この規格化画像データP′に基づい
て、一定の濃度とコントラストを有する再規格化画像デ
ータP″を取得し、異常陰影候補検出手段20が、再規格
化処理手段10から再規格化画像データP″を入力し、再
規格化画像データP″に基づいて画像中の異常陰影候補
を検出する。
Description
装置に関し、特に詳しくは、任意の規格化条件による規
格化処理が施された医用画像データに基づいて該医用画
像中の異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出装置に
関するものである。
画像をフイルムに記録して診断に供していたが、近年は
これに代わってコンピューテッド・ラジオグラフィ(C
R)システムが広く用いられている。CRシステムと
は、放射線画像を一旦蓄積性蛍光体シート(イメージン
グプレート)と称されるシートに記録し、その後このシ
ートに励起光を照射して、シートから発光する、記録さ
れている放射線画像に応じた光量の輝尽発光光を光電的
に読み取り、得られた電気信号(画像信号)をデジタル
化し、このデジタル化された信号(画像データ)に基づ
いて、画像データが表す可視画像(放射線画像)をフイ
ルムにプリントしたり、モニタに表示するものである。
このCRシステムは、照射放射線量と輝尽発光光量との
線形性を幅広い範囲で保つことができる蓄積性蛍光体シ
ートを使用しているため、放射線フイルムに放射線画像
を直接記録する場合に比べて画像上の微弱な濃度変動等
を把握しやすい等の有用性を有するとともに、画像信号
をデジタル化しているため、各種の画像処理が容易にな
るという利点がある。
ための可視画像を診断に適した濃度・コントラストを有
する画像にするためのEDR(Exposure Data Recogniz
er)と称される機能が採用されている。このEDRとし
ては、観察読影のための可視画像を得る読取操作(以
下、「本読み」という。)に先立ち、本読みの際に照射
すべき励起光よりも低いレベルの励起光を用いて、蓄積
性蛍光体シートに記録されている放射線画像の概略を読
み取る先読みを行い、この先読みにより得られた先読画
像信号を分析して上記本読みの際の読取条件を決定する
先読みEDRが知られている。
読取条件を最適化したうえでさらに本読みを行なうこと
になるが、先読みを行なうことに伴う時間的ロスや処理
および装置の複雑化を防止するために、先読みを行わな
いEDR(本読みEDR)も提案されている。
る輝尽発光光の、想定される光量に対して、検出レンジ
を予め十分に広く(例えば4桁程度)確保したうえで放
射線画像情報の全体を読み取って画像データを得、この
得られた画像データから、診断に適した濃度・コントラ
ストを有する画像にするための最適な濃度・コントラス
ト変換条件(以下、「規格化条件」という。)を求め、
上記検出レンジを十分に広く確保して得られた画像デー
タに対し、この規格化条件に基づいて規格化処理を施す
方法である(特開平2−108176号公報等)。この方法に
よれば、光電読取手段による励起光照射光量、感度、ダ
イナミックレンジ等の設定を改めて行なうことなく、計
算処理だけで最適な画像を再生するのに必要な画像デー
タを得ることができるため、近年ではこの本読みEDR
が一般的になっている。このEDR等による規格化処理
は、CRシステムに限らず、CT装置やMRI装置等の
医用画像生成装置によって得られた医用画像に対して行
なわれることもある。
件、および上記本読みEDRにおける規格化条件とは、
例えば入出力の関係を定める読取ゲイン、収録スケール
ファクタ等を意味するものである。
力画像信号範囲の中心値Qc(0〜1023の場合51
1)に対応する入力画像信号レベルであり、また、同図
に示す変換直線Hの傾きが収録スケールファクタGpで
ある。
あり、Mo管球の管電圧25kVpで20mR(=5.
16×10-6C/Kg)が照射されたときの発光量を基
準値3.0とすると、
ば、
線画像を読影して病変部を発見し、またその病変部の状
態を観察して、疾病の有無や進行状況の診断を行うこと
が一般的に行なわれている。しかしながら、放射線画像
の読影は読影者の経験や画像読影能力の高低によって左
右され、必ずしも客観的なものとはいえなかった。
たマンモグラフィ(乳房を被写体とした診断用放射線画
像)においては、その画像から癌化部分の特徴の一つで
ある腫瘤陰影や微小石灰化陰影等の異常陰影を検出する
ことが必要であるが、読影者によっては必ずしも的確に
その異常陰影の範囲を指定することができるとは限らな
い。このため、読影者の技量に依存することなく、腫瘤
陰影や微小石灰化陰影を始めとする異常陰影を的確に検
出することが求められていた。
したような優れた特長を有するCRシステムを医療診断
用として積極的に活用することを目的とし、診断用画像
として取得された被写体の画像データが表す画像中の異
常陰影の候補を計算機を用いて自動的に検出する異常陰
影候補検出処理システム(計算機支援画像診断装置)が
提案されている(特開平8-294479号公報、特開平8-2872
30号公報等)。この異常陰影候補検出処理システムは、
異常陰影の濃度分布の特徴や形態的な特徴に基づいて、
主として腫瘤陰影を検出するのに適したアイリスフィル
タ処理や、主として微小石灰化陰影を検出するのに適し
たモフォロジーフィルタ処理等を利用して、画像中の異
常陰影候補を計算機を用いて自動的に検出するものであ
る。
勾配の集中度の最大値を表すアイリスフィルタ出力値と
所定の閾値とを比較することにより、画像中における乳
癌の特徴的形態の一つである腫瘤陰影の候補領域を検出
するのに有効な手法であり、一方、モフォロジーフィル
タ処理は、画像信号に対して、検出しようとする微小石
灰化陰影よりも大きいサイズの構造要素を用いたモフォ
ロジー演算処理の出力値と所定の閾値とを比較すること
により、画像中における乳癌の特徴的形態の一つである
微小石灰化陰影の候補領域を検出するのに有効な手法で
ある。
ステムが病院等の施設に導入される際には、撮影された
画像を診断に適した可視画像として再生することができ
るように、予め撮影部位別に標準的な先読みEDR或い
は本読みEDRが設定されている。上記異常陰影候補検
出処理システムにおけるアイリスフィルタ処理やモフォ
ロジーフィルタ処理は、この予め設定されているEDR
による処理が行われて得られた画像データを処理の対象
とするものとして最適化されている。
や診断の方法に合わせてEDRの設定(Sk,Gp等の
パラメータ設定等)を変更することがある。例えば、施
設ごとに、EDRのアルゴリズムやパラメータ(信号範
囲検出方法など)を変更したり、Sk,Gpの値を所望
の値(固定値)に設定したりすることがある。その結
果、CRシステムにより得られる画像データの濃度やコ
ントラストが施設ごとに変動し、この画像データを利用
して上記異常陰影候補の検出処理を行なうと、検出結果
がばらついてしまうことがある。
ラスト等が異なる画像データに基づいて画像中の異常陰
影候補を検出する場合でも、常に一定の検出レベルを保
つことができる異常陰影候補検出装置を提供することを
目的とするものである。
出装置は、任意の規格化条件に基づく規格化処理が施さ
れた医用画像データに対し、一定の画質を有する医用画
像データを得るための所定の再規格化処理を施す再規格
化処理手段と、再規格化処理手段により得られた再規格
化医用画像データに基づいて、医用画像データに基づく
医用画像中の異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出
手段とを備えたことを特徴とするものである。
インSkや収録スケールファクタGp、また、読取感度
(S値)やラチチュード(L値)等を意味するものであ
る。
化条件に基づいて画像を規格化処理関数fにより変換す
るものであり、この規格化処理関数fは、例えば、画像
データを10bitとすると、
により画像を変換するものに限られるものではなく、先
読みにより決定された読取条件で本読みを行うことによ
り、規格化された画像データを得る処理でもよい。この
場合、上記規格化条件には、「先読みにより決定された
読取条件」が相当する。すなわち、「任意の規格化条件
に基づく規格化処理が施された医用画像データ」とは、
例えば本読みEDRにより得られる医用画像データを意
味するものであるが、これに限られるものではなく、先
読みEDRにより得られる医用画像データを適用するこ
ともできる。
例えば、一定の濃度やコントラストを有する画像データ
を意味するものである。また、異常陰影とは、癌の特徴
的形態の1つである腫瘤陰影や微小石灰化陰影を意味す
るものであり、異常陰影候補検出手段とは、腫瘤陰影を
検出するのに適したアイリスフィルタ処理や微小石灰化
陰影を検出するのに適したモフォロジーフィルタ処理等
を利用して、異常陰影の候補を検出するものである。
いて、上記所定の再規格化処理を、任意の規格化条件を
参照して医用画像の原画像データを取得し、取得された
原画像データに基準規格化処理を施して再規格化医用画
像データを取得するものとしてもよい。
規格化処理において、標準的なものとして定められた規
格化条件による規格化処理を意味するものである。この
基準規格化処理は、撮影部位別に定められているもので
もよい。
処理が施された医用画像データ」として先読みEDRに
より得られた医用画像データを適用する場合には、この
先読みEDRにより得られた医用画像データを、上記規
格化処理関数fにより変換された画像データであると仮
定して仮想的な原画像データを取得し、この仮想的な原
画像データに基準規格化処理を施すようにすればよい。
すなわち、上記原画像データとは、仮想的な原画像デー
タを含むものとする。
のに限られるものではない。
ば、任意の規格化条件に基づいて規格化処理が施されて
いる医用画像データに対して一定の画質を有する医用画
像データを得るための所定の再規格化処理を施し、得ら
れた一定の画質を有する再規格化医用画像データに基づ
いて画像中の異常陰影候補を検出するから、異常陰影候
補の検出レベルを安定させることができる。
装置の具体的な実施の形態について図面を用いて説明す
る。図1は本発明の一実施形態による異常陰影候補検出
装置の概略構成を示す図である。
は、CRシステムにより収録された、任意の規格化条件
に基づいて規格化処理が施されている規格化画像データ
P′を入力し、この規格化画像データP′に基づいて、
一定の濃度とコントラストを有する再規格化画像データ
P″を取得する再規格化処理手段10と、再規格化処理手
段10から再規格化画像データP″を入力し、再規格化画
像データP″に基づいて画像中の異常陰影候補を検出す
る異常陰影候補検出手段20とにより構成されている。
を表す放射線画像データであり、各施設において任意に
設定された規格化条件により規格化処理が施された画像
データである。ここで、各施設において任意に設定可能
な規格化条件は、読取ゲインSkと収録スケールファク
タGpであるとする。なお、各規格化画像データP′の
読取ゲインSk、収録スケールファクタGpは各規格化
画像データP′とともに記録されている。
画像データP″に基づいて、画像中の腫瘤陰影候補をア
イリスフィルタ処理を利用して検出し、微小石灰化陰影
候補をモフォロジーフィルタ処理を利用して検出するも
のである。以下、アイリスフィルタ処理およびモフォロ
ジーフィルタ処理について詳細に説明する。
配を勾配ベクトルとして算出し、その勾配ベクトルの集
中度を出力するアイリスフィルタを用いて、画像中の腫
瘤陰影の候補領域を検出するものである。すなわち、X
線フイルム上における放射線画像(高濃度高信号レベル
の画像信号で表される画像)において、腫瘤陰影部分は
周囲の画像部分に比べて濃度値(画像信号値)が僅かに
低く、腫瘤陰影の内部においては、略円形の周縁部から
中心部に向かうにしたがって濃度値が低くなるという局
所的な濃度値の勾配が認められることが知られているた
め、アイリスフィルタを用いることにより、画像中の腫
瘤陰影の候補領域を検出することができる。
明する。原画像データPにおける腫瘤陰影P1内部の任
意の画素における勾配ベクトルは図2(2)に示すよう
に腫瘤陰影P1の中心付近を向くが、血管陰影や乳腺な
ど細長い陰影P2は図2(3)に示すように勾配ベクト
ルが特定の点に集中することはない。このため、局所的
に勾配ベクトルの向きの分布を評価し、特定の点に集中
している領域を抽出すれば、それが腫瘤陰影P1の候補
領域となる。なお、図2(4)に示すような乳腺等の細
長い陰影同士が交差した陰影P3は、勾配ベクトルが特
定の点に集中する傾向があるため擬似的に候補領域とし
て検出され得る。以下にアイリスフィルタ処理の具体的
なアルゴリズムを示す。
素について、各画素jごとに下記式(1)に示す計算式
に基づいた画像データの勾配ベクトルの向きθを求め
る。
中心とした例えば縦5画素×横5画素の大きさのマスク
の外周上の画素に対応した画素値(画像データ)であ
る。
素について、各画素ごとにその画素を注目画素とする勾
配ベクトルの集中度Cを次式(2)にしたがって算出す
る。
素の数、θjは注目画素とその円内の各画素jとを結ぶ
直線と、その各画素jにおける上記式(1)で算出され
た勾配ベクトルとがなす角である(図4参照)。したが
って上記式(2)で表される集中度Cが大きな値となる
のは、各画素jの勾配ベクトルの向きが注目画素に集中
する場合である。
ベクトルは、腫瘤陰影のコントラストの大小に拘らず、
略その腫瘤陰影の中心部を向くため、上記集中度Cが大
きな値をとる注目画素は腫瘤陰影の中心部の画素という
ことができる。一方、血管陰影など細長い陰影は勾配ベ
クトルの向きが一定方向に偏るため集中度Cの値は小さ
い。したがって、画像を構成する全ての画素について、
それぞれ注目画素に対する上記集中度Cの値を算出し、
その集中度Cの値が予め設定された閾値を上回るか否か
を評価することによって腫瘤陰影を検出することができ
る。すなわち、このフィルタは通常の差分フィルタに比
べて血管や乳腺等の影響を受けにくく、腫瘤陰影を効率
よく検出できるという特長を有している。
さや形状に左右されない検出力を達成するために、フィ
ルタの大きさと形状とを適応的に変化させる工夫がなさ
れる。図5にそのフィルタを示す。このフィルタは、図
4に示すものと異なり、注目画素を中心として2π/M
度の角度間隔で隣接するM種類の方向(図5において
は、11.25 度ごとの32方向を例示)の放射状の線上の画
素のみで上記集中度の評価を行うものである。
素からn番目の画素の座標([x],[y])は、注目画素
の座標を(k,l)とすれば,下記式(3)、(4)で
与えられる。
ある。
最大の集中度が得られる画素までの出力値をその方向に
ついての集中度Cimaxとし、その集中度Cimaxを全ての
方向で平均し、この平均値を注目画素についての勾配ベ
クトル群の集中度Cとする。
おいて注目画素からn番目の画素までで得られる集中度
Ci(n)を下記式(5)により求める。
n からRmax までの範囲内で変化させて、集中度Ci
(n)を算出するものである。
する腫瘤陰影の半径の最小値と最大値である。
(6)および(7)により計算する。
の方向線ごとの集中度Ci (n)の最大値であるから、
注目画素からその集中度Ci (n)が最大値となる画素
までの領域が、その線の方向における腫瘤陰影の領域と
なる。
計算をしてその各線上における腫瘤陰影の領域の辺縁点
を求め、この各線上における腫瘤陰影の領域の隣接する
辺縁点を、直線または非線形曲線で結ぶことにより、腫
瘤陰影の候補となり得る候補領域の輪郭を特定すること
ができる。
(6)で与えられた集中度の最大値Cimaxを放射状の方
向線の全方向(式(7)では32方向の場合を例示)につ
いて平均した値を求める。この求められた値がアイリス
フィルタ出力値Iであり、この出力値Iを、腫瘤陰影で
あるか否かを判断するのに適した予め設定した一定の閾
値Tと比較し、I≧T(若しくはI>T)であればこの
注目画素を中心とする領域が候補領域であり、I<T
(若しくはI≦T)であれば候補領域ではないと判定
し、候補領域を検出する。
式(5)の代わりに下記式(5′)を用いてもよい。
半径の最小値Rmin に対応した画素を起点とし、終点を
Rmin からRmax までとした範囲内で集中度Ci (n)
を算出するものである。
信号に対して、検出しようとする微小石灰化陰影(個々
の微小な点状の石灰化陰影、以下単に石灰化陰影ともい
う)よりも大きいサイズの構造要素を用いたモフォロジ
ー演算処理の出力値と所定の閾値とを比較することによ
り、画像中における乳癌の特徴的形態の一つである微小
石灰化陰影を検出するのに有効な手法である。以下、モ
フォロジーフィルタ処理について詳細に説明する。
構造要素を用いて、構造要素よりも小さいサイズのノイ
ズや陰影を画像中から除去または抽出することが可能な
フィルタであり、画像信号の平滑化や、癌の特徴的な形
態の一つである微小石灰化陰影の抽出等に利用される。
演算処理は一般的にはN次元空間における集合論として
展開されるが、直感的な理解のために2次元の濃淡画像
を対象として説明する。
(x,y)に相当する高さをもつ空間とみなす。ここ
で、濃度値f(x,y)は、濃度が低い(CRTに表示
した場合には輝度が高い)ほど大きな画像信号となる高
輝度高信号レベルの信号とする。
1次元の関数f(x)を考える。モフォロジー演算処理
に用いる構造要素gは次式(8)に示すように、原点に
ついて対称な対称関数
(9)であるとする。
(13)に示すように、非常に簡単な演算となる。
素を中心とした、±m(構造要素Bに応じて決定される
値)の幅の中の最大値を検索する処理であり(図6
(A)参照)、一方、イロージョン(erosion )処理
は、注目画素を中心とした、±mの幅の中の最小値を検
索する処理である(同図(B)参照)。また、オープニ
ング(opening )処理は最小値探索の後に、最大値を探
索することに相当し、クロージング(closing )処理は
最大値探索の後に、最小値を探索することに相当する。
オープニング処理は低輝度側から濃度曲線f(x)を滑
らかにし、マスクサイズ2mより空間的に狭い範囲で変
動する凸状の濃度変動部分(周囲部分よりも輝度が高い
部分)を取り除くことに相当する(同図(C)参照)。
一方、クロージング処理は、高輝度側から濃度曲線f
(x)を滑らかにし、マスクサイズ2mより空間的に狭
い範囲で変動す凹状の濃度変動部分(周囲部分よりも輝
度が低い部分)を取り除くことに相当する(同図(D)
参照)。
高濃度高信号レベルの信号の場合においては、濃度値f
(x)の画像信号値が高輝度高信号レベルの場合に対し
て大小関係が逆転するため、高濃度高信号レベルの信号
におけるダイレーション処理は、高輝度高信号レベルに
おけるイロージョン処理(図6(B))と一致し、高濃
度高信号レベルの信号におけるイロージョン処理は、高
輝度高信号レベルにおけるダイレーション処理(同図
(A))と一致し、高濃度高信号レベルの信号における
オープニング処理は、高輝度高信号レベルにおけるクロ
ージング処理(同図(D))と一致し、高濃度高信号レ
ベルの信号におけるクロージング処理は、高輝度高信号
レベルにおけるオープニング処理(同図(C))と一致
する。なお、ここでは高輝度高信号レベルの画像信号
(輝度値)の場合について説明する。
検出には、原画像から平滑化した画像を引き去る差分法
が考えられる。単純な平滑化法では石灰化陰影と細長い
形状の非石灰化陰影(乳腺や血管や乳腺支持組織等)の
識別が困難であるため、多重構造要素を用いたオープニ
ング演算に基づく下記式(14)で表されるモフォロジ
ー演算処理が提案されている(「多重構造要素を用いた
モルフォロジーフィルタによる微小石灰化像の抽出」電
子情報通信学会論文誌 D-II Vol.J75-D-II No.7 P1170
〜1176 1992年7月、「モルフォロジーの基礎とそのマ
ンモグラム処理への応用」MEDICAL IMAGINGTECHNOLOGY
Vol.12 No.1 January 1994 )。
の4つの構造要素Bである。構造要素Bを検出対象の石
灰化陰影よりも大きく設定すれば、オープニング処理
で、構造要素Bよりも細かな凸状の信号変化部分(空間
的に狭い範囲で変動する画像部分)である石灰化陰影は
取り除かれる。一方、細長い形状の非石灰化陰影はその
長さが構造要素Bよりも長く、その傾き(延びる方向)
が4つの構造要素Bi のうちいずれかに一致すればオー
プニング処理(式(14)の第2項の演算)をしてもそ
のまま残る。したがってオープニング処理によって得ら
れた平滑化画像(石灰化陰影が取り除かれた画像)を原
画像fから引き去ることで、小さな石灰化陰影の候補の
みが含まれる画像が得られる。これが式(14)の考え
方である。
の信号の場合においては、石灰化陰影は周囲の画像部分
よりも濃度値が低くなり、石灰化陰影は周囲部分に対し
て凹状の信号変化部分となるため、オープニング処理に
代えてクロージング処理を適用し、式(14)に代えて
式(15)を適用する。
つ非石灰化陰影が一部残る場合があり、そのような場合
については、次式(16)のモフォロジー演算に基づく
微分情報を利用して式(14)のPに含まれる非石灰化
陰影をさらに除去する。
大きいので、石灰化候補画像Cs は下記式(17)によ
り求めることができる。
れた閾値である。
石灰化陰影については、式(14)のPと所定の閾値T
1との比較のみで除去できるため、石灰化陰影と同等の
大きさをもつ非石灰化陰影が残ることのないような場合
は、式(17)の第1項の条件(P(i,j)≧T1)
を満たすだけでよい。
ルのオープニング演算とクロージング演算との組合わせ
により、石灰化陰影のクラスタ領域Cc を検出する。
最大距離と除去したい孤立陰影の最大半径とによって決
められ、λ3=λ1+λ2である。
する説明は上述したように、高輝度高信号レベルの画像
データの場合についてであるが、高濃度高信号レベルの
画像データ(高濃度の画素ほど大きなデジタル値を持つ
画像データ)の場合については、オープニング演算とク
ロージング演算とが逆の関係になる。
ォロジーフィルタ処理の詳細である。
の異常陰影候補検出装置の作用について説明する。図8
は、再規格化処理手段10における再規格化処理フローを
示す図である。
収録された乳房の放射線画像データ(規格化画像デー
タ)P′が、この規格化画像データP′の規格化条件デ
ータSk,Gp(簡単のため、各規格化条件を示すデー
タについてもSk,Gpとする)とともに再規格化処理
手段10に入力されると、再規格化処理手段10では、まず
最初に、入力された規格化画像データP′と規格化条件
データSk,Gpとを参照して原画像データPを取得す
る(ステップS10)。ここで、規格化処理を関数fで表
すと、規格化画像データP′は規格化条件データSk,
Gpに基づいて、
タPは、
fは、各画像データを10bitとすると、
と、次に原画像データPに基づいて基準EDR処理によ
り基準規格化条件Sk′,Gp′を得る(ステップS2
0)。ここで基準EDR処理とは、乳房の画像データに
対する標準的なEDRとしてCRシステムに予め設定さ
れている処理である。
基づいて原画像データPに対し基準規格化処理を施すこ
とにより、再規格化画像データP″を得ることができ
る。すなわち、
格化画像データP″に基づいて画像中の腫瘤陰影候補を
アイリスフィルタ処理を利用して検出し、画像中の微小
石灰化陰影候補をモフォロジーフィルタ処理を利用して
検出する。
任意の規格化条件により規格化された画像データから原
画像データを取得し、この原画像データを基準規格化条
件により再規格化して得られた再規格化画像データP″
に基づいて画像中の異常陰影候補を検出しているため、
施設ごとに任意に変更されている規格化条件に影響され
ることなく、一定の基準による安定した検出結果が得ら
れる。
する際には、各施設の好みに合わせて規格化条件(ED
Rのパラメータ設定)を変更することにより、診断性能
の向上に繋がり得る再生画像を得ることができるため、
規格化条件を各施設において変更することは画像診断上
望ましいことである。しかしながら、規格化条件を変更
することにより異常陰影候補の検出レベルが各施設でば
らついてしまうと、施設によって検出結果が異なること
となり、誤診に繋がる可能性もある。
好みの再生画像を得るために各施設において規格化条件
が変更されていたとしても、それにより異常陰影候補の
検出結果がばらつくことはないため、CRシステムの利
点を活用して診断性能を向上させ得る再生画像の取得を
実現しながらも、異常陰影候補検出装置の診断支援シス
テムとしての性能を維持することができる。
件としてSk,Gpを用いた例を示したが、L値(L=
4/Gp)やS値(S=4×104-Sk)を規格化条件に
適用してもよい。
置の概略構成図
大きさのマスクを表す図
なす角を説明する図
アイリスフィルタを示す概念図
フローチャート
クタを表わす図
8)
n からRmax までの範囲内で変化させて、集中度Ci
(n)を算出するものである。
半径の最小値Rmin に対応した画素を起点とし、終点を
Rmin からRmax までとした範囲内で集中度Ci (n)
を算出するものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 任意の規格化条件に基づく規格化処理が
施された医用画像データに対し、一定の画質を有する医
用画像データを得るための所定の再規格化処理を施す再
規格化処理手段と、 該再規格化処理手段により得られた再規格化医用画像デ
ータに基づいて、前記医用画像データに基づく医用画像
中の異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段とを
備えたことを特徴とする異常陰影候補検出装置。 - 【請求項2】 前記所定の再規格化処理が、前記任意の
規格化条件を参照して前記医用画像の原画像データを取
得し、該取得された原画像データに基準規格化処理を施
して前記再規格化医用画像データを取得するものである
ことを特徴とする請求項1記載の異常陰影候補検出装
置。
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