JP2008533060A - フタラジノン - Google Patents

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Abstract

式中のR、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、Z1、Z2、Z3およびY1が請求項1に記載の意味を有する式Iの化合物は特に、腫瘍を治療するために使用することができる。

Description

本発明の目的は、価値のある特性を有する新規化合物、特に、医薬品を調製するために使用することができる化合物を発見することである。
本発明は、式Iの化合物、および有糸分裂モータータンパク質、特に有糸分裂モータータンパク質Eg5の阻害、制御および/または調節が役割を果たす疾患を治療および予防するためのその使用、さらにこれらの化合物を含む医薬組成物に関する。
詳細には、本発明は、1種または複数の有糸分裂モータータンパク質を有利に阻害、制御および/または調節する式Iの化合物、これらの化合物を含む組成物、ならびに血管形成、癌、腫瘍形成、腫瘍増殖および腫瘍伝播、動脈硬化、眼疾患、脈絡膜血管新生および糖尿病性網膜症、炎症性疾患、関節炎、神経変性、再狭窄、創傷治癒または移植拒絶などの疾患および愁訴を治療するためのその使用方法に関する。特に、本発明による化合物は、癌疾患の治療または予防に適している。
有糸分裂の間、様々なキネシンが、染色体の正確で協調した整列および分離を担っている紡錘体装置の形成および動力学を制御する。有糸分裂モータータンパク質Eg5の特異的阻害は、紡錘糸の破壊をもたらすことが観察されている。この結果、染色体はもはや、娘細胞で正確に分布できなくなる。これは、有糸分裂の停止をもたらし、したがって細胞死を引き起こす。例えば、乳房腫瘍、肺腫瘍および結腸腫瘍からの組織でのモータータンパク質Eg5のアップレギュレーションが記載されている。Eg5は、有糸分裂特異的機能を呈するので、主に、迅速に分化する細胞および十分には分化していない細胞が、Eg5阻害により影響を受ける。加えて、Eg5は、有糸分裂微小管(紡錘装置)の運動を専ら制御し、細胞骨格の運動は調節しない。このことは、本発明による化合物の副作用プロファイルに関して重大である。それというのも例えば、タキソールの場合に観察されるような神経障害は、生じないか、弱い規模でしか生じないためである。したがって、本発明による化合物によるEg5の阻害は、悪性腫瘍の治療に適切な治療概念である。
一般に、例えば単球性白血病、脳、尿生殖器、リンパ系、胃、喉頭の癌ならびに肺腺癌および小細胞肺癌を含む肺の癌腫などの、すべての固形および非固形腫瘍を、式Iの化合物を用いて治療することができる。さらなる例には、前立腺、膵臓および乳房癌腫が含まれる。
意外にも、本発明による化合物は、有糸分裂モータータンパク質、特にEg5を特異的に阻害することが判明した。本発明による化合物は好ましくは、例えば本明細書に記載されているアッセイで容易に検出することができる有利な生物学的活性を示す。このようなアッセイでは、本発明による化合物は好ましくは、通常は適切な範囲、好ましくはマイクロモル範囲、さらに好ましくはナノモル範囲のIC50値で記録される阻害作用を示し、もたらす。
本明細書で検討されるように、本発明による化合物の作用は様々な疾患に適している。したがって、本発明による化合物は、1種または複数の有糸分裂モータータンパク質、特にEg5の阻害により影響を受ける疾患を予防および/または治療する際に有用である。
したがって本発明は、前記疾患を治療および/または予防する際の医薬品および/または医薬品活性成分としての本発明による化合物、前記疾患を治療および/または予防するための製剤を調製するための本発明による化合物の使用、さらに本発明による1種または複数の化合物を、そのような投与を必要とする患者に投与することを含む前記疾患の治療法に関する。
本発明による化合物は、異種移植腫瘍モデルにおいて有利な作用を有することを示すことができる。
受容者または患者には、任意の哺乳動物種、例えば霊長類、特にヒト;マウス、ラットおよびハムスターを含む齧歯類;ウサギ;ウマ、ウシ、イヌ、ネコなどが該当しうる。ヒト疾患を治療するためのモデルを得る実験研究では、動物モデルが重要である。
本発明による化合物を用いての治療に対するある種の細胞の感受性を、インビトロで試験することにより決定することができる。典型的には、活性成分が細胞死をもたらすか、移動を阻害することができるために十分な期間、通常は約1時間から1週間、細胞培養を、様々な濃度の本発明による化合物と組み合わせる。インビトロでの試験のために、生検試料から培養された細胞を使用することができる。次いで、治療の後に残った生存細胞の数を数える。
用量は、使用される特定の化合物、特定の疾患、患者の状態などに応じて変化する。典型的には、治療用量は、標的組織での望ましくない細胞集団をかなり低減するためには十分であるが、患者の生存能力は維持する量である。治療は通常、かなりの低減が生じるまで、例えば少なくとも腫瘍細胞量の約50%の低減まで継続するが、望ましくない細胞が体内で基本的に検出されなくなるまで、継続することもできる。
本発明は、式Iの化合物ならびにその薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(あらゆる比でのこれらの混合物を含む)に関する:
Figure 2008533060
[式中、
1、R2、R3およびR4は相互に独立に、H、A、Ar、Het、ORa、SRa、OAr、SAr、N(Ra2、NRaAr、Hal、NO2、CN、(CH2mCOORa、(CH2mCOOAr、(CH2mCON(Ra2、(CH2mCONHAr、CORa、COAr、S(O)mA、S(O)mAr、NHCOA、NHCOAr、NHSO2A、NHSO2ArまたはSO2N(Ra2を意味し、
aは、H、A、Ar、Het、アラルキルまたはヘテロアラルキルを意味し、
5、R8は相互に独立に、H、A、Ar、Het、アラルキルまたはヘテロアラルキルを意味し、
6、R7は相互に独立に、HまたはAを意味するか、それらが結合しているN原子と一緒になって、N、SおよびOから選択される1、2または3個のさらなるヘテロ原子を含有してもよい飽和または不飽和5員、6員または7員の複素環を形成し、
1は、O、SまたはNR1を意味し、
1、Z2、Z3は相互に独立に、(CR910nまたは(CR910p−(C=Y2)−(CR1112qを意味し、
Aは、アルキルまたはシクロアルキルを意味し、
Arは、アリールまたはヘテロアリールを意味し、
Hetは、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルを意味し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを意味し、
2は、O、SまたはNR2を意味し、
9、R10、R11、R12は相互に独立に、H、A、OA、Ar、Het、アラルキルまたはヘテロアラルキルを意味し、
mは、0、1、2または3を意味し、
nは、1、2、3または4を意味し、
p、qは相互に独立に、0、1、2または3を意味する]。
さらに本発明は、これらの化合物の光学的活性形態、互変異性体、ラセミ化合物、ジアステレオ異性体ならびに水和物および溶媒和物に関する。化合物の溶媒和物は、その相互引力により形成される式Iの化合物への不活性溶媒分子の付加を意味している。溶媒和物は例えば、一水和物もしくは二水和物またはアルコラートである。
薬学的に使用可能な誘導体は例えば、本発明による化合物の塩、さらにいわゆるプロドラッグ化合物またはプロドラッグ誘導体を意味する。適切なプロドラッグ化合物またはプロドラッグ誘導体およびそれらの調製法は、当業者に知られている。
プロドラッグ化合物またはプロドラッグ誘導体は好ましくは、例えばアルキルまたはアシル基、糖またはオリゴペプチドにより修飾されていて、生体内で迅速に分解して、本発明による有効な化合物を形成する式Iの化合物を意味する。これらにはさらに、例えばInt.J.Pharm.115、61〜67頁(1995年)に記載されているような、本発明による化合物の生分解性ポリマー誘導体も含まれる。
同様の化合物が例えば、Tetrahedron Lett.1988、29、5855〜5858、Tetrahederon Lett.2003、44、217〜219、J.Org.Chem.1997、62、4880〜4882、J.Org.Chem.1999、64、6462〜6467、Chem.Lett.1995、423〜424、J.Org.Chem.2000、65、5009〜5013、Chem.Lett.2003、32、222〜223、米国特許出願公開第2003149069A1号明細書に記載されているが、癌治療に関連しては挙げられてないか、かつ/または本発明に必須である形態を含まない。
「有効量」との表現は、組織、系、動物またはヒトにおいて、例えば研究者または医師により調べられているか望まれている生物学的または医学的応答をもたらす医薬品または薬剤活性成分の量を意味する。加えて、「治療有効量」との表現は、ヒトまたは他の哺乳動物において次の効果のうちの少なくとも1つ(この量を与えられなかった対応する対象と比較して)をもたらす量を意味している:
疾患、症候群、状態、愁訴、障害または副作用の治癒治療、治癒、予防もしくは除去の改善またはさらに、疾患、愁訴または障害の進行の低減。「治療有効量」との表現はさらに、正常な生理機能を増大または強化するために有効な量を包含する。
本発明の目的では、「本明細書に」との用語は好ましくは、「明細書および/または請求項に」および特に「前記および/または後記の明細書および/または請求項に」を意味する。したがって例えば、「本明細書に記載されているような」との表現は好ましくは、「明細書および/または請求項に記載されているような」との意味、および特に「前記および/または後記の明細書および/または請求項に記載されているような」との意味を有する。
さらに本発明は、式Iの化合物の混合物、例えば2種のジアステレオ異性体の混合物、例えば約1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:100または約1:1000の比での2種のジアステレオ異性体の混合物、の使用に関する。
これらは特に好ましくは、立体異性体化合物の混合物である。
本発明は、式Iの化合物およびその塩に、特許請求項に記載の式Iの化合物ならびにその薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物および立体異性体を調製する方法に関し、これは、
a)式IIの化合物:
Figure 2008533060
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、Y3およびZ1は、本明細書に記載の意味を有し、LG1は、脱離基を表す]を、式IIIの化合物:
Figure 2008533060
[式中、
6、R7およびZ2は、本明細書に記載の意味を有し、
1は、Hまたは金属原子を表し、
bは、L2またはZ3−R8を表し、ここで、
2は、Hまたは金属原子を表し、
3およびR8は、本明細書に記載の意味を有する]と反応させ、RbがL2を表す場合、反応ステップa)で得られた式:
Figure 2008533060
の生成物を、
b)式Vの化合物:
LG2−Z3−R8
[式中
3およびR8は本明細書に記載の意味を有し、
LG2は脱離基を表す]と反応させ、場合によって、
c)生じた式Iの化合物を単離し、かつ/または酸または塩基で処理して、これをその塩の1種に変換する。
前記の方法に適している脱離基LG1およびLG2は、例えば、Houben−Weyl、Methoden der organischen Chemie[有機化学の方法](Georg−Thieme−Verlag、Stuttgart)などの標準的な論文から、当業者に知られている。
LG1は好ましくは、Hal、特にCl、BrまたはIおよびOSO2eから選択される脱離基を表し、ここでReは好ましくは、A、特にメチルおよびトリフルオロメチルなどのアルキルならびにAr、特にフェニルまたは置換フェニルから選択される。
LG1は特に好ましくは、OSO2CH3を表す。
LG2は好ましくは、Hal、特にCl、BrまたはIおよびOSO2eから選択される脱離基を表し、ここでReは好ましくは、A、特にメチルおよびトリフルオロメチルなどのアルキルならびにAr、特にフェニルまたは置換フェニルから選択される。
LG2は特に好ましくは、Hal、特に好ましくはCl、BrまたはI、特にClを表す。
1およびL2は好ましくは相互に独立に、Hまたは金属原子、例えばNaまたはKなどのアルカリ金属原子、特に好ましくはHを表す。
さらに、例えば1個または複数の基、例えばR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8から選択される1個または複数の基を、1個または複数の他の基R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR8に変換することにより(即ち例えば、基R1を他の基R1に変換するか、基R5を他の基R5に変換することにより)、例えばメタノールまたはエタノールなどの不活性溶媒中でのラネーニッケルまたはPd/炭素での水素化により、ニトロ基をアミノ基に還元することにより、かつ/またはエステル基をカルボキシル基に変換することにより、および/または還元アミノ化によりアミノ基をアルキル化アミンに変換することにより、および/またはアルコールとの反応によるカルボキシル基のエステル化により、式Iの化合物を他の式Iの化合物に変換することができる。
さらに、ジクロロメタンまたはTHFなどの不活性溶媒中、および/またはトリエチルアミンまたはピリジンなどの塩基の存在下に−60℃から+30℃の温度で、遊離のアミノ基を、慣用の方法で酸塩化物または無水物を使用してアシル化するか、非置換または置換アルキルハロゲン化物を使用してアルキル化することができる。
望ましい場合には、式Iの化合物中の官能性に修飾されたアミノ基および/またはヒドロキシル基を、慣用の方法により加溶媒分解または水素化分解することにより遊離させることができる。これは例えば、NaOHまたはKOHを水、水/THFまたは水/ジオキサン中、0から100℃で使用して実施することができる。
本発明による方法を好ましくは、知られていて、前記の反応に適している反応条件下に実施するか、当業者による同様の反応から単純な方法で導くことができる。この場合、本明細書に詳細には記載されていないが、それ自体知られている変法を使用することもできる。
本発明による方法のための出発原料は、市販もされているが、文献(例えば、Houben−Weyl、Methoden der organischen Chemie[有機化学の方法]、Georg−Thieme−Verlag、Stuttgartなどの標準的な論文に)に記載されているようなそれ自体知られている方法により、これらの反応に適している既知の反応条件下に的確に調製することもできる。さらに、本明細書に詳細には記載されていないが、それ自体知られている変法をこの場合に使用することができる。
望ましい場合には、出発原料をその場で形成させて、これらを、反応混合物から単離することなく、その代わりに直ちに、本発明による化合物にさらに変換することもできる。
本明細書に記載の方法により得られる式Iの化合物のジアステレオ異性体および鏡像異性体の任意の混合物を、好ましくはクロマトグラフィーおよび/または結晶化により分離する。
望ましい場合には、本明細書に記載の方法により得られる式Iの塩基および酸を、その塩に変換する。
前記および後記において、基R1、R2、R3、R4、Ra、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、Y1、Y2、Z1、Z2、Z3、A、Het、Ar、m、n、pおよびqは、他に特に記載のない限り、式Iに関して示された意味を有する。個々の基が、1つの化合物内で1回を超えて生じる場合には、基は相互に独立に、示されている意味を採る。
式Iの好ましい化合物は、式I’の化合物ならびにその薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(あらゆる比でのこれらの混合物を含む)である:
Figure 2008533060
[式中、
1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10およびZ2は、本明細書と同様に定義され、
9、R10は相互に独立に、H、A、OA、Ar、Het、アラルキルおよびヘテロアラルキルから、特に好ましくはH、A、Arおよびアラルキルから、特にHおよびAから選択される]。
本発明の目的では、アルキルは好ましくは、非分枝鎖(直鎖)または分枝鎖であり、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のC原子を有し、置換されていてもよい。置換アルキルは、好ましくはHal、特にClおよびF、OH、O−アルキル、NH2およびN(アルキル)2(ここでアルキルは前記と同様であり、好ましくは前記のような非置換アルキルである)から好ましくは選択される1〜7個、好ましくは1〜5個および特に好ましくは1〜3個の置換基を有する、このセクションに記載されているアルキル基である。置換アルキルは特に好ましくは、1〜7個のH原子がFおよび/または塩素により置換されている前記のようなアルキル基、例えば、過塩素化または過フッ素化アルキル基を意味する。このタイプのフッ素および/または塩素置換アルキル基は好ましくは、1、2、3、4または5個のC原子を有する。好ましいフッ素−および/または塩素置換アルキル基は、過フッ素化アルキル基、特にトリフルオロメチル基である。非置換または置換アルキルは特に好ましくは、メチル、さらにエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチル、さらにペンチル、1−、2−または3−メチルブチル、1,1−、1,2−または2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1−、2−、3−または4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−または3,3−ジメチルブチル、1−または2−エチルブチル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−または1,2,2−トリメチルプロピル、さらに特に好ましくは、トリフルオロメチルを意味する。アルキルは非常に特に好ましくは、前記のように塩素化および/またはフッ素化されていてもよい1、2、3、4、5または6個のC原子を有するアルキル基を意味し、特に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルおよび1,1,1−トリフルオロ−エチルから選択される。
本発明の目的では、シクロアルキルは好ましくは、置換または非置換のシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルから選択される。置換シクロアルキルは好ましくは、Hal、特にClおよびF、OH、O−アルキル、NH2およびN(アルキル)2(ここでアルキルは前記と同様であり、好ましくは前記のような非置換アルキルである)から好ましくは選択される1〜7個、好ましくは1〜5個および特に好ましくは1〜3個の置換基を有する前記のシクロアルキル基である。
本発明の目的では、アルキレンは好ましくは、Hal、特にClおよびF、OH、O−アルキル、NH2およびN(アルキル)2(ここでアルキルは前記と同様であり、好ましくは前記のような非置換アルキルである)から好ましくは選択される1〜7個、好ましくは1〜5個および特に好ましくは1〜3個の置換基を有してもよい、1〜10個のC原子、好ましくは1〜4個のC原子を有する非分枝鎖または分枝鎖二価炭化水素基である。非置換のアルキレンは好ましくは、メチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレンまたはn−ブチレンおよび特にメチレンまたはエチレンを表す。
本発明の目的では、アリールは好ましくは、置換または非置換のベンゼン環、例えばフェニル基または例えばアントラセン、フェナントレンまたはナフタレン環系もしくは基などのベンゼン環の系である。置換アリールは好ましくは、Hal、A、OH、OA、NH2、NO2、CN、COOH、COOA、CONH2、NHCOA、NHCONH2、NHSO2A、CHO、COA、SO2NH2、SO2A、−CH2−COOHまたは−OCH2−COOHから、特にHal、特にClおよびF、OH、O−アルキル、NH2およびN(アルキル)2(ここでアルキルは前記と同様であり、好ましくは前記のような非置換アルキルである)から好ましくは選択される1〜7個、好ましくは1〜5個、特に好ましくは1〜3個の置換基を有する前記のアリール基である。したがってアリールは特に好ましくは、フェニル、ナフチルまたはビフェニルを意味し、これらはそれぞれ、非置換であるか、Hal、A、OH、OA、NH2、NO2、CN、COOH、COOA、CONH2、NHCOA、NHCONH2、NHSO2A、CHO、COA、SO2NH2、SO2A、−CH2−COOHまたは−OCH2−COOHにより一置換、二置換または三置換されている。
アリールは非常に特に好ましくは、フェニル、o−、m−またはp−トリル、o−、m−またはp−エチルフェニル、o−、m−またはp−プロピルフェニル、o−、m−またはp−イソプロピルフェニル、o−、m−またはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−またはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−またはp−メトキシフェニル、o−、m−またはp−ニトロフェニル、o−、m−またはp−アミノフェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−またはp−アセトアミドフェニル、o−、m−またはp−メトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシカルボニルフェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジメチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−またはp−(N−エチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−フルオロフェニル、o−、m−またはp−ブロモフェニル、o−、m−またはp−クロロフェニル、o−、m−またはp−(メチルスルホンアミド)フェニル、o−、m−またはp−(メチルスルホニル)フェニル、さらに好ましくは2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジクロロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジブロモフェニル、2,4−または2,5−ジニトロフェニル、2,5−または3,4−ジメトキシフェニル、3−ニトロ−4−クロロフェニル、3−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−3−クロロ−、2−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−5−クロロ−または2−アミノ−6−クロロフェニル、2−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノ−または3−ニトロ−4−N,N−ジ−メチルアミノフェニル、2,3−ジアミノフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,6−または3,4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル、p−ヨードフェニル、3,6−ジクロロ−4−アミノフェニル、4−フルオロ−3−クロロフェニル、2−フルオロ−4−ブロモフェニル、2,5−ジフルオロ−4−ブロモフェニル、3−ブロモ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−アミノ−6−メチルフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニルまたは2,5−ジメチル−4−クロロフェニルを意味する。
本発明の目的では、ヘテロアリールは好ましくは、置換または非置換の単環式5員から7員の芳香環またはこのタイプの2個または3個の単環式5員から7員の環を含む非置換または置換縮合環系であり、この1個または複数の環は、好ましくはN、SおよびOから選択される1個または複数のヘテロ原子を含む。ヘテロアリール基は好ましくは、前記の1から4個のヘテロ原子、特に1から4個の窒素原子を含む。ヘテロアリール基の例は、フラニル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキソ−ピリジル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリダジル、ピラジニル、ピリミジル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、インダゾリルおよびこれらの置換誘導体、好ましくは、Hal、A、OH、OA、NH2、NO2、CN、COOH、COOA、CONH2、NHCOA、NHCONH2、NHSO2A、CHO、COA、SO2NH2、SO2A、−CH2−COOHまたは−OCH2−COOHにより一置換、二置換または三置換されているこれらの誘導体である。
ヘテロアリールは好ましくは、非置換であるか、Hal、A、NO2、NHA、NA2、OA、COOAまたはCNにより一置換、二置換または三置換されている、1個または複数のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式または二環式芳香族複素環を意味する。
ヘテロアリールは特に好ましくは、非置換であるか、Hal、A、NHA、NA2、NO2、COOAまたはベンジルにより一置換、二置換または三置換されていてもよい1個のN、SまたはO原子を有する単環式飽和または芳香族複素環を意味する。
さらなる置換を問わず、非置換ヘテロアリールは、例えば、2−または3−フリル、2−または3−チエニル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2−、4−または5−イミダゾリル、1−、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソオキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−、5−または6−ピリミジニル、さらに好ましくは1,2,3−トリアゾール−1−、−4−または−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−または5−イル、1−または5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−または−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−または−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−または−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−または−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−または−5−イル、3−または4−ピリダジニル、ピラジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インドリル、4−または5−イソインドリル、1−、2−、4−または5−ベンズイミダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾオキサゾリル、3−、4−、5−、6−または7−ベンズイソオキサゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾチアゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンズイソチアゾリル、4−、5−、6−または7−ベンズ−2,1,3−オキサジアゾリル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−キノリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−または8−イソキノリル、3−、4−、5−、6−、7−または8−シノリニル、2−、4−、5−、6−、7−または8−キナゾリニル、5−または6−キノキサリニル、2−、3−、5−、6−、7−または8−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、さらに好ましくは1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−または−5−イルまたは2,1,3−ベンゾオキサジアゾール−5−イルを示す。
本発明の目的では、アラルキルは好ましくは、前記で定義されたアルキレン基に結合している前記で定義されたアリール基である。アラルキルは、置換されていてもよいが、好ましくは非置換である。好ましい非置換アリールアルキル基の例は、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピルおよびフェニルブチル、特にベンジルおよびフェネチルである。置換アリールアルキルは好ましくは、Hal、A、OH、OA、NH2、NO2、CN、COOH、COOA、CONH2、NHCOA、NHCONH2、NHSO2A、CHO、COA、SO2NH2、SO2A、−CH2−COOHまたは−OCH2−COOH、特に好ましくはHal、特にClおよびF、OH、O−アルキル、NH2およびN(アルキル)2(ここでアルキルは前記と同様であり、好ましくは前記のような非置換アルキルである)から好ましくは選択される1〜7個、好ましくは1〜5個、特に好ましくは1〜3個の置換基を有する前記のアリールアルキル基である。
本発明の目的では、ヘテロアラルキルは好ましくは、1個または複数のC原子、好ましくは1から4個のC原子が好ましくはN、SおよびOから、特にNおよびSから選択されるヘテロ原子で置換されている前記で定義されたアラルキルである。ヘテロアラルキルは特に好ましくは、前記で定義されたアルキレン基に結合している前記で定義されたヘテロアリール基である。ヘテロアルキルは置換されていてもよいが、好ましくは非置換である。好ましい非置換ヘテロアリールアルキル基の例は、ピリジル−2−イルメチル、ピリジル−3−イルメチル、ピリジル−4−イルメチル、ピリジル−2−イルエチル、ピリジル−3−イルエチルおよびピリジル−4−イルエチルである。
本発明の目的では、ヘテロシクリルは好ましくは、好ましくはN、SおよびOから選択される1から6個のC原子および1から4個のヘテロ原子を好ましくは有する不飽和または好ましくは飽和の環式基である。ヘテロシクリルは好ましくは、非置換であるか、1から5個、特に1から3個の置換基で置換されている前記の5員、6員または7員の環であり、ここで、置換基は好ましくは、Hal、A、OH、OA、NH2、NO2、CN、COOH、COOA、CONH2、NHCOA、NHCONH2、NHSO2A、CHO、COA、SO2NH2、SO2A、−CH2−COOH、−OCH2−COOH、=O、=Sおよび=N−Raから、特にHal、特にClおよびF、OH、O−アルキル、NH2、N(アルキル)2、=Oおよび=Sから選択される。ヘテロシクリルは特に好ましくは、1−ピペリジル、4−ピペリジル、1−メチルピペリジン−4−イル、1−ピペラジル、1−(4−メチル)ピペラジル、4−メチル−ピペラジン−1−イルアミン、1−(4−(2−ヒドロキシエチル))ピペラジル、4−モルホリニル、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、1−ピラゾリジニル、1−(2−メチル)ピラゾリジニル、1−イミダゾリジニルまたは1−(3−メチル)イミダゾリジニル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリルおよび5−チアゾリルから選択され、ここで、前記の基のうち、飽和基が特に好ましい。同様に、A、=O、=S、=N−RaおよびHalから選択される1、2または3個、好ましくは1または2個の置換基を有する前記の基、特に前記の飽和基が特に好ましい。ヘテロシクリルは、さらに特に好ましくは、非置換であるか、Aまたは=Oにより一置換または二置換されている前記で定義されている飽和基である。
Aは、好ましくは前記のアルキルを意味し、特に好ましくは、非分枝鎖(直鎖)または分枝鎖であり、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のC原子を有する。Aは好ましくは、メチル、さらにエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチル、さらにペンチル、1−、2−または3−メチルブチル、1,1−、1,2−または2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1−、2−、3−または4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−または3,3−ジメチルブチル、1−または2−エチルブチル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−または1,2,2−トリメチルプロピル、さらに好ましくは例えばトリフルオロメチルを意味する。
Aはさらに特に好ましくは、1、2、3、4、5または6個のC原子を有するアルキル、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたは1,1,1−トリフルオロエチルを意味する。Aはさらに、シクロアルキルを意味する。シクロアルキルは好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルを意味するが、特にはシクロペンチルを意味する。
Arは好ましくは、本明細書に記載のアリール基およびヘテロアリール基を、特に本明細書に記載のアリール基を表す。
Hetは好ましくは、本明細書に記載のヘテロアリール基およびヘテロシクリル基を、特に本明細書に記載のヘテロシクリル基を表す。
1、R2、R3およびR4は好ましくは、それぞれ相互に独立に、H、A、CF3、OCF3、ORa、SA、S(O)2A、S(O)A、CH2CN、COOA、CONHA、Hal、SCF、CNおよびHetから、好ましくはさらにH、Cl、Br、F、t−ブチル、−CH(CH3)CH2CH3、イソプロピル、エチルおよびメチルから選択される。R1、R2、R3およびR4は特に好ましくは、それぞれ相互に独立に、H、t−ブチル、イソプロピル、エチル、CF3、メチル、Br、Cl、F、SCF3、CH(CH3)CH2CH3、n−プロピル、OCH3、SCH3、n−ブチル、CH2CNおよびHetから選択される。特にR1、R2、R3およびR4は、それぞれ相互に独立に、H、Cl、Br、F、t−ブチル、イソプロピル、エチルまたはCF3から選択される。
基R1、R2、R3およびR4のうちの少なくとも1個は好ましくは、Hとは異なる。基R1、R2、R3およびR4のうちの1、2または3個は特に好ましくは、Hとは異なる。
基R1、R2、R3およびR4のうちの少なくとも1個、特に好ましくは基R1、R2、R3およびR4のうちの1、2または3個はしたがって好ましくは、それぞれ相互に独立に、A、Ar、Het、ORa、SRa、OAr、SAr、N(Ra)2、NRaAr、Hal、NO2、CN、(CH2)mCOORa、(CH2)mCOOAr、(CH2)mCON(Ra)2、(CH2)mCONHAr、CORa、COAr、S(O)mA、S(O)mAr、NHCOA、NHCOAr、NHSO2A、NHSO2ArおよびSO2N(Ra)2から選択される。
基R1、R2、R3およびR4のうちの少なくとも1個、特に好ましくは基R1、R2、R3およびR4のうちの1、2または3個はしたがって特に好ましくは、それぞれ相互に独立に、A、CF3、OCF3、ORa、SA、S(O)2A、S(O)A、CH2CN、COOA、CONHA、Hal、SCF、CNおよびHetから、好ましくはさらにH、Cl、Br、F、t−ブチル、−CH(CH3)CH2CH3、イソプロピル、エチルおよびメチルから選択され、さらに特に好ましくはt−ブチル、イソプロピル、エチル、CF3、メチル、Br、Cl、F、SCF3、CH(CH3)CH2CH3、n−プロピル、OCH3、SCH3、n−ブチル、CH2CNおよびHetから選択され、特にはCl、Br、F、t−ブチル、イソプロピル、エチルまたはCF3から選択される。
1および/またはR4は好ましくは、Hを表す。
2および/またはR3は好ましくは、Hとは異なる基を表し、好ましくはHとは異なる前記の基から選択される。
2および/またはR3は好ましくは、Hal、AまたはOA、特にCl、シクロプロピルまたはOCH3を表す。
式Iの特に好ましい化合物では、基R2およびR3の一方は、Hの意味を有し、他方の基は、Clの意味を有する。
aは好ましくは、H、A、Ar、Het、アラルキルまたはヘテロアラルキル、特に好ましくはH、A、Ar、HetまたはアラルキルI、さらに特に好ましくはH、A、ArまたはHet、特にH、AまたはArを意味する。RaがA、Ar、Het、アラルキルまたはヘテロアラルキルを表す場合、前記の基はさらに置換されていてもよい。次いでRaは一般に、Hal、A、OH、OA、NH2、NO2、CN、COOH、COOA、CONH2、NHCOA、NHCONH2、NHSO2A、CHO、COA、SO2NH2、SO2A、−CH2−COOHまたは−OCH2−COOHから、特にHal、特にClおよびF、OH、O−アルキル、NH2およびN(アルキル)2(ここでアルキルは前記と同様であり、好ましくは前記のような非置換アルキルである)から好ましくは選択される1から5個、好ましくは1から3個の置換基を有する。
5は好ましくは、H、A、Ar、Het、アラルキルまたはヘテロアラルキル、特に好ましくはA、Ar、Het、アラルキルまたはヘテロアラルキル、さらに特に好ましくはA、Ar、アラルキルまたはヘテロアラルキル、特にアラルキルまたはヘテロアラルキルを意味する。特にR5は、ベンジル、フェネチルもしくはフェニルプロピルまたはこれらの置換誘導体を意味する。R5が置換ベンジル、フェネチルまたはフェニルプロピルを表す場合、これは、Hal、A、OH、OA、NH2、NO2、CN、COOH、COOA、CONH2、NHCOA、NHCONH2、NHSO2A、CHO、COA、SO2NH2、SO2A、−CH2−COOHまたは−OCH2−COOHから、特に好ましくはHal、特にClおよびF、OH、O−アルキル、NH2およびN(アルキル)2(ここでアルキルは前記と同様であり、好ましくは前記のような非置換アルキルである)から好ましくは選択される1から5個、好ましくは1から3個の置換基を有する。
8は好ましくは、H、A、Ar、Het、アラルキルまたはヘテロアラルキル、特に好ましくはA、Ar、Het、アラルキルまたはヘテロアラルキル、さらに特に好ましくはA、Ar、アラルキルまたはヘテロアラルキル、特にAまたはArを意味する。R8がArを表す場合、Arは好ましくは、非置換または置換フェニルである。R8が置換フェニルを表す場合、これは、Hal、A、OH、OA、NH2、NO2、CN、COOH、COOA、CONH2、NHCOA、NHCONH2、NHSO2A、CHO、COA、SO2NH2、SO2A、−CH2−COOHまたは−OCH2−COOHから、特にHal、特にClおよびF、OH、O−アルキル、NH2およびN(アルキル)2(ここでアルキルは前記と同様であり、好ましくは前記のような非置換アルキルである)から好ましくは選択される1から5個、好ましくは1から3個の置換基を有する。
6は好ましくは、HまたはA、特に好ましくはAを意味する。R6がAを表す場合、Aは好ましくは、1から6個のC原子を有する置換または非置換アルキルである。
7は好ましくは、HまたはA、特に好ましくはAを意味する。R7がAを表す場合、Aは好ましくは、1から6個のC原子を有する置換または非置換アルキルである。
あるいは、R6およびR7は、それらが結合しているN原子と一緒になって、N、SおよびOから、特にNおよびOから好ましくは選択される1、2または3個のさらなるヘテロ原子、好ましくは1または2個のさらなるヘテロ原子を含有してもよい飽和または不飽和5員、6員または7員の複素環、好ましくは飽和または不飽和5員または6員複素環を形成する。この実施形態では、NR67は好ましくは、1−ピペリジル、1−ピペラジル、1−(4−メチル)ピペラジル、4−メチルピペラジン−1−イルアミン、4−モルホリニル、1−ピロリジニル、1−ピラゾリジニル、1−(2−メチル)ピラゾリジニル、1−イミダゾリジニルまたは1−(3−メチル)イミダゾリジニル、4−ピリジル、オキサゾリル、チアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、2−または4−ピリダジル、2−、4−または5−ピリミジル、2−または3−ピラジニルを表す。
1は好ましくは、OまたはS、特にOを表す。
2は好ましくは、OまたはS、特にOを表す。
1は好ましくは、(CR910)nまたは(CR910)p−(C=Y2)−(CR1112)qを表し、ここで、nは好ましくは1、2または3、特に好ましくは1または2、特に1を表し、pは好ましくは0、1、2、特に好ましくは0または1、特に0を表し、qは好ましくは、0、1または2、特に好ましくは0または1、特に0を表す。(CR910)nでは、R9およびR10は相互に独立に好ましくは、H、A、OA、Ar、Het、アラルキルおよびヘテロアラルキルから、特に好ましくはH、A、Arおよびアラルキルから、特にHおよびAから選択される。(CR910)p−(C=Y2)−(CR1112)qでは、R9、R10;R11およびR12は相互に独立に好ましくは、H、A、OA、Ar、Het、アラルキルおよびヘテロアラルキルから、特に好ましくはH、A、Arおよびアラルキルから、特にHおよびAから選択される。
1において、(CR910)nは好ましくは、CR910、CHA、CAAおよびCH2から選択される。Z1において、(CR910)p−(C=Y2)−(CR1112)qは好ましくは、CR910−(C=Y2)、(C=Y2)−CR1112およびC=Y2から、特にCR910−(C=O)、(C=O)−CR1112およびC=Oから選択される。
1は特に好ましくは、CR910、CHA、CAAおよびCH2から選択される。
2は好ましくは、(CR910)nまたは(CR910)p−(C=Y2)−(CR1112)qを表し、ここで、nは、好ましくは1、2、3または4、特に好ましくは1、2または3、特に2または3を表し、pは、好ましくは0、1、2、特に好ましくは0または1を表し、qは、好ましくは0、1または2、特に好ましくは0または1を表す。(CR910)nでは、R9およびR10は相互に独立に、好ましくはH、A、OA、Ar、Het、アラルキルおよびヘテロアラルキルから、特に好ましくはH、A、Arおよびアラルキルから、特にHおよびAから選択される。(CR910)p−(C=Y2)−(CR1112)qでは、R9、R10、R11およびR12は相互に独立に、好ましくはH、A、OA、Ar、Het、アラルキルおよびヘテロアラルキルから、特に好ましくはH、A、Arおよびアラルキルから、特にHおよびAから選択される。
2において、(CR910)nは好ましくは、CR910、(CR910)2、(CR910)3および(CR910)4から選択され、ここで、R9およびR10は前記/後記と同様に定義され、好ましくはそれぞれ相互に独立に、HおよびAから選択される。Z2において、(CR910)nは特に好ましくは、CH2、(CH2)2、(CH2)3および(CH2)4から選択される。Z2において、(CR910)p−(C=Y2)−(CR1112)qは好ましくは、CR910−(C=Y2)−CR1112、CR910−(C=Y2)、(C=Y2)−CR1112およびC=Y2から、特にCR910−(C=O)、(C=O)−CR1112およびC=Oから選択される。
2は特に好ましくは、CR910、(CR910)2、(CR910)3および(CR910)4から選択され、ここで、R9およびR10は前記/後記と同様に定義され、好ましくはそれぞれ相互に独立に、HおよびAから、特にCH2、(CH2)2、(CH2)3および(CH2)4から選択される。
3は好ましくは、(CR910)nまたは(CR910)p−(C=Y2)−(CR1112)qを表し、ここで、nは好ましくは1、2または3、特に好ましくは1または2、特に1を表し、pは、好ましくは0、1、2、特に好ましくは0または1、特に0を表し、qは、好ましくは0、1または2、特に好ましくは0または1、特に0を表す。(CR910)nでは、R9およびR10は相互に独立に、好ましくはH、A、OA、Ar、Het、アラルキルおよびヘテロアラルキルから、特に好ましくはH、A、Arおよびアラルキルから、特にHおよびAから選択される。(CR910)p−(C=Y2)−(CR1112)qでは、R9、R10;R11およびR12は相互に独立に、好ましくはH、A、OA、Ar、Het、アラルキルおよびヘテロアラルキルから、特に好ましくはH、A、Arおよびアラルキルから、特にHおよびAから選択される。
3において、(CR910)nは好ましくは、CR910、CHA、CAAおよびCH2から選択される。Z3において、(CR910)p−(C=Y2)−(CR1112)qは好ましくは、CR910−(C=Y2)、(C=Y2)−CR1112およびC=Y2から、特にCR910−(C=O)、(C=O)−CR1112およびC=Oから選択される。
3は特に好ましくは、C=Y2、C=OおよびC=Sから選択される。
8−Z3は特に好ましくは、置換、好ましくは非置換のベンゾイルを表す。R8−Z3が置換ベンゾイルを表す場合、これは、Hal、A、OH、OA、NH2、NO2、CN、COOH、COOA、CONH2、NHCOA、NHCONH2、NHSO2A、CHO、COA、SO2NH2、SO2A、−CH2−COOHまたは−OCH2−COOH、特に好ましくはHal、特にClおよびF、OH、O−アルキル、NH2およびN(アルキル)2(ここでアルキルは前記と同様であり、好ましくは前記のような非置換アルキルである)から好ましくは選択される1から5個、好ましくは1から3個の置換基を有する。
Halは好ましくは、F、ClまたはBr、さらにI、特に好ましくはFまたはClを意味する。
本発明を通して、1回を超えて生じる基はすべて、同一でも異なってもよい。即ち、相互に独立している。
式Iの化合物は、1個または複数のキラル中心を有することがあり、したがって、様々な立体異性形態で生じうる。式Iは、これらの形態すべてを包含する。
特に好ましい式Iの化合物は、亜式IAからILの化合物である:
Figure 2008533060
Figure 2008533060
Figure 2008533060
Figure 2008533060
[式中、
基R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、Y1、Y2、Z1およびZ3は、本明細書に記載の意味を有し、
rは、1、2、3または4、好ましくは1、2または3、特に2または3を表し、
sおよびtは相互に独立に、0、1または2、特に0または1を表し、
3は、O、SまたはNRa、特にOまたはSを表し、
cおよびRdは相互に独立に、R1からR4で示された意味から選択され、
uおよびvは相互に独立に、0、1、2または3、特に0、1または2を表す]。
式Iのさらに特に好ましい化合物は、亜式IMからIPの化合物である:
Figure 2008533060
Figure 2008533060
[式中、
基R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9およびR10は、本明細書に記載の意味を有し、
rは、1、2、3または4、好ましくは1、2または3、特に2または3を表し、
2は、O、SまたはNRa、特にOまたはSを表し、
4は、O、SまたはNRa、特にOまたはSを表し、
Aは、アルキルを表し、
Arは、アリールまたはヘテロアリール、好ましくはアリール、特に非置換または置換フェニルを表し、
Hetは、ヘテロアリールを表し、
cおよびRdは相互に独立に、R1からR4で示された意味から選択され、
uおよびvは相互に独立に、0、1、2または3、特に0、1または2を表す]。
cは好ましくは、A、CF3、OCF3、ORa、SA、S(O)2A、S(O)A、CH2CN、COOA、CONHA、Hal、SCF、CNおよびHetから、特に好ましくはさらにH、Cl、Br、F、t−ブチル、−CH(CH3)CH2CH3、イソプロピル、エチルおよびメチルから選択され、さらに特に好ましくはt−ブチル、イソプロピル、エチル、CF3、メチル、Br、Cl、F、SCF3、CH(CH3)CH2CH3、n−プロピル、OCH3、SCH3、n−ブチル、CH2CNおよびHetから選択され、特にCl、Br、F、t−ブチル、イソプロピル、エチルまたはCF3から選択される。
dは好ましくは、A、CF3、OCF3、ORa、SA、S(O)2A、S(O)A、CH2CN、COOA、CONHA、Hal、SCF、CNおよびHetから、特に好ましくはさらにH、Cl、Br、F、t−ブチル、−CH(CH3)CH2CH3、イソプロピル、エチルおよびメチルから選択され、さらに特に好ましくはt−ブチル、イソプロピル、エチル、CF3、メチル、Br、Cl、F、SCF3、CH(CH3)CH2CH3、n−プロピル、OCH3、SCH3、n−ブチル、CH2CNおよびHetから選択され、特にCl、Br、F、t−ブチル、イソプロピル、エチルまたはCF3から選択される。
本発明による化合物、即ち式I、好ましくは式I’、IA、IB、IC、ID、IE、IF、IG、IH、Ii、IJ、IKおよび/またはIL、好ましくは式IM、INおよび/またはIPの化合物が特に好ましく、これらは下記の1つまたは好ましくは複数の好ましい実施形態とそれ自体組み合わさる:
好ましい実施形態は、式中、
1は、A、CF3、OCF3、SA、SCN、CH2CN、−OCOA、Hal、SCF3、t−ブチル、−CH(CH3)CH2CH3、イソプロピル、エチルまたはメチルを意味する本発明による化合物に関する。
他の好ましい実施形態は、式中、
1およびR4は相互に独立に、Hを意味するか、A、CF3、OCF3、ORa、SA、S(O)2A、S(O)A、CH2CN、COOA、CONHA、Hal、SCF、CNおよびHetから選択される本発明による化合物に関する。
他の好ましい実施形態は、式中、
3およびR4は相互に独立に、HおよびClから選択される本発明による化合物に関する。
他の好ましい実施形態は、式中、
5は、Ar、アラルキルおよびヘテロアラルキルから、好ましくはアラルキルおよびヘテロアラルキルから、特にベンジルおよびフェネチルから選択され;
6、R7は相互に独立に、H、A、Arおよびアラルキルから、好ましくはHおよびAから、特にH、メチルおよびエチルから選択され;
8は、A、ArおよびHetから、好ましくはArおよびHetから、特にフェニルおよびピリジルから選択される本発明による化合物に関する。
他の好ましい実施形態は、式中、
5は、非置換または置換ベンジルを意味し、
8は、非置換または置換フェニルを意味する本発明による化合物に関する。
他の好ましい実施形態は、式中、R6およびR7は、それらが結合しているN原子と一緒になって、N、SおよびOから選択される1、2または3個のさらなるヘテロ原子を含んでもよい飽和または不飽和5員、6員または7員複素環を形成し、特に好ましくは1−ピペリジル、4−ピペリジル、1−メチルピペリジン−4−イル、1−ピペラジル、1−(4−メチル)ピペラジル、4−メチルピペラジン−1−イルアミン、1−(4−(2−ヒドロキシエチル))ピペラジル、4−モルホリニルおよび1−ピロリジニルから選択される本発明による化合物に関する。
したがって、本発明は特に、少なくとも1個の前記の基が前記の好ましい意味のいずれかを有し、かつ/または本明細書に記載されている好ましい実施形態の1つまたは複数とそれ自体組み合わされている式Iの化合物に関する。
本発明による化合物は特に好ましくは、化合物(1)から(4)ならびにその薬学的に許容される誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体(あらゆる比での混合物形態を含む)、好ましくはその塩および/または溶媒和物、特にその生理学的に許容される塩および/または溶媒和物から選択される:
Figure 2008533060
N−(3−ベンジル−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−イルメチル)−N−(3−ジメチルアミノプロピル)ベンズアミド;
Figure 2008533060
N−(3−ベンジル−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−イルメチル)−N−(2−ジメチルアミノエチル)ベンズアミド;
Figure 2008533060
N−(2−アミノエチル)−N−(3−ベンジル−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−イルメチル)ベンズアミド;
Figure 2008533060
N−(3−アミノプロピル)−N−(3−ベンジル−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−イルメチル)ベンズアミド。
本発明による化合物はさらに特に好ましくは、化合物(5)から(6)ならびにその薬学的に許容される誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体(あらゆる比での混合物形態を含む)、好ましくはその塩および/または溶媒和物、特にその生理学的に許容される塩および/または溶媒和物から選択される:
Figure 2008533060
N−(3−アミノプロピル)−(3−ベンジル−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−イルメチル)チオフェン−2−カルボキサミド;
Figure 2008533060
N−(3−アミノ−1−ベンジルプロピル)−N−(3−ベンジル−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−イルメチル)イソブチルアミド。
加えて、式Iの化合物、さらにそれを調製するための出発原料は、文献(例えば、Houben−Weyl、Methoden der organischen Chemie[有機化学の方法]、Georg−Thieme−Verlag、Stuttgartなどの標準的な論文に)に記載されているようなそれ自体知られている方法により、前記の反応に適している既知の反応条件下に正確に調製される。さらに、本明細書に詳細には記載されていないが、それ自体知られている変法をこの場合に使用することができる。
望ましい場合には、出発原料をその場で形成させて、これらを、反応混合物から単離することなく、その代わりに、直ちに式Iの化合物にさらに変換することも可能である。
反応は通常、例えばアセトニトリルなどの不活性溶媒中、好ましくは例えばアミン、好ましくは第3級アミン、水酸化物、特にKOHもしくはNaOHなどのアルカリ金属水酸化物または特にNa2CO3およびK2CO3などのアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩などの塩基の存在下に実施する。使用される条件に応じて、反応時間は、数分から14日であり、反応温度は、約0℃から180℃、通常0℃から100℃、特に好ましくは15℃から60℃、さらに特に好ましくは15℃から35℃、例えば約20℃、約25℃または約45℃である。
適切な不活性溶媒は例えば、ヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンもしくはキシレンなどの炭化水素;トリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルムもしくはジクロロメタンなどの塩素化炭化水素;アセトニトリルなどのニトリル;二硫化炭素;ギ酸もしくは酢酸などのカルボン酸;ニトロメタンもしくはニトロベンゼンなどのニトロ化合物または前記溶媒の混合物である。
望ましい場合には、式Iの化合物中の官能性に修飾されたアミノおよび/またはヒドロキシル基を、慣用の方法で、加溶媒分解または水素化分解により遊離させることができる。このことは例えば、水中、水/THFまたは水/ジオキサン中、0から100℃の温度でNaOHまたはKOHを使用して実施することができる。
アルデヒドもしくはアルコールへのエステルの還元またはアルデヒドもしくはアミンへのニトリルの還元は、当業者に知られていて、有機化学の標準的な論文に記載されているような方法により実施する。
本発明による前記の化合物は、その最終的な非塩形態で使用することができる。他方では、本発明はさらに、当分野で知られている手順により様々な有機および無機酸ならびに塩基から誘導することができる薬学的に許容できる塩の形態での、これらの化合物の使用を包含する。式Iの化合物の薬学的に許容できる塩形態は多くの場合、慣用の方法で調製される。式Iの化合物がカルボキシル基を含む場合、その適切な塩のうちの1種は、化合物と適切な塩基とを反応させて、対応する塩基付加塩を得ることにより形成させることができる。このような塩基は例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムを含むアルカリ金属水酸化物;水酸化バリウムおよび水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;アルカリ金属アルコキシド、例えばカリウムエトキシドおよびナトリウムプロポキシド;ならびにピペリジン、ジエタノールアミンおよびN−メチルグルタミンなどの様々な有機塩基である。式Iの化合物のアルミニウム塩も同様に含まれる。式Iのある種の化合物の場合には、これらの化合物を、薬学的に許容できる有機および無機酸、例えば、塩化水素、臭化水素もしくはヨウ化水素などの水素ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩もしくはリン酸塩などの他の無機酸および対応するその塩ならびにエタンスルホネート、トルエンスルホネートおよびベンゼンスルホネートなどのアルキル−およびモノアリールスルホネートならびに酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩などの他の有機酸および対応するその塩で処理することにより、酸付加塩を形成させることができる。したがって、式Iの化合物の薬学的に許容できる酸付加塩には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アルギン酸塩(arginate)、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、重硫酸塩、亜硫酸水素塩、臭化物、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、カプリル酸塩、塩化物、クロロ安息香酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、二水素リン酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、ガラクタル酸塩(ムチン酸から)、ガラクツロン酸塩、グルコヘプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、半コハク酸塩、半硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヒプル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル安息香酸塩、一水素リン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、オレイン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、フタル酸塩が含まれるが、これらは、制限を表してない。
さらに、本発明による化合物の塩基塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄(III)、鉄(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)、マンガン(II)、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛塩が含まれるが、これは制限を表すことを意図したものではない。前記の塩のうち、アンモニウム;アルカリ金属塩ナトリウムおよびカリウムならびにアルカリ土類金属塩カルシウムおよびマグネシウムが好ましい。薬学的に許容できる有機非毒性塩基に由来する式Iの化合物の塩には、第1級、第2級および第3級アミンの塩、置換アミンが含まれ、さらに天然に生じる置換アミン、環式アミンおよび塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、クロロプロカイン、コリン、N,N'−ジ−ベンジルエチレンジアミン(ベンザチン)、ジシクロヘキシルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リドカイン、リシン、メグルミン、N−メチル−D−グルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミンおよびトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(トロメタミン)が含まれるが、これは、制限を表すことを意図したものではない。
塩基性窒素含有基を含む本発明の化合物は、(C1〜C4)アルキルハロゲン化物、例えば塩化、臭化およびヨウ化のメチル、エチル、イソプロピルおよびtert−ブチル;ジ(C1〜C4)アルキル硫酸塩、例えば硫酸ジメチル、ジエチルおよびジアミル;(C10〜C18)アルキルハロゲン化物、例えば、塩化、臭化およびヨウ化デシル、ドデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル;ならびにアリール(C1〜C4)アルキルハロゲン化物、例えば塩化ベンジルおよび臭化フェネチルなどの薬剤を使用して、第4級化することができる。本発明による水溶性および油溶性化合物は両方とも、このような塩を使用して調製することができる。
好ましい前記の薬学的塩には、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ベシル酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、半コハク酸塩、ヒプル酸塩、塩酸塩、臭化水素塩、イセチオン酸塩、マンデル酸塩、メグルミン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、リン酸塩、ピバル酸塩、リン酸ナトリウム、ステアリン酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、チオリンゴ酸塩、トシル酸塩およびトロメタミンが含まれるが、これは制限を表すことを意図したものではない。
塩基性の式Iの化合物の酸付加塩は、慣用の方法で、遊離塩基形態を十分な量の所望の酸と接触させて、塩を形成させることにより調製される。慣用の方法で、塩形態を塩基と接触させ、遊離塩基を単離することにより、遊離塩基を再生することもできる。遊離塩基形態は、ある種の点において、極性溶媒への可溶性などのある種の物理的特性に関して、その対応する塩形態と異なるが、本発明の目的に関して他の点では、塩は、その個々の遊離塩基形態に対応する。
前記のように、式Iの化合物の薬学的に許容できる塩付加塩は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属または有機アミンなどの金属またはアミンと共に形成される。好ましい金属は、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムである。好ましい有機アミンは、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−D−グルカミンおよびプロカインである。
本発明による酸性化合物の塩基付加塩を、慣用の方法により、遊離酸形態を十分な量の所望の塩基と接触させ、塩を形成させることにより調製する。慣用の方法で、塩形態を酸と接触させ、遊離酸を単離することにより、遊離酸を再生させることもできる。遊離酸形態は、ある種の点において、極性溶媒への可溶性などのある種の物理的特性に関して、その対応する塩形態と異なるが、本発明の目的に関して他の点では、塩は、その個々の遊離塩基形態に対応する。
本発明による化合物が、このタイプの薬学的に許容できる塩を形成することができる基を、1個を超えて含む場合、本発明はさらに、多重塩を包含する。典型的な多重塩形態には例えば、酒石酸水素塩、二酢酸塩、二フマル酸塩、ジメグルミン、二リン酸塩、二ナトリウムおよび三塩酸塩が含まれるが、これは、制限を表すことを意図したものではない。
前記に関して、「薬学的に許容できる塩」との表現は本発明に関しては、特にこの塩形態が、活性成分の遊離形態または当初使用される活性成分の任意の他の塩形態と比較して、活性成分に改善された薬物動態特性をもたらす場合に、式Iの化合物をその塩の1種の形態で含む活性成分を意味することが分かるはずである。活性成分の薬学的に許容できる塩形態はさらに、この活性成分に、当初は示されなかった所望の薬物動態特性を初めて提供することができ、体内での治療効力に関してプラスの影響をこの活性成分の薬物動態に対して有しうることさえある。
さらに本発明は、少なくとも1種の式Iの化合物および/またはその薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(あらゆる比でのこれらの混合物を含む)ならびに場合によって賦形剤および/または補助剤を含有する医薬品に関する。
医薬品製剤は、予め定められた1投薬単位当たりの有効成分の量を含む投薬単位の形で投与することができる。上記単位は、処置する状態、投与の方法ならびに患者の年齢、体重および状態により、例えば、本発明による化合物の0.5mgから1g、好ましくは1mgから700mg、特に好ましくは5mgから100mgを含むことができ、または医薬品製剤は、予め定められた1投薬単位当たりの有効成分の量を含む投薬単位の形で投与することができる。好ましい投薬単位の製剤は、有効成分の上で示した1日量または分割投与量、あるいは対応するそれらの画分を含むものである。さらに、この型の医薬品製剤は、医薬品技術において一般に知られている方法を使用して調製することができる。
医薬品製剤は、任意の望ましい適切な方法、例えば、経口(頬側または舌下を含む)、直腸、経鼻、局所(頬側、舌下または経皮を含む)、膣または非経口(皮下、筋肉内、静脈内または皮内を含む)の方法による投与に適合させることができる。上記製剤は、例えば、有効成分を賦形剤(1つまたは複数)または補助剤(1つまたは複数)と組み合わせることにより、医薬品技術において知られているすべての方法を使用して調製することができる。
経口投与に適合する医薬品製剤は、例えばカプセルまたは錠剤;粉末または顆粒;水性もしくは非水性液体中の溶液または懸濁液;食用気泡または気泡食品;あるいは水中油滴型乳濁液または油中水滴型乳濁液等の独立単位として投与することができる。
したがって、例えば、錠剤またはカプセルの形の経口投与の場合、有効成分要素は、例えばエタノール、グリセロール、水および同種のものなど、経口で、毒性がなく、医薬品に許容される不活性の賦形剤と組み合わせることができる。粉末は、化合物を適当な細かい粒度に粉砕し、それを同じように粉砕した医薬品用賦形剤、例えば食用になる炭水化物等、例えばデンプンまたはマンニトール等と混合することにより調製する。香料、防腐剤、分散剤および染料をさらに存在させることができる。
カプセルは、粉末混合物を上記のように調製し、成型したゼラチンの殻にそれを充填することにより製造する。例えば、高分散ケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたは固形のポリエチレングリコール等の流動促進剤および滑剤を充填作業の前に粉末混合物に添加することができる。例えば寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウム等の錠剤分解物質または可溶化剤を、カプセルが摂取された後の薬剤の有効性を改良するためにさらに加えることができる。
さらに、所望によりまたは必要に応じて、適当な結合剤、滑剤および錠剤分解物質ならびに染料をその混合物中にさらに組み込むことができる。適当な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、天然糖例えばグルコースまたはβ−ラクトース等、トウモロコシからつくった甘味料、天然および合成ゴム例えばアラビアゴム、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウム等、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックス類などが挙げられる。これらの剤形に使用される滑剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。錠剤分解物質としては、それらに限定されないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられる。錠剤は、例えば、粉末混合物を調製し、その混合物を粒状にするか乾式プレスにかけ、滑剤および錠剤分解物質を加え、全体の混合物を加圧成型して錠剤を生じさせることにより製剤化する。粉末混合物は、適当な方法で粉砕した化合物を、上記のような希釈剤または基材および場合により結合剤例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチンまたはポリビニルピロリドン等、溶解遅延剤例えばパラフィン等、吸収促進剤例えば第四級塩等、および/または吸収剤例えばベントナイト、カオリンまたは第二リン酸カルシウム等と混合することにより調製する。粉末混合物は、それを結合剤例えばシロップ、デンプン糊、アカディア(acadia)粘液またはセルロースまたはポリマー材料の溶液等、で湿潤させ、それを加圧して篩を通すことにより顆粒状にすることができる。顆粒化の別法として、粉末混合物を打錠器に通し、不均一の形状の塊を生じさせてそれを破砕して顆粒を形成させることもできる。その顆粒は、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱物油を添加して錠剤の鋳型へのくっつきを防止するように滑らかにすることができる。その滑らかにした混合物を、次に加圧して錠剤を生じさせる。本発明による化合物はまた、自由に流れる不活性賦形剤と混合し、次いで、顆粒化または乾式プレスのステップを行わずに直接加圧して錠剤を生じさせることもできる。セラックシール層、糖またはポリマー材料の層からなる透明または不透明な保護層およびワックスの光沢層が存在してもよい。異なる用量単位の間を区別することができるように、染料をこれらのコーティングに添加することができる。
経口液例えば溶液、シロップおよびエリキシル剤等は、所定量が化合物の事前に特定した量を含むように用量単位の形で調製することができる。シロップは適当な香料の水溶液中に化合物を溶解することによって調製することができ、一方、エリキシル剤は毒性のないアルコール媒体を使用して調製する。懸濁剤は毒性のない媒体中に化合物を分散させることによって製剤化することができる。可溶化剤および乳化剤例えばエトキシレート化イソステアリルアルコール類およびポリオキシエチレンソルビトールエーテル類等、防腐剤、香料添加剤例えばペパーミント油等、あるいは天然甘味料もしくはサッカリン、またはその他の人工甘味料などをさらに添加することができる。
経口投与のための用量単位の製剤は、所望に応じて、マイクロカプセルに封入することができる。その製剤はまた、例えば、ポリマー、ワックスおよび同種のもの中の粒子材料のコーティングまたは埋め込みによって、放出が延長または遅延するように調製することができる。
式Iの化合物ならびにその塩、溶媒和物および生理的に機能する誘導体はまた、例えば小さい単層小胞、大きい単層小胞および多層小胞等のリポソーム送達系の形で投与することができる。リポソームは、例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリン等さまざまなリン脂質から形成することができる。
式Iの化合物ならびにその塩、溶媒和物および生理的に機能する誘導体はまた、化合物分子が結合する個々の担体としてモノクローナル抗体を使用して送達することもできる。該化合物はまた、目標の薬剤の担体としての可溶性ポリマーに結合させることもできる。上記ポリマーは、パルミトイル基により置換されている、ポリビニルピロリドン、ピラン共重合体、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノールまたはポリエチレンオキシドポリリシンを包含し得る。該化合物は、さらに、薬剤の制御放出を達成するのに適する生分解性ポリマーの類、例えば、ポリ乳酸、ポリε−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロキシピラン、ポリシアノアクリラート、およびヒドロゲルの橋かけまたは両親媒性ブロック共重合体に結合させることができる。
経皮的投与に適合する医薬品製剤は、レシピエントの表皮に伸ばして密接に接触させる独立した硬膏剤として投与することができる。かくして、例えば、有効成分は、Pharmaceutical Research,3(6),318(1986)中、一般用語で記載されているイオン泳動により硬膏剤から送達することができる。
局所投与に適合する医薬品化合物は、軟膏剤、クリーム剤、懸濁剤、ローション剤、散剤、液剤、ペースト剤、ゲル剤、スプレー剤、エアロゾル剤または油剤として製剤化することができる。
眼またはその他の外部組織、例えば、口および皮膚の治療のためには、製剤は、好ましくは局所の軟膏またはクリームとして適用する。軟膏を与える製剤の場合、有効成分はパラフィンまたは水混和性のクリーム基剤のいずれかと共に使用することができる。別法では、有効成分は水中油滴型クリーム基剤または油中水滴型基剤により製剤化して、クリーム剤を生じさせることができる。
眼の局所適用に対応する医薬品製剤としては点眼液が挙げられ、その有効成分は適当な担体、特に水性溶媒中に溶解または懸濁させる。
口中の局所適用に対応する医薬品製剤としては、トローチ剤、パステル剤およびうがい薬が含まれる。
直腸投与に適合する医薬品製剤は、座剤または浣腸剤の形で投与することができる。
担体物質が固体である経鼻投与に適合する医薬品製剤は、例えば20〜500ミクロンの範囲の粒径を有する粗い粉末を含み、それは、鼻呼吸をするやり方で、すなわち鼻の近くに保持した粉末を含有する容器から鼻腔を通して急速に吸入することにより投与される。担体物質が液体の鼻腔用スプレーまたは鼻点滴剤としての投与に適した製剤は、水または油中の有効成分の溶液を含む。
吸入による投与に適合する医薬品製剤は、微細な粒子状粉末または霧を含み、それはさまざまな型のエアロゾルの加圧容器、噴霧器または吸入器により発生させることができる。
膣投与に適合する医薬品製剤は、膣坐薬、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡沫またはスプレー製剤として投与することができる。
非経口的投与に適合する医薬品製剤としては、酸化防止剤、緩衝液、静菌剤および溶質を含んでおり、それを用いて製剤を治療されるレシピエントの血液と等張にする水性および非水性の無菌の注射液、ならびに懸濁媒体および増粘剤を含むことができる水性および非水性の無菌の懸濁剤が挙げられる。その製剤は、単回投与または複数回投与の容器、例えば密閉したアンプルおよびガラス瓶で投与することができ、使用直前に無菌の担体液(例えば注射のための水)の添加のみが必要であるように凍結乾燥した状態で保存することができる。処方せんにしたがって調製される注射液または懸濁剤は、無菌の粉末、顆粒および錠剤から調製することができる。
上で特に言及した構成要素に加えて、該製剤が、独特のタイプの製剤に対して技術的に通常のその他の作用物質も含むことができることは言うまでも無く、したがって、例えば、経口投与に適する製剤は香料を含むことができる。
式Iの化合物の治療有効量は、例えば、その動物の年齢と体重、治療を必要とする正確な状態、およびその重傷度、製剤の性質および投与の方法を含む多数の要因に依存し、最終的には治療をする医師または獣医により決定される。しかしながら、腫瘍性増殖、例えば結腸癌または乳癌の治療のための本発明による化合物の有効量は、一般に、1日にレシピエント(哺乳類)の体重1kg当たりの0.1から100mgの範囲、特に、典型的には、1日に体重1kg当たりの1から10mgの範囲である。したがって、体重70kgの成熟した哺乳類に対する1日当たりの実際量は、通常、70と700mgの間であり、この量は、1日当たりの単回投与量として、または通常は、全体の1日の投与量が同じになるように1日当たりの連続した分割投与量(例えば、2回、3回、4回、5回または6回等)として投与することができる。塩または溶媒和物あるいはそれらの生理的に機能する誘導体の有効量は、本発明による化合物それ自体の有効量の一部分として決定することができる。同様の投与量が上記のその他の状態の治療に対して適しているものと見なすことができる。
本発明は、その上、少なくとも1つの式Iの化合物および/またはすべての比率のそれらの混合物を含めた医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物および立体異性体と、少なくとも1つのさらなる薬剤有効成分を含む薬剤に関する。
本発明はまた、
(a)式Iの化合物および/またはすべての比率のそれらの混合物を含めた医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物および立体異性体の有効量と、
(b)さらなる薬剤有効成分の有効量
の別々のパックからなるセット(キット)に関する。
該セットは、箱、個々の瓶、袋またはアンプル等の適当な容器よりなる。そのセットは、例えば、それぞれが有効量の式Iの化合物ならびに/またはすべての比率のそれらの混合物を含めた医薬品として使用可能なそれらの誘導体、溶媒和物および立体異性体と、有効量のさらなる薬剤有効成分を、溶解された形または凍結乾燥された形で含む。
限定されないが、好ましくは、表1からの医薬品を式Iの化合物と組み合わせる。式Iと表1からの医薬品との組合せをさらに、式VIの化合物と組み合わせることができる。
Figure 2008533060
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式Iの化合物を好ましくは、既知の抗癌剤と組み合わせる:
これらの既知の抗癌剤としては、以下の:エストロゲン受容体調節物質、アンドロゲン受容体調節物質、レチノイド受容体調節物質、細胞傷害性作用物質、抗増殖性作用物質、プレニル化タンパク質トランスフェラーゼ阻害薬、HMG−CoAレダクターゼ阻害薬、HIVプロテアーゼ阻害薬、逆転写酵素阻害薬およびその他の血管新生阻害薬が挙げられる。本化合物は、放射線治療と同時に投与するのに特に適している。放射線治療との組み合わせにおけるVEGF阻害の相乗効果が技術的に記載されている(WO00/61186参照)。
「エストロゲン受容体調節物質」とは、その機構は無視して、エストロゲンの受容体への結合を干渉するかまたは阻害する化合物を指す。エストロゲン受容体調節物質の例としては、非限定で、タモキシフェン、ラロキシフェン、イドキシフェン、LY353381、LY117081、トレミフェン、フルベストラント、4−[7−(2,2−ジメチル−l−オキソプロポキシ−4−メチル−2−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)フェニル2,2−ジメチルプロパノアート、4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン−2,4−ジニトロフェニルヒドラゾンおよびSH646が挙げられる。
「アンドロゲン受容体調節物質」とは、機構は無視して、アンドロゲンの受容体への結合を干渉するかまたは阻害する化合物を指す。アンドロゲン受容体調節物質の例としては、フィナステリドおよび他の5α−レダクターゼ阻害薬、ニルタミド、フルタミド、ビカルタミド、リアロゾールおよび酢酸アビラテロンが挙げられる。
「レチノイド受容体調節物質」とは、機構は無視して、レチノイドの受容体への結合を干渉するかまたは阻害する化合物を指す。上記レチノイド受容体調節物質の例としては、ベキサロテン、トレチノイン、13−シス−レチノイン酸、9−シス−レチノイン酸、α−ジフルオロメチルオルニチン、ILX23−7553、トランス−N−(4'−ヒドロキシフェニル)レチナミドおよびN−4−カルボキシフェニルレチナミドが挙げられる。
「細胞傷害性作用物質」とは、主として細胞機能に対する直接作用によるかまたは細胞減数分裂を伴う阻害もしくは干渉により細胞死をもたらす化合物を指し、アルキル化剤、腫瘍壊死因子、インターカレーター、マイクロチューブリン阻害薬およびトポイソメラーゼ阻害薬が含まれる。
細胞傷害性作用物質の例としては、非限定で、チラパザミン、セルテネフ、カケクチン、イフォスアミド、タソネルミン、ロニダミン、カルボプラチン、アルトレタミン、プレドニムスチン、ジブロモズルシトール、ラニムスチン、フォテムスチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、テモロゾマイド、ヘプタプラチン(heptaplatin)、エストラムスチン、トシル酸インプロスルファン、トロフォスファミド、ニムスチン、塩化ジブロスピジウム(dibrospidium chloride)、プミテパ、ロバプラチン、サトラプラチン、プロフィロマイシン、シスプラチン、イロフルベン、デキシフォスファミド、シス−アミンジクロロ(2−メチルピリジン)白金、ベンジルグアニン、グルフォスファミド、GPX100、(トランス,トランス,トランス)ビス−μ−(ヘキサン−1,6−ジアミン)μ−[ジアミン白金(II)]ビス[ジアミン(クロロ)白金(II)]テトラクロリド、ジアリジジニルスペルミン(diarizidinylspermine)、三酸化ヒ素、1−(11−ドデシルアミノ−l0−ヒドロキシウンデシル)−3,7−ジメチルキサンチン、ゾルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ビサントレン、ミトザントロン、ピラルビシン、ピナフィド(pinafide)、バイルビシン(valrubicin)、アムルビシン、アンチネオプラストン、3'−デアミノ−3'−モルホリノ−13−デオキソ−10−ヒドロキシカルミノマイシン、アナマイシン、ガラルビシン(galarubicin)、エリナフィド、MEN10755および4−デメトキシ−3−デアミノ−3−アジリジニル−4−メチルスルホニルダウノルビシンが挙げられる(WO00/50032参照)。
マイクロチューブリン阻害薬の例としては、パクリタキセル、硫酸ビンデシン、3',4'−ジデヒドロ−4'−デオキシ−8'−ノルビンカロイコブラスチン、ドセタキソール、リゾキシン、ドラスタチン、イセチオン酸ミボブリン、オウリスターチン(auristatin)、セマドチン、RPR109881、BMS184476、ビンフルニン、クリプトフィシン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、無水ビンブラスチン、N,N−ジメチル−L−バリル−L−バリル−N−メチル−L−バリル−L−プロリル−L−プロリン−t−ブチルアミド、TDX258およびBMS188797が挙げられる。
トポイソメラーゼ阻害薬のいくつかの例は、トポテカン、ヒカプタミン(hycaptamine)、イリノテカン、ルビテカン、6−エトキシプロピオニル−3',4'−O−エキソベンジリデンシャルトルーシン(chartreusin)、9−メトキシ−N,N−ジメチル−5−ニトロピラゾロ[3,4,5−kl]アクリジン−2−(6H)プロパンアミン、1−アミノ−9−エチル−5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−1H,12H−ベンゾ[デ]ピラノ[3',4':b,7]インドリジノ[1,2b]キノリン−10,13(9H,15H)ジオン、ルルトテカン(lurtotecan)、7−[2−(N−イソプロピルアミノ)エチル](20S)−カンプトテシン、BNP1350、BNPI1100、BN80915、BN80942、リン酸エトポシド、テニポシド、ソブゾキサン、2'−ジメチルアミノ−2'−デオキシエトポシド、GL331、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−9−ヒドロキシ−5,6−ジメチル−6H−ピリド[4,3−b]カルバゾール−l−カルボキシアミド、アスラクライン(asulacrine)、(5a,5aB,8aa,9b)−9−[2−[N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−N−メチルアミノ]エチル]−5−[4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル]−5,5a,6,8,8a,9−ヘキソヒドロフロ(3',4':6,7)ナフト(2,3−d)−1,3−ジオキソール−6−オン、2,3−(メチレンジオキシ)−5−メチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシベンゾ[c]フェナントリジニウム、6,9−ビス[(2−アミノエチル)アミノ]ベンゾ[g]イソキノリン−5,10−ジオン、5−(3−アミノプロピルアミノ)−7,10−ジヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチルアミノメチル)−6H−ピラゾロ[4,5,1−デ]アクリジン−6−オン、N−[1−[2(ジエチルアミノ)エチルアミノ]−7−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イルメチル]フォルムアミド、N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)アクリジン−4−カルボキシアミド、6−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−3−ヒドロキシ−7H−インデノ[2,1−c]キノリン−7−オンおよびジメスナである。
「抗増殖性作用物質」としては、アンチセンスRNAおよびアンチセンスDNAのオリゴヌクレオチド、例えば、G3139、ODN698、RVASKRAS、GEM231、INX3001など、および、代謝拮抗物質、例えば、エノシタビン、カルモフール、テガフル、ペントスタチン、ドキシフルリジン、トリメトレキサート、フルダラビン、カペシタビン、ガロシタビン、シタラビンオクフォスファート、フォステアビン水酸化ナトリウム(fosteabine sodium hydrate)、ラルチトレキセド、パルチトレキシド(paltitrexid)、エミテフール、チアゾフリン、デシタビン、ノラトレキセド、ペメトレキセド、ネルザラビン、2'−デオキシ−2'−メチリデンシチジン、2'−フルオロメチレン−2'−デオキシシチジン、N−[5−(2,3−ジヒドロベンゾルリル)スルホニル]−N'−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、N6−[4−デオキシ−4−[N2−[2(E),4(E)−テトラデカジエノイル]グリシルアミノ]−L−グリセロ−B−L−マンノヘプトピラノシル]アデニン、アピリジン、エクチナサイジン、トロキサシタビン(troxacitabine)、4−[2−アミノ−4−オキソ−4,6,7,8−テトラヒドロ−3H−ピリミジノ[5,4−b]−1,4−チアジン−6−イル−(S)−エチル]−2,5−チエノイル−L−グルタミン酸、アミノプテリン、5−フルオロウラシル、アラノシン、11−アセチル−8−(カルバモイルオキシメチル)−4−フォルミル−6−メトキシ−14−オキサ−1,11−ジアザテトラシクロ(7.4.1.0.0)テトラデカ−2,4,6−トリエン−9−イル酢酸エステル、スワンソニン、ロメトレキソール、デクスラゾキサン、メチオニナーゼ、2'−シアノ−2'−デオキシ−N4−パルミトイル−1−B−D−アラビノフラノシルシトシン、3−アミノピリジン−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾンなどが挙げられる。「抗増殖性作用物質」としてはまた、「血管新生阻害薬」のもとで掲げたもの以外のトラスツズマブ等の増殖因子に対するモノクローナル抗体、および組換えウイルスが介在する遺伝子により送達することができるp53等の腫瘍抑制遺伝子導入も含まれる(例えば、米国特許第6069134号参照)。
本発明による化合物を、腫瘍疾患の治療および予防のために使用することが、特に好ましい。
腫瘍は好ましくは、扁平上皮、膀胱、胃、腎臓、頭部および頸部、食道、子宮頸部、甲状腺、腸、肝臓、脳、前立腺、尿生殖路、リンパ系、喉頭および/または肺の腫瘍からなる群から選択される。
腫瘍はさらに好ましくは、肺腺癌、小細胞肺癌、膵臓癌、神経膠芽細胞腫、結腸癌および乳癌の群から選択される。
血液および免疫系の腫瘍を治療するために、好ましくは急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病および/または慢性リンパ性白血病の群から選択される腫瘍を治療するために使用することが、さらに好ましい。
さらに本発明は、癌などの新生物を有する患者を治療するための方法を包含し、この方法は、
a)1種または複数の式Iの化合物:
b)および1種または複数の式VIの化合物またはその酸付加塩、特に塩酸塩:
Figure 2008533060
[式中、Y'およびZ'はそれぞれ相互に独立に、OまたはNを意味し、R6およびR7はそれぞれ相互に独立に、H、OH、ハロゲン、OC1〜10−アルキル、OCF3、NO2またはNH2を意味し、nは、両端を含む2から6の整数を意味し、R8およびR9はそれぞれ相互に独立に、好ましくはメタ位またはパラ位にあり、基:
Figure 2008533060
から選択される]を投与することにより、ここで、第1および第2の化合物を同時に、または相互に14日以内に、新生物の増殖を阻害するために十分な量で投与する。
式Iの化合物と、式VIの化合物および他のペンタミジン類似体との組合せは、新生物を阻害する際に相乗作用をもたらす。式VIの化合物を含む組合せは例えば、WO02058684号に挙げられている。
ペンタミジンまたはその誘導体の作用機序は現在、明確には説明されていない:ペンタミジンまたはその誘導体は、多面作用を有するようである。それというのもこれは、DNA、RNAおよびタンパク質合成の低減をもたらすためである。最近では、ペンタミジンは、PRL1、−2および−3ホスファターゼ(Pathakら、2002)およびチロシンホスファターゼの有効な阻害剤であり、その過剰発現は、ヒトにおける新生物悪性腫瘍を伴うことが記載された。他方では、ペンタミジンは、DNA副溝に結合し(Puckowskaら、2004)、遺伝子発現および/またはDNA合成の妨害を介してその作用を発揮しうる医薬品であることが記載されている。
実験により、次のことが判明している:
ペンタミジンおよび好ましくは、式Iの化合物は両方とも、G2/M細胞周期に細胞を維持する。
ペンタミジンと式Iの化合物との組合せは好ましくは、細胞増殖に対して相加的から相乗的な作用を有する。
他の適切なペンタミジン類似体には、スチルバミジン(G−1)およびヒドロキシスチルバミジン(G−2)およびそのインドール類似体(例えばG−3)が含まれる:
Figure 2008533060
アミジン単位はそれぞれ相互に独立に、R8およびR11について前記で定義された単位のうちの1個で置換されていてもよい。ベンズイミダゾールおよびペンタミジンの場合のように、スチルバミジン、ヒドロキシスチルバミジンおよびそのインドール誘導体の塩も、本発明による方法に適している。好ましい塩には例えば、二塩酸塩およびメタンスルホン酸塩が含まれる。
さらに他の類似体は、それぞれその全体が参照により援用される米国特許第5,428,051号、同第5,521,189号、同第5,602,172号、同第5,643,935号、同第5,723,495号、同第5,843,980号、同第6,172,104号および同第6,326,395号または米国特許公開第2002/0019437A1号のいずれかに示されている式に該当するものである。例示的な類似体には、1,5−ビス(4'−(N−ヒドロキシアミジノ)フェノキシ)ペンタン、1,3−ビス(4'−(N−ヒドロキシアミジノ)フェノキシ)プロパン、1,3−ビス(2'−メトキシ−4'−(N−ヒドロキシアミジノ)フェノキシ)プロパン、1,4−ビス(4'−(N−ヒドロキシアミジノ)フェノキシ)ブタン、1,5−ビス(4'−(N−ヒドロキシアミジノ)フェノキシ)ペンタン、1,4−ビス(4'−(N−ヒドロキシアミジノ)フェノキシ)ブタン、1,3−ビス(4'−(4−ヒドロキシアミジノ)フェノキシ)プロパン、1,3−ビス(2'−メトキシ−4'−(N−ヒドロキシアミジノ)フェノキシ)プロパン、2,5−ビス[4−アミジノフェニル]フラン、2,5−ビス[4−アミジノフェニル]フランビスアミドオキシム、2,5−ビス[4−アミジノフェニル]フランビス−O−メチルアミドオキシム、2,5−ビス[4−アミジノフェニル]フランビス−O−エチルアミドオキシム、2,8−ジアミジノジベンゾチオフェン、2,8−ビス(N−イソプロピルアミジノ)カルバゾール、2,8−ビス(N−ヒドロキシアミジノ)カルバゾール、2,8−ビス(2−イミダゾリニル)ジベンゾチオフェン、2,8−ビス(2−イミダゾリニル)−5,5−ジオキソ−ジベンゾチオフェン、3,7−ジアミジノジベンゾチオフェン、3,7−ビス(N−イソプロピルアミジノ)ジベンゾチオフェン、3,7−ビス(N−ヒドロキシアミジノ)ジベンゾチオフェン、3,7−ジアミノジベンゾチオフェン、3,7−ジブロモジベンゾチオフェン、3,7−ジシアノジベンゾチオフェン、2,8−ジアミジノジベンゾフラン、2,8−ジ−(2−イミダゾリニル)ジベンゾフラン、2,8−ジ−(N−イソプロピルアミジノ)ジベンゾフラン、2,8−ジ−(N−ヒドロキシルアミジノ)ジベンゾフラン、3,7−ジ−(2−イミダゾリニル)ジベンゾフラン、3,7−ジ−(イソプロピルアミジノ)ジベンゾフラン、3,7−ジ−(A−ヒドロキシルアミジノ)ジベンゾフラン、2,8−ジ−シアノジベンゾフラン、4,4'−ジブロモ−2,2'−ジニトロビフェニル、2−メトキシ−2'−ニトロ−4,4'−ジブロモビフェニル、2−メトキシ−2'−アミノ−4,4−ジブロモビフェニル、3,7−ジ−ブロモジベンゾフラン、3,7−ジシアノジベンゾフラン、2,5−ビス(5−アミジノ−2−ベンズイミダゾリル)ピロール、2,5−ビス[5−(2−イミダゾリニル)−2−ベンズイミダゾリル]ピロール、2,6−ビス[5−(2−イミダゾリニル)−2−ベンズイミダゾリル]ピリジン、1−メチル−2,5−ビス(5−アミジノ−2−ベンズイミダゾリル)ピロール、1−メチル−2,5−ビス[5−(2−イミダゾリル)−2−ベンズイミダゾリル]ピロール、1−メチル−2,5−ビス[5−(1,4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジニル)−2−ベンズイミダゾリル]ピロール、2,6−ビス(5−アミジノ−2−ベンズイミダゾリル)ピリジン、2,6−ビス[5−(1,4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジニル)−2−ベンズイミダゾリル]ピリジン、2,5−ビス(5−アミジノ−2−ベンズイミダゾリル)フラン、2,5−ビス[5−(2−イミダゾリニル)−2−ベンズイミダゾリル]フラン、2,5−ビス(5−N−イソプロピルアミジノ−2−ベンズイミダゾリル)フラン、2,5−ビス(4−グアニルフェニル)フラン、2,5−ビス(4−グアニルフェニル)−3,4−ジメチルフラン、2,5−ジ−p−[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジル)フェニル]フラン、2,5−ビス[4−(2−イミダゾリニル)フェニル]フラン、2,5−[ビス{4−(2−テトラヒドロピリミジニル)}フェニル]p−(トリルオキシ)フラン、2,5−[ビス{4−(2−イミダゾリニル)}フェニル]−3−p−(トリルオキシ)フラン、2,5−ビス{4−[5−(N−2−アミノエチルアミド)ベンズイミダゾール−2−イル]フェニル}フラン、2,5−ビス[4−(3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)フェニル]フラン、2,5−ビス[4−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)フェニル]フラン、2,5−ビス(4−N,N−ジメチルカルボキシヒドラジドフェニル)フラン、2,5−ビス{4−[2−(N−2−ヒドロキシエチル)イミダゾリニル]フェニル}フラン、2,5−ビス[4−(N−イソプロピルアミジノ)フェニル]フラン、2,5−ビス{4−[3−(ジメチルアミノプロピル)アミジノ]フェニル}フラン、2,5−ビス{4−[N−(3−アミノプロピル)アミジノ]フェニル}フラン、2,5−ビス[2−(イミダゾリニル)フェニル]−3,4−ビス(メトキシメチル)フラン、2,5−ビス[4−N−(ジメチルアミノエチル)グアニル]フェニルフラン、2,5−ビス{4−[(N−2−ヒドロキシエチル)グアニル]フェニル}フラン、2,5−ビス[4−N−(シクロプロピルグアニル)フェニル]フラン、2,5−ビス[4−(N,N−ジエチルアミノプロピル)グアニル]フェニルフラン、2,5−ビス{4−[2−(N−エチルイミダゾリニル)]フェニル}フラン、2,5−ビス{4−[N−(3−ペンチルグアニル)]}フェニルフラン、2,5−ビス[4−(2−イミダゾリニル)フェニル]−3−メトキシフラン、2,5−ビス[4−(N−イソプロピルアミジノ)フェニル]−3−メチルフラン、ビス[5−アミジノ−2−ベンズイミダゾリル]メタン、ビス[5−(2−イミダゾリル)−2−ベンズイミダゾリル]メタン、1,2−ビス[5−アミジノ−2−ベンズイミダゾリル]エタン、1,2−ビス[5−(2−イミダゾリル)−2−ベンズイミダゾリル]エタン、1,3−ビス[5−アミジノ−2−ベンズイミダゾリル]プロパン、1,3−ビス[5−(2−イミダゾリル)−2−ベンズイミダゾリル]プロパン、1,4−ビス[5−アミジノ−2−ベンズイミダゾリル]プロパン、1,4−ビス[5−(2−イミダゾリル)−2−ベンズイミダゾリル]ブタン、1,8−ビス[5−アミジノ−2−ベンズイミダゾリル]オクタン、トランス−1,2−ビス[5−アミジノ−2−ベンズイミダゾリル]エテン、1,4−ビス[5−(2−イミダゾリル)−2−ベンズイミダゾリル]−1−ブテン、1,4−ビス[5−(2−イミダゾリル)−2−ベンズイミダゾリル]−2−ブテン、1,4−ビス[5−(2−イミダゾリル)−2−ベンズイミダゾリル]−1−メチルブタン、1,4−ビス[5−(2−イミダゾリル)−2−ベンズイミダゾリル]−2−エチルブタン、1,4−ビス[5−(2−イミダゾリル)−2−ベンズイミダゾリル]−1−メチル−1−ブテン、1,4−ビス[5−(2−イミダゾリル)−2−ベンズイミダゾリル]−2,3−ジエチル−2−ブテン、1,4−ビス[5−(2−イミダゾリル)−2−ベンズイミダゾリル]−1,3−ブタジエン、1,4−ビス[5−(2−イミダゾリル)−2−ベンズイミダゾリル]−2−メチル−1,3−ブタジエン、ビス[5−(2−ピリミジル)−2−ベンズイミダゾリル]メタン、1,2−ビス[5−(2−ピリミジル)−2−ベンズイミダゾリル]エタン、1,3−ビス[5−アミジノ−2−ベンズイミダゾリル]プロパン、1,3−ビス[5−(2−ピリミジル)−2−ベンズイミダゾリル]プロパン、1,4−ビス[5−(2−ピリミジル)−2−ベンズイミダゾリル]ブタン、1,4−ビス[5−(2−ピリミジル)−2−ベンズイミダゾリル]−1−ブテン、1,4−ビス[5−(2−ピリミジル)−2−ベンズイミダゾリル]−2−ブテン、1,4−ビス[5−(2−ピリミジル)−2−ベンズイミダゾリル]−1−メチルブタン、1,4−ビス[5−(2−ピリミジル)−2−ベンズイミダゾリル]−2−エチルブタン、1,4−ビス[5−(2−ピリミジル)−2−ベンズイミダゾリル]−1−メチル−1−ブテン、1,4−ビス[5−(2−ピリミジル)−2−ベンズイミダゾリル]−2,3−ジエチル−2−ブテン、1,4−ビス[5−(2−ピリミジル)−2−ベンズイミダゾリル]−1,3−ブタジエンおよび1,4−ビス[5−(2−ピリミジル)−2−ベンズイミダゾリル]−2−メチル−1,3−ブタジエン、2,4−ビス(4−グアニルフェニル)ピリミジン、2,4−ビス(4−イミダゾリン−2−イル)ピリミジン、2,4−ビス[(テトラヒドロピリミジニル−2−イル)フェニル]ピリミジン、2−(4−[N−i−プロピルグアニル]フェニル)−4−(2−メトキシ−4−[N−i−プロピルグアニル]フェニル)ピリミジン、4−(N−シクロペンチルアミジノ)−1,2−フェニレンジアミン、2,5−ビス[2−(5−アミジノ)ベンズイミダゾイル]フラン、2,5−ビス[2−{5−(2−イミダゾリノ)}ベンズイミダゾイル]フラン、2,5−ビス[2−(5−N−イソプロピルアミジノ)ベンズイミダゾイル]フラン、2,5−ビス[2−(5−N−シクロペンチルアミジノ)ベンズイミダゾイル]フラン、2,5−ビス[2−(5−アミジノ)ベンズイミダゾイル]ピロール、2,5−ビス[2−{5−(2−イミダゾリノ)}ベンズイミダゾイル]ピロール、2,5−ビス[2−(5−N−イソプロピルアミジノ)ベンズイミダゾイル]ピロール、2,5−ビス[2−(5−N−シクロペンチルアミジノ)ベンズイミダゾイル]ピロール、1−メチル−2,5−ビス[2−(5−アミジノ)ベンズイミダゾイル]ピロール、2,5−ビス[2−{5−(2−イミダゾリノ)}ベンズイミダゾイル]−1−メチルピロール、2,5−ビス[2−(5−N−シクロペンチルアミジノ)ベンズイミダゾイル]−1−メチルピロール、2,5−ビス[2−(5−N−イソプロピルアミジノ)ベンズイミダゾイル]チオフェン、2,6−ビス[2−{5−(2−イミダゾリノ)}ベンズイミダゾイル]ピリジン、2,6−ビス[2−(5−アミジノ)ベンズイミダゾイル]ピリジン、4,4'−ビス[2−(5−N−イソプロピルアミジノ)ベンズイミダゾイル]−1,2−ジフェニルエタン、4,4'−ビス[2−(5−N−シクロペンチルアミジノ)ベンズイミダゾイル]−2,5−ジフェニルフラン、2,5−ビス[2−(5−アミジノ)ベンズイミダゾイル]ベンゾ[b]フラン、2,5−ビス[2−(5−N−シクロペンチルアミジノ)ベンズイミダゾイル]ベンゾ[b]フラン、2,7−ビス[2−(5−N−イソプロピルアミジノ)ベンズイミダゾイル]フッ素、2,5−ビス[4−(3−(N−モルホリノプロピル)カルバモイル)フェニル]フラン、2,5−ビス[4−(2−N,N−ジメチルアミノエチルカルバモイル)フェニル]フラン、2,5−ビス[4−(3−N,N−ジメチルアミノプロピルカルバモイル)フェニル]フラン、2,5−ビス[4−(3−N−メチル−3−N−フェニルアミノプロピルカルバモイル)フェニル]フラン、2,5−ビス[4−(3−N,N8,N11−トリメチルアミノプロピルカルバモイル)フェニル]フラン、2,5−ビス[3−アミジノフェニル]フラン、2,5−ビス[3−(N−イソプロピルアミジノ)アミジノフェニル]フラン、2,5−ビス[3−[(N−(2−ジメチルアミノエチル)アミジノ]フェニルフラン、2,5−ビス[4−(N−2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル)アミジノフェニル]フラン、2,5−ビス[4−(N−チオエチルカルボニル)アミジノフェニル]フラン、2,5−ビス[4−(N−ベンジルオキシカルボニル)アミジノフェニル]フラン、2,5−ビス[4−(N−フェノキシカルボニル)アミジノフェニル]フラン、2,5−ビス[4−(N−(4−フルオロ)フェノキシカルボニル)アミジノフェニル]フラン、2,5−ビス[4−(N−(4−メトキシ)フェノキシカルボニル)アミジノフェニル]フラン、2,5−ビス[4−(1−アセトキシエ

トキシカルボニル)アミジノフェニル]フランおよび2,5−ビス[4−(N−(3−フルオロ)フェノキシカルボニル)アミジノフェニル]フランが含まれる。前記の化合物のいずれかを調製するための方法は、米国特許第5,428,051号、同第5,521,189号、同第5,602,172号、同第5,643,935号、同第5,723,495号、同第5,843,980号、同第6,172,104号および同第6,326,395号または米国特許出願第2002/0019437A1号に記載されている。
ペンタミジン代謝産物も同様に、本発明による抗増殖性コンビネーションに適している。ペンタミジンは体内で迅速に代謝されて、少なくとも7種の主な代謝産物になる。これらの代謝産物のうちの数種は、ペンタミジンと共通する1つまたは複数の作用を有する。ペンタミジン代謝産物は、ベンズイミダゾールまたはその類似体と組み合わされると、抗増殖性作用を有する。
7種のペンタミジン類似体を下記に示す。
Figure 2008533060
式Iおよび式VIの化合物またはそれらの類似体およびそれらの代謝物質の本発明による組合せは、新生物を治療するために適している。併用療法は、単独でも、他の療法(例えば手術、放射線、化学療法、生物学的療法)と組み合わせても実施することができる。加えて、新生物を展開する危険性が高いヒト(例えば、遺伝的素因を有するヒトまたは新生物を以前に有したヒト)に、予防的治療を施して、新生物形成を阻害または遅延させることができる。
本発明はさらに、キネシンATPアーゼEg5/KSPと式VIの化合物、ペンタミジン、その類似体および/またはその代謝産物との組合せに関する。
組合せにおいて各化合物の用量および投与回数は、独立に制御することができる。例えば、1種の化合物を1日3回経口投与する一方で、第2の化合物を1日1回筋肉内投与することができる。さらに化合物を、一緒に製剤して、両方の化合物の投与をもたらすことができる。
さらに本発明による抗増殖性コンビネーションを、医薬パッケージの成分として提供することができる。2種の医薬品を一緒に、または別々に、個々の投与量で製剤することができる。
他の態様では、本発明は、癌などの新生物を有する患者の治療を包含し、これは、式(I)および(VI)の化合物を抗増殖薬と組み合わせて投与することによる。適切な抗増殖薬には、表1に示されているものが含まれる。
次の実施例は、下記で特に説明されている実施例およびこれらの実施例の結果を参照して、当業者の本発明のより良好な理解を助けることを意図している。しかしながら、実施例は、特許請求項により定義されている本発明および保護範囲を制限することを意図したものではない。実施例に挙げられている化合物の実施例において挙げられている特徴、形態、特性、利点および/または使用を、実施例には挙げられていないが特許請求項に包含される本発明による他の化合物、使用および他の内容にも当てはめることができる。
前記および後記において、温度はすべて℃で示されている。下記の実施例では、「慣用の後処理」は:必要な場合には水を加え、必要な場合には最終生成物の構成に応じてpHを2から10の値に調整し、混合物を酢酸エチルまたはジクロロメタンで抽出し、相を分離し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させ、生成物をシリカゲルでのクロマトグラフィーによりおよび/または結晶化により精製することを意味している。シリカゲルでのRf値;溶離剤:酢酸エチル/メタノール9:1。
質量分析(MS):
EI(電子衝撃イオン化)M+
FAB(高速原子衝撃)(M+H)+
ESI(エレクトロスプレーイオン化)(M+H)+
APCI−MS(常圧化学イオン化−質量分析)(M+H)+
実施例
Figure 2008533060
マグネシウム9.62g(0.4mol)を初めにフラスコに導入し、小粒のヨウ素を加え、続いて無水ジエチルエーテル200ml中のヨウ化メチル24.7ml(0.4mol)を徐々に滴加する。この滴加の間に迅速に混合物は沸騰し始める。滴加が完了したら、混合物をさらに30分間攪拌する。20g(0.13mol)の5−クロロ−2−メチルベンゾニトリル1の無水ジエチルエーテル120ml溶液を、調製された溶液に室温で徐々に滴加し、滴加が完了したら、混合物を還流下に一晩攪拌する。懸濁液を氷水2lに注ぎ、20%硫酸800mlを加え、続いて混合物を40℃で1時間攪拌する。エーテル相を分離し、水性相をエーテルで5回抽出し、合わせた有機相を中性になるまで水で洗浄し、Na2SO4を使用して乾燥させ、濾過し、蒸発させる。
収量:21.2g(95%)の2、黄茶色のオイル。
Figure 2008533060
1)21.2g(0.12mol)の2を初めに、炭酸カリウム10.09g(0.073mol)と共に水300mlに導入し、混合物を攪拌しながら、加熱還流する。次いで、過マンガン酸カリウム77.8g(0.49mol)の1.1l水溶液を滴加する。滴加が完了したら、沸騰を一晩継続する。茶色の懸濁液を約50℃に冷却し、珪藻土で吸引濾過し、水ですすぐ。淡黄色の澄明な濾液をロータリー・エバポレーターで半分(約600ml)に濃縮し、精製することなくさらに反応させる。
2)溶液を約90℃に加温し、2NのHClを使用して中和し(pH8)、続いて水50ml中の硫酸ヒドラジニウム16g(0.12mol)および水酸化ナトリウム5.4g(0.135mol)の温溶液を加える。添加が完了したら、溶液を還流下にさらに2時間攪拌する。ロータリー・エバポレーターで、溶液を約半分に濃縮するが、その間に固体が沈殿する。これを吸引濾過し、少量の水ですすぐ。濃HClを使用して、アルカリ濾液からさらなる結晶生成物を沈殿させ、水で洗浄し、真空乾燥させる。2つの結晶バッチを合わせる。
収量:7.6g(27%)の3、無色の固体
Figure 2008533060
7.6g(33mmol)の3をエタノール350mlに懸濁させ、濃硫酸17.6ml(0.33mol)を少量ずつ攪拌しながら加える。添加が完了したら、反応混合物を還流下に一晩沸騰させる。懸濁液を室温に冷却し、氷水約600mlに注ぐ。沈殿した固体を吸引濾過し、水ですすぎ、40℃で真空乾燥させる。
収量:8.06g(90%)の4、無色の結晶
Figure 2008533060
7.58g(29.99mol)の4および炭酸セシウム10.26g(31.49mmol)を初めに、アセトニトリル(ACN)150mlに導入し、臭化ベンジル3.74ml(31.49mmol)を加える。反応混合物を還流下に2時間沸騰させ、温かいうちに濾過し、それぞれ約20mlのACNおよび酢酸エチルですすぐ。濾液を蒸発させ、残留物を酢酸エチルと水とに分配する。有機相を分離し、水性相を酢酸エチルでさらに1回抽出する。合わせた有機相を水で2回および飽和NaCl溶液で1回洗浄し、Na2SO4を使用して乾燥させ、濾過し、蒸発させる。石油エーテルを使用して残留物を温浸し、吸引濾過し、石油エーテルですすぎ、続いて35℃で真空乾燥させる。
収量:9.21g(84%)の5、無色の固体
Figure 2008533060
2.5g(7.29mmol)の5およびホウ水素化ナトリウム414mg(10.94mmol)をエタノール40mlに懸濁させ、塩化カルシウム405mg(3.65mmol)のエタノール10ml溶液を室温で加える。反応混合物を20〜25℃で2時間攪拌し、水150mlで希釈し、1NのHClを使用してpH2〜3に調節する。水溶液を酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相を飽和NaHCO3溶液で1回、水で1回および飽和NaCl溶液で1回洗浄し、Na2SO4を使用して乾燥させ、濾過し、蒸発させる。
収量:2.2g(100%)の6、無色の固体
Figure 2008533060
273mg(0.91mmol)の6をジクロロメタン(DCM)7mlに溶かし、トリエチルアミン252μl(1.82mmol)を加える。続いて、塩化メタンスルホニル78μl(1mmol)のDCM2.5ml溶液を滴加する。反応混合物を室温で10分攪拌し、DCMで希釈し、水で3回および飽和NaCl溶液で1回洗浄し、Na2SO4を使用して乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル40g、溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル、8:2から7:3、60分)により精製する。
収量:233mg(66%)の7、無色の固体
43mg(15%)の8、無色の固体
Figure 2008533060
0.1mmolの7を初めに、炭酸カリウム(1当量)と共に導入し、対応するアミン(3当量)のACN溶液を加え、反応が完了するまで、混合物を室温または45℃で攪拌する。反応混合物を水で希釈し、1NのNaOHを使用してpH9〜10に調節し、酢酸エチルで抽出する。水性相を酢酸エチルでさらに2回抽出する。合わせた有機相を飽和NaCl溶液で1回洗浄し、Na2SO4を使用して乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル4g、溶離剤:DCM/MeOH7.5%+NH30.1%)により精製する。
9a:N,N−ジメチルエチレンジアミン(R1、R2=CH3、n=2)と45℃で1時間反応;収率:53%、無色のオイル、
9b:N,N−ジメチルプロピレンジアミン(R1、R2=CH3、n=3)と室温で1.5時間反応;収率:37%、無色のオイル、
9c:N−BOC−エチレンジアミン(R1=BOC、R2=H、n=2)と45℃で1時間反応;収率:85%、無色のオイル、
9d:N−BOC−プロピレンジアミン(R1=BOC、R2=H、n=3)と45℃で1時間反応;収率:72%、無色のオイル
Figure 2008533060
9a〜d0.06mmolを攪拌しながら、DCM750μlに溶かし、トリエチルアミン(1.1当量)を加え、塩化ベンゾイル(1.1当量)を滴加する。反応が完了するまで、反応混合物を室温で攪拌し、DCMで希釈し、水で3回および飽和NaCl溶液で1回洗浄し、Na2SO4を使用して乾燥させ、濾過し、蒸発させる。
10a:9aから(R1、R2=CH3、n=2);1時間反応;収率:91%、無色のオイル、
10b:9bから(R1、R2=CH3、n=3);30分;クロマトグラフィーにより精製(RP−18カラム);収率:61%、無色のオイル、
10c:9cから(R1=BOC、R2=H、n=2);30分;収率:85%、無色のオイル、
10d:9dから(R1=BOC、R2=H、n=3);1時間;収率:88%、無色のオイル
Figure 2008533060
化合物10c、dをDCMに溶かし、トリフルオロ酢酸(30当量)を加え、混合物を室温で1時間攪拌する。反応混合物を蒸発させ、残留物を酢酸エチルに入れ、溶液を飽和NaHCO3溶液で抽出する。有機相を水で1回および飽和NaCl溶液で1回洗浄し、Na2SO4を使用して乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残留物をクロマトグラフィー(シリカゲル4g、溶離剤:DCM/MeOH5.5%+NH30.1%)により精製する。
11a:10cから(n=2);収率:75%、無色の固体、
11b:10dから(n=3);収率:82%、無色のオイル。
本発明による他の化合物を、対応する前駆体を使用して同様に得る。
例えば、次の化合物(12、13)が有利に、次の反応スキームに従い得られる。
Figure 2008533060
前記反応スキームに従い得られる化合物12は、HPLCクロマトグラフィー(カラム:Chromolith SpeedROD RP18e50−4.6:勾配5.5分/流速:2.75ml(90:10〜0:100(H2O+TFA0.01容量%:CH3CN+TFA0.01容量%));波長220nm;保持時間:3.33分)および質量分析(ESI−MS:M+1=618)により特性決定することができる。
Figure 2008533060
前記反応スキームに従い得られる化合物13は、HPLCクロマトグラフィー(カラム:Chromolith SpeedROD RP18e50−4.6:勾配5.5分/流速:2.75ml(90:10〜0:100(H2O+TFA0.01容量%:CH3CN+TFA0.01容量%));波長220nm;保持時間:1.93分)および質量分析(ESI−MS:M+1=467)により特性決定することができる。
前記実施例に従い得られる本発明による化合物の特性を好ましくは追加的に、関連する1H−および/または13C−NMR分光データにより確認することもできる。
実施例A:アッセイI
本発明による化合物の効力を例えば、Eg5 ATPアーゼ活性を介して決定することができ、これは、ピルビン酸キナーゼ(PK)により生成物ADPをATPに酵素的に再生し、続いて、NADH−依存性乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)反応に結合させることを介して測定される。反応は、NADH依存性LDHへの結合による340nmでの吸収の変化を介して監視することができる。ATPの再生により同時に、基質濃度が一定であることが保証される。時間単位当たりの吸収の変化を、グラフにより分析し、線形回帰を、反応の視覚的線領域で実施する。
実施例B:アッセイII
抗原生動物ペンタミジンとキネシンATPアーゼEg5/KSPの阻害剤との組合せは、結腸癌腫細胞系HCT116を用いる細胞増殖試験において高い阻害作用をもたらす。Eg5阻害剤は、ATPアーゼ活性に不利に作用し、紡錘体極の分離における誤りにより、細胞周期の経過を阻害する。
式VIの化合物および/または表1からの医薬品と組み合わされた場合の本発明による式Iの化合物の効力の決定は、次のようにコンビネーションアッセイで証明することができる。
規定の細胞系(HCT116、Colo205、MDA−MB231など)103〜104細胞を、96ウェルマイクロタイタープレートの各ウェル中に播種し、標準条件下に一晩培養する。試験される組合せの物質のために、DMSO中10〜50mMのストック溶液を調製した。個々の物質の希釈列(通常3倍希釈段階)を相互に、ピペットスキームの形態で(下記スキーム参照)組み合わせるが、0.5%(v/v)のDMSO最終濃度を維持した。翌朝、物質混合物を細胞に加え、これを、培養条件下にさらに48時間インキュベーションした。培養の終了時に、細胞のクリスタルバイオレット染色を実施した。固定細胞からクリスタルバイオレットを抽出した後に、550nmでの吸収を分光光度分析により測定した。これを、存在する粘着細胞の定量測定として使用することができる。
Figure 2008533060
次の実施例は、医薬品に関する:
実施例C:注射用バイアル
式Iの活性成分100gおよびリン酸水素二ナトリウム5gの2回蒸留水3l溶液を、2Nの塩酸を使用してpH6.5に調整し、滅菌ろ過し、注射用バイアルに移し、無菌条件下に凍結乾燥させ、無菌条件下に密封する。注射用バイアルはそれぞれ、活性成分5mgを含有する。
実施例D:座薬
式Iの活性成分20gと大豆レシチン100gおよびカカオバター1400gとの混合物を溶融させ、金型に注ぎ、冷却させる。座薬はそれぞれ、活性成分20mgを含有する。
実施例E:液剤
2回蒸留水940ml中の式Iの活性成分1g、NaH2PO4・2H2O 9.38g、Na2HPO4・12H2O 28.48gおよび塩化ベンザルコニウム0.1gから、液剤を調製する。pHを6.8に調整し、液剤を1lにし、放射線により滅菌する。この液剤は、点眼液の形態で使用することができる。
実施例F:軟膏
式Iの活性成分500mgを、ワセリン99.5gと無菌条件下に混合する。
実施例G:錠剤
式Iの活性成分1kg、ラクトース4kg、馬鈴薯デンプン1.2kg、タルク0.2kgおよびステアリン酸マグネシウム0.1kgの混合物を慣用の方法で圧縮して、錠剤がそれぞれ活性成分10mgを含有するような錠剤を得る。
実施例H:糖衣丸
実施例Eと同様に錠剤を圧縮し、続いて、慣用の方法で、スクロース、馬鈴薯デンプン、タルク、トラガカントおよび染料からなるコーティング剤で被覆する。
実施例I:カプセル
式Iの活性成分2kgを慣用の方法で硬質ゼラチンカプセルに導入して、カプセルがそれぞれ活性成分20mgを含有するようにする。
実施例J:アンプル
式Iの活性成分1kgの2回蒸留水60l溶液を滅菌濾過し、アンプルに移し、無菌条件下に凍結乾燥させ、無菌条件下に密封する。アンプルはそれぞれ、活性成分10mgを含有する。

Claims (24)

  1. 式Iの化合物ならびにその薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(あらゆる比でのこれらの混合物を含む):
    Figure 2008533060
    [式中、
    1、R2、R3およびR4は相互に独立に、H、A、Ar、Het、ORa、SRa、OAr、SAr、N(Ra2、NRaAr、Hal、NO2、CN、(CH2mCOORa、(CH2mCOOAr、(CH2mCON(Ra2、(CH2mCONHAr、CORa、COAr、S(O)mA、S(O)mAr、NHCOA、NHCOAr、NHSO2A、NHSO2ArまたはSO2N(Ra2を意味し、
    aは、H、A、Ar、Het、アラルキルまたはヘテロアラルキルを意味し、
    5、R8は相互に独立に、H、A、Ar、Het、アラルキルまたはヘテロアラルキルを意味し、
    6、R7は相互に独立に、HまたはAを意味するか、それらが結合しているN原子と一緒になって、N、SおよびOから選択される1、2または3個のさらなるヘテロ原子を含有してもよい飽和または不飽和5員、6員または7員の複素環を形成し、
    1は、O、SまたはNR1を意味し、
    1、Z2、Z3は相互に独立に、(CR910nまたは(CR910p−(C=Y2)−(CR1112qを意味し、
    Aは、アルキルまたはシクロアルキルを意味し、
    Arは、アリールまたはヘテロアリールを意味し、
    Hetは、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルを意味し、
    Halは、F、Cl、BrまたはIを意味し、
    2は、O、SまたはNR2を意味し、
    9、R10、R11、R12は相互に独立に、H、A、OA、Ar、Het、アラルキルまたはヘテロアラルキルを意味し、
    mは、0、1、2または3を意味し、
    nは、1、2、3または4を意味し、
    p、qは相互に独立に、0、1、2または3を意味する]。
  2. 式I’の化合物ならびにその薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(あらゆる比でのこれらの混合物を含む)から選択される、請求項1に記載の化合物:
    Figure 2008533060
    [式中、
    9およびR10は相互に独立に、H、A、OA、Ar、Het、アラルキルおよびヘテロアラルキルから選択される]。
  3. 1およびR4が相互に独立に、Hを意味するか、A、CF3、OCF3、ORa、SA、S(O)2A、S(O)A、CH2CN、COOA、CONHA、Hal、SCF、CNおよびHetから選択される、請求項1または2に記載の化合物。
  4. 3およびR4が相互に独立に、HおよびClから選択される、請求項1から3の一項に記載の化合物。
  5. 5が、Ar、アラルキルおよびヘテロアラルキルから選択され;
    6、R7が相互に独立に、H、A、Arおよびアラルキルから選択され;
    8が、A、ArおよびHetから選択される、
    請求項1から4の一項に記載の化合物。
  6. 5が、非置換または置換ベンジルを意味し、
    8が、非置換または置換フェニルを意味する、
    請求項1から5の一項に記載の化合物。
  7. 亜式IAからIPから選択される、請求項1から6の一項に記載の化合物ならびにその薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩および立体異性体(あらゆる比でのこれらの混合物を含む):
    Figure 2008533060
    Figure 2008533060
    Figure 2008533060
    Figure 2008533060
    Figure 2008533060
    [式中、
    1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、Y1、Y2、Z1およびZ3は、請求項1に記載の意味を有し、
    rは、1、2、3または4を表し、
    sおよびtは相互に独立に、0、1または2を表し、
    2は、O、SまたはNR2を表し、
    3は、O、SまたはNR2を表し、
    4は、O、SまたはNRaを表し、
    Aは、アルキルを表し、
    Arは、アリールまたはヘテロアリールを表し、
    Hetは、ヘテロアリールを表し、
    cおよびRdは相互に独立に、R1からR4で示された意味から選択され、
    uおよびvは相互に独立に、0、1、2または3を表す]。
  8. N−(3−ベンジル−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−イルメチル)−N−(3−ジメチルアミノプロピル)ベンズアミド;
    N−(3−ベンジル−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−イルメチル)−N−(2−ジメチルアミノエチル)ベンズアミド;
    N−(2−アミノエチル)−N−(3−ベンジル−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−イルメチル)ベンズアミド;
    N−(3−アミノプロピル)−N−(3−ベンジル−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−イルメチル)ベンズアミド;
    N−(3−アミノプロピル)−(3−ベンジル−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−イルメチル)チオフェン−2−カルボキサミド;
    N−(3−アミノ−1−ベンジルプロピル)−N−(3−ベンジル−7−クロロ−4−オキソ−3,4−ジヒドロフタラジン−1−イルメチル)イソブチルアミド
    から選択される、請求項1から7の一項に記載の化合物ならびにこれらの薬学的に許容される誘導体、溶媒和物、塩および立体異性体(あらゆる比での混合物形態を含む)、好ましくはこれらの塩および/または溶媒和物、特にこれらの生理学的に許容される塩および/または溶媒和物。
  9. 請求項1から8の一項に記載の式Iの化合物ならびにその薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体を調製する方法であって、
    a)式IIの化合物:
    Figure 2008533060
    [式中、R1、R2、R3、R4、R5、Y3およびZ1は、請求項1から6に記載の意味を有し、LG1は、脱離基を表す]を、式IIIの化合物:
    Figure 2008533060
    [式中、
    6、R7およびZ2は、請求項1から6に記載の意味を有し、
    1は、Hまたは金属原子を表し、
    bは、L2またはZ3−R8を表し、ここで、
    2は、Hまたは金属原子を表し、
    3およびR8は、本明細書に記載の意味を有する]と反応させ、RbがL2を表す場合、反応ステップa)で得られた式:
    Figure 2008533060
    の生成物を、
    b)式Vの化合物:
    LG2−Z3−R8
    [式中
    3およびR8は、本明細書に記載の意味を有し、
    LG2は、脱離基を表す]と反応させ、場合によって、
    c)生じた式Iの化合物を単離し、かつ/または酸または塩基で処理して、これをその塩の1種に変換することを特徴とする方法。
  10. 式IIの化合物ならびにその溶媒和物、塩および立体異性体(あらゆる比での混合物形態を含む):
    Figure 2008533060
    [式中、R1、R2、R3、R4、R5、Y3およびZ1は、請求項1から6に記載の意味を有し、LG1は、脱離基を表す]。
  11. 請求項1から8の一項に記載の式Iの化合物を調製するための、請求項10に記載の式IIの化合物の使用。
  12. 少なくとも1種の請求項1から8の一項に記載の式Iの化合物および/またはその薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体(あらゆる比でのこれらの混合物を含む)ならびに場合によって賦形剤および/または補助剤を含有する医薬品。
  13. 1種または複数の式Iの化合物および1種または複数の式VIの化合物、その類似体および/またはその代謝産物の総量を含む混合物:
    Figure 2008533060
    [式中、Y’およびZ’はそれぞれ相互に独立に、OまたはNを意味し、R9およびR10はそれぞれ相互に独立に、H、OH、ハロゲン、OC1〜10−アルキル、OCF3、NO2またはNH2を意味し、nは、それぞれ両端を含む2から6の整数を意味し、R8およびR11はそれぞれ相互に独立に、メタ位またはパラ位にあり、基:
    Figure 2008533060
    から選択される]。
  14. 使用される式VIの化合物がペンタミジンまたはその塩である、請求項13に記載の使用。
  15. 疾患を治療するための医薬品を調製するための、請求項1から8の一項に記載の化合物ならびにその薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体(あらゆる比でのその混合物を含む)、または請求項13に記載の混合物の使用。
  16. 前記疾患が、有糸分裂モータータンパク質Eg5の阻害、制御および/または調節により影響を受けうることを特徴とする、請求項15に記載の使用。
  17. 癌疾患を治療および予防するための医薬品を調製するための、請求項1から8の一項に記載の化合物または請求項13に記載の混合物の使用。
  18. 前記癌疾患が、扁平上皮、膀胱、胃、腎臓、頭部および頸部、食道、子宮頸部、甲状腺、腸、肝臓、脳、前立腺、尿生殖路、リンパ系、喉頭および/または肺の腫瘍からなる群からの腫瘍に随伴する、請求項15から17の一項に記載の使用。
  19. 前記腫瘍が、単球性白血病、肺腺癌、小細胞肺癌、膵臓癌、神経膠芽細胞腫および乳癌および結腸癌の群から原発している、請求項18に記載の使用。
  20. 治療されるべき癌疾患が、血液および免疫系の腫瘍である、請求項17に記載の使用。
  21. 前記腫瘍が、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病および/または慢性リンパ性白血病の群から原発している、請求項20に記載の使用。
  22. 治療有効量の1種または複数の式VIの化合物、その類似体および/またはその代謝産物:
    Figure 2008533060
    [式中、Y’およびZ’はそれぞれ相互に独立に、OまたはNを意味し、R9およびR10はそれぞれ相互に独立に、H、OH、ハロゲン、OC1〜10−アルキル、OCF3、NO2またはNH2を意味し、nは、それぞれ両端を含む2から6の整数を意味し、R8およびR11はそれぞれ相互に独立に、メタ位またはパラ位にあり、基:
    Figure 2008533060
    から選択される]と組み合わせての、腫瘍を治療するための医薬品を調製するための請求項1から13の一項に記載の式Iの化合物および/またはその生理学的に許容される塩および溶媒和物の使用であって、式Iの化合物および式VIの化合物、その類似体および/またはその代謝産物を、同時にまたは相互に14日以内に、腫瘍または他の高増殖性細胞の増殖を阻害するために十分な量で投与する使用。
  23. 使用される式VIの化合物がペンタミジンまたはその塩である、請求項22に記載の使用。
  24. 腫瘍を治療するための医薬品を調製するための請求項1から8の一項に記載の式Iの化合物および/またはその生理学的に許容される塩および溶媒和物の使用であって、式Iの化合物の治療有効量を、放射線療法ならびに1)エストロゲン受容体調節物質、2)アンドロゲン受容体調節物質、3)レチノイド受容体調節物質、4)細胞傷害性作用物質、5)抗増殖性作用物質、6)プレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害薬、7)HMG−CoAレダクターゼ阻害薬、8)HIVプロテアーゼ阻害薬、9)逆転写酵素阻害薬および10)他の血管形成阻害薬の群からの化合物と組み合わせて投与する使用。
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