JP2003048881A - キナゾリノンを用いた方法並びに組成 - Google Patents

キナゾリノンを用いた方法並びに組成

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】新規な有糸分裂化学療法剤の発見ならびに、開
発における魅力的なターゲットである有糸分裂キネシン
KSPの阻害に有用な方法ならびに組成を提供する。 【解決手段】式(1a)のス−アミドアルキル置換キナ
ゾリノン、式(1b)の2−アミノアルキル置換キナゾ
リノン、式(1c)の2−スルホンアミド置換キナゾリ
ノン、式(1d)の2−アミノアルキル置換キナゾリノ
ン化合物、同化合物によるKSPキネシンの阻害方法及
びKSPキネシンモジュレーターならびにKSPキネシ
ンに結合する化合物をスクリーニングする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は、有糸分裂キネシンKSPの阻害
剤であり、ガン、異常増殖、再狭窄、心臓肥大、免疫異
常、炎症等の細胞増殖性疾患の治療に有用であるキナゾ
リノン誘導体に関する。
【0002】
【発明の背景】抗マラリア性を有していることで知られ
ているアジアの植物から、キナゾリンアルカロイドであ
る3-[s-ケト-ガンマ-(3-ヒドロキシ-2-ピペリジル)-プ
ロピル]-4-キナゾロンの構造が明らかになったことによ
り、1950年代初めに、キナゾリン誘導体の医薬品化
学に関する関心が高まった。更なる抗マラリア剤を捜し
求めて、様々な置換キナゾリンが合成された。特に重要
なのは、2-メチル-3-o-トリル-4-(3H)-キナゾリノン誘
導体の合成であった。メタカロンとという名前で知られ
ているこの化合物は、マラリア原虫に対しては効果がな
かったが、強力な催眠剤であることがわかった。
【0003】メタカロンの導入と、その催眠効果の発見
以来、キナゾリノン系の化合物の薬理作用が研究されて
きた。現在では、キナゾリノン並びにその誘導体に、催
眠、鎮静、鎮痛、抗痙攣、鎮咳、抗炎症作用等の、幅広
い生物学的特性があることがわかっている。
【0004】キナゾリノン誘導体の生物学的利用に関し
ては、様々な記載がなされている。例えば、米国特許5,
147,875号には、気管支拡張作用を有する2-(置換フェニ
ル)-4-オキソキナゾリンが記載されている。また、米国
特許3,723,432号, 3,740,442号および3,925,548号に
は、抗炎症剤として有用な1-置換-4-アリール-2(lH)-キ
ナゾリノン誘導体類が記載されている。さらに、ヨーロ
ッパ特許公報EP 0 056 637 B1には、高血圧の治療に用
いられる。4(3H)-キナゾリノン誘導体類が記載されてい
る。ヨーロッパ特許公報EP 0 884 319 Al には、神経変
性、精神異常、麻薬およびアルコールによって引き起こ
される中枢神経系ならびに末梢神経系異常の治療に用い
られるキナゾリン-4-オン誘導体の薬剤組成が記載され
ている。
【0005】キナゾリノンは、ガンを含む細胞増殖性異
常の治療に用いられる、増え続ける治療薬の一種であ
る。例えば、PCT WO 96/06616には、血管滑面細胞
増殖を阻害するキナゾリノン誘導体を含む薬剤組成が記
載されている。PCT WO 96/19224では、これと同じキナ
ゾリノン誘導体を用いて、糸球体間質細胞増殖を阻害す
る。米国特許4,981,856号、5,081,124号および5,280,02
7号では、キナゾリノン誘導体を用いて、デオキシウリ
ジン1リン酸のメチル化を触媒し、DNA合成に必要なチ
ミジン1リン酸を生成する酵素である、チミジル酸生成
酵素を阻害する。米国特許5,747,498号および5,773,476
号では、チロシンレセプターキナーゼの過剰活性あるい
は不適当な活性を特徴とするガンの治療にキナゾリノン
誘導体を用いている。米国特許5,037,829号では、(1H-
アゾ-l-イルチル)置換キナゾリン組成を、上皮細胞に
生じるガンの治療に用いている。PCT WO 98/34613
は、新血管形成を軽減し、悪性腫瘍を治療するのに有用
なキナゾリノン誘導体を含む組成を記載している。米国
特許5,187,167号は、抗腫瘍活性を有するキナゾリン-4-
オン誘導体を含む薬剤組成を記載している。
【0006】ガンの治療に用いられる他の治療薬には、
タキサンやビンカ・アルカロイドがある。タキサンおよ
びビンカ・アルカロイドは、様々に細分化された細胞組
織中に存在する微小管に作用する。微小管は、有糸分裂
紡錘体の主要構成要素である。有糸分裂紡錘体は、細胞
分裂により生じた2つの娘細胞の各々に、ゲノムの複製
を分配する役割を果たす。これらの薬剤で有糸分裂紡錘
体が破壊されることにより、ガン細胞の分裂を阻害し
て、ガン細胞死を誘発する、と推測される。一方、微小
管は、神経処理プロセスにおける細胞内輸送の経路を含
む、他の細胞組織を形成する。これらの薬剤は、有糸分
裂紡錘体を特異的に標的とするわけではないため、副作
用があり、その効果は限られたものである。
【0007】ガンの治療に用いられる薬剤の投与による
副作用を軽減することが可能になれば、治療上大きな意
味を持つため、これらの薬剤の特異性を向上させること
に多大なる関心が集まっている。従来、ガン治療の目覚
しい進歩は、新規な機構で作用する治療薬の開発に結び
ついてきた。この例として、タキサンやカンプトセシン
類のトポイソメラーゼI阻害剤が挙げられる。このよう
な観点から、有糸分裂キネシンは、新しい抗がん剤とし
て魅力的な標的である。
【0008】有糸分裂キネシンは、有糸分裂紡錘体の組
み立てと機能に不可欠な酵素であるが、神経処理プロセ
ス等においては、通常、他の微小管組織のようには働か
ない。有糸分裂キネシンは、有糸分裂のすべての段階で
本質的な役割を果たす。この酵素は、ATPの加水分解に
より放出されるエネルギーを、微小管に沿った細胞運搬
の指向性移動を推進する物理的な力に変換する「分子モ
ータ」である。この仕事に十分な触媒領域は、約340
個のアミノ酸からなる小さな組織である。有糸分裂の
間、キネシンは、微小管を組織化し、有糸分裂紡錘体で
ある双極性構造を形成する。キネシンは、紡錘体微小管
に沿った染色体の移動と、有糸分裂の所定の段階に結び
ついた有糸分裂紡錘体における構造変化とを仲介する。
有糸分裂キネシン機能を実験的に混乱させることによ
り、有糸分裂紡錘体の奇形や機能障害が引き起こされ、
場合によっては、その結果、細胞周期の停止や細胞死が
起こる。
【0009】KSPは、同定されている有糸分裂キネシン
の一種である。KSPは、逆行性ホモ二量体からなる双極
性ホモ四量体を構成するプラス端指向性微小管モータの
進化保存キネシン亜属に属する。有糸分裂の間、KSP
は、有糸分裂紡錘体の微小管に結合する。KSPに対する
抗体をヒト細胞中にマイクロインジェクションすること
により、前中期における紡錘体の極分離を妨げ、その結
果、単極性紡錘体が形成され、有糸分裂を停止させ、プ
ログラムされた細胞死を誘発する。KSP並びにヒト以外
の生物の体内に存在するキネシンは、逆行性微小管をた
ばねて、互いに滑走させて、紡錘体の2つの極を分離さ
せる。KSPは、さらに、後期Bにおいて、紡錘体の伸張
を仲介し、紡錘体極に微小管を集める役割を果たすと考
えられる。
【0010】ヒトKSP(HsEg5とも称する)は、[Blangy, e
t al., Cell, 83:1159-69 (1995);Whitehead, et al.,
Arthritis Rheum., 39:1635-42 (1996); Galgio et a
l., J. Cell Biol., 135:339-414 (1996); Blangy, et
al., J Biol. Chem., 272:19418-24 (1997); Blangy,
et al., Cell Motil Cytoskeleton, 40:174-82 (1998);
Whitehead and Rattner, J. Cell Sci., 111:2551-61
(1998); Kaiser, et al., JBC 274:18925-31 (1999); G
enBank受理番号: X85137, NM004523 and U37426]に記
載され、また、KSP遺伝子フラグメント(TRIP5)に関して
は、[Lee, et al., Mol Endocrinol., 9:243-54 (199
5); GenBank受理番号: L40372] に記載されている。
さらに、ゼノプス(ツメガエル属のカエル)KSP同族体
(Eg5)並びにショウジョウバエKLP61 F/KRP1 30に関して
も報告されている。
【0011】有糸分裂キネシンは、新規な有糸分裂化学
療法剤の発見並びに開発における魅力的なターゲットで
ある。従って、本発明は、有糸分裂キネシンKSPの阻害
に有用な方法並びに組成を提供することを目的とする。
【0012】
【発明の概要】上記の目的に従い、本発明は、増殖性細
胞疾患の治療に利用可能な組成並びに方法を提供する。
この組成とは、KSP阻害剤、特にヒトKSP阻害剤である。
【0013】本発明は、KSPキネシンを阻害するための
方法、KSPキネシンの阻害に有用な化合物に関する。本
発明では、以下に示す化合物群から選択される化合物が
用いられる。
【0014】
【化10】
【0015】ここで、R1は、水素、アルキル、アリー
ル、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキルヘテ
ロアリール、置換アルキル、置換アリール、置換アルキ
ルアリール、置換ヘテロアリール、並びに、置換アルキ
ルヘテロアリールから選択され、R2およびR2’は、水
素、アルキル、オキサアルキル、アリール、アルキルア
リール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置
換アルキル、置換アリール、置換アルキルアリール、置
換ヘテロアリール、並びに、置換アルキルヘテロアリー
ルから独立に選択され、あるいは、R2およびR2’は結合
して、3員環ないし7員環を形成し、R3は、水素、アル
キル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、
アルキルヘテロアリール、置換アルキル、置換アリー
ル、置換アルキルアリール、置換ヘテロアリール、置換
アルキルヘテロアリール、オキサアルキル、オキサアル
キルアリール、置換オキサアルキルアリール、R15O-、
並びに、R15-NH-から選択され、R3'は、水素、アルキ
ル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、ア
ルキルヘテロアリール、置換アルキル、置換アリール、
置換アルキルアリール、置換ヘテロアリール、置換アル
キルヘテロアリール、並びに、R15-NH-から選択され、R
3''は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリー
ル、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置換ア
ルキル、置換アリール、置換アルキルアリール、置換ヘ
テロアリール、並びに、置換アルキルヘテロアリールか
ら選択され、R4は、水素、アルキル、アリール、アルキ
ルアリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリー
ル、置換アルキル、置換アリール、置換アルキルアリー
ル、置換ヘテロアリール、置換アルキルヘテロアリー
ル、並びに、R16-アルキレン-から選択され、R5、R6、R
7およびR8は、水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲ
ン、フルオロアルキル、ニトロ、ジアルキルアミノ、ア
ルキルスルフォニル、アルキルスルホンアミド、スルホ
ンアミドアルキル、スルホンアミドアリール、アルキル
チオ、カルボキシアルキル、カルボキサミド、アミノカ
ルボニル、アリール、並びに、ヘテロアリールから独立
に選択され、R15は、アルキル、アリール、アルキルア
リール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置
換アルキル、置換アリール、置換アルキルアリール、置
換ヘテロアリール、並びに、置換アルキルヘテロアリー
ルから選択され、R16は、アルコキシ、アミノ、アルキ
ルアミノ、ジアルキルアミノ、N-ヘテロシクリル、並び
に、置換N-ヘテロシクリルから選択される。
【0016】本発明の化合物を利用した治療に効果があ
る疾患並びに異常には、ガン、異常増殖、再狭窄、心臓
肥大、免疫異常、炎症等が挙げられる。
【0017】本発明は、さらに、KSPキネシンに結合す
る化合物、例えば、本発明の化合物の結合を置換する、
あるいは、結合と競争する化合物をスクリーニングする
方法を提供する。この方法は、標識された本発明の組成
と、KSPキネシンと、少なくとも一つの生体活性物質候
補とを結合させるステップと、KSPキネシンに対する前
記生体活性物質候補の結合を測定するステップと、を備
える。
【0018】また、本発明は、KSPキネシン活性のモジ
ュレーターをスクリーニングする方法を提供する。この
方法は、本発明の組成と、KSPキネシンと、少なくとも
一つの生体活性物質候補とを結合させるステップと、KS
Pキネシン活性対する前記生体活性物質候補の影響を測
定するステップと、を備える。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明は、有糸分裂キネシンのモ
ジュレーターであるキナゾリノン中心構造に基づく、新
規な化合物群に関する。他のキネシン(例えば、輸送キ
ネシン)に影響を与えることなく、有糸分裂キネシンを
阻害あるいは調節することにより、細胞増殖を特異的に
阻害することができる。すなわち、本発明は、有糸分裂
キネシン機能を混乱させることにより、有糸分裂紡錘体
の奇形あるいは機能障害を引き起こし、その結果、細胞
周期を止め、細胞死をもたらすという現象を利用したも
のである。ヒトKSPキネシンを阻害する方法は、本発明
の阻害剤を、KSPのフラグメントと変異体とを含むKSPキ
ネシン、特に、ヒトKSPキネシンに接触させるステップ
を備える。ここで、阻害とは、例えば、KSPキネシンのA
TP加水分解活性の阻害、および/あるいは、紡錘体形成
活性の阻害であり、これにより、有糸分裂紡錘体が破壊
される。あるいは、減数分裂紡錘体を破壊するようにし
てもよい。
【0020】本発明は、細胞増殖に関係する異常の治療
に用いられる、有糸分裂キネシン、特に、KSPの阻害剤
およびモジュレーターを開発することを目的とする。従
来、新しい機構で働く治療薬を同定することにより、一
種の細胞増殖性異常であるガンの治療効果が飛躍的に向
上してきた。これには、例えば、微小管形成過程で作用
すると考えられるタキサン系薬剤のみならず、カンプト
セシン系のトポイソメラーゼI阻害剤も含まれる。本明
細書に記載される組成並びに方法は、異なった選択性を
有し、これらに限定されるものではないが、ガン、異常
増殖、再狭窄、心臓肥大、免疫異常、炎症を含む、細胞
増殖性疾患の治療に好適に用いられる。従って、本発明
は、以下の化合物を用いる方法に関する。式1aに示す
キナゾリノンアミド
【0021】
【化11】
【0022】式1bに示すキナゾリノンスルホンアミド
【0023】
【化12】
【0024】並びに、式1cおよび1dに示すキナゾリ
ノンアミン
【0025】
【化13】
【0026】
【化14】
【0027】ここで、R1は、水素、アルキル、アリー
ル、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキルヘテ
ロアリール、置換アルキル、置換アリール、置換アルキ
ルアリール、置換ヘテロアリール、並びに、置換アルキ
ルヘテロアリールから選択され、R2およびR2’は、水
素、アルキル、オキサアルキル、アリール、アルキルア
リール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置
換アルキル、置換アリール、置換アルキルアリール、置
換ヘテロアリール、並びに、置換アルキルヘテロアリー
ルから独立に選択され、あるいは、R2およびR2’は結合
して、3員環ないし7員環を形成し、R3は、水素、アル
キル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、
アルキルヘテロアリール、置換アルキル、置換アリー
ル、置換アルキルアリール、置換ヘテロアリール、置換
アルキルヘテロアリール、オキサアルキル、オキサアル
キルアリール、置換オキサアルキルアリール、R15O-、
並びに、R15-NH-から選択され、R3'は、水素、アルキ
ル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、ア
ルキルヘテロアリール、置換アルキル、置換アリール、
置換アルキルアリール、置換ヘテロアリール、置換アル
キルヘテロアリール、並びに、R15-NH-から選択され、R
3''は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリー
ル、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置換ア
ルキル、置換アリール、置換アルキルアリール、置換ヘ
テロアリール、並びに、置換アルキルヘテロアリールか
ら選択され、R4は、水素、アルキル、アリール、アルキ
ルアリール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリー
ル、置換アルキル、置換アリール、置換アルキルアリー
ル、置換ヘテロアリール、置換アルキルヘテロアリー
ル、並びに、R16-アルキレン-から選択され、R5、R6、R
7およびR8は、水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲ
ン、フルオロアルキル、ニトロ、ジアルキルアミノ、ア
ルキルスルフォニル、アルキルスルホンアミド、スルホ
ンアミドアルキル、スルホンアミドアリール、アルキル
チオ、カルボキシアルキル、カルボキサミド、アミノカ
ルボニル、アリール、並びに、ヘテロアリールから独立
に選択され、R15は、アルキル、アリール、アルキルア
リール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置
換アルキル、置換アリール、置換アルキルアリール、置
換ヘテロアリール、並びに、置換アルキルヘテロアリー
ルから選択され、R16は、アルコキシ、アミノ、アルキ
ルアミノ、ジアルキルアミノ、N-ヘテロシクリル、並び
に、置換N-ヘテロシクリルから選択される。
【0028】先に示した属並びにその亜属に含まれるす
べての化合物は、キネシン阻害剤として有効であるが、
その化合物がすべて新規な化合物であるわけではない。
特に、尿素類(すなわち、R3がR15NHである化合物)に関
しては、コレシストキニン活性を変える薬剤として、米
国特許5,756,502号に開示されている。特許請求の範囲
から特定の化合物を除外したのは、機能的には発明の概
念の一部であるが、本発明の範囲と無関係な理由で特許
性がない対象に対する主張を避けるという、出願人の意
図によるものである。
【0029】定義 アルキルは、直鎖、分岐、環状炭化水素構造並びにその
組み合わせを含む。低級アルキルは、1ないし5の炭素
原子を含むアルキル基である。低級アルキル基の例とし
ては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、s-およびt-ブチルが挙げられる。アルキル基は、C
20以下であることが望ましい。アルキル基がC13以下で
あることが、さらに望ましい。シクロアルキルは、アル
キルの一種であり、3ないし13の炭素原子を含む環状
炭化水素基を含む。シクロアルキル基の例としては、シ
クロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、ノルボ
ルニル、アダマンチルが挙げられる。また、アルキル
は、アルカニル、アルケニル、並びに、アルキニル残基
を意味し、これには、シクロヘキシルメチル、ビニル、
アリル、イソプレニル等が含まれる。アルキレンは、ア
ルキルと同様の残基を意味するが、二つの結合点を持
つ。アルキレンの例としては、エチレン(-CH2CH2-)、プ
ロピレン(-CH2CH2CH2-)、ジメチルプロピレン(-CH2C(CH
3)2CH2-)、シクロヘキシルプロピレン(-CH2CH2CH(C
6H13)-)が挙げられる。所定数の炭素原子を有するアル
キル残基の名称を挙げた場合には、同数の炭素原子を有
する幾何異性体をすべて含むものとする。例えば、「ブ
チル」には、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、t-ブ
チルが含まれ、「プロピル」には、n-プロピルとイソプ
ロピルが含まれる。
【0030】アルコキシあるいはアルコキシルは、酸素
を介して親構造に結合する、1ないし8の炭素原子を含
む直鎖、分岐、環状構造の基、並びに、それらの組み合
わせを意味する。例としては、メトキシ、エトキシ、プ
ロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピロキシが挙げ
られる。低級アルコキシは、1ないし4の炭素原子を含
む同様の基である。
【0031】アシルは、カルボニル官能基を介して親構
造に結合する、1ないし8の炭素原子を含む直鎖、分
岐、環状構造の基、並びに、飽和、不飽和、芳香族、並
びに、それらの組み合わせを意味する。親構造に対する
結合点がカルボニルのままである限り、アシル残基中の
一つあるいは複数の炭素を、窒素、酸素、あるいは、イ
オウに置き換えたものでもよい。例としては、アセチ
ル、ベンゾイル、プロピオニル、イソブチリル、t-ブト
キシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルが挙げられ
る。低級アシルは、1ないし4の炭素原子を含む同様の
基である。
【0032】アリールおよびヘテロアリールは、O、N、
あるいはSから選択された0ないし3のヘテロ原子を含
む、5員環あるいは6員環の芳香族あるいはヘテロ芳香
族環を意味する。あるいは、O、N、あるいはSから選択
された0ないし3のヘテロ原子を含む、9員環あるいは
10員環のバイサイクリック芳香族あるいはヘテロ芳香
族環系を意味する。また、あるいは、O、N、あるいはS
から選択された0ないし3のヘテロ原子を含む、13員
環あるいは14員環のトリサイクリック芳香族あるいは
ヘテロ芳香族環系を意味する。6員環ないし14員環の
芳香族炭素環の例としては、ベンゼン、ナフタレン、イ
ンダン、テトラリン、フルオレンが挙げられ、5員環な
いし10員環の芳香族ヘテロ環の例としては、イミダゾ
ール、ピリジン、インドール、チオフェン、ベンゾピラ
ノン、チアゾール、フラン、ベンズイミダゾール、キノ
リン、イソキノリン、キノキサリン、ピリミジン、ピラ
ジン、テトラゾール、ピラゾールが挙げられる。
【0033】アルキルアリールは、アリール部がアルキ
ル残基を介して親構造に結合する残基を意味する。この
例としては、ベンジル、フェネチル、フェニルビニル、
フェニルアリル等が挙げられる。オキサアルキルおよび
オキサアルキルアリールは、1ないし複数のメチレンが
酸素に置換された、アルキルおよびアルキルアリール残
基を意味する。オキサアルキルおよびオキサアルキルア
リール残基の例としては、エトキシエトキシエチル(3,6
-ジオキサオクチル)、ベンジルオキシメチル並びにフェ
ノキシメチルが挙げられる。一般に、ポリエチレングリ
コール等のグリコールエーテルも、このグループにはい
る。アルキルヘテロアリールは、ヘテロアリール部がア
ルキル残基を介して親構造に結合する残基を意味する。
この例としては、フラニルメチル、ピリジニルメチル、
ピリミジニルエチル等が挙げられる。
【0034】ヘテロ環は、1ないし4の炭素原子が、酸
素、窒素、イオウ等のヘテロ原子に置換された、シクロ
アルキルあるいはアリール残基を意味する。本発明の範
囲内のヘテロ環の例としては、イミダゾリン、ピロリジ
ン、ピラゾール、ピロール、インドール、キノリン、イ
ソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、ベンゾフラ
ン、ベンゾジオキサン、ベンゾジオキソール(一般に、
置換基として存在する場合、メチレンジオキシフェニル
と称される)、テトラゾール、モルホリン、チアゾー
ル、ピリジン、ピリダジン、チオフェン、フラン、オキ
サゾール、オキサゾリン、イソキサゾール、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。“N-ヘテロシ
クリル”は、置換残基として用いられる、窒素を含むヘ
テロ環を意味する。ヘテロシクリルという単語は、ヘテ
ロシクリルの一部であるヘテロアリールも含んでいる。
N-ヘテロシクリル残基の例としては、4-モルホニリル、
4-チオモルホニリル、1-ピペリジニル、1-ピロリジニ
ル、3-チアゾリジニル、ピペラジニル、4-(3,4-ジヒド
ロベンゾキサジニル)等が挙げられられる。また、置換
ヘテロシクリルの例としては、4-メチル-1-ピペラジニ
ルおよび4-ベンジル-1-ピペリジニルが挙げられる。
【0035】置換アルキル、アリール、並びに、ヘテロ
アリールは、水素原子が、アルキル、ハロゲン、ヒドロ
キシ、アルコキシ、アルキレンジオキシ(例えば、メチ
レンジオキシ)、フルオロアルキル、カルボキシ(-COO
H)、カルボアルコキシ(すなわち、アルコキシRCOO-)、
カルボキシアルキル(-COOR)、カルボキサミド、スルフ
ォンアミドアルキル、スルフォンアミドアリール、アミ
ノカルボニル、ベンジルオキシカルボニルアミノ(CBZ-
アミノ)、シアノ、カルボニル、ニトロ、ジアルキルア
ミノ、アルキルアミノ、アミノ、アルキルチオ、アルキ
ルスルフィニル、アルキルスルフォニル、アルキルスル
フォンアミド、アリールチオ、アリールスルフィニル、
アリールスルフォニル、アミジノ、フェニル、ベンジ
ル、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、フェノキシ、ベ
ンジルオキシ、あるいは、ヘテロアリールオキシで置換
された、アルキル、アリール、あるいは、ヘテロアリー
ルを意味する。本発明の目的を達成するために、置換ア
ルキルは、さらに、オキサアルキル残基、すなわち、1
ないし複数の炭素原子が酸素で置換されたアルキル残基
を含む。
【0036】ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、あるい
は、ヨウ素の何れかを意味する。ただし、フッ素、塩
素、あるいは、臭素が望ましい。ジハロアリール、ジハ
ロアルキル、トリハロアリール等は、同一または異なっ
た複数のハロゲンで置換されたアリールおよびアルキル
を意味する。例えば、4-クロロ-3-フルオロフェニル
は、ジハロアリールの一つである。
【0037】本明細書に記載する化合物のうち多くが、
1ないし複数の不斉中心(例えば、R2およびR2’が結合
した炭素)を有し、光学異性体、ジアステレオマー、絶
対的な原子空間配置(R)-あるいは(S)-という形で定義可
能な他の立体異性体を生じさせる。本発明には、ラセミ
混合物、光学的純体、中間混合物を含む、このような可
能な異性体全てが含まれる。光学活性(R)-および(S)-異
性体は、キラルシントンあるいはキラル剤を用いて生成
してもよいし、あるいは、周知の手法を用いて、分離す
るようにしてもよい。本明細書に記載される化合物が、
オレフィン性二重結合あるいは他の幾何不斉中心を有す
る場合、特に記載しない限り、その化合物には、Eおよ
びZ幾何異性体が含まれる。また、互変異性型も、これ
に含まれる。
【0038】必要に応じて、結晶化等により分離可能な
ジアステレオ異性体塩あるいは錯体を形成する、結晶
化、ガス液体クロマトグラフィー、液体クロマトグラフ
ィー等により分離可能なジアステレオ異性体誘導体を形
成する、一つの光学異性体をその光学異性体特異性試薬
と選択的に反応、例えば、酵素酸化あるいは還元させた
後、変性光学異性体と非変性光学異性体とを分離する、
あるいは、例えば、キラル配位子が結合したシリカのよ
うなキラル担体やキラル溶媒の存在下等のキラル環境で
のガス液体クロマトグラフィーあるいは液体クロマトグ
ラフィー等の、当業者に周知の方法で、R-異性体とS-異
性体を分離するようにしてもよい。上述した分離手法の
何れかで所望の光学異性体を他の化学構造体に換えた場
合、所望の光学異性型を遊離するステップが必要な場合
もある。光学活性試薬、基質、触媒または溶媒を用いて
不斉合成を行う、あるいは、不斉形質転換により一つの
光学活性体を別の光学活性体に換えることにより、所定
の光学活性体を合成するようにしてもよい。図4に、光
学活性出発物質からの合成の例を示す。
【0039】当業者に容易に理解されるように、2つの
隣接するR2基が、融合して環状構造を形成するものでも
よい。融合した環状構造が、ヘテロ原子を含むものでも
よいし、1ないし複数の置換基"R".で置換されたもので
もよい。さらに、シクロアルキル(すなわち、飽和環状
構造)に関しては、各炭素位置が、2つの置換基Rおよ
びR'をもつものでもよい。
【0040】構造式1a、1b、1c並びに1dを考慮
に入れ、ただし、構造式1aを中心に考えた場合、R
1は、水素、アルキル、アリール、置換アルキル、置換
アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アル
キルアリール、および、置換アルキルアリールから選択
されることが望ましい。
【0041】R1は、水素、低級アルキル、置換低級アル
キル、ベンジル、置換ベンジル、フェニル、ナフチル、
および置換フェニルから選択されることが望ましい。
【0042】R1を、水素、エチル、プロピル、メトキシ
エチル、ナフチル、フェニル、ブロモフェニル、クロロ
フェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、トリ
ル、ジメチルフェニル、クロロフルオロフェニル、メチ
ルクロロフェニル、エチルフェニル、フェネチル、ベン
ジル、クロロベンジル、メチルベンジル、メトキシベン
ジル、シアノベンジル、ヒドロキシベンジル、テトラヒ
ドロフラニルメチル、および(エトキシカルボニル)エチ
ルか選択することが望ましい。
【0043】R2が水素、アルキルあるいは置換アルキル
であることが望ましい。当業者に容易に理解されるよう
に、構造1a、1b、1cおよび1dは、R2が結合した
炭素に、潜在的なキラル中心を有する。すわち、R2位置
は、2つの置換基R2およびR2’を持つことが可能であ
る。R2およびR2'基は、同一でもよいし、異なっていて
もよい。異なっている場合には、組成がキラルになる。
R2およびR2'が異なる場合、単一の非水素R2基のみを用
いるのが望ましい。本発明は、純粋な光学異性体と、ラ
セミ混合物を含む光学異性体の混合物の利用を検討する
ものである。ただし、一般には、ほぼ光学的に純粋なユ
ートマーの利用が好ましい。
【0044】さらに、R2が、水素、低級アルキルおよび
置換低級アルキルから選択され、R2’が水素であること
が望ましい。もっとも望ましくは、R2を、水素、メチ
ル、エチル、プロピル、メチルチオエチル、アミノブチ
ル、(CBZ)アミノブチル、シクロヘキシルメチル、ベン
ジルオキシメチル、メチルスルフィニルエチル、メチル
スルフィニルメチル、ヒドロキシメチル、ベンジル、並
びにインドリルメチルから選択する。
【0045】さらに、R3を、アルキル、置換アルキル、
アルキルアリール、ヘテロアリール、アリール、置換ア
リール、置換オキサアルキルアリール、R15O-およびR15
-NH-から選択し、R15がアルキル、アリールおよび置換
アリールから選択することが望ましい。
【0046】R3がR15NHでない場合には、R3をC1ないしC
13アルキル、置換低級アルキル、フェニル、ナフチル、
1ないし複数のハロゲン、低級アルキル、低級アルコキ
シ、ニトロ、カルボキシ、メチレンジオキシ、あるい
は、トリフルオロメチルで置換したフェニル、ビフェニ
リル、ベンジル、フェノキシメチル、ハロフェノキシメ
チル、フェニルビニル、ヘテロアリール、低級アルキル
で置換したヘテロアリール、並びに、ベンジルオキシメ
チルから選択することが望ましい。
【0047】R3がR15NHでない場合、もっとも望ましく
は、R3を、エチル、プロピル、クロロプロピル、ブトキ
シ、ヘプチル、ブチル、オクチル、トリデカニル、(エ
トキシカルボニル)エチル、ジメチルアミノエチル、ジ
メチルアミノメチル、フェニル、ナフチル、ハロフェニ
ル、ジハロフェニル、シアノフェニル、ハロ(トリフル
オロメチル)フェニル、クロロフェノキシメチル、メト
キシフェニル、カルボキシフェニル、エチルフェニル、
トリル、ビフェニリル、メチレンジオキシフェニル、メ
チルスルフォニルフェニル、メトキシクロロフェニル、
クロロナフチル、メチルハロフェニル、トリフルオロメ
チルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、メ
チルニトロフェニル、フェノキシメチル、ジメトキシフ
ェニル、フェニルビニル、ニトロクロロフェニル、ニト
ロフェニル、ジニトロフェニル、ビス(トリフルオロメ
チル)フェニル、ベンジルオキシメチル、ベンジル、フ
ラニル、ベンゾフラニル、ピリジニル、インドリル、メ
チルピリジニル、キノリニル、ピコリニル、ピラゾリ
ル、並びに、イミダゾリルから選択する。
【0048】R3がR15NHの場合には、R15を低級アルキ
ル、シクロヘキシル、フェニル、並びに、ハロゲン、低
級アルキル、低級アルコキシ、あるいは、低級アルキル
チオで置換したフェニルから選択することが望ましい。
【0049】R3がR15NHである場合、もっとも望ましく
は、R15が、イソプロピル、ブチル、シクロヘキシル、
フェニル、ブロモフェニル、ジクロロフェニル、メトキ
シフェニル、エチルフェニル、トリル、トリフルオロメ
チルフェニル、あるいは、メチルチオフェニルである。
【0050】R4を、アルキル、アリール、アルキルアリ
ール、アルキルヘテロアリール、置換アルキル、置換ア
リール、および、R16-アルキレン-から選択し、R16をア
ルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミ
ノ、並びに、N-ヘテロシクリルから選択することが望ま
しい。
【0051】R4を、低級アルキル、置換低級アルキル、
シクロヘキシル、ヒドロキシ、低級アルコキシあるいは
低級アルキルで置換されたフェニル、ベンジル、ヘテロ
アリールメチル、ヘテロアリールエチル、ヘテロアリー
ルプロピル、並びに、R16-アルキレン-から選択し、こ
こで、R16が、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ(低級ア
ルキル)アミノ、低級アルコキシ、あるいは、N-ヘテロ
シクリルであることが望ましい。
【0052】もっとも望ましくは、R4をメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、シクロヘキシル、カルボキシエ
チル、カルボキシメチル、メトキシエチル、ヒドロキシ
エチル、ヒドロキシプロピル、ジメチルアミノエチル、
ジメチルアミノプロピル、ジエチルアミノエチル、ジエ
チルアミノプロピル、アミノプロピル、メチルアミノプ
ロピル、2,2-ジメチル-3-(ジメチルアミノ)プロピル、1
-シクロヘキシル-4-(ジエチルアミノ)ブチル、アミノエ
チル、アミノブチル、アミノペンチル、アミノヘキシ
ル、アミノエトキシエチル、イソプロピルアミノプロピ
ル、ジイソプロピルアミノエチル、1-メチル-4-(ジエチ
ルアミノ)ブチル、(t-Boc)アミノプロピル、ヒドロキシ
フェニル、ベンジル、メトキシフェニル、メチルメトキ
シフェニル、ジメチルフェニル、トリル、エチルフェニ
ル、(オキソピロリジニル)プロピル、(メトキシカルボ
ニル)エチル、ベンジルピペリジニル、ピリジニルエチ
ル、ピリジニルメチル、モルホニリルエチル モルホニ
リルプロピル、ピペリジニル、アゼチジニルメチル、ア
ゼチジニルプロピル ピロリジニルエチル、ピロリジニ
ルプロピル、ピペリジニルメチル、ピペリジニルエチ
ル、イミダゾリルプロピル、イミダゾリルエチル、(エ
チルピロリジニル)メチル、(メチルピロリジニル)エチ
ル、(メチルピペリジニル)プロピル、(メチルピペラジ
ニル)プロピル、フラニルメチル、並びに、インドリル
エチルから選択する。
【0053】また、R5が水素あるいはハロゲンであり、
R6が水素、メチルあるいはハロゲンであり、R7が水素、
ハロゲン、メチルあるいはトリフルオロメチルであり、
R8が水素あるいはハロゲンであることが望ましい。
【0054】特に好適な例では、R1がベンジルあるいは
ハロベンジルであり、R2がエチルおよびプロピルから選
択され、R2’が水素、R3が置換フェニル、R3'が置換フ
ェニル、R3''が置換フェニル、R4が-(CH)mOHあるいは-
(CH2)pR16であり、ここで、mは2あるいは3、pは1な
いし3で、R5が水素、R6が水素、R7がハロゲン、R8が水
素、R16がアミノ、プロピルアミノ、並びに、アゼチジ
ニルから選択される。
【0055】構造式1bのスルフォンアミドを主に考え
た場合、R1を、水素、低級アルキル、置換低級アルキ
ル、ベンジル、置換ベンジル、フェニル、および、置換
フェニルから選択し、R2を水素および低級アルキルから
選択し、R2’が水素であり、R3 'を、C1ないしC13アルキ
ル、フェニル、ナフチル、ハロゲン、低級アルキル、低
級アルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、あるいは、
トリフルオロメチルで置換されたフェニル、ビフェニリ
ル、並びに、ヘテロアリールから選択し、R4を低級アル
キル、シクロヘキシル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、
あるいは、低級アルキルで置換されたフェニル、ベンジ
ル、ヘテロアリールメチル、ヘテロアリールエチル、ヘ
テロアリールプロピル、ヘテロアリールエチル、ヘテロ
アリールプロピル、並びに、R16-アルキレンから選択
し、ここで、R16がジ(低級アルキル)アミノ、(低級アル
キル)アミノ、アミノ、低級アルコキシ、あるいは、N-
ヘテロシクリル、特に、ピロリジノ、ピペリジノあるい
はイミダゾリルであることが望ましい。
【0056】構造式1bのスルフォンアミドを主に考え
た場合、もっとも望ましくは、R1を、低級アルキル、ベ
ンジル、置換ベンジル、並びに、置換フェニルから選択
し、R2が水素あるいは低級アルキルであり、R2’が水
素、R3を置換フェニルおよびナフチルから選択し、R4
R16-アルキレン-、R7が水素、フルオロ、メチル、ある
いは、クロロであり、R5、R6およびR8が水素であり、R
16を、ジ(低級アルキルアミノ)、(低級アルキル)アミ
ノ、アミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、イミダゾリル、
並びに、モルホリノから選択する。
【0057】構造式1cおよび1dのアミンを主に考え
た場合、R1を水素、低級アルキル、置換低級アルキル、
ベンジル、置換ベンジル、フェニル、ナフチル、並び
に、置換フェニルから選択し、R2を水素、低級アルキ
ル、および、置換低級アルキルから選択し、R2’が水素
であり、R3''をC1ないしC13アルキル、置換低級アルキ
ル、フェニル、ナフチル、ハロ、低級アルキル、低級ア
ルコキシ、ニトロ、メチレンジオキシ、あるいは、トリ
フルオロメチルで置換されたフェニル、ビフェリニル、
ベンジル、並びに、ヘテロシクリルから選択し、R4を低
級アルキル、シクロヘキシル、ヒドロキシ、低級アルコ
キシ、あるいは、低級アルキルで置換されたフェニル、
ベンジル、置換ベンジル、ヘテロシクリル、ヘテロアリ
ールメチル、ヘテロアリールエチル、ヘテロアリールプ
ロピル、並びに、R16-アルキレンから選択し、ここで、
R16がジ(低級アルキル)アミノ、(低級アルキル)アミ
ノ、アミノ、低級アルコキシ、あるいは、N-ヘテロシク
リルであることが望ましい。
【0058】構造式1cおよび1dのアミンを主に考え
た場合、R1を低級アルキル、ベンジル、置換ベンジル、
並びに、置換フェニルから選択し、R2が水素あるいは低
級アルキルであり、R2’が水素であり、R3''を置換フェ
ニル、ヘテロシクリル、並びに、ナフチルから選択し、
R4を置換ベンジル、ヘテロシクリル、並びに、R16-アル
キレン-から選択し、R6およびR7を、水素並びにハロか
ら選択し、R5およびR8が水素であり、R16をジ(低級アル
キルアミノ)、(低級アルキル)アミノ、アミノ、ピロリ
ジニル、ピペリジニル、イミダゾリル、並びに、モルホ
ニリルから選択することが、もっとも望ましい。(式1
dのように)R3''が存在する場合には、ハロフェニル、
ポリハロフェニル、トリル、ジメチルフェニル、メトキ
シフェニル、ジメトキシフェニル、シアノフェニル、ト
リフルオロメチルフェニル、トリフルオロメトキシフェ
ニル、ビス(トリフルオロメチル)フェニル、カルボキシ
フェニル、t-ブチルフェニル、メトキシカルボニルフェ
ニル、ピペリジニル、並びに、ナフチルから選択するこ
とが、もっとも望ましい。
【0059】本発明の組成は、当業者に周知の手法を用
いて、以下に概要を示すような方法で合成される。例え
ば、本明細書に引例として組み込まれるAger et al.,
J. ofMed. Chem.,20:379-386(1977)では、芳香族第一級
アミンを用いたN-アシルアントラニル酸の酸触媒濃縮に
よりキナゾリノンを生成する。あるいは、本明細書にす
べて引例として組み込まれる米国特許5,783,577号、5,9
22,866号、並びに、5,187,167号に記載の方法で、キナ
ゾリノンを生成するようにしてもよい。
【0060】本発明の組成は、図1、2、4および5に
示すように生成される。式1dの化合物も、図1に示す
ものと類似の方法で生成される。ただし、最終ステップ
のハロゲン化アシルは、ハロゲン化アルキルに置き換え
られる。
【0061】本発明の組成は、種々の用途で利用可能で
ある。当業者に容易に理解可能なように、有糸分裂を様
々な方法で改変可能である。すなわち、有糸分裂経路に
おける所定の構成成分の活性を増加させる、あるいは、
減少させることにより、有糸分裂に影響を与えることが
できる。つまり、所定の構成成分を阻害する、あるい
は、活性化することによって平衡を乱し、有糸分裂に影
響を与える(崩壊させる)こともできる。同様なアプロ
ーチで、減数分裂を改変することも可能である。
【0062】望ましくは、本発明の組成を用いて、有糸
分裂紡錘体形成を調節し、有糸分裂における長期細胞周
期を停止させる。本明細書で、「調節」とは、紡錘体形
成を増大・減少させる等、有糸分裂紡錘体形成を改変す
ることを意味する。また、「有糸分裂紡錘体形成」と
は、有糸分裂キネシンにより微小管を双極性構造にする
ことを意味する。「有糸分裂紡錘体機能障害」は、有糸
分裂停止と単極性紡錘体形成を意味する。
【0063】本発明の組成は、有糸分裂キネシンである
KSPに結合し、および/あるいは、その活性を調節する
のに、有用である。他の生物由来のKSPキネシンも利用
可能であるが、KSPがヒトKSPであることが望ましい。こ
こで、調節とは、紡錘体極分離を増加あるいは減少させ
ることにより、有糸分裂紡錘体極の奇形を引き起こし、
すなわち、紡錘体極を外に広げ、あるいは、有糸分裂紡
錘体の形態学的混乱を引き起こす。KSPには、KSPの変異
体および/あるいはフラグメントも含まれる。本明細書
に全体が引例として組み込まれる、1999年10月27日出願
の米国特許出願「細胞増殖モジュレーターのスクリーニ
ング方法並びに細胞増殖状態診断方法」(米国特許出願0
9/428,156号)参照のこと。さらに、他の有糸分裂キネシ
ンを本発明に用いるようにしてもよい。ただし、本発明
の組成は、KSPに特異的である。
【0064】活性を定量するために、KSPあるいは本発
明に従う化合物を、拡散させることなく、独立したサン
プル受容領域を有する不溶性支持体(例えば、マイクロ
タイタープレート、アレイ等)に結合させる。不溶性支
持体は、本発明の組成が結合可能ないかなる組成でもよ
く、可溶性物質から容易に分離可能で、全般的なスクリ
ーニング法と互換可能なものである。このような支持体
の表面は、堅固な凝集性でも多孔性でもよく、任意の使
い勝手のよい形状であればよい。適当な不溶性支持体の
例としては、マイクロタイタープレート、アレイ、膜、
ビーズ等が挙げられる。これらは、通常、ガラス、プラ
スチック(例えば、ポリスチレン)、多糖類、ナイロ
ン、ニトロセルロース、テフロン(商標)等で形成され
る。少量の試薬とサンプルを用いて、多数の検定を同時
に行うことができるため、マイクロタイタープレートお
よびアレイが特に便利である。本発明の薬剤並びに全体
的な方法と互換可能であり、組成の活性を維持し、非拡
散型である限りは、組成の結合方法は特に限定されな
い。望ましい結合方法としては、(タンパク質が支持体
に結合する際に、配位子結合部位と活性化シーケンスの
いずれをも立体的に妨害しない)抗体を利用する方法、
「粘着性の」あるいはイオンを含む支持体に直接結合さ
せる方法、化学的架橋、並びに、表面上でタンパク質あ
るいは薬剤を合成する方法等が挙げられる。タンパク質
あるいは薬剤を結合させた後、過剰の未結合材料を洗い
落とす。次に、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン、
あるいは、他の無害なタンパク質あるいはその一部を用
いてインキュベーションを行うことにより、サンプル受
容領域をブロックするようにしてもよい。
【0065】本発明の抗有糸分裂薬剤のみを用いて、有
糸分裂キネシン、特にKSPの活性を調節するようにして
もよい。この場合、本発明の有糸分裂薬剤をKSPに結合
させて、KSP活性の定量を行う。ここで、キネシン活性
は、当業者に周知のものであり、一つのキネシン活性で
も複数のキネシン活性でもよい。キネシン活性には、AT
P加水分解への影響力、微小管結合、滑走および重合/解
重合(微小管動力学への影響)、紡錘体の他のタンパク
質への結合、細胞周期制御に関係するタンパク質への結
合、キナーゼ、プロテアーゼ等の他の酵素に対する基質
としての作用、ならびに、紡錘体極分離のような特定の
キネシン細胞活性が含まれる。
【0066】運動性障害の検定方法は、当業者に周知で
ある[例えば、Hall, et al. (1996), Biophys. J., 71:
3467-3476、Turner et al., 1996, AnaL Biochem. 242
(1):20-5、Gittes et al., 1996, Biophys. J. 70(l):
418-29、Shirakawa et al.,1995, J. Exp. BioL 198:
1809-15、Winkelmann et al., 1995, Biophys. J. 68:
2444-53、Winkelmann et al., 1995, Biophys. J. 68:
72S参照]。
【0067】ATPase加水分解活性を求めるための当業者
に周知の方法を用いることもできる。溶液に基づく検定
を行うことが望ましい。本明細書に全体が引例として組
み込まれる1999年5月18日出願の米国出願09/314,464
に、このような検定法が詳述されている。あるいは、従
来知られている方法を用いてもよい。例えば、キネシン
から放出されるPiを定量してもよい。具体的な例で説明
する。0.3M PCA (過塩素酸)およびマラカイトグリーン
試薬(8.27 mM モリブデン酸ナトリウムII、0.33 mMマラ
カイトグリーンシュウ酸塩、並びに、0.8 mM Triton X-
1 00)を用いて、以下の手順でATPase加水分解活性の検
定を行う。0.3Mの冷PCA 90mL中で反応溶液10mLを急冷す
る。リン酸標準溶液を用いて、データを無機リン酸放出
量(mM)に変換する。PCAですべての反応溶液とリン酸標
準溶液を急冷した後、マイクルタイタープレート等の対
象穴にマラカイトグリーン試薬を100mL加える。10な
いし15分間混合物を展開した後、650nmでプレートの
吸光度を測定する。リン酸標準溶液を用いた場合には、
吸光度の測定値をmM Pi 値に変換し、時間に対してプロ
ットできる。当業者に周知のATPase検定には、さらに、
ルシフェラーゼ検定も含まれる。
【0068】また、キネシンモーター領域のATPase活性
を用いて、調節剤の効果をモニターすることができる。
微小管の不在下でキネシンのATPase検定を行うこともで
きるし、微小管の存在下でATPase検定を行うこともでき
る。このような検定では、様々な種類の調節剤を検出可
能である。調節剤の効果が微小管並びにATPの濃度と無
関係なものでも、キネシンATPaseに対する薬剤の効果が
ATP濃度、微小管濃度、あるいは、その両方を増加させ
ることにより減少するものでもよい。さらには、逆に、
調節剤の効果がATP濃度、微小管濃度、あるいは、その
両方を増加させることにより増加するものでもよい。
【0069】生体外でKSPの生化学活性を調節する薬剤
を生体内でスクリーニングするようにしてもよい。生体
内でこのような薬剤をスクリーニングする方法には、細
胞周期分配、細胞生死判別、細胞存在判定、形態、活
性、分配、あるいは、有糸分裂紡錘体量の検定が挙げら
れる。フローサイトメトリー等を用いて細胞集団の細胞
周期分配をモニターする方法は、細胞生死判別法として
当業者に周知である。例えば、本明細書に全体が引例と
して組み込まれる、1999年10月22日出願の米国
特許出願「細胞増殖モジュレーターのスクリーニング方
法並びに細胞増殖状態診断方法」(米国特許出願 09/42
8,156号)参照のこと。
【0070】上述した検定法に加えて、紡錘体の形成と
奇形をモニターする微視的方法も、当業者に周知である
(例えば、Whitehead and Rattner (1998), J. Cell Sc
i. 111:2551-61、Galgio et al, (1996) J. Cell bio
l., 135:399-414参照)。
【0071】本発明の組成は、KSPキネシンを阻害す
る。阻害を表す指標の一つがIC50値である。これは、KS
P活性を50%減少させる組成濃度として定義される。組成
のIC50値が約1mM未満であることが望ましい。好ましく
は、IC50値が約100mM未満、より好ましくは、IC50値が
約10mM未満、もっと好ましくは、IC50値が約1mM未満、
特に好ましくは、IC50値が約100nM未満、最も好ましく
は、IC50値が約10nM未満である。IC50値の測定は、ATPa
seを定量することにより行う。
【0072】阻害を表す別の指標は、Ki値である。IC50
値が約1mM未満の化合物に対して、K i値あるいはKd
は、キナゾリノンとKSPとの相互作用を示す解離定数と
して定義される。化合物のKi値が約100mM未満であるこ
とが望ましい。好ましくは、Ki値が10mM未満、より好ま
しくは、Ki値が約1mM未満、特に好ましくは、Ki値が約1
00nM未満、最も好ましくは、Ki値が約10nM未満である。
化合物のKi値は、三つの仮定に基づいて、IC50値から求
められる。第一の仮定は、その酵素に結合する化合物分
子がたった一つだけであり、協同しない。第二の仮定
は、活性酵素と試験対象化合物の濃度が既知である(す
なわち、生成物は有意の量の不純物や不活性形を含まな
い)。第三の仮定は、酵素-阻害剤複合体の酵素率は0
である。率データ(すなわち、化合物濃度)は、以下の
式で適合させる。
【0073】
【数1】
【0074】ここで、Vは測定率、Vmaxは遊離酵素の割
合、I0は阻害剤濃度、E0は酵素濃度、K dは酵素-阻害剤
複合体の解離定数である。
【0075】阻害を表すさらに別の指標は、GI50値であ
る。これは、細胞成長率を50%減少させる化合物濃度と
して定義される。化合物のGI50値が約1mM未満であるこ
とが望ましい。好ましくは、GI50値が約20mM未満、より
好ましくは、GI50値が約10mM未満、もっと好ましくは、
GI50値が約1mM未満、さらに好ましくは、GI50値が100nM
未満、最も好ましくは、GI50値が約10nM未満である。GI
50値の測定は、細胞増殖検定により行う。
【0076】本発明の組成は、細胞増殖性疾患の治療に
用いられる。本明細書に記載の方法並びに組成で治療可
能な疾患は、以下に限定されるものではないが、ガン
(詳しくは、後述する)、自己免疫疾患、関節炎、拒絶
反応、炎症性腸疾患、外科手術、血管形成術等の医療行
為により誘発された増殖等が含まれる。細胞が高増殖状
態あるいは低増殖状態(異常な状態)にあるわけではな
いが、治療を必要とする場合もありえる。例えば、創傷
治癒の過程で、細胞は「正常に」増殖をしているが、増
殖の増強が望ましい場合もある。また、農業分野におい
ては、上述したように、細胞は「正常な」状態にある
が、穀物の成長を直接促進させることにより、あるい
は、穀物の成長に悪影響を与える植物や生物の成長を阻
害することにより、増殖を調節して穀物の生産を増大さ
せることが望ましい場合も考えられる。従って、本発明
は、上記のような異常や状態の何れかに陥っている、あ
るいは、陥る可能性のある細胞あるいは個体に適用され
る。
【0077】本明細書に記載の組成並びに方法は、皮膚
ガン、乳ガン、脳腫瘍、子宮頸ガン、睾丸ガン等の充実
性腫瘍の治療に、特に有用であると、思われる。本発明
の組成並びに方法で治療可能なガンの例としては、以下
に限定されるものではないが、心臓:腫瘍(血管肉腫、
線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋
腫、線維腫、脂肪腫、奇形腫、:気管支原性肺ガン
(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺ガ
ン)、肺胞(細気管支)ガン、気管支腺腫、肉腫、リン
パ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫、胃腸:食道(扁平上皮細
胞ガン、腺ガン、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(悪性腫
瘍、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(腺管ガン、インス
リノーマ、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、
カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺ガン、リンパ
腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管
腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺ガン、管
状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫)、尿生殖路:腎
臓(腺ガン、ウィルム腫瘍[腎石灰沈着症]、リンパ腫、
白血病)、膀胱および尿道(扁平上皮ガン、移行上皮ガ
ン、腺ガン)、前立腺(腺ガン、肉腫)、精巣(セミノ
ーマ、奇形腫、胎生期ガン、奇形ガン、絨毛ガン、肉
腫、間質細胞ガン、線維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪
腫)、肝臓:肝臓ガン(肝細胞ガン)、胆管ガン、肝芽
腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫、:骨原性肉腫
(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、
ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網細胞肉腫)、多発性
骨髄腫、悪性巨細胞腫、脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨外骨
腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類
骨骨腫、巨細胞腫、神経系:頭蓋(骨腫、血管腫、肉芽
腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、
神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠
腫、上衣細胞腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形性膠芽腫、
乏突起膠腫、シュワン鞘腫、網膜芽腫、先天性腫瘍)、
脊髄(神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫)、婦人
:子宮(子宮内膜ガン)、子宮頸管(子宮頸ガン、前
腫瘍子宮頸部形成異常)、卵巣(卵巣ガン[漿液性嚢胞
腺ガン、ムチン性嚢胞腺ガン、未分類ガン]、顆粒膜-包
膜細胞腫、セルトリ-ライディッヒ細胞腫、未分化胚細
胞腫、悪性奇形腫)、外陰(扁平上皮ガン、上皮内ガ
ン、腺ガン、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞ガン、扁
平上皮ガン、ブドウ状肉腫[胎児性横紋筋肉腫]、ラッパ
管(ガン)、血液系:血液(骨髄性白血病[急性および
慢性]、急性リンパ性白血病、慢性リンパ球性白血病、
脊髄増殖症候群、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、
ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫]、
:悪性黒色腫、基底細胞ガン、扁平上皮ガン、カポジ
肉腫、奇胎形成異常母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維
腫、ケロイド、乾癬、並びに、副腎:神経芽細胞腫が挙
げられる。すなわち、本明細書で用いられる「ガン細
胞」という言葉は、上述のいずれかに冒されている細胞
を意味する。
【0078】従って、本発明の組成は細胞に投与され
る。本明細書中で用いられる「投与」という言葉は、本
発明の有糸分裂薬剤を、治療に有効な投与量、培養細胞
あるいは患者の細胞に投与することを意味する。ここ
で、「治療に有効な投与量」とは、投与によって効果を
生み出す分量を意味する。正確な投与量は、治療の目的
によって異なるが、当業者は、周知の手法でこれを決め
ることができる。当業者に周知のように、全身に作用さ
せるか、局所的な作用に留めるか、また、年齢、体重、
健康状態、性別、食習慣、投与時間、薬剤の相互作用、
条件の厳密性に関して調節が必要となるであろうが、当
業者は、ルーチン実験を行うことにより、このような調
節を行うことができる。また、本明細書で用いられる
「細胞」という言葉は、有糸分裂あるいは減数分裂を変
更可能な任意の細胞を意味する。
【0079】本発明の「患者」には、人間のみでなく、
哺乳動物を初めとする他の動物、さらには、他の生物も
含まれる。すなわち、本発明の方法は、ヒトの治療に
も、獣医分野にも適用可能である。望ましくは、患者は
哺乳動物であり、最も望ましくは、患者はヒトである。
【0080】所望の薬理活性を有する有糸分裂薬剤を、
生理的に許容可能な担体に担持させて、患者に投与する
ようにしてもよい。後述するように、投与法にしたがっ
て、化合物は、様々に成形可能である。この場合、治療
活性化合物の濃度は、約0.1ないし100重量%の範囲で決
められる。薬剤を単独で投与するようにしてもよいし、
あるいは、放射線治療や他の化学療法薬のような他の治
療法と組み合わせて投与してもよい。
【0081】薬剤組成を、調剤的に許容可能な塩のよう
な水溶性の形態に成形することが望ましい。これには、
酸添加塩と塩基添加塩の両方が含まれる。「調剤的に許
容可能な酸添加塩」は、遊離塩基の生物学的効力を保持
し、生物学的な意味においても他の意味でも望ましくな
いものではない塩を意味する。添加される酸は、塩酸、
臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸でも、酢
酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ
酸、マレイン酸、マロン酸、琥珀酸、フマル酸、酒石
酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタン
スルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン
酸、サリチル酸等の有機酸でもよい。「調剤的に許容可
能な塩基添加塩」には、ナトリウム、カリウム、リチウ
ム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜
鉛、銅、マンガン、アルミニウム塩等の無機塩基由来の
塩が含まれる。特に望ましいのは、アンモニウム、カリ
ウム、ナトリウム、カルシウム、および、マグネシウム
塩である。調剤的に許容可能な無毒の有機塩基由来の塩
には、第一級、第二級、第三級アミン、天然置換アミン
等の置換アミン、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹
脂の塩が含まれる。例えば、イソプロピルアミン、トリ
メチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ト
リプロピルアミン、エタノールアミン等である。
【0082】薬剤組成は、顆粒、錠剤、丸薬、座薬、カ
プセル、懸濁液、軟膏、ローション等、様々な形態に成
形可能である。経口あるいは局所使用に適した薬剤用有
機あるいは無機担体および/あるいは希釈剤を用いて、
治療活性化合物を含む組成を成形するようにしてもよ
い。当業者に周知の希釈剤には、水性媒体、植物および
動物性油脂がある。助剤として、安定剤、湿潤剤や乳化
剤、浸透圧調節塩、pH調節緩衝液、皮膚浸透エンハンサ
等を用いてもよい。また、薬剤組成に、血清アルブミン
等の運搬体タンパク質、緩衝液、微結晶性セルロース、
乳糖、とうもろこしや他の澱粉等の充填剤、結着剤、甘
味料や他の香料添加剤、色素、ポリエチレングリコール
から選択される一ないし複数の成分を含むようにしても
よい。このような添加剤は当業者に周知であり、様々な
形態で用いられる。
【0083】本発明の有糸分裂剤の投与は、様々な方法
で行われる。例としては、これらに限定されるものでは
ないが、経口投与、皮下投与、静脈内投与、鼻腔内投
与、経皮投与、腹腔内投与、筋肉内投与、肺内投与、膣
内投与、直腸投与、眼内投与が挙げられる。創傷や炎症
の治療の場合には、有糸分裂剤を溶液あるいはスプレー
の形で直接塗布してもよい。
【0084】本発明の化合物を用いて、KSPキネシンに
結合する化合物のスクリーニングを行う場合には、KSP
を支持体に結合させた後、本発明の化合物(すなわち、
有糸分裂剤)を加えて、測定を行う。あるいは、本発明
の化合物を支持体に結合させた後、KSPを加えるように
してもよい。新規な結合剤として利用可能な化合物に
は、特定の抗体や、ケミカルライブラリのスクリーニン
グで同定された人工結合剤や、ペプチド類似体等があ
る。ヒト細胞に対する毒性の低い候補薬剤のスクリーニ
ング検定に大きな関心が集まっている。この目的で、標
識生体外タンパク質-タンパク質結合検定、電気泳動度
測定、タンパク質結合の免疫検査、(リン酸化測定等の)
機能検査等、様々な検定が行われる。
【0085】KSPへの有糸分裂剤の結合は、種々の方法
で測定可能である。有糸分裂剤(本発明の化合物)を蛍
光物質あるいは放射性物質で標識し、直接結合を測定す
る方法も望ましい。例えば、KSPの全部または一部を固
体の支持体に結合させて、標識した有糸分裂剤(例え
ば、本発明の化合物の少なくとも一つの原子を検出可能
な同位体に置き換えた化合物)を加え、過剰の試薬を洗
い落とし、固体支持体上に残っている標識化合物の量を
測定する。当業者によく知られているような種々の手法
で、ブロッキングや洗浄を行うようにしてもよい。
【0086】ここで、「標識」とは、放射性同位体、蛍
光タグ、酵素、抗体、磁性粒子等の粒子、化学発光タ
グ、所定の結合分子等の検出可能な信号として作用する
ラベルで、直接あるいは間接的に化合物を標識すること
を意味する。所定の結合分子の例としては、ビオチンと
ストレプトアビジンのペアや、ジゴキシンとアンチジゴ
キシンのペアが挙げられる。所定の結合分子の場合、通
常は、相補的な分子を、周知の手法に従って、上述した
検出可能な分子で標識する。ラベルは、直接的あるいは
間接的に検出可能な信号を与えるものであればよい。
【0087】一つの成分のみを標識するようにしてもよ
い。例えば、キネシンタンパク質の場合、125Iを用いて
チロシン部位を標識するようにしてもよいし、発蛍光団
で標識するようにしてもよい。あるいは、異なったラベ
ルを用いて、複数の成分を標識するようにしてもよい。
例えば、タンパク質を125Iで標識して、有糸分裂剤を
発蛍光団で標識するものでもよい。
【0088】本発明の化合物を競争剤として用いて、候
補薬剤のスクリーニングを行うようにしてもよい。「生
体活性候補薬剤」、「候補薬剤」、並びに、本明細書で
用いられる、それに類似する言葉は、タンパク質、オリ
ゴペプチド、小さな有機分子、多糖類等、その生体活性
が試験対象となる任意の分子を意味する。これらの薬剤
は、細胞増殖の表現型、あるいは、核酸シーケンスとタ
ンパク質シーケンスの両方を含む細胞増殖シーケンスの
表現を、直接的または間接的に変更可能なものでもよ
い。また、細胞増殖タンパク質結合および/あるいは活
性の変更をスクリーニングするようにしてもよい。この
ようなスクリーニングは、微小管の存在下または不在下
で行われる。タンパク質結合あるいは活性をスクリーニ
ングする場合には、特定のタンパク質に結合することが
既にわかっている化合物、例えば、微小管等の高分子構
造体やATP等のエネルギー源を除外することが望まし
い。内因性の自然な状態で細胞増殖タンパク質に結合し
ない候補薬剤を、ここでは、「外因性」薬剤と呼ぶこと
にするが、そのような候補薬剤の検定を行うようにして
もよい。外因性薬剤は、KSPに対する抗体を除外したも
のであることが望ましい。
【0089】多数の化学種が候補薬剤になりえるが、一
般的には、有機分子、好ましくは、分子量が100ダルト
ンより大きく、約2,500ダルトン未満の小さな有機化合
物が候補薬剤である。候補薬剤は、タンパク質との構造
的な相互作用に必要な官能基、特に、水素結合並びに親
油性結合を有し、少なくとも一つのアミン、カルボニ
ル、ヒドロキシル、エーテル、あるいは、カルボキシル
基、好ましくは、少なくとも二つの官能基を備える。候
補薬剤が、周期性炭素あるいは環状へテロ構造体、およ
び/あるいは、上記の官能基の一つあるいは複数で置換
された芳香族あるいはポリ芳香族構造体を備えるもので
もよい。ペプチド、糖類、脂肪酸、ステロイド、プリ
ン、ピリミジン誘導体、類似構造体、あるいはその組み
合わせ等を含む生体分子も候補薬剤になりえる。特に、
ペプチドが好ましい。
【0090】合成あるいは天然化合物のライブラリ等
の、様々な母集団から候補薬剤が選択される。ランダム
化オリゴヌクレオチド発現等、様々な有機化合物や生体
分子のランダムおよび指向性合成に、多数の手段を利用
可能である。あるいは、細菌、菌類、植物ならびに動物
の抽出物として得られる天然化合物のライブラリを利用
可能であり、容易に作成可能である。さらに、天然ある
いは合成化合物のライブラリ並びに化合物を、周知の化
学的、物理的、生化学的手段を用いて、容易に修飾可能
である。既存の薬剤に、アシル化、アルキル化、エステ
ル化、アミド化などの指向性あるいはランダムな化学的
修飾を施して、類似構造体を生成するようにしてもよ
い。
【0091】競争的なスクリーニング検定は次のような
工程で行われる。まず、KSPと候補薬剤とを結合させた
第一サンプルを作成する。第二サンプルには、有糸分裂
剤と、KSPと、候補薬剤とをいれる。このスクリーニン
グは、微小管の存在下で行ってもよいし、不在下で行っ
てもよい。両方のサンプルにおいて、候補薬剤の結合を
測定する。その変化、すなわち、二つのサンプル間の結
合の相違は、KSPに結合可能で、その活性を調節可能な
薬剤の存在を示している。したがって、第二サンプルに
おける候補薬剤の結合が第一サンプルと異なっている場
合、その候補薬剤はKSPに結合可能であると判定され
る。
【0092】競争的な結合を検定することによって、候
補薬剤の結合を測定する方法も好適である。この場合に
は、抗体、ペプチド、結合剤、配位子等、KSPに結合す
ることがわかっている結合体を競争剤として用いる。所
定の状況下では、候補薬剤と結合体との間に結合の競争
が起こり、結合体が候補薬剤に置き換わることもありえ
る。
【0093】処理としては、まず、候補薬剤を標識し、
候補薬剤あるいは競争剤、あるいはその両方をKSPに加
え、結合に十分な時間放置する。最適な活性を促進する
任意の温度、通常は4ないし40℃の温度で、インキュベ
ーションを行うようにしてもよい。
【0094】インキュベーションの時間は、最適な活性
が得られるように選択すればよいが、迅速なハイ・スロ
ープット・スクリーニングが可能になるように、最適化
してもよい。通常は、0.1ないし1時間で十分である。過
剰の試薬を除去あるいは洗い流した後、第二の成分を加
える。標識成分の存在あるいは不在により結合を測定す
る。
【0095】処理の一例として、最初に競争剤を加え、
続いて、候補薬剤を加えてもよい。競争剤が置換される
ことは、候補薬剤がKSPに結合している、すなわち、候
補薬剤が、KSP活性に結合し、これを調節する能力があ
ることを示している。この場合、どちらの成分を標識し
てもよい。競争剤が標識されている場合には、洗浄溶液
中のラベルの存在から、候補薬剤が競争剤に置き換わっ
たことがわかる。逆に、候補薬剤が標識されている場合
には、支持体上のラベルの存在から、候補薬剤が競争剤
に置き換わったことがわかる。
【0096】あるいは、別の処理の例として、最初に候
補薬剤を加え、インキュベーションと洗浄を行った後、
競争剤を加えるようにしてもよい。競争剤による結合が
存在しなければ、候補薬剤が高親和性でKSPに結合して
いることがわかる。この場合、候補薬剤が標識されてい
れば、支持体上のラベルの存在と、競争剤の結合の不在
とから、候補薬剤がKSP結合能力を有していると判定で
きる。
【0097】KSPの結合部位を特定することも望まし
い。結合部位は、様々な手法で特定可能である。例え
ば、いったんKSPを有糸分裂剤に結合させた後、KSPを切
断あるいは修飾する。この操作を繰り返して、結合に必
要な成分を特定する。
【0098】KSP活性を調節可能な候補薬剤をスクリー
ニングすることにより、調節の検定を行う。これは、候
補薬剤をKSPに結合させ、KSPの生物学的活性の変化を定
量するというステップで行われる。したがって、この場
合には、候補薬剤は、KSPに結合し(これが、不要な場
合もあるが)、生物学的活性あるいは生化学的活性を変
化させるものでなければならない。スクリーニング法に
は、前述したように、細胞周期分配、細胞生死判別ある
いは細胞存在、形態、活性、分配、あるいは、有糸分裂
紡錘体量の変化に基づく、細胞の生体外スクリーニング
法も、生体内スクリーニング法も含まれる。
【0099】あるいは、分別スクリーニングにより、天
然KSPには結合可能であるが、修飾KSPには結合不能な薬
剤を同定するようにしてもよい。
【0100】正の対照群と負の対照群を検定に用いるよ
うにしてもよい。統計的に有意な結果を得るためには、
すべての対照群や試験サンプルで測定を少なくとも三度
行うことが望ましい。サンプルのインキュベーションを
行う場合には、薬剤がタンパク質に結合するのに十分な
時間、インキュベーションを続ける。インキュベーショ
ン終了後、サンプルを洗浄して、非特異的に結合した薬
剤を取り除き、通常は標識されている結合薬剤の量を測
定する。たとえば、放射線同位体でラベルした場合に
は、サンプルをシンチレーション・カウンタにかけて、
結合化合物を定量するようにしてもよい。
【0101】種々の他の試薬をスクリーニング検定に用
いてもよい。これらの試薬の例としては、最適なタンパ
ク質-タンパク質結合の促進、および/あるいは、非特異
的、すなわち、バックグラウンドの相互作用の削減に用
いられる、塩、アルブミン等の中性タンパク質、界面活
性剤等が挙げられる。また、プロテアーゼ(タンパク分
解酵素)阻害剤、ヌクレアーゼ(核酸分解酵素)阻害
剤、抗細菌剤等、検査効率を高めるような試薬を用いて
もよい。複数の成分の混合物を用いる場合には、必要な
結合が形成されるような順番で、各成分を添加すればよ
い。
【0102】以下の実施例は、上述した発明がより明ら
かになるように説明するものであり、本発明の好適な実
施の形態を詳述するものである。ただし、これらの実施
例は、なんら本発明を限定するものではなく、例示に過
ぎない。本明細書で参照したすべての文献は、その全体
が引例として組み込まれる。
【0103】実施例略語および定義 以下に、本明細書で用いられる略語ならびに用語の意味
を記載する。 Ac = アセチル BNB = 4-ブロモメチル-3-ニトロ安息香酸 Boc = t-ブチルオキシカルボニル Bu = ブチル c- = シクロ CBZ = カルボベンゾキシ=ベンジルオキシカルボニ
ル DBU = ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデス-7-エン DCM = ジクロロメタン=塩化メチレン=CH2Cl2 DCE = ジクロロエチレン DEAD = ジエチルアゾジカルボン酸エステル DIC = ジイソプロピルカルボジイミド DIEA = N,N-ジイソプロピルエチルアミン DMAP = 4-N,N-ジメチルアミノピリジン DMF = N,N-ジメチルホルムアミド DMSO = ジメチルスルホキシド DVB = 1,4-ジビニルベンゼン EEDQ = 2-エトキシ-1-エトキシカルボニル-1,2-ジ
ヒドロキノリン Et = エチル Fmoc = 9-フルオレニルメトキシカルボニル GC = ガス・クロマトグラフィー HATU = O-(7-アザベンゾトリアゾル-1-イル)-1,1,
3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸エス
テル HMDS = ヘキサメチルジシラザン HOAc = 酢酸 HOBt = ヒドロキシベンゾトリアゾール Me = メチル mesyl = メタンスルホニル MTBE = メチル t-ブチル エーテル NMO = 酸化N-メチルモルホリン PEG = ポリエチレングリコール Ph = フェニル PhOH = フェノール PfP = ペンタフルオロフェノール PPTS = ピリジニウムp-トルエンスルフォン酸エステ
ル Py = ピリジン PyBroP = ブロモ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘ
キサフルオロリン酸エステル rt = 室温 sat=d = 飽和 s- = 第二級 t- = 第三級 TBDMS = t-ブチルジメチルシリル TES = トリエチルシラン TFA = トリフルオロ酢酸 THF = テトラヒドロフラン TMOF = トリメチルオルト蟻酸エステル TMS = トリメチルシリル tosyl = p-トルエンスルホニル Trt = トリフェニルメチル
【0104】実施例1 化合物の合成
【0105】一般的な合成を図1および図2に示す。
【0106】ステップ1:N-ブチリルアントラニル酸 アントラニル酸(1)(0.5mole、68.5g)およびジメチルホ
ルムアミド(250mL)を、温度計、滴下漏斗、効率的な磁
気攪拌棒を備えた500mLの三つ口丸底フラスコに入れ
た。次に、混合溶液の温度が40℃を超えないような速度
で、塩化ブチリル(0.55mole、57.1mL)を、フラスコ内の
溶液に滴下した。けん濁液を、少なくとも3時間、室温
でよく攪拌した。混合溶液を水(2000mL)に注ぎ、さらに
1時間攪拌した。沈殿した生成物をろ過して集め、冷水
で洗って、P205を用いて、減圧下で乾燥させ、化合物2
(67.3g、65%)を得た。
【0107】ステップ2:2-プロピル-3,1-[4H]ベンゾ
キサジン-4-オン 磁気攪拌棒、(真空注入口付き)クライゼン蒸留ヘッ
ド、温度計を備えた500mL丸底フラスコで、化合物2(51.
8g、0.25mole)を、無水酢酸(180mL)に溶解させた。フラ
スコをオイル・バスに入れ、よく攪拌しながら、ゆっく
りと、170ないし180℃まで加熱した。生成した酢酸を大
気圧でゆっくりと飛ばした。蒸留装置のヘッド温度をモ
ニターすることにより、形質転換の進行度合いを測定し
た。次に、反応混合物を60℃まで冷却し、減圧(約20mmH
g)蒸留により、過剰の無水酢酸を除いた。残留物を冷却
し、生成物を結晶化した。得られた生成物をn-ヘキサン
(75mL)を用いて粉砕し、ろ過、単離することにより2-プ
ロピル-3,1-[4H]ベンゾキサジン-4-オン(3)(29.3g、62
%)を得た。上述の処理により得られた化合物3は、充分
な純度を有し、直接次のステップに用いることができ
た。
【0108】ステップ3:2-プロピル-3-ベンジルキナ
ゾリン-4-オン 化合物3(28.4g、0.15mole)およびベンジルアミン(17.5
mL、0.16mole)を、250mL丸底フラスコに入れ、クロロホ
ルム(50ml)で6時間還流した。化合物3を完全に溶かし
た後、クロロホルムを減圧で飛ばした。残留物をクライ
ゼン蒸留ヘッドと磁気攪拌棒とを備えたフラスコに入
れ、エチレングリコール(100mL)とNaOHペレット(0.60g)
とを加えた。フラスコをオイル・バスにつけて、よく攪
拌しながら、130から140℃に再加熱した。生成した水を
蒸留して除去しながら、その温度に5時間保った。反応
完了後、透明溶液を室温まで冷やし、一晩放置して、生
成物を沈殿させた。3%HCl水溶液を加えて、懸濁液のpH
を7から8に合わせた。結晶をろ別し、冷水で洗って、
イソプロピルアルコール(あるいは、アセトン)で再結
晶させて、2-プロピル-3-ベンジルキナゾリン-4-オン
(化合物4)(28.0g、67%)を得た。
【0109】ステップ4:2-(l'-ブロモプロピル)-3-ベ
ンジルキナゾリン-4-オン 温度計、滴下漏斗、効率的な磁気攪拌棒を備えた250mL
の三つ口丸底フラスコに化合物4(27.8g、0.10mole)を入
れ、無水酢酸ナトリウム(10.0g)および氷酢酸(130mL)を
加えた。酢酸(10mL)に溶解した臭素(16.0g、0.10mole)
を、上記溶液に、40℃で1ないし2時間かけて滴下し
た。滴下終了後、混合溶液を水(1500mL)に注ぎ、室温
で、1ないし2時間攪拌した。沈殿生成物2-(l'-ブロモ
プロピル)-3-ベンジルキナゾリン-4-オンをろ過・単離
し、温水で洗って、残った微量の酢酸を除き、少量のイ
ソプロピルアルコールで洗浄した。それを乾燥して、化
合物5(33.0g、92%)を得た。
【0110】ステップ5:2-[l'-(N,N-ジメチルエチレ
ンジアミノ)プロピル]-3-ベンジルキナゾリン-4-オン 化合物5(10.7g、0.03mole)およびN,N-ジメチルエチレ
ンジアミン(6.6mL、0.06mole)を無水エタノール(60mL)
に溶かして、6時間加熱還流した。反応完了後、溶媒を
減圧下で飛ばした。残留物をジクロロメタン(150mL)に
溶かして、3%NaOH水溶液(約10ないし20mL)で洗浄した。
MgSO4を用いて有機層を乾燥させ、減圧下で乾固させ
た。シリカゲルの短パッド上でCHC13-MeOH-アンモニア
水の90:10:0.1溶離液を用いたフラッシュ・クロマトグ
ラフィーを行うことにより、残った油状物質を精製し
た。これにより、所望の化合物(5)2-[l'-(N,N-ジメチル
エチレンジアミノ)プロピル]-3-ベンジルキナゾリン-4-
オン(6)(6.0g、55%)を得た。
【0111】ステップ6:2-[l'-(N-4-フルオロベンゾ
イル)-(N,N-ジメチルエチレンジアミノ)プロピル]-3-ベ
ンジルキナゾリン-4-オン HPLC用CHCl3(0.5mL)を用いて、化合物5(1.822g、5.0mm
ol)の原液を作成した。2.0mL容量フラスコで、HPLC用1,
2-ジクロロエタン(2.0mL)を用いて、塩化p-フルオロベ
ンゾイル(160.2mg, 1mmol)の原液を作成した。さらに、
HPLC用1,2-ジクロロエタンを用いて、トリエチルアミン
(0.5M、2.0mL)溶液を作成した。自動リキッド・ディス
ペンサーBeckman Biomet 2000を用いて、各溶液を100mL
ずつ、ガラス製反応容器にピペット分注した。メカニカ
ル・シェーカを用いて、反応混合物を振とうさせ、超音
波水槽で超音波にあて、室温で一晩インキュベーション
した。混合物をCHCl3(300mL)で希釈し、5%NaHCO3水溶液
と水とで洗浄した。溶媒を減圧下で除去し、化合物6(6
5%)を得た。生成した化合物の純度を調べるために、CH2
Cl2-エタノール-濃縮アンモニア水の100:10:1溶離液を
用いて、TLCで解析した。
【0112】実施例2および3 一般構造式1dで示される化合物の合成
【0113】
【化15】
【0114】alkylene(アルキレン)、Resin(樹脂) 無水溶媒は、すべて、SureSeal(登録商標)容器入り
で、アルドリッチ・ケミカル社から購入した。試薬のう
ちの大部分も、アルドリッチ・ケミカル社から購入し
た。略号:DCM:ジクロロメタン、DIEA:N,N-ジイソプ
ロピルエチルアミン、DMF:N,N-ジメチルホルムアミ
ド、TES:トリエチルシラン、TFA:トリフルオロ酢酸。
4×6アレイのアルミニウム合成ブロックに収容され、
テフロン(商標)で裏打ちされたゴム膜で密閉した15
×75mmスクリューキャップ付き丸底バイアルで、アレ
イ合成を行った。試薬を加え、一チャンネルあるいはマ
ルチチャンネル・ピペッターを用いて、水性抽出を行っ
た。その後、Whatman/Polyfiltronics24穴、10mLろ過
ブロックを用いて、ろ過した。Labconco Vortex-エバポ
レーターを用いて、あるいは、4×6窒素マニホールド
でスイープすることにより、アレイから揮発物質を蒸発
させた。
【0115】実施例2(単一化合物の固相合成) ステップ1)1,3-ジアミノプロパントリチル樹脂(Novab
iochem、1.2mmol/g)(0.20g, 0.24mmol)を秤量して、ス
クリューキャップ付きバイアルに入れ、DMFとクロロホ
ルムの1:1混合物を3mL加えた。DIEA(0.130mL、0.72mmo
l)と(実施例1で得られた)2-(1’-ブロモプロピル)-3
-ベンジルキナゾリン-4-オン(0.188g、0.48mmol)とを加
えた。バイアルを密閉し、70℃に加熱し、一晩振とうし
た。樹脂をろ別し、洗浄して(3×DCM、2×MeOH、1×
DCM、2×エーテル)、減圧下で乾燥させた。樹脂27mgを
5:5:90TFA:TES:DCMで15分間処理し、処理した混合物
をろ過、乾固して、8mg(収率:64%)のキナゾリン−ジア
ミン中間物質を得た。LCMS解析の結果、80%以上の純度
があった。
【0116】ステップ2)ステップ1で生成した樹脂
を、3mLのDCMで膨潤させて、DIEA(0.130mL、0.72mmol)
および臭化4-ブロモベンジル(0.12g、0.48mmol)を加え
た。バイアルを密閉し、一晩振とうした。一部をとって
LCMS解析を行った結果、混合物中の出発物質と生成物の
比率が約1:1であった。DIEA0.130mLと臭化4-ブロモベン
ジル0.12gを加え、70℃で8時間混合物を振とうした。
得られた樹脂をろ別し、(上述したように)洗浄し、減
圧下で乾燥させた。
【0117】ステップ3)ステップ2で生成した樹脂
を、5:5:90TFA:TES:DCM溶液に入れて、30分間ずつ2
度振とうし、ろ別した。ろ液を一緒にして、乾固させ、
140mgのオレンジ色の油状物質を得た。この物質を逆相
分取HPLC(グラディエント:アセトニトリル−水)で精製
して、モノTFA塩27mg(3ステップでの収率:17%)を得
た。
【0118】実施例3(複数の化合物のコンビナトリア
ル合成) ステップ1)1,2-ジアミノエタントリチル樹脂(Novabio
chem、0.95mmol/g)(200g、1.9mmol)と1,3-ジアミノプロ
パントリチル樹脂(Novabiochem、1.14mmol/g)(2.0g、2.
28mmol)を、各々、別々の10mLポリプロピレンガラス管
(Bio-Rad)に入れた。DMF4mLと、クロロホルム4mLと、3
当量のDIEA(それぞれ、1.0mLおよび1.2mL)と、2当量の
(実施例1で得られた)2-(1’-ブロモプロピル)-3-ベ
ンジルキナゾリン-4-オン(それぞれ、1.5gおよび1.8g)
を、各々の樹脂に加えた。混合物を70℃で一晩振とうし
た。各混合物を洗浄して(3×DCM、2×MeOH、1×DC
M、2×エーテル)、減圧下で乾燥させた。一部をとって
解析した結果、それぞれ、純度90%以上の所望のキナゾ
リン−ジアミンの存在が確認された。
【0119】ステップ2)キナゾリノンエチル-ジアミ
ン樹脂(105mg、0.10mmol)をアレイの最初の2列のバイ
アル各々に入れ、キナゾリノンプロピル-ジアミン樹脂
(88mg、0.10mmol)をアレイの最後の2列のバイアル各々
に入れた。DIEA(0.131mL、0.75mmol)を各バイアルに加
えた。別のアミンをアレイの最初の2列の各バイアルに
加え、一方、アレイの最後の2列に対してはDIEAを繰り
返し加えた。反応ブロックを、70℃で一晩振とうした。
先が細くなっているゲルチップを装着したマルチチャン
ネル・ピペットを用いて、各バイアルから液体分を除去
し、残った樹脂を洗浄して(2×DCM、1×MeOH、1×DC
M)、減圧下で乾燥させた。
【0120】ステップ3)10:5:85TFA:TES:DCM溶液2mL
を各バイアルに加えた。反応ブロックを45分間振とう
し、生成混合物をフィルターブロックに移して、ろ過
し、0.75mL DCMで二度洗浄した。溶液を乾固させて、黄
色から赤色の油状物質を得た。得られた高粘度の油状物
質をエーテルを用いて二度粉砕して、DCMに溶かし、4MH
Clジオキサン溶液で処理することにより、黄褐色から白
色の粉状あるいは無定形固体として、HCl塩(化合物あた
りの塩の数はわからない)を得た。LCMS解析の結果、ど
の化合物も75%以上の純度であった。
【0121】実施例4−6 6種類のラセミ化合物キナゾリノンをキラル・クロマト
グラフィーにより、その光学異性体に分離した。これら
の化合物のうち3つのキラル・クロマトグラフィーに関
して、説明する。 実施例4
【0122】
【化16】
【0123】カラム- Chiralpak AD、250×4.6mm(Diace
l Inc.)。サンプル濃度- 0.5mg/mL EtOH。条件 - 60% E
tOHヘキサン溶液で15分間。光学異性体1は4.5分で溶
離、光学異性体2は4.9分で溶離。 実施例5:
【0124】
【化17】
【0125】カラム- Chiralcel OJ、250×4.6mm(Diace
l Inc.)。サンプル濃度- 0.5mg/mL EtOH。条件 - 10% E
tOHヘキサン溶液で15分間。(R)-光学異性体は8.4
分で溶離、(S)-光学異性体は9.6分で溶離。 実施例6:
【0126】
【化18】
【0127】カラム - Chiralpak AD、250×4.6mm(Diac
el Inc.)。サンプル濃度- 0.5mg/mL EtOH。条件 - 70%
EtOHヘキサン溶液で15分間。光学異性体1は6.5分
で溶離、光学異性体2は8.8分で溶離。
【0128】以下の表に、上述の処理で分離された3種
類の化合物のラセミ体と光学異性体のIC50活性を示す。
3種類の化合物のいずれの場合も、一つの光学異性体
が、他の光学異性体よりも有意に大きな活性を有する。
独立キラル合成により、より活性な光学異性体がR光学
異性体であると思われる。
【0129】
【表1】
【0130】実施例7および8 以下の2つの化合物を、図4に示す経路で、単一の光学
異性体として合成した。データから、より活性な光学異
性体がR光学異性体であることがわかる。
【0131】
【表2】
【0132】実施例9 酒石酸を用いた再結晶によるキラルの分離
【0133】実施例1で得られた中間体Aを、分離する
ことにより図4に示す最初の5つのステップの代替物に
なる中間体Bに変換可能である。その変換処理を、以下
のスキームで示す。
【0134】
【化19】
【0135】イソプロピルアルコールとメタノールの混
合溶液中で、1.1当量のD-酒石酸とBとの混合物を加熱
し、その後、室温まで冷却することにより、BのR光学異
性体を選択的に結晶化することができる。 実施例9: X = Cl, R = H
【0136】100mLの沸騰メタノール中で、100mLの沸騰
イソプロピルアルコールに溶解させたラセミ中間体B(1.
5g)を、0.8gのD-酒石酸と混合した。得られた混合物を
室温までゆっくりと冷却した。一晩放置後、固形物をろ
別し、酢酸エチルとヘキサンで洗浄し、空気乾燥した。
乾燥固体(0.8g)を50mLイソプロピルアルコールと50mLメ
タノールの沸騰混合溶液に溶解し、室温までゆっくりと
冷却した。一晩放置後、得られた固体をろ別し、酢酸エ
チルとヘキサンで洗浄し、空気乾燥した。次に、乾燥固
体に飽和ジカルボン酸ナトリウムを加えて、30分間攪
拌し、酢酸エチルで抽出した。得られた有機物をMgSO4
を用いて乾燥し、ろ過して、乾固させた。生成した透明
油状物質の重さは345mgであった。一部をS-Mosherアミ
ドに変換して、生成物を1HNMRで測定したところ、キラ
ル純度は95%以上であった。D- およびL-酒石酸の両方を
用いて上述の処理により得られた物質から、図4の残り
のステップに従って、以下の光学異性的に純粋な化合物
を生成した。
【0137】
【表3】
【0138】キナゾリノンKSP阻害剤で処理した細胞集
団における有糸分裂停止の誘発 以下のようにして、DNA含有量を測定することにより細
胞周期のステージを求めるFACS解析を行った。10cmの皿
にSkov-3細胞(ヒト卵巣ガン)を1:10に分割して植え付
け、5%ウシ胎仔血清(FBS)を含むRPMI 1640媒体を用い
て、亜集団まで成長させた。10nMパクリタキセル、400n
M キナゾリノン1、200nM キナゾリノン2、あるいは、0.
25%DMSO(化合物の媒体)のいずれかで、24時間、細胞
を処理した。次に、5mM EDTAを含むPBSで細胞をプレー
トから洗い流して、ペレットにし、1%FCSを含むPBSで一
度洗浄し、4℃の85%エタノール中で一晩固定させた。解
析をする前に、細胞をペレットにし、一度洗浄して、1
ミリリットル中に10μgのヨウ化プロピジウムと250μg
のリボヌクレアーゼ(RNAse)Aとを含む溶液で37℃、30
分間染色した。Becton-Dickinson FACScanを用いてフロ
ーサイトメトリー分析を行い、一サンプルあたり10,000
細胞のデータをModfitプログラムで解析した。
【0139】キナゾリノン化合物のみでなく、周知の抗
有糸分裂剤であるパクリタキセルも、細胞集団をG0/G1
細胞周期ステージ(DNA含有量:2n)からG2/M細胞周期ス
テージ(DNA含有量:4n)に移行させた。この類の他の化
合物でも同様の効果が見られた。
【0140】キナゾリノンKSP阻害剤の投与による単極
性紡錘体形成 G2/M累積の性質を調べるために、ヒト腫瘍細胞株Skov-3
(卵巣)、HeLa(子宮頸部)、および、A549(肺)を、一穴あ
たり4,000細胞(SKOV-3&HeLa)あるいは一穴あたり8,000
細胞(A549)の密度で、96穴プレートに植え付け、24
時間固着させて、種々の濃度のキナゾリノン化合物で2
4時間処理した。細胞を4%ホルムアルデヒドで固定し
て、(蛍光標識した二次抗体を用いて認識される)抗チュ
ーブリン抗体および(DNAを染色する)Hoechst色素で染色
した。
【0141】目視検査の結果、キナゾリノン化合物が有
糸分裂の前中期ステージで細胞周期を停止させることが
わかった。DNAが濃縮され、紡錘体形成が開始される
が、細胞周期が停止した細胞では、一様に単極性紡錘体
が観察された。これは、紡錘体の極分離が阻害されてい
ることを示している。抗KSP抗体のマイクロインジェク
ションによっても、有糸分裂が停止され、細胞周期が停
止した細胞では単極性紡錘体が観察される。
【0142】キナゾリノンKSP阻害剤で処理した腫瘍細
胞株における細胞増殖の阻害 96穴プレートの一穴あたり1000ないし2500細
胞の密度で(密度は細胞株によって異なる)96穴プレー
トに細胞を植え付け、24時間、固着、成長させた。そ
の後、種々の濃度の薬剤で48時間処理した。各化合物
を添加した時間をT0とする。薬剤として3-(4,5-ジメチ
ルチアゾル-2-イル)-5-(3-カルボキシメトキシフェニ
ル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テトラゾリウム(MTS)(I.
S> 特許No.5,185,450) (Promega製品カタログ#G3580参
照。CeIlTiter 96(登録商標)AQue ous 一溶液細胞増殖
の検定)を用いたテトラゾリウム検定を行い、T0におけ
る生細胞数と48時間化合物に露出後に残った細胞数と
を数えた。48時間後に残った細胞数を薬剤添加時の生
細胞数と比較することにより、成長阻害を算出した。
【0143】媒体のみ(0.25% DMSO)で処理した対照群の
48時間後の細胞成長を100%として、各化合物で処理し
たサンプル群の細胞成長をこれと比較した。キナゾリノ
ンKSP阻害剤は、以下の腫瘍型のヒト腫瘍細胞株におけ
る細胞増殖を阻害した。肺ガン(NCI-H460、A549)、乳ガ
ン(MDA-MB-231、MCF-7, MCF-7/ADR-RES)、結腸ガン(HT2
9、HCT15)、卵巣ガン(SKOV-3, OVCAR-3)、白血病(HL-60
(TB)、K-562)、中枢神経系腫瘍(SF-268)、腎臓ガン(A49
8)、骨肉腫(U2-OS)、ならびに、子宮頸ガン(HeLa)。さ
らに、マウスの腫瘍細胞株(B16、黒色腫)もキナゾリノ
ン化合物の存在下で成長阻害された。
【0144】化合物濃度(μM )に対して処理群中の細胞
成長率をプロットすることにより、Gi50値を算出した。
各化合物に関して算出されたGi50 値は、対照群と比較
して50%だけ成長が阻害された場合の概算濃度を示す。
すなわち、以下の式で表される濃度を示す。 100×[(Treated48 - T0) / (Control48 - T0)]=50
【0145】すべての化合物の濃度を二度ずつ測定し、
対照群は12穴の平均を取る。同様のレイアウトの96-
穴プレートおよびGi50 算出スキームが、米国立がん研
究所(Monks, et al., J. NatI. Cancer Inst. 83:757-7
66 (1991)参照)で用いられている。ただし、国立がん研
究所で行われている細胞計量では、MTSは用いられてお
らず、他の方法で計量が行われている。
【0146】IC50の算出:ATPase検定によりKSP 活性に
関する各組成のIC50値を測定する。この検定に用いられ
る溶液1は、3mM ホスホエノールピルビン酸カリウム(S
igma P-7127)、2mMATP (Sigma A-3377)、1mM IDTT (Sig
ma D-9779)、5mM パクリタキセル(Sigma T-7402)、10pp
m消泡剤289(Sigma A-8436)、25mM ピペス(ピペラジン-
N,N'-ビス(2-エタンスルホン酸))/KOH pH 6.8(Sigma P
6757)、2mM MgC12(VWR JT400301)、および、1mM EGTA(S
igma E3889)を含む。また、溶液2は、1mM NADH(Sigma
N8129)、0.2mg/ml BSA(Sigma A7906)、ピルビン酸キナ
ーゼ7U/ml、L-乳酸デヒドロゲナーゼ10U/ml(Sigma P029
4)、100nM KSPモーター領域、50mg/ml微小管、1mM DTT
(Sigma D9779)、5mMパクリタキセル(Sigma T-7402)、10
ppm 消泡剤289(Sigma A-8436)、25mM ピペス/KOH pH 6.
8(Sigma P6757)、2mM MgC12(VWR JT4003-01)、および、
1mM EGTA(Sigma E3889)を含む。溶液1を用いて、96
穴マイクロタイタープレート(Corning Costar 3695)
で、組成の連続希釈(8ないし12倍希釈)を行う。連続
希釈により、各穴の溶液1の容量は、50mlになる。各穴
に50mlの溶液2を加えて、反応を開始させる。この処理
には、マルチチャンネル・ピペッターを用い、手動操作
で行ってもよいし、自動液体処理装置を用いてもよい。
次に、マイクロタイタープレートをマイクロプレート吸
光度測定装置にいれ、動モードで、各穴の340nmのおけ
る吸光度を複数回測定した。ATPaseの割合に比例する測
定変化率を化合物濃度の関数としてプロットする。非線
形適合プログラム(例えば、Grafit 4)を用いて、下記の
4パラメータ式で得られたデータを適合させて、標準IC
50 値を求める。
【0147】
【数2】
【0148】ここで、yは測定率で、xは化合物の濃度を
示す。キナゾリノン化合物は、パクリタキセルのような
他の化学療法薬に対する耐性を有する、P-糖タンパク質
を表現する(マルチドラッグ耐性MDR+としても知られる)
細胞株(MCF-7/ADR-RES、HCT1 5)を含む様々な細胞株の
成長を阻害する。すなわち、キナゾリノンは、細胞増殖
を阻害する抗有糸分裂性を有し、薬剤耐性腫瘍細胞株に
よるMDR+の過剰表現の耐性対象とはならない。
【0149】この類の他の化合物も、GI50値は異なる
が、細胞増殖を阻害することがわかった。試験を行った
キナゾリノン化合物のGI50 値は、200nMから最大試験濃
度以上までばらついた。このことから、KSP活性を阻害
する化合物の大部分は生化学的に細胞増殖を阻害した
が、最大試験濃度(通常、約20mM)における細胞成長の阻
害率は50%未満であった。試験を行った化合物のうち多
くの化合物では、GI50値が10mM未満であり、GI50 値が1
mM未満のものもあった。ガンの臨床治療(ガン化学療
法)に適用され成功を収めている抗増殖性化合物のGI50
値は、非常にばらついている。例えば、A549細胞では、
パクリタキセルのGI50値が4nM、ドキソルビシンのGI50
値が63nM、5-フルオロウラシルのGI50値が1mM、ヒドロ
キシウレアのGI5 0値が500mMである(米国立がん研究所の
データに準拠する。Developmental Therapeuticプログ
ラム、http://dtp.nci.nih.gov/)。したがって、実質的
に任意の濃度で細胞増殖を阻害する化合物が有用である
と考えられる。ただし、GI50値が1mM未満の化合物が望
ましい。さらに言えば、GI50値が20mM未満の化合物が望
ましい。もっと望ましい化合物は、GI50値が10mM未満の
化合物である。GI50値が1mM未満の化合物等、より小さ
なGI50値の化合物も望ましいと考えられる。本発明のキ
ナゾリノン化合物の内いくつかは、200nM以下から10nM
以下のGI50値で、細胞増殖を阻害する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の組成を生成するための一般的な合成ス
キームを示す図。
【図2】キナゾリノンKSP阻害剤を合成するための合成
経路を示す図。
【図3】キナゾリノンKSP阻害剤の化学構造を示す図。
【図4】ほぼ純粋な単一光学異性体の合成経路を示す
図。
【図5】スルホンアミド5(a)、カルバミン酸エステル
5(b)、尿素5(c)、および、アミン5(d)の合成経路を
示す図。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 29/00 A61P 29/00 35/00 35/00 37/02 37/02 C07D 401/12 C07D 401/12 403/12 403/12 405/12 405/12 G01N 33/15 G01N 33/15 Z 33/50 33/50 Z 33/566 33/566 (72)発明者 ファイナー・ジェフリー・ティ. アメリカ合衆国 カリフォルニア州94404 フォスター・シティ,レオ・ドライブ, 661 (72)発明者 バーグネス・グスタフ アメリカ合衆国 カリフォルニア州94066 サン・ブルーノ,スーザン・ドライブ, 3815,アパートメント エー6 (72)発明者 フェン・バイニアン アメリカ合衆国 カリフォルニア州94404 フォスター・シティ,イグレット・スト リート,1033 (72)発明者 スミス・ホイットニー・ダブリュ. アメリカ合衆国 カリフォルニア州94530 エルセリト,リッチモンド・ストリー ト,1122 (72)発明者 チャバラ・ジョン・シー. アメリカ合衆国 ニュージャージー州 07092 マウンテンサイド,シャーウッ ド・パークウェイ,602 Fターム(参考) 2G045 AA40 BA11 BB50 DA36 FB03 4C063 AA01 BB09 CC31 CC34 CC54 CC73 CC75 CC81 DD02 DD03 DD10 DD12 DD22 DD25 DD31 EE01 4C086 AA01 AA02 AA03 BC46 BC50 BC73 GA02 GA07 GA08 GA09 GA12 MA01 MA04 NA14 ZA36 ZA39 ZB07 ZB11 ZB26

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】KSPキネシンの阻害方法であって、下記の
    化合物群から選択される化合物にKSPキネシンを接触さ
    せるステップを備える 【化1】 ここで、 R1は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリール、
    ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置換アルキ
    ル、置換アリール、置換アルキルアリール、置換ヘテロ
    アリール、並びに、置換アルキルヘテロアリールから選
    択され、 R2およびR2’は、水素、アルキル、オキサアルキル、ア
    リール、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキル
    ヘテロアリール、置換アルキル、置換アリール、置換ア
    ルキルアリール、置換ヘテロアリール、並びに、置換ア
    ルキルヘテロアリールから独立に選択され、あるいは、
    R2およびR2’は結合して、3員環ないし7員環を形成
    し、 R3は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリール、
    ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置換アルキ
    ル、置換アリール、置換アルキルアリール、置換ヘテロ
    アリール、置換アルキルヘテロアリール、オキサアルキ
    ル、オキサアルキルアリール、置換オキサアルキルアリ
    ール、R15O-、並びに、R15-NH-から選択され、 R3'は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリー
    ル、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置換ア
    ルキル、置換アリール、置換アルキルアリール、置換ヘ
    テロアリール、置換アルキルヘテロアリール、並びに、
    R15-NH-から選択され、 R3''は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリー
    ル、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置換ア
    ルキル、置換アリール、置換アルキルアリール、置換ヘ
    テロアリール、並びに、置換アルキルヘテロアリールか
    ら選択され、 R4は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリール、
    ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置換アルキ
    ル、置換アリール、置換アルキルアリール、置換ヘテロ
    アリール、置換アルキルヘテロアリール、並びに、R16-
    アルキレン-から選択され、 R5、R6、R7およびR8は、水素、アルキル、アルコキシ、
    ハロゲン、フルオロアルキル、ニトロ、ジアルキルアミ
    ノ、アルキルスルフォニル、アルキルスルホンアミド、
    スルホンアミドアルキル、スルホンアミドアリール、ア
    ルキルチオ、カルボキシアルキル、カルボキサミド、ア
    ミノカルボニル、アリール、並びに、ヘテロアリールか
    ら独立に選択され、 R15は、アルキル、アリール、アルキルアリール、ヘテ
    ロアリール、アルキルヘテロアリール、置換アルキル、
    置換アリール、置換アルキルアリール、置換ヘテロアリ
    ール、並びに、置換アルキルヘテロアリールから選択さ
    れ、 R16は、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアル
    キルアミノ、N-ヘテロシクリル、並びに、置換N-ヘテロ
    シクリルから選択される方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方法において、 R1が、水素、アルキル、アリール、置換アルキル、置換
    アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アル
    キルアリール、置換アルキルアリール、並びに、置換ア
    ルキルヘテロアリールから選択され、 R2が、水素、アルキル、並びに、置換アルキルから選択
    され、 R2’が水素であり、 R3が、アルキル、置換アルキル、アルキルアリール、ヘ
    テロアリール、アリール、置換アリール、置換ヘテロア
    リール、置換オキサアルキルアリール、R15O-、並び
    に、R15-NH-から選択され、 R4が、アルキル、アリール、アルキルアリール、アルキ
    ルヘテロアリール、置換アルキル、置換アリール、並び
    に、R16-アルキレンから選択され、 R5が水素であり、 R6、R7およびR8が、水素、ハロゲン、メチル、並びに、
    トリフルオロメチルから独立に選択され、 R15が、アルキル、アリール、並びに、置換アリールか
    ら選択され、 R16が、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアル
    キルアミノ、並びに、N-ヘテロシクリルから選択される
    方法。
  3. 【請求項3】R2およびR2'が結合されている不斉中心
    が、R立体配置である、請求項2記載の方法。 【化2】
  4. 【請求項4】R1が、ベンジルあるいはハロベンジルであ
    り、 R2が、エチル並びにプロピルから選択され、 R2’が水素であり、 R3が置換フェニルであり、 R3'が置換フェニルであり、 R3''が置換フェニルであり、 R4が、(CH2)mOHあるいは(CH2)pR16であり、ここで、mは
    2あるいは3、pは1ないし3であり、 R5が水素であり、 R6が水素であり、 R7がハロであり、 R8が水素であり、 R16が、アミノ、プロピルアミノ、並びに、アゼチジニ
    ルから選択される、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】R2およびR2'が結合されている不斉中心
    が、R立体配置である、請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】以下の化合物群から選択される化合物 【化3】 ここで、 R1は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリール、
    ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置換アルキ
    ル、置換アリール、置換アルキルアリール、置換ヘテロ
    アリール、並びに、置換アルキルヘテロアリールから選
    択され、 R2およびR2’は、水素、アルキル、オキサアルキル、ア
    リール、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキル
    ヘテロアリール、置換アルキル、置換アリール、置換ア
    ルキルアリール、置換ヘテロアリール、並びに、置換ア
    ルキルヘテロアリールから独立に選択され、あるいは、
    R2およびR2’は結合して、3員環ないし7員環を形成
    し、 R3は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリール、
    ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置換アルキ
    ル、置換アリール、置換アルキルアリール、置換ヘテロ
    アリール、置換アルキルヘテロアリール、オキサアルキ
    ル、オキサアルキルアリール、置換オキサアルキルアリ
    ール、R15O-、並びに、R15-NH-から選択され、 R3'は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリー
    ル、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置換ア
    ルキル、置換アリール、置換アルキルアリール、置換ヘ
    テロアリール、置換アルキルヘテロアリール、並びに、
    R15-NH-から選択され、 R3''は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリー
    ル、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置換ア
    ルキル、置換アリール、置換アルキルアリール、置換ヘ
    テロアリール、並びに、置換アルキルヘテロアリールか
    ら選択され、 R4は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリール、
    ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置換アルキ
    ル、置換アリール、置換アルキルアリール、置換ヘテロ
    アリール、置換アルキルヘテロアリール、並びに、R16-
    アルキレン-から選択され、 R5、R6、R7およびR8は、水素、アルキル、アルコキシ、
    ハロゲン、フルオロアルキル、ニトロ、ジアルキルアミ
    ノ、アルキルスルフォニル、アルキルスルホンアミド、
    スルホンアミドアルキル、スルホンアミドアリール、ア
    ルキルチオ、カルボキシアルキル、カルボキサミド、ア
    ミノカルボニル、アリール、並びに、ヘテロアリールか
    ら独立に選択され、 R15は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリー
    ル、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置換ア
    ルキル、置換アリール、置換アルキルアリール、置換ヘ
    テロアリール、並びに、置換アルキルヘテロアリールか
    ら選択され、 R16は、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアル
    キルアミノ、N-ヘテロシクリル、並びに、置換N-ヘテロ
    シクリルから選択される、 ただし、R3がカルボニルに結合されたR15-NH-である場
    合、R2およびR4のいずれも、水素以外でなければならな
    い。
  7. 【請求項7】請求項6記載の化合物において、 R1が、水素、アルキル、アリール、置換アルキル、置換
    アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、アル
    キルアリール、アルキルヘテロアリール、並びに、置換
    アルキルアリールから選択され、 R2が、水素、アルキル、並びに、置換アルキルから選択
    され、 R2’が水素であり、 R3が、アルキル、アリール、アルキルアリール、ヘテロ
    アリール、置換アリール、置換アルキル、置換ヘテロア
    リール、オキサアルキルアリール、置換オキサアルキル
    アリール、R15O-、並びに、R15-NH-から選択され、 R4が、アルキル、アリール、アルキルアリール、アルキ
    ルヘテロアリール、置換アルキル、置換アリール、並び
    に、R16-アルキレンから選択され、 R5が水素であり、 R6、R7およびR8が、水素、ハロゲン、メチル、並びに、
    トリフルオロメチルから独立に選択され、 R15が、アルキル、アリール、並びに、置換アリールか
    ら選択され、 R16が、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアル
    キルアミノ、並びに、N-ヘテロシクリルから選択される
    化合物。
  8. 【請求項8】以下の式で表わされる化合物。 【化4】
  9. 【請求項9】R1が、水素、低級アルキル、置換低級アル
    キル、ベンジル、置換ベンジル、フェニル、ナフチル、
    並びに、置換フェニルから選択される、請求項8記載の
    化合物。
  10. 【請求項10】R1が、水素、エチル、プロピル、メトキ
    シエチル、ナフチル、フェニル、ブロモフェニル、クロ
    ロフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、ト
    リル、ジメチルフェニル、クロロフルオロフェニル、メ
    チルクロロフェニル、エチルフェニル、フェネチル、ベ
    ンジル、クロロベンジル、メチルベンジル、メトキシベ
    ンジル、テトラヒドロフラニルメチル、並びに、(エト
    キシカルボニル)エチルから選択される、請求項9記載
    の化合物。
  11. 【請求項11】R2が、水素、低級アルキル、並びに、置
    換低級アルキルから選択され、R2’が水素である、請求
    項8記載の化合物。
  12. 【請求項12】R2が、水素、メチル、エチル、プロピ
    ル、メチルチオエチル、アミノブチル、(CBZ)アミノブ
    チル、シクロヘキシルメチル、ベンジルオキシメチル、
    メチルスルフィニルエチル、メチルスルフィニルメチ
    ル、ヒドロキシメチル、ベンジル、並びに、インドリル
    メチルから選択される、請求項11記載の化合物。
  13. 【請求項13】R3が、C1ないしC13アルキル、置換低級
    アルキル、フェニル、ナフチル、一つあるいは複数のハ
    ロ、低級アルキル、低級アルコシキ、ニトロ、カルボキ
    シ、メチレンジオキシ、あるいは、トリフルオロメチル
    で置換されたフェニル、ビフェニリル、ベンジル、フェ
    ノキシメチル、ハロフェノキシメチル、フェニルビニ
    ル、ヘテロアリール、低級アルキルで置換されたヘテロ
    アリール、並びに、ベンジルオキシメチルから選択され
    る、請求項8記載の化合物。
  14. 【請求項14】R3が、エチル、プロピル、クロロプロピ
    ル、ブトキシ、ヘプチル、ブチル、オクチル、トリデカ
    ニル、(エトキシカルボニル)エチル、ジメチルアミノエ
    チル、ジメチルアミノメチル、フェニル、ナフチル、ハ
    ロフェニル、ジハロフェニル、シアノフェニル、ハロ
    (トリフルオロメチル)フェニル、クロロフェノキシメチ
    ル、メトキシフェニル、カルボキシフェニル、エチルフ
    ェニル、トリル、ビフェニリル、メチレンジオキシフェ
    ニル、メチルスルフォニルフェニル、メトキシクロロフ
    ェニル、クロロナフチル、メチルハロフェニル、トリフ
    ルオロメチルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェ
    ニル、メチルニトロフェニル、フェノキシメチル、ジメ
    トキシフェニル、フェニルビニル、ニトロクロロフェニ
    ル、ニトロフェニル、ジニトロフェニル、ビス(トリフ
    ルオロメチル)フェニル、ベンジルオキシメチル、ベン
    ジル、フラニル、ベンゾフラニル、ピリジニル、インド
    リル、メチルピリジニル、キノリニル、ピコリニル、ピ
    ラゾリル、並びに、イミダゾリルから選択される、請求
    項13記載の化合物。
  15. 【請求項15】R3がR15-NH-で、R15が、低級アルキル、
    シクロヘキシル、フェニル、並びに、ハロゲン、低級ア
    ルキル、低級アルコキシ、あるいは、低級アルキルチオ
    で置換されたフェニルから選択される、請求項8記載の
    化合物。
  16. 【請求項16】R15が、イソプロピル、ブチル、シクロ
    ヘキシル、フェニル、ブロモフェニル、ジクロロフェニ
    ル、メトキシフェニル、エチルフェニル、トリル、トリ
    フルオロメチルフェニル、並びに、メチルチオフェニル
    から選択される、請求項15記載の化合物。
  17. 【請求項17】R4が、低級アルキル、置換低級アルキ
    ル、シクロヘキシル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、あ
    るいは、低級アルキルで置換されたフェニル、ベンジ
    ル、ヘテロアリールメチル、ヘテロアリールエチル、ヘ
    テロアリールプロピル、並びに、R16-アルキレン-から
    選択され、ここで、R16は、アミノ、低級アルキルアミ
    ノ、ジ(低級アルキル)アミノ、低級アルコキシ、あるい
    は、N-ヘテロシクリルである、請求項8記載の化合物。
  18. 【請求項18】R4が、メチル、エチル、プロピル、ブチ
    ル、シクロヘキシル、カルボキシエチル、カルボキシメ
    チル、メトキシエチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシ
    プロピル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロ
    ピル、ジエチルアミノエチル、ジエチルアミノプロピ
    ル、アミノプロピル、メチルアミノプロピル、2、2-ジ
    メチル-3-(ジメチルアミノ)プロピル、1-シクロヘキシ
    ル-4-(ジエチルアミノ)ブチル、アミノエチル、アミノ
    ブチル、アミノペンチル、アミノヘキシル、アミノエト
    キシエチル、イソプロピルアミノプロピル、ジイソプロ
    ピルアミノエチル、1-メチル-4-(ジエチルアミノ)ブチ
    ル、(t-Boc)アミノプロピル、ヒドロキシフェニル、ベ
    ンジル、メトキシフェニル、メチルメトキシフェニル、
    ジメチルフェニル、トリル、エチルフェニル、(オキソ
    ピロリジニル)プロピル、(メトキシカルボニル)エチ
    ル、ベンジルピペリジニル、ピリジニルエチル、ピリジ
    ニルメチル、モルホニリルエチル、モルホニリルプロピ
    ル、ピペリジニル、アゼチジニルメチル、アゼチジニル
    プロピル、ピロリジニルエチル、ピロリジニルプロピ
    ル、ピペリジニルメチル、ピペリジニルエチル、イミダ
    ゾリルプロピル、イミダゾリルエチル、(エチルピロリ
    ジニル)メチル、(メチルピロリジニル)エチル、(メチル
    ピペリジニル)プロピル、(メチルピペラジニル)プロピ
    ル、フラニルメチル、並びに、インドリルエチルから選
    択される、請求項17記載の化合物。
  19. 【請求項19】R1が、低級アルキル、ベンジル、置換ベ
    ンジル、並びに、置換フェニルから選択され、 R2が、水素、アルキル、置換低級アルキル、並びに、ベ
    ンジルから選択され、 R2’が水素であり、 R3が、置換フェニル並びにナフチルから選択され、 R4が、置換アルキル並びにR16-アルキレン-から選択さ
    れ、 R5が、水素あるいはハロであり、 R6が、水素、メチル、あるいは、ハロであり、 R7が、水素、ハロ、メチル、あるいは、トリフルオロメ
    チルであり、 R8が、水素あるいはハロであり、 R16が、ジ(低級アルキルアミノ)、(低級アルキル)アミ
    ノ、アミノ、N-ヘテロシクリル、並びに、置換N-ヘテロ
    シクリルから選択される、請求項8記載の化合物。
  20. 【請求項20】R1が、ベンジルあるいはハロベンジルで
    あり、 R2が、エチル並びにプロピルから選択され、 R2’が水素であり、 R3が置換フェニルであり、 R3'が置換フェニルであり、 R3''が置換フェニルであり、 R4が、(CH2)mOHあるいは(CH2)pR16であり、ここで、mは
    2あるいは3、pは1ないし3であり、 R5が水素であり、 R6が水素であり、 R7がハロであり、 R8が水素であり、 R16が、アミノ、プロピルアミノ、並びに、アゼチジニ
    ルから選択される、請求項6記載の化合物。
  21. 【請求項21】以下の式で表される、請求項6記載の化
    合物。 【化5】
  22. 【請求項22】R1が、水素、低級アルキル、置換低級ア
    ルキル、ベンジル、置換ベンジル、フェニル、ナフチ
    ル、並びに、置換フェニルから選択され、 R2が、水素、低級アルキル、並びに、置換低級アルキル
    から選択され、R2’が水素であり、 R3'が、C1ないしC13アルキル、フェニル、ナフチル、ハ
    ロ、低級アルキル、低級アルコキシ、ニトロ、メチレン
    ジオキシ、あるいは、トリフルオロメチルで置換された
    フェニル、ビフェニリル、ベンジル、並びに、ヘテロア
    リールから選択され、 R4が、低級アルキル、置換低級アルキル、シクロヘキシ
    ル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、あるいは、低級アル
    キルで置換されたフェニル、ベンジル、ヘテロアリール
    メチル、ヘテロアリールエチル、ヘテロアリールプロピ
    ル、並びに、R1 6-アルキレンから選択され、 ここで、R16が、アミノ、(低級アルキル)アミノ、ジ(低
    級アルキル)アミノ、低級アルコキシ、あるいは、N-ヘ
    テロシクリルである、請求項21記載の化合物。
  23. 【請求項23】R1が、低級アルキル、ベンジル、置換ベ
    ンジル、並びに、置換フェニルから選択され、 R2が、水素あるいは低級アルキルであり、 R2’が水素であり、 R3が、置換フェニル並びにナフチルから選択され、 R4が、R16-アルキレン-、ヒドロキシ(低級アルキ
    ル)、あるいは、カルボキシ(低級アルキル)であり、 R7が、水素、フルオロ、クロロ、あるいは、メチルであ
    り、 R5、R6およびR8が水素であり、 R16が、ジ(低級アルキル)アミノ、(低級アルキル)アミ
    ノ、アミノ、ピロリジニル、並びに、ピペリジニルから
    選択される、請求項22記載の化合物。
  24. 【請求項24】以下の式で表される請求項6記載の化合
    物。 【化6】
  25. 【請求項25】R1が、水素、低級アルキル、置換低級ア
    ルキル、ベンジル、置換ベンジル、フェニル、ナフチ
    ル、並びに、置換フェニルから選択され、 R2が、水素、低級アルキル、並びに、置換低級アルキル
    から選択され、R2’が水素であり、 R4が、低級アルキル、シクロヘキシル、ヒドロキシ、低
    級アルコキシ、あるいは、低級アルキルで置換されたフ
    ェニル、ベンジル、ヘテロアリールメチル、ヘテロアリ
    ールエチル、ヘテロアリールプロピル、並びに、R16-ア
    ルキレンから選択され、ここで、R16が、ジ(低級アルキ
    ル)アミノ、(低級アルキル)アミノ、アミノ、低級ア
    ルコキシ、あるいは、N-ヘテロシクリルである、請求項
    24記載の化合物。
  26. 【請求項26】R1が、低級アルキル、ベンジル、置換ベ
    ンジル、並びに、置換フェニルから選択され、 R2が、水素あるいは低級アルキルであり、 R2’が水素であり、 R4がR16-アルキレン-であり、 R7が、水素、フルオロ、クロロ、あるいは、メチルであ
    り、 R5、R6およびR8が水素であり、 R16が、ジ(低級アルキルアミノ)、(低級アルキル)アミ
    ノ、アミノ、ピロリジニル、ピペリジニル、イミダゾリ
    ル、並びに、モルホニリルから選択される、請求項24
    記載の化合物。
  27. 【請求項27】以下の式で表される請求項6記載の化合
    物。 【化7】
  28. 【請求項28】R1が、水素、低級アルキル、置換低級ア
    ルキル、ベンジル、置換ベンジル、フェニル、ナフチ
    ル、並びに、置換フェニルから選択され、 R2が、水素、低級アルキル、並びに、置換低級アルキル
    から選択され、R2’が水素であり、 R3''が、C1ないしC13アルキル、置換低級アルキル、フ
    ェニル、ナフチル、ハロ、低級アルキル、低級アルコキ
    シ、ニトロ、メチレンジオキシ、あるいは、トリフルオ
    ロメチルで置換されたフェニル、ビフェニリル、ベンジ
    ル、並びに、ヘテロシクリルから選択され、 R4が、低級アルキル、置換低級アルキル、シクロヘキシ
    ル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、あるいは、低級アル
    キルで置換されたフェニル、ベンジル、置換ベンジル、
    ヘテロシクリル、ヘテロアリールメチル、ヘテロアリー
    ルエチル、ヘテロアリールプロピル、並びに、R16-アル
    キレンから選択され、 ここで、R16がジ(低級アルキル)アミノ、(低級アルキ
    ル)アミノ、アミノ、低級アルコキシ、あるいは、N-ヘ
    テロシクリルである、請求項27記載の化合物。
  29. 【請求項29】R1が、低級アルキル、ベンジル、置換ベ
    ンジル、並びに、置換フェニルから選択され、 R2が、水素あるいは低級アルキルであり、 R2’が水素であり、 R3''が、置換フェニル、ヘテロシクリル、並びに、ナフ
    チルから選択され、 R4が、置換ベンジル、ヘテロシクリル、置換低級アルキ
    ル、並びに、R16-アルキレン-から選択され、 R6およびR7が、水素並びにハロから選択され、 R5およびR8が水素であり、 R16が、ジ(低級アルキルアミノ)、(低級アルキル)アミ
    ノ、アミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、イミダゾリル、
    並びに、モルホリノから選択される、請求項28記載の
    化合物。
  30. 【請求項30】R1がベンジルであり、 R2がエチルであり、 R2’が水素であり、 R3''が、ハロフェニル、ポリハロフェニル、トリル、ジ
    メチルフェニル、メトキシフェニル、ジメトキシフェニ
    ル、シアノフェニル、トリフルオロメチルフェニル、ト
    リフルオロメトキシフェニル、ビス(トリフルオロメチ
    ル)フェニル、カルボキシフェニル、t-ブチルフェニ
    ル、メトキシカルボニルフェニル、ピペリジニル、並び
    に、ナフチルから選択され、 R4が、置換ベンジル、ピペリジニル、ヒドロキシ(低級
    アルキル)、並びに、R1 6-アルキレン-から選択され、 R6およびR7が、水素並びにハロゲンから選択され、 R5およびR8が水素であり、 R16が、ジメチルアミノ、アミノ、ピロリジニル、並び
    に、ピペリジニルから選択される、請求項29記載の化
    合物。
  31. 【請求項31】R2およびR2'が結合されている不斉中心
    が、R立体配置である、請求項7ないし20、22、2
    3、25、26、および28ないし30の何れかに記載
    の化合物。
  32. 【請求項32】図3に規定される式の化合物である、請
    求項6記載の化合物。
  33. 【請求項33】KSPキネシンモジュレーターをスクリー
    ニングする方法で、 (a) キネシンと、生体活性物質候補と、以下の化合物
    群から選択される化合物と、を結合させるステップと、 【化8】 ここで、 R1は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリール、
    ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置換アルキ
    ル、置換アリール、置換アルキルアリール、置換ヘテロ
    アリール、並びに、置換アルキルヘテロアリールから選
    択され、 R2およびR2’は、水素、アルキル、オキサアルキル、ア
    リール、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキル
    ヘテロアリール、置換アルキル、置換アリール、置換ア
    ルキルアリール、置換ヘテロアリール、並びに、置換ア
    ルキルヘテロアリールから独立に選択され、あるいは、
    R2およびR2’は結合して、3員環ないし7員環を形成
    し、 R3は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリール、
    ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置換アルキ
    ル、置換アリール、置換アルキルアリール、置換ヘテロ
    アリール、置換アルキルヘテロアリール、オキサアルキ
    ル、オキサアルキルアリール、置換オキサアルキルアリ
    ール、R15O-、並びに、R15-NH-から選択され、 R3'は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリー
    ル、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置換ア
    ルキル、置換アリール、置換アルキルアリール、置換ヘ
    テロアリール、置換アルキルヘテロアリール、並びに、
    R15-NH-から選択され、 R3''は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリー
    ル、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置換ア
    ルキル、置換アリール、置換アルキルアリール、置換ヘ
    テロアリール、並びに、置換アルキルヘテロアリールか
    ら選択され、 R4は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリール、
    ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置換アルキ
    ル、置換アリール、置換アルキルアリール、置換ヘテロ
    アリール、置換アルキルヘテロアリール、並びに、R16-
    アルキレン-から選択され、 R5、R6、R7およびR8は、水素、アルキル、アルコキシ、
    ハロゲン、フルオロアルキル、ニトロ、ジアルキルアミ
    ノ、アルキルスルフォニル、アルキルスルホンアミド、
    スルホンアミドアルキル、スルホンアミドアリール、ア
    ルキルチオ、カルボキシアルキル、カルボキサミド、ア
    ミノカルボニル、アリール、並びに、ヘテロアリールか
    ら独立に選択され、 R15は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリー
    ル、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置換ア
    ルキル、置換アリール、置換アルキルアリール、置換ヘ
    テロアリール、並びに、置換アルキルヘテロアリールか
    ら選択され、 R16は、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアル
    キルアミノ、N-ヘテロシクリル、並びに、置換N-ヘテロ
    シクリルから選択され、 (b)キネシンの活性に対する、前記生体活性物質候補の
    影響を測定するステップと、を備える方法。
  34. 【請求項34】KSPキネシンに結合する化合物をスクリ
    ーニングする方法であって、 (a)キネシンと、生体活性物質候補と、以下の化合物群
    から選択される標識化合物と、を結合させるステップ
    と、 【化9】 ここで、R1は、水素、アルキル、アリール、アルキルア
    リール、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置
    換アルキル、置換アリール、置換アルキルアリール、置
    換ヘテロアリール、並びに、置換アルキルヘテロアリー
    ルから選択され、 R2およびR2’は、水素、アルキル、オキサアルキル、ア
    リール、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルキル
    ヘテロアリール、置換アルキル、置換アリール、置換ア
    ルキルアリール、置換ヘテロアリール、並びに、置換ア
    ルキルヘテロアリールから独立に選択され、あるいは、
    R2およびR2’は結合して、3員環ないし7員環を形成
    し、 R3は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリール、
    ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置換アルキ
    ル、置換アリール、置換アルキルアリール、置換ヘテロ
    アリール、置換アルキルヘテロアリール、オキサアルキ
    ル、オキサアルキルアリール、置換オキサアルキルアリ
    ール、R15O-、並びに、R15-NH-から選択され、 R3'は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリー
    ル、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置換ア
    ルキル、置換アリール、置換アルキルアリール、置換ヘ
    テロアリール、置換アルキルヘテロアリール、並びに、
    R15-NH-から選択され、 R3''は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリー
    ル、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置換ア
    ルキル、置換アリール、置換アルキルアリール、置換ヘ
    テロアリール、並びに、置換アルキルヘテロアリールか
    ら選択され、 R4は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリール、
    ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置換アルキ
    ル、置換アリール、置換アルキルアリール、置換ヘテロ
    アリール、置換アルキルヘテロアリール、並びに、R16-
    アルキレン-から選択され、 R5、R6、R7およびR8は、水素、アルキル、アルコキシ、
    ハロゲン、フルオロアルキル、ニトロ、ジアルキルアミ
    ノ、アルキルスルフォニル、アルキルスルホンアミド、
    スルホンアミドアルキル、スルホンアミドアリール、ア
    ルキルチオ、カルボキシアルキル、カルボキサミド、ア
    ミノカルボニル、アリール、並びに、ヘテロアリールか
    ら独立に選択され、 R15は、水素、アルキル、アリール、アルキルアリー
    ル、ヘテロアリール、アルキルヘテロアリール、置換ア
    ルキル、置換アリール、置換アルキルアリール、置換ヘ
    テロアリール、並びに、置換アルキルヘテロアリールか
    ら選択され、 R16は、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアル
    キルアミノ、N-ヘテロシクリル、並びに、置換N-ヘテロ
    シクリルから選択され、 (b)キネシンへの前記生体活性物質候補の結合を測定す
    るステップと、を備える。
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