JP2003048924A - 末端反応性分岐型アクリル系重合体、硬化性組成物及び硬化体 - Google Patents

末端反応性分岐型アクリル系重合体、硬化性組成物及び硬化体

Info

Publication number
JP2003048924A
JP2003048924A JP2001237095A JP2001237095A JP2003048924A JP 2003048924 A JP2003048924 A JP 2003048924A JP 2001237095 A JP2001237095 A JP 2001237095A JP 2001237095 A JP2001237095 A JP 2001237095A JP 2003048924 A JP2003048924 A JP 2003048924A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
meth
acrylic polymer
molecule
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001237095A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Ueno
浩 上野
Hideji Okamoto
秀二 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Soken Kagaku KK
Soken Chemical and Engineering Co Ltd
Original Assignee
Soken Kagaku KK
Soken Chemical and Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Soken Kagaku KK, Soken Chemical and Engineering Co Ltd filed Critical Soken Kagaku KK
Priority to JP2001237095A priority Critical patent/JP2003048924A/ja
Publication of JP2003048924A publication Critical patent/JP2003048924A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polymerization Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のテレケリックポリマーと同等の末端反
応性及び反応点間距離を有しながら、粘度がより低く、
擬似的にテレケリック構造となる1分岐型のアクリル系
重合体及び反応点を複数有する多分岐型のアクリル系重
合体、その重合体を用いた硬化性組成物及びその硬化体
を提供すること。 【解決手段】 本発明のアクリル系重合体は、特定のメ
タロセン化合物及び分子内に少なくとも1つの反応性基
を有するチオール類の存在下に、(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルを主成分とし、分子内に重合性不飽和基
を2個以上有する単量体を重合してなり、少なくとも2
つの末端に反応性基を有する多分岐型アクリル系重合
体。その反応性基は、水酸基、カルボキシル基、アルコ
キシシリル基のいずれかであることが好ましい。その重
合体に、場合により硬化剤を配合して、硬化性組成物を
得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、分子末端に反応性
官能基を有する新規な分岐型アクリル系重合体、このア
クリル系重合体を含有する硬化性組成物、及び、この硬
化性組成物の硬化体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】分子の両末端に反応性基を有するテレケ
リックポリマーは、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹
脂等の各種樹脂原料として用いた場合、未反応物が無く
確実に各種樹脂構造の中に組み込まれ、反応点間(架橋
点間)の距離が一定となり均一な樹脂構造をつくるとい
う利点を持ち、有用度の高いポリマーである。テレケリ
ックポリマーとしては、ポリエーテル系、ポリエステル
系、ポリオレフィン系及びポリビニル系等が知られてい
るが、中でも、耐候性及び耐久性の良好な(メタ)アク
リル系テレケリックポリマーが、より有用性が高い。
【0003】アクリル系テレケリックポリマーを得る方
法としては、ハロゲン末端のテレケリックポリマーを得
る方法(特開平3-205403号公報)や水酸基末端のアクリ
ル系テレケリックポリマーを得る方法(特開平5-262808
号公報)などが知られている。このアクリル系テレケリ
ックポリマーは、塗料、粘接着剤、ウレタンフォーム、
各種成型材料、樹脂改質剤、精神材料、弾性壁材、床
材、繊維加工材、UV・EB硬化樹脂、ハイソリッド塗
料等の反応性希釈剤等の原料として用いられるとされて
いるが、このような用途では、可撓性、適度な強度と伸
び等が要求され、このアクリル系テレケリックポリマー
の分子量が高いものほどその要求性能が発現しやすい。
【0004】しかしながら、これらのアクリル系テレケ
リックポリマーでは、分子量を上げるとそれに伴い粘度
が増加し、分子量の大きいものを得ようとすると、溶媒
の添加或いはエマルジョン化が必要になるが、この溶媒
の添加或いはエマルジョン化は、高固形分化の妨げとな
る。また、溶媒の添加は溶媒の大気中への揮散による環
境への付加増大を引き起こす。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のテレ
ケリックポリマーと同等の末端反応性及び反応点間距離
を有しながら、従来のテレケリックポリマーよりも粘度
の低い擬似的にテレケリック構造となる1分岐型のアク
リル系重合体及び反応点を3つ以上有する多分岐型のア
クリル系重合体を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の多分岐型アクリ
ル系重合体は、特定のメタロセン化合物、及び、分子内
に少なくとも1つの反応性基を有するチオール類の存在
下に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分と
し、分子内に重合性不飽和基を2個以上有する単量体を
重合してなり、少なくとも2つの末端に該チオール類の
メルカプト基から水素原子が脱離した残基が結合してい
る。前記チオール類の反応性基は、水酸基、カルボキシ
ル基及びアルコキシシリル基のいずれかであることが好
ましい。
【0007】また、本発明の硬化性組成物は、前記多分
岐型アクリル系重合体を含有している。多分岐型アクリ
ル系重合体の反応性基がアルコキシシリル基の場合は、
重合体そのものが硬化性組成物であり、反応性基が水酸
基またはカルボキシル基の場合は、硬化剤を添加するこ
とにより硬化性組成物が得られる。さらに本発明の硬化
体は、前記硬化性組成物を硬化させて得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の分岐型アクリル系重合体
を得るために使用するメタロセン化合物は、次式
[I]、及び、分子内に少なくとも1つの反応性基を有
するチオール類の存在下に、(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルを主成分とし、分子内に重合性不飽和基を2
個以上有する単量体を含有する単量体混合物を重合して
なり、少なくとも2つの末端に該チオール類のメルカプ
ト基から水素原子が脱離した残基が結合していることを
特徴としている。
【0009】
【化2】 但し、上記式[I]において、Mは、周期律表4A族、
4B族、5A族、5B族の金属、クロム、ルテニウム及
びパラジウムよりなる群から選ばれる金属であり、R1
およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有することも
ある脂肪族炭化水素基、置換基を有することもある脂環
式炭化水素基、置換基を有することもある芳香族炭化水
素基および置換基を有することもあるケイ素含有基より
なる群から選ばれる少なくとも一種の基、若しくは、水
素原子または単結合のいずれかであり、さらに、R1お
よびR2が共同して上記式[I]で表される化合物中の
2個の5員環を結合していてもよく、また、複数の隣接
するR1またはR2は、共同して環状構造を形成してい
てもよく、aおよびbは、それぞれ独立に、1〜5の整
数であり、Xは水素原子の少なくとも一部がハロゲン原
子で置換されていることもある炭化水素基またはハロゲ
ン原子であり、nは0または金属Mの価数−2の整数で
ある。
【0010】本発明に使用するメタロセン化合物の例と
しては、ジシクロペンタジエン-Ti-ジクロライド、ジ
シクロペンタジエン-Ti-ビスフェニル、ジシクロペン
タジエン-Ti-ビス-2,3,4,5,6- ペンタフルオロフェニ
-1-イル、ジシクロペンタジエン-Ti-ビス-2,3,5,6-
テトラフルオロフェニ-1-イル、ジシクロペンタジエン-
Ti-ビス-2,5,6- トリフルオロフェニ-1-イル、ジシク
ロペンタジエン-Ti-ビス-2,6- ジフルオロフェニ-1-
イル、ジシクロペンタジエン-Ti-ビス-2,4- ジフルオ
ロフェニ-1-イル、ジメチルシクロペンタジエニル-Ti
-ビス-2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニ-1-イル、ジメ
チルシクロペンタジエニル-Ti-ビス-2,3,5,6-テトラ
フルオロフェニ-1-イル、ジメチルシクロペンタジエニ
ル-Ti-ビス-2,6-ジフルオロフェニ-1-イル、ジメチル
シクロペンタジエニル-Ti-ビス-2,6-ジフルオロ-3-
(ピル-1-イル)-フェニ-1-イルのようなチタノセン化合
物;ジシクロペンタジエニル-Zr-ジクロライド、ジメ
チルシクロペンタジエニル-Zr-ジクロライドのような
ジルコノセン化合物;及びルテノセン化合物、クロモノ
セン化合物などを挙げることができる。これらのメタロ
セン化合物は単独であるいは組み合わせて使用すること
ができる。
【0011】本発明に使用する分子内に少なくとも1つ
の反応性基を有するチオール類の例としては、α-メル
カプトプロピオン酸(チオ乳酸)、β-メルカプトプロ
ピオン酸、2,3-ジメルカプトプロピオン酸、チオグリコ
ール酸、o-メルカプト安息香酸(チオサリチル酸)、
m-メルカプト安息香酸、p-メルカプト安息香酸、チオ
リンゴ酸、チオール炭酸、o-チオクマル酸、α-メルカ
プトブタン酸(メルカプト酪酸)、β-メルカプトブタ
ン酸、γ-メルカプトブタン酸、チオールヒスチジン及
び11-メルカプトウンデカン酸等のカルボキシル基含有
チオール類;メルカプトメタノール、1-メルカプトエタ
ノール、1-メルカプトプロパノール、1-メルカプト-2,3
-プロパンジオール,1-メルカプト-2-ブタノール、1-メ
ルカプト-2,3-ブタンジオール、1-メルカプト-3,4-ブタ
ンジオール,1-メルカプト-3,4,4’-ブタントリオー
ル、2-メルカプト-3-ブタノール、2-メルカプト-3,4-ブ
タンジオール及び2-メルカプト-3,4,4’-ブタントリオ
ール等の水酸基含有チオール類;3-メルカプトプロピル
−トリメトキシシラン、3-メルカプトプロピル−トリエ
トキシシラン、3-メルカプトプロピル−モノメチルジメ
トキシシラン、3-メルカプトプロピル−モノフェニルジ
メトキシシラン、3-メルカプトプロピル−ジメチルモノ
メトキシシラン、3-メルカプトプロピル−モノメチルジ
エトキシシラン、4-メルカプトブチル−トリメトキシシ
ラン及び3-メルカプトブチル−トリメトキシシラン等の
アルコキシシリル基含有チオール類等を挙げることがで
きる。
【0012】本発明に使用する(メタ)アクリル酸アル
キルエステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル
酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)ア
クリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシ
ル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デ
シル及び(メタ)アクリル酸ドデシル等を挙げることが
できる。
【0013】本発明に使用する分子内に重合性不飽和基
を2個以上有する単量体の例としては、1,2-エタンジオ
ールのジ(メタ)アクリル酸エスエル、1,3-プロパンジ
オールのジ(メタ)アクリル酸エスエル、1,4-ブタンジ
オールのジ(メタ)アクリル酸エスエル、1,6-ヘキサン
ジオールのジ(メタ)アクリル酸エスエル、1,9-ノナン
ジオールのジ(メタ)アクリル酸エスエルのような2価
アルコールのジ(メタ)アクリル酸エスエル;ジエチレ
ングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、トリエ
チレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、ポ
リエチレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステ
ル、ジプロピレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エ
スエル及びトリプロピレングリコールのジ(メタ)アク
リル酸エステルのような(ポリ)アルキレングリコール
のジ(メタ)アクリル酸エステル;ジメチロール-トリ
シクロデカンのジ(メタ)アクリル酸エステル;トリメ
チロールプロパンのトリ(メタ)アクリル酸エステル、
トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加物の
トリ(メタ)アクリル酸エステル、トリメチロールプロ
パンのプロピレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アク
リル酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)
アクリレートのような多価アルコールの多価(メタ)ア
クリル酸エステル;ビスフェノールAのエチレンオキサ
イド付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ビスフェ
ノールAのプロピレンオキサイド付加物のジ(メタ)ア
クリル酸エステル及びビスフェノールFのエチレンオキ
サイド付加物のジ(メタ)アクリル酸エステルのような
芳香族多価アルコールのジ(メタ)アクリル酸エステ
ル;イソシアヌル酸のエチレンオキサイド付加物のジ
(メタ)アクリル酸エステル、イソシアヌル酸のエチレ
ンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリル酸エステル
及びジビニルベンゼン等を挙げることができる。
【0014】中でも、擬似的にテレケリック構造となる
1分岐型のアクリル系重合体を得る場合には、ジビニル
ベンゼンが好ましく、多分岐型のアクリル系重合体を得
る場合には、3官能以上の多価(メタ)アクリル酸エス
テルを使用する。
【0015】(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主
成分とし、分子内に重合性不飽和基を2個以上有する単
量体を含有する単量体混合物は、前記(メタ)アクリル
酸アルキルエステル及び前記分子内に重合性不飽和基を
2個以上有する単量体と共重合可能なその他の単量体を
含んでいても良い。
【0016】共重合可能なその他の単量体の例として
は、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸アル
カリ金属塩などの塩;(メタ)アクリル酸フェニル、
(メタ)アクリル酸ベンジルのような(メタ)アクリル
酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸メトキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アク
リル酸プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシ
エチル、(メタ)アクリル酸エトキシプロピルのような
(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル;(メタ)アク
リロニトリル;酢酸ビニル;塩化ビニル;塩化ビニリデ
ン;(メタ)アクリル酸-2-クロロエチルのようなハロ
ゲン化ビニル化合物;(メタ)アクリル酸シクロヘキシ
ルのような脂環式アルコールの(メタ)アクリル酸エス
テル;2-ビニル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-メチル-2
-オキサゾリン、2-イソプロペニル-2-オキサゾリンのよ
うなオキサゾリン基含有重合性化合物;(メタ)アクリ
ロイルアジリジン、(メタ)アクリル酸-2-アジリジニ
ルエチルのようなアジリジン基含有重合性化合物;アリ
ルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジル
エーテル、(メタ)アクリル酸-2-エチルグリシジルエ
ーテルのようなエポキシ基含有ビニル単量体;(メタ)
アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸-
3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロ
キシプロピル、(メタ)アクリル酸-4-ヒドロキシブチ
ル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコールまた
はポリエチレングリコールとのモノエステル、ラクトン
類と(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチルとの付加
物のようなヒドロキシル基含有ビニル化合物;フッ素置
換(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の含フッ素ビ
ニル単量体;(メタ)アクリル酸を除く、イタコン酸、
クロトン酸、マレイン酸、フマル酸のような不飽和カル
ボン酸、これらの塩並びにこれらの(部分)エステル化
合物および酸無水物;2-クロルエチルビニルエーテル、
モノクロロ酢酸ビニルのような反応性ハロゲン含有ビニ
ル単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)
アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリル
アミドのようなアミド基含有ビニル単量体;ビニルトリ
メトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、アリルトリメトキシシラン、トリメトキシ
シリルプロピルアリルアミン、2-メトキシエトキシトリ
メトキシシランのような有機ケイ素基含有ビニル化合物
単量体;ならびに、エチルデンノルボルネン、ピペリジ
ン、イソプレン、ペンタジエン、ビニルシクロヘキセ
ン、クロロプレン、ブタジエン、メチルブタジエン、シ
クロブタジエン、メチルブタジエンのようなジエン化合
物等が挙げられる。
【0017】前記単量体混合物は、前記(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル100重量部に対して、前記分子
内に重合性不飽和基を2個以上有する単量体を含有する
単量体を0.001〜50重量部、好ましくは0.01
〜20重量部、及び、共重合可能なその他の単量体を0
〜70重量部、好ましくは0〜50重量部を混合した単
量体の混合物である。
【0018】重合開始剤である前記分子内に少なくとも
1つの反応性基を有するチオール類は、前記分子内に重
合性不飽和基を2個以上有する単量体の重合性不飽和基
1モルに対して0.8〜2.0モル、好ましくは0.9
〜1.5モル、特に好ましくは1.0〜1.2モル使用
する。メタロセン化合物は、前記チオール類1モルに対
して、0.00001〜10モル、好ましくは0.00
005〜1モル使用する。
【0019】本発明の分岐型アクリル系重合体は、前記
(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、前
記分子内に重合性不飽和基を2個以上有する単量体を含
有する単量体混合物を、前記メタロセン化合物の存在下
に、前記分子内に少なくとも1つの反応性基を有するチ
オール類を重合開始剤として重合することにより得られ
るが、この重合は溶剤の非存在下で行うことが望まし
い。溶剤の非存在下で重合を行うことにより、分子の少
なくとも2つの末端に重合開始剤であるチオール類から
水素原子が脱離した残基が確実に結合することになる。
そのときの重合反応の温度は、60〜120℃で行うこ
とが好ましい。
【0020】こうして得られる本発明の分岐型アクリル
系重合体は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ
ーによる重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)との比Mw/Mnが、1.5〜5.0であり、Mw
は800〜100,000、Mnは500〜20,00
0となる。
【0021】本発明の硬化性組成物は、前記分岐型アク
リル系重合体と硬化剤とを含有している。但し、反応性
基がアルコキシシリル基であるチオール類を使用して得
られる分岐型アクリル系重合体は、硬化剤を含有しなく
ても良い。
【0022】本発明の硬化性組成物に含有させる硬化剤
としては、イソシアネート硬化剤、エポキシ硬化剤、ア
ジリジン系硬化剤、アミン系硬化剤及び金属キレート系
硬化剤などを単独であるいは組み合わせて使用する。
【0023】イソシアネート硬化剤の例としては、トリ
レンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアナ
ート、ヘキサメチレンジイソシアナート、テトラメチレ
ンジイソシアナート、イソホロンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシ
アネート、水添されたジフェニルメタンジイソシアネー
トなどのイソシアネートモノマー及びこれらイソシアネ
ートモノマーをトリメチロールプロパンなどと付加した
イソシアネート化合物やイソシアヌレート化物、ビュレ
ット型化合物、さらには公知のポリエーテルポリオール
やポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリ
ブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールなど
付加反応させたウレタンプレポリマー型のイソシアネー
トなどを挙げることができる。
【0024】エポキシ系硬化剤の例としては、エチレン
グリコールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエー
テル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,3-ビス
(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,
N,N',N'-テトラグリジル-m-キシリレンジアミン、N,N,
N',N'-テトラグリジルアミノフェニルメタン、トリグリ
シジルイソシアヌレート、m-N,N-ジグリシジルアミノフ
ェニルグリシジルエーテル、N,N-ジグリシジルトルイジ
ン、N,N-ジグリシジルアニリンなどを挙げることができ
る。
【0025】アジリジン系硬化剤の例としては、ジフェ
ニルメタン-4,4'-ビス(1-アジリジンカーボキサミド)、
トリメチロールプロパントリ-β-アジリジニルプロピオ
ネート、テトラメチロールメタントリ-β-アジリジニル
プロピオネート、トルエン-2,4-ビス(1-アジリジンカー
ボキサミド)、トリエチレンメラミン、ビスイソフタロ
イル-1-(2-メチルアジリジン)、トリス-1-(2-メチルア
ジリジン)フォスフィン、トリメチロールプロパントリ-
β-(2メチルアジリジン)プロピオネートなどを挙げるこ
とができる。
【0026】アミン系硬化剤の例としては、m-フェニレ
ンジアミン、m-キシレンジアミン、キシリレンジアミ
ン、キシリレンジアミンの3量体、4,4'-ジアミノジフ
ェニルメタン、4,4'-ジアミノジフェニルスルフォン、
4,4'-ジアミノジフェニルオキサイド、3,3'-ジメチル-
4,4'-ジアミノジフェニルメタン、などの芳香族系アミ
ン類、4,4'-ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3'-ジ
メチル-4,4'-ジアミノジシクロヘキシルメタン、N-アミ
ノエチルピペラジン、イソフォロンジアミンなどの環状
脂肪族系アミン類、ジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレ
ンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミンなどの鎖状
脂肪族系アミン類などが挙げられる。
【0027】金属キレート系硬化剤の例としては、テト
ラ-i-プロポキシチタン、テトラ-n-ブトキシチタン、テ
トラキス(2-エチルヘキシルオキシ)チタン、ジ-i-プ
ロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、ジ-n-
プトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン、同
様にチタン以外の金属として、バナジウム、アルミニウ
ム、ジルコニウム、ケイ素等の金属キレート化合物を挙
げることができる。
【0028】本発明の硬化性組成物には、必要に応じ
て、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、防錆
剤、顔料、粘着付与剤、表面潤滑剤、光沢剤、撥水剤、
感光剤、有機・無機繊維、可塑剤、導電性フィラー、難
燃剤、帯電防止剤、整泡剤、及び発泡剤等を配合しても
良い。
【0029】本発明の硬化体は、前記硬化性組成物を硬
化させた硬化物であり、硬化反応は常温又は加温して行
う。この硬化反応を促進させるために硬化促進剤を添加
すると良い。硬化促進剤としては、ステアリン酸錫、ジ
ブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジオレイルマレー
ト、ジブチル錫ジブチルマレート、ジブチル錫ジラウレ
ート、1,1,3,3-テトラブチル-1,3-ジラウリルオキシカ
ルボニル-ジスタノキサン、ジブチル錫ジアセテート、
ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫ビス
(o-フェニルフェノキサイド)、ジブチル錫オキサイ
ド、ジブチル錫ビストリエトキシシリケート、ジブチル
錫ジステアレート、ジブチル錫ビスイソノニル−3−メ
ルカプトプロピオネート、ジブチル錫ビスイソオクチル
チオグリコレート、ジオクチル錫ジステアレート、ジオ
クチル錫オキサイド、ジオクチル錫ジラウレート、ジオ
クチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジバーサテートな
どの錫系が代表的であるが、錫系以外にもテトラ-n-ブ
トキシチタン、オクチル酸ビスマス、ビスマスバーサテ
ートなどが挙げられる。
【0030】本発明の分岐型アクリル系重合体及び硬化
性組成物は、粘稠な液体であり、末端に反応性基を有す
ることから、例えば、粘着剤、接着剤、塗料用ビヒク
ル、プライマー用樹脂、インキ用バインダー、セメント
やモルタル、金属、ガラス等の無機材料表面の被覆コー
ティング樹脂、シート成形品(例;通気性シート、保護
シート、遮水シート、制振シート、転写シート、調光シ
ート、帯電防止シート、導電シート、養生シート、遮音
シート、遮光シート、化粧シート、マーキングシート、
難燃シート)、フィルム成形品(例;マーキングフィル
ム、保護フィルム、インキ定着フィルム、ラミネートフ
ィルム)、発泡体(硬質発泡体、軟質発泡体、半硬質発
泡体、難燃発泡体などを含む)、反応性可塑剤、可塑
剤、希釈剤、相溶化剤、UV硬化型樹脂用のバインダー
及び反応性希釈剤、ラジカル硬化シロップ型トラフィッ
クペイント用バインダー樹脂及び希釈剤、中間原料とし
て、ビニル系樹脂合成時のグラフト化剤やブロック化
剤、NBR、IIR、SBRなどのゴム用変性剤及び架
橋剤、改質剤用原料、マクロマーとしての各種ブロック
ポリマーなどの樹脂用原料または、改質用原料、添加
剤、更には、繊維改質剤、繊維表面処理剤、紙加工剤、
紙改質剤、界面活性剤、分散安定剤、分散媒、溶剤、粘
度調整剤、吸着剤、毛髪処理剤、トナー用添加剤、帯電
制御剤、帯電防止剤、低収縮剤、防曇剤、防汚剤、親水
性付与剤、親油性付与剤、医薬担体、農薬用担体、化粧
品用配合剤、滑剤、ポリマーアロイ用添加剤、ゲルコー
ト剤、FRP用樹脂、FRP樹脂用添加剤、人工大理石
用樹脂、人工大理石用樹脂添加剤、注入成型品用樹脂、
UV・EV硬化樹脂用原料、粘着付与剤、各種バインダ
ー(例;磁気記録媒体用バインダー、鋳造用バインダ
ー、焼成体用バインダー、グラスファイバーサイジング
材用バインダー)、RIM用ウレタン改質剤、合わせガ
ラス用樹脂、制振材、遮音材、分離膜用樹脂、防音材、
吸音材、人工皮革、人工皮膚、合成皮革、各種工業用部
品、日用品、トイレタリー用成型品、レジスト材用バイ
ンダー、レジスト材用添加剤、レジスト材用希釈剤、レ
ジスト剤、フォトレジスト材用添加剤、希釈剤、バイン
ダーその他、離型調整剤などに利用することができる。
【0031】
【実施例】つぎに、本発明を実施例及び比較例を用いて
さらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によ
って限定されるものではない。
【0032】
【実施例1】 攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計およ
び環流冷却管を備えたフラスコに、ブチルアクリレート
88.5重量部、ジビニルベンゼン11.5重量部およ
び金属触媒としてチタノセンジクロライド0.02重量
部を仕込み、フラスコ内に窒素ガスを導入しながらフラ
スコの内容物を95℃に加熱した。
【0033】ついで、充分に窒素ガス置換したメルカプ
トエタノール14重量部を攪拌下のフラスコ内に添加し
た。メルカプトエタノール添加後、攪拌中のフラスコ内
の内容物が95℃に維持できるように、冷却および加温
を2時間行った。その後、フラスコ内の内容物を100
℃に維持できるように、冷却および加温を行い、さらに
8時間反応させた。
【0034】上記のようにして合計で10時間の反応
後、反応物の温度を室温に戻し、反応物にベンゾキノン
溶液(95%THF溶液)を20重量部添加して重合を
停止させた。こうして得られた反応物のTHF溶液につ
いて、モノマー残存率をガスクロマトグラフィーを用い
て測定し、重合率を求めたところ88%であった。
【0035】続いて得られた反応物をエバポレーターに
移し、減圧下に80℃まで徐々に加熱しながらTHF、
残存モノマー、および残存チオール化合物を除去した。
こうして得られた重合体(1)の150℃加熱残分は9
9.1%であった。また、得られた重合体(1)につい
てゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
により測定した分子量は、Mw=2600、Mn=11
00であり、分散指数=2.3であり、23℃における
粘度は1900mPa・sであり、水酸基価は89mg
KOH/gであった。
【0036】
【実施例2】 攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計およ
び環流冷却管を備えたフラスコに、ブチルアクリレート
95.2重量部、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート4.8重量部および金属触媒としてチタノセンジク
ロライド0.02重量部を仕込み、フラスコ内に窒素ガ
スを導入しながらフラスコ内の内容物を95℃に加熱し
た。
【0037】ついで、充分に窒素ガス置換したメルカプ
トエタノール7.6重量部を攪拌下のフラスコ内に添加
した。メルカプトエタノール添加後、攪拌中のフラスコ
内の内容物が95℃に維持できるように、冷却および加
温を2時間行った。その後、フラスコ内の内容物を10
0℃に維持できるように、冷却および加温を行い、さら
に8時間反応させた。
【0038】上記のようにして合計で10時間の反応
後、反応物の温度を室温に戻し、反応物にベンゾキノン
溶液(95%THF溶液)を20重量部添加して重合を
停止させた。こうして得られた反応物のTHF溶液につ
いて、モノマー残存率をガスクロマトグラフィーを用い
て測定し、重合率を求めたところ89%であった。
【0039】続いて得られた反応物をエバポレーターに
移し、減圧下に80℃まで徐々に加熱しながらTHF、
残存モノマー、および残存チオール化合物を除去した。
こうして得られた重合体(2)の150℃加熱残分は、
99.0%であった。また、得られた重合体(2)につ
いてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GP
C)により測定した分子量は、Mw=5500、Mn=
2000、分散指数=2.8であり、23℃における粘
度は2.5Pa・sであり、水酸基価は51mgKOH
/gであった。
【0040】
【実施例3】 攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計およ
び環流冷却管を備えたフラスコに、メチルアクリレート
88.5重量部、ジビニルベンゼン11.5重量部、お
よび金属触媒としてジルコノセンジクロライド0.02
重量部を仕込み、フラスコ内に窒素ガスを導入しながら
フラスコの内容物を78℃に加熱した。
【0041】ついで、充分に窒素ガス置換した3−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン36重量部を攪拌下
のフラスコ内に添加した。3−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン添加後、攪拌中のフラスコ内の内容物が
80℃に維持できるように、冷却および加温を4時間反
応させた。その後、フラスコ内の内容物を95℃に維持
できるように、冷却および加温を行い、さらに6時間反
応させた。
【0042】上記のようにして合計で10時間の反応
後、反応物の温度を室温に戻し、反応物にベンゾキノン
溶液(95%THF溶液)を20重量部添加して重合を
停止させた。こうして得られた反応物のTHF溶液につ
いて、モノマーの残存率をガスクロマトグラフィーを用
いて測定し、重合率を求めたところ85%であった。
【0043】続いて得られた反応物をエバポレーターに
移し、減圧下に80℃まで徐々に加熱しながらTHF、
残存モノマー、および残存チオール化合物を除去した。
こうして得られた重合体(3)の150℃加熱残分は9
9.1%であった。また、得られた重合体(3)につい
てゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
により測定した分子量は、Mw=3000、Mn=11
00であり、分散指数=2.7であり、23℃における
粘度は498.6Pa・sであった。
【0044】
【比較例1】 実施例1において、ブチルアクリレート
を100重量部としジビニルベンゼンを添加しなかった
以外は、同様にして反応を行った。その結果、重合率が
90%の反応物が得られた。
【0045】続いて得られた反応物をエバポレーターに
移し、減圧下に80℃まで徐々に加熱しながらTHF、
残存モノマー、および残存チオール化合物を除去した。
こうして得られた重合体(4)の150℃加熱残分は9
9.5%であった。また、得られた重合体(4)につい
てゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
により測定した分子量は、Mw=2000、Mn=11
00であり、分散指数=1.8であり、23℃における
粘度は1.0Pa・sであり、水酸基価は88mgKO
H/gであった。
【0046】
【比較例2】 攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計およ
び環流冷却管を備えたフラスコに、ブチルアクリレート
70.2重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート1
8.3重量部、ジビニルベンゼン11.5重量部および
金属触媒としてチタノセンジクロライド0.02重量部
を仕込み、フラスコ内に窒素ガスを導入しながらフラス
コの内容物を95℃に加熱した。
【0047】ついで、充分に窒素ガス置換したn−ドデ
シルメルカプタン36重量部を攪拌下のフラスコ内に添
加した。n−ドデシルメルカプタン添加後、攪拌中のフ
ラスコ内の内容物が95℃に維持できるように、冷却お
よび加温を2時間行った。その後、フラスコ内の内容物
を100℃に維持できるように、冷却および加温を行
い、さらに8時間反応させた。
【0048】上記のようにして合計で10時間の反応
後、反応物の温度を室温に戻し、反応物にベンゾキノン
溶液(95%THF溶液)を20重量部添加して重合を
停止させた。こうして得られた反応物のTHF溶液につ
いて、モノマー残存率をガスクロマトグラフィーを用い
て測定し、重合率を求めたところ89%であった。
【0049】続いて得られた反応物をエバポレーターに
移し、減圧下に80℃まで徐々に加熱しながらTHF、
残存モノマー、および残存チオール化合物を除去した。
こうして得られた重合体(5)の150℃加熱残分は9
9.0%であった。また、得られた重合体(5)につい
てゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
により測定した分子量は、Mw=2900、Mn=11
00であり、分散指数=2.6であり、23℃における
粘度は2.30Pa・sであり、水酸基価は88mgK
OH/gであった。
【0050】
【実施例4〜7および比較例3〜6】 容量200ミリ
リットルのビーカーに、主剤として各種重合体100重
量部と、この主剤に対してイソシアネート化合物として
コロネートL又はコロネート1040(日本ポリウレタ
ン工業(株)社製)、及び/又は、硬化促進剤としてジ
ブチル錫ジラウレート(DBTDL)を表1に示すよう
に配合して、ビーカー内の内容物が均一になるまで、ミ
キサーにて混合攪拌して粘稠な硬化性組成物を得た。得
られた硬化性組成物をポリエチレン製の1mm厚さのス
ペーサーを3辺に貼着した2mm厚さのポリエチレン製
の板に2枚重ねた試料試作容器に、空気を巻き込まない
ようにゆっくりと流し込んだ。
【0051】硬化性組成物を挟み込んだ試料板を23℃
にて7日間、流し込み口を上にして立てかけ養成した。
その後、さらに、硬化促進剤を添加した組成物は50℃
にて7日間養生、硬化促進剤を添加していない組成物は
50℃にて14日間養成した後、ポリエチレン製の板と
スペーサーを外し、1mm厚の塗膜(硬化体)を得た。
得られた塗膜(硬化体)の特性を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】なお、上記表1において、硬化性および膜
の可撓性の評価方法ならびに記号、さらに破断強度およ
び延伸率の試験方法は次の通りである。 ・硬化性:塗膜表面のタック感を指触により評価した。 ○ ・・・タックがない。 △ ・・・タックがある。 × ・・・液状で硬化していない。 ・膜の可撓性:塗膜を180度に曲げた状態に保ち、塗
膜のひび割れ度合いを目視により観察評価した。 ○ ・・・塗膜にひび割れなどは生じない。 × ・・・塗膜にひび割れが生じる。 ××・・・膜化していないため評価できない。 ・破断強度:得られた試料を3号ダンベル型に切り取
り、23℃、65%の条件下に24時間放置した。引張
り速度200mm/minの速度で試料が破断した際の
最大強度を求め、試料の延伸方向に対する断面積に対し
て破断強度とした。・延伸率:得られた試料を3号ダン
ベル型に切り取り、23℃、65%の条件下に24時間
放置した。引張り速度200mm/minの速度で試料
が破断するまでの距離を求め、試料長からの延びを延伸
率とした。
【0054】実施例と比較例との対比から、本発明の重
合体が非常に硬化性および可撓性に優れ、塗膜の強度と
延伸率のいずれの特性にも優れていることがわかる。
【0055】
【発明の効果】本発明の重合体は、分子末端に反応性基
を有することから、分子骨格中に反応性基を有する重合
体と比較すると、重合体の粘度が低い特長がある。これ
は、前者の方が極性基が分子末端にあることで、後者よ
りも分子内のインターラクションが低いためと考えられ
る。この重合体の粘度が低いという特長は、作業性の点
で有利である。また、本発明の重合体は、分子末端に反
応性基を少なくとも2つ以上を導入することが可能であ
り、分子骨格中に反応性基がランダムに存在する重合体
よりも硬化性に優れ、かつ規則正しい網目構造を有する
硬化塗膜を与え、その塗膜物性は、強度が高く、かつ延
伸性に優れている。従って、本発明の重合体は、作業性
に優れ、機械的強度および柔軟性を要する用途に有用で
ある。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BG041 BG051 BG061 BG071 CD012 EC076 EN036 EN046 EN076 EN096 ER006 EU016 EU186 EW136 FD142 FD146 FD150 GH01 GH02 GJ01 GJ02 GK02 GK04 4J015 DA07 DA08 DA09 DA24 DA33 4J100 AL03P AL04P AL05P AL62Q AL66Q AL67Q BA02Q BA03H BA08Q BA16H BA51H BA77H BC43Q BC75Q CA03 CA04 CA31 DA01 DA04 FA03 FA08 FA10 HC70 JA01 JA03 JA05 JA07 JA11 JA13 JA18 JA50 JA57 JA61 JA67

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式[I]で表されるメタロセン化合
    物、及び、分子内に少なくとも1つの反応性基を有する
    チオール類の存在下に、(メタ)アクリル酸アルキルエ
    ステルを主成分とし、分子内に重合性不飽和基を2個以
    上有する単量体を含有する単量体混合物を重合してな
    り、少なくとも2つの末端に該チオール類のメルカプト
    基から水素原子が脱離した残基が結合していることを特
    徴とする分岐型アクリル系重合体; 【化1】 [但し、上記式[I]において、Mは、周期律表4A
    族、4B族、5A族、5B族の金属、クロム、ルテニウ
    ム及びパラジウムよりなる群から選ばれる金属であり、
    R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有するこ
    ともある脂肪族炭化水素基、置換基を有することもある
    脂環式炭化水素基、置換基を有することもある芳香族炭
    化水素基および置換基を有することもあるケイ素含有基
    よりなる群から選ばれる少なくとも一種の基、若しく
    は、水素原子または単結合のいずれかであり、さらに、
    R1およびR2が共同して上記式[I]で表される化合
    物中の2個の5員環を結合していてもよく、また、複数
    の隣接するR1またはR2は、共同して環状構造を形成
    していてもよく、aおよびbは、それぞれ独立に、1〜
    5の整数であり、Xは水素原子の少なくとも一部がハロ
    ゲン原子で置換されていることもある炭化水素基または
    ハロゲン原子であり、nは0または金属Mの価数−2の
    整数である]。
  2. 【請求項2】 チオール類が、分子内に重合性不飽和基
    を2個以上有する単量体の重合性不飽和基1モルに対し
    て、0.8モル以上2.0モル以下であることを特徴と
    する請求項第1項記載の分岐型アクリル系重合体。
  3. 【請求項3】 分子内に少なくとも1つの反応性基を有
    するチオール類の反応性基が、水酸基、カルボキシル
    基、アルコキシシリル基のいずれかであることを特徴と
    する請求項第1項記載の分岐型アクリル系重合体。
  4. 【請求項4】 分子内に少なくとも1つの反応性基を有
    するチオール類の反応性基が、水酸基またはカルボキシ
    ル基である請求項第1項記載の分岐型アクリル系重合体
    と、硬化剤とを含有することを特徴とする硬化性組成
    物。
  5. 【請求項5】 分子内に少なくとも1つの反応性基を有
    するチオール類の反応性基が、アルコキシシリル基であ
    る請求項第1項記載の分岐型アクリル系重合体からなる
    ことを特徴とする硬化性組成物。
  6. 【請求項6】 請求項第4項又は請求項第5項記載の硬
    化性組成物を硬化して得られることを特徴とする硬化
    体。
JP2001237095A 2001-08-03 2001-08-03 末端反応性分岐型アクリル系重合体、硬化性組成物及び硬化体 Pending JP2003048924A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001237095A JP2003048924A (ja) 2001-08-03 2001-08-03 末端反応性分岐型アクリル系重合体、硬化性組成物及び硬化体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001237095A JP2003048924A (ja) 2001-08-03 2001-08-03 末端反応性分岐型アクリル系重合体、硬化性組成物及び硬化体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003048924A true JP2003048924A (ja) 2003-02-21

Family

ID=19068234

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001237095A Pending JP2003048924A (ja) 2001-08-03 2001-08-03 末端反応性分岐型アクリル系重合体、硬化性組成物及び硬化体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003048924A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005012426A1 (ja) * 2003-08-01 2005-02-10 Cemedine Co., Ltd. 硬化性組成物及び硬化性組成物の製造方法
JP2005145044A (ja) * 2003-09-29 2005-06-09 Zeon Kasei Co Ltd マーキングフィルム用基材及びその製造方法
JP2006063321A (ja) * 2004-07-30 2006-03-09 Cemedine Co Ltd 速硬化型接着剤組成物
JP2008044975A (ja) * 2006-08-11 2008-02-28 Soken Chem & Eng Co Ltd 組成物
JPWO2017043373A1 (ja) * 2015-09-09 2018-06-28 綜研化学株式会社 片末端に置換基を有する(メタ)アクリル系重合体の製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000344823A (ja) * 1999-03-31 2000-12-12 Soken Chem & Eng Co Ltd 塊状重合用触媒および該触媒を用いた重合方法
JP2001040037A (ja) * 1999-07-30 2001-02-13 Soken Chem & Eng Co Ltd 反応性アクリル系重合体、硬化性アクリル系重合体、硬化性組成物、硬化体およびこれらの用途

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000344823A (ja) * 1999-03-31 2000-12-12 Soken Chem & Eng Co Ltd 塊状重合用触媒および該触媒を用いた重合方法
JP2001040037A (ja) * 1999-07-30 2001-02-13 Soken Chem & Eng Co Ltd 反応性アクリル系重合体、硬化性アクリル系重合体、硬化性組成物、硬化体およびこれらの用途

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005012426A1 (ja) * 2003-08-01 2005-02-10 Cemedine Co., Ltd. 硬化性組成物及び硬化性組成物の製造方法
KR100709734B1 (ko) * 2003-08-01 2007-04-19 세메다인 가부시키 가이샤 경화성 조성물 및 경화성 조성물의 제조방법
JPWO2005012426A1 (ja) * 2003-08-01 2007-09-27 セメダイン株式会社 硬化性組成物及び硬化性組成物の製造方法
US7781559B2 (en) 2003-08-01 2010-08-24 Cemedine Co., Ltd. Curable composition and method for producing the same
JP4533842B2 (ja) * 2003-08-01 2010-09-01 セメダイン株式会社 硬化性組成物及び硬化性組成物の製造方法
JP2005145044A (ja) * 2003-09-29 2005-06-09 Zeon Kasei Co Ltd マーキングフィルム用基材及びその製造方法
JP4543220B2 (ja) * 2003-09-29 2010-09-15 リンテック株式会社 マーキングフィルム用基材及びその製造方法
JP2006063321A (ja) * 2004-07-30 2006-03-09 Cemedine Co Ltd 速硬化型接着剤組成物
JP2008044975A (ja) * 2006-08-11 2008-02-28 Soken Chem & Eng Co Ltd 組成物
JPWO2017043373A1 (ja) * 2015-09-09 2018-06-28 綜研化学株式会社 片末端に置換基を有する(メタ)アクリル系重合体の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5435413B2 (ja) 硬化性組成物
JP4482739B2 (ja) 反応性アクリル系重合体およびその製造方法、硬化性アクリル系重合体、硬化性組成物、硬化体およびこれらの用途
JP4533842B2 (ja) 硬化性組成物及び硬化性組成物の製造方法
US20070232772A1 (en) Crosslinkable Siloxane Urea Copolymers
US20130331600A1 (en) Michael Acceptor Having Multiple Hydroxyl Groups, and Michael Addition Product Derived Therefrom
US11078391B2 (en) Urethane adhesive composition
JP2001323040A (ja) 架橋性シリル基含有ウレタン系樹脂混合物、及びこれを含有する硬化性組成物
JP2002155145A (ja) 硬化性組成物
TW202132363A (zh) 光聚合起始劑及光硬化性樹脂組成物
US8017718B2 (en) Vinyl ethers and compositions containing them
JP2003048924A (ja) 末端反応性分岐型アクリル系重合体、硬化性組成物及び硬化体
EP1607460A2 (en) Moisture setting composition and adhesive composition
WO2016158135A1 (ja) 1液型水性接着剤組成物
JP2000239308A (ja) アクリル系重合体、硬化性組成物、硬化体およびこれらの用途
JPH08283310A (ja) 重合体の製造方法
CN111201295A (zh) 光固化性粘着剂组合物以及粘接方法
JP7442054B2 (ja) 接着剤樹脂組成物
JP2004315637A (ja) ポリウレタン系樹脂組成物および硬化物
JP2003048923A (ja) アクリル系重合体及び硬化性組成物
JP4504007B2 (ja) 建築用弾性シーリング材組成物
JP2001310909A (ja) アクリル系重合体、アクリル系硬化性組成物及び硬化体、並びにこれらの用途
JPH07196753A (ja) ポリサルファイド含有ブロック共重合体、その製造方法及びその硬化型組成物
JP7387171B2 (ja) 湿気硬化型組成物
JP2005120174A (ja) 硬化性組成物及びシーリング材組成物
JPS60133019A (ja) ポリウレタンの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080530

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101130

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110405