JPH08287230A - 計算機支援画像診断装置 - Google Patents

計算機支援画像診断装置

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JPH08287230A
JPH08287230A JP7094693A JP9469395A JPH08287230A JP H08287230 A JPH08287230 A JP H08287230A JP 7094693 A JP7094693 A JP 7094693A JP 9469395 A JP9469395 A JP 9469395A JP H08287230 A JPH08287230 A JP H08287230A
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JP
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image
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dorg
local
dmor
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Withdrawn
Application number
JP7094693A
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English (en)
Inventor
Nobuyoshi Nakajima
延淑 中島
Hideya Takeo
英哉 武尾
Masahiko Yamada
雅彦 山田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 計算機支援画像診断装置において、ノイズ成
分等の画像読影に不要な成分を強調することなく、注目
する特定の画像部分だけを効率よく強調処理する。 【構成】 全体画像メモリ10に記憶された、濃度値Dor
g の画像データSに対して、アイリスフィルター40によ
るアイリスフィルターの演算を施して、腫瘤陰影を示す
信号Girisを検出し、この信号Girisに対して変換テー
ブル72により単調増加関数βの変換を施し、ボケマスク
信号算出手段71により原画像の信号Dorg に対してボケ
マスク処理を施してボケマスク信号Dusを算出し、腫瘤
陰影強調手段73により、 Dproc=Dorg +β(Giris)×(Dorg −Dus)
(1) なる演算を行って、腫瘤陰影だけを選択的に強調処理し
て局所画像表示手段90に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被写体の放射線画像を
表す画像データに基づいて放射線画像の異常陰影を検出
し、その異常陰影をより強調処理して表示し、診断に供
する計算機支援画像診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】蓄積性蛍光体シートやフイルムに記録さ
れた被写体の放射線画像を読み取って画像データを得、
この画像データに適切な画像処理を施した後、画像を表
示装置等により再生することが種々の分野で行われてい
る。特に近年、コンピューターとの組合わせによるコン
ピューテッドラジオグラフィーというデジタルラジオグ
ラフィーの技術が開発され、種々のデジタルラジオグラ
フィーが臨床応用されている。
【0003】このデジタルラジオグラフィーは画像デー
タを定量的に解析することができるという点で、従来の
アナログ方式のラジオグラフィーとは根本的に異なる特
長がある。特に人体の医療診断用として、このデジタル
ラジオグラフィーの特長をより積極的に活用することを
目的とした、計算機(コンピューター)支援画像診断ま
たはCADM(Computer Aided Diagnosis of Medical
Image )と称される技術が提案されている。
【0004】この計算機支援画像診断は、医療の現場に
おける画像読影を通じての診断を補助するものである。
すなわち従来においては、フイルム等の記録媒体やCR
T等の表示装置により再生された放射線画像を専門医が
目視により観察読影し、癌等を表すものとしての異常な
腫瘤陰影や微小石灰化陰影等(以下、これらを総称して
異常陰影という)を早期に発見するよう努めていた。し
かし、放射線画像を観察読影する読影者間の読影能力の
差等により、そのような異常陰影を見落としたり、主観
的判断による思い違いを生ずる可能性もある。
【0005】そこで計算機支援画像診断では、画像デー
タに基づいて異常陰影と考えられる異常陰影候補を検出
し、その検出した部位にマーキングを表示して放射線画
像の読影者に注意を喚起し、あるいは読影者の客観的判
断に役立つ材料として、検出した異常陰影候補の特徴的
な事項を定量的に提示することにより、上述のような読
影者による見落としや、思い違い等の未然防止を目的と
している(「DR画像における腫瘤影検出(アイリスフ
ィルタ)」電子情報通信学会論文誌 D-II Vol.J75-D-II
No.3 P663〜670 1992年3月 小畑他、「多重構造要素
を用いたモルフォロジーフィルタによる微小石灰化像の
抽出」同誌 D-II Vol.J75-D-II No.7 P1170 〜1176 19
92年7月 小畑他、等参照)。
【0006】しかし、この計算機支援画像診断について
の提案では、上述したように、全体の再生画像の異常陰
影候補にマーキングを表示し、またはその異常陰影候補
について定量的な評価尺度を表示することに止まってい
る。
【0007】しかし、単にそのようなマーキングや評価
尺度のみを表示したものは、読影者への注意喚起、また
は読影者の主観的な思い違いの防止には有効であるが、
実際に読影者がその異常陰影部位について診断を行うに
は、さらに読影に適した高い診断性能を有する画像を提
供する必要がある。
【0008】一方、従来より、種々の画像取得方法によ
り得られた画像を表す画像信号に対して、階調処理や周
波数処理等の画像処理を施し、画像の観察読影性能を向
上させることが行われている。特に人体を被写体とした
放射線画像のような医用画像の分野においては、医師等
の専門家が、得られた画像に基づいて患者の疾病や傷害
の有無を的確に診断する必要があり、その画像の読影性
能を向上させる画像処理は不可欠なものとなっている。
【0009】この画像処理のうち、いわゆる周波数強調
処理としては、例えば特開昭61-169971 号に示されるよ
うに、原画像の濃度値等の画像信号(オリジナル画像信
号という)Dorg を、 Dproc=Dorg +β×(Dorg −Dus) (8) なる画像信号Dprocに変換するものが知られている。こ
こでβは周波数強調係数、Dusは非鮮鋭マスク(いわゆ
るボケマスク)信号である。このボケマスク信号Dus
は、2次元に配置された画素に対してオリジナル画像信
号Dorg を中心画素とするN列×N行(Nは奇数)の画
素マトリクスからなるマスク、すなわちボケマスクを設
定し、 Dus=(ΣDorg )/N2 (2) (ただし、ΣDorg はボケマスク内各画素の画像信号の
和) 等として求められる超低空間周波数成分である。
【0010】式(8)の第2項括弧内の値(Dorg −D
us)は、オリジナル画像信号から超低空間周波数成分で
あるボケマスク信号を減算したものであるから、オリジ
ナル画像信号のうちの、超低空間周波数成分を除去した
比較的高い周波数成分を選択的に抽出することができ
る。この比較的高い周波数成分に周波数強調係数βを乗
じたうえで、オリジナル画像信号を加算することによ
り、この比較的高い周波数成分を強調することができ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述したよう
に、画像の読影性能を向上させるには、対象となる画像
に対して画像処理を行うことが不可欠となっているが、
特開平2−1078号に開示されているように、単に濃度依
存による強調処理では、例えばマンモグラムにおける放
射線ノイズ成分のような、画像読影の障害となる成分ま
で強調されるため、読影性能をむしろ低下させることに
なる。
【0012】また特公昭60−192482号、特開平2−1209
85号、特表平3−502975号等に開示されているように、
画像信号の分散値に依存した強調処理では、局所的に濃
度変化の大きい画像部分が強く強調されるため、その付
近でアンダーシュート、オーバーシュートが相対的に目
立ち、特にX線画像に関しては高濃度側でアーチファク
トが発生しやすいという問題がある。
【0013】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、ノイズ成分等の画像読影に不要な成分を強調する
ことなく、注目する特定の画像部分だけを効率よく強調
処理し、アーチファクトの発生を抑制した再生画像を得
ることを可能とした計算機支援画像診断装置を提供する
ことを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の計算機支
援画像診断装置は、被写体の放射線画像を表す全体画像
信号を記憶する全体画像記憶手段と、この全体画像信号
に基づいて前記放射線画像のうち、前記全体画像信号の
勾配の集中度を求めて集中度の高い画像部分を検出する
アイリスフィルターと、アイリスフィルターによる前記
画像部分の検出の結果に基づいて、前記画像部分の存在
の有無を判定する判定手段と、判定手段により前記画像
部分が存在すると判定された場合に、全体画像記憶手段
に記憶された全体画像信号のうち、前記画像部分を含む
局所領域の局所画像信号を抽出する局所領域抽出手段
と、局所領域抽出手段により抽出された前記局所画像信
号に基づいて局所領域の画像を表示する局所画像表示手
段と、全体画像信号に基づいて前記被写体の放射線画像
の全体を表示する全体画像表示手段と、前記局所画像表
示手段に表示される前記局所領域の画像のうち前記画像
部分が、前記全体画像表示手段に表示される前記放射線
画像よりも読影性能が向上するように、前記アイリスフ
ィルターによる前記画像部分の検出の結果に基づいて、
前記局所画像信号のうち前記画像部分を示す異常陰影画
像信号に対して、選択的に強調処理する局所画像強調手
段とを備えてなることを特徴とするものである。
【0015】ここで、アイリスフィルター処理(以下、
本明細書中、アイリスフィルターの演算ということもあ
る)について説明する。
【0016】アイリスフィルター処理は、画像のうち異
常な陰影等の特定の画像部分だけを選択的に抽出する演
算処理として既に知られている(既出「DR画像におけ
る腫瘤影検出(アイリスフィルタ)」参照)。このアイ
リスフィルター処理は、特に乳癌における特徴的形態で
ある腫瘤陰影を検出するのに有効な手法として研究され
ているが、対象画像としては、このようなマンモグラム
における腫瘤陰影に限るものではなく、その画像を表す
画像信号の勾配が集中しているものについては、いかな
る画像に対しても適用することができる。
【0017】以下、腫瘤陰影の検出処理を例にして、こ
のアイリスフィルターによる画像部分の検出処理の概要
について説明する。
【0018】例えばX線のネガフイルム上における放射
線画像(高濃度高信号レベルの画像信号を出力する画
像)においては、腫瘤陰影は周囲に比べて濃度値がわず
かに低いことが知られており、その濃度値の分布は概略
円形の周縁部から中心部に向かうにしたがって濃度値が
低くなっている。したがって腫瘤陰影においては、局所
的な濃度値の勾配が認められ、その勾配線(勾配ベクト
ル)は腫瘤の中心方向に集中する。
【0019】アイリスフィルターは、この濃度値に代表
される画像データの勾配を勾配ベクトルとして算出し、
その勾配ベクトルの集中度を基に腫瘤陰影を検出するも
のである。すなわち腫瘤陰影内の任意の画素における勾
配ベクトルは腫瘤陰影の中心付近を向くが、血管陰影の
ように細長い陰影では勾配ベクトルが特定の点に集中す
ることはなく、局所的に勾配ベクトルの向きの分布を評
価し、特定の点に集中している領域を抽出すれば、それ
が腫瘤陰影となる。以上がアイリスフィルター処理の基
本的な考え方である。以下に具体的なアルゴリズムのス
テップを示す。
【0020】(ステップ1)勾配ベクトルの計算 対象となる画像を構成する全ての画素について、各画素
jごとに、下記式(9)に示す計算式に基づいた画像デ
ータの勾配ベクトルの向きθを求める。
【0021】
【数1】
【0022】ここでf1 〜f16は、図7に示すように、
その画素jを中心とした縦5画素×横5画素のマスクの
外周上の濃度値(画像データ)である。
【0023】(ステップ2)勾配ベクトルの集中度の算
出 次に、対象となる画像を構成する全ての画素について、
各画素ごとに、その画素を注目画素とする勾配ベクトル
の集中度Cを次式(10)にしたがって算出する。
【0024】
【数2】
【0025】ここでNは注目画素を中心とした半径Rの
円内に存在する画素の数、θj は、注目画素とその円内
の各画素jとを結ぶ直線と、その各画素jにおける上記
式(10)で算出された勾配ベクトルとがなす角である
(図8参照)。したがって上記式(10)で表される集中
度Cが大きな値となるのは、各画素jの勾配ベクトルの
向きが注目画素に集中する場合である。
【0026】ところで、腫瘤陰影近傍の各画素jの勾配
ベクトルは、腫瘤陰影のコントラストの大小に拘らず、
略その腫瘤陰影の中心部を向くため、上記集中度Cが大
きな値を採る注目画素は、腫瘤陰影の中心部の画素とい
うことができる。一方、血管などの線状パターンの陰影
は勾配ベクトルの向きが一定方向に偏るため集中度Cの
値は小さい。したがって、画像を構成する全ての画素に
ついてそれぞれ注目画素に対する上記集中度Cの値を算
出し、その集中度Cの値が予め設定された閾値を上回る
か否かを評価することによって、腫瘤陰影を検出するこ
とができる。すなわち、このフィルターによる処理は、
通常の差分フィルターに比べて血管や乳腺等の影響を受
けにくく、腫瘤陰影を効率よく検出することができると
いう特長を有している。
【0027】さらに実際の処理においては、腫瘤の大き
さや形状に左右されない検出力を達成するために、フィ
ルターの大きさと形状とを適応的に変化させる工夫がな
される。図9に、そのフィルターを示す。このフィルタ
ーは、図8に示すものと異なり、注目画素を中心に2π
/M度毎のM種類の方向の放射状の線上の画素のみで集
中度の評価を行う(図9においては、 11.25度ごとの32
方向を例示(M=32))。
【0028】ここでi番目の線上にあって、かつ注目画
素からn番目の画素の座標([x],[y])は、注目
画素の座標を(k,l)とすれば、以下の式(11),
(12)で与えられる。
【0029】
【数3】
【0030】ただし、[x],[y]は、x,yを超え
ない最大の整数である。
【0031】さらに、その放射状の各線について、注目
画素から線上の、最大の集中度が得られる画素までの出
力値をその方向についての集中度とし、その得られたす
べての線の集中度の平均値を算出し、その集中度の平均
値をその注目画素についての勾配ベクトル群の集中度C
とする。
【0032】具体的には、i番目の放射状の線上におい
て、注目画素からn番目の画素までで得られる集中度C
i (n)を下記式(13)により求める。
【0033】
【数4】
【0034】ここでRmin とRmax とは、抽出する対象
である腫瘤陰影の半径について設定した最小値と最大値
である。
【0035】次に、勾配ベクトル群の集中度Cを下記式
(14)および(15)により計算する。
【0036】
【数5】
【0037】式(15)の勾配ベクトル群の集中度Cを評
価する領域は、人間の目の虹彩(iris)が外界の明るさ
に応じて拡大、縮小する様子に似ており、このように勾
配ベクトルの分布に応じて大きさと形状が適応的に変化
するため、アイリスフィルター(iris filter )という
名称で称されている。
【0038】(ステップ3)腫瘤陰影の形状評価 一般に、悪性腫瘤の陰影は、 1)辺縁は不整である 2)概円形に近い形をしている 3)内部は凸凹した濃度分布を有する という形態的な特徴を有している。
【0039】そこで、検出された陰影の候補から正常組
織を取り除き、腫瘤と考えられる陰影のみを抽出するた
めに、さらにこれらの特徴を考慮した形状判定を行う。
ここで用いる特徴量としては、広がり度(Spreadnes
s)、細長さ(Elongation)、辺縁の粗さ(Roughness
)、円形度(Circularity )および内部の凸凹度(Ent
ropy )である。
【0040】形状判定のための特徴量として例えば円形
度を用いた場合、腫瘤陰影に対応する集中度の分布は、
2値化したときには一般に円形に近い形状となる。この
2値化して得られた領域の面積と同じ面積の円の直径を
Le、領域を包含する最小面積の四角形の縦と横の辺の
長さをそれぞれa,bとし、円形度dcircを下記式(1
6)で定義する。
【0041】
【数6】
【0042】この円形度の値が、所定の閾値以下であれ
ば、その領域は腫瘤陰影ではないと判定し検出せず、閾
値以上であれば、腫瘤陰影であると判定し検出する。
【0043】上述のステップにより、アイリスフィルタ
ーは放射線画像から腫瘤陰影だけを効果的に検出するこ
とができる。
【0044】なお、前述の集中度Ci (n)の計算は式
(13)の代わりに、下記式(13′)を用いてもよい。
【0045】
【数7】
【0046】以上がアイリスフィルター処理の概要であ
る。
【0047】なお、本発明の第1の計算機支援画像診断
装置における、「集中度の高い画像部分」とは、具体的
には上記(ステップ1)〜(ステップ3)の処理をなす
アイリスフィルターの演算により求められた画像部分を
意味するものである。
【0048】また、本発明の第1の計算機支援画像診断
装置において、前記局所画像強調手段が、前記放射線画
像の各画素ごとのオリジナル画像信号Dorg についての
前記アイリスフィルターによる前記集中度に基づいたア
イリスフィルター信号Girisおよび強調係数αを用い
て、前記オリジナル画像信号Dorg に対して式(1)に
示す演算を施す異常陰影強調手段を備えるものであって
もよい。
【0049】 Dproc=Dorg +α・Giris (1) ここで式(1)中のアイリスフィルター信号Girisとし
ては式(15)で表した集中度そのものであってもよい。
【0050】さらにまた、本発明の第1の計算機支援画
像診断装置において、前記局所画像強調手段が、前記放
射線画像の各画素ごとのオリジナル画像信号Dorg につ
いて、該画素を中心画素としたN列×N行の非鮮鋭マス
ク信号Dusを式(2)により算出する非鮮鋭マスク信号
算出手段と、 Dus=(ΣDorg )/N2 (2) 前記アイリスフィルターによる前記集中度に基づいたア
イリスフィルター信号Girisを、該アイリスフィルター
信号Girisに応じた強調係数β(Giris)に変換する変
換テーブルと、前記非鮮鋭マスク信号Dusと前記強調係
数β(Giris)とを用いて、前記オリジナル画像信号D
org に対して式(3)示す演算を施す異常陰影強調手段
を備えたものであってもよい。
【0051】 Dproc=Dorg +β(Giris)・(Dorg −Dus) (3) ここでβ(Giris)は、前記画像部分に対応した画素で
あることを示す信号に基づく出力が、前記画像部分対応
した画素でないことを示す信号に基づく出力よりも大き
い値を出力するように設定された強調関数である(例え
ば図3に示すような単調増加の関数とするのが望まし
い)。
【0052】本発明の第2の計算機支援画像診断装置
は、被写体の放射線画像を表す全体画像信号を記憶する
全体画像記憶手段と、この全体画像信号に基づいて前記
放射線画像のうち、所定の多重構造要素Biおよびスケ
ール係数λを用いて、前記画像信号が該多重構造要素B
i より空間的に狭い範囲で変動する画像部分を検出する
モーフォロジーフィルターと、モーフォロジーフィルタ
ーによる前記多重構造要素Bi より空間的に狭い範囲で
変動する画像部分の検出の結果に基づいて、前記画像部
分の存在の有無を判定する判定手段と、判定手段により
前記画像部分が存在すると判定された場合に、前記全体
画像記憶手段に記憶された前記全体画像信号のうち、前
記画像部分を含む局所領域の局所画像信号を抽出する局
所領域抽出手段と、該局所領域抽出手段により抽出され
た前記局所画像信号に基づいて該局所領域の画像を表示
する局所画像表示手段と、前記全体画像データに基づい
て前記被写体の放射線画像の全体を表示する全体画像表
示手段と、前記局所画像表示手段に表示される前記局所
領域の画像のうち前記画像部分が、前記全体画像表示手
段に表示される前記放射線画像よりも読影性能が向上す
るように、前記モーフォロジーフィルターによる前記画
像部分の検出の結果に基づいて、前記局所画像信号のう
ち前記画像部分を示す異常陰影画像信号に対して、選択
的に強調処理する局所画像強調手段とを備えてなること
を特徴とするものである。
【0053】ここで、モーフォロジー(Morphology;モ
フォロジーまたはモルフォロジーとも称する)のアルゴ
リズムに基づく処理(以下、モーフォロジー演算または
モーフォロジー処理という)について説明する。
【0054】モーフォロジー処理は、特に乳癌における
特徴的形態である微小石灰化像を検出するのに有効な手
法として研究されている(既出「多重構造要素を用いた
モルフォロジーフィルタによる微小石灰化像の抽出」参
照)が、対象画像としては、このようなマンモグラムに
おける微小石灰化像に限るものではなく、検出しようと
する特定の画像部分(異常陰影等)の大きさや形状が予
め分かっているものについては、いかなる画像に対して
も適用することができる。
【0055】以下、このモーフォロジー処理を、マンモ
グラムにおける微小石灰化像の検出に適用した例によ
り、モーフォロジー処理の概要について説明する。
【0056】(モーフォロジーの基本演算)モーフォロ
ジー処理は一般的にはN次元空間における集合論として
展開されるが、直感的な理解のために2次元の濃淡画像
を対象として説明する。
【0057】濃淡画像を座標(x,y)の点が濃度値f
(x,y)に相当する高さをもつ空間とみなす。ここ
で、濃度値f(x,y)は、濃度値が低い(CRTに表
示した場合には輝度値が高い)程大きな画像信号値とな
る高輝度高信号レベルの信号とする。
【0058】まず、簡単のために、その断面に相当する
1次元の関数f(x)を考える。モーフォロジー演算に
用いる構造要素gは次式(17)に示すように、原点につ
いて対称な対称関数
【0059】
【数8】
【0060】であり、定義域内で値が0で、その定義域
Gが下記式(18)であるとする。
【0061】
【数9】
【0062】このとき、モーフォロジー演算の基本形は
式(19)〜(22)に示すように、非常に簡単な演算とな
る。
【0063】
【数10】
【0064】すなわち、dilation(ダイレーション)処
理は、注目画素を中心とした、±m(構造要素Bに応じ
て決定される値)の幅の中の最大値を探索する処理であ
り(図10(A)参照)、一方、erosion (エロージョ
ン)処理は、注目画素を中心とした、±mの幅の中の最
小値を探索する処理である(図10(B)参照)。また、
opening (またはclosing )処理は最小値(または最大
値)の探索の後に、最大値(または最小値)を探索する
ことに相当する。すなわちopening (オープニング)処
理は、低輝度側から濃度曲線f(x)を滑らかにし、マ
スクサイズ2mより空間的に狭い範囲で変動する凸状の
濃度変動部分(周囲部分よりも輝度が高い部分)を取り
除くことに相当する(図10(C)参照)。一方、closin
g (クロージング)処理は、高輝度側から濃度曲線f
(x)を滑らかにし、マスクサイズ2mより空間的に狭
い範囲で変動する凹状の濃度変動部分(周囲部分よりも
輝度が低い部分)を取り除くことに相当する(図10
(D)参照)。
【0065】なお、構造要素gが原点に対して対称では
ない場合の、式(19)に示すダイレーション演算をMink
owski (ミンコフスキー)和、式(20)に示すエロージ
ョン演算をMinkowski 差という。
【0066】ここで、濃度値f(x)が、濃度の高いも
の程大きな値となる高濃度高信号レベルの信号の場合に
おいては、濃度値f(x)の画像信号値が高輝度高信号
レベルの場合に対して大小関係が逆転するため、高濃度
高信号レベルの信号におけるダイレーション処理は、高
輝度高信号レベルにおけるエロージョン処理(図10
(B))と一致し、高濃度高信号レベルの信号における
エロージョン処理は、高輝度高信号レベルにおけるダイ
レーション処理(図10(A))と一致し、高濃度高信号
レベルの信号におけるオープニング処理は、高輝度高信
号レベルにおけるクロージング処理(図10(D))と一
致し、高濃度高信号レベルの信号におけるクロージング
処理は、高輝度高信号レベルにおけるオープニング処理
(図10(C))と一致する。
【0067】なお、本項では高輝度高信号レベルの画像
信号(輝度値)の場合について説明する。
【0068】(石灰化陰影検出への応用)石灰化陰影の
検出には、原画像から平滑化した画像を引き去る差分法
が考えられる。単純な平滑化法では石灰化陰影と細長い
形状の非石灰化陰影(乳腺、血管および乳腺支持組織
等)との識別が困難であるため、東京農工大の小畑ら
は、多重構造要素を用いたオープニング演算に基づく下
記式(23)で表されるモーフォロジーフィルターを提案
している(既出「多重構造要素を用いたモルフォロジー
フィルタによる微小石灰化像の抽出」参照)。
【0069】
【数11】
【0070】ここでBi (i=1,2,…,M)は、例
えば図11に示す直線状の4つ(この場合M=4)の構造
要素(これら4つの構造要素の全体をもって多重構造要
素という)である。構造要素Bi を検出対象である石灰
化陰影よりも大きく設定すれば、上記オープニング演算
による処理で、構造要素Bi よりも細かな凸状の信号変
化部分(空間的に狭い範囲で変動する画像部分)である
石灰化陰影は取り除かれる。一方、細長い形状の非石灰
化陰影はその長さが構造要素Bi よりも長く、その傾き
が4つの構造要素Bi のいずれかに一致すればオープニ
ング処理(式(23)の第2項の演算)をしてもそのまま
残る。したがってオープニング処理によって得られた平
滑化画像(石灰化陰影のみが取り除かれた画像)を原画
像fから引き去ることで、小さな石灰化陰影のみが含ま
れる画像が得られる。これが式(23)の考え方である。
【0071】なお、前述したように、高濃度高信号レベ
ルの信号の場合においては、石灰化陰影は周囲の画像部
分よりも濃度値が低くなり、石灰化陰影は周囲部分に対
して凹状の信号変化部分となるため、オープニング処理
に代えてクロージング処理を適用し、式(23)に代えて
式(24)を適用する。
【0072】
【数12】
【0073】このように、モーフォロジー処理は、 (1)石灰化陰影そのものの抽出に有効であること (2)複雑なバックグラウンド情報に影響されにくいこ
と (3)抽出した石灰化陰影がひずまないこと などの特徴がある。すなわち、この手法は一般の微分処
理に比べて、石灰化陰影のサイズ・形状・濃度分布など
の幾何学的情報をより良く保った検出が可能である。
【0074】以上がモーフォロジー処理の概要である。
【0075】なお、本発明の第2の計算機支援画像診断
装置における、「多重構造要素Biより空間的に狭い範
囲で変動する画像部分」とは、具体的には上記モーフォ
ロジー処理により求められた画像部分を意味するもので
ある。
【0076】また、本発明の第2の計算機支援画像診断
装置において、前記局所画像強調手段は、前記放射線画
像の各画素ごとのオリジナル画像信号Dorg についての
前記モーフォロジーフィルターによる前記多重構造要素
Bi より空間的に狭い範囲で変動する画像部分を表すモ
ーフォロジー信号Dmor を、該モーフォロジー信号Dmo
rに応じた出力f(Dmor )に変換する変換テーブル
と、該出力f(Dmor )および強調係数αを用いて、前
記オリジナル画像信号Dorg に対して、式(4)に示す
演算を施す異常陰影強調手段とを備えたものであっても
よい。
【0077】 Dproc=Dorg +α・f(Dmor ) (4) ここで、関数f(Dmor )は、図12に示すように、モー
フォロジー信号|Dmor |が極小さい領域C1ではその
出力f(Dmor )を0(ゼロ)とし、モーフォロジー信
号|Dmor |がある程度の大きさを有する領域C2につ
いては、出力f(Dmor )を|Dmor |に対して単調増
加させ、モーフォロジー信号|Dmor |が極端に大きい
領域C3についてはf(Dmor )の上限値に固定するよ
うに変換する関数とするのが望ましい。これは、Dmor
の小さい領域C1において、モーフォロジーフィルター
により検出される高周波の放射線ノイズを低減させるた
めであり、また既にある程度のコントラストを有する領
域C3においては過度の強調処理がなされるのを防止す
るためである。
【0078】なお、関数f(Dmor )はモーフォロジー
信号Dmor そのものであってもよい。
【0079】また、本発明の第2の計算機支援画像診断
装置において、前記局所画像強調手段は、前記放射線画
像の各画素ごとのオリジナル画像信号Dorg を、該オリ
ジナル画像信号Dorg に応じた強調係数β(Dorg )に
変換する変換テーブルと、前記モーフォロジーフィルタ
ーによる前記多重構造要素Bi より空間的に狭い範囲で
変動する画像部分を表すモーフォロジー信号Dmor およ
び前記強調係数β(Dorg )を用いて、前記オリジナル
画像信号Dorg に対して、式(5)に示す演算を施す異
常陰影強調手段とを備えたものであってもよい。
【0080】 Dproc=Dorg +β(Dorg )×(Dorg −Dmor ) (5) ここで、(i) 周囲の画像部分よりもオリジナルの画像信
号Dorg の値が大きく、かつその画像信号が多重構造要
素Bi より空間的に狭い範囲で変動する画像部分(例え
ば、高輝度高信号レベルの画像信号における石灰化陰
影)を強調処理する場合は、β(Dorg )は、図13
(1)に示すように、Dorg に対して単調増加の関数と
するのが望ましく、一方、(ii)周囲の画像部分よりもオ
リジナルの画像信号Dorg の値が小さく、かつその画像
信号が多重構造要素Bi より空間的に狭い範囲で変動す
る画像部分(例えば、高濃度高信号レベルの画像信号に
おける石灰化陰影)を強調処理する場合は、β(Dorg
)は、図13(2)に示すように、Dorg に対して単調
減少の関数とするのが望ましい。
【0081】さらにまた、本発明の第2の計算機支援画
像診断装置において、前記局所画像強調手段は、前記放
射線画像の各画素ごとのオリジナル画像信号Dorg につ
いての前記モーフォロジーフィルターによる前記多重構
造要素Bi より空間的に狭い範囲で変動する画像部分を
表すモーフォロジー信号Dmor を、該モーフォロジー信
号Dmorに応じた強調係数β(Dmor )に変換する変換
テーブルと、該強調係数β(Dmor )およびオリジナル
画像信号Dorg と前記モーフォロジー信号Dmor との差
信号を用いて、前記オリジナル画像信号Dorg に対し
て、式(6)に示す演算を施す異常陰影強調手段とを備
えた構成であってもよい。
【0082】 Dproc=Dorg +β(Dmor )×(Dorg −Dmor ) (6) 式(6)で表されるモーフォロジー信号Dmor に基づい
た強調処理を施す場合においては、図14に示すように、
Dmor に対して単調増加の関数とするのが望ましい。
【0083】なお、上記各モーフォロジー演算として、
下記式(25)で示されるものを使用することにより、オ
リジナルの画像信号Dorg の値が、周囲の画像部分に対
応する画像信号より大きい画像部分を抽出し、この画像
部分を選択的に強調処理することができる。
【0084】
【数13】
【0085】ここで、構造要素Bとしては、例えば、正
方形、長方形、円形、楕円形、または菱形等の上下左右
対称の要素が望ましい。
【0086】一方、上記各モーフォロジー演算として、
下記式(26)で示されるものを使用することにより、オ
リジナルの画像信号Dorg の値が、周囲の画像部分に対
応する画像信号より小さい画像部分を抽出し、この画像
部分を選択的に強調処理することができる。
【0087】
【数14】
【0088】なお、上記式(25),(26)において、
【0089】
【数15】
【0090】また、本発明の第2の計算機支援画像診断
装置において、前記局所画像強調手段は、前記放射線画
像の各画素ごとのオリジナル画像信号Dorg について、
該画素を中心画素としたN列×N行の非鮮鋭マスク信号
Dusを式(2)により算出する非鮮鋭マスク信号算出手
段と、 Dus=(ΣDorg )/N2 (2) 前記モーフォロジーフィルターによる前記多重構造要素
Bi より空間的に狭い範囲で変動する画像部分を表すモ
ーフォロジー信号Dmor を、該モーフォロジー信号Dmo
r に応じた強調係数β(Dmor )に変換する変換テーブ
ルと、前記非鮮鋭マスク信号Dusと前記強調係数β(D
mor )とを用いて、前記オリジナル画像信号Dorg に対
して式(7)示す演算を施す異常陰影強調手段とを備え
た構成であってもよい。
【0091】 Dproc=Dorg +β(Dmor )・(Dorg −Dus) (7) なお、関数β(Dmor )は、図6(a)、(b)に示す
ように、|Dmor |の小さい領域での出力が小さく抑制
された関数である。
【0092】また、構造要素Bとしては、例えば、正方
形、長方形、円形、楕円形、または菱形等の上下左右対
称の要素が望ましい。
【0093】さらに、モーフォロジー演算としては、下
記式(25)〜(31)で示される種々のものを適用するこ
とができる。
【0094】
【数13】
【0095】
【数14】
【0096】
【数16】
【0097】
【数17】
【0098】
【数18】
【0099】
【数19】
【0100】
【数20】
【0101】すなわち、式(25)で表されるモーフォロ
ジー演算を適用することにより、モーフォロジー信号D
mor として、オリジナルの画像信号Dorg の値が周囲の
画像部分に対応する画像信号よりも大きく、かつ前記多
重構造要素Bi より空間的に狭い範囲で変動する画像部
分(例えば、高輝度高信号レベルの画像信号における石
灰化陰影)を構成する画素の信号を抽出することがで
き、この画像部分を効果的に強調処理することができ
る。
【0102】また、式(26)で表されるモーフォロジー
演算を適用することにより、モーフォロジー信号Dmor
として、オリジナルの画像信号Dorg の値が周囲の画像
部分に対応する画像信号よりも小さく、かつ前記多重構
造要素Bi より空間的に狭い範囲で変動する画像部分
(例えば、高濃度高信号レベルの画像信号における石灰
化陰影)を構成する画素の信号を抽出することができ、
この画像部分を効果的に強調処理することができる。
【0103】式(27)で表されるモーフォロジー演算を
適用することにより、モーフォロジー信号Dmor とし
て、オリジナルの画像信号Dorg の値が周囲の画像部分
に対応する画像信号よりも大きくかつ前記多重構造要素
Bi より空間的に狭い範囲で変動する画像部分や、輝度
(濃度)が急激に変化するエッジ部分を構成する画素の
信号を抽出することができ、このような画像部分を効果
的に強調処理することができる。
【0104】式(28)で表されるモーフォロジー演算を
適用することにより、モーフォロジー信号Dmor とし
て、オリジナルの画像信号Dorg の値が周囲の画像部分
に対応する画像信号よりも小さくかつ前記多重構造要素
Bi より空間的に狭い範囲で変動する画像部分や、輝度
(濃度)が急激に変化するエッジ部分を構成する画素の
信号を抽出することができ、このような画像部分を効果
的に強調処理することができる。
【0105】式(29)で表されるモーフォロジー演算を
適用することにより、モーフォロジー信号Dmor とし
て、オリジナルの画像信号Dorg の値が周囲の画像部分
に対応する画像信号よりも大きくかつ前記多重構造要素
Bi より空間的に狭い範囲で変動する、濃度(輝度)変
化の大きい画像部分(例えばオリジナルの画像信号Dor
g が表す画像の骨格部分)を構成する画素の信号を抽出
することができ、このような画像部分(骨格部分)を効
果的に強調処理することができる。式(29)を具体的に
適用した例を図15に示す。原画像Xに対する構造要素B
(半径rの円形構造とする)での、エロージョン処理し
た画像と、エロージョン処理した画像に対するオープニ
ング処理した画像との差信号のλ(λ=1,2,…,
N)回までの和集合は、骨格部分aおよびbとなる。
【0106】式(30)で表されるモーフォロジー演算を
適用することにより、モーフォロジー信号Dmor とし
て、オリジナルの画像信号Dorg の値が周囲の画像部分
に対応する画像信号よりも小さくかつ前記多重構造要素
Bi より空間的に狭い範囲で変動する、濃度(輝度)変
化の大きい画像部分(例えばオリジナルの画像信号Dor
g が表す画像の骨格部分)を構成する画素の信号を抽出
することができ、このような画像部分(骨格部分)を効
果的に強調処理することができる。
【0107】式(29)、(30)で表されるモーフォロジ
ー演算を一般にスケルトン処理と称し、このスケルトン
処理によれば、特に放射線画像の骨りょう部分の画像信
号に適用した場合、骨格要素だけを選択的に、効果的に
強調処理することができる。
【0108】式(31)で表されるモーフォロジー演算を
適用することにより、局所的に輝度(濃度)変化の大き
い画像部分を構成する画素の信号を抽出することがで
き、このような画像部分を効果的に強調処理することが
できる。
【0109】なお、モーフォロジー演算として式(31)
を適用する場合は、オーバーシュート、アンダーシュー
トを抑制するため、式(7)第2項中の(Dorg −Du
s)を、Dorg が所定の大きさ以下の範囲、あるいは所
定の大きさ以上の範囲において、例えば図16に示すよう
に、出力を抑制する関数f(Dorg −Dus)とすること
が必要である。
【0110】なお本発明の第1および第2の計算機支援
画像診断装置は、全体画像表示手段が局所画像表示手段
を兼ね、全体画像表示手段の表示面上の一部に局所領域
画像を表示するようにした構成を採ることもできる。す
なわち、全体画像表示手段に全体画像を表示しつつ、本
来、これとは別個の局所画像表示手段に表示される局所
領域画像を、全体画像表示手段に表示されている全体画
像の一部に重ねて表示する(その局所領域画像が重ねら
れた全体画像表示手段の表示部分には、その全体画像の
一部と局所領域の画像とが重複して表示されるのではな
く、重ねられた全体画像の一部は表示されずに局所領域
の画像のみが表示され、重ねられていない表示部分に
は、全体画像の残りの部分が表示されることを意味す
る)こともできる。
【0111】また、全体画像および局所領域の画像の表
示態様としては、画像の対象となる被写体によって種々
の態様を採ることができる。すなわち、例えば1人の患
者の乳房等のX線画像を表示する場合、一方の乳房の画
像だけを表示する他、画像表示手段をそれぞれ2組備え
る構成を採用するなどにより、一方の乳房の異常陰影を
含む局所領域の画像を一方の画像表示手段に表示し、同
時に、この一方の乳房の局所領域に対応する他方の乳房
の部位の局所領域の画像をもう一方の画像表示手段に表
示せしめるようにすれば、読影者は左右の乳房の同一部
位を対比観察することができる。
【0112】すなわち、左右の乳房の全体画像を、1つ
の全体画像表示手段に対で表示するようにし、あるいは
これら一対の乳房の全体画像を、左右別個に、2つの全
体画像表示手段に表示してもよい。
【0113】また、一方の乳房に異常陰影が検出された
ときは、この一方の乳房の異常陰影を含む局所領域の画
像と、この一方の乳房における局所領域の位置に対応す
る、他方の乳房における局所領域の画像とを、対で、1
つの局所画像表示手段に表示し、あるいはこれら一対の
乳房の局所領域の画像を、左右別個に、2つの局所画像
表示手段に表示してもよい。この場合、左右一対の乳房
の局所領域の画像に対して、同一の局所画像強調処理が
なされることが望ましい。
【0114】さらに全体画像表示手段が局所画像表示手
段を兼ね、1つまたは2つの全体画像表示手段に対で表
示された左右の乳房の全体画像にそれぞれ、左右の乳房
の局所領域の画像を対応させて表示するようにしてもよ
い。
【0115】また、この一方の乳房の画像と、これとは
別個に撮影された他方の乳房の画像とを同一の表示手段
の表示面上に同時に表示するようにしてもよい。具体的
には、一方の乳房の画像を全体画像表示手段の右半分
に、他方の乳房の画像を同じ全体画像表示手段の左半分
に、これらを向かい合わせて同時に表示させ、一方の乳
房の全体画像データから異常陰影候補が検出された場合
には、この異常陰影候補を含む局所領域の画像を強調処
理したうえで右半分の表示面上の一部に、一方の乳房の
全体画像と重ねて表示させるとともに、この一方の乳房
における異常陰影候補の部位と対応する他方の乳房の部
位についての局所領域の画像を、左半分の表示面上の一
部に他方の乳房の全体画像と重ねて表示してもよい。
【0116】なお、このように別個に得られた2つの画
像データを同時に別個の画像表示手段、または同一の画
像表示手段の別の表示位置に、部位を対応させて表示せ
しめる場合には、一方の乳房の全体画像データと他方の
乳房の全体画像データとをそれぞれ記憶する手段と、2
つの画像データ(全体画像データ同士および局所画像デ
ータ同士)を画像の位置関係に対応させて検出する手段
と、これらを制御して表示手段に表示せしめるような制
御手段をさらに備える構成を採ることが必要となる。
【0117】
【作用および発明の効果】本発明の第1の計算機支援画
像診断装置によれば、全体画像表示手段は、直接入力さ
れた全体画像信号、もしくは全体画像記憶手段を介して
入力された全体画像信号に基づいて放射線画像の全体を
表示する。一方、この全体画像信号はアイリスフィルタ
ーにも直接、または全体画像記憶手段を介して入力さ
れ、アイリスフィルターは全体画像信号に基づき、前述
した(ステップ1)〜(ステップ3)にしたがって、腫
瘤陰影等の、画像信号の勾配の集中度の高い画像部分を
検出する。アイリスフィルターはこの集中度の高い画像
部分を検出した場合には、この画像部分に対応する画素
を特定し、特定された画素を示す位置データおよびその
画素についてのアイリスフィルター画像信号を判定手段
に出力する。一方、集中度の高い画像部分を検出しなか
った場合には、そのような位置データ等は出力されな
い。
【0118】判定手段は、この位置データが入力された
場合には、集中度の高い画像部分(以下、異常陰影等の
画像部分という)が検出されたと判定し、入力された位
置データを局所領域抽出手段に出力する。一方、異常陰
影等の画像部分が検出されなかったと判定した場合に
は、位置データがアイリスフィルターから出力されない
ため処理は終了する。
【0119】一方、局所領域抽出手段には全体画像記憶
手段に記憶された全体画像信号も入力され、局所領域抽
出手段はこの全体画像信号のうち、入力された位置デー
タに基づいて、異常陰影等の画像部分に対応する画素を
含む近傍の画素(これらの画素の集合としての局所領域
という)を予め設定された処理手順にしたがって特定し
たうえで、この局所領域の画像に対応する局所画像信号
を抽出する。
【0120】この抽出された局所画像信号は、局所画像
強調手段に入力される。またこの局所画像強調手段に
は、前述の画像信号の勾配の集中度に基づくアイリスフ
ィルター信号も入力される。ここで局所画像強調手段
は、局所画像信号(オリジナル画像信号)Dorg に対し
て、アイリスフィルター信号Girisに応じた強調処理を
施す。アイリスフィルター信号Girisは、前述したよう
に異常陰影等の画像部分に対応する画素に対しては大き
な値を示し、一方、異常陰影等の画像部分に対応する画
素以外の画素に対しては小さな値を示す。したがって、
アイリスフィルター信号Girisに重み付けをしたうえ
で、もとのオリジナル画像信号と加算することにより、
異常陰影等の画像部分をだけを選択的に、効率よく強調
させることができる。
【0121】局所画像強調手段により強調処理された画
像信号Dprocは局所画像表示手段に出力され、局所画像
表示手段はこの信号に基づいて、異常陰影を含む局所領
域の画像を表示する。
【0122】このように、局所画像表示手段には異常陰
影等の画像部分がより強調された画像だけ表示されるた
め、画像観察による診断性能を向上させることができ
る。
【0123】またこの異常陰影等の画像部分を含む局所
画像が、全体の画像とは別個に表示されるため、観察読
影者はその局所画像表示手段に表示された局所領域の画
像に観察意識を集中することができ、これによっても診
断性能を向上させることができる。なお、全体画像表示
手段が局所画像表示手段を兼ねる構成を採った場合に
も、より強調処理されるのは異常陰影等の画像部分だけ
であるから、上記の診断性能の向上という効果を得られ
ることはいうまでもない。
【0124】なお、前述したように、強調処理される画
像部分は、濃度値が周辺部分よりも低い腫瘤陰影に限ら
ず、濃度値が周辺部分よりも高い陰影等も、その濃度勾
配が集中しているものであれば、選択的に強調処理する
ことができる。したがって高濃度高信号レベルの画像信
号だけでなく、高輝度高信号レベルの画像信号にも適用
することができる。以下の発明においても同様である。
【0125】ここで、局所画像強調手段が、式(1)に
示す強調処理を施す異常陰影強調手段を備えた構成の場
合も、上記と同様の作用効果を得ることができる。
【0126】また、本発明の第1の計算機支援画像診断
装置において、局所画像強調手段が、非鮮鋭マスク信号
算出手段と変換テーブルと異常陰影強調手段とを備えた
構成にあっては、非鮮鋭マスク信号算出手段が、式
(2)にしたがって、各画素についての非鮮鋭マスク信
号Dusを算出し、変換テーブルがアイリスフィルター信
号Girisを、アイリスフィルター信号Girisに応じた強
調係数β(Giris)に変換し、異常陰影強調手段が、こ
の強調係数β(Giris)と非鮮鋭マスク信号Dusとオリ
ジナル画像信号Dorg を用いて、オリジナル画像信号D
org に対して式(3)に示す強調処理を施す。
【0127】式(3)第2項の計算処理により、オリジ
ナル画像信号Dorg から、その超低空間周波数成分Dus
を減算することにより、オリジナル画像信号Dorg のう
ちの比較的高い周波数成分(超低空間周波数成分を除い
たものをいう)が抽出されるが、この抽出された比較的
高い周波数成分には、いわゆる高周波成分である放射線
ノイズも含まれる。しかし、この比較的高い周波数成分
に対して乗じられる強調係数β(Giris)は、異常陰影
等の画像部分であるか否かに応じた信号Girisに基づく
ものであるため、高周波成分(Dorg −Dus)に例えば
量子ノイズ等の不要な成分が含まれていても、その画素
が腫瘤陰影等の画像部分を構成するものでない場合は、
その画素についてのβ(Giris)の値は小さいため、そ
の画素に対する強調度合は小さいものとなる。
【0128】一方、画素が腫瘤陰影等の画像部分を構成
するものである場合は、その画素についてのβ(Giri
s)の値は大きいため、その画素に対する強調度合は大
きいものとなる。
【0129】したがって、画像の高周波成分(Dorg −
Dus)に放射線ノイズが含まれているか否かに拘らず、
異常陰影等の画像部分であるか否かに応じた関数β(G
iris)により、異常陰影等の画像部分を選択的に強調処
理することができる。
【0130】本発明の第2の計算機支援画像診断装置に
よれば、全体画像表示手段は、直接入力された全体画像
信号、もしくは全体画像記憶手段を介して入力された全
体画像信号に基づいて放射線画像の全体を表示する。一
方、この全体画像信号はモーフォロジーフィルターにも
直接、または全体画像記憶手段を介して入力され、モー
フォロジーフィルターは全体画像データに基づき、多重
構造要素Bi およびスケール係数λを用いたモーフォロ
ジー演算を施すことにより、多重構造要素Biよりも空
間的に狭い範囲で信号変動する微小石灰化陰影等の画像
部分を検出する。モーフォロジーフィルターはこの多重
構造要素Bi よりも空間的に狭い範囲で信号変動する画
像部分を検出した場合には、この画像部分に対応する画
素を特定し、特定された画素を示す位置データおよびそ
の画素についてのモーフォロジー信号Dmor を判定手段
に出力する。一方、この空間的に狭い範囲で信号変動す
る画像部分を検出しなかった場合には、そのような位置
データ等は出力されない。
【0131】判定手段は、この位置データが入力された
場合には、その画像部分が検出されたと判定し、入力さ
れた位置データを局所領域抽出手段に出力する。一方、
その画像部分が検出されなかったと判定した場合には、
位置データがモーフォロジーフィルターから出力されな
いため処理は終了する。
【0132】一方、局所領域抽出手段には全体画像記憶
手段に記憶された全体画像信号も入力され、局所領域抽
出手段はこの全体画像信号のうち、入力された位置デー
タに基づいて、異常陰影等の画像部分に対応する画素を
含む近傍の画素(これらの画素の集合としての局所領域
という)を予め設定された処理手順にしたがって特定し
たうえで、この局所領域の画像に対応する局所画像信号
を抽出する。
【0133】この抽出された局所画像信号は、局所画像
強調手段に入力される。またこのの局所画像強調手段に
は、前述のモーフォロジー信号Dmor も入力される。こ
こで局所画像強調手段は、局所画像信号(オリジナル画
像信号)Dorg に対して、モーフォロジー信号Dmor に
応じた強調処理を施す。モーフォロジー信号Dmor は、
前述したように、空間的に構造要素より狭い範囲で信号
変動する画像部分に対応する画素に対しては大きな値を
示し、一方、空間的に構造要素より狭い範囲で信号変動
する画像部分に対応する画素以外の画素、すなわち空間
的に構造要素と一致する範囲あるいは広い範囲で信号変
動する画像部分に対応する画素、に対しては小さな値を
示す。したがって、モーフォロジー信号Dmor に重み付
けをしたうえでもとのオリジナル画像信号と加算するこ
とにより、異常陰影等の信号変動の細かい画像部分だけ
を選択的に、効率よく強調させることができる。
【0134】局所画像強調手段により強調処理された画
像信号Dprocは局所画像表示手段に出力され、局所画像
表示手段はこの信号に基づいて、微小石灰化陰影等の信
号変動の小さい画像部分を含む局所領域の画像を表示す
る。
【0135】このように、局所画像表示手段には異常陰
影等の画像部分がより強調された画像だけ表示されるた
め、画像観察による診断性能を向上させることができ
る。
【0136】またこの異常陰影等の画像部分を含む局所
画像が、全体の画像とは別個に表示されるため、観察読
影者はその局所画像表示手段に表示された局所領域の画
像に観察意識を集中することができ、これによっても診
断性能を向上させることができる。なお、全体画像表示
手段が局所画像表示手段を兼ねる構成を採った場合に
も、より強調処理されるのは異常陰影等の画像部分だけ
であるから、上記の診断性能の向上という効果を得られ
ることはいうまでもない。
【0137】なお、前述したように、強調処理される画
像部分は、濃度値が周辺部分よりも低い微小石灰化陰影
に限らず、適用するモーフォロジー演算に応じて、濃度
値が周辺部分よりも高い微小な陰影等も選択的に強調処
理することができる。したがって高濃度高信号レベルの
画像信号だけでなく、高輝度高信号レベルの画像信号に
も適用することができる。以下の発明においても同様で
ある。
【0138】また、本発明の第2の計算機支援画像診断
装置において、局所画像強調手段が、モーフォロジー信
号Dmor に応じた出力f(Dmor )に変換する変換テー
ブルと、式(4)に示す異常陰影強調手段とを備えた構
成の場合も、上記と同様の作用効果を得ることができ
る。
【0139】さらに、本発明の第2の計算機支援画像診
断装置において、局所画像強調手段が、式(5)または
式(6)に示す異常陰影強調手段を備えた構成の場合
も、上記と同様の作用効果を得ることができる。
【0140】また、本発明の第2の計算機支援画像診断
装置において、局所画像強調手段が、非鮮鋭マスク信号
算出手段と変換テーブルと異常陰影強調手段とを備えた
構成にあっては、非鮮鋭マスク信号算出手段が、式
(2)にしたがって、各画素についての非鮮鋭マスク信
号Dusを算出し、変換テーブルがモーフォロジー信号D
mor を、モーフォロジー信号Dmor に応じた強調係数β
(Dmor )に変換し、異常陰影強調手段が、この強調係
数β(Dmor )と非鮮鋭マスク信号Dusとオリジナル画
像信号Dorg を用いて、オリジナル画像信号Dorg に対
して式(7)に示す強調処理を施す。
【0141】式(7)第2項の計算処理により、オリジ
ナル画像信号Dorg から、その超低空間周波数成分Dus
を減算することにより、オリジナル画像信号Dorg のう
ちの比較的高い周波数成分(超低空間周波数成分を除い
たものをいう)が抽出されるが、この抽出された比較的
高い周波数成分には、いわゆる高周波成分である放射線
ノイズも含まれる。しかし、この比較的高い周波数成分
に対して乗じられる強調係数β(Dmor )は、異常陰影
等の画像部分であるか否かに応じた信号Dmorに基づく
ものであるため、高周波成分(Dorg −Dus)に例えば
量子ノイズ等の不要な成分が含まれていても、その画素
が微小石灰化陰影等の画像部分を構成するものでない場
合は、その画素についてのβ(Dmor )の値は小さいた
め、その画素に対する強調度合は小さいものとなる。
【0142】一方、画素が微小石灰化陰影等の画像部分
を構成するものである場合は、その画素についてのβ
(Dmor )の値は大きいため、その画素に対する強調度
合は大きいものとなる。
【0143】したがって、画像の高周波成分(Dorg −
Dus)に放射線ノイズが含まれているか否かに拘らず、
異常陰影等の画像部分であるか否かに応じた関数β(D
mor)により、異常陰影等の画像部分を選択的に強調
処理することができる。
【0144】
【実施例】以下、本発明の計算機支援画像診断装置の実
施例について図面を用いて説明する。
【0145】図1は本発明の第1の計算機支援画像診断
装置の実施例の概略構成を示すブロック図、図2はこの
計算機支援画像診断装置により画像診断に供される乳房
の放射線画像(マンモグラム)を示す図である。図示の
計算機支援画像診断装置は、マンモグラムの全体の放射
線画像(全体画像)Pを表す、各画素の濃度値Dorg
の集合である画像データ(全体画像データ)Sを記憶す
る全体画像メモリ10、全体画像データSに基づいて、も
しくは一旦全体画像メモリ10に記憶された全体画像デー
タSに基づいて全体画像Pを表示するCRT等の全体画
像表示手段30、全体画像メモリ10に記憶された全体画像
データSに基づいて、全体画像Pのうち異常陰影P1
検出するアイリスフィルター40、アイリスフィルター40
により異常陰影P1 が検出されたか否かを判定する判定
手段50、異常陰影P1 が検出されたと判定手段50により
判定された場合に、全体画像メモリ10に記憶された全体
画像データSのうち、異常陰影P1 を含む局所領域の画
像P2 を表す画像データ(局所画像データ)S2 を抽出
する局所領域抽出手段60、局所領域抽出手段60により抽
出された局所画像データS2 に基づいた局所領域の画像
2 のうち異常陰影P1 が、全体画像表示手段30に表示
される全体画像Pよりも読影性能が向上するように、異
常陰影を示す画像データ(異常陰影画像データ)S1
対して画像強調処理を行う局所画像強調手段70、および
この画像強調処理のなされた局所画像データS2 に基づ
いて局所領域の画像P2 を表示するCRT等の局所画像
表示手段90、を備えた構成である。
【0146】なお、本実施例において異常陰影は腫瘤陰
影を意味する。
【0147】また、アイリスフィルター40は、腫瘤陰影
を示す画素について、その画素についての式(15)で示
した集中度Cを、腫瘤陰影を構成する画素であるか否か
を示す信号Girisとして出力する。
【0148】ただし、対象画像は、本実施例のような医
用画像に限るものではなく、工業製品の検査用画像等で
あってもよい。例えば、内部に巣のある鋳物製品のX線
画像について、異常陰影が当該巣の陰影であってもよ
い。
【0149】また上記局所領域とは、異常陰影である腫
瘤陰影を含むこの腫瘤陰影近傍の領域をいうものとす
る。
【0150】なお、実施例記載中において、画像を構成
する各画素の画像データを濃度信号値Dorg と表記し、
これら画素の集合により構成される領域の画像データを
画像データSと表記するものとする。また、濃度値Dor
g は高濃度高信号レベルの信号値である。さらにまた、
本実施例の腫瘤陰影は、その濃度値Dorg が陰影の中心
に向かうにしたがって小さくなる特徴を有する。
【0151】ここでアイリスフィルター40は、前述した
(ステップ1)〜(ステップ3)にしたがった、特定の
画像部分の検出処理のアルゴリズムをいうが、本実施例
におけるアイリスフィルター40は、このアルゴリズム自
体を指すのではなく、このアルゴリズムによる腫瘤陰影
の検出処理をなす手段を意味する。
【0152】また、局所画像強調手段70は詳しくは、局
所画像データS2 を構成する各画素(濃度値Dorg )に
ついて、その画素を中心としたN列×N行(Nは例えば
「5」などの奇数)の画素マトリクスからなるマスク
(以下、単にボケマスクという)信号Dusを下記式
(2)により算出するボケマスク信号算出手段71と、 Dus=(ΣDorg )/N2 (2) (ただし、ΣDorg はボケマスク内各画素の画像信号の
和) アイリスフィルター40により抽出された腫瘤陰影を示す
画素についての出力Girisを、図3で表される単調に増
加するβ(Giris)に変換して出力する変換テーブル72
と、この出力β(Giris)と前述のボケマスクという信
号Dusとを用いて、オリジナル画像信号である濃度値D
org に対して、下記式(3)に示す周波数強調処理を施
す腫瘤陰影強調手段73とを備えた構成である。
【0153】 Dproc=Dorg +β(Giris)・(Dorg −Dus) (3) 以下、本実施例の計算機支援画像診断装置の作用につい
て説明する。
【0154】全体画像メモリ10に光磁気ディスクや画像
読取装置等から、内部に腫瘤部を有する乳房を含む全体
画像Pを表す全体画像データSが入力される。また、こ
の全体画像データSは直接全体画像表示手段30にも入力
され(図1のAの経路)、もしくは一旦全体画像メモリ
10に記憶されたものとして全体画像表示手段30に入力さ
れて(図1のBの経路)、全体画像表示手段30は、この
全体画像データSに基づいて全体画像Pを表示する。
【0155】一方、全体画像メモリ10に記憶された全体
画像データSはアイリスフィルター40にも入力される。
アイリスフィルター40は、前述した手順にしたがって、
入力された全体画像データSの全体に亘って、濃度値D
org に基づいた勾配ベクトルの集中度(式(10)参照)
を評価して、腫瘤陰影P1 を示す画像データ(以下、腫
瘤画像データという)S1 を検出する。
【0156】すなわち、図2(1)に示したマンモグラ
ムの腫瘤陰影P1 の濃度値Dorg は陰影の中心に向かう
にしたがって小さくなるため、同図(2)に示すよう
に、式(9)で表す勾配ベクトルの向きがその中心に集
中するが、一方、血管や乳腺等の画像P3 は、その濃度
値Dorg が陰影の中心線に向かうにしたがって小さくな
るため、式(9)で表す勾配ベクトルは同図(3)に示
すようにその向きが一定方向を向くことになり、同図
(2)の腫瘤陰影の場合のように1点に集中することが
ない。
【0157】アイリスフィルター40は、このような勾配
ベクトルの集中度Cを評価し、さらに前述した(ステッ
プ3)による形状評価を行うことにより、腫瘤陰影P1
を示す画像データS1 の画素(位置)を特定するととも
に、この集中度Cを腫瘤陰影を構成する画素であるか否
かを示す信号Girisとして出力する。判定手段50は、ア
イリスフィルター40によりこの腫瘤陰影P1 を示す腫瘤
画像データS1 が検出されたことを判定するとともに、
腫瘤画像データS1 の画素位置を特定する位置データ
(以下、腫瘤画素位置データという)D1 および信号G
irisを局所領域抽出手段60に入力する。
【0158】判定手段50は、アイリスフィルター40によ
りこの腫瘤陰影P1 を示す腫瘤画像データが検出されな
かったと判定した場合には、腫瘤画像データS1 の画素
位置を特定する腫瘤画素位置データD1 を出力せずに処
理は終了する。
【0159】一方、腫瘤画像データが検出されたと判定
した場合は、局所領域抽出手段60には全体画像メモリ10
に記憶された全体画像データSも入力され、局所領域抽
出手段60は入力された全体画像データSのうち、腫瘤画
素位置データD1 に基づいて腫瘤画像データS1 の画素
を含む近傍の画素(これらの画素の集合としての局所領
域)を、予め設定された処理手順にしたがって特定した
うえで、この局所領域の画像P2 を表す局所画像データ
2 を抽出する。
【0160】抽出された局所画像データS2 および信号
Girisは局所画像強調手段70に入力される。
【0161】局所画像強調手段70に入力された局所画像
データS2 を構成する各画素(濃度値Dorg )につい
て、まず超低空間周波数成分を算出するボケマスク信号
算出手段71により、ボケマスク信号Dusが算出される。
次に、アイリスフィルター40からの入力Girisが変換テ
ーブル72によりβ(Giris)に変換される。この変換テ
ーブル72は、図3に示すように単調増加関数である。す
なわち、信号Girisは式(15)に示した集中度Cを表す
ものであり、集中度Cが大きな値を採る場合は、その画
素が腫瘤陰影に対応した画素であることを示す。したが
って、変換テーブル72の出力β(Giris)が大きな値を
出力するのは、その画素が腫瘤陰影を構成する画素の場
合である。
【0162】腫瘤陰影強調手段73は、オリジナル画像信
号Dorg とボケマスク信号算出手段71により算出された
ボケマスク信号Dusとの差信号である比較的高い周波数
成分(Dorg −Dus)を算出し、さらに変換テーブル72
からの出力β(Giris)との積β(Giris)・(Dorg
−Dus)を算出し、この積に原画像の濃度値Dorg を加
算して式(3)で示す周波数強調処理の施された信号D
procを出力する。
【0163】この周波数強調処理によれば、アリスフィ
ルター40により得られた腫瘤陰影を構成する画素か否か
に応じた信号Dirisに基づく強調係数β(Giris)で、
高周波成分(Dorg −Dus)を強調するため、この高周
波成分(Dorg −Dus)に例えば量子ノイズ等が含まれ
ていても、その画素が腫瘤陰影等の画像部分を構成する
ものでない場合(例えば、血管等の陰影の場合)は、そ
の画素についてのβ(Giris)の値は小さいため、強調
度合は小さいものとなる。一方、画素が腫瘤陰影等の画
像部分を構成するものである場合は、その画素について
のβ(Giris)の値は大きいため、その強調度合は大き
いものとなる。
【0164】したがって、画像の高周波成分(Dorg −
Dus)に放射線ノイズが含まれているか否かに拘らず、
腫瘤陰影であるか否かに応じた関数β(Giris)によ
り、腫瘤陰影部分を選択的に強調処理することができ
る。
【0165】局所画像表示手段90は、この局所画像強調
手段70により局所領域の画像P2 のうち腫瘤陰影P1
強調処理された画像を表示する。
【0166】このように全体画像のうち、腫瘤陰影P1
の画像だけが別個に局所画像表示手段90に表示されるた
め、読影者はその表示された局所領域の画像に観察意
識、診断意識を集中することができ、診断性能を向上さ
せることができる。
【0167】また、全体画像表示手段30が局所画像表示
手段90を兼ねる構成であってもよく、その場合であって
も、表示された全体画像Pのうち腫瘤陰影P1 の画像だ
けが選択的に強調されるため、これによって診断性能が
向上する。
【0168】なお、局所画像強調手段70は、式(3)に
示す強調処理を施す異常陰影強調手段73に代えて、式
(1)に示す強調処理を施す異常陰影強調手段を備えた
構成をとってもよく、この場合も上記実施例と同様の作
用効果を得ることができる。
【0169】図4は本発明の第2の計算機支援画像診断
装置の実施例の概略構成を示すブロック図、図5はこの
計算機支援画像診断装置により画像診断に供される乳房
の放射線画像(マンモグラム)を示す図である。図示の
計算機支援画像診断装置は、上記第1の実施例の計算機
支援画像診断装置の、アイリスフィルター40に代えてモ
ーフォロジーフィルター40′を、変換テーブル72に代え
てモーフォロジーフィルター40′により抽出された微小
石灰化陰影を示す画素についての出力Dmor を図6
(a)で表される単調に増加するβ(Dmor )に変換し
て出力する変換テーブル72′を、腫瘤陰影強調手段73に
代えて式(7)に示す周波数強調を施す石灰化陰影強調
手段73′を、それぞれ備えた以外は、第1の実施例の計
算機支援画像診断装置と同じ構成である。
【0170】なお、本実施例における異常陰影は微小石
灰化陰影である。
【0171】また、本実施例におけるモーフォロジーフ
ィルター40′は、このアルゴリズム自体を指すのではな
く、このアルゴリズムによる石灰化陰影の検出処理(式
(26)で表すモーフォロジー処理)をなす手段を意味す
る。
【0172】以下、本実施例の計算機支援画像診断装置
の作用について説明する。
【0173】全体画像メモリ10に光磁気ディスクや画像
読取装置等から、内部に石灰化部を有する乳房を含む全
体画像Pを表す全体画像データSが入力される。また、
この全体画像データSは直接、全体画像表示手段30にも
入力され(図4のAの経路)、もしくは一旦全体画像メ
モリ10に記憶されたものとして全体画像表示手段30に入
力されて(図4のBの経路)、全体画像表示手段30は、
この全体画像データSに基づいて全体画像Pを表示す
る。
【0174】一方、全体画像メモリ10に記憶された全体
画像データSはモーフォロジーフィルター40′にも入力
される。モーフォロジーフィルター40′は、式(26)に
したがって、石灰化陰影P1 を示す画像データ(以下、
石灰化画像データという)S1 を検出する。
【0175】すなわち、図5(1)に示したマンモグラ
ムのI-I 線断面における濃度値Dorg の分布は同図
(2)に示すものとなるが、微小石灰化陰影P1 は、構
造要素Bより空間的に狭い範囲の変動であり、その濃度
値が周囲の画像部分の濃度値より小さいため、式(26)
のDmor の値はゼロ以外の所定の値を有し、クロージン
グ処理により平滑化される。一方、構造要素Bよりも空
間的に広い範囲で変動する画像部分である血管や乳腺の
画像P3 は、Dmor の値がゼロとなり、クロージング処
理で平滑化されない。
【0176】これにより、モーフォロジーフィルター4
0′により微小石灰化陰影P1 を示す画像データS1
画素(位置)が特定される。判定手段50は、モーフォロ
ジーフィルター40′によりこの微小石灰化陰影P1 を示
す微小石灰化像データS1 が検出されたことを判定する
とともに、微小石灰化像データS1 の画素位置を特定す
る位置データ(以下、石灰化画素位置データという)D
1 、およびモーフォロジーフィルター40′により抽出さ
れた微小石灰化陰影の濃度値の変動Dmor を、局所領域
抽出手段60に入力する。
【0177】判定手段50は、モーフォロジーフィルター
40′によりこの石灰化陰影P1 を示す石灰化画像データ
が検出されなかったと判定した場合には、石灰化画像デ
ータS1 の画素位置を特定する石灰化画素位置データD
1 を出力せずに処理は終了する。
【0178】一方、石灰化画像データが検出されたと判
定した場合は、局所領域抽出手段60には全体画像メモリ
10に記憶された全体画像データSも入力され、局所領域
抽出手段60は入力された全体画像データSのうち、石灰
化画素位置データD1 に基づいて石灰化画像データS1
の画素を含む近傍の画素(これらの画素の集合としての
局所領域)を、予め設定された処理手順にしたがって特
定したうえで、この局所領域の画像P2 を表す局所画像
データS2 を抽出する。
【0179】抽出された局所画像データS2 および信号
Dmor は局所画像強調手段70′に入力される。
【0180】局所画像強調手段70′に入力された局所画
像データS2 を構成する各画素(濃度値Dorg )につい
て、まず超低空間周波数成分を算出するボケマスク信号
算出手段71により、ボケマスク信号Dusが算出される。
次に、モーフォロジーフィルター40からの入力Dmor が
変換テーブル72によりβ(Dmor )に変換される。この
変換テーブル72′は、図6(a)に示すように単調増加
関数である。すなわち、信号Dmor が大きな値を採る場
合は、その画素が石灰化陰影に対応した画素であること
を示す。したがって、変換テーブル72′の出力β(Dmo
r )が大きな値を出力するのは、その画素が石灰化陰影
を構成する画素の場合である。
【0181】また、この変換テーブル72′によれば、D
mor の極小さい領域C1においてその出力β(Dmor )
は極小さい値に抑制されるため、画像強調は殆どなされ
ず、処理画像信号Dprocはオリジナル画像信号Dorg に
近いものとなる。すなわち、図5(2)に示した濃度値
の分布曲線上には実際には、同図(3)の拡大図に示す
ように、放射線ノイズが重畳しているが、式(26)の第
2項のクロージング処理により、この放射線ノイズは同
図(3)の破線で示すように平滑化される。したがって
Dmor の値を非常に細かく変動させることとなるが、微
小石灰化陰影による変動Dmor に比べてその変動量自体
は小さいため、領域C1とC2との境界値を予め適当に
設定することにより、この高周波ノイズが強調されるの
を防止することができる。
【0182】一方、領域C3においては、その出力β
(Dmor )の変化がDmor の変化に対して抑制される
が、これは、既にある程度のコントラストを有する画像
部分について過度の強調処理がなされるのを防止するた
めである。過度の強調処理がなされると、その画像部分
以外の画像部分のコントラストが相対的に低下するた
め、反って読影性能が低下するからである。
【0183】石灰化陰影強調手段73′は、変換テーブル
72′からの出力β(Dmor )とボケマスク信号算出手段
71からの出力であるボケマスク信号Dusとに基づいて、
式(26)で示す周波数強調処理を施す。
【0184】この周波数強調処理によれば、モーフォロ
ジーフィルター40′により得られた石灰化陰影を構成す
る画素か否かに応じた信号Dmor に基づく強調係数β
(Dmor )で、高周波成分(Dorg −Dus)を強調する
ため、この高周波成分(Dorg−Dus)に例えば量子ノ
イズ等が含まれていても、その画素が石灰化陰影等の画
像部分を構成するものでない場合(例えば、血管等の陰
影の場合)は、その画素についてのβ(Dmor )の値は
小さいため、強調度合は小さいものとなる。一方、画素
が石灰化陰影等の画像部分を構成するものである場合
は、その画素についてのβ(Dmor )の値は大きいた
め、その強調度合は大きいものとなる。
【0185】したがって、画像の高周波成分(Dorg −
Dus)に放射線ノイズが含まれているか否かに拘らず、
石灰化陰影等の特定の画像部分であるか否かに応じた関
数β(Dmor )により、特定の画像部分を選択的に強調
処理することができる。
【0186】局所画像表示手段90は、この局所画像強調
手段70′により局所領域の画像P2のうち石灰化陰影P
1 が強調処理された画像を表示する。
【0187】このように全体画像のうち、石灰化陰影P
1 の画像だけが別個に局所画像表示手段90に表示される
ため、読影者はその表示された局所領域の画像に観察意
識、診断意識を集中することができ、診断性能を向上さ
せることができる。
【0188】また、全体画像表示手段30が局所画像表示
手段90を兼ねる構成であってもよく、その場合であって
も、表示された全体画像Pのうち石灰化陰影P1 の画像
だけが選択的に強調されるため、オーバーシュートやア
ンダーシュートが抑制され、これによるアーチファクト
が低減されて診断性能の向上した再生画像を得ることが
できる。
【0189】なお本実施例におけるモーフォロジーフィ
ルター40′は、式(26)で示したモーフォロジー演算を
適用したものであるが、本発明においてはこれに限るも
のではなく、式(25)、(27)〜(31)に示したうちの
いずれのモーフォロジー演算を用いた強調処理であって
もよい。
【0190】ところで、モーフォロジーフィルター40′
によるモーフォロジー演算の式(25)〜(31)による微
小石灰化陰影の検出処理でだけでは、微小石灰化陰影と
類似の陰影も検出される場合がある。すなわち、式(2
5)〜(31)のDmor の値はゼロにならないような、石
灰化陰影とほぼ同一の大きさの、石灰化陰影ではない画
像(以下、非石灰化陰影という)も検出される場合があ
る。このような非石灰化陰影について強調処理をしたの
では、適切な診断に支障をきたす虞がある。
【0191】そこでこのような非石灰化陰影が石灰化陰
影とともに検出されるのを防止して、より正確に石灰化
陰影だけを検出するために、モーフォロジーフィルター
40′に以下に示す判定機能を付加してもよい。
【0192】すなわち、式(32)に示すモーフォロジー
演算に基づく微分演算を行い、Mgradの値が大きいほど
石灰化陰影である可能性が大きいため、その後に、式
(25)〜(31)に代えて、式(33)に示す論理演算を行
う。
【0193】
【数21】
【0194】この式(33)で得られたDmor の値がゼロ
の場合は、その画素は非石灰化陰影であるから、式
(7)による強調処理はなされず、Dmor の値がゼロ以
外の場合は、その画素は石灰化陰影であるから、式
(7)による強調処理がなされる。なお、式(33)中の
T1,T2は実験的に設定された閾値である。
【0195】また、この式(32)および(33)による判
定の他に、マルチスケールのオープニング処理とクロー
シング処理との組合せによって、石灰化陰影と非石灰化
陰影との判別の判定をすることもできる。
【0196】具体的には、下式(34)〜(36)によって
Dmor の値を設定すればよい。
【0197】
【数22】
【0198】なお、式(36)中のTは実験的に設定され
た閾値である。
【0199】また、本実施例の局所画像強調手段70′
は、式(7)に示す強調処理を施す異常陰影強調手段7
3′に代えて、式(4)〜(6)のうちいずれかに示す
強調処理を施す異常陰影強調手段を備えた構成をとって
もよく、この場合も上記実施例と同様の作用効果を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の計算機支援画像診断装置の概略構
成を示すブロック図
【図2】(1)図1に示した計算機支援画像診断装置に
より画像診断に供される乳房の放射線画像(マンモグラ
ム)を示す図 (2)腫瘤陰影における勾配ベクトルの集中度を示す図 (3)血管等における勾配ベクトルの集中度を示す図
【図3】変換テーブルを表す関数のグラフ
【図4】第2実施例の計算機支援画像診断装置の概略構
成を示すブロック図
【図5】図4に示した計算機支援画像診断装置により画
像診断に供される乳房の放射線画像(マンモグラム)を
示す図
【図6】変換テーブルを表す関数のグラフ
【図4】モーフォロジー演算の基本的な作用を説明する
【図5】モーフォロジーフィルターにおける多重構造要
素を示す図
【図6】モーフォロジー信号Dmor に基づく強調関数β
(Dmor )を示す図
【図7】勾配ベクトルを算出するマスクを示す図
【図8】注目画素についての勾配ベクトルの集中度の概
念を示す図
【図9】注目画素を中心とする放射状の線を示す図
【図10】モーフォロジー演算の基本的な作用を説明す
る図
【図11】モーフォロジーフィルターにおける多重構造
要素を示す図
【図12】モーフォロジー信号Dmor に応じた関数f
(Dmor )を示す図
【図13】オリジナル画像信号Dorg に基づく強調関数
β(Dorg )を示す図
【図14】モーフォロジー信号Dmor に基づく強調関数
β(Dmor )を示す図
【図15】スケルトン処理を示す説明図
【図16】オーバーシュート、アンダーシュートを抑制
する関数f(Dorg −Dus)を表すグラフ
【符号の説明】
10 全体画像メモリ 30 全体画像表示手段 40 アイリスフィルター 40′ モーフォロジーフィルター 50 判定手段 60 局所領域抽出手段 70′ 局所画像強調手段 71 ボケマスク信号算出手段 72,72′ 変換テーブル 73 腫瘤陰影強調手段 73′ 微小石灰化陰影強調手段 90 局所画像表示手段
【手続補正書】
【提出日】平成7年10月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の計算機支援画像診断装置の概略構
成を示すブロック図
【図2】(1)図1に示した計算機支援画像診断装置に
より画像診断に供される乳房の放射線画像(マンモグラ
ム)を示す図 (2)腫瘤陰影における勾配ベクトルの集中度を示す図 (3)血管等における勾配ベクトルの集中度を示す図
【図3】変換テーブルを表す関数のグラフ
【図4】第2実施例の計算機支援画像診断装置の概略構
成を示すブロック図
【図5】図4に示した計算機支援画像診断装置により画
像診断に供される乳房の放射線画像(マンモグラム)を
示す図
【図6】変換テーブルを表す関数のグラフ
【図7】勾配ベクトルを算出するマスクを示す図
【図8】注目画素についての勾配ベクトルの集中度の概
念を示す図
【図9】注目画素を中心とする放射状の線を示す図
【図10】モーフォロジー演算の基本的な作用を説明す
る図
【図11】モーフォロジーフィルターにおける多重構造
要素を示す図
【図12】モーフォロジー信号Dmor に応じた関数f
(Dmor )を示す図
【図13】オリジナル画像信号Dorg に基づく強調関数
β(Dorg )を示す図
【図14】モーフォロジー信号Dmor に基づく強調関数
β(Dmor )を示す図
【図15】スケルトン処理を示す説明図
【図16】オーバーシュート、アンダーシュートを抑制
する関数f(Dorg −Dus)を表すグラフ
【符号の説明】 10 全体画像メモリ 30 全体画像表示手段 40 アイリスフィルター 40′ モーフォロジーフィルター 50 判定手段 60 局所領域抽出手段 70′ 局所画像強調手段 71 ボケマスク信号算出手段 72,72′ 変換テーブル 73 腫瘤陰影強調手段 73′ 微小石灰化陰影強調手段 90 局所画像表示手段 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年1月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】
【数4】 (Rmin は抽出しようとする腫瘤陰影の半径の最小値、
Rmax は抽出しようとする腫瘤陰影の半径の最大値を表
す)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】すなわち、複数の線のすべてについて、前
記線ごとに、該線上の前記注目画素から、検出しようと
する腫瘤陰影の最小の大きさから最大の大きさまでにそ
れぞれ対応する距離にある画素までの全画素の前記指標
値cos θj の平均値を算出する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】
【数7】 すなわち、複数の線のすべてについて、前記線ごとに、
該線上の前記注目画素から検出しようとする腫瘤陰影の
最小の大きさに対応する距離にある画素から、最大の大
きさに対応する距離にある画素までの全画素の前記指標
値cos θj の平均値を算出すればよい。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体の放射線画像を表す全体画像信号
    を記憶する全体画像記憶手段と、 該全体画像信号に基づいて前記放射線画像のうち、前記
    全体画像信号の勾配の集中度を求めて該集中度の高い画
    像部分を検出するアイリスフィルターと、 該アイリスフィルターによる前記画像部分の検出の結果
    に基づいて、前記画像部分の存在の有無を判定する判定
    手段と、 該判定手段により前記画像部分が存在すると判定された
    場合に、前記全体画像記憶手段に記憶された前記全体画
    像信号のうち、前記画像部分を含む局所領域の局所画像
    信号を抽出する局所領域抽出手段と、 該局所領域抽出手段により抽出された前記局所画像信号
    に基づいて該局所領域の画像を表示する局所画像表示手
    段と、 前記全体画像信号に基づいて前記被写体の放射線画像の
    全体を表示する全体画像表示手段と、 前記局所画像表示手段に表示される前記局所領域の画像
    のうち前記画像部分が、前記全体画像表示手段に表示さ
    れる前記放射線画像よりも読影性能が向上するように、
    前記アイリスフィルターによる前記画像部分の検出の結
    果に基づいて、前記局所画像信号のうち前記画像部分を
    示す異常陰影画像信号に対して、選択的に強調処理する
    局所画像強調手段とを備えてなることを特徴とする計算
    機支援画像診断装置。
  2. 【請求項2】 前記局所画像強調手段が、 前記放射線画像の各画素ごとのオリジナル画像信号Dor
    g についての前記アイリスフィルターによる前記集中度
    に基づいたアイリスフィルター信号Girisおよび強調係
    数αを用いて、前記オリジナル画像信号Dorg に対して
    式(1)に示す演算を施す異常陰影強調手段を備えてな
    ることを特徴とする請求項1記載の計算機支援画像診断
    装置。 Dproc=Dorg +α・Giris (1)
  3. 【請求項3】 前記局所画像強調手段が、 前記放射線画像の各画素ごとのオリジナル画像信号Dor
    g について、該画素を中心画素としたN列×N行の非鮮
    鋭マスク信号Dusを式(2)により算出する非鮮鋭マス
    ク信号算出手段と、 Dus=(ΣDorg )/N2 (2) (ただし、ΣDorg はボケマスク内各画素の画像信号の
    和) 前記アイリスフィルターによる前記集中度に基づいたア
    イリスフィルター信号Girisを、該アイリスフィルター
    信号Girisに応じた強調係数β(Giris)に変換する変
    換テーブルと、 前記非鮮鋭マスク信号Dusと前記強調係数β(Giris)
    とを用いて、前記オリジナル画像信号Dorg に対して式
    (3)示す演算を施す異常陰影強調手段を備えてなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の計算機支援画像診断装
    置。 Dproc=Dorg +β(Giris)・(Dorg −Dus) (3)
  4. 【請求項4】 被写体の放射線画像を表す全体画像信号
    を記憶する全体画像記憶手段と、 該全体画像信号に基づいて前記放射線画像のうち、所定
    の多重構造要素Bi およびスケール係数λを用いて、前
    記画像信号が該多重構造要素Bi より空間的に狭い範囲
    で変動する画像部分を検出するモーフォロジーフィルタ
    ーと、 該モーフォロジーフィルターによる前記多重構造要素B
    i より空間的に狭い範囲で変動する画像部分の検出の結
    果に基づいて、前記画像部分の存在の有無を判定する判
    定手段と、 該判定手段により前記画像部分が存在すると判定された
    場合に、前記全体画像記憶手段に記憶された前記全体画
    像信号のうち、前記画像部分を含む局所領域の局所画像
    信号を抽出する局所領域抽出手段と、 該局所領域抽出手段により抽出された前記局所画像信号
    に基づいて該局所領域の画像を表示する局所画像表示手
    段と、 前記全体画像データに基づいて前記被写体の放射線画像
    の全体を表示する全体画像表示手段と、 前記局所画像表示手段に表示される前記局所領域の画像
    のうち前記画像部分が、前記全体画像表示手段に表示さ
    れる前記放射線画像よりも読影性能が向上するように、
    前記モーフォロジーフィルターによる前記画像部分の検
    出の結果に基づいて、前記局所画像信号のうち前記画像
    部分を示す異常陰影画像信号に対して、選択的に強調処
    理する局所画像強調手段とを備えてなることを特徴とす
    る計算機支援画像診断装置。
  5. 【請求項5】 前記局所画像強調手段が、 前記放射線画像の各画素ごとのオリジナル画像信号Dor
    g についての前記モーフォロジーフィルターによる前記
    多重構造要素Bi より空間的に狭い範囲で変動する画像
    部分を表すモーフォロジー信号Dmor を、該モーフォロ
    ジー信号Dmorに応じた出力f(Dmor )に変換する変
    換テーブルと、 該出力f(Dmor )および強調係数αを用いて、前記オ
    リジナル画像信号Dorg に対して、式(4)に示す演算
    を施す異常陰影強調手段を備えてなることを特徴とする
    請求項4記載の計算機支援画像診断装置。 Dproc=Dorg +α・f(Dmor ) (4)
  6. 【請求項6】 前記局所画像強調手段が、 前記放射線画像の各画素ごとのオリジナル画像信号Dor
    g を、該オリジナル画像信号Dorg に応じた強調係数β
    (Dorg )に変換する変換テーブルと、 前記モーフォロジーフィルターによる前記多重構造要素
    Bi より空間的に狭い範囲で変動する画像部分を表すモ
    ーフォロジー信号Dmor および前記強調係数β(Dorg
    )を用いて、前記オリジナル画像信号Dorg に対し
    て、式(5)に示す演算を施す異常陰影強調手段を備え
    てなることを特徴とする請求項4記載の計算機支援画像
    診断装置。 Dproc=Dorg +β(Dorg )・(Dorg −Dmor ) (5)
  7. 【請求項7】 前記局所画像強調手段が、 前記放射線画像の各画素ごとのオリジナル画像信号Dor
    g についての前記モーフォロジーフィルターによる前記
    多重構造要素Bi より空間的に狭い範囲で変動する画像
    部分を表すモーフォロジー信号Dmor を、該モーフォロ
    ジー信号Dmorに応じた強調係数β(Dmor )に変換す
    る変換テーブルと、 該強調係数β(Dmor )およびオリジナル画像信号Dor
    g と前記モーフォロジー信号Dmor との差信号を用い
    て、前記オリジナル画像信号Dorg に対して、式(6)
    に示す演算を施す異常陰影強調手段を備えてなることを
    特徴とする請求項4記載の計算機支援画像診断装置。 Dproc=Dorg +β(Dmor )・(Dorg −Dmor ) (6)
  8. 【請求項8】 前記局所画像強調手段が、 前記放射線画像の各画素ごとのオリジナル画像信号Dor
    g について、該画素を中心画素としたN列×N行の非鮮
    鋭マスク信号Dusを式(2)により算出する非鮮鋭マス
    ク信号算出手段と、 Dus=(ΣDorg )/N2 (2) 前記モーフォロジーフィルターによる前記多重構造要素
    Bi より空間的に狭い範囲で変動する画像部分を表すモ
    ーフォロジー信号Dmor を、該モーフォロジー信号Dmo
    r に応じた強調係数β(Dmor )に変換する変換テーブ
    ルと、 前記非鮮鋭マスク信号Dusと前記強調係数β(Dmor )
    とを用いて、前記オリジナル画像信号Dorg に対して式
    (7)示す演算を施す異常陰影強調手段を備えてなるこ
    とを特徴とする請求項4記載の計算機支援画像診断装
    置。 Dproc=Dorg +β(Dmor )・(Dorg −Dus) (7)
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Cited By (7)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2006014928A (ja) * 2004-07-01 2006-01-19 Fuji Photo Film Co Ltd 画像表示方法および装置並びにプログラム
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