JP2001346787A - 異常陰影候補検出方法および検出システム - Google Patents

異常陰影候補検出方法および検出システム

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JP2001346787A
JP2001346787A JP2000172245A JP2000172245A JP2001346787A JP 2001346787 A JP2001346787 A JP 2001346787A JP 2000172245 A JP2000172245 A JP 2000172245A JP 2000172245 A JP2000172245 A JP 2000172245A JP 2001346787 A JP2001346787 A JP 2001346787A
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Shigeru Saotome
滋 早乙女
Kazuo Shimura
一男 志村
Takeshi Okubo
猛 大久保
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異常陰影候補検出システムにおいて、検出処
理時間の短縮を図る。 【解決手段】 画像表示手段6に表示されたマンモグラ
フィPのうち、異常陰影候補の検出処理を行おうとする
一部の領域を指定する領域指定手段2と、この領域指定
手段2により領域指定された指定領域についてのみ異常
陰影候補の検出処理を行う異常陰影候補検出手段1とを
備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異常陰影候補検出
方法および異常陰影候補検出システムに関し、詳細に
は、異常陰影候補の検出処理時間の改良に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より医療現場においては、患者の放
射線画像を撮影し、得られた放射線画像が記録されたフ
イルムをシャーカステンに掛けて読影し、疾患や疾病、
負傷の状態などの診断に供している。そして近年は、放
射線画像を直接フイルムに露光するのではなく、一旦、
放射線画像を蓄積記憶する蓄積性蛍光体シート(放射線
画像変換パネル)に記憶させ、これに励起光を照射して
蓄積記憶されている放射線画像に応じた光量で発光する
輝尽発光光をデジタル的に読み取ってデジタル画像信号
を得、その後にこのデジタル画像信号を可視画像として
フイルム等の記録媒体にプリントしたり、CRT等の画
像表示装置に表示するなどによって再生することが行わ
れるようになっている(放射線画像記録読取システム
(コンピューテッド・ラジオグラフィ);特開昭55-124
29号、同56-11395号、同56-11397号など)。
【0003】このような放射線画像記録読取システムに
よれば、デジタル画像信号に対して種々の信号処理を施
すことによって、出力される可視画像の階調特性や周波
数特性を、従来よりも読影に適したものとすることがで
き、画像による診断性能を向上させることができる。
【0004】また得られたデジタル画像信号を、コンピ
ュータを用いて解析し、画像中に現れた腫瘤陰影や微小
石灰化陰影等の異常陰影を自動的に検出することによ
り、画像読影者の読影熟達度が低い場合にも一定の検出
レベルを確保し、診断に役立てるシステムも開発されて
いる(異常陰影候補検出システム;特開平8-294479号
等)。
【0005】このシステムは、主として乳癌検診で得ら
れた乳房のデジタル画像信号(マンモグラフィ)の濃度
(信号値)勾配ベクトルの集中度を評価することにより
画像中の腫瘤陰影の候補を自動的に検出したり、デジタ
ル画像信号にモフォロジー演算(ダイレーション処理,
イロージョン処理,オープニング処理,クロージング処
理等)を施すことにより微小石灰化陰影の候補を自動的
に検出するなどのアルゴリズムによって、腫瘤陰影や微
小石灰化等の異常陰影の候補を検出するものであり、こ
のシステムで検出された異常陰影候補を、マンモグラフ
ィ上で、例えば矩形のROI(関心領域)枠でマーキン
グするなどしてCRTや液晶表示装置等に表示したり、
診断用のフイルムにプリントすることにより診断に供す
ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述したよう
に異常陰影候補検出システムは、得られた画像に基づい
て異常陰影候補を自動的に検出することにより、画像読
影者の画像読影能力の熟達度に拘わらず、異常陰影候補
を一定の検出レベルで検出することができるため、異常
陰影候補の見逃しを抑制する上で非常に有効なシステム
であるが、画像全体を1画素ごとに演算処理するため、
非常に処理時間がかかるという問題がある。特に、異常
陰影候補の存在部位についてある程度の予測がある場合
や過去に取得された画像等他の画像において異常陰影候
補が特定の部位において検出されていた場合などにおい
て、とりあえずそれらの部位について、異常陰影候補が
存在するか否か、または当該部位における異常陰影候補
としての適格性を示す指標値(最終的に異常陰影候補と
して検出されたか否かに拘わらず、異常陰影候補を検出
するために行なった演算処理の結果値)はどの程度か、
を知得したい場合に、画像全体についての検出処理が完
了するまで待つのは迅速な診断を行う上で障害となる。
【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、画像中の一部の領域についてのみ関心がある場合
に、異常陰影候補の検出処理時間を短縮することができ
る異常陰影候補の検出方法および検出システムを提供す
ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の異常陰影候補検
出方法および異常陰影候補検出システムは、画像中の一
部の領域のみについて異常陰影候補の検出を行なうこと
により、当該領域についてのみ関心がある場合に、画像
全体について処理する必要がないため、検出処理時間の
短縮化を図ることができる。
【0009】すなわち本発明の異常陰影候補検出方法
は、被写体の画像に基づいて、該画像中の異常陰影候補
を検出する異常陰影候補検出方法において、前記画像中
の一部の領域についてのみ、前記異常陰影候補の検出を
行うことを特徴とするものである。
【0010】ここで上記一部の領域は、医師等画像読影
者により手動で指定されたものであってもよいし、同一
被写体について取得された他の画像において異常陰影候
補が既に検出された領域に対応するものとして自動的に
設定されたものであってもよい。
【0011】一部の領域を指定によって特定する場合、
その指定する領域としては、例えば医師等による被写体
に対する触診の結果に基づいて指定された領域等を適用
するのが好ましいが、患者が症状を訴えている部位(領
域)であってもよい。
【0012】また上記一部の領域の指定に先立って、被
写体の画像を画像表示手段等に表示し、この表示された
画像において、医師等が指定するのが、指定する領域を
明確にする上で好ましい。
【0013】なお被写体の画像としては、乳癌検診にお
いて撮影された乳房放射線画像であるマンモグラフィを
適用するのが、実用上の効果が高いので好ましいが、必
ずしもマンモグラフィに限定されるものではない。
【0014】上記一部の領域を、他の画像における異常
陰影候補の検出結果を反映させて設定する場合は、当該
他の画像において異常陰影候補が既に検出された領域に
対応する領域を、上記一部の領域として設定すればよ
く、そのような他の画像としては、同一被写体について
以前(過去)に取得された画像、同一被写体について、
本画像(本発明の異常陰影候補検出処理の対象である画
像をいう。以下、同じ)とは異なる種類の取得方法によ
って取得された画像、同一被写体について、本画像とは
異なる撮影方向から撮影して得られた画像などを適用す
るのが好ましい。
【0015】ここで、異なる種類の取得方法によって取
得された画像とは、本画像が例えば単純放射線画像であ
る場合に、CTやMRI等によって得られた画像などの
ように、画像生成モダリティの種類が異なる画像等を意
味するものである。また、異なる撮影方向から撮影して
得られた画像とは、本画像が正面画像(体の前後方向か
ら撮影して得られた画像または乳房放射線画像(マンモ
グラフィ)にあっては、上下方向から乳房を圧迫して当
該上下方向から撮影して得られた画像をいう)である場
合に、側方向から撮影して得られた画像などを意味する
ものである。
【0016】なおこのように、本画像における異常陰影
候補の検出処理対象となる一部の領域を、他の画像にお
ける異常陰影候補の検出結果に依存させて設定する場合
には、例えばマンモグラフィにおいてはニップルや胸壁
など、画像の基準となる部分の位置関係に基づいて当該
他の画像と本画像との位置関係を対応付ける処理を施し
て、両画像若しくは3以上の画像を位置合わせしたうえ
で行なうのが好ましい。
【0017】また本発明の異常陰影候補検出方法におい
ては、異常陰影候補の検出処理を、上述したような画像
の一部の領域についてのみ行なうモードと、画像全体に
ついて行なうモードとを選択的に切換え可能としておく
のが好適である。読影者の目的に適宜対応することがで
きるからである。
【0018】異常陰影候補の検出方法としては例えば、
前述した異常陰影候補検出システム(特開平8-294479号
等)による検出方法を適用するのが好ましい。この異常
陰影候補検出方法は、画像を表すデジタル画像信号の濃
度(信号値)勾配ベクトルの集中度を評価するアイリス
フィルター処理により画像中の腫瘤陰影の候補(異常陰
影候補の一態様)を自動的に検出したり、デジタル画像
信号にモフォロジー演算(ダイレーション処理,イロー
ジョン処理,オープニング処理,クロージング処理等)
を施すことにより微小石灰化陰影の候補(異常陰影候補
の一態様)を自動的に検出するなどのアルゴリズムであ
り、濃度勾配ベクトルの集中度の評価の際に予め設定さ
れた閾値(後述するアイリスフィルター処理の出力値I
を比較対照する閾値T1など)と比較対照することによ
り腫瘤陰影候補を検出することができ、またモフォロジ
ー演算処理後における悪性度評価の際に予め設定された
閾値(後述する式(17)におけるモフォロジー演算処理
の出力値P(i,j),Mgradを比較対照する閾値T
2,T3など)と比較対照することにより微小石灰化陰
影候補を検出することができる。なお、この異常陰影候
補検出方法を適用した場合、アイリスフィルター処理の
出力値Iや、モフォロジー演算処理の出力値P(i,
j),Mgrad等の、異常陰影候補(最終的に異常陰影候
補として検出されたか否かに拘わらず)としての適格性
を示す指標値を、当該指定領域についての異常陰影候補
検出の結果として表してもよい。すなわち上述した閾値
処理を行った結果、最終的に異常陰影候補が検出されな
いこととなった場合においても、当該指標値を表すこと
によって、当該領域において検出される候補となった異
常陰影候補が存在していたか否かまたはその評価を、医
師等の画像読影者に知らしめることができ、当該領域に
ついて指定を行った医師等による診断に役立つからであ
る。
【0019】アイリスフィルター処理は、東京農工大の
小畑らが「DR画像における腫瘤影検出(アイリスフィ
ルター)」(電子情報通信学会論文誌 D-II Vol.J75-D-
II No.3 P663〜670 1992年3月)として発表しているよ
うに、特に乳癌における特徴的形態の一つである腫瘤陰
影の候補を検出するのに有効な手法として研究されてい
るが、対象画像としては、このようなマンモグラフィに
おける腫瘤陰影に限るものではなく、その画像を表す画
像信号(濃度等)の勾配が集中しているものについて
は、いかなる画像部分に対しても適用することができる
検出処理である。
【0020】以下、このアイリスフィルターによる腫瘤
陰影候補の検出処理の概要について説明する。
【0021】例えばX線フイルム上における放射線画像
(高濃度高信号レベルの画像信号で表される画像)にお
いては、一般に腫瘤陰影は周囲の画像部分に比べて濃度
値がわずかに低いことが知られており、その濃度値の分
布は概略円形の周縁部から中心部に向かうにしたがって
濃度値が低くなるという濃度値の勾配を有している。し
たがって腫瘤陰影においては、局所的な濃度値の勾配が
認められ、その勾配線は腫瘤の中心方向に集中する。
【0022】アイリスフィルターは、この濃度値に代表
される画像信号の勾配を勾配ベクトルとして算出し、そ
の勾配ベクトルの集中度を出力するものであり、アイリ
スフィルター処理とはこの勾配ベクトルの集中度を基に
して腫瘤陰影の候補を検出するものである。
【0023】すなわち例えば図7(1)に示すようなマ
ンモグラフィPにおいて腫瘤陰影PJ 内の任意の画素に
おける勾配ベクトルは同図(2)に示すように腫瘤陰影
の中心付近を向くが、血管陰影や乳腺等のように細長い
陰影PK では同図(3)に示すように勾配ベクトルが特
定の点に集中することはないため、局所的に勾配ベクト
ルの向きの分布を評価し、特定の点に集中している領域
を抽出すれば、それが腫瘤陰影と考えられる候補とな
る。なお、同図(4)に示すような乳腺等の細長い陰影
同士が交差した陰影PL については勾配ベクトルが特定
の点に集中する傾向があり疑似的に異常陰影の候補とし
て誤検出されうる。以上がアイリスフィルター処理の基
本的な考え方である。以下に具体的なアルゴリズムのス
テップを示す。
【0024】(ステップ1)勾配ベクトルの計算 対象となる画像を構成する全ての画素について、各画素
jごとに、下記式(1)に示す計算式に基づいた画像デ
ータの勾配ベクトルの向きθを求める。
【0025】
【数1】 ここでf〜f16は、図8に示すように、その画素
jを中心とした縦5画素×横5画素のマスクの外周上の
画素に対応した画素値(画像データ)である。
【0026】(ステップ2)勾配ベクトルの集中度の算
出 次に、対象となる画像を構成する全ての画素について、
各画素ごとに、その画素を注目画素とする勾配ベクトル
の集中度Cを次式(2)にしたがって算出する。
【0027】
【数2】 ここでNは注目画素を中心に半径Rの円内に存在する画
素の数、θj は、注目画素とその円内の各画素jとを結
ぶ直線と、その各画素jにおける上記式(1)で算出さ
れた勾配ベクトルとがなす角である(図9参照)。した
がって上記式(2)で表される集中度Cが大きな値とな
るのは、各画素jの勾配ベクトルの向きが注目画素に集
中する場合である。
【0028】ところで、腫瘤陰影近傍の各画素jの勾配
ベクトルは、腫瘤陰影のコントラストの大小に拘らず、
略その腫瘤陰影の中心部を向くため、上記集中度Cが大
きな値を採る注目画素は、腫瘤陰影の中心部の画素とい
うことができる。一方、血管などの線状パターンの陰影
は勾配ベクトルの向きが一定方向に偏るため集中度Cの
値は小さい。したがって、画像を構成する全ての画素に
ついてそれぞれ注目画素に対する上記集中度Cの値を算
出し、その集中度Cの値が予め設定された閾値を上回る
か否かを評価することによって、腫瘤陰影を検出するこ
とができる。すなわち、このフィルターは通常の差分フ
ィルターに比べて、血管や乳腺等の影響を受けにくく、
腫瘤陰影を効率よく検出できる特長を有している。
【0029】さらに実際の処理においては、腫瘤の大き
さや形状に左右されない検出力を達成するために、フィ
ルターの大きさと形状とを適応的に変化させる工夫がな
される。図8に、そのフィルターを示す。このフィルタ
ーは、図9に示すものと異なり、注目画素を中心に2π
/M度毎のM種類の方向(図10においては、11.25 度ご
との32方向を例示)の放射状の線上の画素のみで上記集
中度の評価を行うものである。
【0030】ここでi番目の線上にあって、かつ注目画
素からn番目の画素の座標([x],[y])は、注目
画素の座標を(k,l)とすれば、以下の式(3),
(4)で与えられる。
【0031】
【数3】 ただし、[x],[y]は、x,yを越えない最大の整
数である。
【0032】さらに、その放射状の線上の各線ごとに最
大の集中度が得られる画素までの出力値をその方向につ
いての集中度Cimaxとし、その集中度Cimaxをすべての
方向で平均して、その注目画素についての勾配ベクトル
群の集中度Cとする。
【0033】具体的には、まずi番目の放射状の線上に
おいて注目画素からn番目の画素までで得られる集中度
Ci (n)を下記式(5)により求める。
【0034】
【数4】 すなわち式(5)は、注目画素を起点として、終点をR
min からRmax までの範囲内で集中度Ci (n)を算出
するものである。ここでRmin とRmax とは、抽出しよ
うとする腫瘤陰影の半径の最小値と最大値である。
【0035】次に、勾配ベクトル群の集中度Cを下記式
(6)および(7)により計算する。
【0036】
【数5】 ここで式(6)のCimaxは、式(5)で得られた放射状
の線ごとの集中度Ci(n)の最大値であるから、注目
画素からその集中度Ci (n)が最大値となる画素まで
の領域が、その線の方向における腫瘤陰影の候補領域と
なる。
【0037】すべての放射状の線について式(6)を計
算してその各線上における腫瘤陰影の領域を求め、この
各線上における腫瘤陰影の領域を隣接する線間で直線ま
たは非線形曲線で結ぶことにより、腫瘤陰影の候補とな
り得る領域の外周縁の形状を特定することができる。
【0038】そして、式(7)では、この領域内の式
(6)で与えられた集中度の最大値Cimaxを放射状の線
の全方向(式(7)では32方向の場合を例示)について
平均した値を求める。この求められた値がアイリスフィ
ルター処理の出力値I(腫瘤陰影候補としての適格性を
示す指標値)であり、この出力値Iを、腫瘤陰影である
か否かを判別するのに適した予め設定した一定の閾値T
1と比較し、I≧T1(若しくはI>T1)であればこ
の注目画素を中心とする領域が異常陰影候補(腫瘤陰影
候補)であり、I<T1(若しくはI≦T1)であれば
腫瘤陰影候補ではない、と判定する。
【0039】なお、式(7)の勾配ベクトル群の集中度
Cを評価する領域が勾配ベクトルの分布に応じて大きさ
と形状が適応的に変化する様子が、外界の明るさに応じ
て拡大、縮小する人間の目の虹彩(iris)が様子に似て
いることから、勾配ベクトルの集中度を利用した腫瘤陰
影の候補領域を検出する上述の手法はアイリスフィルタ
ー(iris filter )処理と称されている。
【0040】また、前述の集中度Ci (n)の計算は式
(5)の代わりに、下記式(5′)を用いてもよい。
【0041】
【数6】 すなわち式(5′)は、抽出しようとする腫瘤陰影の半
径の最小値Rmin に対応した画素を起点として、終点を
Rmin からRmax までの範囲内で集中度Ci (n)を算
出するものである。
【0042】上述のステップにより、アイリスフィルタ
ーは放射線画像から所望とする大きさの腫瘤陰影だけを
効果的に検出することができる。
【0043】ところで一般に、悪性腫瘤の陰影は、 1)辺縁が不整である 2)概円形に近い形をしている 3)内部は凸凹した濃度分布を有する という形態的な特徴を有している。
【0044】そこで、より確定的な診断のために、上述
したアイリスフィルター出力値Iと閾値T1との比較処
理によって得られた異常陰影候補についての画像信号に
対して、これらの特徴を考慮した形状判定をさらに行う
ようにしてもよい。ここで用いる特徴量としては、広が
り度(Spreadness)、細長さ(Elongation)、辺縁の粗
さ(Roughness )、円形度(Circularity )および内部
の凸凹度(Entropy )であり、この特徴量を、予め設定
した他の所定の閾値T2と比較することにより、腫瘤陰
影の候補であるか否かの最終的な判定を行なえばよい。
なお、この形態的な特徴に基づく検出処理等の追加的な
検出処理は、アイリスフィルター処理そのものではない
が、アイリスフィルター処理による異常陰影候補検出処
理に付加的に適用して異常陰影候補を検出する処理であ
るため、以下、これらの追加的な検出処理もアイリスフ
ィルター処理に含めて、「アイリスフィルター処理に基
づく処理」と称するものとする。
【0045】一方、モフォロジー演算処理は、腫瘤陰影
とともに乳癌における特徴的形態である微小石灰化像の
候補を検出する手法であり、マルチスケールλと構造要
素(マスク)Bとを用い、(1)石灰化像そのものの抽
出に有効であること、(2)複雑なバックグラウンド情
報に影響されにくいこと、(3)抽出した石灰化像がひ
ずまないこと、などの特徴がある。すなわち、この手法
は一般の微分処理に比べて、石灰化像のサイズ・形状・
濃度分布などの幾何学的情報をより良く保った検出が可
能である。以下にその概要を述べる。
【0046】(モフォロジーの基本演算)モフォロジー
演算処理は一般的にはN次元空間における集合論として
展開されるが、直感的な理解のために2次元の濃淡画像
を対象として説明する。
【0047】濃淡画像を座標(x,y)の点が濃度値f
(x,y)に相当する高さをもつ空間とみなす。ここ
で、濃度値f(x,y)は、濃度が低い(CRTに表示
した場合には輝度が高い)ほど大きな画像信号となる高
輝度高信号レベルの信号とする。
【0048】まず、簡単のために、その断面に相当する
1次元の関数f(x)を考える。モフォロジー演算処理
に用いる構造要素gは次式(8)に示すように、原点に
ついて対称な対称関数
【数7】 であり、定義域内で値が0で、その定義域が下記式
(9)であるとする。
【0049】
【数8】 このとき、モフォロジー演算の基本形は式(10)〜(1
3)に示すように、非常に簡単な演算となる。
【0050】
【数9】 すなわち、ダイレーション(dilation)処理は、注目画
素を中心とした、±m(構造要素Bに応じて決定される
値)の幅の中の最大値を検索する処理であり(図11
(A)参照)、一方、イロージョン(erosion )処理
は、注目画素を中心とした、±mの幅の中の最小値を検
索する処理である(図11(B)参照)。また、オープニ
ング(opening )処理は最小値探索の後に、最大値を探
索することに相当し、クロージング(closing )処理は
最大値探索の後に、最小値を探索することに相当する。
オープニング処理は低輝度側から濃度曲線f(x)を滑
らかにし、マスクサイズ2mより空間的に狭い範囲で変
動する凸状の濃度変動部分(周囲部分よりも輝度が高い
部分)を取り除くことに相当する(図11(C)参照)。
一方、クロージング処理は、高輝度側から濃度曲線f
(x)を滑らかにし、マスクサイズ2mより空間的に狭
い範囲で変動す凹状の濃度変動部分(周囲部分よりも輝
度が低い部分)を取り除くことに相当する(図11(D)
参照)。
【0051】ここで、濃度の高いもの程大きな値となる
高濃度高信号レベルの信号の場合においては、濃度値f
(x)の画像信号値が高輝度高信号レベルの場合に対し
て大小関係が逆転するため、高濃度高信号レベルの信号
におけるダイレーション処理は、高輝度高信号レベルに
おけるイロージョン処理(図11(B))と一致し、高濃
度高信号レベルの信号におけるイロージョン処理は、高
輝度高信号レベルにおけるダイレーション処理(図11
(A))と一致し、高濃度高信号レベルの信号における
オープニング処理は、高輝度高信号レベルにおけるクロ
ージング処理(図11(D))と一致し、高濃度高信号レ
ベルの信号におけるクロージング処理は、高輝度高信号
レベルにおけるオープニング処理(図11(C))と一致
する。なお、本項では高輝度高信号レベルの画像信号
(輝度値)の場合について説明する。
【0052】(石灰化陰影検出への応用)石灰化陰影の
検出には、原画像から平滑化した画像を引き去る差分法
が考えられる。単純な平滑化法では石灰化陰影と細長い
形状の非石灰化陰影(乳腺や血管や乳腺支持組織等)の
識別が困難であるため、小畑らは、多重構造要素を用い
たオープニング演算に基づく下記式(14)で表されるモ
フォロジー演算処理を提案している(「多重構造要素を
用いたモルフォロジーフィルターによる微小石灰化像の
抽出」電子情報通信学会論文誌 D-II Vol.J75-D-II No.
7 P1170 〜1176 1992年7月、「モルフォロジーの基礎
とそのマンモグラム処理への応用」MEDICALIMAGING TEC
HNOLOGY Vol.12 No.1 January 1994 )。
【0053】
【数10】 ここでBi (i=1,2,3,4)は図12に示す直線状
の4つの構造要素Bである。構造要素Bを検出対象の石
灰化陰影よりも大きく設定すれば、オープニング処理
で、構造要素Bよりも細かな凸状の信号変化部分(空間
的に狭い範囲で変動する画像部分)である石灰化像は取
り除かれる。一方、細長い形状の非石灰化陰影はその長
さが構造要素Bよりも長く、その傾き(延びる方向)が
4つの構造要素Bi のうちいずれかに一致すればオープ
ニング処理(式(14)の第2項の演算)をしてもそのま
ま残る。したがってオープニング処理によって得られた
平滑化画像(石灰化陰影が取り除かれた画像)を原画像
fから引き去ることで、小さな石灰化像の候補のみが含
まれる画像が得られる。これが式(14)の考え方であ
る。
【0054】なお前述したように、高濃度高信号レベル
の信号の場合においては、石灰化陰影は周囲の画像部分
よりも濃度値が低くなり、石灰化陰影は周囲部分に対し
て凹状の信号変化部分となるため、オープニング処理に
代えてクロージング処理を適用し、式(14)に代えて式
(15)を適用する。
【0055】
【数11】 しかし、これによっても石灰化陰影と同等の大きさをも
つ非石灰化陰影が一部残る場合があり、そのような場合
については、次式(16)のモフォロジー演算に基づく微
分情報を利用して式(14)のPに含まれる非石灰化像を
さらに除去する。
【0056】
【数12】 ここで、Mgradの値が大きいほど石灰化陰影の可能性が
大きいので、石灰化候補画像Cs は下記式(17)により
求めることができる。なおモフォロジー演算の出力値P
(i,j),Mgradが、微小石灰化陰影候補としての適
格性を示す指標値である。
【0057】
【数13】 ここで、T2,T3は実験的に決められる、予め設定さ
れた閾値である。
【0058】ただし、石灰化陰影の大きさとは異なる非
石灰化陰影については、式(14)のPと所定の閾値T2
との比較のみで除去できるため、石灰化陰影と同等の大
きさをもつ非石灰化陰影が残ることのないような場合
は、式(17)の第1項の条件(P(i,j)≧T2)を
満たすだけでよい。
【0059】なお、これらのモフォロジー演算処理に関
する説明は上述したように、高輝度高信号レベルの画像
データの場合についてであるが、高濃度高信号レベルの
画像データ(高濃度の画素ほど大きなデジタル値を持つ
画像データ)の場合については、オープニング演算とク
ロージング演算とが逆の関係になる。
【0060】このモフォロジー演算処理においても、ア
イリスフィルター処理における形態的な特徴に基づく検
出処理等の追加的な検出処理と同様の追加的な検出処理
をさらに付加して適用してもよく、以下、このような追
加的な検出処理もモフォロジー演算処理に含めて、「モ
フォロジー演算処理に基づく処理」と称するものとす
る。
【0061】本発明の異常陰影候補検出システムは、本
発明の異常陰影候補検出方法を実施するための装置であ
って、被写体の画像に基づいて、該画像中の異常陰影候
補を検出する異常陰影候補検出手段を備えた異常陰影候
補検出システムにおいて、前記異常陰影候補検出手段
が、前記画像中の一部の領域についてのみ、前記異常陰
影候補の検出を行うものであることを特徴とするもので
ある。
【0062】ここで、上記一部の領域を指定する領域指
定手段を備え、異常陰影候補検出手段が、この領域指定
手段により指定された一部の領域についてのみ異常陰影
候補の検出処理を行なうものとし、または、本画像とは
異なる他の画像において異常陰影候補が既に検出された
領域に対応する領域を上記一部の領域として設定する領
域設定手段を備え、異常陰影候補検出手段が、この領域
設定手段により設定された一部の領域についてのみ異常
陰影候補の検出処理を行なうものとする構成を採用する
のが好ましい。
【0063】上記一部の領域の指定は、例えば、被写体
の画像を表示する表示手段をさらに備え、当該領域指定
手段(例えばマウス等のポインティングデバイス)によ
り、画像表示手段に表示された画像において指定するの
が好ましい。また上記一部の領域の設定は、例えば、他
の画像と本画像にそれぞれ現れた基準となる被写体の部
分の位置関係を、両画像若しくは3以上の画像について
対応付ける対応付手段等を備え、他の画像において検出
された異常陰影候補の存在(検出)領域に対応する本画
像の領域を、当該対応付手段により求め、領域設定手段
が、その対応付け手段により求められた本画像の領域
を、上記一部の領域として設定するようにすればよい。
【0064】
【発明の効果】本発明の異常陰影候補検出方法および異
常陰影候補検出システムによれば、画像中一部の領域の
みについて異常陰影候補の検出を行なうことにより、当
該領域についてのみ関心がある場合に、画像全体につい
て異常陰影候補検出処理を行なう必要がないため、検出
処理時間の短縮化を図ることができる。
【0065】
【発明の実施の形態】以下、本発明の異常陰影候補検出
方法および異常陰影候補検出システムの具体的な実施の
形態について図面を用いて説明する。
【0066】図1は、本発明の異常陰影候補検出方法を
実施する本発明の異常陰影候補検出システムの一実施形
態を示すブロック図である。図示の異常陰影候補検出シ
ステム10は、入力された全体画像信号Sが表す全体画
像Pに対して階調処理、周波数処理等の画像処理を施す
全体画像処理手段4と、全体画像処理手段4により信号
処理された処理済全体画像P′等を表示する画像表示手
段6と、全体画像Pのうち、後述する領域指定手段3か
ら入力された指定領域Ppについて、異常陰影候補Cを
検出する異常陰影候補検出手段1と、異常陰影候補検出
手段1により検出された異常陰影候補Cを含む局所画像
Ppを処理済全体画像P′よりも強調するように、当該
局所画像Ppを強調処理する局所画像処理手段5と、画
像表示手段6に表示された全体画像P′のうち、異常陰
影候補Cの検出を試みようとする一部の領域を指定して
異常陰影候補検出手段1に入力する領域指定手段2とを
備えた構成である。
【0067】ここで全体画像信号Sは、例えば図2に示
すような患者の乳房放射線画像を表すマンモグラフィP
が蓄積記録されている蓄積性蛍光体シートに励起光を照
射することにより発生せられた輝尽発光光を光電的に読
み取り、その後にデジタル変換して得られた画像信号
(高濃度高信号レベルの信号)である。なおマンモグラ
フィP中には、腫瘤陰影候補や微小石灰化陰影候補等の
異常陰影候補Cが存在するものである。
【0068】また表示手段6は、全体画像P′と異常陰
影候補Cを含む局所画像Pp′を表示面上に各別に表示
してもよいが、本実施形態においては、全体画像P′を
表示しつつこの全体画像P′のうち異常陰影候補Cの画
像部分Ppだけは局所画像処理手段5により画像処理さ
れた局所画像Pp′に置き換えて表示するものである。
【0069】異常陰影候補検出システム1は詳しくは、
入力された全体画像Pのうち領域指定手段2から入力さ
れた領域の画像信号について、異常陰影候補を検出する
ための所定の演算処理(前述したアイリスフィルター処
理により画像中の腫瘤陰影の候補を自動的に検出し、モ
フォロジー演算により微小石灰化陰影の候補を自動的に
検出するなどのアルゴリズム)を施して異常陰影候補C
を検出するとともに、その演算処理の結果を値(アイリ
スフィルター出力値I、モフォロジー演算出力値P
(i,j),Mgrad等)として出力する。なお、異常陰
影候補Cが検出されなかった場合にも、当該指定された
領域についての上記演算結果の出力値を異常陰影候補の
検出結果として出力する。
【0070】領域指定手段2としては、例えば、画像表
示手段6の画像表示面上に全体画像P′とともに表示さ
れる矢印のカーソルを当該表示面上で自在に移動させる
マウス等のポインティングデバイスを適用するのが、領
域指定を簡単に行う上で好ましい。
【0071】次に本実施形態の異常陰影候補検出システ
ム10の作用について説明する。
【0072】まず、異常陰影候補検出システムにマンモ
グラフィPを表す全体画像信号Sが入力され、この全体
画像信号Sは異常陰影候補検出手段1と全体画像処理手
段4にそれぞれ入力される。全体画像表示手段4は、入
力された全体画像信号Sに対して、前述した信号処理を
施して処理済マンモグラフィP′を表す処理済全体画像
信号S′を得、これを画像表示手段6に出力する。画像
表示手段6は、入力された処理済全体画像信号S′を可
視画像(処理済マンモグラフィ)P′としてその表示面
上に表示する。
【0073】ここで、医師等の画像読影者は、例えば乳
房の触診検査による結果等に基づいて、異常陰影候補C
の存在を確認しようとする領域Ppを、この表示面に表
示されたマンモグラフィP′上で、マウス等の領域指定
手段2により指定する(図3)。なお、図2,3におい
ては、異常陰影候補Cが可視画像として明瞭に存在して
いるように描写しているため、当該領域を指定すれば足
りるが、実際にはこのように明瞭に存在しているか否か
が可視的に分からない場合が多く、触診検査の結果、例
えば痼り(腫瘤陰影に対応するもの)等が存在すると思
われる乳房の部位に対応する、マンモグラフィP′上に
おける領域が指定される。
【0074】そして、領域指定手段2により領域指定さ
れた領域Ppは、異常陰影候補検出手段1に入力され
る。異常陰影候補検出手段1は、入力された全体画像信
号Sのうち、領域指定手段2から入力された領域Ppを
表す画像信号Spについてのみ、前述した異常陰影候補
の検出処理(アイリスフィルター処理により画像中の腫
瘤陰影の候補を自動的に検出し、モフォロジー演算によ
り微小石灰化陰影の候補を自動的に検出する処理)を施
して異常陰影候補Cを検出するとともに、その演算処理
の結果を値(アイリスフィルター出力値I、モフォロジ
ー演算出力値P(i,j),Mgrad等)として出力す
る。このとき、異常陰影候補検出手段1は、入力された
全体画像Pの極一部分の領域についてのみ異常陰影候補
の検出処理を行うだけであるため、その検出処理時間
は、全体画像Pに対して行うのに比べて格段に短縮され
る。
【0075】検出された異常陰影候補Cを含む指定領域
Ppを表す局所画像信号Spは局所画像処理手段5に入
力され、全体画像P′よりも強調された処理済局所画像
信号Sp′として画像表示手段6に入力され、また演算
処理の結果値は異常陰影候補としての適格度としてその
まま画像表示手段6に入力される。画像表示手段6は、
全体画像処理手段4から入力された処理済全体画像P′
と、局所画像処理手段5から入力された処理済局所画像
信号Sp′を表す処理済局所画像Pp′とを可視像とし
て、その表示面上に表示するとともに、演算処理の結果
値を各異常陰影候補としての適格度として表示する(図
4)。なお、画像表示手段6に表示された全体画像P′
のうち、局所画像処理手段5から入力された処理済異常
陰影候補Cを含む局所領域(指定領域)Pp′に対応す
る領域については、当該局所領域Pp′に置換して表示
される。
【0076】以上の作用により、画像読影者は、画像表
示手段6に表示された全体画像P′のうち、指定した領
域Ppについて、異常陰影候補Cの存在有無を迅速に確
認することができるとともに、その表示された検出の結
果値を視認して、触診検査の結果と併せて、総合的な判
断を従来よりも迅速に行うことができる。
【0077】なお、本実施形態の異常陰影候補検出シス
テム10は、領域指定手段2により指定された領域につ
いてのみ異常陰影候補の検出処理をなすものとした構成
の実施形態であるが、領域指定手段2に代えて、同一被
写体について取得された他の画像(例えば過去の画像)
において異常陰影候補が既に検出されている領域に対応
する領域を、異常陰影候補の検出処理対象とするように
領域設定する領域設定手段3を備えたものとして、本発
明の異常陰影候補検出方法・検出システムを構成するこ
ともできる。
【0078】すなわち図5に示すような構成の異常陰影
候補検出システム10′を適用して、異常陰影候補の検
出処理対象である本画像Pが図6(1)に示すものであ
り、この図に示した被写体と同一被写体についての過去
の画像P0が同図(2)に示すものであるとき、過去画
像P0において異常陰影候補C0が検出された領域Pp
0に対応する本画像Pにおける領域Ppを、異常陰影候
補の検出処理対象として、領域設定手段3により自動的
に領域設定し、異常陰影候補検出手段1が、その設定さ
れた領域Ppのみについて検出処理を施すようにすれば
よい。なお図6に示すように両画像P,P0が、そのサ
イズ、画像中における構造物(異常陰影候補,正常陰影
・正常構造物等)についての位置関係が略等しい場合を
除き、図5に示すように、両画像P,P0の位置関係
を、例えば図6に示す胸壁と乳房との境界線(図中破線
で示す)を基準線として、両画像P,P0の位置関係を
対応させる位置合わせ手段7を備えた構成とするのが好
ましく、領域設定手段3が、過去画像Pにおいて検出さ
れた異常陰影候補C0の存在領域(基準線からの距離L
0)に対応するように、本画像Pにおいて基準線からの
距離Lにおける領域を設定すればよい(図中左右方向の
位置関係については、乳房の輪郭線を基準とする等して
決定すればよい)。
【0079】上述した各実施形態の異常陰影候補検出シ
ステムにおいては、1つの指定領域についてのみ異常陰
影候補の検出処理を施すものとして説明したが、本発明
の異常陰影候補検出方法・検出システムにおいては、こ
の態様に限るものではなく、2つ異常の領域を指定し、
その指定された2以上の領域について、それぞれ異常陰
影候補の検出処理を施すものとしてもよい。
【0080】さらに各実施形態の異常陰影候補検出方法
・検出システムにおいては、異常陰影候補検出手段を、
指定または設定された一部の領域について異常陰影候補
の検出処理を行うものとして説明したが、画像全体Pに
ついて検出処理を施すことと、画像Pの一部領域Ppに
ついてのみ検出処理を施すこととを、選択的に切換え可
能なものとしてもよく、異常陰影候補の検出目的に応じ
て適宜切り換えて検出処理を行うことができて非常に便
利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の異常陰影候補検出システムの一実施形
態を示す概略ブロック図
【図2】図1に示した異常陰影候補検出システムにより
異常陰影候補の検出対象となるマンモグラフィを示す図
【図3】領域指定を示す図
【図4】最終的に画像表示手段に表示された画像等を示
す図
【図5】本発明の異常陰影候補検出システムの他の実施
形態を示す概略ブロック図
【図6】図5に示した異常陰影候補検出システムにより
異常陰影候補の検出対象となるマンモグラフィと過去画
像を示す図
【図7】マンモグラフィにおける濃度勾配の集中度を示
す概念図
【図8】アイリスフィルター処理における勾配ベクトル
を算出するマスクを示す図
【図9】注目画素についての勾配ベクトルの集中度の概
念を示す図
【図10】輪郭形状が適応的に変化するように設定され
たアイリスフィルターを示す概念図
【図11】モフォロジー演算処理の基本的な作用を説明
するグラフ
【図12】モフォロジー演算処理に用いられる構造要素
の概念を表す図
【符号の説明】
1 異常陰影候補検出手段 2 領域指定手段 3 領域設定手段 4 全体画像処理手段 5 局所画像処理手段 6 画像表示手段 7 位置合わせ手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大久保 猛 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富 士写真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 4C093 CA18 CA29 DA06 FF17 FF18 FF28 FF33 5B057 AA08 BA03 CA02 CA08 CA12 CA16 CB02 CB08 CB12 CB16 CB19 CC03 CE11 DA04 DA08 DB02 DB05 DB09 DC22

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体の画像に基づいて、該画像中の異
    常陰影候補を検出する異常陰影候補検出方法において、 前記画像中の一部の領域についてのみ、前記異常陰影候
    補の検出を行うことを特徴とする異常陰影候補検出方
    法。
  2. 【請求項2】 前記一部の領域は、指定された領域であ
    ることを特徴とする請求項1記載の異常陰影候補検出方
    法。
  3. 【請求項3】 前記一部の領域は、前記被写体に対する
    触診の結果に基づいて指定された領域であることを特徴
    とする請求項1または2記載の異常陰影候補検出方法。
  4. 【請求項4】 前記被写体の画像を表示し、前記表示さ
    れた画像において指定された前記一部の領域について、
    前記異常陰影候補の検出を行うことを特徴とする請求項
    1から3のうちいずれか1項に記載の異常陰影候補検出
    方法。
  5. 【請求項5】 前記一部の領域として、他の画像におい
    て異常陰影候補が既に検出された領域に対応する領域を
    設定することを特徴とする請求項1記載の異常陰影候補
    検出方法。
  6. 【請求項6】 前記他の画像が、前記被写体と同一被写
    体について、異常陰影候補の検出処理の対象である前記
    被写体の画像よりも以前に取得された画像であることを
    特徴とする請求項5記載の異常陰影候補検出方法。
  7. 【請求項7】 前記他の画像が、前記被写体と同一被写
    体について、異常陰影候補の検出処理の対象である前記
    被写体の画像とは異なる種類の取得方法により取得され
    たものであることを特徴とする請求項5記載の異常陰影
    候補検出方法。
  8. 【請求項8】 前記他の画像が、前記被写体と同一被写
    体について、異常陰影候補の検出処理の対象である前記
    被写体の画像とは異なる撮影方向から撮影して得られた
    画像であることを特徴とする請求項5記載の異常陰影候
    補検出方法。
  9. 【請求項9】 前記被写体の画像がマンモグラフィであ
    ることを特徴とする請求項1から8のうちいずれか1項
    に記載の異常陰影候補検出方法。
  10. 【請求項10】 被写体の画像に基づいて、該画像中の
    異常陰影候補を検出する異常陰影候補検出手段を備えた
    異常陰影候補検出システムにおいて、 前記異常陰影候補検出手段が、前記画像中の一部の領域
    についてのみ、前記異常陰影候補の検出を行うものであ
    ることを特徴とする異常陰影候補検出システム。
  11. 【請求項11】 前記一部の領域を指定する領域指定手
    段を備え、前記異常陰影候補検出手段が、前記領域指定
    手段により指定された前記一部領域についてのみ、前記
    異常陰影候補の検出を行なうものであることを特徴とす
    る請求項10記載の異常陰影候補検出システム。
  12. 【請求項12】 前記一部の領域は、前記被写体に対す
    る触診の結果に基づいて指定された領域であることを特
    徴とする請求項10または11記載の異常陰影候補検出
    システム。
  13. 【請求項13】 前記被写体の画像を表示する画像表示
    手段をさらに備え、前記領域指定手段が、前記画像表示
    手段に表示された画像において、前記一部の領域を指定
    するものであることを特徴とする請求項10から13の
    うちいずれか1項に記載の異常陰影候補検出システム。
  14. 【請求項14】 他の画像において異常陰影候補が既に
    検出された領域に対応する領域を、前記一部の領域とし
    て設定する領域設定手段を備え、前記異常陰影候補検出
    手段が、前記領域設定手段により設定された前記一部の
    領域についてのみ、前記異常陰影候補の検出を行うもの
    であることを特徴とする請求項10記載の異常陰影候補
    検出システム。
  15. 【請求項15】 前記他の画像が、前記被写体と同一被
    写体について、異常陰影候補の検出処理の対象である前
    記被写体の画像よりも以前に取得された画像であること
    を特徴とする請求項14記載の異常陰影候補検出システ
    ム。
  16. 【請求項16】 前記他の画像が、前記被写体と同一被
    写体について、異常陰影候補の検出処理の対象である前
    記被写体の画像とは異なる種類の取得方法により取得さ
    れたものであることを特徴とする請求項14記載の異常
    陰影候補検出システム。
  17. 【請求項17】 前記他の画像が、前記被写体と同一被
    写体について、異常陰影候補の検出処理の対象である前
    記被写体の画像とは異なる撮影方向から撮影して得られ
    た画像であることを特徴とする請求項14記載の異常陰
    影候補検出システム。
  18. 【請求項18】 前記被写体の画像がマンモグラフィで
    あることを特徴とする請求項10から17のうちいずれ
    か1項に記載の異常陰影候補検出システム。
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