JP2005211439A - 異常陰影表示装置およびそのプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 CADの出力した画像の読影効率や読影精度を向上させる。
【解決手段】 医用画像から異常陰影候補を検出し、さらに、医用画像から解剖学的構造を検出して、検出された異常陰影候補と検出された解剖学的構造とを対比可能に表示する。
【選択図】 図9

Description

本発明は、被写体を撮影した医用画像を読影して異常陰影を診断するための診断支援情報を表示する異常陰影表示装置およびそのプログラムに関するものである。
従来より、医療分野においては、被写体の放射線画像を読影して病変部を発見し、またその病変部の状態を観察して、疾病の有無や進行状況の診断を行うことが一般的に行なわれている。しかしながら、放射線画像の読影は読影者の経験や画像読影能力の高低によって左右され、必ずしも客観的なものとはいえなかった。
例えば、乳癌の検査を目的として撮影されたマンモグラフィ(乳房を被写体とした診断用放射線画像)においては、その画像から癌化部分の特徴の一つである腫瘤陰影や微小石灰化陰影等の異常陰影を検出することが必要であるが、読影者によっては必ずしも的確にその異常陰影の範囲を指定することができるとは限らない。このため、読影者の技量に依存することなく、腫瘤陰影や微小石灰化陰影を始めとする異常陰影を的確に検出することが求められていた。
この要望に応えるものとして、診断用画像として取得された被写体の画像データに基づき、その画像データが表す画像中の異常陰影の候補を計算機を用いて自動的に検出する異常陰影候補検出処理システム(計算機支援画像診断装置:CAD(Computer Aided Diagnose))が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2等)。
この異常陰影候補検出処理システムは、異常陰影の濃度分布の特徴や形態的な特徴に基づいて、異常陰影候補を計算機を用いて自動的に検出するものであり、主として腫瘤陰影を検出するのに適したアイリスフィルタ処理や、主として微小石灰化陰影を検出するのに適したモフォロジーフィルタ処理等を利用して異常陰影の候補領域を検出する。
アイリスフィルタ処理は、画像信号の濃度勾配の集中度の最大値を表すアイリスフィルタ出力値と所定の閾値とを比較することにより、画像中における乳癌の特徴的形態の一つである腫瘤陰影の候補領域を検出するのに有効な手法であり、一方、モフォロジーフィルタ処理は、画像信号に対して、検出しようとする微小石灰化陰影よりも大きいサイズの構造要素を用いたモフォロジー演算処理の出力値と所定の閾値とを比較することにより、画像中における乳癌の特徴的形態の一つである微小石灰化陰影の候補領域を検出するのに有効な手法である。
また、この異常陰影候補検出処理システムは、アイリスフィルタ処理やモフォロジーフィルタ処理により検出された異常陰影の候補領域およびその近傍領域を含む局所領域を関心領域(以下、ROIという)として設定し、このROI画像に含まれる異常陰影の候補領域の属性(腫瘤陰影または微小石灰化陰影の別)に応じて強調処理等の特化された画像処理をROI画像に対して施し、一方、原画像の全体画像に対しても読影性能向上のために所定の画像処理を施している。さらに、この異常陰影候補検出処理システムは、画像処理が施された全体画像と上記特化された画像処理が施されたROI画像とを1つの画像として、CRT等の画像表示手段やレーザプリンタ等のプリント手段等に出力している。具体的には、マンモグラフィに上記システムを適用したときに、例えば図14に示すように、CRTの表示画面に向かって右側に、右側乳房の全体画像と検出された異常陰影候補P30′およびその近傍領域P31を含むROI画像Wとを重ねて表示し、向かって左側に異常陰影が検出されなかった左側乳房の全体画像を表示するようにレイアウトされた1つのレイアウト画像情報をCRTに出力している。
一方、アイリスフィルタ処理やモフォロジーフィルタ処理により得られた異常陰影の候補領域のうち、悪性の異常陰影である蓋然性が高い異常陰影をさらに検出するために、検出された候補領域の形状、内部、辺縁の特徴を表す特徴量を用いてその候補領域の悪性度合いを判定し、より確定的な異常陰影候補を最終的に検出する方法が提案されている(例えば、特許文献3等)。
あるいは、撮影して得られた医用画像の画像内の組織間の比較あるいは複数の画像間の比較を行なって、候補領域とその周辺の正常構造を想定し、想定された正常構造と異常陰影の現れている画像との差分をとって異常であるか否かの判定を行なっているものもある。
特開平8−294479号公報 特開平8−287230号公報 特開平9−167238号公報
しかしながら、検出された候補領域には真の異常陰影のみならず、特定の構造物に沿って現れる異常陰影に類似した正常な陰影をも候補領域として検出する場合があるため、医師等の読影者は検出された陰影が、真の異常陰影(TP:true positive)であるか、偽の異常陰影(FP:false positive)であるかをCRTに出力された原画像を観察して判別する必要がある。
そこで、読影者はCADの使用経験からCAD内部の処理で正常構造をどのように想定しているかを類推して読影を行なうが、CAD内部で行なわれている処理を正確に把握することはできず読影効率や読影精度の低下を招いていた。特に、初期癌においては、異常陰影が解剖学的構造(乳房単純X線画像においては血管、乳房、胸腺等、胸部単純X線画像においては胸郭、肋骨、鎖骨、心臓、血管、気管等)に隠れて正確な判別が困難な場合が多かった。
本発明は、上記事情に鑑み、CADの出力した画像の読影効率や読影精度を向上させる異常陰影表示装置およびその方法を実行するプログラムを提供することを目的とするものである。
本発明の異常陰影表示装置は、医用画像から異常陰影候補を検出する異常陰影検出手段と、
前記医用画像から解剖学的構造を検出する解剖学的構造検出手段と、
前記医用画像上に前記検出された異常陰影候補と前記検出された解剖学的構造とを対比可能に表示する表示手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、本発明のプログラムは、コンピュータを、
医用画像から異常陰影候補を検出する異常陰影検出手段と、
前記医用画像から解剖学的構造を検出する解剖学的構造検出手段と、
前記医用画像上に前記検出された異常陰影候補と前記検出された解剖学的構造とを対比可能に表示する表示手段として機能させることを特徴とするものである。
「異常陰影候補」とは、アイリスフィルタ処理、モフォロジーフィルタ処理、あるいは差分処理等によって被写体の放射線画像等の医用画像から検出され、腫瘤陰影や微小石灰化陰影の候補となった領域を示すものであり、悪性の異常陰影に限らず、画像上の特徴が腫瘤陰影や微小石灰化陰影と同様の特徴を示すために上記の処理によって検出された正常組織の陰影や、良性の陰影をも含むものを意味する。また、正常と異常のいずれであるかが明確でなく最終的には、読影者による判断が必要な陰影をも含むものである。
「解剖学的構造」は、乳房単純X線画像においては血管、乳腺、胸筋等をいい、胸部単純X線画像においては胸郭、肋骨、鎖骨、心臓、血管、気管等をいう。
「対比可能に表示する」とは、異常陰影候補と解剖学的構造とを並べて表示したり、重ね合わせて表示を行うことにより、異常陰影候補と解剖学的構造の対応する位置がわかるように表示することである。
また、前記表示手段は、前記検出された異常陰影候補と前記検出された解剖学的構造とを重ねて表示するものであってもよい。
また、前記解剖学的構造検出手段は、解剖学的構造を検出する検出強度に応じて前記解剖学的構造を検出するものが望ましい。
「検出強度」とは、検出する解剖学的構造の特徴に応じて、どの程度のものをその解剖学的構造として検出するかを定める指標となるものであり、例えば、血管はどの程度の幅や長さや濃度のものを血管らしいとして検出するか、胸郭とその外側の境界をどの辺りを境界として検出するのか、肋骨はどの程度の幅や長さや濃度のものを肋骨らしいとして検出するか、気管はどの程度の幅や長さや濃度のものを気管らしいとして検出するか等の指標となるものである。
また、解剖学的構造検出手段は、前記検出強度を所望の強度に設定する検出強度設定手段を備えたものが望ましい。
また、前記解剖学的構造は、血管、胸郭、肋骨および気管のいずれか1以上であってもよい。
また、解剖学的構造検出ステップは、線構造要素を用いたモフォロジー処理を施して前記医用画像から前記血管を検出するものであってもよい。
本発明によれば、医用画像から異常陰影候補を検出し、医用画像から解剖学的構造を検出して、検出された異常陰影候補と検出された解剖学的構造とを対比可能に表示することにより、解剖学的構造に影響されて判別が困難な異常陰影についても正確に判別できるようになる。さらに、解剖学的構造が異常陰影候補とともに表示されるのでTPかFPの判別が容易になり読影時間を短縮することができる。
また、検出された異常陰影候補と検出された解剖学的構造とを重ねて表示することにより、異常陰影候補の位置と解剖学的構造の位置との対応がつき易く、判別をより正確に行なうことが可能である。
また、解剖学的構造を検出する検出強度に応じて解剖学的構造を検出することにより、撮影条件の違いや読影者の好みに応じて、必要な解剖学的構造を検出することが可能になりより正確な判別が行なうことができる。
また、検出強度を所望の強度に設定する検出強度設定手段を備えることにより、必要に応じて、随時検出強度を変えて観察することにより、正確な判別を行なうことができる。
また、解剖学的構造として血管、胸郭、肋骨および気管等を検出することにより、解剖学的構造による影響を想定して読影することができ正確な判別が行なうことができる。
さらに、線構造要素を用いたモフォロジー処理を施して血管を検出することにより、正確に血管を検出して、血管に沿って現れるFPを除去することができる。
以下、図面を参照して本発明の異常陰影表示装置の実施の形態について説明する。
図1に示すように、異常陰影表示装置1は、医用画像100から異常陰影候補を検出する異常陰影検出手段10と、医用画像100から血管、肋骨、胸郭、気管等の解剖学的構造を検出する解剖学的構造検出手段20と、医用画像100上に前記検出された異常陰影候補と検出された解剖学的構造とを対比可能に表示する表示手段30とを備える。
異常陰影検出手段10は、腫瘤陰影を検出するのに適したアイリスフィルタ処理や適応リングフィルタ処理、乳癌の特徴として現れる微小石灰化陰影を検出するのに適したモフォロジーフィルタ処理等を利用して腫瘤陰影や微小石灰化陰影等の異常陰影の候補領域を検出する。そこで、医用画像100が乳房画像であり、乳房画像にモフォロジーフィルタ処理を施して微小石灰化陰影を検出する場合について具体的に説明する。
モフォロジー処理は、画像信号に対して、検出しようとする微小石灰化陰影よりも大きいサイズの構造要素を用いたモフォロジー演算処理の出力値と所定の閾値とを比較することにより、微小石灰化陰影の候補領域を検出するものである。以下にその概要を述べる。
モフォロジー演算処理は一般的にはN次元空間における集合論として展開されるが、直感的な理解のために2次元の濃淡画像を対象として説明する。
濃淡画像を、座標(x,y)の点で濃度値f(x,y)に相当する高さをもつ空間とみなす。ここで、濃度値f(x,y)は、濃度が低い(CRTに表示した場合には輝度が高い)ほど大きな画像信号となる高輝度高信号レベルの信号とする。
まず、簡単のために、その断面に相当する図2に示すような1次元の関数f(x)を考える。モフォロジー演算処理に用いる構造要素gは次式(1)に示すように、原点について対称な対称関数
であり、定義域内で値が0で、例えば、その定義域が下記式(2)であるとする。
このとき、モフォロジー演算の基本形は式(3)〜(6)に示すように、非常に簡単な演算となる。
すなわち、上記の例では、ダイレーション(dilation)処理は、注目画素を中心とした、±mの幅の中の最大値を検索する処理であり(図2(A)参照)、一方、イロージョン(erosion )処理は、注目画素を中心とした、±mの幅の中の最小値を検索する処理である(同図(B)参照)。また、オープニング(opening )処理は最小値探索の後に、最大値を探索することに相当し、クロージング(closing )処理は最大値探索の後に、最小値を探索することに相当する。オープニング処理は低輝度側から濃度曲線f(x)を滑らかにし、マスクサイズ2mより空間的に狭い範囲で変動する凸状の濃度変動部分(周囲部分よりも輝度が高い部分)を取り除くことに相当する(同図(C)参照)。一方、クロージング処理は、高輝度側から濃度曲線f(x)を滑らかにし、マスクサイズ2mより空間的に狭い範囲で変動する凹状の濃度変動部分(周囲部分よりも輝度が低い部分)を取り除くことに相当する(同図(D)参照)。
また、濃度の高いもの程大きな値となる高濃度高信号レベルの信号の場合においては、濃度値f(x)の画像信号値が高輝度高信号レベルの場合に対して大小関係が逆転するため、高濃度高信号レベルの信号におけるダイレーション処理は、高輝度高信号レベルにおけるイロージョン処理(同図(B)参照)と一致し、高濃度高信号レベルの信号におけるイロージョン処理は、高輝度高信号レベルにおけるダイレーション処理(同図(A)参照)と一致し、高濃度高信号レベルの信号におけるオープニング処理は、高輝度高信号レベルにおけるクロージング処理(同図(D)参照)と一致し、高濃度高信号レベルの信号におけるクロージング処理は、高輝度高信号レベルにおけるオープニング処理(同図(C)参照)と一致する。
そこで、乳癌の特徴として現れる微小石灰化陰影の検出を行なうには、原画像を平滑化した平滑化画像を作成し、原画像から平滑化画像を引き去る差分法により行なう。まず、原画像に微小石灰化陰影よりも大きいサイズの構造要素を用いてモフォロジー演算処理を施すことにより、図3に示すような濃度曲線(原画像)g(x)を滑らかにして空間的に狭い範囲で変動する凸状の濃度変動部分を取り除いた平滑化画像G(x)を作成する。この平滑化画像G(x)は原画像の背景画像に相当し、原画像から平滑化画像を引き去ることにより背景画像を除去した微小石灰化陰影の候補を検出することができる。
解剖学的構造検出手段20は、血管、肋骨、胸郭、気管等の特徴に応じた幅、長さ、濃度等に基づいて、どの程度のものを血管、肋骨、胸郭、気管等として検出するかを検出強度として設定する検出強度設定手段21を備え、医用画像100から設定された検出強度に応じた解剖学的構造を検出する。
検出強度設定手段21は、例えば、CRT等の画像表示手段に乳房画像全体を表示し、その乳房画像の横に入力欄を設け、読影者が表示された乳房画像を観察して検出する血管の濃度や幅に応じた数値を検出強度としてキーボード等の入力装置から設定入力するようにしたものである。
具体的には、線状の構造物である血管を検出する場合には、検出しようとする血管よりもサイズ(幅と長さ)が小さく所定の方向性を有する線構造要素を用いて医用画像100にモフォロジー演算によるオープニング処理を施すことにより画像中の線状構造物を保存した画像を取得して線状構造物のみの画像を取得することができる。例えば、15度ずつ方向性が異なる12個の線構造要素B1 〜B12(図4参照)を用いた場合には、12方向の線構造要素の方向と一致する線状構造物を検出することができる。また、線構造要素は検出強度設定手段21で設定された検出強度に応じて幅と長さを変えて線状構造物を検出する。例えば、細い血管まで検出する場合には、線構造要素の幅と長さを小さくする。
ここで、線構造要素を用いて血管のように線状構造物を保存する手法について具体的に説明する。図5(A)は、緩やかに変化している背景の上に方向性の異なる線状構造物X10、X20とノイズ等を表わす突起X30が表われている画像信号を3次元表示した濃淡図形(画像X)を示したものである。この画像Xに対し、図5(A)に示す線構造要素Bを用いてオープニング処理による低輝度側からの平滑化処理を施す。
線構造要素Bは、線状構造物X10の長さよりも短く、線状構造物X10と同一の方向性を有するものとすると、線構造要素Bを用いて画像Xに対しオープニング処理を施すと、図5(B)に示すように、線構造要素Bと傾きが異なる線状構造物X20や線構造要素Bよりも小さい突起X30の内部には線構造要素Bは入ることができず、線状構造物X20や突起X30は除去される。一方、線構造要素Bの傾きと同一の傾きを有し、その長さが線構造要素Bより長い線状構造物X10は保存される。図5(C)は、線状構造物X20および突起X30が除去され線状構造物X10が保存された画像Xを示したものである。
本実施形態における解剖学的構造検出手段10は、上記の処理を12個の線構造要素各B1〜B12を用いて原画像データPに施し、下記式(7)で表される、原画像中の12方向の線状構造物を保存した画像PB1 〜PB12を取得する。
次に、画像PB1 〜PB12ついて、対応する各画素ごとに最低値を抽出し、次式(8)により1枚の背景画像PBminを取得する。
さらに、原画像Pから背景画像PBminを引き去ることにより線状構造物のみが抽出された画像Pを取得することができる。
ところで、図6に示すように、血管は、血管の中心を通る中心線Mに直行する法線L上(図6(B))において、図6(C)に示すような画素値をとり、線状構造物は背景領域より高い画素値を持つ。そこで、血管の持つ画素値と背景領域の画素値の境となる画素値を閾値として画像Pに2値化処理を施すと、2値化画像110上には線状構造物Sが島状に現れ(図7参照)、この2値化画像110に、例えばラベリング処理を用いて島状の領域を線状構造物Sとして抽出する。抽出した線状構造物Sに、線の連続性が途切れることないように線状構造物Sの外周から徐々に画素を除去して線幅が1画素となるまで線幅を狭めていく細線化処理を施して、図6(B)に示すような線状構造物Sの幅の略中心を通る中心線Mを抽出する。この中心線Mに対して垂直な法線L上で一定輝度値を持つ範囲(図6(C)のaの部分)の法線上の部分(図6(C)のbの部分)を血管として検出する。
また、検出強度設定手段21で設定された検出強度に応じて、血管として検出する輝度値の範囲を変えることにより、撮影された画像上に現れる所望の輝度の血管のみを抽出することができる。
表示手段30は、異常陰影検出手段10で検出した異常陰影候補と、解剖学的構造検出手段20で検出した解剖学的構造とを対比可能なように重ねたり並べて表示する。
乳房画像の場合、異常陰影検出手段10が検出した異常陰影候補には、検出されるべき真の石灰化陰影(TP)のみならず、血管に沿って現れる血管沈着石灰化等のように特定の構造物上に現れる偽の石灰化陰影(FP)をも検出する。そこで、読影者は検出された異常陰影候補が、TPであるかFPであるかをCRTに表示された原画像を観察して判別する必要があるが、検出された異常陰影と検出された血管とを重ねて表示するようにすれば、検出された異常陰影が血管沈着石灰化等のFPであるか否かの判定が容易になる。
具体的に、図9に示すような乳房画像に基づいて読影を行う場合について説明する。図9中の枠(a)、(b)は、CADによりFPの自動判別処理を施すことにより血管沈着石灰化の疑いがあるものとして枠を付して警告表示したものである。図9の枠(a)には典型的な血管沈着石灰化が認められ、枠(b)には典型的な血管沈着石灰化が認められないが、線状に現れる石灰化陰影の候補点が存在しているものとする。
血管沈着石灰化に起因する候補点は血管の走行に沿って候補点が連なって現れるという特徴を持つため(図8参照、同図(A)は原画像、同図(B)は石灰化陰影の候補点120を表す)、CADでFPの自動判別処理を施すと、CADの内部では、前述の特徴に基づいて血管沈着石灰化による陰影であるか否かの判定を行なうが、枠(a)のように典型的な血管沈着石灰化が認められる場合は、枠内にTPである候補点が含まれていても、CAD内部の処理ではTPである候補点も血管沈着石灰化のよる一連の候補点であると判定する可能性がある。一方、枠(b)の中には典型的な血管沈着石灰化が認められないが、枠(b)内に現れる石灰化陰影は、血管沈着石灰化の判定が正確に行なわれた結果なのかは、枠内の他の領域を詳しく見なければ正確な読影はできない。
そこで、図9(B)に示すように、CADから得られた異常陰影候補の検出結果と血管を検出して血管を一緒に表示をすれば、枠(a)の中に現れた石灰化陰影は血管の表示からどの候補点が血管沈着石灰化によるFPであるかが一目で認識することが可能である。一方、枠(b)には血管が存在しないことから枠中に現れた石灰化陰影は血管沈着石灰化を検出したものではないことがわかる。
上記では乳房画像から血管を検出する場合について説明したが、乳腺等の線状構造物の幅と長さが乳腺の検出に最適な線構造要素と、適切な輝度(濃度)を用いて乳腺を検出して、乳腺のような構造物とを重ねて表示するようにすることによって、乳腺に沿って現れる癌等の判定が容易になる。
次に、医用画像100が胸部画像であり、異常陰影候補として肺がんの特徴である結節を検出する場合の実施例について具体的に説明する。
異常陰影検出手段10は、胸部画像上に表れる結節等の異常陰影候補を、勾配ベクトルの集中度を評価するものとしアイリスフィルタや適応リングフィルタ等を用いて検出する。胸部画像上に撮影された癌化した部分の結節や腫瘤等の異常陰影は、おおむね丸味をおびた輪郭を持ち、かつ、画像上では周囲に比べて画素値が大きく勾配ベクトルが集中する円形凸領域として観測される。円形凸領域は、半球状で同じ濃度の画素が同心円状に広がる形状として観測され、画素値(濃度値)の分布が周縁部から中心部に向かうにしたがって画素値が高く(濃度値が低く)なるという画素値の勾配が認められる。その勾配線は異常陰影の中心方向に向かって集中するもので、画素値の勾配を勾配ベクトルとして算出し、その勾配ベクトルの集中度から異常陰影候補を検出することができることができる。
また、結節は胸部画像上に円に近い形状で現れ面積が小さく高輝度の領域として現れるという特徴がある。そこで、アイリスフィルタや適応リングフィルタ等を用いて検出した勾配ベクトルが集中する領域の形状の円形度や、その領域内の画素の輝度から検出精度を上げるようにしてもよい。図10に結節を検出した一例を示す。
さらに、解剖学的構造検出手段20では、胸部画像から胸郭、肋骨、軟部組織等の解剖学的構造を検出し、表示手段30において、異常陰影検出手段10において検出された結節と重ねて表示を行なう。
例えば、胸郭の検出は、本出願人が出願の特開2003−6661号公報において提案している手法を用いて検出し、さらに、得られた胸郭を基準にして、胸郭を図11に示すような肺尖部(2、7の部分)、辺縁部(3、8の部分)、縦隔部(4、9の部分)、横隔膜下部(5、10の部分)の領域に分割して検出するようにしてもよい。
あるいは、米国特許6549646号公報において提案されている方法を用いて、胸郭と、胸郭の各領域(肺尖部、辺縁部、縦隔部、横隔膜下部)を検出するようにしてもよい。
肋骨の検出は、例えば、エネルギーの異なる低圧撮影画像と高圧撮影画像に所定の係数を掛けて差分するエネルギーサブトラクション処理(図12参照)により行なうことができる。例えば、低圧撮影画像と高圧撮影画像の軟部組織1、軟部組織2、骨部が図13(A)に示すような信号値を持つ場合、高圧撮影画像に所定の係数(例えば、1.33)を掛けて低圧撮影画像から差し引くと軟部組織1、軟部組織2に現れる信号値を除去して骨部のみの信号を残して肋骨を検出することができる(図13(B)参照)。
あるいは、エネルギーサブトラクション処理により高圧撮影画像に所定の係数(例えば、2)をかけて低圧撮影画像から差し引くことにより骨部に現れる信号値を除去して、軟部(軟部組織1、軟部組織2)を検出することも可能である(図13(C)参照)。
胸部画像上に現れる結節は、正常な構造物に隠れて結節であるか否かの判別が困難な場合がある。例えば、胸郭の外側の辺縁部では肋骨が重なり合って撮影されるため、結節と背景画像のコントラストが明瞭でなく結節であるか否かの判別が困難である。そこで、異常陰影検出手段10において検出された結節に、解剖学的構造検出手段20で検出した胸郭や胸郭の各領域(肺尖部、辺縁部、縦隔部、横隔膜下部)、肋骨、あるいは軟部等の画像を重ねて表示することにより、検出された結節がFPであるか否かの判別が容易になる。
以上、詳細に説明したように、検出した異常陰影候補と解剖学的構造とを対比できるように表示することにより、誤検出率を少なくし、読影時間を短縮することができる。
本発明の異常陰影表示装置の概略構成を示す図 モフォロジー演算を説明するための図 微小石灰化陰影の候補を検出方法を説明するための図 線状構造要素を示す図 モフォロジー演算処理により線状構造物の抽出を説明する図 血管の検出方法を説明するための図(その1) 血管の検出方法を説明するための図(その2) 血管沈着石灰化の一例 原画像(乳房画像)上に検出した血管を重ねて表示した図 検出した肺がんの候補領域である結節を表示した図 胸郭領域を各領域(肺尖部、辺縁部、縦隔部、横隔膜下部)に分割した図 エネルギーサブトラクション処理を説明するための図 エネルギーサブトラクション処理により骨部、軟部の検出する方法を説明するための図 従来のCADの表示画面の図
符号の説明
1 異常陰影表示装置
10 異常陰影検出手段
20 解剖学的構造検出手段
21 検出強度設定手段
30 表示手段
100 医用画像

Claims (7)

  1. 医用画像から異常陰影候補を検出する異常陰影検出手段と、
    前記医用画像から解剖学的構造を検出する解剖学的構造検出手段と、
    前記医用画像上に前記検出された異常陰影候補と前記検出された解剖学的構造とを対比可能に表示する表示手段とを備えたことを特徴とする異常陰影表示装置。
  2. 前記表示手段が、前記検出された異常陰影候補と前記検出された解剖学的構造とを重ねて表示するものであることを特徴とする請求項1記載の異常陰影表示装置。
  3. 前記解剖学的構造検出手段が、解剖学的構造を検出する検出強度に応じて前記解剖学的構造を検出するものであることを特徴とする請求項1または2記載の異常陰影表示装置。
  4. 前記解剖学的構造検出手段が、前記検出強度を所望の強度に設定する検出強度設定手段を備えたものであることを特徴とする請求項1から3いずれか記載の異常陰影表示装置。
  5. 前記解剖学的構造が、血管、胸郭、肋骨および気管のいずれか1以上であることを特徴とする請求項1から4いずれか記載の異常陰影表示装置。
  6. 前記解剖学的構造検出ステップが、線構造要素を用いたモフォロジー処理を施して前記医用画像から前記血管を検出するものであることを特徴とする請求項5記載の異常陰影表示装置。
  7. コンピュータを、
    医用画像から異常陰影候補を検出する異常陰影検出手段と、
    前記医用画像から解剖学的構造を検出する解剖学的構造検出手段と、
    前記医用画像上に前記検出された異常陰影候補と前記検出された解剖学的構造とを対比可能に表示する表示手段として機能させるためのプログラム。
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