JP2003051305A - 非水電解質電池用電極およびその製造方法、およびそれを用いた非水電解質電池 - Google Patents
非水電解質電池用電極およびその製造方法、およびそれを用いた非水電解質電池Info
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Abstract
次電池を提供する。 【解決手段】非水電解質電池用電極が、多孔質高分子膜
で被覆された電極活物質と無機固体電解質とを備えたこ
とを特徴とする。その製造方法は活物質を高分子溶液に
浸漬した後に有孔化処理を行い、さらに該活物質と無機
固体電解質とを混合した後プレス工程を経ることを特徴
とする。
Description
関するものである。
クスの発展はめざましく、それに伴なって、各種電子機
器の電源として用いられる二次電池の高性能化に対する
期待はますます大きくなっている。このような状況の中
で、正極にコバルト酸リチウムやニッケル酸リチウム
を、負極にグラファイトやカーボンを使用し、各種カー
ボネート等の有機溶媒にLiPF6等のリチウム塩を溶
解した電解液を用いた、いわゆるリチウムイオン電池が
開発され、その生産量は年々増加している。リチウムイ
オン電池は、鉛蓄電池等の実用化された他の二次電池に
比べて高いエネルギー密度電池を有するが、市場ではさ
らに高性能・高エネルギー密度・高安全性の電池が求め
られている。
は、有機溶媒を主体とする電解液が用いられている。一
般に有機溶媒は可燃性であるために、電池の誤使用等に
よって発熱および発煙などが生じる可能性がある。その
ため、様々な安全素子を使用する必要があり、これらの
素子の質量および体積を考慮した場合にはエネルギー密
度が低くなる、コストが高くなるなどの問題があった。
するために、電極との反応性が電解液よりも低い、いわ
ゆる固体電解質を適用することが試みられている。
て、ハロゲン化リチウム、窒化リチウム、リチウム酸素
酸塩やこれらの誘導体等が知られている。また、Li2
S−SiS2、Li2S−P2S5、Li2S−B2S
3等のリチウムイオン伝導性硫化物や、これらのガラス
にLiI等のハロゲン化リチウム、Li3PO4等のリ
チウム塩をドープしたリチウムイオン伝導性固体電解質
は、常温付近で10−4〜10−3S/cmの高いリチ
ウムイオン伝導度を示す報告がある。これらの無機固体
電解質は活物質との反応性が低く、かつ可燃性でないの
で、実用化が有望視されている。
いはガラスであり、粉末状である。無機固体電解質粉末
を用いて電極を製造するには、電極活物質粉末等と混合
した後にプレスしてペレット状とする方法が知られてい
る。しかしながら、これらの粉末同士は結着性が低いの
で、シート状の電極を製造することは困難である。その
ため、従来その用途は比較的容量の小さいコインセル等
に限定され、薄型化や大面積化をおこなう場合には電極
体が形成できない問題があった。また、金属箔等の集電
体を用いる場合には、その集電体と充分な結着性を有す
ることも必要とされる。
上させるために、高分子(ポリマー)を添加する手段が
検討されている。その添加方法には、ポリマー粉末を混
合する方法や、ポリマーを溶媒に溶解した後に電極構成
粉末と混合して集電体に塗布した後に溶媒を除去する方
法等があるが、その方法によっては、活物質や固体電解
質の表面を高分子が膜状に覆うことによってリチウムイ
オン伝導を阻害するため、電極性能が低下する問題があ
った。
あり、電極性能を損なうことなく、シート状の電極を形
成できるために、安全性が著しく向上した高性能な非水
電解質電池を提供するものである。
電池用電極は、有孔性高分子で被覆された電極活物質と
無機固体電解質とを備えたことを特徴とする。また、本
発明の非水電解質電池用電極の製造方法は、電極活物質
を高分子の溶液に浸漬した後に有孔化処理をおこなう工
程を備えたことを特徴とし、さらに有孔性高分子で被覆
された電極活物質と無機固体電解質とを混合した後、プ
レス工程を経ることを特徴とする。また、本発明になる
非水電解質電池は、その少なくとも一方の電極が、有孔
性高分子で被覆された電極活物質と無機固体電解質とを
備えたことを特徴とする。
マー)で被覆された電極活物質を用いることを特徴とす
る。この活物質を用いることにより、活物質同士および
固体電解質とがポリマーによって結着されるとともに、
ポリマーの孔部をとおして活物質と電解質との物理的接
触が保たれるので、電極反応に必須であるリチウムイオ
ンの伝導も確保される。すなわち、電極性能を損なうこ
となく電極シートを形成できるので、可燃性の電解液を
使用しない安全性が著しく向上した高性能な固体電解質
電池を提供するものである。
ては、高分子を溶媒に溶解した溶液に活物質を浸漬した
のち、溶媒を除去する方法があげられる。具体例として
は、高分子としてのポリビニリデンフルオライドを溶媒
としてのメチルエチルケトンに溶解したものに浸漬した
後に溶媒を除去する方法や、溶媒としてのN―メチル−
2−ピロリドンに溶解したものに浸漬した後にアルコー
ル等で置換して除去する方法等が挙げられるが、他の公
知の方法を用いることも可能である。
リマーで被覆した後に、前記異種成分の化合物を除去す
る方法も用いることができる。異種成分の化合物として
は、無機、有機いずれの化合物を用いることができ、そ
の除去方法としては、各種水溶液や有機溶媒によって溶
解させる方法や、熱あるいは光によって化学的な変化さ
せる方法等がある。
ウム、窒化リチウム、リチウム酸素酸塩やこれらの誘導
体、Li2S−SiS2、Li2S−P2S5、Li2
S−B2S3等のリチウムイオン伝導性硫化物や、これ
らのガラスにLiI等のハロゲン化リチウム、Li3P
O4等のリチウム塩をドープしたもの、また、Li2S
−GeS2、Li2S−GeS2−Zn2S、Li2S
−GeS2−P2S5、Li2S−GeS2−Ga2S
3等のいわゆるthio−LISICON系のもの等、
いずれのものも用いることができる。とくに、Li2S
−GeS2−P 2S5等のthio−LISICON系
のものは成形性の点でも優れているので、これを用いる
ことが好ましい。
は負極の少なくとも一方の電極に有孔性のポリマーで被
覆された活物質を用いることができる。すなわち、負極
に金属リチウムやリチウム合金を使用した場合にも、優
れた特性の電池が得られるものである。ここでの金属リ
チウム負極を備えた電池とは、充電によって初めて金属
リチウムが形成される、放電状態で金属リチウムを備え
ない電池をも含む。また、リチウム合金負極を備えた電
池とは、充電によって初めてリチウムを吸蔵して合金と
なり、放電状態ではリチウム合金ではない金属を負極と
して備える電池をも含む。
0.003μmから10μmが望ましい。また、ポリマ
ーの添加量が多くなりすぎると、結着性は向上するもの
の、電極性能が低下する傾向にある。好ましいポリマー
の添加量は、活物質に対して0.04〜4wt%であ
り、より好ましくは0.05〜3wt%である。
するポリマーの材質としては、次のような高分子を単独
で、あるいは混合して用いてもよい:ポリアクリロニト
リル、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド
等のポリエーテル、ポリアクリロニトリル、ポリビニリ
デンフルオライド、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメ
タクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリビニルア
ルコール、ポリメタクリロニトリル、ポリビニルアセテ
ート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポ
リブタジエン、ポリスチレン、ポリイソプレン、スチレ
ンブタジエンゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴムおよ
びこれらの誘導体。また、上記高分子を構成する各種モ
ノマーを共重合させた高分子を用いてもよい。
出可能な化合物としては、無機化合物としては、組成式
LixMO2、またはLiyM2O4(ただしM は1
種類以上の遷移金属、0≦x≦1、0≦y≦2 )で表
される複合酸化物、トンネル状の空孔を有する酸化物、
層状構造の金属カルコゲン化物を用いることができる。
その具体例としては、LiCoO2 、LiNiO2、
LiMn2O4 、Li 2Mn2O4 、MnO2、Fe
O2、V2O5、V6O13、TiO2、TiS2、N
iOOH、FeOOH、FeS、LiMnO2等が挙げ
られる。また、有機化合物としては、例えばポリアニリ
ン等の導電性ポリマー等が挙げられる。さらに、無機化
合物、有機化合物を問わず、上記各種活物質を混合して
用いてもよい。
可能な化合物としては、種々の炭素材、各種金属の酸化
物、窒化物、硫化物等を用いることができる。とくに炭
素材としては、グラファイトまたは低結晶性カーボンの
どちらであってもよく、その形状は、球状、繊維状、塊
状のいずれであってもよい。さらに、負極材料たるリチ
ウムと合金を形成する物質としては、Al、Si、P
b、Sn、In、Zn、Cdなどがあげられ、これらの
混合物あるいはその他の金属を加えた多成分系のものを
用いてもよい。
負極板および固体電解質層から構成されるが、いずれも
薄いシート、ペレットないし箔状に成形したものを、順
に積層したもの又は渦巻き状に巻回したもののどちらで
あってもよい。
フィルムとを貼り合わせたシート、鉄、ステンレスまた
はアルミニウムのいずれであってもよい。
る。なお、固体電解質を扱う作業は、すべてアルゴン雰
囲気のドライボックス中でおこなった。
順で製作した。アルゴンドライボックス中で、Li2S
を18.67g、GeS2を8.55g、P2S5を2
0.84gとを秤量した後に乳鉢で混合し、カーボンコ
ートした石英管中に密封した。これを、700℃で8時
間、電気炉中で焼成した。室温まで徐冷した後、アルゴ
ンドライボックス中で開封してから粉砕して、Li
3.25Ge0.25P0.75S2の組成を有する無
機固体電解質を得た。
法を述べる。ビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロ
プロピレンコポリマー(P(VdF/HFP))をN―
メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解して、濃度が
3wt%の溶液(P(VdF/HFP)/NMP溶液)
を作製した。つぎに、LiNi0.85Co0.15O
2なる組成式の活物質粉末100gとP(VdF/HF
P)/NMP溶液(3.0wt%)150mlを混合
し、減圧状態で30分間保持し、活物質の粒子間の空隙
にP(VdF/HFP)/NMP溶液を保持させた。こ
の活物質とP(VdF/HFP)/NMP溶液の混合物
を取り出し、吸引濾過によって余分なP(VdF/HF
P)/NMP溶液を除去した。その後、溶媒抽出法によ
り、活物質/P(VdF/HFP)/NMP混合物を1
0分間水に浸漬した後、100℃で乾燥を行い、水とN
MPを除去することによって、活物質/有孔性P(Vd
F/HFP)混合体を得た。
量を測定して活物質およびP(VdF/HFP)各々の
重量を求めた。これらの数値から、活物質に対するP
(VdF/HFP)の含有率(wt%)を計算すると
0.25wt%であった。
体60wt%、アセチレンブラックを1wt%、および
前記のLi3.25Ge0.25P0.75S2固体電
解質39wt%を混合したものを200mg秤量し、内
径16mmの金型を用いてプレスをして正極とした。
様に内径16mmの金型を用いてプレスをして電解質層
とし、厚さ0.1mmの金属インジウム箔をφ16mm
に打ち抜いて負極とした。
および負極をこの順に重ねて、2016型ステンレス製
コインセルケースに挿入したのち、パッキンを介してか
しめて、本発明による電池Aを製作した。
O2を混合したポリマー溶液を、水で処理することなし
に乾燥をおこなって、NMPを除去することによってポ
リマーを固化した。それ以外は、本発明による電池Aと
同様にして、比較電池Bを製作した。この場合には、活
物質を被覆したP(VdF/HFP)は多孔性ではな
く、孔のない状態である。
なわちいかなるポリマーも有しない活物質を用いて本発
明による電池Aと同様にして、従来から公知である比較
電池Cを製作した。
池Aおよび比較電池BおよびCの各2個を用いて、充電
を200μAで3.5Vまで、放電を200μAで2.
5Vまでの充放電条件を用いてサイクル試験をおこなっ
た。なお、1サイクル目の充電のみ、80時間のタイマ
ーを併用した。
発明電池Aは、比較電池Cとほぼ同様の充電特性を示し
た。一方、比較電池Bは、比較電池Cや本発明電池に比
べて充電時における分極が大きく、これらより早期に充
電終止電圧に到達した。また、放電においても同様の傾
向を示した。
ともなう放電容量の推移を図2に示す。本発明電池A
は、比較電池Cと同様の容量推移を示したが、比較電池
Bは、これらより放電容量が小さい状態で推移した。
分極が小さく、良好な充放電特性を示すことがわかっ
た。その理由は、つぎのように考えられる。すなわち、
本発明電池Aのように有孔性のポリマーで電極活物質を
被覆した場合には、その孔部によって活物質と固体電解
質との接触が確保されるためにリチウムイオンの伝導性
が高く維持されて、良好な電極特性を示すのに対して、
比較電池Bのように有孔性でないポリマー膜で電極活物
質を被覆した場合には、固体電解質との接触が阻害され
るためにリチウムイオンの伝導性が低く、充放電時に分
極が大きくなって電極特性が低下するものと考えられ
る。
の混合粉各200mgをアルミメッシュの上に乗せて、
500kg/cm2でローラープレスをおこなって、電
極シートの形成状態を確認した。その結果、活物質をポ
リマーで被覆した本発明電池Aおよび比較電池B用の混
合粉を用いた場合には、粉末同士は結着し、かつアルミ
メッシュとの結着性が高く、シート状の電極体を形成す
ることができた。一方、ポリマーを添加していない比較
電池C用の正極混合粉の場合には、粉末同士が結着せ
ず、またアルミメッシュとも結着せずに脱落した。電極
シートを製作するためには、ポリマーの添加が有効であ
ることが示された。
た活物質を用いると、電極のシート化が可能であり、か
つ優れた電極特性を示すことがわかった。
例としてLiNi0.85Co0. 15O2正極活物質
を有孔性ポリマーで被覆したものを示したが、その他の
正極活物質にも適用でき、また負極に粉末状の活物質を
用いた場合にも同様の作用効果が得られる。また、被覆
するポリマーの種類や有孔化する方法については、前記
実施例に記載したものに限定されず、本発明と同様の効
果を得られる範囲で、種々の設計変更が可能である。ま
た、前記の実施例では、電子伝導性に優れたアセチレン
ブラックを導電助剤として添加したものを示したが、そ
の種類や添加する量は必要に応じて変更が可能である。
いて、電極活物質を有孔性ポリマーで被覆することによ
り、電極内でのリチウムイオン伝導性を高い状態で維持
できるとともに、電極のシート化が可能であるため、高
性能で安全性も著しく向上した高エネルギー密度な非水
電解質電池を提供することが可能となる。
した図。
Claims (4)
- 【請求項1】 有孔性高分子で被覆された電極活物質と
無機固体電解質とを備えたことを特徴とする非水電解質
電池用電極。 - 【請求項2】 電極活物質を高分子の溶液に浸漬した後
に有孔化処理をおこなう工程を備えたことを特徴とする
請求項1記載の非水電解質電池用電極の製造方法。 - 【請求項3】 有孔性高分子で被覆された電極活物質と
無機固体電解質とを混合した後、プレス工程を経ること
を特徴とする請求項1または2記載の非水電解質電池用
電極の製造方法。 - 【請求項4】 少なくとも一方の電極が、有孔性高分子
で被覆された電極活物質と無機固体電解質とを備えたこ
とを特徴とする非水電解質電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001238408A JP2003051305A (ja) | 2001-08-06 | 2001-08-06 | 非水電解質電池用電極およびその製造方法、およびそれを用いた非水電解質電池 |
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