JP2001310909A - アクリル系重合体、アクリル系硬化性組成物及び硬化体、並びにこれらの用途 - Google Patents

アクリル系重合体、アクリル系硬化性組成物及び硬化体、並びにこれらの用途

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Abstract

(57)【要約】 【課題】分子の少なくとも1つの末端にイソシアネート
基に対して活性を示す水酸基が導入された新規なアクリ
ル系重合体、及びそのアクリル系重合体を用いたアクリ
ル系硬化性組成物及び硬化体、並びにそれらの用途を提
供すること。 【解決手段】本発明のアクリル系重合体は、メタロセン
化合物、及び、分子内に少なくとも1つの水酸基を有す
るチオール類の存在下に、(メタ)アクリロイル基を有
するアクリル系単量体を重合してなり、少なくとも1つ
の末端に該チオール類のメルカプト基から水素原子が脱
離した残基が結合していることを特徴としている。ま
た、本発明の硬化性組成物、硬化組成物及び硬化体は、
アクリル系重合体[A]とイソシアネート化合物により
調製される。さらに、本発明の塗料及び接着剤又は粘着
剤は、アクリル系重合体[A]、硬化性組成物、硬化組
成物及び硬化体を含有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、分子末端に水酸基
を有するアクリル系重合体、前記アクリル系重合体と分
子内に2個以上のイソシアネート基を有する化合物から
なるアクリル系硬化性組成物、前記アクリル系重合体の
水酸基の少なくとも一部がイソシアネート化合物により
変性されたアクリル系硬化組成物、及び、これらの組成
物の硬化体、並びに、これらの用途に関するものであ
る。
【0002】
【発明の技術的背景】(メタ)アクリル酸、そのエステ
ル類及びスチレンのような重合性二重結合を有する重合
性不飽和化合物は、ラジカル重合開始剤の存在下に乳化
重合法、懸濁重合法、溶液重合法および塊状重合法によ
って重合可能であり、こうして得られる重合物は、成形
体、シート又はフィルム成型品、塗料、繊維など種々の
用途に利用されているが、得られる重合体の反応性基の
導入位置や官能基量が物性を左右することが多い。
【0003】これら重合法においては、ラジカル重合開
始剤を用いて重合を行い、通常は、重合温度、ラジカル
重合開始剤量、ラジカル連鎖移動剤としての有機溶剤や
メルカプタン類、α−メチルスチレンダイマー等の連鎖
移動係数の高いモノマーあるいはダイマーなどの使用量
あるいは種類を適宜調整することにより、重合速度、発
熱制御等の重合反応の制御、および、分子量や分子量分
布等のポリマー分子設計を行っている。
【0004】このため得られる重合体の末端部は、ラジ
カル重合開始剤として用いた化合物、若しくは、連鎖移
動剤として用いた化合物、連鎖移動した際の溶剤化合物
などの残基が結合しているか、または、不均化停止した
際の不飽和基を有すこととなる。つまり、得られる重合
体は、末端基までは充分に制御できておらず、種々の末
端基を有す重合体の混合物となってしまう。そこで、重
合体の末端を制御する為の理想的な重合開始剤として、
重合開始能力が高く、更には重合の連鎖移動停止などの
能力も高く、重合反応において効率の良い開始剤が求め
られている。
【0005】また、重合方法において、乳化重合法、懸
濁重合法、溶液重合法は、反応溶媒や分散媒を用いて重
合させるため、重合温度を制御しやすいが、得られる重
合体を、反応溶媒又は分散媒から分離するための沈殿、
濾過、洗浄、乾燥などの操作が必要であり、工程が煩雑
となる。
【0006】こうした中で塊状重合法は、溶媒及び分散
媒を使用しないことから有機溶剤、水、分散剤、乳化剤
などを用いる必要がなく、重合に関与する有機溶剤のよ
うな不純物を含まないので、反応系が簡潔となるばかり
でなく、得られる重合体中に乳化剤や分散剤などの不純
物の混入がなく、さらには目的の重合体を得るために、
溶媒又は分散媒の除去も不要である。
【0007】しかしながら、一般に、塊状重合法では、
重合反応速度が著しく速く、事実上この塊状重合法を制
御することはきわめて困難である。また、重合速度が制
御できずに高温度で生成した重合体は、不均化停止によ
り分子の末端基が不安定な状態となったり、低分子量体
化したり、逆に先に生成していた重合体からの水素引き
抜きなどにより、重合体の分岐化やゲル化が起こりやす
い。このため重合体の分子量、分子量分布などの分子設
計が困難になることはもとより、重合体の分岐化や不均
化停止末端などの生成などにより、明確な分子構造の設
計が困難となる。さらに、ゲル化物が急激にかつ大量に
生成することがあり、最悪の場合、反応物の温度上昇を
抑止できなくなり爆発の危険すらある。
【0008】こうした中でも、例えば、スチレン、メタ
クリル酸メチルは、比較的重合速度が遅いという特性を
有していることから、塊状重合によっても反応制御が可
能であり、古くからその制御法は検討がなされている。
そして、こうしたスチレン、メタクリル酸メチル等の塊
状重合において、分子量、分子量分布を制御するため
に、メルカプタンが使用されることがあるが、この場
合、使用されるメルカプタンの作用は、重合反応におけ
る連鎖移動剤としてのみ作用しており、重合開始におい
ては、重合開始剤の添加もしくは、高温での熱開始重合
を利用している。このため、これらの反応で得られる重
合体には、重合開始剤由来の化合物が重合体末端に結合
しているか、または、熱開始重合の場合には重合体単量
体の過酸化物由来の化合物が末端に結合した重合体が含
まれるようになり、末端に結合してる化合物の厳密な制
御ができていない。また、こうしたメルカプタンを用い
た塊状重合反応では、重合中におけるメルカプタン消費
速度と、開始剤の消費速度が等速に成らず、重合中にメ
ルカプタンが消費され尽くしても開始剤が反応系に残存
している為に、均一に反応を制御することが困難である
ことが多く、また、塊状重合に供されるモノマーにも制
限がある。
【0009】このような理由から、充分に末端を制御し
た重合体を得るための重合方法や重合触媒や重合開始剤
が、必要とされている。
【0010】ところで、重合反応は使用するモノマーに
よって触媒が異なり、例えばエチレン等の重合触媒とし
てチタノセンのようなメタロセン化合物が用いられてい
るが、このメタロセン化合物は、光重合において増感剤
と共に使用することを除けば、このメタロセン化合物は
α-オレフィン以外のモノマーの重合触媒として使用す
ることはほとんど知られていない。特開平9-5996号公報
には、付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を少な
くとも1個有する化合物並びに光重合開始系としてチタ
ノセン化合物および該チタノセン化合物を増感し得る増
感剤とを含む光重合組成物において、該組成物がさら
に、複素環式チオール化合物を含有するものである光重
合性組成物の発明が開示されている。この公報に開示さ
れている発明では、チタノセン化合物は光重合触媒とし
て使用されているのであり、チタノセン化合物を塊状重
合の触媒として使用することに関する記載はない。ま
た、この公報に記載されている複素環式チオール化合物
は、可視光増感剤である。
【0011】一般に、チタノセン化合物のようなメタロ
セン化合物において、硫黄含有化合物は、メタロセン化
合物の触媒作用を低減させる化合物であり、上記のよう
に可視光増感剤のような特定の作用効果を示す化合物と
して硫黄含有化合物を使用することは触媒としてのメタ
ロセン化合物の使用に際しては極めて例外的な使用方法
である。即ち、一般には硫黄含有化合物は、触媒として
のメタロセン化合物に対しては触媒毒となる化合物であ
り、従って、硫黄化合物を、メタロセン化合物を触媒と
する反応系に添加されることは好ましくないとされてい
る。
【0012】
【発明の目的】本発明は、分子の少なくとも1つの末端
にイソシアネート基に対して活性を示す水酸基が導入さ
れたアクリル系重合体、及び、このアクリル系重合体の
末端に存在する水酸基に対して反応性の高いイソシアネ
ート基を複数個有する化合物とからなり、好適には有機
錫系触媒の存在下に架橋構造を形成して硬化させること
が可能な硬化性組成物を提供することを目的としてい
る。
【0013】また、本発明は、上記アクリル系重合体の
分子末端に存在する水酸基とイソシアネート化合物とが
結合して、水分を吸収して硬化可能な1液型の硬化組成
物を提供することを目的としている。
【0014】さらに、本発明は上記の硬化性組成物及び
/又は硬化組成物が完全硬化した硬化体を提供すること
を目的としている。さらにまた、本発明は、こうしたア
クリル系重合体、硬化性組成物あるいは硬化組成物の用
途、特に、耐水性、耐光性、柔軟性等の特性を要求され
る用途を提供することを目的としている。
【0015】
【発明の概要】本発明のアクリル系重合体[A]は、次
式[I]で表されるメタロセン化合物及び、分子内に少
なくとも1つの水酸基を有するチオール類の存在下に、
(メタ)アクリロイル基を有するアクリル系単量体を重
合してなり、少なくとも1つの末端に該チオール類のメ
ルカプト基から水素原子が脱離した残基が結合している
ことを特徴としている。
【化4】 但し、上記式[I]において、Mは、周期律表4A属、
4B属、5A属、5B属の金属、クロム、ルテニウム及
びパラジウムよりなる群から選ばれる金属であり、R1
およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有することも
ある脂肪族炭化水素基、置換基を有することもある脂環
式炭化水素基、置換基を有することもある芳香族炭化水
素基および置換基を有することもあるケイ素含有基より
なる群から選ばれる少なくとも一種の基、若しくは、水
素原子または単結合のいずれかであり、さらに、R1お
よびR2が共同して上記式[I]で表される化合物中の
2個の5員環を結合していてもよく、また、複数の隣接
するR1またはR2は、共同して環状構造を形成してい
てもよく、aおよびbは、それぞれ独立に、1〜5の整
数であり、Xは水素原子の少なくとも一部がハロゲン原
子で置換されていることもある炭化水素基またはハロゲ
ン原子であり、nは0または金属Mの価数−2の整数で
ある。
【0016】本発明のアクリル系硬化性組成物は、前記
アクリル系重合体[A]と、分子内に2個以上のイソシ
アネート基を有する化合物[B]を含有することを特徴
としている。
【0017】本発明のアクリル系硬化組成物は、前記ア
クリル系重合体[A]の水酸基の少なくとも一部が、前
記イソシアネート化合物[B]のイソシアネート基の少
なくとも一部と結合して、−NH−COO−基が形成し
ている。
【0018】本発明のアクリル系硬化体は、前記のアク
リル系硬化性組成物、及び/又は、前記のアクリル系硬
化組成物を、水の存在下または不存在下に分子間縮合反
応によって、架橋構造を形成させることを特徴としてい
る。
【0019】本発明の塗料、接着剤又は粘着剤は、前記
のアクリル系重合体、アクリル系硬化性組成物、アクリ
ル系硬化組成物及び/又はアクリル系硬化体を主成分と
して含有することを特徴としている。
【0020】
【発明の具体的説明】本発明のアクリル系重合体、アク
リル系硬化性組成物、アクリル系硬化組成物及びアクリ
ル系硬化体並びにこれらの用途について具体的に説明す
る。なお、本発明において、「重合体」なる語は、特に
限定しない限り、単独重合体および共重合体のいずれを
も包含するものとする。
【0021】本発明のアクリル系硬化性組成物及びアク
リル系硬化組成物に用いるアクリル系重合体[A]は、
触媒として、次式[I]で表されるメタロセン化合物及
び分子内に少なくとも1つの水酸基を有するチオール類
を使用し、この触媒の存在下に、重合性不飽和結合を有
するアクリル系単量体を重合して得られる重合体であ
る。そして、このアクリル系重合体[A]には、少なく
とも1つの末端に触媒として使用した水酸基を有するチ
オール類のメルカプト基から水素原子が脱離した残基が
結合している。
【0022】本発明で重合触媒として使用される有機金
属化合物は、次式[I]で表すことができる。
【化5】 但し、上記式[I]において、Mは、周期律表4A属、
4B属、5A属、5B属の金属、クロム、ルテニウム及
びパラジウムよりなる群から選ばれる金属である。具体
的にはMは、チタン、ジルコニウム、クロム、ルテニウ
ム、バナジウム、パラジウム、錫などである。また、式
[I]において、R1およびR2は、それぞれ独立に、
置換基を有することもある脂肪族炭化水素基、置換基を
有することもある脂環式炭化水素基、置換基を有するこ
ともある芳香族炭化水素基、および置換基を有すること
もあるケイ素含有基よりなる群から選ばれる少なくとも
一種の基、水素原子または単結合のいずれかである。さ
らに、R1およびR2が共同して該2個の5員環を結合
していてもよく、また、複数の隣接するR1またはR2
は、共同して環状構造を形成していてもよい。また、式
(1)において、aおよびbは、それぞれ独立に、1〜
5の整数であり、Xは塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲ
ン原子または水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子
で置換されていることもある炭化水素基であり、nは0
または金属Mの価数−2の整数である。
【0023】このような有機金属化合物の例としては、
ジシクロペンタジエン-Ti-ジクロライド、ジシクロペ
ンタジエン-Ti-ビスフェニル、ジシクロペンタジエン
-Ti-ビス-2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニ-1-イル、
ジシクロペンタジエン-Ti-ビス-2,3,5,6-テトラフル
オロフェニ-1-イル、ジシクロペンタジエン-Ti-ビス-
2,5,6-トリフルオロフェニ-1-イル、ジシクロペンタジ
エン-Ti-ビス-2,6-ジフルオロフェニ-1-イル、ジシク
ロペンタジエン-Ti-ビス-2,4-ジフルオロフェニ-1-イ
ル、ジメチルシクロペンタジエニル-Ti-ビス-2,3,4,
5,6-ペンタフルオロフェニ-1-イル、ジメチルシクロペ
ンタジエニル-Ti-ビス-2,3,5,6-テトラフルオロフェ
ニ-1-イル、ジメチルシクロペンタジエニル-Ti-ビス-
2,6-ジフルオロフェニ-1-イル、ジメチルシクロペンタ
ジエニル-Ti-ビス-2,6-ジフルオロ-3-(ピル-1-イ
ル)-フェニ-1-イルのようなチタノセン化合物;ジシク
ロペンタジエニル-Zr-ジクロライド、ジシクロペンタ
ジエン-Zr-ビスフェニル、ジシクロペンタジエン-Z
r-ビス-2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニ-1-イル、ジ
シクロペンタジエン-Zr-ビス-2,3,5,6-テトラフルオ
ロフェニ-1-イル、ジシクロペンタジエン-Zr-ビス-2,
5,6-トリフルオロフェニ-1-イル、ジシクロペンタジエ
ン-Zr-ビス-2,6-ジフルオロフェニ-1-イル、ジシクロ
ペンタジエン-Zr-ビス-2,4-ジフルオロフェニ-1-イ
ル、ジメチルシクロペンタジエニル-Zr-ビス-2,3,4,
5,6-ペンタフルオロフェニ-1-イル、ジメチルシクロペ
ンタジエニル-Zr-ビス-2,3,5,6-テトラフルオロフェ
ニ-1-イル、ジメチルシクロペンタジエニル-Zr-ビス-
2,6-ジフルオロフェニ-1-イル、ジメチルシクロペンタ
ジエニル-Zr-ビス-2,6-ジフルオロ-3-(ピル-1-イ
ル)-フェニ-1-イル)のようなジルコノセン化合物;ジ
シクロペンタジエニル-V-クロライド、ビスメチルシク
ロペンタジエニル-V-クロライド、ビスペンタメチルシ
クロペンタジエニル-V-クロライド、ジシクロペンタジ
エニル-Ru-クロライド、ジシクロペンタジエニル-C
r-クロライドなどを挙げることができる。これらの有
機金属化合物は単独であるいは組み合わせて使用するこ
とができる。
【0024】この有機金属化合物は、通常の触媒量で使
用することができ、具体的には、重合させようとする重
合性不飽和化合物100重量部に対して、通常は1〜
0.001重量部、好ましくは0.01〜0.005重
量部の量で使用される。
【0025】また、本発明で上記有機金属と共に使用さ
れるチオール類は、分子内に少なくとも1つの水酸基を
有するチオール類であり、具体的には、2-メルカプトエ
タノール、3-メルカプトプロパノール、4-メルカプトブ
タノール等の1級水酸基を1つ有するチオール;1-メル
カプト-2-ブタノール、2-メルカプト-3-ブタノール等の
2級水酸基を1つ有するチオール;1-メルカプト-2,3-
プロパンジオール、1-メルカプト-2,3-ブタンジオー
ル、2-メルカプト-3,4-ブタンジオール、1-メルカプト-
3,4,4'-ブタントリオール、2-メルカプト-3,4,4'-ブタ
ントリオール等1級水酸基と2級水酸基を有するチオー
ル;2-メルカプト-1-ナフトール、1-メルカプト-2-ナフ
トール、p-メルカプトフェノール、m-メルカプトフェ
ノール、8-メルカプトヒポキサンチン等の芳香族チオー
ル;等が挙げられる。
【0026】このような水酸基を有するチオール類は、
反応に際して主として有機金属化合物によって水素原子
が引き抜かれて、・S−Y(Yはチオール類のメルカプ
ト基を除く有機基)ラジカルが生じ、このラジカルが形
成されるポリマーの少なくとも1つの末端に導入される
ものと考えられる。そして、このようにしてポリマーの
末端に導入された水酸基は、この反応によって活性を失
うことなく、導入された水酸基の有する活性がそのまま
保持される。
【0027】このような水酸基を有するチオール類のメ
ルカプト基から水素原子が脱離することにより、・S−
Y(Yはチオール類のメルカプト基を除く有機基)が生
じ、このラジカルが重合性不飽和結合を有するアクリル
系単量体に結合して活性化することにより重合が開始す
る。そして、本発明で使用される有機金属化合物は、こ
の水酸基を有するチオール類のメルカプト基から水素原
子を引き抜き、水酸基を有するチオール類を活性化する
ために使用される。従って、水酸基を有するチオール類
を単独で使用したのでは、重合率が著しく低い。そし
て、有機金属化合物は、上述のように主として水酸基を
有するチオール類を活性化するために使用され、通常
は、用いたのと同一の構造の有機金属化合物、即ち、前
記式[I]で表される化合物として存在するが、その一
部は、水酸基を有するチオール類、重合性不飽和化合物
およびこれらの誘導体と結合していることもあり、ま
た、反応の進行と共に、この有機金属化合物が分解して
金属が反応系に含有されることもある。
【0028】上記水酸基を有するチオール類の使用量は
得ようとする重合体の特性を考慮して適宜設定すること
ができる。即ち、反応系における水酸基を有するチオー
ル濃度が増大すると単位時間あたりの重合率が高くな
り、また、到達重合率も高くなる。この際、有機金属化
合物の量が多くなると単位時間あたりの重合率が高くな
るが、到達重合率には大きな影響を及ぼさない。また、
有機金属化合物の使用量は、得られる重合体の分子量に
対してほとんど影響を与えないが、この有機金属化合物
を使用しないと、反応は有効には進行しない。さらに、
チオール類の使用量を多くすると重合速度が高くなる。
こうした傾向から、本発明の触媒において、有機金属化
合物が反応全体において活性化触媒的に作用し、チオー
ル類は、重合開始作用がある(重合開始種的に作用す
る)と考えられる。このように本発明の触媒において、
水酸基を有するチオール類の使用量は、分子量、重合率
の律速となっていると考えられる。
【0029】従って、水酸基を有するチオール類の使用
量は、得ようとする重合体の分子量、重合速度等を考慮
して適宜設定することができるが、反応を円滑に進め、
かつ反応を暴走させないためには、有機金属化合物と水
酸基を有するチオール類とは通常は100:1〜1:5
0,000の範囲内のモル比、好ましくは10:1〜
1:10,000のモル比で使用される。なお、この水
酸基を有するチオール類は、反応開始時に全量添加する
こともできるし、水酸基を有するチオール類を最初に加
えて、所望の時間反応させた後、さらに水酸基を有する
チオール類を追加添加することもできるし、水酸基を有
するチオール類と重合性不飽和化合物の両者を追加添加
することもできる。このように水酸基を有するチオール
類の追加添加、あるいは、水酸基を有するチオール類と
重合性不飽和化合物との追加添加により、重合率が向上
する。
【0030】本発明のアクリル系重合体は、前記特定の
式[I]で表される有機金属化合物と前記特定のチオー
ル類とを用いて重合性不飽和結合を有するアクリル系単
量体を重合反応させることにより得られるものである
が、この特定のチオール類に加えて、本発明では、さら
に、エチルメルカプタン、ブチルメルカプタン、ヘキシ
ルメルカプタン、フェニルメルカプタン、β-メルカプ
トプロピオン酸などの水酸基を有さないチオールを併用
することも可能である。
【0031】さらに、本発明では、重合開始触媒として
の前記有機金属化合物および前記水酸基を有するチオー
ル類以外に、重合速度や重合度を調整することを目的と
して、ジスルフィド化合物、トリスルフィド化合物、テ
トラスルフィド化合物を使用することができる。このよ
うなスルフィド化合物は、本発明の重合において、重合
を失活させない程度に使用することができ、具体的に
は、重合させようとする重合性不飽和化合物100重量
部に対して、通常は50〜0重量部、好ましくは20〜
0.005重量部の量で使用される。
【0032】本発明のアクリル系重合体[A]を形成す
る主鎖は、以下に記載するような重合性不飽和結合を有
するアクリル系単量体を重合させることにより形成され
る。このようなアクリル系単量体の例としては、(メ
タ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸アルカリ金属
塩などの塩;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)
アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メ
タ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸-2-エチ
ルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)ア
クリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)
アクリル酸ドデシルのような(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)ア
クリル酸ベンジルのような(メタ)アクリル酸アリール
エステル;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メ
タ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸プ
ロポキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、
(メタ)アクリル酸エトキシプロピルのような(メタ)
アクリル酸アルコキシアルキル;エチレングリコールの
ジ(メタ)アクリル酸エステル、ジエチレングリコール
のジ(メタ)アクリル酸エステル、トリエチレングリコ
ールのジ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレング
リコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、プロピレン
グリコールのジ(メタ)アクリル酸エスエル、ジプロピ
レングリコールのジ(メタ)アクリル酸エスエル、トリ
プロピレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル
のような(ポリ)アルキレングリコールのジ(メタ)ア
クリル酸エステル;トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリル酸エステルのような多価(メタ)アクリル
酸エステル;アクリロニトリル;メタクリロニトリル;
酢酸ビニル;塩化ビニリデン;(メタ)アクリル酸-2-
クロロエチル、メタクリル酸-2-クロロエチルのような
ハロゲン化ビニル化合物;(メタ)アクリル酸シクロヘ
キシルのような脂環式アルコールの(メタ)アクリル酸
エステル;(メタ)アクリロイルアジリジン、(メタ)
アクリル酸-2-アジリジニルエチルのようなアジリジン
基含有重合性化合物;(メタ)アクリル酸グリシジルエ
ーテル、(メタ)アクリル酸グリシジルエーテル、(メ
タ)アクリル酸-2-エチルグリシジルエーテルのような
エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル誘導体;
(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸-2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸
とポリプロピレングリコールまたはポリエチレングリコ
ールとのモノエステル、ラクトン類と(メタ)アクリル
酸-2-ヒドロキシエチルとの付加物のようなヒドロキシ
ル基含有(メタ)アクリル酸エステル誘導体;(メタ)
アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N-メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-ブ
トキシメチル(メタ)アクリルアミドのようなアミド基
含有(メタ)アクリル酸エステル誘導体;フッ素置換
(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の含フッ素ビニ
ル単量体;等の(メタ)アクリロイル基を有する単量体
が挙げられる。
【0033】本発明のアクリル系重合体[A]は、前記
アクリル系単量体以外のビニル系単量体を共重合させて
も良い。アクリル系単量体以外のビニル系単量体として
は、(メタ)アクリル酸を除く、イタコン酸、クロトン
酸、マレイン酸、フマル酸のような不飽和カルボン酸、
これらの塩並びにこれらの(部分)エステル化合物およ
び酸無水物;2-クロルエチルビニルエーテル、モノクロ
ロ酢酸ビニルのような反応性ハロゲン含有ビニル単量
体;エチルデンノルボルネン、イソプレン、ペンタジエ
ン、ビニルシクロヘキセン、クロロプレン、ブタジエ
ン、メチルブタジエン、シクロブタジエン、メチルブタ
ジエンのようなジエン化合物;2-ビニル-2-オキサゾリ
ン、2-ビニル-5-メチル-2-オキサゾリン、2-イソプロペ
ニル-2-オキサゾリンのようなオキサゾリン基含有重合
性化合物;アリルグリシジルエーテルのようなアリル基
含有単量体;ビニル基を重合したモノマー末端にラジカ
ル重合性ビニル基を有するマクロモノマー類等(例え
ば、フッ素系モノマー、シリコン含有モノマー、マクロ
モノマー、スチレン、シリコン等);並びに酢酸ビニ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリロニ
トリル、を例示することができる。
【0034】本発明のアクリル系重合体[A]は、前記
有機金属化合物と前記水酸基を有するチオール類とから
なる重合用触媒の存在下に、前記アクリル系単量体及び
/又はアクリル系単量体以外のビニル系単量体を、各種
重合法によって得られる重合体であり、少なくとも1つ
の分子末端に水酸基を有するチオール類のメルカプト基
から水素原子が脱離した−S−R−OH基が結合してい
る。
【0035】本発明のアクリル系重合体は、前記アクリ
ル系単量体を主成分として重合させることにより、主鎖
中に次式[II]で表される繰り返し単位が形成される。
【化6】 但し、上記式[II]において、R3は水素原子またはメ
チル基を表し、R4は、水素原子、アルカリ金属原子、
炭素数1〜22の炭化水素基(該炭化水素基は直鎖状で
あっても側鎖を有していてもよく、また、該炭化水素基
あるいは該炭化水素基の側鎖を形成する基中の水素原子
の少なくとも一部が、塩素原子、フッ素原子、1級のア
ミノ基、2級のアミノ基、3級のアミノ基、4級のアミ
ン塩類基、アミド基、イソシアネート基、アルキレンオ
キサイド基、ヒドロキシシリル基、メトキシシリル基、
エトキシシリル基、プロポキシシリル基、クロロシリル
基、ブロモシリル基およびグリシジル基よりなる群から
選ばれる少なくとも一種類の極性基、または、反応性官
能基で置換されていてもよく、また該炭化水素基は二重
結合を有していてもよく、さらに該炭化水素基は、環状
構造を有していてもよい)である。即ち、このR4の例
としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルコキシ
基、アルキルエーテル基を挙げることができる。この基
R4を構成する水素原子の少なくとも一部は、ハロゲン
原子、スルホン酸基、グリシジル基等で置換されていて
もよい。
【0036】本発明のアクリル系重合体は、前記有機金
属化合物と前記水酸基を有するチオール類の存在下に、
前記アクリル系重合体を主成分とする単量体を(共)重
合させることにより得られる。その重合反応は、溶媒、
分散媒の有無に拘わらず反応を行うことができるが、非
水系の重合、特に塊状重合で行うことが好ましい。この
重合反応は、通常は、不活性ガス雰囲気中で行われ、通
常のラジカル重合法で行われる条件を使用することがで
きる。従って、この重合反応系には、酸素のような活性
ガスは存在しない。ここで使用される不活性ガスとして
は、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスおよび炭酸
ガス等を挙げることができる。
【0037】この重合において、前記の式[I]で表さ
れる有機金属化合物と前記分子内に少なくとも1つの水
酸基を有するチオール類とからなる重合用触媒は、通常
の触媒量で使用することができるが、上記重合性不飽和
結合を有するアクリル系単量体の不飽和基1モルに対
し、式[I]で表される有機金属化合物は通常は0.0
000001〜0.0001モル、好ましくは、水酸基
を有するチオール類のモル数に合わせ、有機金属化合物
と水酸基を有するチオール類とのモル比が10:1〜
1:10,000になるように使用する。水酸基を有す
るチオール類は、上記アクリル系重合体の不飽和基1モ
ルに対して、通常は0.00001〜0.7モル、好ま
しくは0.0001〜0.5モルの範囲内で使用され
る。
【0038】こうした重合反応は、重合性不飽和化合物
の種類によって、加熱あるいは加温下に行うこともでき
るし、冷却しながら行うこともできるが、この重合反応
温度は0〜150℃の範囲内に設定することが好まし
く、さらに25〜120℃の範囲内に設定することが特
に好ましい。重合反応温度を上記範囲内に設定すること
により、反応を暴走させることなく安定に進行させるこ
とができる。使用する重合性不飽和化合物の不飽和基の
活性にもよるが、比較的重合性の高いアクリル酸エステ
ル系の単量体を用いた場合でも、反応温度を0℃以下と
した場合、式[I]で表される有機金属化合物および水
酸基を有するチオール類の触媒としての活性が低くな
り、充分な重合率を達成するために必要とする時間が長
くなり、効率が悪い。さらに、スチレンのように重合活
性が低い化合物を相当量用いた場合でも、25℃以上の
条件であれば、充分な重合率を達成することができる。
【0039】また、反応温度を150℃以上とした場合
は重合反応中に著しい発熱による反応系の温度上昇を引
き起こす危険性が生ずる。重合温度を120℃以下と設
定することにより反応温度を制御し、反応の円滑な進行
を維持することができる。
【0040】本発明の重合において、反応時間は、重合
率、分子量等を考慮して適宜設定することができるが、
例えば上記のような条件では反応時間は、通常は2〜1
2時間、好ましくは2〜8時間の範囲内に設定すること
が好ましい。
【0041】この重合反応は、反応物の温度を下げ、さ
らに好ましくはベンゾキノンなどの重合反応停止剤を添
加することにより停止させることができる。上記のよう
に重合を行うことにより、通常は40%以上、好ましく
は60%以上の重合率の重合体が得られる。
【0042】また、得られた重合体について、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定
した重量平均分子量(Mw)は、通常は500〜1,0
00,000、好ましくは500〜200,000の範
囲内にあり、数平均分子量(Mn)は、通常は500〜
1,000,000、好ましくは500〜100,00
0の範囲内にある。さらに、分散指数(=重量平均分子
量/数平均分子量)は、通常は1.02〜9.0、好ま
しくは1.2〜3.0の範囲内にある。上記のような平
均分子量を有する重合体は、常温で流動性を有してお
り、取り扱い上好ましい。
【0043】また、本発明のアクリル系重合体[A]に
ついて測定したガラス転移温度(Tg)は、通常は−9
0〜180℃、好ましくは−70〜20℃の範囲内にあ
る。このようにガラス転移温度が低い樹脂は、分子量が
高くても充分な常温流動性を有しているものが多い。
【0044】本発明のアクリル系重合体中には、特に脱
灰工程を設けない場合には、有機金属化合物が混在して
いる。また、得られる重合体の分子の末端の少なくとも
一部には、用いたチオール類から誘導される硫黄含有基
が結合している。即ち、上記のような触媒を用いた重合
では、重合開始種として、水酸基を有するチオール類を
用いているが、通常これら水酸基を有するチオール類は
単独では重合開始種としての活性を有さないか極めて低
い。しかし、式[I]で表される有機金属化合物を用い
た場合、水酸基を有するチオール化合物から誘導され得
る水酸基を有するメルカプト基が、有機金属触媒により
重合開始可能な活性種となり、モノマーに対し開始種と
なり得る。この為、この反応においてモノマー量に対す
る水酸基を有するチオール類の量が増大することによ
り、単位時間当たりの重合率は向上する。そして、得ら
れる重合体の重合開始末端には、用いた水酸基を有する
チオール類から誘導される硫黄含有基が結合することと
なる。但し、ここで用いた水酸基を有するチオール類
は、重合開始種として作用する以外に、連鎖移動剤とし
ても作用しており、水酸基を有するチオール類の量によ
り、分子量(重合度)および重合率が大きく左右され
る。これらの現象から推察するに、本反応での重合の進
行および、停止は、ラジカル重合であると推察できる。
また、連鎖移動により水素引き抜きをされた水酸基を有
するチオール類の有するチオラジカル(・S)は、再
び、重合開始種として、モノマーを攻撃する。この為、
本重合法にて得られるポリマーは、水酸基を有するチオ
ール類の使用量に拘わらず、生成した重合体の末端に、
用いた水酸基を有するチオール類から誘導される硫黄含
有基が結合することとなる。
【0045】この重合反応系は、アルコールなどの極性
有機溶媒や、水などの分散媒中においても、溶液重合や
塊状重合で行った場合と同様に重合ができることから、
重合における反応はラジカル反応が支配的と考えられ
る。その為、得られる重合体の反応停止末端は、水酸基
を有するチオール類による連鎖移動による水素、また
は、ラジカル化したチオラジカルを有すチオール類およ
び成長ポリマーラジカルとのラジカルカップリングによ
る水酸基を有するチオール類から誘導される硫黄含有基
であると考えられる。
【0046】得られる重合体中には、有機金属化合物
が、そのままの形で、あるいは他の有機基と結合して、
さらには金属として残留する。また、水酸基を有するチ
オール類は、直接重合体の生成反応に寄与し、自らが分
解しながら反応が進行することから、水酸基を有するチ
オール類から誘導される末端基が、重合体末端に導入さ
れる。このように末端に結合している水酸基を有するチ
オール類から誘導される基中の水酸基の活性は上記重合
によって損なわれることはなく、調製された重合体にお
いてもその活性は保持される。
【0047】前記の推定および反応進行は、本発明の反
応における種々の現象から本発明者が最も合理的に推定
できると考えているものであり、本発明がこれによって
限定されるものではないことは勿論である。
【0048】本発明のアクリル系重合体[A]の末端に
導入されたチオール類から水素原子が脱離した残基中の
水酸基は、イソシアネート基と良好な反応性を有する。
【0049】本発明のアクリル系硬化性組成物は、前記
式[I]で表されるメタロセン化合物および分子内に少
なくとも1つの水酸基を有するチオール類の存在下に、
重合性不飽和結合を有するアクリル系単量体を重合させ
た重合体であって、少なくとも1つの末端にチオール類
から水素原子が脱離した残基中の水酸基が結合している
アクリル系重合体[A]と、分子内に2個以上のイソシ
アネート基を有する化合物[B]とを含むことを特徴と
している。
【0050】ここで使用される分子内に2個以上のイソ
シアネート基を有する化合物[B]は、具体的にはポリ
イソシアネート化合物であり、このようなポリイソシア
ネート化合物の例としては、トルエンジイソシアネート
(TDI)、クロルフェニレンジイソシアナート、トリ
レンジイソシアナート、ジイソシアニルジフェニルメタ
ン、ヘキサメチレンジイソシアナート、テトラメチレン
ジイソシアナート、イソホロンジイソシアネート、水添
されたジフェニルメタンジイソシアネートなどのイソシ
アネートモノマー及びこれらイソシアネートモノマーを
トリメチロールプロパンなどと付加したイソシアネート
化合物やイソシアヌレート化物、ビュレット型化合物、
さらには公知のポリエーテルポリオールやポリエステル
ポリオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリ
オール、ポリイソプレンポリオールなど付加反応させた
ウレタンプレポリマー型のイソシアネート等を挙げるこ
とができる。特に本発明では、このポリイソシアネート
化合物として、イソシアネート基を2〜3個有する化合
物を使用することが好ましい。
【0051】このポリイソシアネート化合物は、本発明
のアクリル系重合体[A]中に存在する水酸基100モ
ルに対して、イソシアネート基が通常は10〜400モ
ル、好ましくは50〜300モルとなるような量で使用
される。このようにアクリル系共重合体[A]中に存在
する水酸基の量よりもイソシアネート基の量が多少多く
なるようにポリイソシアネート化合物を用いることによ
り、例えば空気中の水分等と反応するイソシアネート基
があったとしても、アクリル系共重合体[A]中のすべ
ての水酸基は、イソシアネート基と結合することがで
き、得られる硬化体にタックなどが生ずることがない。
【0052】本発明の硬化性組成物は、上記のようにア
クリル系重合体[A]と分子内に2個以上のイソシアネ
ート基を有する化合物[B]であるポリイソシアネート
化合物からなり、アクリル系重合体[A]に導入された
水酸基と、イソシアネート基とが反応して、主としてア
クリル系重合体[A]の分子間に架橋構造を形成するこ
とにより硬化するという特性を有する。
【0053】このような水酸基とイソシアネート基との
反応は、触媒が存在しなくとも進行することから、本発
明の硬化性組成物では、アクリル系重合体[A]とイソ
シアネート化合物[B]とは、通常は、移送、保存等の
際には接触しないように個別に包装され、使用前に混合
して使用される。
【0054】本発明の硬化性組成物は、アクリル系重合
体[A]とイソシアネート化合物[B]とを混合するこ
とにより、水酸基とイソシアネート基との反応が進行す
るので、特に硬化触媒を用いることは必要ではないが、
より確実にかつ迅速にアクリル系重合体[A]とイソシ
アネート化合物[B]とを反応させるために、硬化触媒
を使用することが好ましい。
【0055】ここで使用される硬化触媒の例としては、
ジブチルラウリン酸錫のような有機錫化合物やテトラブ
トキシチタン等のアルコキシチタン化合物、トリアセト
アセチルアルミ等の金属キレート化物、トリエチルアミ
ン等のアミン化合物を挙げることができる。このような
硬化触媒は、硬化時間の調整や触媒の活性度に合わせ適
宜調整できる。またこのような硬化触媒は、アクリル系
重合体[A]に配合することもできるし、イソシアネー
ト化合物[B]に配合することもできるし、また、アク
リル系重合体[A]およびイソシアネート化合物[B]
とは別に包装して使用前にアクリル系重合体[A]とイ
ソシアネート化合物[B]とを混合する際に同時に混合
してもよい。
【0056】本発明のアクリル系硬化組成物は、前記ア
クリル系重合体[A]と、イソシアネート化合物[B]
が反応して得られる組成物であり、アクリル系重合体
[A]の水酸基の少なくとも一部が、イソシアネート化
合物[B]のイソシアネート基の少なくとも一部と結合
して、−NH−COO−基が形成していることを特徴と
したイソシアネート変性アクリル系重合体を含有してい
る。
【0057】このイソシアネート変性アクリル系重合体
は、目的とする重合体の変性度合いに合わせ、原料とな
るアクリル系重合体[A]およびイソシアネート化合物
[B]を同時に仕込み、反応させることによって得られ
る。すなわち、イソシアネート化合物[B]のイソシア
ネート基モル数に比べ、アクリル系重合体[A]の水酸
基モル数が、充分多い場合、イソシアネート化合物によ
り分子鎖延長された水酸基を有する重合体が得られる。
また、逆にイソシアネート化合物[B]のイソシアネー
ト基モル数が、アクリル系重合体[A]の水酸基モル数
と同量又は多い場合、イソシアネート基を有する重合
体、もしくは水酸基とNCO基を有する重合体が得られ
る。但し、このような場合は、変性の反応中に、ゲル化
を起こす恐れがあるため、これらの反応において、好適
には、過剰のイソシアネート化合物中に前記アクリル系
重合体[A]を少量ずつ加えて、アクリル系重合体
[A]中の1つの水酸基にポリイソシアネート化合物を
1分子の割合で結合させ、反応を完結させるか、若しく
はこの反応によりできた反応基としてイソシアネート基
のみを有する重合体に、さらにアクリル系重合体[A]
を添加して製造することができる。
【0058】ここで使用されるポリイソシアネート化合
物は、前記のアクリル系硬化性組成物において、アクリ
ル系重合体[A]と共に用いられる分子内に2個以上の
イソシアネート基を有する化合物[B]と同一である。
【0059】このポリイソシアネート化合物を、イソシ
アネート基と反応性を有しない有機溶媒に溶解し、この
ポリイソシアネート化合物の有機溶媒溶液に、前記のア
クリル系重合体[A]を少量ずつ添加して、アクリル系
重合体[A]中の水酸基にポリイソシアネート基を結合
させることによりイソシアネート変性アクリル系重合体
が生成する。
【0060】ここでイソシアネート基と反応性を有しな
い有機溶媒としては、キシレン、トルエン、ベンゼンの
芳香族炭化水素、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタ
ン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸ブチル等を
挙げることができる。また、用いるアクリル系重合体
[A]が低粘度であれば溶剤を用いなくてもよい。
【0061】この反応は、不活性ガス中で加熱しながら
行うことが好ましい。反応温度は、通常は20〜90
℃、好ましくは40〜70℃である。この反応では、ポ
リイソシアネート化合物は、アクリル系重合体[A]に
対して過剰に用いられる。通常はアクリル系重合体
[A]中の水酸基1モルに対して、通常は1.9〜5モ
ル、好ましくは2.2〜3モルになるようにポリイソシ
アネート化合物を使用する。このように過剰のポリイソ
シアネート化合物を用い、しかもこの反応を有機溶媒中
で行うことにより、1分子のポリイソシアネート化合物
に複数個のアクリル系重合体[A]が結合する確率が著
しく低くなり、従って、この反応で生成したイソシアネ
ート変性アクリル系重合体がゲル化することはない。そ
して、複数のイソシアネート基を有するポリイソシアネ
ート化合物を用いることにより、生成したイソシアネー
ト変性アクリル系重合体には活性なイソシアネート基が
導入される。
【0062】上記反応の際には、触媒を使用することが
好ましい。ここで使用される触媒は、前述したアクリル
系硬化性組成物に配合することができる硬化触媒と同一
の化合物であり、具体的には、ジブチルラウリン酸錫の
ような有機錫化合物やテトラブトキシチタン等のアルコ
キシチタン化合物、トリアセトアセチルアルミ等の金属
キレート化物、トリエチルアミン等のアミン化合物を挙
げることができる。このような硬化触媒は、通常は反応
時間や発熱制御の調整や触媒の活性度に合わせ適宜調整
できる。
【0063】前記のようにして生成したイソシアネート
変性アクリル系重合体は、有機溶媒溶液として得られ、
この有機溶媒中には、未反応のポリイソシアネート化合
物が残存している。こうした有機溶剤および未反応のポ
リイソシアネート化合物を減圧蒸留して除去することに
よりイソシアネート変性アクリル系重合体を得ることが
できる。
【0064】上記のようなイソシアネート変性アクリル
系重合体を含有する本発明のアクリル系硬化組成物につ
いて、例えばフーリエ変換赤外線スペクトル(FTI
R)を測定すると、原料として滴下したアクリル系重合
体[A]の水酸基に起因する吸収ピークが、反応の進行
と共に消失し、この水酸基とポリイソシアネート化合物
とが反応していることが確認できる。
【0065】こうして生成したイソシアネート変性アク
リル系重合体についてアミン価を測定し、このアミン価
から求めた−NCO量は、通常は0〜30%、好ましく
は0〜20%である。
【0066】なお、前記のようにしたイソシアネート変
性アクリル系重合体を製造することにより、ほとんど全
部の水酸基がイソシアネート基と反応するが、本発明の
硬化組成物では、イソシアネート基と反応しない水酸基
が残留した重合体を含んでいてもよい。即ち、このイソ
シアネート変性アクリル系重合体は、通常の場合水酸基
価はほぼ0であるが、この水酸基価が10以下であれ
ば、本発明の硬化組成物として使用することができる。
【0067】こうして得られる本発明のイソシアネート
変性アクリル系重合体は、前述のアクリル系重合体
[A](原料物質)よりも高い粘度を有するが、通常は
常温で液体であり、このイソシアネート変性アクリル系
重合体についてゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)を用いて測定した数平均分子量は、通常は
500〜200,000、好ましくは1,000〜10
0,000の範囲内にあり、重量平均分子量は通常は
1,000〜300,000、好ましくは2,000〜
200,000の範囲内にある。また、分散指数は通常
は1.02〜9、好ましくは1.2〜3の範囲内にあ
る。上記のような平均分子量を有する重合体は、常温で
流動性を有している。
【0068】上記のようにして得られたアクリル系硬化
組成物には、活性なイソシアネート基が存在することか
ら、水分を吸収して自己縮合硬化する。従って、このア
クリル系硬化組成物は、例えば1液型硬化性組成物とし
て使用することができる。なお、本発明のアクリル系硬
化組成物には、前記のアクリル系硬化性組成物に配合す
ることができる硬化触媒を配合することもできる。
【0069】本発明のアクリル系硬化体は、前記のアク
リル系硬化性組成物及び/又は前記のアクリル系硬化組
成物を用いて、分子間縮合反応によって架橋構造を形成
することにより生成する硬化体である。即ち、本発明の
硬化体は、前記式[I]で表されるメタロセン化合物及
び分子内に少なくとも1つの水酸基を有するチオール類
の存在下に、(メタ)アクリロイル基を有するアクリル
系単量体を重合してなり、少なくとも1つの末端に該チ
オール類のメルカプト基から水素原子が脱離した残基が
結合しているアクリル系重合体[A]と、分子内に2個
以上のイソシアネート基を有する化合物[B]とを配合
したアクリル系硬化性組成物及び/又は前記式(1)で
表されるメタロセン化合物及び分子内に少なくとも1つ
の水酸基を有するチオール類の存在下に、(メタ)アク
リロイル基を有するアクリル系単量体を重合してなり、
少なくとも1つの末端に該チオール類のメルカプト基か
ら水素原子が脱離した残基が結合しているアクリル系重
合体[A]の水酸基の少なくとも一部が、分子内に2個
以上のイソシアネート基を有する化合物[B]のイソシ
アネート基の少なくとも一部と結合して、−NH−CO
O−基が形成しているアクリル系硬化組成物を用いて、
水分の存在下又は不存在下に分子間縮合反応によって少
なくともアクリル系硬化性組成物及び/又はアクリル系
硬化組成物中に架橋構造を形成してなることを特徴とし
ている。
【0070】このアクリル系硬化体が、前記アクリル系
重合体[A]と、分子内に2個以上のイソシアネート基
を有する化合物[B]とを含有する硬化性組成物から形
成される場合、アクリル系重合体[A]とイソシアネー
ト化合物[B]とは、水が存在しなくとも反応硬化する
ことから、硬化反応のために特に水を加える必要はない
が、水が存在すれば、イソシアネート化合物[B]が独
自に水を吸収して硬化する反応が共に進行する。
【0071】また、前記アクリル系硬化組成物を単独で
使用して硬化させる場合には、前記イソシアネート変性
アクリル系重合体が水を吸収して自己縮合硬化すること
から、硬化のためには水が存在することが必要になる。
ただし、この水を硬化反応系に直接添加しなくとも、例
えば空気中、基材中などから水分を吸収して硬化反応は
進行する。
【0072】アクリル系硬化性組成物と、イソシアネー
ト変性アクリル系重合体を含有するアクリル系硬化組成
物とを併用する場合には、硬化のために特に水を加える
必要はないが、水を添加して、イソシアネート基と水と
の反応による硬化反応を併走させることもできる。
【0073】また、本発明のアクリル系硬化体を調製す
るに際して、前記アクリル系硬化性組成物、および/ま
たは、アクリル系硬化組成物に、ポリエーテルポリオー
ル、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポ
リブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールな
どのポリオールや、ポリアミン、ポリカルボン酸等を配
合することができる。これらの化合物とイソシアネート
基とを反応させてウレタン結合を形成することができ
る。また、このような硬化反応は、前述の硬化触媒の存
在下に行うこともできる。
【0074】本発明のアクリル系硬化体は、柔軟性およ
び可撓性を有し、良好な形態追随性を有する。また、こ
のアクリル系硬化体は、ゴム弾性を有しており、通常は
10%以上、好ましくは100%以上の延伸性を有して
いる。さらに、硬化前の組成物が粘稠な液体であるにも
拘わらず、硬化体にはほとんどタック性を有していな
い。
【0075】本発明のアクリル系重合体[A]、アクリ
ル系硬化性組成物、アクリル系硬化組成物及びアクリル
系硬化体は、その用途に適合させるために種々の添加剤
を配合することができる。ここで使用することができる
添加剤の例としては、充填剤、色材、耐候性付与剤、紫
外線吸収剤、粘度調整剤、硬化補助触媒、撥水剤、防水
剤、分散剤、溶剤、消泡剤、可塑剤等を配合することが
できる。また、本発明では、アクリル系硬化体の特性を
調整するために、例えばテルペン樹脂、ロジン系樹脂、
低分子量アタクチックポリプロピレン、塩素化オレフィ
ン、低分子量ポリエチレン、塩素化ブタジエン、塩素化
イソプレン、ブチル樹脂、ポリサルファイド系樹脂、ウ
レタン系樹脂、シリコン系樹脂、変性シリコン系樹脂、
アクリル系樹脂、EPM樹脂、EPDM樹脂、撥水性樹
脂(例;シリコンポリマー、テフロン(登録商標)粒
子、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデ
ン)、親水性樹脂(例;ポリビニルアルコール、アニオ
ン系乳化剤)等を配合することができる。
【0076】本発明の塗料は、前記のアクリル系重合体
[A]、アクリル系硬化性組成物、アクリル系硬化組成
物及びアクリル系硬化体を用いて調整される。この調整
時に、顔料および/または染料、その分散剤、粘度調整
剤、チクソトロピー性調整剤、紫外線吸収剤、耐光性付
与剤、酸化防止剤、タレ防止剤、消泡剤などを適宜配合
する。
【0077】また、本発明の塗料の25℃における粘度
は、通常は0.1〜50Pa・s、好ましくは0.5〜
5Pa・sである。本発明の塗料は、硬化性組成物が、
常温流動性を有しているので、特に溶剤を配合すること
を要しないが、必要により、溶剤を配合してもよい。
【0078】本発明の接着剤又は粘着剤は、前記のアク
リル系重合体[A]、アクリル系硬化性組成物、アクリ
ル系硬化組成物及びアクリル系硬化体を用いて調製され
る。この調整時に、塗布時の粘度あるいはチクソトロピ
ー性を改善するために粘度調整剤、チクソトロピー性調
整剤、染料および/または顔料、及び、その分散剤など
を配合することができる。また、本発明の接着剤又は粘
着剤には、紫外線吸収剤、耐光性付与剤、酸化防止剤、
タレ防止剤、消泡剤などを配合しても良い。さらに、こ
の接着剤又は粘着剤は良好な防水性を有しているが、こ
の防水性をさらに向上させるために、撥水剤、防水性樹
脂を配合することができる。
【0079】また、本発明の接着剤又は粘着剤の25℃
における粘度は、通常は1〜50Pa・秒、好ましくは
5〜10Pa・秒である。本発明の接着剤又は粘着剤
は、常温流動性を有しているので、特に溶剤を配合する
ことを要しないが、必要により、溶剤を配合してもよ
い。さらに、本発明の接着剤として、前記のアクリル系
硬化組成物を使用すれば、一液型の接着剤を調整するこ
とができる。
【0080】本発明のアクリル系重合体[A]、アクリ
ル系硬化性組成物、アクリル系硬化組成物及びアクリル
系硬化体は、上記説明した塗料、接着剤又は粘着剤の他
に、シーリング材、シート成形品(通気性シート、保護
シート、遮水シート、制振シート、転写シート、調光シ
ート、帯電防止シート、導電シート、養生シート、遮音
シート、遮光シート、化粧シート、マーキングシート、
難燃シート)、フィルム成形品(マーキング、保護フィ
ルム、インキ定着フィルム、ラミネートフィルム)、発
泡体(硬質、軟質、半硬質、難燃)、インキ用ビヒク
ル、反応性可塑剤、可塑剤、希釈剤、相溶化剤、中間原
料として、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ
カーボネイト樹脂や各種ブロックポリマーなどの樹脂用
原料または、改質用原料、添加剤、更には、繊維改質
剤、繊維表面処理剤、紙加工剤、紙改質剤、界面活性
剤、分散安定剤、分散媒、溶剤、粘度調整剤、吸着剤、
毛髪処理剤、トナー用添加剤、帯電制御剤、帯電防止
剤、低収縮剤、防曇剤、防汚剤、親水性付与剤、親油性
付与剤、医薬担体、農薬用担体、化粧品用配合剤、滑
剤、ポリマーアロイ用添加剤、ゲルコート剤、FRP用
樹脂、FRP樹脂用添加剤、人工大理石用樹脂、人工大
理石用樹脂添加剤、注入成型品用樹脂、UV・EV硬化
樹脂用原料、粘着付与剤、各種バインダー(磁気記録媒
体、鋳造用、焼成体用、グラスファイバーサイジング
材)RIM用ウレタン改質剤、合わせガラス用樹脂、制
振材、遮音材、分離膜用樹脂、防音材、吸音材、人工皮
革、人工皮膚、合成皮革、各種工業用部品、日用品、ト
イレタリー用成型品、アクリルウレタンゴム、アクリル
ウレタンゴム改質剤、アクリルウレタンフォーム改質
剤、ウレタンゴム改質剤、ウレタンフォーム可塑剤、ウ
レタンフォーム改質剤、アクリルゴム改質剤などとして
使用することもできる。
【0081】
【実施例】次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、これら実施例によって限定される
ものではない。
【0082】アクリル系重合体の製造
【実施例1】攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および
還流冷却管を備えたフラスコに、ブチルアクリレート9
0重量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート10重量
部、および金属触媒としてルテノセンジクロライド0.
1重量部を仕込みフラスコ内に窒素ガスを導入しながら
フラスコの内容物を80℃に加熱した。
【0083】次いで、十分に窒素ガス置換した2-メルカ
プトエタノール10重量部を攪拌下にフラスコ内に添加
した。フラスコ内の内容物の温度が80℃に維持できる
ように、加熱及び冷却を4時間行った。さらに、十分に
窒素ガス置換した2-メルカプトエタノール10重量部を
攪拌下のフラスコ内に追加添加した後、フラスコ内の内
容物の温度が90℃に維持できるように、さらに加熱及
び冷却を行いながら、反応を4時間行った。この重合に
際して重合反応の暴走は全く認められなかった。
【0084】上記反応後、反応物の一部を採取して、ベ
ンゾキノン溶液(95%THF溶液)を添加し、モノマ
ー残存率をガスクロマトグラフィーを用いて測定したと
ころ、重合率は78%であった。
【0085】つづいて得られた反応物に、ラジカル重合
開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.1重量部を
添加して未反応モノマーを重合させた。
【0086】こうして得られたアクリル系重合体(1)
の150℃加熱残分は96.3%であった。また、得ら
れたアクリル系重合体(1)についてゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー(GPC)により測定した分子
量は、Mw=950、Mn=650、分散指数=1.5
であり、23℃における粘度は、0.85(Pa・s)
であった。
【0087】
【比較例1】実施例1において、ルテノセンジクロライ
ドを添加しなかった以外は、同様の操作を行った結果、
ガスクロマトグラフィーにより測定した重合率は4%で
あった。
【0088】
【比較例2】攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および
還流冷却管を備えたフラスコに、ブチルアクリレート9
0重量部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート10重量
部、及び、2-メルカプトエタノール20重量部を仕込
み、フラスコ内に窒素ガスを導入しながらフラスコの内
容物を80℃に加熱した。
【0089】ついで、攪拌下にラジカル重合開始剤とし
て、アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部をフラス
コ内に添加した。フラスコ内の内容物の温度が80℃に
維持できるように、冷却を行ったが、急激な発熱ととも
にフラスコ内温度は120℃まで上昇した。さらに冷却
を続け、フラスコ内温度を90℃とし、加熱及び冷却を
行いながら、反応を8時間行った。この重合に際して重
合反応は非常に不安定であった。
【0090】上記反応後、反応物の一部を採取して、ベ
ンゾキノン溶液(95%THF溶液)を添加し、モノマ
ー残存率をガスクロマトグラフィーを用いて測定したと
ころ、重合率は87%であった。
【0091】つづいて得られた反応物に、ラジカル重合
開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.1重量部を
添加して未反応モノマーを重合させた。
【0092】こうして得られたアクリル系重合体(C−
2)の150℃加熱残分は95.2%であった。また、
アクリル系重合体(C−2)についてGPCにより測定
した分子量は、Mw=1900、Mn=740、分散指
数=2.6であり、23℃における粘度は、1.35
(Pa・s)であった。
【0093】
【実施例2】攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および
還流冷却管を備えたフラスコに、エチルアクリレート4
5重量部、ブチルアクリレート45重量部、2-ヒドロキ
シエチルメタクリレート10重量部、及び、金属触媒と
してチタノセンジクロライド0.1重量部を仕込みフラ
スコ内に窒素ガスを導入しながらフラスコの内容物を8
5℃に加熱した。
【0094】ついで、十分に窒素ガス置換した4−メル
カプトブタノール25重量部を攪拌下のフラスコ内に添
加し、フラスコ内の内容物の温度が85℃に維持できる
ように加熱および冷却を4時間行った。その後さらに、
攪拌中のフラスコ内の内容物の温度が95℃に維持でき
るように、加熱および冷却を行いながら、反応を4時間
行った。この重合に際して重合反応の暴走は全く認めら
れなかった。
【0095】上記反応後、反応物の一部を採取して、ベ
ンゾキノン溶液(95%THF溶液)を添加し、モノマ
ー残存率をガスクロマトグラフィーを用いて測定したと
ころ、重合率は82%であった。
【0096】つづいて得られた反応物に、ラジカル重合
開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.1重量部を
添加して未反応モノマーを重合させた。続いて、反応物
をエバポレーターに移し、減圧下に80℃まで除々に加
熱しながらTHFおよび残存モノマー、残存チオール化
合物を除去した。
【0097】こうして得られたアクリル系重合体(2)
の150℃加熱残分は、98.2%であった。また、ア
クリル系重合体(2)についてGPCにより測定した分
子量は、Mw=1400、Mn=700、分散指数=
2.0であり、23℃における粘度は、2.55(Pa
・s)であった。
【0098】
【比較例3】攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計および
還流冷却管を備えたフラスコに、エチルアクリレート4
5重量部、ブチルアクリレート45重量部、2-ヒドロキ
シエチルメタクリレート10重量部、及び、4-メルカプ
トブタノール25重量部を仕込みフラスコ内に窒素ガス
を導入しながらフラスコの内容物を85℃に加熱した。
【0099】ついで、攪拌下にラジカル重合開始剤とし
て、ベンゾイルパーオキサイド0.05重量部をフラス
コ内に添加し、フラスコ内の内容物の温度が85℃に維
持できるように加熱および冷却を4時間行い、つづいて
ベンゾイルパーオキサイド0.05重量部をフラスコ内
に添加したところ急激な発熱とともにフラスコ内の温度
は150℃まで上昇した。この間、冷却を行い続けて、
フラスコ内温度が110℃となるように調整した。その
後、冷却および加温を行いながら、反応を4時間行っ
た。この重合に際して重合反応は非常に不安定であっ
た。
【0100】上記反応後、反応物の一部を採取して、ベ
ンゾキノン溶液(95%THF溶液)を添加し、モノマ
ー残存率をガスクロマトグラフィーを用いて測定したと
ころ、重合率は95%であった。
【0101】つづいて得られた反応物に、ラジカル重合
開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.1重量部を
添加して未反応モノマーを重合させた。続いて、反応物
をエバポレーターに移し、減圧下に80℃まで除々に加
熱しながらTHFおよび残存モノマー、残存チオール化
合物を除去した。
【0102】こうして得られたアクリル系重合体(C−
3)の150℃加熱残分は、96.1%であった。ま
た、アクリル系重合体(C−3)についてGPCにより
測定した分子量は、Mw=2200、Mn=720、分
散指数=3.1であり、23℃における粘度は、3.7
3(Pa・s)であった。
【0103】アクリル系硬化組成物
【実施例3】攪拌装置、乾燥窒素ガス導入管、温度計、
滴下ロート、およびモレキュラーシーブを装着した還流
冷却管を備えたフラスコに、ポリイソシアネート化合物
としてヘキサメチレンジイソシアネート47重量部、
およびトルエン50重量部を仕込み、フラスコ内の空気
を乾燥窒素ガスで置換しながら60に加熱した。その
後、フラスコ内の温度が60〜70℃の範囲内に保てる
ように、加熱および冷却を行いながら、実施例1で得ら
れたアクリル系重合体(1)100重量部を2時間かけ
てフラスコ内に滴下した。
【0104】アクリル系重合体(1)全量を滴下した
後、フラスコ内の温度を80℃に昇温し、そのまま80
℃にて6時間反応を行った。その後、反応液を室温まで
冷却し、フラスコ内の反応物を取り出し、減圧下に90
℃まで除々に加熱しながらエバポレーターで、トルエン
および未反応ポリイソシアネート化合物を除去した。得
られたイソシアネート変性アクリル系重合体(4)は、
150℃における加熱残分が99.8%であり、23℃
における粘度が35(Pa・s)であった。
【0105】こうして得られたイソシアネート変性アク
リル系重合体(4)中の残留水酸基をFT−IR(フー
リエ変換赤外吸収スペクトル)で調べたところ、水酸基
に起因する吸収は完全に消失していた。また、このイソ
シアネート変性アクリル系重合体(3)についてアミン
値から算定したNCO量は13.8%であった。
【0106】
【実施例4】実施例3において、ポリイソシアネート化
合物 として、ヘキサメチレンジイソシアネートの代わ
りにジシクロヘキシルメタン-4,4'-ジイソシアネート7
4重量部を使用した以外は、同様にしてイソシアネート
変性アクリル系重合体(4)を調整した。得られたイソ
シアネート変性アクリル系重合体(5)は、150℃に
おける加熱残分が99.8%であり、23℃における粘
度が68(Pa・s)であった。
【0107】こうして得られたイソシアネート変性アク
リル系重合体(5)中の残留水酸基をFT−IR(フー
リエ変換赤外吸収スペクトル)で調べたところ、水酸基
に起因する吸収帯は完全に消失していた。また、この変
性物についてアミン値から算定したNCO量は11.8
%であった。
【0108】
【比較例4】実施例3において、アクリル系重合体
(1)の代わりに、比較例2で調整したアクリル系重合
体(C−2)を使用し、かつ、ポリイソシアネート化合
物 として、ヘキサメチレンジイソシアネートの代わり
にジシクロヘキシルメタン-4,4'-ジイソシアネート74
重量部を使用した以外は同様にして変成物を調整した。
得られたイソシアネート変成アクリル系重合体(C−
4)は、150℃における加熱残分が97.8%であ
り、23℃における粘度が121(Pa・s)であっ
た。
【0109】こうして得られたポリイソシアネート変性
アクリル系重合体(C−4)中の残留水酸基をFT−I
R(フーリエ変換赤外線吸収スペクトル)で調べたとこ
ろ、水酸基に起因する吸収帯は完全に消失していた。ま
た、この変性物についてアミン値から算定したNCO量
は10.5%であった。
【0110】硬化体
【実施例5】容量200ミリリットルのビーカーに、実
施例1で調整したアクリル系重合体(1)100重量部
と、ポリイソシアネート化合物としてヘキサメチレンジ
イソシアネートをビュウレット変性した3官能のイソシ
アネート化合物(商品名;デュラネート24A−10
0、旭化成工業(株)社製、NCO=23.5%)55
重量部とを入れ、さらに硬化促進剤(硬化触媒)として
ジブチルジラウリン酸錫0.1重量部を添加して良く混
合して、流動性を有する均一な硬化性組成物を調整し
た。
【0111】得られた硬化性組成物をポリエチレン製の
フィルム上にバーコーターを用いて塗布し、23℃、6
5%RHの条件で1週間放置し、硬化性組成物の硬化体
膜を得た。得られた硬化体膜をポリエチレン製フィルム
から剥離して、指触により硬化性を調べたところ、タッ
ク感が全くなく、指にベタツキも残らず、完全に硬化し
ていることが確認された。
【0112】
【実施例6】実施例5において、ポリイソシアネート化
合物として、ヘキサメチレンジイソシアネートをビュウ
レット変性した3官能のイソシアネート化合物の代わり
にジフェニルメタンジイソシアネートモノマーの高純度
フレーク品(商品名;タケネート300F、武田薬品工
業(株)社製、NCO=33.6%)38重量部、およ
びジブチルジラウリン酸錫を0.001重量部と変更し
た以外は同様にして硬化体膜を得た。
【0113】得られた硬化体膜をポリエチレン製フィル
ムから剥離して、指触により硬化性を調べたところ、タ
ック感が全くなく、指にベタツキも残らず、完全に硬化
していることが確認された。
【0114】
【実施例7】実施例5において、アクリル系重合体
(1)の代わりに実施例2で調整したアクリル系重合体
(2)100重量部を使用し、ポリイソシアネート化合
物としてヘキサメチレンジイソシアネートをビュウレッ
ト変性した3官能のイソシアネート化合物の代わりにジ
フェニルメタンジイソシアネートモノマーの高純度フレ
ーク品(商品名;タケネート300F、武田薬品工業
(株)社製、NCO=33.6%)34重量部を使用
し、ジブチルジラウリン酸錫を0.001重量部と変更
した以外は、同様にして硬化体膜を得た。
【0115】得られた硬化体膜をポリエチレン製フィル
ムから剥離して、指触により硬化性を調べたところ、タ
ック感が全くなく、指にベタツキも残らず、完全に硬化
していることが確認された。
【0116】
【比較例5】実施例5において、アクリル系重合体
(1)の代わりに比較例2で調整したアクリル系重合体
(C−2)100重量部を使用し、このアクリル系重合
体(C−2)100重量部に対して、ポリイソシアネー
ト化合物としてヘキサメチレンジイソシアネートをビュ
ウレット変性した3官能のイソシアネート化合物の代わ
りにジフェニルメタンジイソシアネートモノマーの高純
度フレーク品(商品名;タケネート300F、武田薬品
工業(株)社製、NCO=33.6%)を使用し、ジブ
チルラウリン酸錫を0.001重量部と変更した以外
は、同様にして硬化体膜を得た。
【0117】得られた硬化体膜をポリエチレン製フィル
ムから剥離して、指触により硬化性を調べたところ、タ
ック感があり、指にもベタツキが残り、完全に硬化して
いないことが確認された。
【0118】
【比較例6】実施例5において、アクリル系重合体
(1)の代わりに比較例3で調整したアクリル系重合体
(C−3)100重量部を使用し、ポリイソシアネート
化合物としてヘキサメチレンジイソシアネートをビュウ
レット変性した3官能のイソシアネート化合物の代わり
にジフェニルメタンジイソシアネートモノマーの高純度
フレーク品(商品名;タケネート300F、武田薬品工
業(株)社製、NCO=33.6%)34重量部を使用
し、ジブチルラウリン酸錫を0.001重量部と変更し
た以外は、同様にして硬化体膜を得た。
【0119】得られた硬化体膜をポリエチレン製フィル
ムから剥離して、指触により硬化性を調べたところ、タ
ック感があり、指にもベタツキが残り、完全に硬化して
いないことが確認された。
【0120】
【実施例8】実施例5において、アクリル系重合体
(1)の代わりに実施例2で調製したアクリル系重合体
(2)100重量部を使用し、ポリイソシアネート化合
物としてヘキサメチレンジイソシアネートをビュウレッ
ト変性した3官能のイソシアネート化合物の代わりに2
官能のヘキサメチレンジイソシアネート化合物(商品
名;デュラネートD−101、旭化成工業(株)社製、
NCO=19.7%)57重量部を使用した以外は同様
にして硬化体膜を得た。
【0121】得られた硬化体膜をポリエチレン製フィル
ムから剥離して、指触により硬化性を調べたところ、タ
ック感がなく、指にベタツキも残らず、完全に硬化して
いることが確認された。
【0122】
【実施例9】実施例5において、アクリル系重合体
(1)の代わりに実施例3で調製したポリイソシアネー
ト変性アクリル系重合体(3)100重量部を使用した
以外は同様にして硬化体膜を得た。
【0123】得られた硬化体膜をポリエチレン製フィル
ムから剥離して、指触により硬化性を調べたところ、タ
ック感が全くなく、指にもベタツキが残らず、完全に硬
化していることが確認された。
【0124】
【実施例10】実施例5において、アクリル系重合体
(1)の代わりに実施例4で調製したポリイソシアネー
ト変性アクリル系重合体(4)100重量部を使用した
以外は同様にして硬化体膜を得た。
【0125】得られた硬化体膜をポリエチレン製フィル
ムから剥離して、指触により硬化性を調べたところ、タ
ック感が全くなく、指にもベタツキが残らず、完全に硬
化していることが確認された。
【0126】
【比較例7】実施例5において、アクリル系重合体
(1)の代わりに比較例4で調製したポリイソシアネー
ト変性アクリル系重合体(C−4)100重量部を使用
した以外は同様にして硬化体膜を得た。
【0127】得られた硬化体膜をポリエチレン製フィル
ムから剥離して、指触により硬化性を調べたところ、タ
ック感があり、指にもベタツキが残り、完全に硬化して
いないことが確認された。
【0128】塗料
【実施例11、12、および比較例8】容量200ミリ
リットルのビーカーに、主剤として各種重合体と、この
主剤に100重量部に対して、顔料として酸化チタン微
粒子20重量部、またポリイソシアネート化合物を表1
に示すように配合して、ビーカー内の内容物が均一にな
るまで、ミキサーにて攪拌混合して粘稠な組成物(塗料
組成物)を得た。得られた組成物を0.5mm厚の鋼板
表面にバーコーターを用いて、塗布厚20μmに塗布し
た。
【0129】さらに、こうして組成物を塗布した鋼板を
23℃の温度で2時間放置した後、乾燥機で100℃の
温度で30分間加熱して焼き付け処理を行った。得られ
た塗布面の特性を表1に示した。
【0130】
【表1】
【0131】なお、上記表1において、硬化性、被着体
密着性、膜可撓性、膜光沢性、および評価方法並びに記
号は次の通りである。
【0132】硬化性:塗膜表面のタック感を指触により
評価した。 ○・・・タックが無く、完全に硬化していた。 △・・・わずかにタック感があるが、ほぼ硬化してい
た。 ×・・・タックがあり、硬化が不十分であった。
【0133】被着体密着性:塗膜表面をガラス棒でこす
り、塗膜表面の浮き等の状態を目視により観察評価し
た。 ○・・・塗膜表面の浮き上がりはほとんど見られない。 ×・・・塗膜表面の浮き上がりが見られる
【0134】膜可撓性:塗工面を上面として、鋼板を9
0度に塗工していない面側に曲げ、塗膜のひび割れ度合
いを目視により観察評価した。 ○・・・塗膜が鋼板の屈曲に追随し、ひび割れは生じな
い。 △・・・塗膜は鋼板の屈曲に追従するが、ひび割れが生
ずる。 ×・・・塗膜は鋼板の屈曲に対する追随性がなく、ひび
割れが著しい。
【0135】膜光沢性:塗膜の光沢度合いを目視により
観察評価した。 ○・・・非常に良好な光沢がある。 △・・・多少の光沢はある。 ×・・・全く光沢がない。
【0136】上記の実施例および比較例との対比から本
発明の塗料は、非常に優れた可撓性を有する塗膜を形成
することができ、また本発明の塗料は無溶剤である。
【0137】接着剤
【実施例13および比較例9】容量200ミリリットル
のビーカーに、接着用樹脂成分として、各種重合体を1
00重量部と、硬化促進剤(硬化触媒)としてジブチル
ジラウリン酸錫1.0重量部を配合して、ビーカー内の
内容物が均一になるまで、ミキサーにて攪拌混合して組
成物(接着剤組成物)を得た。
【0138】得られた組成物を0.5mm厚さ、50m
m×100mmの鋼板表面に櫛目ヘラを用いて、塗布厚
100μm、塗布面積50mm×50mmになるように
塗布した。その後、直ちに接着成分の塗工面に、同じ鋼
板を貼り合わせ、これら試料を23℃の温度下にて1週
間養生し、接着性能を評価した。得られた特性は次の通
りである。
【0139】
【表2】
【0140】なお、上記表2において、硬化性、接着
性、耐剥離性、耐熱性、および評価方法並びに記号は次
の通りである。
【0141】硬化性:200ccビーカーにて調製した
試料を23℃の室温にて放置し、ガラス棒が刺さらなく
なるまでの時間を測定し評価した。 ○・・・1時間未満 △・・・1時間以上4時間未満 ×・・・4時間以上
【0142】接着性:23℃下にて、貼り合わせた鋼板
の片方を固定し、固定していない鋼板片に対し、水平方
向へ荷重が掛かるように2kgの重りをかけ、試料が破
壊し、重りが落下するまでの時間を測定し評価した。 ○・・・2週間以上落下しない。 △・・・1週間以上2週間未満で落下する。 ×・・・1週間未満で落下する。
【0143】耐剥離性:23℃下にて、貼り合わせた鋼
板の片方を固定し、固定していない鋼板片に対し、垂直
方向へ荷重が掛かるように1kgの重りをかけ、試料が
破壊し、重りが落下するまでの時間を測定し評価した。 ○・・・1日以上落下しない。 △・・・2時間以上1日未満で落下する。 ×・・・2時間未満で落下する。
【0144】耐熱性:80℃の温度条件下において接着
性の測定方法と同様に評価した。 ○・・・1週間以上落下しない。 △・・・3日以上1週間未満で落下する。 ×・・・3日未満で落下する。
【0145】上記の実施例および比較例との対比から本
発明の接着剤は、非常に優れた硬化性、接着性、および
耐熱性を有し、また本発明の接着剤は無溶剤である。
【0146】
【発明の効果】本発明のアクリル系重合体[A]は、重
合体分子の少なくとも1つの末端に特定の水酸基を有す
るチオール類のメルカプト基から水素原子が脱離した残
基が結合している分子を含有しており、この水酸基は、
例えばポリイソシアネート化合物等に対して良好な反応
性を示す。しかも、このアクリル系重合体[A]は、従
来制御が困難であった塊状重合によって製造することが
でき、従って、このアクリル系重合体[A]は、反応溶
媒、水などを実質的に含まない状態で得ることができ
る。
【0147】そして、本発明のアクリル系重合体[A]
にポリイソシアネート化合物を配合したアクリル系硬化
性組成物は、縮合硬化させることができ、その硬化物
は、柔軟性があり、しかも高い強度を示し、また防水性
にも優れている。
【0148】また、本発明のアクリル系硬化組成物は、
前記アクリル系重合体[A]の水酸基の少なくとも一部
にイソシアネート基が結合した構造を有するイソシアネ
ート変性アクリル系重合体を含有しており、そのイソシ
アネート変性アクリル系重合体は、水分を吸収して自己
縮合硬化する。従って、このアクリル系硬化組成物は、
一液型硬化性樹脂組成物として使用することができ、柔
軟性があり、しかも高い強度を示し、また防水性にも優
れている。
【0149】さらに、本発明のアクリル系硬化体は、耐
水性、柔軟性、可撓性に優れ、またゴム弾性を有してい
る。
【0150】また、本発明の塗料、接着剤又は粘着剤
は、硬化物が柔軟性を有し、強度が高く、防水性にも優
れている。従って、これらを塗布する基材に対する形態
追随性に優れ、基材を物理的に保護すると共に、基材に
優れた防水性を付与することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 133/00 C09J 133/00 175/04 175/04 Fターム(参考) 4J015 DA07 DA08 DA09 DA10 EA05 4J034 BA03 CE01 DA01 DB03 DC02 DC12 DC35 DD01 DG01 DG02 DG03 DG04 DG14 DP15 DP16 DP17 DP18 HA01 HA06 HA07 HB07 HB08 HB17 HC01 HC02 HC03 HC11 HC12 HC22 HC46 HC52 HC61 HC63 HC64 HC66 HC67 HC71 HC73 JA41 JA42 KC16 KC17 KD02 KD04 LA08 QB12 QC05 RA07 RA08 4J038 CD021 CF021 CG001 CG031 CG141 CG161 CG171 CG191 CH011 CH071 CH091 CH121 CH131 CH241 CH251 DG191 DG261 GA03 GA13 JC02 JC38 KA02 KA04 NA03 NA04 NA11 4J040 DF001 EF181 EF272 GA23 LA06 LA07 4J100 AC04P AG04P AJ02P AK07P AL03P AL04P AL08P AL09P AL11P AL62P AL63P AL66P AM02P AM15P AM21P BA04P BA05P BA06P BA07P BB01P BC04P BC43P BC54P BC65P CA01 CA27 CA31 DA01 FA03 FA10 HA53 HC51 HC70 HG14 JA01 JA03

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式[I]で表されるメタロセン化合物、
    及び、分子内に少なくとも1つの水酸基を有するチオー
    ル類の存在下に、(メタ)アクリロイル基を有するアク
    リル系単量体を重合してなり、少なくとも1つの末端に
    該チオール類のメルカプト基から水素原子が脱離した残
    基が結合していることを特徴とするアクリル系重合体
    [A]; 【化1】 [但し、上記式[I]において、Mは、周期律表4A
    属、4B属、5A属、5B属の金属、クロム、ルテニウ
    ム及びパラジウムよりなる群から選ばれる金属であり、
    R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有するこ
    ともある脂肪族炭化水素基、置換基を有することもある
    脂環式炭化水素基、置換基を有することもある芳香族炭
    化水素基および置換基を有することもあるケイ素含有基
    よりなる群から選ばれる少なくとも一種の基、若しく
    は、水素原子または単結合のいずれかであり、さらに、
    R1およびR2が共同して上記式[I]で表される化合
    物中の2個の5員環を結合していてもよく、また、複数
    の隣接するR1またはR2は、共同して環状構造を形成
    していてもよく、aおよびbは、それぞれ独立に、1〜
    5の整数であり、Xは水素原子の少なくとも一部がハロ
    ゲン原子で置換されていることもある炭化水素基または
    ハロゲン原子であり、nは0または金属Mの価数−2の
    整数である]。
  2. 【請求項2】GPC法による重量平均分子量が、500
    〜1,000,000の範囲内にあることを特徴とする
    請求項第1項記載のアクリル系重合体。
  3. 【請求項3】次式[I]で表されるメタロセン化合物、
    及び、分子内に少なくとも1つの水酸基を有するチオー
    ル類の存在下に、(メタ)アクリロイル基を有するアク
    リル系単量体を重合してなり、少なくとも1つの末端に
    該チオール類のメルカプト基から水素原子が脱離した残
    基が結合しているアクリル系重合体[A]と、分子内に
    2個以上のイソシアネート基を有する化合物[B]を含
    有することを特徴とするアクリル系硬化性組成物; 【化2】 [但し、上記式[I]において、Mは、周期律表4A
    属、4B属、5A属、5B属の金属、クロム、ルテニウ
    ム及びパラジウムよりなる群から選ばれる金属であり、
    R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有するこ
    ともある脂肪族炭化水素基、置換基を有することもある
    脂環式炭化水素基、置換基を有することもある芳香族炭
    化水素基および置換基を有することもあるケイ素含有基
    よりなる群から選ばれる少なくとも一種の基、若しく
    は、水素原子または単結合のいずれかであり、さらに、
    R1およびR2が共同して上記式[I]で表される化合
    物中の2個の5員環を結合していてもよく、また、複数
    の隣接するR1またはR2は、共同して環状構造を形成
    していてもよく、aおよびbは、それぞれ独立に、1〜
    5の整数であり、Xは水素原子の少なくとも一部がハロ
    ゲン原子で置換されていることもある炭化水素基または
    ハロゲン原子であり、nは0または金属Mの価数−2の
    整数である]。
  4. 【請求項4】アクリル系重合体[A]中に存在する水酸
    基モル数100に対して、分子内に2個以上のイソシア
    ネート基を有する化合物[B]のイソシアネート基のモ
    ル数を50〜300の範囲内になるように配合すること
    を特徴とする請求項第3項記載のアクリル系硬化性組成
    物。
  5. 【請求項5】アクリル系重合体[A]中に存在する水酸
    基の少なくとも一部と、分子内に2個以上のイソシアネ
    ート基を有する化合物[B]のイソシアネート基の一部
    とが結合していることを特徴とする請求項第2項記載の
    アクリル系硬化性組成物。
  6. 【請求項6】次式[I]で表されるメタロセン化合物、
    及び、分子内に少なくとも1つの水酸基を有するチオー
    ル類の存在下に、(メタ)アクリロイル基を有するアク
    リル系単量体を重合してなり、少なくとも1つの末端に
    該チオール類のメルカプト基から水素原子が脱離した残
    基が結合しているアクリル系重合体[A]の水酸基の少
    なくとも一部が、分子内に2個以上のイソシアネート基
    を有する化合物[B]のイソシアネート基の少なくとも
    一部と結合して、−NH−COO−基が形成しているこ
    とを特徴とするアクリル系硬化組成物; 【化3】 [但し、上記式[I]において、Mは、周期律表4A
    属、4B属、5A属、5B属の金属、クロム、ルテニウ
    ム及びパラジウムよりなる群から選ばれる金属であり、
    R1およびR2は、それぞれ独立に、置換基を有するこ
    ともある脂肪族炭化水素基、置換基を有することもある
    脂環式炭化水素基、置換基を有することもある芳香族炭
    化水素基および置換基を有することもあるケイ素含有基
    よりなる群から選ばれる少なくとも一種の基、若しく
    は、水素原子または単結合のいずれかであり、さらに、
    R1およびR2が共同して上記式[I]で表される化合
    物中の2個の5員環を結合していてもよく、また、複数
    の隣接するR1またはR2は、共同して環状構造を形成
    していてもよく、aおよびbは、それぞれ独立に、1〜
    5の整数であり、Xは水素原子の少なくとも一部がハロ
    ゲン原子で置換されていることもある炭化水素基または
    ハロゲン原子であり、nは0または金属Mの価数−2の
    整数である]
  7. 【請求項7】アクリル系重合体[A]中に存在する水酸
    基モル数100に対して、分子内に2個以上のイソシア
    ネート基を有する化合物[B]のイソシアネート基のモ
    ル数を50〜300の範囲内になるように配合すること
    を特徴とする請求項第6項記載のアクリル系硬化組成
    物。
  8. 【請求項8】アクリル系重合体[A]のGPC法による
    重量平均分子量が、500〜300,000の範囲内に
    あることを特徴とする請求項第6項記載のアクリル系硬
    化組成物。
  9. 【請求項9】請求項第2項乃至第5項のいずれかの項に
    記載のアクリル系硬化性組成物、及び/又は、請求項第
    6項乃至第8項のいずれかの項に記載のアクリル系硬化
    組成物を、水の存在下または不存在下に分子間縮合反応
    によって、架橋構造を形成させることを特徴とするアク
    リル系硬化体。
  10. 【請求項10】分子間縮合反応が、有機錫系硬化触媒の
    存在下で行うことを特徴とする請求項第9項記載のアク
    リル系硬化体
  11. 【請求項11】請求項第1項乃至第10項のいずれかの
    項に記載のアクリル系重合体、アクリル系硬化性組成
    物、アクリル系硬化組成物又はアクリル系硬化体を主成
    分とすることを特徴とする塗料。
  12. 【請求項12】請求項第1項乃至第10項のいずれかの
    項に記載のアクリル系重合体、アクリル系硬化性組成
    物、アクリル系硬化組成物又はアクリル系硬化体を主成
    分とすることを特徴とする接着剤又は粘着剤。
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