JP2006346094A - 検出情報の出力方法及び医用画像処理システム - Google Patents

検出情報の出力方法及び医用画像処理システム Download PDF

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和子 稲永
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Abstract

【課題】異常陰影候補の検出情報の表示数を減少させることにより、医用画像の読影効率を向上させる。
【解決手段】画像処理装置2では、フィルタバンクを用いた検出処理1と、特徴量を用いた検出処理2とを直接的に行う処理パターン1又は2の異常陰影候補の検出処理を行う場合は全ての異常陰影候補を抽出し、上記処理1と処理2を並列的に行う処理パターン3の場合は偽陽性か真陽性かの判断が困難な候補又は視認性が低く、医師が発見しづらい候補を抽出する。そして、抽出された異常陰影候補についてのみ、その検出情報の表示出力を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、医用画像から異常陰影候補を検出し、その検出情報を出力する出力方法及び医用画像処理システムに関する。
医療の分野においては、CT(Computed Tomography)やMRI(Magnetic Resonance Imaging)等の撮影装置により患者を撮影した医用画像をデジタルデータに変換し、医師が診断を行う際には、表示ディスプレイ上に表示して読影を行うようになってきた。特に近年では、読影医の負担軽減や異常陰影の見落とし減少を目的として癌化部分等の異常陰影候補を検出するコンピュータ支援装置(Computer-Aided Diagnosis;以下、CADという)が開発されてきた。
上記CADにより異常陰影候補が検出されると、その検出情報として医用画像上に異常陰影候補の検出位置を指し示すマーカ(矢印や丸等)等を表示する方法が一般的である。その表示方法としては、(1)医用画像上に直接マーカを表示する方法(例えば、特許文献1参照)、(2)読影用にライフサイズ(等倍)の医用画像を主画像として表示し、その主画像の縮小画像上にマーカを表示した副画像を作成して主画像とともに表示する方法(例えば、特許文献2参照)が用いられている。
特開2000−276587号公報 特開2004−230001号公報
このような状況で、CADにより検出された異常陰影候補の数が多い場合、上記(1)の方法では、読影医が観察する画像上にたくさんのマーカが表示されることとなり、医用画像自体が観察しにくくなってしまい、かえって読影作業に悪影響を及ぼすことがある。
一方、上記(2)の方法では、(1)の方法に比べ、主画像自体はマーカが表示されないため、医師の読影作業に与える影響が少ないが、縮小された副画像上にはやはりたくさんのマーカが表示されることとなり、見づらいという問題があった。また、主画像と副画像との位置の対応もとりにくくなる。
さらに、異常陰影候補の検出時には、その候補領域の画像特徴量を演算し、閾値と比較して異常陰影であるか否かを判定する方法や、画像特徴量を用いて多変量解析することにより異常陰影の候補領域を検出する方法等、様々なアルゴリズムが用いられるが、検出結果には、明らかに異常陰影であるものと疑わしいものとが混在している。
従来のCADでは、このように検出された異常陰影候補の全てに関する検出情報を医師に提供し、真陽性であるか偽陽性であるかの最終判断は医師によることとしている。しかし、上述したように検出数が非常に多いと、その全てについて読影医は確認しなければならず、非効率的である。特に、経験豊かな医師にとっては、明らかに異常陰影であると容易に判断できるものより、疑わしい候補を優先的に読影した方が効率的な場合がある。
本発明の課題は、異常陰影候補の検出情報の表示数を減少させることにより、医用画像の読影効率を向上させることである。
請求項1に記載の発明は、検出情報の出力方法において、
異なる検出アルゴリズムを複数有する異常陰影候補検出手段により、この複数の検出アルゴリズムによって医用画像から異常陰影候補を検出する検出工程と、
前記検出工程における検出過程に対して予め定められた異常陰影候補の抽出条件に従って、前記検出された異常陰影候補のうち、検出情報を示すべき異常陰影候補を抽出する抽出工程と、
前記抽出された異常陰影候補の検出情報を出力する出力工程と、
を含むことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の検出情報の出力方法において、
前記抽出条件は、前記複数の異なる検出アルゴリズムによる検出処理が行われる過程に応じて定められており、
前記検出工程では、前記複数の異なる検出アルゴリズムによる検出処理を組み合わせて検出を行い、
前記抽出工程では、前記検出工程における各検出アルゴリズムの検出処理が行われる過程に応じた抽出条件により、検出情報を出力すべき異常陰影候補を抽出することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の検出情報の出力方法において、
前記検出アルゴリズムは、検出対象の病変種に応じて複数準備されるとともに、前記抽出条件は、各病変種の検出アルゴリズムの検出処理の過程に応じて定められており、
前記検出工程では、検出対象の病変種に応じた検出アルゴリズムにより検出処理を行い、
前記抽出工程では、前記検出工程において行われた検出アルゴリズムの検出処理過程に応じた抽出条件により、検出情報を示すべき異常陰影候補を抽出することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、医用画像処理システムにおいて、
異なる検出アルゴリズムを複数有し、この複数の検出アルゴリズムにより医用画像から異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段と、
検出過程に対して予め定められた異常陰影候補の抽出条件に従って、前記検出された異常陰影候補のうち、検出情報を示すべき異常陰影候補を抽出する抽出手段と、
前記抽出された異常陰影候補の検出情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする。
請求項1、2、4に記載の発明によれば、検出処理の組み合わせによって異なる検出結果に応じて、医師に検出情報を提供する異常陰影候補を制限することができる。これにより、検出情報を出力する異常陰影候補数を減少させることができ、医師が読影しやすい出力形態とすることができる。従って、読影効率を向上させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、検出目的とする病変種によって異なる検出結果に応じて、医師に医師に検出情報を提供する異常陰影候補を制限することができる。これにより、検出情報を出力する異常陰影候補数を減少させることができ、医師が読影しやすい出力形態とすることができる。従って、読影効率を向上させることができる。
〈第1実施形態〉
本実施形態では、複数の検出アルゴリズムにより異なる検出過程を経て異常陰影候補の検出を行う際に、検出された異常陰影候補からその検出過程に応じて表示出力対象の異常陰影候補を抽出し、抽出された異常陰影候補の検出情報を表示出力する例を説明する。
まず、構成を説明する。
図1に、本実施形態における医用画像処理システム100のシステム構成を示す。
医用画像処理システム100は、医用画像を撮影し、当該医用画像に画像処理を行って異常陰影候補を検出し、医用画像とともにその検出情報を医師に提供するシステムである。
図1に示すように、医用画像処理システム100は、画像生成装置1、画像処理装置2、プリンタ3、画像サーバ4、ビューア5を備えて構成されている。これら各装置1〜5は、LAN(Local Area Network)等の医療機関内で構築された通信ネットワークNを介して相互にデータを送受信可能に接続されている。通信ネットワークNは、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)規格が適用されている。
以下、各構成装置1〜5について説明する。
画像生成装置1は、人体を撮影し、その撮影画像(医用画像)のデジタルデータを生成するものであり、例えばCR(Computed Radiography)、FPD(Flat Panel Detector)、CT、MRI、カセッテ専用の読取装置、フィルムディジタイザ等のモダリティを適用可能である。本実施形態では、画像生成装置1として、左右乳房のX線撮影を行う乳房専用のCRを適用し、乳房画像のデータが生成されるものとする。
なお、画像生成装置1は、上述したDICOM規格に準拠した装置であり、生成した医用画像に付帯させる各種情報(例えば、医用画像が撮影された患者に関する患者情報や、撮影又は検査に関する撮影情報、検査情報等。)を外部から入力可能であるとともに、自動生成することもできる。画像生成装置1は、生成された医用画像に上記付帯情報をヘッダ情報として付加して通信ネットワークNを介して画像処理装置2へ送信する。なお、DICOM規格に準拠していない場合には、図示しないDICOM変換装置を用いて付帯情報を画像生成装置1に入力させることも可能である。
画像処理装置2は、画像生成装置1から供給される医用画像に対して各種画像処理を施すとともに、当該医用画像の画像解析を行って異常陰影候補の検出処理を行う。
プリンタ3は、画像処理装置2又は画像サーバ4から受信された医用画像のデータに基づいて、フィルム等の記録媒体に医用画像を出力する。
画像サーバ4は、画像DB4aを備え、この画像DB4aに、画像生成装置1により生成された医用画像(原画像)、画像処理装置2から受信された画像処理済みの医用画像(処理画像)を保存し、その入出力を管理する。
ビューア5は、診断用に医師により使用される出力手段であり、LCD(Liquid Crystal Display)等を備えて構成されている。ビューア5は、医師の操作指示に応じて、指定された医用画像を画像サーバ4から取得して表示する。或いは、画像処理装置2で検出された異常陰影候補の検出結果を受信して表示する。
次に、本発明に係る画像処理装置2について詳細に説明する。
図2に、画像処理装置2の内部構成を示す。
画像処理装置2は、制御部21、操作部22、表示部23、通信部24、記憶部25、画像処理部26、異常陰影候補検出部27を備えて構成されている。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等から構成され、CPUにより記憶部25から各種制御プログラムを読み出してRAMに展開する。そして、当該プログラムに従って処理の実行を統括的に制御し、各部の動作を集中制御する。例えば、本発明に係る表示対象判断処理プログラムに従って表示対象判断処理(後述する)を実行する。この制御部21と表示対象判断処理プログラムとの協働により、抽出手段を実現することができる。
操作部22は、キーボードやマウス等を備えて構成され、キー操作やマウス操作に対応する操作信号を生成して制御部21に出力する。
表示部23は、LCD等を備えて構成され、制御部21の指示に従って画像処理時の操作画面や処理後の医用画像等、各種表示を行う。
通信部24は、ルータやモデム等の通信用インターフェイスを備え、制御部21の指示に従って、通信ネットワークN上の外部装置と通信を行う。例えば、画像生成装置1から処理対象の医用画像を受信したり、処理済みの医用画像を画像サーバ4やプリンタ3に送信する。
記憶部25は、各種制御プログラムやプログラムの実行に必要なパラメータ、条件の情報或いは処理結果のデータを記憶している。
画像処理部26は、画像処理プログラムに従って医用画像に対し、階調変換処理、鮮鋭度調整処理等を実行する他、乳房画像の場合には左右の乳房の画像を隣り合わせに合成する位置合わせ処理等を実行する。
異常陰影候補検出部27は、医用画像を画像解析し、異常陰影の候補領域を検出する異常陰影候補検出手段である。異常陰影候補検出部27は、複数の検出アルゴリズムを有しており、これら複数の検出アルゴリズムを用いて検出処理を実行する。本実施形態では、フィルタバンクを用いた検出アルゴリズム、画像特徴量を用いた検出アルゴリズムの2つを有している例を説明する。具体的には、記憶部25に記憶されている各種アルゴリズムによる検出処理プログラムを読み出し、当該プログラムとの協働により検出処理を実行する。なお、検出方法の詳細については、後述する動作説明とともに説明する。
次に、本実施形態における医用画像処理システム100の動作について説明する。
最初に、医用画像の生成から保存までの流れを説明する。
まず、画像生成装置1において撮影が行われ、医用画像(ここでは、乳房画像の例を説明する)が生成される。そして、生成された乳房画像の関連情報として、患者の指名、年齢、性別等の患者に関する情報や、撮影時の管電圧、乳房の圧迫厚等の撮影情報、検査日時等の検査情報、画像の読取条件等の乳房画像生成に関する詳細情報等が乳房画像に付帯される。
付帯情報が付帯された乳房画像は、画像生成装置1から画像処理装置2に出力される。
画像処理装置2では、通信部24を介して入力された乳房画像が記憶部25に記憶され、その後画像処理部25により当該乳房画像に必要な画像処理が施される一方で、その乳房画像について異常陰影候補検出部27により異常陰影候補の検出処理が開始される。
異常陰影候補の検出処理は、2つの検出アルゴリズムを組み合わせて行われるが、その処理パターンとして、2つの検出アルゴリズムの組み合わせて検出過程を異なるものとした3態様があり、何れの処理パターンを適用するかは技師又は読影医が設定可能である。
処理パターンは第1〜第3のパターンがあり、第1の処理パターンは一の検出アルゴリズムにより検出処理を行った後、その検出処理により偽陽性と判別された領域を除く画像領域に対し、他の検出アルゴリズムにより検出処理を行うものである。また、第2の処理パターンは第1の処理パターンにおける各検出アルゴリズムの処理順番を逆にした点が異なるだけのものであり、第3の処理パターンは一の検出アルゴリズムと他の検出アルゴリズムの検出処理を並行して行い、何れかの検出アルゴリズムで検出されれば全て検出結果とするものである。
以下、第1の処理パターンについて図3を参照して説明した後、他の処理パターン(第2の処理パターン、第3の処理パターン)について説明する。
図3は、第1の処理パターンにおける異常陰影候補の検出処理の流れを示すフローチャートである。
図3に示すように、まず異常陰影候補検出部27において、記憶部24に保存された乳房画像が読み出され(ステップS1)、当該乳房画像に対して、検出アルゴリズムとしてフィルタバンクを用いた異常陰影候補検出処理(以下、処理1という)が行われる(ステップS2)。
ここで、円形又は線状パターンを検出対象とするフィルタバンクの検出アルゴリズムについて説明する(電子情報通信学会論文誌 D-II Vol.J87-D-II No.1 pp.186-196参照)。
図4に、ウェーブレット解析における多重解像度の概念を取り入れたフィルタバンクを示す。原画像をS0fとし、この解像度レベルをゼロとする。HL(zj),FL(zj)は解像度レベルjにおける低域通過フィルタ、HH(zj),FH(zj)は高域通過フィルタである。また、Sjf,Whjf,Wvjf,wdjfは、それぞれ解像度レベルjの平滑化部分画像、水平部分画像、垂直部分画像、対角部分画像である。フィルタバンクの帯域分割フィルタバンク側では低域側成分の分割を繰り返す。帯域合成フィルタバンク側では、逆にそれらを合成する。このフィルタバンクにおいて、各フィルタは格式(1)〜(4)で与えられる。
Figure 2006346094
Figure 2006346094
Figure 2006346094
Figure 2006346094
ここで、HH(z)は1階差分フィルタ、HH(z)FH(z)は2階差分フィルタであるから、解像度レベルjにおける水平部分画像、垂直部分画像は、解像度レベルj−1の平滑化部分画像に対してそれぞれ、垂直方向に2階差分フィルタを加えた画像、水平方向に2階差分フィルタを加えた画像に相当する。また、対角部分画像は、水平方向及び垂直方向に1階差分フィルタを加えた画像となる。すなわち、これらの部分画像は下記式(5)で示すヘッセ行列Hの各要素に相当する。
Figure 2006346094
解像度レベルjの水平部分画像、垂直部分画像、対角部分画像を各要素とするヘッセ行列の最小固有値を解像度レベルjの円形パターン強調画像λminj(x,y)として用いる(下記式(6))。
Figure 2006346094
また、ヘッセ行列の最大固有値を解像度レベルjの円形・線状パターン強調画像λmaxj(x,y)として用いる(下記式(7))。
Figure 2006346094
円形パターン強調画像λminj(x,y)、円形・線状パターンλmaxj(x,y)を用いることにより、異なる大きさの円形パターン及び円形・線状パターンの検出が可能となる。
図5を参照し、上記説明したフィルタバンクの検出アルゴリズムによる異常陰影候補の検出処理について説明する。
まず、検出対象の医用画像がフィルタバンクに入力される(ステップS21)。
次に、フィルタバンクにより得られた複数の解像度の画像から、ヘッセ行列の最大固有値及び最小固有値が算出される(ステップS22)。そして、異なる大きさの円形・線状パターン強調画像が作成され(ステップS23)、円形成分及び線状成分が抽出される。
次に、強調画像に関心領域(例えば、5mm×5mm)が設定され、その領域にある円形成分・線状成分の画像特徴量が算出される(ステップS24)。円形成分・線状成分の画像特徴量には、各成分の大きさ、各成分の分布等が含まれる。
そして、円形成分・線状成分の画等特徴量に基づいて、円形成分・線状成分が真陽性又は偽陽性の何れに該当するかが判別される(ステップS25)。
判別は、マハラノビス距離等の判別分析を用いることができる。これは、予め真陽性及び偽陽性と分かっている学習データを準備しておき、これら学習データの画像特徴量を元にマハラノビス距離を求め、真陽性と偽陽性の何れに特徴が近いかを判別するものである。判別結果が得られると、図3のステップS3の処理へ移行する。
ステップS3では、処理1における異常陰影候補の検出結果として、真陽性及び偽陽性と判別された候補領域の位置、面積等が算出され、記憶部25に記憶される。
次に、記憶部25から処理1で検出対象とした医用画像と同一の画像が読み出される(ステップS4)。また、記憶部25から処理1により検出された異常陰影候補の検出結果の情報が読み出され、当該読み出された検出結果(位置情報)に基づいて前記医用画像から処理1で偽陽性と判別された画像領域を除いた画像(これを前処理画像という)を生成する前処理が行われる(ステップS5)。具体的には、偽陽性と判別された画像領域の各画素に検出処理の処理対象から除外することを示すフラグを設定する等の処理を行う。
次に、生成された前処理画像を対象として、画像特徴量を用いた異常陰影候補検出処理(以下、処理2という)が行われる(ステップS6)。処理2は、画像に含まれる陰影領域の画像特徴量を算出し、算出された画像特徴量に基づいて陰影が真陽性か偽陽性かを判別して異常陰影候補の検出を行う検出アルゴリズムによる検出処理である。
図6を参照して、処理2の検出アルゴリズムによる検出処理の流れについて説明する。
まず、前処理画像から異常陰影の候補領域が特定される(ステップS31)。このときの方法としては、特開平10−91758号公報に開示されているアイリスフィルタを用いた手法や、ラプラシアンフィルタを用いた手法(電気情報通信学会論文誌(D-II),Vol.J76-D-II,no.2,pp.241-249,1993)、モルフォルジーフィルタ(電気情報通信学会論文誌(D-II),Vol.J71-D-II,no.7,pp.1170-1176,1992)、ラプラシアンフィルタ(電気情報通信学会論文誌(D-II),Vol.J71-D-II,no.10,pp.1994-2001,1998)、3重リングフィルタ等、病変種に応じて種々のアルゴリズムが開発されているので、何れのものを適用してもよい。ここでは、一例として、微小石灰化クラスタ陰影の候補領域を特定する際に用いられる3重リングフィルタについて説明する。
微小石灰化クラスタ陰影は、乳房画像上では略円錐形状の濃度変化を有する低濃度の微小石灰化部分が集まった(クラスタ化した)陰影として現れる。このような濃度特性に基づいて医用画像に対して正方形の領域を順次設定し、この領域(これを注目領域という)毎に、微小石灰化部分を検出するフィルタとして、特有のベクトルパターンを有する3重リングフィルタを適用して異常陰影候補領域の検出を行う。なお、この注目領域のサイズは、検出目的とする病変種に応じて設定すればよい。
3重リングフィルタは、濃度変化が理想的な円錐形状を示す場合の濃度勾配の強度成分及び方向成分が予め決定された3つのリングフィルタから構成される。まず、ある注目画素周辺において、各リングフィルタのそれぞれの領域上の画素値から濃度勾配の強度成分及び方向成分の代表値を求める。そして、その代表値と各リングフィルタに予め決定されている濃度勾配の強度成分及び方向成分との差に基づいて、円錐形状に近い濃度変化を有する画像領域を候補領域として検出する。
なお、前処理により偽陽性の領域として削除された領域については、フィルタが適用されず、候補領域の特定は行われない。
このようにして、候補領域が特定されると、当該特定された候補領域の画像特徴量が算出される(ステップS32)。画像特徴量には、候補領域の面積、円形度、不整形度、平均画素値、標準偏差、候補領域とそのコントラスト等が含まれる。
ここで、面積は特定された候補領域を構成する画素数で示される。
また、円形度は形状の複雑さを示す画像特徴量であって、候補領域の面積S、候補領域の輪郭線の長さ(周囲長)をLとして、下記式(8)で示される。
e=4πS/L2・・・(8)
或いは、候補領域の重心を中心んとした、候補領域の面積Sと同一免疫の円と候補領域とが重なった面積(重なり面積)をUとして、下記式(9)により示すこともできる。
e=U/S・・・(9)
円形度eは、円に近いほど大きくなり、その値は1に近づく。
不整形度fは、候補領域の周囲長をL、候補領域の周囲長を平滑化した後の周囲長をL′として、下記式(10)により示される。
f=L′/L・・・(10)
次に、算出された各画像特徴量に基づいて、処理2により検出された異常陰影候補が真陽性か偽陽性かが判別される(ステップS33)。判別は、例えば予め真陽性又は偽陽性の2つのグループに属する陰影画像の画像特徴量を学習データとして準備しておき、各グループの中心から、判別対象データ(算出された画像特徴量)までのマハラノビス距離を求め、真陽性又は偽陽性の何れのグループに近いかを判別することにより行うことができる。判別結果が得られると、図3に示すステップ7に移行する。
ステップS7では、処理2における検出結果として、異常陰影候補の位置情報、面積等の情報が記憶部25に記憶される(ステップS7)。
次いで、制御部21により記憶部25から処理パターン1による検出結果の情報とともに処理パターン1に対して設定されている抽出条件の情報が読み出される。なお、処理パターン1に対して設定されている抽出条件は、全ての異常陰影候補を抽出することである。すなわち、読み出された検出結果の情報に基づいて、検出された全ての異常陰影候補が表示対象の候補として抽出され、その検出情報が表示部23上に表示される(ステップS8)。検出情報とは、異常陰影候補の検出に関して医師に提供する情報をいい、例えば検出位置を指し示すマーカ画像や、検出対象とした病変種、面積等、異常陰影候補に関する事項を示す文字情報等が挙げられる。
以上が、第1の処理パターンにおける処理の流れであるが、第2の処理パターンは第1の処理パターンにおける処理1と処理2の順番が逆に入れ替えられただけであるので、第2の処理パターンについては、詳細な説明は省略する。第2の処理パターンにおける異常陰影候補の抽出条件も第1の処理パターンの条件と同一である。すなわち、処理2により偽陽性の領域が削除された前処理画像について処理1が実行され、処理1により真陽性と判別された異常陰影候補の全てについてその検出情報が表示されることとなる。
次に、第3の処理パターンに係る異常陰影候補検出処理について、図7を参照して説明する。
図7に示すように、まず異常陰影候補検出部27において、記憶部24に保存された乳房画像が読み出される(ステップT1)。次いで、この乳房画像に対し、処理1及び処理2による検出処理がそれぞれ独立して並行で行われ(ステップT21、T22)、各検出処理による検出結果がそれぞれ記憶部25に記憶される(ステップT31、T32)。なお、各処理1、2の内容については上述した通りであるので、ここでは説明を省略する。
次いで、制御部21において、処理1及び処理2による検出結果が記憶部25から読み出され、これら検出された異常陰影候補のうち、その検出情報を表示出力すべき異常陰影候補が抽出される(ステップT33)。
第1又は第2の処理パターンの場合、一の検出アルゴリズムで真陽性と判別された領域について他の検出アルゴリズムでもう一度検出処理を行い、他の検出アルゴリズムでもやはり真陽性であると判別された領域を最終的な検出結果として出力している。つまり、2段階で検出処理を行っているため、検出結果に含まれる異常陰影候補は真陽性である可能性は高いものと予想される。
一方、第3の処理パターンの場合、一の検出アルゴリズムと他の検出アルゴリズムとを別個に並行して行い、何れかの検出アルゴリズムで検出された異常陰影候補が最終的な検出結果として出力される。そのため、第1又は第2の処理パターンに比べ、その検出精度は低いと考えられ、その分検出結果には偽陽性候補が含まれている確率が高いと思われる。このような検出結果に基づいて第1の処理パターンと同様に検出された異常陰影候補の全てについてその検出情報を表示することとすると、表示部23におけるその表示数が増え、見づらい表示となってしまう。
よって、第3の処理パターンでは、検出された異常陰影候補のうち、表示対象とする候補を抽出することにより、その検出情報の表示数を減少させることとする。
ここで、検出情報を表示すべき異常陰影候補は、その異常陰影候補が真陽性又は偽陽性とも明確な判別がしづらく、医師の最終判断に委ねた方がよいものとし、そのような候補を抽出するよう抽出条件が設定されて記憶部25に記憶されているものとする。明らかに目視で真陽性と分かる陰影については特に画像処理装置2による検出情報の表示が無くとも、医師が発見することができる。そのため、医師によっては、そのような陰影についてではなく、むしろ真陽性か偽陽性かの判断が困難な陰影についての検出情報を参照したいという要望がある。よって、このような要望に応じて抽出条件を設定する。
また、その検出位置や画像上の視認性が低く、医師が発見しづらい異常陰影候補の検出情報は提供すべきであるのでこのような異常陰影候補を抽出することとしてもよい。
表示対象とすべき異常陰影候補の抽出は、画像特徴量を用いて行われる。
例えば、コントラストが小さい、面積が小さい場合は、真陽性か偽陽性かの判定が難しく、読影医による最終判断を必要とする場合が多い。また、視認性についても良好とは言い難く、医師が見落としやすい陰影となる。また、真陽性の異常陰影は、辺縁部の境界が不明瞭(不鮮明)となったり、辺縁部において微細なスジ状の形状を呈する、或いはスピキュラと呼ばれる歪(いびつ)な形状を有する場合があり、その辺縁の不整形度が増すが、逆に辺縁の不整形度が小さい場合には、真陽性かどうかの判断が難しくなる。また、腫瘤の場合、円形度が大きいほど、腫瘤である可能性が高くなるが、円形度が小さいと腫瘤(真陽性)か否かの判断がしづらくなる。
よって、これらの画像特徴量を判断要素として、真陽性か否かの判断が困難である、或いは視認性が低い異常陰影候補の判断を行う。
具体的には、候補領域において算出されたコントラスト、標準偏差、濃度平均値、曲率、面積、フラクタル次元、円形度、辺縁の不整形度等の各種画像特徴量に基づいて、多変量解析により真陽性の可能性を示す指標値が算出される。例えば、予め真陽性と分かっている陰影から算出した画像特徴量を学習データとしてニューラルネットワーク等の多変量解析による判定ロジックを構築しておき、この判定ロジックに判定対象の陰影候補から算出された各種画像特徴量を入力して当該陰影候補の真陽性の可能性を示す指標値を得る。
そして、この指標値と、偽陽性候補を検出するための閾値TH1、真陽性候補を検出するための閾値TH2とを比較した結果に応じて、検出された異常陰影候補において偽陽性候補及び真陽性候補を判断し、これらを除く他の異常陰影候補を表示すべき異常陰影候補として抽出する。
例えば、閾値TH1=0.25、TH2=0.85であるとし、TH1より低い指標値を有する候補を偽陽性候補、TH2より高い指標値を有する候補を真陽性候補と判断する条件の場合について説明する。検出時に出力された真陽性に対する指標値(これをSとする)が0〜1の値(0に近いほど真陽性である可能性が低く、1に近いほど真陽性である可能性が高い。)で出力されるとすると、検出候補のうち、指標値SがTH1<S<TH2である異常陰影候補が抽出される。
すなわち、抽出された候補は、検出処理によって検出された異常陰影候補の中から、偽陽性候補及び真陽性候補を除く候補、つまり真陽性か否かが疑わしく、医師の判断が必要な候補が抽出された候補となる。
さらに、画像端部に近い乳房領域に存在する異常陰影は、その端部という位置のために医師にとって見逃しやすいものとなる。よって、このような医師が発見しづらい位置にある異常陰影候補を表示対象に加えたい場合は、予め発見が困難な領域の境界として画像端からの距離を求めてこれを閾値TH3とし、検出された異常陰影候補のうち、閾値TH3を下回る(つまり、画像端に近い位置にある)異常陰影候補を表示すべき異常陰影候補として抽出することとしてもよい。
なお、上記偽陽性候補及び真陽性候補を判断するために用いられる閾値TH1、TH2は、読影毎に設定可能な構成とする。具体的には、操作部22を介して閾値TH1、TH2の設定情報を入力可能な構成としておき、当該閾値TH1、TH2の設定情報を各読影医に固有の読影医ID等と対応付けて記憶部25に格納しておく。そして、読影時に読影医ID等を入力させることにより、その読影医に対応する閾値TH1、TH2を制御部21が読み出し、上記処理に用いる。
例えば、なるべく偽陽性候補は表示させたくない医師であれば、閾値TH1を0.25から0.3に設定変更する等、医師の技量や読影スタイル等に応じて閾値TH1又はTH2を設定することにより、異常陰影候補の表示数を調整することができ、各読影医のスキル等に相応しい表示とすることができる。
以上のようにして、表示すべき異常陰影候補が抽出されると、当該抽出された異常陰影候補の検出情報が表示部23上に表示される(ステップT34)。
図8に、各処理パターン1〜3による異常陰影候補の検出情報の表示例を示す。
図8(a)は処理パターン1又は2の表示例を示す図であり、図8(b)は処理パターン3の表示例を示す図である。図8(a)、(b)では、乳房画像上に異常陰影候補の検出情報として、その検出位置を示すマーカ画像(図中の矢印)が表示されている。
処理パターン1又は2では、真陽性の可能性が高い候補のみが検出結果として出力されるため、図8(a)に示すように異常陰影の可能性が高い陰影に絞ってマーカを表示することができる。
一方、処理パターン3では、真陽性又は偽陽性の可能性が高い候補を削除した残りの候補のみが検出結果として出力されるため、形状や濃度等からは真陽性か偽陽性か判断が困難な陰影に絞ってマーカを表示することができる。
以上のように、本実施形態によれば、2つのの検出処理の組み合わせで処理パターン1〜3の異なる検出過程を経る場合に、その検出過程に応じて検出された異常陰影候補からその検出情報を表示すべき候補を抽出し、抽出された異常陰影候補についてのみ、検出情報を表示する。これにより、検出過程に応じて検出情報の表示数を制限して、読影しやすい表示形態とすることができ、医師の読影効率を向上させることができる。
また、真陽性候補の検出率が高い処理パターン1又は2の場合は全ての異常陰影候補を抽出し、偽陽性候補の検出率が高い処理パターン3の場合は偽陽性か真陽性かの判断が困難な候補又は視認性が低く、医師が発見しづらい候補を抽出する。このように検出過程により生じる検出率の違いに応じて、その異常陰影候補の検出情報の表示数を可変させるので、表示数が減少するように調整することができる。
〈第2実施形態〉
第2実施形態では、検出目的とする病変種に対応した複数の検出アルゴリズムを有し、検出する病変種に応じた検出アルゴリズムを用いて異常陰影候補の検出を行う際に、用いる検出アルゴリズムによる異なる検出過程に応じて表示対象の異常陰影候補を抽出し、抽出された異常陰影候補の検出情報を表示出力する例を説明する。
第2実施形態における医用画像処理システムは、第1実施形態に示す医用画像処理システム100と同一構成であり、画像処理装置2における機能及び処理動作が異なるのみである。よって、第1実施形態と同一の符号を付し、画像処理装置2における異なる機能部分及び処理動作の説明のみ行う。
第2実施形態において、画像処理装置2の記憶部25には、検出目的とする病変種に応じた検出アルゴリズムによる検出処理プログラムが格納されている。本実施形態では、乳房における病変である腫瘤、微小石灰化クラスタの2種類に対応した検出アルゴリズムのプログラムが格納されていることとする。
次に、第2実施形態における画像処理装置2の異常陰影候補の検出処理について、図9を参照して説明する。
図9に示す異常陰影候補の検出処理では、まず異常陰影候補検出部27により記憶部25から処理対象の医用画像が読み出される(ステップE1)。次いで、検出対象の病変種を選択するための選択画面が表示部23に表示され、腫瘤又は微小石灰化クラスタのうち、何れの病変種の異常陰影を検出対象とするかを選択操作するようガイダンスが行われる。
そして、この選択画面において操作部22を介して医師により何れか一方の病変種の選択操作がなされると(ステップE2)、微小石灰化クラスタが選択操作された場合は(ステップE2;クラスタ)、ステップE3の処理へ移行し、腫瘤が選択操作された場合は(ステップE2;腫瘤)、ステップE6の処理へ移行する。
まず、微小石灰化クラスタが選択された場合について説明する。
ステップE3では、異常陰影候補検出部27において微小石灰化クラスタに応じた検出処理プログラムが記憶部25から読み出され、当該プログラムとの協働により異常陰影候補の検出処理が行われる。すなわち、微小石灰化クラスタの検出に応じた検出アルゴリズムにより検出が行われる。
微小石灰化クラスタの検出アルゴリズムでは、第1実施形態で説明した3重リングフィルタ等により候補領域を特定した後、特徴量を用いた検出処理(処理2)を行う検出過程を経る。各処理内容については第1実施形態で説明した通りであるので、ここでは説明を省略する。
そして、全ての検出過程を終了すると、微小石灰化クラスタの検出結果として、検出された異常陰影候補の位置情報、面積等の情報が記憶部25に保存される(ステップE4)。次いで、制御部21により記憶部25から検出結果の情報が読み出されるとともに、微小石灰化クラスタの検出過程に対して予め設定されている異常陰影候補の抽出条件が読み出される。なお、微小石灰化クラスタの検出過程について設定されている抽出条件は、全ての異常陰影候補を抽出することである。すなわち、読み出された検出結果の情報に基づいて、検出された全ての異常陰影候補が表示対象の候補として抽出され、検出された全ての異常陰影候補についてその検出情報が表示部23上に表示される(ステップE5)。
次に、腫瘤が選択された場合について説明する。
ステップE6では、異常陰影候補検出部27において腫瘤に応じた検出処理プログラムが記憶部25から読み出され、当該プログラムとの協働により異常陰影候補の検出処理が行われる。すなわち、腫瘤の検出に応じた検出アルゴリズムにより検出が行われる。
腫瘤の検出アルゴリズムでは、フィルタバンクを用いた処理1を行う検出過程を経る。
そして、全ての検出過程を終了すると、腫瘤の検出結果として、検出された異常陰影候補の位置情報、面積等の情報が記憶部25に保存される(ステップE7)。次いで、制御部21により記憶部25から検出結果の情報が読み出される。そして、検出された異常陰影候補のうち、その検出情報を表示すべき候補が抽出される(ステップE8)。
微小石灰化クラスタの場合、その陰影は逆円錐構造の濃度変化を持った微小な白い点が集まって(クラスタ化して)画像上に現れる。そのため、検出された異常陰影候補の検出情報としては、微小な陰影がクラスタ化している部分を囲むフレームのマーカ画像を出力することとなる。つまり、偽陽性候補数が多い場合はその集合領域が大きくなるが、陰影は微小な点であるためその変化量は小さい。よって、異常陰影候補の検出数が多くても、フレームの大きさが変化するだけであり、それほど視認性に影響はない。
しかし、腫瘤の場合、マーカは矢印等、検出された腫瘤の1候補づつを指し示すようなものが用いられるため、検出候補数が多いとその分表示領域を占めることとなるため、読影の妨げとなる場合がある。よって、腫瘤の検出結果については、検出された異常陰影候補のうち、表示対象とする候補を抽出することにより、その検出情報の表示数を減少させることとする。
腫瘤の場合、明らかに真陽性である陰影は目視により医師が確認することが可能である。よって、第1実施形態と同様に、真陽性又は偽陽性とも明確な判別がしづらく、医師の最終判断に委ねた方がよい異常陰影候補、或いはその検出位置や画像上の視認性が低く、医師が発見しづらい異常陰影候補を制御部21において抽出することとする。なお、抽出方法については、第1実施形態と同一であるので、ここでは説明を省略する。
以上のようにして、表示すべき異常陰影候補が抽出されると、当該抽出された異常陰影候補の検出情報が表示部23上に表示される(ステップE8)。
図10に、異常陰影候補の検出情報の表示例を示す。
図10(a)は微小石灰化クラスタ候補の表示例を示す図であり、図10(b)は腫瘤候補の表示例を示す図である。微小石灰化クラスタの場合、点状に現れる微小な石灰化部分の陰影の集合を医師が特定できるように、図10(a)に示すように、その候補が寄り集まる部分を囲むフレームのマーカが使用される。なお、図10(a)では、便宜上微小石灰化クラスタの陰影を黒い点で示しているが、実際には低濃度な白っぽい陰影として現れる。一方、腫瘤は3mm〜5mmと有る程度の大きさをもって画像上に現れるので、腫瘤候補のマーカとしては、図10(b)に示すように検出位置を指し示す矢印が用いられている。
微小石灰化クラスタは、偽陽性候補が多く検出された場合でも真陽性の候補の周辺で検出される可能性が高く、偽陽性候補が多くてもその石灰化部分が集合している領域がわずかに変動するのみであると考えられる。よって、検出された全ての候補について検出情報を表示したとしても、図10(a)に示すようにマーカであるフレームのサイズが変化するのみであり、フレーム数が極端に増えるわけではなく、医用画像を読影するにあたって検出情報の表示が妨げになることは少ない。
一方、腫瘤は、1候補について1マーカが表示されるため、偽陽性候補の数が多いと、医用画像上を占める検出情報のマーカ数が多くなり、見づらい表示形態となってしまう。よって、形状や濃度等からは真陽性か偽陽性か判断が困難な陰影に絞ってマーカを表示し、その表示数を減少させることにより、読影しやすい表示形態とすることができる。
なお、図10(a)に示す微小石灰化クラスタの表示と、図10(b)に示す腫瘤の表示とを医師の操作に応じて切り替え表示可能としてもよいし、同一乳房画像上に表示することしてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、検出目的に応じて異なる検出過程を経る場合に、その検出過程に応じて検出された異常陰影候補からその検出情報を表示すべき候補を抽出し、抽出された異常陰影候補についてのみ、検出情報を表示する。これにより、検出過程に応じて検出情報の表示数を制限して、読影しやすい表示形態とすることができ、医師の読影効率を向上させることができる。
また、検出情報としてフレームで検出された候補の集合部分を囲む微小石灰化クラスタの場合は検出された候補の全てを抽出し、矢印で個々の候補の検出位置を指し示す腫瘤の場合は、偽陽性か真陽性かの判断が困難な候補又は視認性が低く、医師が発見しづらい候補を抽出する。このように検出過程により生じる検出率の違いに応じて、その異常陰影候補の検出情報の表示数を可変させるので、表示数が減少するように調整することができる。
なお、第1及び第2実施形態では、画像処理装置2において、異常陰影候補の検出、表示対象候補の抽出等、本発明に係る機能を実現することとしたが、これに限らずビューア5等、医用画像処理装置100の各構成装置において上記機能のそれぞれを実現させることとしてもよいし、新たにそれらの機能を有する専用装置を設けることとしてもよい。
また、異常陰影候補の検出情報をビューア5により表示出力する例を説明したが、これに限らず、プリンタ3によりフィルム出力する場合も本発明を適用可能である。
本実施形態における医用画像処理システムのシステム構成を示す図である。 図1の画像処理装置の内部構成を示す図である。 第1の実施形態における異常陰影候補の検出処理(一の処理パターン)の流れを説明するフローチャートである。 フィルタバンクによる検出アルゴリズムを説明する図である。 フィルタバンクを用いた異常陰影候補の検出処理の流れを説明するフローチャートを説明する図である。 特徴量を用いた異常陰影候補の検出処理の流れを説明するフローチャートを説明する図である。 画像処理装置により実行される異常陰影候補の検出処理(他の処理パターン)の流れを説明するフローチャートである。 各処理パターンによる異常陰影候補の検出情報の表示例を示す図である。 第2の実施形態における異常陰影候補の検出処理の流れを説明するフローチャートである。 検出目的の病変種に応じて行われた検出処理による異常陰影候補の検出情報の表示例を示す図である。
符号の説明
100 医用画像処理システム
1 画像生成装置
2 画像処理装置
21 制御部
22 操作部
23 表示部
25 記憶部
27 異常陰影候補検出部
3 プリンタ
4 画像サーバ
5 ビューア

Claims (4)

  1. 異なる検出アルゴリズムを複数有する異常陰影候補検出手段により、この複数の検出アルゴリズムによって医用画像から異常陰影候補を検出する検出工程と、
    前記検出工程における検出過程に対して予め定められた異常陰影候補の抽出条件に従って、前記検出された異常陰影候補のうち、検出情報を示すべき異常陰影候補を抽出する抽出工程と、
    前記抽出された異常陰影候補の検出情報を出力する出力工程と、
    を含むことを特徴とする検出情報の出力方法。
  2. 前記抽出条件は、前記複数の異なる検出アルゴリズムによる検出処理が行われる過程に応じて定められており、
    前記検出工程では、前記複数の異なる検出アルゴリズムによる検出処理を組み合わせて検出を行い、
    前記抽出工程では、前記検出工程における各検出アルゴリズムの検出処理が行われる過程に応じた抽出条件により、検出情報を出力すべき異常陰影候補を抽出することを特徴とする請求項1に記載の検出情報の出力方法。
  3. 前記検出アルゴリズムは、検出対象の病変種に応じて複数準備されるとともに、前記抽出条件は、各病変種の検出アルゴリズムの検出処理の過程に応じて定められており、
    前記検出工程では、検出対象の病変種に応じた検出アルゴリズムにより検出処理を行い、
    前記抽出工程では、前記検出工程において行われた検出アルゴリズムの検出処理過程に応じた抽出条件により、検出情報を示すべき異常陰影候補を抽出することを特徴とする請求項1に記載の検出情報の出力方法。
  4. 異なる検出アルゴリズムを複数有し、この複数の検出アルゴリズムにより医用画像から異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段と、
    検出過程に対して予め定められた異常陰影候補の抽出条件に従って、前記検出された異常陰影候補のうち、検出情報を示すべき異常陰影候補を抽出する抽出手段と、
    前記抽出された異常陰影候補の検出情報を出力する出力手段と、
    を備えることを特徴とする医用画像処理システム。
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