JP5843930B2 - チアゾール誘導体 - Google Patents

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Description

発明の背景
本発明は、有益な特性を有する新規な化合物、特に医薬品の製造に用いることができる化合物を見出す目的に基づいた。
本発明は、リゾホスファチジン酸のレベルの増大を伴う疾患を治療するための化合物およびその使用に関し、さらに、これらの化合物を含む医薬組成物に関する。
詳細には、本発明は、リゾホスファチジン酸(LPA)レベルを制御および/または調節する1つまたは複数の酵素を好ましくは阻害する式Iの化合物に関し、これらの化合物を含む組成物、ならびに血管新生、癌、腫瘍の形成、成長および伝播、動脈硬化症、眼疾患、脈絡膜血管新生および糖尿病性網膜症、炎症性疾患、関節炎、神経変性、再狭窄、創傷治癒または移植片拒絶反応などの疾患および病状の治療のためのその使用方法に関する。具体的には、本発明による化合物は、癌疾患の治療または予防に適している。
オートタキシン(ATX)は、腹水や血漿におけるリゾホスファチジン酸レベルの増大に関係する酵素である(Xuら、1995、Clinical Cancer Research Vol.1、1223頁およびXuら、1995、Biochem.J.Vol−309、933頁)。ATXは、リゾファチジルコリン(LPC)をリゾホスファチジン酸に転換させる(Tokumuraら、2002、J.Biol.Chem.、Vol 277、39436頁およびUmezu−Gozoら、2002、J.Biol.Chem.、Vol.158、227頁)。LPAは、例えば平滑筋収縮、血小板凝集およびアポトーシスなどの多くの生物学的および生化学的過程に影響を及ぼす細胞間脂質メディエータである(Tigyiら、2003 Prog.Lipid Res.Vol42、498頁およびMillsら、2003 Nat.Rev.Cancer Vol.3、582頁およびLynchら、2001 Prost.Lipid Med.Vol.64、33頁)。さらに、LPAは、初期および後期の卵巣癌患者からの血漿および腹水において高い濃度で見出すことができる。そこで、LPAは腫瘍細胞増殖、および転移をもたらす恐れのある隣接組織へのその浸潤において役割を果たしている(Xuら、1995、Clinical Cancer Research Vol.1、1223頁およびXuら、1995、Biochem.J.Vol−309、933頁)。これらの生物学的および病理学的(phatobiological)過程は、G−タンパク質共役型受容体のLPAの活性化によってスイッチが入れられる(Contosら、2000、Mol.Pharm.Vol58、1188頁)。
このため、腫瘍患者の治療には、LPAレベルを低下させることが望ましい。これは、例えばオートタキシンなどのLPA生合成に関与する酵素の阻害によって実現することができる(ATX、Sanoら、2002、J.Biol.Chem.Vol.277、21197頁およびAokiら、2003、J.Biol.Chem.Vol.277、48737頁)。オートタキシンは、ヌクレオチドピロホスファターゼおよびホスホジエステラーゼの酵素ファミリーに属し(Godingら、1998、Immunol.Rev.Vol.161、11頁)、抗腫瘍治療における重要な出発点を意味する(Millsら、2003 Nat.Rev.Cancer Vol.3、582頁およびGotoら、2004 J.Cell.Biochem.Vol.92、1115頁)。その理由は、それが腫瘍において高い度合いで発現され、腫瘍細胞増殖、および転移をもたらす恐れのある隣接組織へのその浸潤を引き起こすからである(Namら、2000、Oncogene、Vol.19、241頁)。さらに、他の血管新生因子とともにオートタキシンは、血管新生の過程において血管の形成をもたらす(Namら、2001、Cancer Res.Vol.61、6938頁)。血管新生は、腫瘍に栄養物を確実に供給する腫瘍増殖における重要な過程である。このため、血管新生の阻害は、腫瘍を飢えさせることを目的とする癌や腫瘍の治療における重要な出発点である(Folkman、2007、Nature Reviews Drug Discovery Vol.6、273−286頁)。
驚くべきことに、本発明による化合物が、ヌクレオチドピロホスファターゼおよびホスホジエステラーゼの酵素ファミリー、特にオートタキシンの特異的阻害をもたらすことを見出した。本発明による化合物は、例えば本明細書で説明するアッセイで容易に検出できる有利な生物学的活性を示すことが好ましい。この種のアッセイでは、本発明による化合物は通常、適切な範囲、好ましくはミクロモル範囲、より好ましくはナノモル範囲のIC50値によって示される阻害効果を示し、かつそれをもたらすことが好ましい。
一般に、すべての固形腫瘍および非固形腫瘍を、例えば単球性白血病、脳腫瘍、尿生殖器、リンパ系の癌、胃癌、喉頭癌ならびに肺腺癌および小細胞肺癌を含む肺癌などを式Iの化合物で治療することができる。他の例には、前立腺癌、膵臓癌および乳癌が含まれる。
本明細書で論じるように、本発明による化合物の効果は様々な疾患に関係する。したがって、本発明による化合物は、1つもしくは複数のヌクレオチドピロホスファターゼおよび/またはホスホジエステラーゼ、特にオートタキシンの阻害によって影響を受ける疾患の予防および/または治療に有用である。
したがって、本発明は、前記疾患の治療および/または予防における医薬品および/または医薬品活性成分としての本発明による化合物、前記疾患の治療および/または予防用の薬剤の製造のための本発明による化合物の使用に関し、また、そうした投与を必要とする患者に1つまたは複数の本発明による化合物を投与することを含む前記疾患の治療方法にも関する。
本発明による化合物が異種移植腫瘍モデルにおいて有利な作用を有することを示すことができる。
宿主または患者は、任意の哺乳類種、例えば霊長類種、特にヒト;マウス、ラットおよびハムスターを含む齧歯類;ウサギ;ウマ、ウシ、イヌ、ネコ等に属するものであってよい。動物モデルは、ヒトの疾患の治療のためのモデルを提供する実験的研究に興味あるものである。
本発明の化合物を用いた治療への特定の細胞の感受性は、インビトロで試験することによって判定することができる。一般に、活性薬剤が細胞死を誘発するかまたはその遊走を阻止するのを可能にするのに十分な時間、通常約1時間〜1週間、様々な濃度で、細胞の培養液を本発明による化合物と一緒にする。インビトロで試験するため、生検標本からの培養細胞株を使用することができる。次いで治療後に残っている生存細胞を数える。
その用量は、使用する具体的な化合物、具体的な疾患、患者の状態等に応じて変更する。一般に、治療用量は、患者の生存能力を維持しながら、標的組織中の望ましくない細胞集団を大幅に低減させるのに十分な量である。治療は一般に、細胞負荷の大幅な低減、例えば少なくとも約50%の低減がもたらされるまで続行し、体内に望ましくない細胞がほとんど検出されなくなるまで続行することができる。
従来技術
オートタキシンを阻害できる化合物が、Pengら、Bioorganic & Medicinal Chemistry(Letters 17、2007、1634−1640頁)(非特許文献1)に記載されている。そこに記載されている化合物は脂質類似物であるが、これらは、本発明による化合物と共通する構造的特徴をなんら有していない。
他のチアゾール誘導体は、WO2007020213(特許文献1)、US2006069102、FR2856685、WO2004058751、WO2004058750、WO9715567に記載されている。
国際公開第2007/020213号パンフレット
Pengら、Bioorganic & Medicinal Chemistry(Letters 17、2007、1634−1640頁
本発明は式Iの化合物
Figure 0005843930

(式中、
は、置換されていないか、またはA、Ar、SR、NR、Hal、NO、CN、(CR[X(CR−Y、CONR、ORおよび/または=O(カルボニル酸素)で一置換、二置換または三置換されていてよい1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する二環式不飽和または芳香族複素環を表し、
、Rは、それぞれ互いに独立に、H、A、Ar、OR、SR、NR、Hal、NO、CNまたは(CR[X(CR−Yを表し、
は、H、Hal、A、OR、NRまたは(CR[X(CR−Yを表し、
Xは、O、NRまたはCRを表し、
Yは、ORまたはNRを表し、
は、H、または1、2、3、4、5もしくは6個のC原子を有する非分岐状もしくは分岐状アルキルを表し、その1〜7個のH原子はFおよび/またはClで置き換えられていてよく、
Kは、C=O、CRCOまたはCRを表し、
Eは、COO(CR、CO(CRO、CONH(CR、S(O)(CR、CO(CR、(CR、CO(CRO(CR、CO(CRNH(CRまたはC(=S)O(CRを表し、
Rは、H、または1、2、3、4、5もしくは6個のC原子を有する非分岐状もしくは分岐状アルキルを表し、
Wは、ArまたはHetを表し、
Gは、CHまたはNを表し、
Arは、フェニル、ナフチルまたはビフェニルを表し、そのそれぞれは置換されていないか、またはHal、A、(CROR、(CRNR、SR、NO、CN、COOR、CONR、NRCOA、NRSOA、SONR、S(O)A、CO−Het、(CRHet、O(CRNR、O(CRHet、NHCOOA、NHCONR、NHCOO(CRNR、NHCOO(CRHet、NHCONH(CRNR、NHCONH(CRHet、OCONH(CRNR、OCONH(CRHet、CONR(CRNR、CONR(CRHetおよび/またはCOAで一置換、二置換、三置換、四置換または五置換されていており、
Hetは、置換されていないか、またはHal、A、(CROR、(CRNR、SR、NO、CN、COOR、CONR、NRCOA、NRSOA、SONR、S(O)A、CO−Het、(CRHet、O(CRNR、O(CRHet、NHCOOA、NHCONR、NHCOO(CRNR、NHCOO(CRHet、NHCONH(CRNR、NHCONH(CRHet、OCONH(CRNR、OCONH(CRHet、CO−Het、CHO、COA、=S、=NH、=NAおよび/または=O(カルボニル酸素)で一置換、二置換または三置換されていてよい1〜4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式、二環式または三環式飽和、不飽和または芳香族複素環を表し、
Hetは、A、OA、OH、Halおよび/または=O(カルボニル酸素)で一置換または二置換されていてよい1〜2個のNおよび/またはO原子を有する単環式飽和複素環を表し、
Aは、その1〜7個のH原子がOR、CN、NR、Fおよび/またはClで置き換えられていてよく、かつ/またはその1つもしくは2つの非隣接CH基が、O、NH、S、SO、SOおよび/またはCH=CH基で置き換えられていてよい、1〜10個のC原子を有する非分岐状もしくは分岐状アルキル、
または、
3〜7個のC原子を有する環状アルキルを表し、
mは、1、2、3、4、5または6を表し、
nは、0、1、2、3、4、5、6、7または8を表し、
pは、0、1、2、3、4、5または6を表し、
qは、0、1または2を表し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを表す)
ならびに薬剤として使用可能なその誘導体、溶媒和物、互変異性体、塩およびそれらの立体異性体、ならびにすべての比のそれらの混合物に関する。
本発明は、これらの化合物の光学的に活性な形態(立体異性体)、鏡像異性体、ラセミ化合物、ジアステレオマーならびに水和物および溶媒和物にも関する。化合物の溶媒和物という用語は、互いの引力によって生じる不活性溶媒分子の化合物への付加物を意味するものとする。溶媒和物は、例えば一水和物もしくは二水和物またはアルコラートである。
薬剤として使用可能な誘導体は、例えば本発明による化合物の塩を意味し、またいわゆるプロドラッグ化合物も意味するものとする。
プロドラッグ誘導体は、例えばアルキルもしくはアシル基、糖類またはオリゴペプチドによって改変されており、有機体中で急速に切断されて本発明による有効な化合物を生成する式Iの化合物を意味するものとする。
これらには、例えばInt.J.Pharm.115、61−67頁(1995)に記載されているような本発明による化合物の生分解性ポリマー誘導体も含まれる。
「有効量」という表現は、組織、系、動物またはヒトにおいて、例えば研究者または医師によって求められるかまたは望まれる生物学的もしくは医学的応答を引き起こす医薬品または薬剤活性成分の量を表す。
さらに、「治療有効量」という表現は、この量を施されていない対応対象と比較して、以下の結果、すなわち:疾患、症候群、状態、病状、障害または副作用の改善された治療、治癒、防止もしくは排除をもたらし、また疾患、病状または障害の進行の減退をもたらす量を表す。
「治療有効量」という表現は、正常な生理学的機能を増大させるのに有効な量も包含する。
本発明はまた、式Iの化合物の混合物、例えば2つのジアステレオマーの例えば1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:100または1:1000の比の混合物の使用にも関する。
これらは、立体異性体化合物の特に好ましい混合物である。
本発明は、式IIの化合物を
Figure 0005843930

(式中、R、R、R、R、GおよびKは請求項1に示す意味を有する)
を次の式IIIの化合物
L−E−W III
(式中、EおよびWは請求項1に示す意味を有し、
Lは、Cl、Br、I、または遊離OH基もしくは反応的官能的に改変されたOH基を表す)
と反応させ、かつ/または式Iの塩基もしくは酸をその塩の1つに転換させることを特徴とする、式Iの化合物およびその塩に関し、かつ、特許請求の範囲による式Iの化合物、ならびに薬剤として使用可能なその誘導体、塩、溶媒和物および立体異性体の製造方法に関する。
Aは、アルキルを表し、好ましくは非分岐状(直鎖)または分岐状であり、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のC原子を有する。アルキルは、好ましくはメチル、さらにエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチルを表し、さらにペンチル、1−、2−または3−メチルブチル、1,1−,1,2−または2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1−、2−、3−または4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−または3,3−ジメチルブチル、1−または2−エチルブチル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−または1,2,2−トリメチルプロピルも表し、さらに好ましくは例えばトリフルオロメチルを表す。
アルキルは特に好ましくは、1、2、3、4、5もしくは6個のC原子を有するアルキル、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたは1,1,1−トリフルオロエチルを表す。アルキルはシクロアルキルも表す。
シクロアルキルは好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル(cylopentyl)、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルを表す。
は好ましくは、
Figure 0005843930

から選択される、置換されていないか、またはA、Ar、SR、NR、Hal、NO、CN、(CR[X(CR−Y、CONR、ORおよび/または=O(カルボニル酸素)(特に好ましい置換基はA、NR、CONR、ORおよび/または=Oである)で一置換、二置換または三置換されていてよい、二環式不飽和または芳香族複素環を表す。
は好ましくはH、または例えばメチルなどのAを表す。
は好ましくはHを表す。
は好ましくはHを表す。
は好ましくは、H、またはその1〜5個のH原子がFで置き換えられていてよい1、2、3もしくは4個のC原子を有する非分岐状もしくは分岐状アルキルを表す。
Kは好ましくはCOまたはCHを表す。
Eは好ましくはCOOCH、COOCHCH、SOCHCH、CONHCH、COCHOまたはCOCHCHを表す。
Rは好ましくはHまたはメチルを表し、特に好ましくはHを表す。
Arは、フェニル、o−、m−またはp−トリル、o−、m−またはp−エチルフェニル、o−、m−またはp−プロピルフェニル、o−、m−またはp−イソプロピルフェニル、o−、m−またはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−またはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−またはp−メトキシフェニル、o−、m−またはp−ニトロフェニル、o−、m−またはp−アミノフェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−またはp−アセトアミドフェニル、o−、m−またはp−メトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシカルボニルフェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジメチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−またはp−(N−エチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−フルオロフェニル、o−、m−またはp−ブロモフェニル、o−、m−またはp−クロロフェニル、o−、m−またはp−(メチルスルホンアミド)フェニル、o−、m−またはp−(メチルスルホニル)フェニル、さらに好ましくは2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジクロロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジブロモフェニル、2,4−または2,5−ジニトロフェニル、2,5−または3,4−ジメトキシフェニル、3−ニトロ−4−クロロフェニル、3−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−3−クロロ−、2−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−5−クロロ−または2−アミノ−6−クロロフェニル、2−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノ−または3−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノ−フェニル、2,3−ジアミノフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,6−または3,4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル、p−ヨードフェニル、3,6−ジクロロ−4−アミノフェニル、4−フルオロ−3−クロロフェニル、2−フルオロ−4−ブロモフェニル、2,5−ジフルオロ−4−ブロモフェニル、3−ブロモ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−アミノ−6−メチルフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニル、2,5−ジメチル−4−クロロフェニル、ナフチルまたはビフェニルを表す。
Arはさらに、好ましくはフェニル、ナフチルまたはビフェニルを表し、そのそれぞれは置換されていないか、またはHal、A、(CRHet、SAおよび/またはOAで一置換、二置換または三置換されている。
他の置換に関係なく、Hetは例えば、2−または3−フリル、2−または3−チエニル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2、4−または5−イミダゾリル、1−、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソオキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−、5−または6−ピリミジニル、さらに好ましくは1,2,3−トリアゾール−1−、−4−または−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−または5−イル、1−または5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−または−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−または−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−または−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−または−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−または−5−イル、3−または4−ピリダジニル、ピラジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インドリル、4−または5−イソインドリル、インダゾリル、1−、2−、4−または5−ベンゾイミダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾオキサゾリル、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾイソオキサゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾチアゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾイソチアゾリル、4−、5−、6−または7−ベンゾ−2,1,3−オキサジアゾリル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−キノリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−または8−イソキノリル、3−、4−、5−、6−、7−または8−シンノリニル、2−、4−、5−、6−、7−または8−キナゾリニル、5−または6−キノキサリニル、2−、3−、5−、6−、7−または8−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、さらに好ましくは1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−−5−イル、2,1,3−ベンゾオキサジアゾール−5−イルまたはジベンゾフラニルを表す。
複素環基は部分的または完全に水素化されていてもよい。他の置換に関係なく、Hetは例えば、2,3−ジヒドロ−2−、−3−、−4−または−5−フリル、2,5−ジヒドロ−2−、−3−、−4−または5−フリル、テトラヒドロ−2−または−3−フリル、1,3−ジオキソラン−4−イル、テトラヒドロ−2−または−3−チエニル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピロリル、2,5−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピロリル、1−、2−または3−ピロリジニル、テトラヒドロ−1−、−2−または−4−イミダゾリル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピラゾリル、テトラヒドロ−1−、−3−または−4−ピラゾリル、1,4−ジヒドロ−1−、−2−、−3−または−4−ピリジル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−または−6−ピリジル、1−、2−、3−または4−ピペリジニル、2−、3−または4−モルホリニル、テトラヒドロ−2−、−3−または−4−ピラニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキサン−2−、−4−または−5−イル、ヘキサヒドロ−1−、−3−または−4−ピリダジニル、ヘキサヒドロ−1−、−2−、−4−または−5−ピリミジニル、1−、2−または3−ピペラジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−キノリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−イソキノリル、2−、3−、5−、6−、7−または8−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、さらに好ましくは2,3−メチレンジオキシフェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、2,3−エチレンジオキシフェニル、3,4−エチレンジオキシフェニル、3,4−(ジフルオロメチレンジオキシ)フェニル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−または6−イル、2,3−(2−オキソメチレンジオキシ)フェニルまたは3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−6−または−7−イルも、さらに一層好ましくは2,3−ジヒドロベンゾフラニル、2,3−ジヒドロ−2−オキソフラニル、3,4−ジヒドロ−2−オキソ−1H−キナゾリニル、2,3−ジヒドロベンゾオキサゾリル、2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾオキサゾリル、2,3−ジヒドロベンゾイミダゾリル、1,3−ジヒドロインドール、2−オキソ−1,3−ジヒドロインドールまたは2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾイミダゾリルも表すことができる。
Hetは好ましくは、置換されていないか、またはHal、A、NHおよび/または=O(カルボニル酸素)で一置換または二置換されていてよい、1〜3個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式または二環式飽和、不飽和または芳香族複素環を表す。
Hetは特に好ましくは、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、インドリル、ベンゾ−1,3−ジオキソリル、インダゾリルテトラヒドロピリダジン、イミダゾリジニルベンズオキサゾリルまたはベンゾ−2,1,3−チアジアゾリルを表し、そのそれぞれは置換されていないか、またはAおよび/または=O(カルボニル酸素)で一置換または二置換されている。
Hetは好ましくは、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジンまたはモルホリンを表し、そのそれぞれは置換されていないか、またはAおよび/または=O(カルボニル酸素)で一置換または二置換されている。
Halは好ましくはF、ClまたはBrを表すが、またIも表す。FまたはClを表すことが特に好ましい。
各指数は以下の好ましい意味、すなわち
mは1、2、3または4、
nは0、1、2、3または4、
pは0、1、2、3または4、
qは0、1または2
を有する。
本発明を通して、例えばRなどの2回以上出現するすべての基は、同じであっても異なっていてもよい、すなわち、それらは互いに独立している。
式Iの化合物は1つまたは複数のキラル中心を有することができ、したがって、様々な立体異性体で出現することが可能である。式Iはこれらのすべての形態を包含する。
したがって、本発明は、特に、前記基の少なくとも1つが上記した好ましい意味の1つを有する式Iの化合物に関する。
化合物のいくつかの好ましいグループは、以下の下位式Ia〜Ipで表される化合物(これらの下位式は式Iに準拠しており、ここで詳細に表示されていない基は、式Iで示された意味を有している)、ならびに薬剤として使用可能なその誘導体、塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体、ならびにすべての比のそれらの混合物であり、ただし、
Iaにおいて、Rは以下の群、
Figure 0005843930

(これらは、置換されていないか、またはA、Ar、SR、NR、Hal、NO、CN、(CR[X(CR−Y、CONR、ORおよび/または=O(カルボニル酸素)で一置換、二置換または三置換されていてよい)
から選択される二環式不飽和または芳香族複素環を表し、
Ibにおいて、Rは以下の群、
Figure 0005843930

(これらは、置換されていないか、またはA、NR、CONR、ORおよび/または=O(カルボニル酸素)で一置換または二置換されていてよい)
から選択される二環式不飽和または芳香族複素環を表し、
Icにおいて、RはHまたはAを表し、
Idにおいて、RはHを表し、
Ieにおいて、RはHを表し、
Ifにおいて、RはH、または1、2、3または4個のC原子を有する非分岐状もしくは分岐状アルキルを表し、その1〜5個のH原子はFで置き換えられていてよく、
Igにおいて、KはCOまたはCHを表し、
Ihにおいて、EはCOOCH、COOCHCH、SOCHCH、CONHCH、COCHOまたはCOCHCHを表し、
Iiにおいて、RはHまたはメチルを表し、
Ijにおいて、RはHを表し、
Ikにおいて、Arはフェニル、ナフチルまたはビフェニルを表し、そのそれぞれは置換されていないか、またはHal、A、(CRHet、SAおよび/またはOAで一置換、二置換、三置換、四置換または五置換されており、
Ilにおいて、Hetは、置換されていないか、またはHal、Aおよび/または=O(カルボニル酸素)で一置換または二置換されていてよい1〜3個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式または二環式飽和、不飽和または芳香族複素環を表し、
Imにおいて、Hetは、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、インドリル、ベンゾ−1,3−ジオキソリル、インダゾリル、テトラヒドロピリダジン、イミダゾリジニルベンズオキサゾリルまたはベンゾ−2,1,3−チアジアゾリルを表し、そのそれぞれは置換されていないか、またはA、NH、および/または=O(カルボニル酸素)で一置換または二置換されており、
Inにおいて、Aは、1〜10個のC原子を有する非分岐状もしくは分岐状アルキルを表し、その1〜7個のH原子はFおよび/またはClで置き換えられていてよく、
Ioにおいて、
mは1、2、3または4を表し、
nは0、1、2、3または4を表し、
pは1、2、3または4を表し、
qは0、1または2を表し、
Ipにおいて、Rは以下の群、
Figure 0005843930

(これらは置換されていないか、またはA、Ar、SR、NR、Hal、NO、CN、(CR[X(CR−Y、CONR、ORおよび/または=O(カルボニル酸素)で一置換、二置換または三置換されていてよい)
から選択される二環式不飽和または芳香族複素環を表し、
はHまたはAを表し、
はHを表し、
はHを表し、
XはO、NRまたはCRを表し、
YはORまたはNRを表し、
はH、または1、2、3もしくは4個のC原子を有する非分岐状もしくは分岐状アルキルを表し、その1〜5個のH原子はFで置き換えられていてよく、
KはCOまたはCHを表し、
EはCOOCH、COOCHCH、SOCHCH、CONHCH、COCHOまたはCOCHCHを表し、
RはHまたはメチルを表し、
WはArまたはHetを表し、
GはCHまたはNを表し、
Arはフェニル、ナフチルまたはビフェニルを表し、そのそれぞれは置換されていないか、またはHal、A、(CRHet、SAおよび/またはOAで一置換、二置換、三置換、四置換または五置換されており、
Hetは、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、インドリル、ベンゾ−1,3−ジオキソリル、インダゾリルまたはベンゾ−2,1,3−チアジアゾリルを表し、そのそれぞれは置換されていないか、またはAおよび/または=O(カルボニル酸素)で一置換または二置換されており、
Aは、1〜10個のC原子を有する非分岐状もしくは分岐状アルキルを表し、その1〜7個のH原子はFおよび/またはClで置き換えられていてよく、
mは1、2、3または4を表し、
nは0、1、2、3または4を表し、
pは1、2、3または4を表し、
HalはF、Cl、BrまたはIを表す。
式Iの化合物、またそれらを製造するためのその出発原料も、文献(例えばHouben−Weyl,Methoden der organischen Chemie[有機化学の方法],Georg−Thieme−Verlag,Stuttgartなどの標準的な文献)に記載されているようなそれ自体知られている方法によって(正確にいえば、周知であり、かつその反応に適している反応条件下で)製造される。本明細書ではそれ自体知られている変数も使用することができるが、ここではそれについて詳細に言及しない。
望むなら、反応混合物からそれを単離せず、代わりに、それらをさらに式Iの化合物へ直ちに転換させることによって、その場で出発原料を生成させることも可能である。
式Iの化合物は好ましくは、式IIの化合物を式IIIの化合物と反応させて得ることができる。
式IIIの化合物において、Lは好ましくは、Cl、Br、Iあるいは遊離OH基、または、例えば活性化されたエステル、イミダゾリドまたは1〜6個の個のC原子を有するアルキルスルホニルオキシ(好ましくはメチルスルホニルオキシまたはトリフルオロメチルスルホニルオキシ)もしくは6〜10個のC原子を有するアリールスルホニルオキシ(好ましくはフェニル−またはp−トリルスルホニルオキシ)などの反応的に改変されたOH基を表す。
反応は一般に、酸結合剤、好ましくはDIPEA、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ピリジンまたはキノリンなどの有機塩基の存在下で実施する。
アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩もしくは重炭酸塩、またはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属、好ましくはカリウム、ナトリウム、カルシウムもしくはセシウムの弱酸の他の塩の添加も好ましい。
使用条件に応じて、反応時間は数分から14日間であり、反応温度は約−30℃〜140℃、通常−10℃〜90℃、特に約0℃〜約70℃である。
適切な不活性溶媒の例は、ヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンもしくはキシレンなどの炭化水素;トリクロロエチレン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルムもしくはジクロロメタンなどの塩素化炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノールなどのアルコール;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)もしくはジオキサンなどのエーテル;エチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(ダイグライム)などのグリコールエーテル;アセトンもしくはブタノンなどのケトン;アセトアミド、ジメチルアセトアミドもしくはジメチルホルムアミド(DMF)などのアミド;アセトニトリルなどのニトリル;ジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド;二硫化炭素;ギ酸もしくは酢酸などのカルボン酸;ニトロメタンもしくはニトロベンゼンなどのニトロ化合物;酢酸エチルなどのエステルまたは前記溶媒の混合物である。
特に好ましいのはアセトニトリル、ジクロロメタンおよび/またはDMFである。
式IIおよびIIIの出発原料は一般に周知である。しかし、それが新規である場合、それ自体知られている方法でそれらを製造することができる。式Iの化合物の製造に用いられる、例えば化合物2(例1の反応スキームを参照されたい)などの出発原料は一般に、市販もされている。それらは好ましくは、以下のスキームと同様にして製造することができる。
ピペラジン出発原料の製造
Figure 0005843930

ピペリジン出発原料の製造:
Figure 0005843930

本発明による前記化合物は、その塩でない最終形態で用いることができる。他方、本発明は、当業界で知られている手順によって様々な有機および無機の酸および塩基から得ることができる薬学的に許容されるその塩の形態でのこれらの化合物の使用も包含する。式Iの化合物の薬学的に許容される塩の形態は大部分、慣用的な方法で調製することができる。式Iの化合物がカルボキシル基を含む場合、適切な塩の1つは、その化合物を適切な塩基と反応して対応する塩基付加塩を得ることによって形成させることができる。そうした塩基は、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムを含むアルカリ金属水酸化物;水酸化バリウムおよび水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;アルカリ金属アルコキシド、例えばカリウムエトキシドおよびナトリウムエトキシド;ならびにピペリジン、ジエタノールアミンおよびN−メチルグルタミンなどの様々な有機塩基である。式Iの化合物のアルミニウム塩も同様に含まれる。特定の式Iの化合物の場合、酸付加塩は、これらの化合物を、薬学的に許容される有機および無機の酸、例えばハロゲン化水素、例えば塩化水素、臭化水素またはヨウ化水素、他の鉱酸および対応するその塩、例えば硫酸塩、硝酸塩またはリン酸塩など、ならびにアルキル−およびモノアリールスルホン酸塩、例えばエタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩およびベンゼンスルホン酸塩、他の有機酸および対応するその塩、例えば酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩などで処理することによって形成させることができる。
したがって、式Iの化合物の薬学的に許容される酸付加塩には以下のもの、すなわち:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アルギナート(arginate)、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、重硫酸塩、亜硫酸水素塩、ブロミド、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、カプリル酸塩、クロリド、クロロ安息香酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩、リン酸二水素塩、ジニトロ安息香酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、ガラクテレート(粘液酸から)、ガラクツロン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミコハク酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、アイオダイド、イセチオン酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル安息香酸塩、リン酸一水素塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、オレイン酸塩、パルモン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、フタル酸塩が含まれる。しかし、これらに限定されるものではない。
さらに、本発明による化合物の塩基には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄(III)、鉄(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)、マンガン(II)、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛の塩が含まれる。しかし、これらに限定されるものではない。上記塩のうち、好ましいのは、アンモニウム塩;アルカリ金属(ナトリウムおよびカリウム)塩およびアルカリ土類金属(カルシウムおよびマグネシウム)塩である。薬学的に許容される非毒性の有機塩基から得られる式Iの化合物の塩には、第一、第二および第三アミン、天然由来の置換アミンも含む置換アミン、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂の塩、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、クロロプロカイン、コリン、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン(ベンザチン)、ジシクロヘキシルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルタミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リドカイン、リシン、メグルミン、N−メチル−D−グルタミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミ、トリメチルアミン、トリプロピルアミンおよびトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(トロメタミン)が含まれる。しかし、これらに限定されるものではない。
塩基性窒素含有基を含む本発明の化合物は、(C〜C)アルキルハライド、例えばメチル、エチル、イソプロピルおよびtert−ブチルのクロリド、ブロミドおよびアイオダイド;硫酸ジ(C〜C)アルキル、例えば硫酸ジメチル、硫酸ジエチルおよび硫酸ジアミル;(C10〜C18)アルキルハライド、例えばデシル、ドデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルのクロリド、ブロミドおよびアイオダイド;ならびにアリール(C〜C)アルキルハライド、例えば塩化ベンジルおよび臭化フェネチルなどの薬剤で四級化することができる。本発明による水溶性化合物と油溶性化合物はどちらもそうした塩を用いて調製することができる。
上記薬剤のうち好ましいものには、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ベシル酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、ヘミコハク酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、イセチオン酸塩、マンデル酸塩、メグルミン、硝酸塩、オレイン酸塩、ホスホン酸塩、ピバル酸塩、リン酸ナトリウム、ステアリン酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、チオリンゴ酸塩、トシレートおよびトロメタミンが含まれる。しかし、これらに限定されるものではない。
塩基性の式Iの化合物の酸付加塩は、遊離塩基形態物を十分な量の所望の酸と接触させ、慣用的な仕方で塩を形成させることによって調製する。遊離塩基は、塩形態物を塩基と接触させ、慣用的な方法で遊離塩基を単離することによって再生させることができる。遊離塩基形態物は、極性溶媒への溶解性などの特定の物理的特性に関して、ある点で対応するその塩形態物と異なるが、しかし、本発明のためには、その塩は、他の点ではそれぞれのその遊離塩基形態物に対応する。
上記したように、式Iの化合物の薬学的に許容される塩基付加塩は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属または有機アミンなどの金属またはアミンを用いて形成される。好ましい金属はナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムである。好ましい有機アミンは、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−D−グルタミンおよびプロカインである。
本発明による酸性化合物の塩基付加塩は、遊離酸形態物を十分な量の所望の塩基と接触させ、慣用的な仕方で塩の形成をもたらすことによって調製する。遊離酸は、塩形態物を酸と接触させ、慣用的な方法で遊離酸を単離することによって再生させることができる。遊離酸形態物は、極性溶媒への溶解性などの特定の物理的特性に関して、ある点で対応するその塩形態物と異なるが、しかし、本発明のためには、その塩は、他の点ではそれぞれのその遊離酸形態物に対応する。
本発明による化合物が、この種の薬学的に許容される塩を形成できる2つ以上の基を含む場合、本発明は複数の塩も包含する。典型的な複数塩形態物には、例えば酒石酸水素塩、二酢酸塩、二フマル酸塩、ジメグルミン、二リン酸塩、二ナトリウムおよび三塩酸塩が含まれる。しかし、これらに限定されるものではない。
上記した点に関して、本発明の関連において「薬学的に許容される塩」という表現は、特に、その塩形態物が、活性成分の遊離形態物または先に用いた活性成分の他の任意の塩形態物と比較して、改善された薬物動態学的特性を活性成分に付与する場合、その塩の1つの形態の式Iの化合物を含む活性成分を意味するものとする。活性成分の薬学的に許容される塩形態物は、それまでは有していなかった所望の薬物動態学的特性をまずこの活性成分に提供することもでき、さらには、体内でのその治療効能に関するこの活性成分の薬物動態に対して積極的な影響を及ぼすこともできる。
本発明はさらに、少なくとも1つの式Iの化合物、および/または薬剤として使用可能なその誘導体、溶媒和物および立体異性体、ならびにすべての比のそれらの混合物、ならびに任意選択の賦形剤および/または補助剤を含む医薬品に関する。
医薬製剤は、投薬単位当たり所定量の活性成分を含む投薬単位の形態で投与することができる。そうした単位は、治療される状態、投与方法、患者の年齢、体重および状態に応じて、例えば0.5mg〜1g、好ましくは1mg〜700mg、特に好ましくは5mg〜100mgの本発明による化合物を含むことができ、また、医薬製剤は、投薬単位当たり所定量の活性成分を含む投薬単位の形態で投与することができる。好ましい投薬単位製剤は、上記したような1日用量もしくは部分用量、または活性成分の相当するその割合を含むものである。さらにこの種の医薬製剤は、当薬剤技術分野で一般に知られている方法を用いて調製することができる。
医薬製剤は、任意の適切な所望方法、例えば経口(頬側もしくは舌下を含む)、経直腸、経鼻、局所(頬側、舌下もしくは経皮を含む)、経膣または非経口(皮下、筋肉内、静脈内もしくは皮内を含む)での方法によって投与されるように適合させることができる。そうした製剤は、当薬剤技術分野で知られているすべての方法を用いて、例えば活性成分を賦形剤または補助剤と一緒にすることによって調製することができる。
経口投与用に適合された医薬製剤は、例えば、カプセル剤または錠剤;粉剤または顆粒剤;水性もしくは非水性液体中の液剤または懸濁剤;食用泡状物もしくは泡状食品;あるいは水中油型乳濁液もしくは油中水型乳濁液などの個別の単位として投与することができる。
したがって、例えば錠剤またはカプセル剤の形態での経口投与の場合、活性成分を、非毒性の薬学的に許容される経口用の不活性賦形剤、例えばエタノール、グリセロール、水などと一緒にすることができる。粉剤は、化合物を適切な微小サイズに粉砕し、同様に粉砕した薬剤用賦形剤、例えば食用炭水化物、例えばでんぷんまたはマンニトールなどと混合することによって調製する。香味剤、保存剤、分散剤および染料も同様に存在していてよい。
カプセル剤は、上記したような粉末混合物を調製し、それを成形したゼラチンシェルに充填することによって作製する。充填操作の前に、例えば高度に分散したケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたは固体状のポリエチレングリコールなどの流動促進剤および滑剤を、その粉末混合物に加えることができる。カプセル剤を飲み込んだ後、医薬品の利用可能性を向上させるために、例えば寒天、炭酸カルシウムもしくは炭酸ナトリウムなどの崩壊剤または可溶化剤を同様に加えることができる。
さらに、それを望むかまたは必要とする場合、適切な結合剤、滑剤および崩壊剤ならびに染料を同様に、混合物中に混ぜ込むことができる。適切な結合剤には、でんぷん、ゼラチン、例えばグルコースまたはβ−ラクトース、トウモロコシから得られた甘味剤などの天然糖類、例えばアカシア、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウムなどの天然および合成ゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが含まれる。これらの剤形で用いられる滑剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。崩壊剤には、これらに限定されないが、でんぷん、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴムなどが含まれる。錠剤は、例えば粉末混合物を調製し、その混合物を造粒するかまたは乾式圧縮し、滑剤および崩壊剤を加え、混合物全体を圧縮して錠剤を得ることによって処方する。適切な仕方で粉砕された化合物を、上記したような希釈剤またはベース、および任意選択の、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチンまたはポリビニルピロリドンなどの結合剤、例えばパラフィンなどの溶解遅延剤、例えば第四級塩などの吸収促進剤および/または、例えばベントナイト、カオリンまたは第二リン酸カルシウムなどの吸収剤と混合することによって粉末混合物を調製する。粉末混合物は、それを結合剤、例えばシロップ、でんぷん糊、アカディア粘液(acadia mucilage)またはセルロースもしくはポリマー材料の溶液などで湿潤させ、こし器を通してそれを押圧することによって造粒することができる。代替の造粒法として、粉末混合物を、タブレット成形機を通して不均一な形状の塊状物を得、これを破砕して顆粒を形成させる。錠剤キャスティング用鋳型に付着するのを防ぐために、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱油を顆粒剤に加えて潤滑化することができる。次いで、潤滑混合物を圧縮して錠剤を得る。本発明による化合物は、自由流動性の不活性賦形剤と混合し、次いで直接圧縮して、造粒または乾式圧縮のステップを行うことなく錠剤を得ることもできる。セラック密封層、糖またはポリマー材料の層およびワックスの光沢層からなる透明または不透明保護層が存在してもよい。異なる投薬単位を識別するために、これらのコーティング物に染料を加えることができる。
例えば液剤、シロップ剤およびエリキシル剤などの経口液体を、所与の量が予め指定された量の化合物を含むような投薬単位の形態で調製することができる。シロップ剤は、化合物を適切な香味剤とともに水溶液に溶解して調製することができるが、エリキシル剤は非毒性アルコール性媒体を用いて調製する。懸濁剤は、化合物を非毒性媒体に分散させて処方することができる。例えばエトキシ化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテルなどの可溶化剤および乳化剤、保存剤、例えばペパーミント油などの香味用添加剤あるいは天然甘味剤もしくはサッカリンまたは他の人工甘味剤なども同様に加えることができる。
望むなら、経口投与用の投薬単位製剤は、マイクロカプセル中にカプセル化することができる。製剤は、例えばコーティングするか、またはポリマー、ワックスなどに特定の材料を埋め込むことによって、その放出を延長するか遅延させるような仕方で調製することもできる。
式Iの化合物、ならびにその塩、溶媒和物および生理学的に機能性の誘導体は、例えば小単層ベシクル、大単層ベシクルおよび多層ベシクルなどのリポソーム送達系の形態で投与することもできる。リポソームは、例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンなどの様々なリン脂質から形成させることができる。
式Iの化合物、ならびにその塩、溶媒和物および生理学的に機能性の誘導体は、化合物分子がそれと結合している個別担体としてのモノクローナル抗体を用いて送達することもできる。化合物は、標的医薬品担体としての溶解性ポリマーと結合させることもできる。そうしたポリマーは、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール、またはパルミトイル基で置換されたポリエチレンオキシドポリリシンを包含することができる。さらに、化合物は、医薬品の制御放出を具現化するのに適した生分解性ポリマーの部類、例えばポリ乳酸、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロキシピラン、ポリシアノアクリレートおよびヒドロゲルの架橋性もしくは両親媒性ブロックコポリマーと結合させることができる。
経皮投与に適合させた医薬製剤は、レシピエントの表皮と長時間密接に接触させるために、独立した硬膏剤として投与することができる。したがって、例えば活性成分は、Pharmaceutical Research、3(6)、318頁(1986)の一般用語に記載されているイオン泳動によって硬膏剤から送達することができる。
局所投与に適合させた薬剤化合物は、軟膏、クリーム剤、懸濁剤、ローション剤、粉剤、液剤、ペースト剤、ゲル剤、噴霧剤、エアロゾル剤またはオイル剤として処方することができる。
目または他の外部組織、例えば口や皮膚の治療のためには、好ましくは局所用軟膏またはクリーム剤として製剤を塗布する。軟膏を得るための処方の場合、活性成分は、パラフィン系かまたは水混和性のクリーム基剤と用いることができる。あるいは、活性成分は、水中油型クリーム基剤または油中水型基剤を含むクリーム剤が得られるように処方することができる。
目への局所施用に適合させた医薬製剤には、活性成分を適切な担体、特に水性溶媒に溶解または懸濁させた点眼剤が含まれる。
口への局所施用に適合させた医薬製剤は、トローチ剤、芳香錠およびうがい薬を包含する。
直腸投与に適合させた医薬製剤は、坐剤またはかん腸剤の形態で投与することができる。
担体物質が固体である経鼻投与に適合させた医薬製剤は、例えば20〜500ミクロンの範囲の粒径を有する粗粉末を含み、これは、鼻から吸う、すなわち鼻に近接して保持された粉剤を含む容器から鼻孔を介して急速に吸入する仕方で投与される。担体物質としての液体を含む鼻内噴霧剤または点鼻剤での投与に適した製剤には、水またはオイル中の活性成分液剤が含まれる。
吸入による投与に適合させた医薬製剤は、微粒子状の粉塵またはミストを含み、これらは、エアロゾル剤、噴霧器または吸入器を備えた様々なタイプの加圧分注器を用いて発生させることができる。
膣内投与に適合させた医薬製剤は、ペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、泡状または噴霧状の製剤として投与することができる。
非経口投与に適合させた医薬製剤には、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、およびそれによって製剤に治療を受けるレシピエントの血液との等張性が付与される溶質ならびに懸濁媒体および増粘剤を含んでよい水性および非水性の滅菌懸濁剤を含む水性および非水性の滅菌注入液剤が含まれる。製剤は、単一用量または複数用量の容器、例えば密封アンプルおよびバイアルで投与することができ、かつ、使用直前に注入のための滅菌担体液体、例えば水を加えるだけでよいように凍結乾燥状態で保存することができる。この処方で調製される注入液剤および懸濁剤は、滅菌粉剤、顆粒剤および錠剤から調製することができる。
言うまでもなく、上記に具体的に挙げた構成要素に加えて、製剤は、特定の種類の処方に関して、当業界で通常用いられる他の薬剤も含むことができる。したがって例えば、経口投与に適した製剤は香味剤を含むこともできる。
式Iの化合物の治療有効量は、例えば動物の年齢や体重、治療を要する正確な状態およびその重篤度、処方の特徴および投与方法を含むいくつかの要素に依存し、最終的にそれは、治療する医師または獣医によって判断される。しかし、腫瘍性増殖、例えば結腸癌または乳癌を治療するための本発明による化合物の有効量は一般に、1日当たりレシピエント(哺乳動物)の体重の0.1〜100mg/kgの範囲、特に典型的には1日当たり体重の1〜10mg/kgの範囲である。したがって、体重70kgの成体哺乳動物のための1日当たりの実際の量は通常70〜700mgである。この量を、総1日量が同じになるように、1日当たり単一用量またはより一般には1日当たり一連の部分用量で(例えば2、3、4、5または6つで)投与することができる。その塩もしくは溶媒和物または生理学的に機能性の誘導体の有効量は、本発明による化合物それ自体の有効量の割合で決めることができる。同様の用量は、上記の他の状態の治療にも適すると見なすことができる。
さらに、本発明は、少なくとも1つの式Iの化合物、および/または薬剤として使用可能なその誘導体、溶媒和物および立体異性体、ならびにすべての比のそれらの混合物、ならびに少なくとも1つの他の医薬品活性成分を含む医薬品に関する。
本発明は、
(a)有効量の式Iの化合物および/または薬剤として使用可能なその誘導体、溶媒和物および立体異性体、ならびにすべての比のそれらの混合物
および
(b)有効量の他の医薬品活性成分
の個別のパックからなるセット(キット)にも関する。
そのセットは、箱、個別の瓶、袋またはアンプルなどの適切な容器を含む。セットは、例えばそれぞれが、溶解するか凍結乾燥した形態の有効量の、式Iの化合物および/または薬剤として使用可能なその誘導体、溶媒和物および立体異性体、ならびにすべての比のそれらの混合物、ならびに有効量の他の医薬品活性成分を含む、個別のアンプルを含むことができる。
それに限らないが、好ましくは、表1からの医薬品を式Iの化合物と一緒にする。
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式Iの化合物は既知の抗癌剤と一緒にすることが好ましい。これらの既知の抗癌剤には、以下のものすなわち、エストロゲン受容体調節物質、アンドロゲン受容体調節物質、レチノイド受容体調節物質、細胞傷害性作用物質、抗増殖性作用物質、プレニル化タンパク質トランスフェラーゼ阻害薬、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤および他の血管新生阻害剤が含まれる。本発明の化合物は、放射線治療と同時に投与するのに特に適している。放射線治療と合わせたVEGFの阻害の相乗効果は当業界で説明されている(WO00/61186を参照されたい)。
「エストロゲン受容体調節物質」は、その機序に関係なく、受容体とのエストロゲンの結合を干渉するかまたはそれを阻害する化合物を指す。エストロゲン受容体調節物質の例には、これらに限定されないが、タモキシフェン、ラロキシフェン、イドキシフェン、LY353381、LY117081、トレミフェン、フルベストラント、4−[7−[2,2−ジメチル−1−オキソプロポキシ−4−メチル−2−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−2H−1−ベンゾピラン−3−イル]フェニル2,2−ジメチルプロパノエート、4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン−2,4−ジニトロフェニルヒドラゾンおよびSH646が含まれる。
「アンドロゲン受容体調節物質」は、その機序に関係なく、受容体とのアンドロゲンの結合を干渉するかまたはそれを阻害する化合物を指す。アンドロゲン受容体調節物質の例には、フィナステライドおよび他の5α−レダクターゼ阻害剤、ニルタミド、フルタミド、ビカルタミド、リアロゾールおよび酢酸アビラテロンが含まれる。
「レチノイド受容体調節物質」は、その機序に関係なく、受容体とのレチノイドの結合を干渉するかまたはそれを阻害する化合物を指す。そうしたレチノイド受容体調節物質の例には、ベキサロテン、トレチノイン、13−シス−レチノイン酸、9−シス−レチノイン酸、α−ジフルオロメチルオルニチン、ILX23−7553、トランス−N−(4'−ヒドロキシフェニル)レチナミドおよびN−4−カルボキシフェニルレチナミドが含まれる。
「細胞傷害性作用物質」は、主に細胞機能に直接作用することによって細胞死をもたらすか、あるいは細胞分裂(cell myosis)を阻害するかまたはそれに干渉する化合物を指し、それらには、アルキル化剤、腫瘍壊死因子、インターカレート剤、ミクロツブリン阻害剤およびトポイソメラーゼ阻害剤が含まれる。
細胞傷害性作用物質の例には、これらに限定されないが、チラパジミン(tirapazimine)、セルテネフ(sertenef)、カケクチン、ホスファミド、タソネルミン、ロニダミン、カルボプラチン、アルトレタミン、プレドニムスチン、ジブロモズルシトール、ラニムスチン、ホテムスチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、テモゾロマイド、ヘプタプラチン、エストラムスチン、トシル酸インプロスルファン、トロホスファミド、ニムスチン、塩化ジブロスピジウム、プミテパ、ロバプラチン、サトラプラチン、プロフィロマイシン、シスプラチン、イロフルベン、デキシフォスファミド(dexifosfamide)、シスアミンジクロロ(2−メチルピリジン)白金、ベンジルグアニン、グルフォスファミド、GPX100、(トランス,トランス,トランス)ビス−mu−(ヘキサン−1,6−ジアミン)mu−[ジアミン白金(II)]ビス[ジアミン(クロロ)白金(II)]テトラクロリド、ジアリジジニルスペルミン、三酸化ヒ素、1−(11−ドデシルアミノ−10−ヒドロキシウンデシル)−3,7−ジメチルキサンチン、ゾルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ビサントレン(bisantrene)、ミトキサントロン、ピラルビシン、ピナフィド、バルルビシン、アムルビシン、アンチネオプラストン、3'−デアミノ−3'−モルホリノ−13−デオキソ−10−ヒドロキシカルミノマイシン、アンナマイシン、ガラルビシン、エリナフィド(elinafide)、MEN10755および4−デメトキシ3−デアミノ−3−アジリジニル−4−メチルスルホニルダウノルビシン(WO00/50032を参照されたい)が含まれる。
ミクロツブリン阻害剤の例には、パクリタキセル、硫酸ビンデシン、3',4'−ジデヒドロ−4'−デオキシ−8'−ノルビンカロイコブラスチン、ドセタキソール(docetaxel)、リゾキシン、ドラスタチン、イセチオン酸ミボブリン、オーリスタチン、セマドチン、RPR109881、BMS184476、ビンフルニン、クリプトフィシン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、アンヒドロビンブラスチン、N,N−ジメチル−L−バリル−L−バリル−N−メチル−L−バリル−L−プロリル−L−プロリン−t−ブチルアミド、TDX258およびBMS188797が含まれる。
トポイソメラーゼ阻害剤のいくつかの例は、トポテカン、ハイカプタミン(hycaptamine)、イリノテカン、ルビテカン、6−エトキシプロピオニル−3',4'−O−エキソベンジリデンチャルトレウシン、9−メトキシ−N,N−ジメチル−5−ニトロピラゾロ[3,4,5−kl]アクリジン−2−(6H)プロパンアミン、1−アミノ−9−エチル−5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−1H,12H−ベンゾ[デ]ピラノ[3',4':b,7]インドリジノ[1,2b]キノリン−10,13(9H,15H)ジオン、ルートテカン(Lurtotecan)、7−[2−(N−イソプロピルアミノ)エチル]−(20S)カンプトセシン、BNP1350、BNPI1100、BN80915、BN80942、リン酸エトポシド、テニポシド、ソブゾキサン、2'−ジメチルアミノ−2'−デオキシエトポシド、GL331、N−[2−(ジメチルアミノ)−エチル]−9−ヒドロキシ−5,6−ジメチル−6H−ピリド[4,3−b]カルバゾール−1−カルボキサミド、アスラクリン、(5a,5aB,8aa,9b)−9−[2−[N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−N−メチルアミノ]エチル]−5−[4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル]−5,5a,6,8,8a,9−へキソヒドロフロ(3',4':6,7)ナフト(2,3−d)−1,3−ジオキソール−6−オン、2,3−(メチレンジオキシ)−5−メチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシベンゾ[c]フェナントリジニウム、6,9−ビス[(2−アミノエチル)アミノ]ベンゾ[g]イソキノリン−5,10−ジオン、5−(3−アミノプロピルアミノ)−7,10−ジヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチルアミノメチル)−6H−ピラゾロ[4,5,1−デ]アクリジン−6−オン、N−[1−[2(ジエチルアミノ)エチルアミノ]−7−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イルメチル]ホルムアミド、N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)アクリジン−4−カルボキサミド、6−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−3−ヒドロキシ−7H−インデノ[2,1−c]キノリン−7−オンおよびジメスナである。
「抗増殖性作用物質」には、アンチセンスRNAおよびDNAオリゴヌクレオチド、例えばG3139、ODN698、RVASKRAS、GEM231およびINX3001、ならびに代謝拮抗物質、例えばエノシタビン、カルモフール、テガフール、ペントスタチン、ドキシフルリジン、トリメトレキサート、フルダラビン、カペシタビン、ガロシタビン、シタラビンオクホスファート、ホステアビンナトリウム水和物、ラルチトレキセド、パルチトレキシド、エミテフール、チアゾフリン、デシタビン、ノラトレキセド、ペメトレキセド、ネララビン(nelzarabine)、2'−デオキシ−2'−メチリデンシチジン、2'−フルオロメチレン−2'−デオキシシチジン、N−[5−(2,3−ジヒドロベンゾフリル)スルホニル]−N'−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、N6−[4−デオキシ−4−[N2−[2(E),4(E)−テトラデカジエノイル]グリシルアミノ]−L−グリセロ−B−L−マンノヘプトピラノシル]アデニン、アプリジン、エクチナサイジン、トロキサシタビン、4−[2−アミノ−4−オキソ−4,6,7,8−テトラヒドロ−3H−ピリミジノ[5,4−b]−1,4−チアジン−6−イル−(S)−エチル]−2,5−チエノイル−L−グルタミン酸、アミノプテリン、5−フルオロウラシル、アラノシン、11−アセチル−8−(カルバモイルオキシメチル)−4−ホルミル−6−メトキシ−14−オキサ−1,11−ジアザテトラシクロ(7.4.1.0.0)テトラデカ−2,4,6−トリエン−9−イル酢酸エステル、スワインソニン、ロメトレキソール、デクスラゾキサン、メチオニナーゼ、2'−シアノ−2'−デオキシ−N4−パルミトイル−1−B−D−アラビノフラノシルシトシンおよび3−アミノピリジン−2−カルボキシアルデヒドチオセミカルバゾンが含まれる。「抗増殖性作用物質」には、「血管新生阻害剤」に挙げられているもの以外の増殖因子に対するモノクローナル抗体、例えばトラスツズマブ、および組換えウイルス媒介遺伝子導入によって送達することができる腫瘍サプレッサー遺伝子、例えばp53(例えば米国特許第6,069,134号を参照されたい)も含まれる。
腫瘍疾患の治療および予防のために、本発明による化合物の使用が特に好ましい。
その腫瘍は好ましくは、扁平上皮、膀胱、胃、腎臓、頭頸部、食道、頸部、甲状腺、腸、肝臓、脳、前立腺、尿生殖路、リンパ系、胃、喉頭および/または肺の腫瘍の群から選択される。
腫瘍は、肺腺癌、小細胞肺癌、膵臓癌、膠芽細胞腫、結腸癌および乳癌の群から選択されることがさらに好ましい。
さらに、血液および免疫系の腫瘍の治療のため、好ましくは急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病および/または慢性リンパ性白血病の群から選択される腫瘍の治療のための使用が好ましい。
他の態様では、本発明は、式(I)の化合物を抗増殖性作用物質と併用して投与することによる癌などの新生物を有する患者の治療のためを包含する。適切な抗増殖剤は表1に示すものを包含する。
上記および以下においてすべての温度は℃で表す。以下の例において、「慣用的な後処理」は、最終生成物の構造に応じて、必要なら水を加え、必要ならpHを2〜10の値に調節し、その混合物を酢酸エチルまたはジクロロメタンで抽出し、相を分離し、有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、蒸発させ、その生成物を、シリカゲルを用いたクロマトグラフィーにより、かつ/または結晶化により精製することを意味する。シリカゲルでのRf値;溶離液:酢酸エチル/メタノール9:1。
質量分析(MS):EI(電子衝撃イオン化)M
FAB(高速原子衝撃)(M+H)
ESI(エレクトロスプレーオン化)(M+H)
APCI−MS(大気圧化学イオン化−質量分析)(M+H)
LC/MS法:
溶媒A:水+0.1%のTFA
溶媒B:アセトニトリル+0.1%のTFA
流量:2.4ml/分
勾配:0.0分 4%のB
2.6分 100%のB
カラム:Chromolith(登録商標)Speed ROD RP−18e 50−4、6mm
HPLC法:
溶媒A:水+0.1%のTFA
溶媒B:アセトニトリル+0.08%のTFA
流量:1.5ml/分
勾配:0.0分 20%のB
6.0分 100%のB
7.0分 100%のB
8.0分 20%のB
9.0分 20%のB
カラム:Chromolith(登録商標)RP18e 100−4、6mm。
例1
4−クロロベンジル4−[4−(1H−ベンゾトリアゾール−5−イルカルバモイル)チアゾール−2−イル]ピペラジン−1−カルボキシレート(「A1」)の合成は以下のスキームと同様に実施する。
Figure 0005843930

1.1 まず、5−アミノベンゾトリアゾール1(0.69g、5.15ミリモル)および化合物2(1.61g、5.15ミリモル)をDMF(15ml)中に導入し、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.99g、5.15ミリモル)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.70g、5.15ミリモル)を室温(RT)で加え、混合物をRTで15時間撹拌する。反応液を水に注加し、生成した沈殿物をろ別する。これを水で洗浄し、乾燥する(真空乾燥器)。得られた無色の生成物をさらに精製することなく反応させる(無色固体3、1.45g、3.38ミリモル、66%)。
1.2 化合物3(1.14g、2.66ミリモル)を2−プロパノール(45ml)中の6N HClにとり、RTでさらに1時間撹拌する。反応混合物を乾燥するまで蒸発させ、残留物を酢酸エチル/ジエチルエーテルで摩砕する。沈殿物をろ別し、乾燥して化合物4(0.89g、2.45ミリモル、92%)を得る。
1.3 4−クロロベンジルアルコール(32.2mg、0.23ミリモル)をDMF(3ml)に溶解し、1,1’−カルボニルジイミダゾール(36.6mg、0.23ミリモル)を加え、混合物をRTでさらに2時間撹拌する。この混合物に、DMF(1ml)に溶解した化合物4(60.0mg、0.19ミリモル)をRTで加える。撹拌をRTで18時間続行する。反応混合物を水(20ml)に注加し、得られた沈殿物をろ別する。これを水で洗浄し、乾燥(真空乾燥器)して「A1」(75.2mg、0.15ミリモル、66%)を得る。;[M+H] 499;HPLC 4.91。
例2
3,5−ジクロロベンジル4−{5−[(1H−ベンゾトリアゾール−5−イルアミノ)メチル]−4−メチルチアゾール−2−イル}ピペリジン−1−カルボキシレート(13)の調製
還元された類似化合物は以下のようにして合成することができる。
Figure 0005843930

まず、5−アミノベンゾトリアゾール1(162mg、1.12ミリモル)と市販されているtert−ブチル4−(5−ホルミル−4−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート11(250mg、0.81ミリモル)をDCM/THF(2:1、6ml)中に導入し、酢酸(46μl、0.81ミリモル)を加え、混合物をRTで3時間撹拌する。続いてナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.31g、1.45ミリモル)を加え、終夜撹拌を続行する。飽和NaHCO溶液をこのバッチに加え、これを酢酸エチルで2回抽出し、NaSOで脱水し、ろ過し、乾燥するまで蒸発させる。得られた無色固体を、追加的に精製することなくさらに反応させる。
これから、例1のb.およびc.と同様にして化合物13を得る。
以下の化合物を例1または例2と同様にして得る。
Figure 0005843930
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以下の化合物は当業者に知られている方法で調製することができる。これらは、上記化合物の例1または例2による合成方法で調製することが好ましい。
Figure 0005843930
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例A:オートタキシン試験
試験の説明
オートタキシン活性を、Amplex Red試薬を用いて間接的に測定する。ここではAmplex Redを、生成したHについての蛍光指示薬として測定を行う。詳細には、オートタキシンが、基質リゾホスファチジルコリン(LPC)をホスホコリンおよびリゾホスファチジン酸(LPA)へ転換させる。この反応の後、ホスホコリンをアルカリ性ホスファターゼと反応させて無機リン酸塩とコリンを得る。次のステップで、コリンをコリンオキシダーゼで酸化させて、Hの生成を伴って、ベタインにする。1:1の化学量論比でのペルオキシダーゼ(西洋ワサビペルオキシダーゼ)の存在下、HをAmplex Red試薬と反応させ、高度に蛍光性のレゾルフィンを生成する。反応に関わっていない可能性のある他の蛍光性物質からの蛍光シグナルを修正するために、蛍光を反応依存性動態モードで測定する。
試験手順
最大で77%のDMSOを含む20mM Hepes pH7.2中に溶解した個々の濃度の1.5μlの標準溶液または試験物質(名称A(n)を有する物質)を、384ウェルを備えた黒色のマイクロタイタープレート中で、10μl(16ng)の高度に精製した組換えオートタキシンとともに22℃で30分間プレインキュベートする。次いで、5μlのL−a−リゾホスファチジルコリン(LPC)を加えて反応を開始させる。LPCの最終濃度は75μMである。混合物を37℃で90分間インキュベートする。インキュベーションした後、Amplex Red試薬、ペルオキシダーゼ(西洋ワサビペルオキシダーゼ)およびコリンオキシダーゼを加え、蛍光を、「Tecan Ultraマルチモード」リーダーで、485nmの励起によって直ちに612nmで測定する。オートタキシンの活性度を、生成したHの検出によって間接的に算出する。
材料:
マイクロタイタープレート:PSマイクロプレート、384ウェル、小容積、黒色Corning、カタログ番号3677
タンパク質:組換えオートタキシン(バキュロウイルスHi5発現(Baculovirale Hi5 Expression))
基質:L−a−リゾホスファチジルコリン(鶏卵);Avanti Polar Lipids#830071P
標準:C14 LPA、Avanti Polar Lipids、カタログ番号857120P
検出試薬:Amplex Red試薬;Invitrogen#A12222;Sigma#P6782からの1.923mlのDMSOペルオキシダーゼ型VI−A(西洋ワサビ)に溶解;7.45mlの試験緩衝液に溶解、コリンオキシダーゼ;Sigma#C5896;2.47mlの試験緩衝液に溶解
検出試薬ミックス:Amplex Red試薬を試験緩衝液中に1:100で希釈
試験緩衝剤:200mMトリスHCl、Merck、カタログ番号1.08219、pH7.9、0.1%のBSA、脂質フリー、Rocheカタログ番号775835
以下の例は医薬品に関するものである:
例B:注入バイアル
3lの再蒸留水(bidistilled water)中の100gの式Iの活性成分および5gのリン酸1水素2ナトリウムの溶液を2N塩酸でpH6.5に調節し、注入バイアル中に滅菌ろ過して移し、無菌条件下で凍結乾燥し、無菌条件下で密封する。各注入バイアルは5mgの活性成分を含む。
例C:坐剤
20gの式Iの活性成分と100gの大豆レクチンの混合物と1400gのココアバターを溶融させ鋳型に注加し、冷却する。各坐剤は20mgの活性成分を含む。
例D:液剤
溶液を、940mlの再蒸留水中の1gの式Iの活性成分、9.38gのNaHPO・2HO、28.48gのNaHPO・12HOおよび0.1gの塩化ベンザルコニウムで調製する。pHを6.8に調節し、溶液を1lにして放射線で滅菌する。この液剤を、点眼剤の形態で使用することができる。
例E:軟膏
500mgの式Iの活性成分を無菌状態下で99.5gのワセリンと混合する。
例F:錠剤
1kgの式Iの活性成分、4kgのラクトース、1.2kgのジャガイモでんぷん、0.2kgのタルクおよび0.1kgのステアリン酸マグネシウムの混合物を慣用的な方法で圧縮し、各錠剤が10mgの活性成分を含むような形で押圧して錠剤を得る。
例G:糖衣錠
錠剤を例Eと同様にして押圧し、続いて慣用的な方法により、スクロース、ジャガイモでんぷん、タルク、トラガカントおよび染料からなるコーティング材でコーティングする。
例H:カプセル剤
2kgの式Iの活性成分を、各カプセルが20mgの活性成分を含むような形で慣用的な方法で硬質ゼラチンカプセル中に導入する。
例I:アンプル剤
60lの再蒸留水中の1kgの式Iの活性成分の溶液を滅菌ろ過して、アンプルに移し、無菌条件下で凍結乾燥し、無菌条件下で密封する。各アンプルは10mgの活性成分を含む。

Claims (1)

  1. 以下の群、
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    から選択される化合物、または薬剤として使用可能なその溶媒和物、互変異性体、塩もしくはそれらの立体異性体、あるいはすべての比のそれらの混合物。
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