JP2002012621A - 分子末端に重合性不飽和基を有するアクリル系重合体 - Google Patents

分子末端に重合性不飽和基を有するアクリル系重合体

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JP2002012621A JP2001079766A JP2001079766A JP2002012621A JP 2002012621 A JP2002012621 A JP 2002012621A JP 2001079766 A JP2001079766 A JP 2001079766A JP 2001079766 A JP2001079766 A JP 2001079766A JP 2002012621 A JP2002012621 A JP 2002012621A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分子末端に確実に重合性不飽和基が導入さ
れ、乳化剤又は分散剤などを含まず、分子末端に溶剤化
合物残基やアゾ系及び過酸化物系などの従来公知の開始
剤残基が無いアクリル系重合体を提供することである。 【解決手段】 不活性ガス雰囲気下に、重合開始剤とし
て分子内にチオール基及び水酸基を有する化合物を用い
て、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とす
る重合性単量体を塊状重合させてなり、GPCによる数
平均分子量が500以上100,000以下であるアク
リル系プレポリマーと、分子内にカルボキシル基及び重
合性不飽和基を有する化合物とを、反応させて分子末端
に重合性不飽和基を有するアクリル系重合体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、塗料、接着剤及び
成型材料などに有用な分子末端に重合性不飽和基を有す
るアクリル系重合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】単量体を重合して得られる重合体の分子
末端に重合性不飽和基を有するオリゴマー又はポリマー
は、マクロモノマーと呼ばれ、塗料、接着剤、成型材料
等に幅広く利用されている。このマクロモノマーの製造
法として、イオン重合やラジカル重合が知られている
が、マクロモノマーの主鎖の構成が、アクリル系単量体
を主成分とする場合、通常、ラジカル重合により末端に
官能基を有するプレポリマーを調製した後、その官能基
と反応性を有する化合物を反応させて製造される。
【0003】より具体的には、アクリル系単量体、アゾ
系開始剤又は過酸化物系開始剤、連鎖移動剤としてメル
カプト酢酸を用いて重合を行い、分子末端にカルボキシ
ル基を有するプレポリマーを調製し、そのカルボキシル
基とグリシジルメタクリレートを反応させる方法や、ア
クリル系単量体、アゾ系開始剤又は過酸化物系開始剤、
連鎖移動剤としてメルカプトエタノールを用いて重合を
行い、分子末端に水酸基を有するプレポリマーを調製
し、その水酸基と2-イソシアネートエチルメタクリレー
トを反応させる方法等がある。
【0004】これらの官能基を有するメルカプタン類を
連鎖移動剤としてプレポリマーを調製する方法は、通
常、溶液重合で行われており、重合温度、ラジカル重合
開始剤量、ラジカル連鎖移動剤としての有機溶剤やメル
カプタン類などの使用量あるいは種類を適宜調整するこ
とにより、重合速度、発熱制御等の重合反応の制御、及
び、分子量や分子量分布等のポリマー分子設計を行って
いる。この方法で得られる重合体の分子末端は、ラジカ
ル重合開始剤として用いた化合物、若しくは、連鎖移動
剤として用いた化合物、連鎖移動した際の溶剤化合物な
どの残基が結合しているか、または、不均化停止した際
の不飽和基を有することとなる。つまり、得られる重合
体は、末端基までは充分に制御できておらず、種々の末
端基を有す重合体の混合物となってしまう。
【0005】このため、これら従来のプレポリマーを調
製する方法では、重合性不飽和基が導入されていない分
子が得られたり、重合性不飽和基が設計通りに導入され
ない分子が得られてしまう。この様なマクロモノマー
を、塗料、接着剤及び成型材料などの原料として用いた
場合、設計通りの物性が得られないことが多い。
【0006】また、プレポリマーの調製法として、乳化
重合及び懸濁重合の水系ラジカル重合法が知られている
が、乳化重合又は懸濁重合の場合、プレポリマーの重合
後、分散媒である水から分離するための沈殿、濾過、洗
浄、乾燥、プレポリマーの官能基と反応性を有する化合
物を反応させるための溶剤への溶解などの操作が必要で
あり、工程が煩雑となる。
【0007】さらに、プレポリマーの調製法として、塊
状重合法が知られている。塊状重合法は、溶媒及び分散
媒を使用しないことから有機溶剤、水、分散剤、乳化剤
などを用いる必要がなく、重合に関与する有機溶剤のよ
うな不純物を含まないので、反応系が簡潔となるばかり
でなく、得られる重合体中に乳化剤や分散剤などの不純
物の混入がなく、さらには目的のプレポリマーを得るた
めに、分散媒の除去も不要である。
【0008】しかしながら、一般に、塊状重合法では、
重合反応速度が著しく速く、事実上この塊状重合法を制
御することはきわめて困難である。また、重合速度が制
御できずに高温度で生成した重合体は、不均化停止によ
り分子の末端基が不安定な状態となったり、低分子量体
化したり、逆に先に生成していた重合体からの水素引き
抜きなどにより、重合体の分岐化やゲル化が起こりやす
い。このため重合体の分子量、分子量分布などの分子設
計が困難になることはもとより、重合体の分岐化や不均
化停止末端などの生成などにより、明確な分子構造の設
計が困難となる。さらに、ゲル化物が急激にかつ大量に
生成することがあり、最悪の場合、反応物の温度上昇を
抑止できなくなり爆発の危険すらある。
【0009】アクリル系単量体の中でも、メタクリル酸
メチルは、比較的重合速度が遅いという特性を有してい
ることから、塊状重合によっても反応制御が可能であ
り、古くからその制御法は検討がなされており、分子
量、分子量分布を制御するために、連鎖移動剤としてメ
ルカプタンが使用されている。重合開始は、アゾ系重合
開始剤又は過酸化物系重合開始剤の添加、もしくは、高
温での熱開始重合を利用している。このため、これらの
反応で得られる重合体には、重合開始剤由来の化合物が
重合体末端に結合しているか、または、熱開始重合の場
合には重合体単量体の過酸化物由来の化合物が末端に結
合した重合体が含まれるようになり、末端に結合してる
化合物の厳密な制御ができていない。
【0010】また、こうしたメルカプタンを用いた塊状
重合反応では、重合中におけるメルカプタン消費速度
と、開始剤の消費速度が等速に成らず、重合中にメルカ
プタンが消費され尽くしても開始剤が反応系に残存して
いる為に、均一に反応を制御することが困難であること
が多く、また、塊状重合に供されるモノマーにも制限が
ある。
【0011】このような理由から、充分に末端を制御し
た重合体を得るための重合方法や重合触媒や重合開始剤
が、必要とされている。
【0012】ところで、重合反応は使用するモノマーに
よって触媒が異なり、例えばエチレン等の重合触媒とし
てチタノセンのようなメタロセン化合物が用いられてい
るが、このメタロセン化合物は、光重合において増感剤
と共に使用することを除けば、このメタロセン化合物は
α-オレフィン以外のモノマーの重合触媒として使用す
ることはほとんど知られていない。特開平9-5996号公報
には、付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を少な
くとも1個有する化合物並びに光重合開始系としてチタ
ノセン化合物および該チタノセン化合物を増感し得る増
感剤とを含む光重合組成物において、該組成物がさら
に、複素環式チオール化合物を含有するものである光重
合性組成物の発明が開示されている。この公報に開示さ
れている発明では、チタノセン化合物は光重合触媒とし
て使用されているのであり、チタノセン化合物を塊状重
合の触媒として使用することに関する記載はない。ま
た、この公報に記載されている複素環式チオール化合物
は、可視光増感剤である。
【0013】一般に、チタノセン化合物のようなメタロ
セン化合物において、硫黄含有化合物は、メタロセン化
合物の触媒作用を低減させる化合物であり、上記のよう
に可視光増感剤のような特定の作用効果を示す化合物と
して硫黄含有化合物を使用することは触媒としてのメタ
ロセン化合物の使用に際しては極めて例外的な使用方法
である。即ち、一般には硫黄含有化合物は、触媒として
のメタロセン化合物に対しては触媒毒となる化合物であ
り、従って、硫黄化合物を、メタロセン化合物を触媒と
する反応系に添加されることは好ましくないとされてい
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、乳化
剤又は分散剤などを含まず、分子末端に溶剤化合物残基
やアゾ系及び過酸化物系などの従来公知の開始剤残基が
無く、分子末端が確実に重合性不飽和基であるアクリル
系重合体を提供することである
【0015】
【課題を解決する手段】本発明の重合性不飽和基を分子
末端に有するアクリル系重合体は、重合開始剤として分
子内にチオール基及び水酸基を有する化合物を用いた塊
状重合により得られるアクリル系プレポリマーと、分子
内にカルボキシル基及び重合性不飽和基を有する化合物
とを用い、それらを反応させることにより得られるが、
アクリル系プレポリマーを調製する際に、重合開始剤と
して分子内にチオール基及び水酸基を有する化合物を用
いることにより、得られる重合体の分子末端に従来公知
のアゾ系開始剤又は過酸化物形開始剤に由来する開始剤
残基を有することなく、窒素雰囲気下での塊状重合であ
るため、重合体が着色したり、乳化重合及び懸濁重合に
おける乳化剤又は分散剤を含まず、溶液重合における溶
剤化合物残基が分子末端に導入されることがない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明による分子末端に重
合性不飽和基を有することを特徴とするアクリル系重合
体の実施の形態について説明する。本発明によるこのア
クリル系重合体は、不活性ガス雰囲気下に、重合開始剤
として分子内にチオール基及び水酸基を有する化合物を
用いて、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分
とする重合性単量体を塊状重合させてなり、GPCによ
る数平均分子量が500以上100,000以下である
アクリル系プレポリマーと、分子内にカルボキシル基及
び重合性不飽和基を有する化合物とを反応させて得られ
る。
【0017】前記のアクリル系プレポリマーは、不活性
ガス雰囲気下に、重合開始剤として分子内にチオール基
及び水酸基を有する化合物を用いて、(メタ)アクリル
酸アルキルエステルを主成分とする重合性単量体を塊状
重合させて得られる。
【0018】この塊状重合の開始剤に用いる化合物は、
分子内にチオール基及び水酸基を有している。具体的に
は、メルカプトメタノール、1-メルカプトエタノール、
1-メルカプトプロパノール、1-メルカプト-2,3-プロパ
ンジオール,1-メルカプト-2-ブタノール、1-メルカプ
ト-2,3-ブタンジオール、1-メルカプト-3,4-ブタンジオ
ール,1-メルカプト-3,4,4’-ブタントリオール、2-メ
ルカプト-3-ブタノール、2-メルカプト-3,4-ブタンジオ
ール、2-メルカプト-3,4,4’-ブタントリオール等を挙
げることができる。
【0019】前記重合開始剤である分子内にチオール基
及び水酸基を有する化合物は、後述するアクリル系単量
体100モルに対して、0.01〜100モル、好まし
くは、0.1〜50モル添加する。
【0020】また、前記重合開始剤である分子内にチオ
ール基及び水酸基を有する化合物の重合開始剤効率を上
げるために、次式[I]で表される有機金属化合物を重
合系に添加することが好ましい。前記有機金属化合物
は、重合開始剤である分子内にチオール基及び水酸基を
有する化合物の分解触媒として作用する。
【化3】 ただし、上記式[I]において、Mは、周期律表4A
族、4B族、5A族、5B族の金属、クロム、ルテニウ
ムおよびパラジウムよりなる群から選ばれる金属であ
る。具体的にはMは、チタン、ジルコニウム、クロム、
ルテニウム、バナジウム、パラジウム、錫などである。
また、式[I]において、R1およびR2は、それぞれ
独立に、置換基を有することもある脂肪族炭化水素基、
置換基を有することもある脂環族炭化水素基、置換基を
有することもある芳香族炭化水素基、置換基を有するこ
ともあるケイ素含有基よりなる群から選ばれる少なくと
も一種の基、水素原子または単結合のずれかであるさら
に、R1およびR2が共同して該2個の5員環を結合し
ていてもよく、また、複数の隣接するR1またはR2
は、共同して環状構造を形成していてもよい。また、式
[I]において、およびbは、それぞれ独立に、1〜4
の整数であり、Xは塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン
原子または水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子で
置換されていることもある炭化水素基であり、nは0ま
たは金属Mの価数−2の整数である。このような有機金
属化合物の例としては、ジシクロペンタジエン-Ti-ジ
クロライド、ジシクロペンタジエン-Ti-ビスフェニ
ル、ジシクロペンタジエン-Ti-ビス-2,3,4,5,6- ペン
タフルオロフェニ-1-イル、ジシクロペンタジエン-Ti
-ビス-2,3,5,6- テトラフルオロフェニ-1-イル、ジシク
ロペンタジエン-Ti-ビス-2,5,6- トリフルオロフェニ
-1-イル、ジシクロペンタジエン-Ti-ビス-2,6- ジフ
ルオロフェニ-1-イル、ジシクロペンタジエン-Ti-ビ
ス-2,4- ジフルオロフェニ-1-イル、ジメチルシクロペ
ンタジエニル-Ti-ビス-2,3,4,5,6-ペンタフルオロフ
ェニ-1-イル、ジメチルシクロペンタジエニル-Ti-ビ
ス-2,3,5,6-テトラフルオロフェニ-1-イル、ジメチルシ
クロペンタジエニル-Ti-ビス-2,6-ジフルオロフェニ-
1-イル、ジメチルシクロペンタジエニル-Ti-ビス-2,6
-ジフルオロ-3-(ピル-1-イル)-フェニ-1-イルのような
チタノセン化合物;ジシクロペンタジエニル-Zr-ジク
ロライド、ジメチルシクロペンタジエニル-Zr-ジクロ
ライドのようなジルコノセン化合物;及びルテノセン化
合物、クロモノセン化合物などを挙げることができる。
これらの有機金属化合物は単独であるいは組み合わせて
使用することができる。
【0021】この有機金属化合物は、前記分子内にチオ
ール基及び水酸基を有する化合物100モルに対して、
通常は0.1〜0.00001モル、好ましくは0.0
1〜0.0001モルの量で使用される。0.0000
1モル未満では、開始剤であるチオール基及び水酸基を
有する化合物に対する触媒としての効果が低く、1.0
モルを超えると、製造コストが高くなり好ましくない。
【0022】さらに、前記分子内にチオール基及び水酸
基を有している化合物の中で、水酸基が2級水酸基であ
る次式[II]で表される化合物は、単独での重合開始剤
能が高く好ましい。
【化4】 但し、上記式[II]において、R3〜R7は、それぞれ
独立に、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基であ
り、R8は、水酸基、炭素数1〜12のアルコキシ基及
び炭素数1〜12のアルキル基よりなる群から選ばれる
少なくとも1つの基である。
【0023】前記アクリル系プレポリマーを調製するた
めに使用するアクリル系単量体は、(メタ)アクリル酸
アルキルエステルを主成分としている。(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシル、(メタ)
アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メ
タ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル等
が挙げられる。
【0024】本発明で使用するアクリル系単量体は、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1種類の単量体
でも良いが、2種類以上の単量体を組合わせても良い。
更に、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの以外の単
量体を組合わせても良く、例えば以下に示す単量体を挙
げることができる。(メタ)アクリル酸および(メタ)
アクリル酸アルカリ金属塩などの塩;(メタ)アクリル
酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジルのような(メ
タ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸
メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、
(メタ)アクリル酸プロポキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシプロ
ピルのような(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル;
エチレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、
ジエチレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステ
ル、トリエチレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エ
ステル、ポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリル
酸エステル、プロピレングリコールのジ(メタ)アクリ
ル酸エスエル、ジプロピレングリコールのジ(メタ)ア
クリル酸エスエル、トリプロピレングリコールのジ(メ
タ)アクリル酸エステルのような(ポリ)アルキレング
リコールのジ(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)ア
クリロニトリル;酢酸ビニル;塩化ビニル;塩化ビニリ
デン;(メタ)アクリル酸-2-クロロエチルのようなハ
ロゲン化ビニル化合物;(メタ)アクリル酸シクロヘキ
シルのような脂環式アルコールの(メタ)アクリル酸エ
ステル;2-ビニル-2-オキサゾリン、2-ビニル-5-メチル
-2-オキサゾリン、2-イソプロペニル-2-オキサゾリンの
ようなオキサゾリン基含有重合性化合物;(メタ)アク
リロイルアジリジン、(メタ)アクリル酸-2-アジリジ
ニルエチルのようなアジリジン基含有重合性化合物;ア
リルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジ
ルエーテル、(メタ)アクリル酸-2-エチルグリシジル
エーテルのようなエポキシ基含有ビニル単量体;(メ
タ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸-3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-2-ヒ
ドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸-4-ヒドロキシ
ブチル、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール
またはポリエチレングリコールとのモノエステル、ラク
トン類と(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチルとの
付加物のようなヒドロキシル基含有ビニル化合物;フッ
素置換(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の含フッ
素ビニル単量体;(メタ)アクリル酸を除く、イタコン
酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸のような不飽和
カルボン酸、これらの塩並びにこれらの(部分)エステ
ル化合物および酸無水物;2-クロルエチルビニルエーテ
ル、モノクロロ酢酸ビニルのような反応性ハロゲン含有
ビニル単量体;(メタ)アクリルアミド、N−メチロー
ル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メ
タ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アク
リルアミドのようなアミド基含有ビニル単量体;ビニル
トリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、トリメト
キシシリルプロピルアリルアミン、2-メトキシエトキシ
トリメトキシシランのような有機ケイ素基含有ビニル化
合物単量体;ならびに、エチルデンノルボルネン、ピペ
リジン、イソプレン、ペンタジエン、ビニルシクロヘキ
セン、クロロプレン、ブタジエン、メチルブタジエン、
シクロブタジエン、メチルブタジエンのようなジエン化
合物。が挙げられる。
【0025】さらに、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリル酸エステルのような多価(メタ)アクリル
酸エステル、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ
(メタ)アクリレート、2,2-ビス[4-((メタ)アクリ
ロキシエトキシ)フェニル]プロパン等のような分子内
に重合性不飽和基を2個以上有する単量体を組み合わせ
て、多分岐構造の重合体としても良い。
【0026】前記アクリル系プレポリマーは、不活性ガ
ス雰囲気下に、重合開始剤として前記分子内にチオール
基及び水酸基を有する化合物を用いて、前記(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルを主成分とする重合性単量体
を塊状重合させてえられるが、GPCによる数平均分子
量が500以上100,000以下である必要があり、
500〜10,000であることが好ましい。数平均分
子量が500未満であると、1分子中に含まれるアクリ
ル骨格の含有率が低く、(メタ)アクリル骨格特有の性
質が発現せず、前記化合物(b)と反応させる際に、結
晶性の増大のために析出現象を招いたり、前記化合物
(b)と反応させた後、前記化合物(c)との反応させ
る場合において、その析出現象のために反応率の低下を
招きやすい。さらに、数平均分子量が100,000を
超えると、前記化合物(b)、前記化合物(c)との反
応の際に、粘度の上昇及び流動性の低下等により作業性
が低下すると共に、反応率の低下を引き起こしやすい。
【0027】本発明で使用する分子内にカルボキシル基
及び重合性不飽和基を有する化合物の重合性不飽和基と
しては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリール
基等であり、具体的な化合物としては、(メタ)アクリ
ル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸
等が挙げられる。
【0028】本発明で使用する分子内にカルボキシル基
及び重合性不飽和基を有する化合物は、前記アクリル系
プレポリマー中のアクリル系プレポリマー中に存在する
水酸基100モルに対して、カルボキシル基が通常は1
00〜120モル、好ましくは105〜115モルとな
るような量で使用される。
【0029】前記アクリル系プレポリマーと前記分子内
にカルボキシル基と重合性不飽和基を有する化合物との
反応は、従来公知のエステル化反応を利用すれば良い。
より具体的には、パラトルエンスルホン酸又は硫酸等の
酸性触媒下、ベンゼン又はトルエン等の水と共沸して留
去される有機溶媒の存在下で行う。エステル化終了後、
中和、水洗、溶媒留去などを行うことにより、不純物を
除去できる。
【0030】本発明の分子末端に重合性不飽和基を有す
るアクリル系重合体は、この重合体が粘稠な液体であ
り、重合性不飽和基を有することから、例えば、粘着
剤、接着剤、塗料用ビヒクル、プライマー用樹脂、イン
キ用バインダー、セメントやモルタル、金属、ガラス等
の無機材料表面の被覆コーティング樹脂、シート成形品
(例;通気性シート、保護シート、遮水シート、制振シ
ート、転写シート、調光シート、帯電防止シート、導電
シート、養生シート、遮音シート、遮光シート、化粧シ
ート、マーキングシート、難燃シート)、フィルム成形
品(例;マーキングフィルム、保護フィルム、インキ定
着フィルム、ラミネートフィルム)、発泡体(硬質発泡
体、軟質発泡体、半硬質発泡体、難燃発泡体などを含
む)、反応性可塑剤、可塑剤、希釈剤、相溶化剤、UV
硬化型樹脂用のバインダー及び反応性希釈剤、ラジカル
硬化シロップ型トラフィックペイント用バインダー樹脂
及び希釈剤、中間原料として、ビニル系樹脂合成時のグ
ラフト化剤やブロック化剤、NBR、IIR、SBRな
どのゴム用変性剤及び架橋剤、改質剤用原料、マクロマ
ーとしての各種ブロックポリマーなどの樹脂用原料また
は、改質用原料、添加剤、更には、繊維改質剤、繊維表
面処理剤、紙加工剤、紙改質剤、界面活性剤、分散安定
剤、分散媒、溶剤、粘度調整剤、吸着剤、毛髪処理剤、
トナー用添加剤、帯電制御剤、帯電防止剤、低収縮剤、
防曇剤、防汚剤、親水性付与剤、親油性付与剤、医薬担
体、農薬用担体、化粧品用配合剤、滑剤、ポリマーアロ
イ用添加剤、ゲルコート剤、FRP用樹脂、FRP樹脂
用添加剤、人工大理石用樹脂、人工大理石用樹脂添加
剤、注入成型品用樹脂、UV・EV硬化樹脂用原料、粘
着付与剤、各種バインダー(例;磁気記録媒体用バイン
ダー、鋳造用バインダー、焼成体用バインダー、グラス
ファイバーサイジング材用バインダー)、RIM用ウレ
タン改質剤、合わせガラス用樹脂、制振材、遮音材、分
離膜用樹脂、防音材、吸音材、人工皮革、人工皮膚、合
成皮革、各種工業用部品、日用品、トイレタリー用成型
品、レジスト材用バインダー、レジスト材用添加剤、レ
ジスト材用希釈剤、レジスト剤、フォトレジスト材用添
加剤、希釈剤、バインダーその他、離型調整剤などで利
用することが出来る。
【0031】
【実施例】以下に、実施例によって本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明は、これら実施例によって限定さ
れるものではない。
【0032】アクリル系プレポリマーの製造
【製造例1】撹拌装置、窒素導入管、温度計及び還流冷
却管を備えたフラスコに、ブチルアクリレート90重量
部、2-ヒドロキシメチルメタクリレート10重量部、お
よびルテノセンジクロライド0.1重量部を仕込みフラ
スコ内に窒素ガスを導入しながらフラスコの内容物を8
0℃に加熱した。
【0033】ついで、十分に窒素ガス置換した2-メルカ
プトエタノール10重量部を撹拌下にフラスコ内に添加
した。フラスコ内の内容物の温度が80℃に維持できる
ように、加熱及び冷却を4時間行った。さらに、十分に
窒素ガス置換した2-メルカプトエタノール10重量部を
撹拌下のフラスコ内に追加添加した後、フラスコ内の内
容物の温度が90℃に維持できるように、さらに加熱及
び冷却を行いながら、反応を4時間行った。
【0034】上記反応後、反応物の一部を採取して、ベ
ンゾキノン溶液(95%THF溶液)を添加し、モノマ
ー残存率をガスクロマトグラフィーを用いて測定したと
ころ、重合率は78%であった。
【0035】つづいて得られた反応物に、ラジカル重合
開始剤としてベンゾイルパーオキサイド0.1重量部を
添加して未反応モノマーを重合させた後、反応物をエバ
ポレーターに移し、減圧下に80℃まで徐々に加熱しな
がら残存モノマー及び残存開始剤を除去した。
【0036】こうして得られたアクリル系プレポリマー
(A)の150℃加熱残分は96.3%であった。ま
た、得られたアクリル系プレポリマー(A)についてゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によ
り測定した分子量は、Mw=950、Mn=650、分
散指数=1.5であり、23℃における粘度は、0.8
5(Pa・s)であった。
【0037】
【製造例2】撹拌装置、窒素ガス導入管、温度計及び還
流冷却管を備えたフラスコに、ブチルアクリレート10
0重量部を仕込みフラスコ内に窒素ガスを導入しながら
フラスコの空気を窒素ガスで置換した。さらに、窒素ガ
スを導入しながらフラスコの内容物を60℃に加熱し
た。
【0038】ついで、重合開始剤として、十分に窒素ガ
ス置換した1-メルカプト-2,3-プロパンジオール6重量
部を攪拌下のフラスコ内に添加した。フラスコ内の内容
物の温度が60℃に維持できるように、加熱及び冷却を
4時間行った。
【0039】上記反応後、反応物の一部を採取して、ベ
ンゾキノン溶液(95%THF溶液)を添加し、モノマ
ー残存率をガスクロマトグラフィーを用いて測定したと
ころ、重合率は75%であった。つづいて、得られた反
応物をエバポレーターに移し、減圧下に80℃まで徐々
に加熱しながら残存モノマー及び残存開始剤を除去し
た。
【0040】こうして得られたアクリル系プレポリマー
(B)の150℃加熱残分は99.6%であった。ま
た、得られたアクリル系プレポリマー(B)についてゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によ
り測定した分子量は、Mw=3400、Mn=170
0、分散指数=2.0であり、23℃における粘度は、
2.6(Pa・s)であった。
【0041】
【比較製造例1】撹拌装置、窒素ガス導入管、温度計及
び還流冷却管を備えたフラスコに、ブチルアクリレート
90重量部、及び、2-ヒドロキシメチルメタクリレート
10重量部を仕込み、フラスコ内に窒素ガスを導入しな
がらフラスコの内容物を80℃に加熱した。
【0042】ついで、撹拌下に2-メルカプトエタノール
18重量部を添加し、つづいてラジカル重合開始剤とし
て、アゾビスイソブチロニトリル0.1重量部及び2-メ
ルカプトエタノール2重量部をフラスコ内に1時間かけ
て徐々に添加した。その添加後、フラスコ内の内容物の
温度が80℃に維持できるように、冷却及び加熱を行い
ながら、反応を7時間行った。
【0043】上記の反応を計8時間行った後、反応物の
一部を採取して、ベンゾキノン溶液(95%THF溶
液)を添加し、モノマー残存率をガスクロマトグラフィ
ーを用いて測定したところ、重合率は87%であった。
つづいて、得られた反応物をエバポレーターに移し、減
圧下に80℃まで徐々に加熱しながら残存モノマー及び
残存開始剤を除去した。
【0044】こうして得られたアクリル系プレポリマー
(C−1)の150℃加熱残分は96.3%であった。
また、アクリル系プレポリマー(C−1)についてGP
Cにより測定した分子量は、Mw=930、Mn=61
0、分散指数=1.5であり、23℃における粘度は、
0.80(Pa・s)であった。
【0045】
【実施例1】撹拌装置、乾燥窒素ガス導入管、温度計、
モレキュラーシーブを装着した還流冷却管、滴下ロート
及び分留コンデンサーを備えたフラスコに、製造例1で
得られたアクリル系プレポリマー(A)100重量部、
トルエン10重量部、濃硫酸1重量部及びモノエチルヒ
ドロキノン0.5重量部を仕込み、フラスコ内の空気を
乾燥窒素ガスで置換しながら100℃に加熱した。
【0046】つづいて、フラスコの内容物を100℃に
保ちながら、メタクリル酸26重量部を2時間かけて滴
下した。滴下終了後、減圧下に100℃に保ち、トルエ
ン及び縮合水を反応系外に共沸分留しながら、エステル
化反応を行った。
【0047】エステル化反応終了後、フラスコの内容物
を40℃まで冷却し、3%炭酸ナトリウム水溶液で洗浄
し、さらに水洗を2回行った。ついで、フラスコの内容
物をエバポレーターに移し、減圧下100℃まで徐々に
加熱しながら、残留水分及びトルエンを留去し、重合性
不飽和基を分子末端に有するアクリル系重合体(1)を
得た。
【0048】得られたアクリル系重合体(1)は、23
℃における粘度が0.53(Pa・s)であった。こう
して得られたアクリル系重合体(1)中の残留水酸基を
FT−IR(フーリエ変換赤外吸収スペクトル)で調べ
たところ、水酸基に起因する吸収は完全に消失してお
り、アクリル酸に由来するアクリロイル基が観察され
た。
【0049】
【実施例2】アクリル系プレポリマー(A)の代わり
に、製造例2で得られたアクリル系プレポリマー(B)
100重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にし
て、重合性不飽和基を分子末端に有するアクリル系重合
体(2)を得た。
【0050】得られたアクリル系重合体(2)は、15
0℃における加熱残分が99.8%であり、23℃にお
ける粘度が1.2(Pa・s)であった。こうして得ら
れたアクリル系重合体(2)をFT−IR(フーリエ変
換赤外吸収スペクトル)で調べたところ、水酸基に起因
する吸収は完全に消失しており、アクリル酸に由来する
アクリロイル基が観察された。
【0051】
【比較例1】アクリル系プレポリマー(A)の代わりに
比較製造例1得られたアクリル系プレポリマー(C−
1)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、重合性
不飽和基を分子末端に有するアクリル系重合体(3)を
得た。
【0052】得られた重合性不飽和基を分子末端に有す
るアクリル系重合体(3)は、150℃における加熱残
分が99.4%であり、23℃における粘度が0.48
(Pa・s)であった。こうして得られたアクリル系重
合体(3)をFT−IR(フーリエ変換赤外吸収スペク
トル)で調べたところ、水酸基に起因する吸収は完全に
消失しており、アクリル酸に由来するアクリロイル基も
観察された。
【0053】
【参考例1】容量200ミリリットルのビーカーにアク
リル系重合体(1)100重量部と、開始剤として1,1,
3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノ
エート(商品名:パーオクタO、日本油脂(株)社製)
0.1重量部を配合して、ビーカー内の内容物が均一に
なるまでミキサーにて十分に撹拌混合した。得られた配
合物をポリエチレン製フィルム(膜厚50μm)にバー
コーダーを用いて、塗布厚50μmに塗布し、その上に
ポリエチレン製フィルム(膜厚50μm)を被せた。こ
れを120℃の乾燥機内にて60分間放置させ、膜化物
(1)を得た。得られた膜化物(1)について、アセト
ン溶媒を用いたソックスレー抽出を行い、ゲル分率
(%)を調べたところ81%であった。
【0054】
【参考例2】参考例1において、アクリル系重合体
(2)を使用したこと以外は同様にして、膜化物(2)
を得た。得られた膜化物(2)のゲル分率を調べたとこ
ろ89%であった。
【0055】
【比較参考例1】参考例1において、アクリル系重合体
(3)を使用したこと以外は同様にして、膜化物(3)
を得た。得られた膜化物(3)のゲル分率を調べたとこ
ろ46%であり、膜化物(1)と比較するとかなり低い
値を示した。これは、アクリル系重合体(3)と比較し
てアクリル系重合体(1)の方が、1分子中に含まれる
重合性不飽和基が多いことを意味している。
【0056】
【発明の効果】本発明の重合性不飽和基を分子末端に有
するアクリル系重合体は、乳化剤又は分散剤などを含ま
ず、分子末端に溶剤化合物残基やアゾ系及び過酸化物系
などの従来公知の開始剤残基が無く、分子末端に確実に
重合性不飽和基が導入されている。
【0057】また、本発明の重合性不飽和基を分子末端
に有するアクリル系重合体は、無溶剤で粘調な液体とし
て得られるプレポリマー使用することにより、そのプレ
ポリマーに重合性不飽和基を導入する際に、必ずしも溶
剤除去をする必要が無いため、分子末端が十分に制御さ
れた重合体となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J011 FA05 FB20 4J015 DA07 DA08 DA09 DA33 EA02 4J100 AB16Q AC03Q AC04Q AE09Q AG04Q AG08Q AJ01Q AJ08Q AJ09Q AK00Q AK08Q AK31Q AL03P AL04P AL05P AL08Q AL09Q AL62Q AL63Q AL66Q AM02Q AM15Q AM21Q AN05Q AP16Q AQ15Q AS01Q AS03Q AS04Q AU21Q BA02Q BA03Q BA04Q BA05Q BA06Q BA08Q BA21Q BA77Q BB01Q BB07Q BC04Q BC12Q BC43Q BC65Q CA01 CA04 DA01 FA03 FA08 FA18 HA11 HB52 HC29 HC30 HE07 HE14 JA01 JA03 JA05 JA11 JA15

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不活性ガス雰囲気下に、重合開始剤として
    分子内にチオール基及び水酸基を有する化合物を用い
    て、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とす
    る重合性単量体を塊状重合させてなり、GPCによる数
    平均分子量が500以上100,000以下であるアク
    リル系プレポリマーと、分子内にカルボキシル基及び重
    合性不飽和基を有する化合物とを、反応させてなること
    により分子末端に重合性不飽和基を有することを特徴と
    するアクリル系重合体。
  2. 【請求項2】前記分子内にカルボキシル基及び重合性不
    飽和基を有する化合物のカルボキシル基のモル数が、前
    記アクリル系プレポリマーの水酸基のモル数100モル
    に対して、100〜120モルであることを特徴とする
    請求項1に記載のアクリル系重合体。
  3. 【請求項3】前記塊状重合が、下記[I]式で表される
    金属化合物であって、 【化1】 上記[I]式において、Mは、周期律表4A族、4B
    族、5A族、5B族の金属、クロム、ルテニウム及びパ
    ラジウムよりなる群から選ばれる金属であり、R1およ
    びR2は、それぞれ独立に、置換基を有することもある
    脂肪族炭化水素基、置換基を有することもある脂環式炭
    化水素基、置換基を有することもある芳香族炭化水素基
    および置換基を有することもあるケイ素含有基よりなる
    群から選ばれる少なくとも一種の基、若しくは、水素原
    子または単結合のいずれかであり、さらに、R1および
    R2が共同して上記式[I]で表される化合物中の2個
    の5員環を結合していてもよく、また、複数の隣接する
    R1またはR2は、共同して環状構造を形成していても
    よく、aおよびbは、それぞれ独立に、1〜5の整数で
    あり、Xは水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子で
    置換されていることもある炭化水素基またはハロゲン原
    子であり、nは0または金属Mの価数−2の整数であ
    る、を重合開始剤の触媒として用いることを特徴とする
    請求項1に記載のアクリル系重合体。
  4. 【請求項4】前記重合開始剤が、下記[II]式で表さ
    れ、 【化2】 上記[II]式において、R3〜R7は、それぞれ独立
    に、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基であり、
    R8は、水酸基、炭素数1〜12のアルコキシ基及び炭
    素数1〜12のアルキル基よりなる群から選ばれる少な
    くとも1つの基である、ことを特徴とするする請求項1
    〜3のいずれかに記載のアクリル系重合体。
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