JP2003047237A - スイッチング電源装置 - Google Patents

スイッチング電源装置

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JP2003047237A
JP2003047237A JP2001226755A JP2001226755A JP2003047237A JP 2003047237 A JP2003047237 A JP 2003047237A JP 2001226755 A JP2001226755 A JP 2001226755A JP 2001226755 A JP2001226755 A JP 2001226755A JP 2003047237 A JP2003047237 A JP 2003047237A
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    • G05FSYSTEMS FOR REGULATING ELECTRIC OR MAGNETIC VARIABLES
    • G05F1/00Automatic systems in which deviations of an electric quantity from one or more predetermined values are detected at the output of the system and fed back to a device within the system to restore the detected quantity to its predetermined value or values, i.e. retroactive systems
    • G05F1/10Regulating voltage or current
    • G05F1/46Regulating voltage or current wherein the variable actually regulated by the final control device is dc
    • G05F1/56Regulating voltage or current wherein the variable actually regulated by the final control device is dc using semiconductor devices in series with the load as final control devices
    • G05F1/565Regulating voltage or current wherein the variable actually regulated by the final control device is dc using semiconductor devices in series with the load as final control devices sensing a condition of the system or its load in addition to means responsive to deviations in the output of the system, e.g. current, voltage, power factor
    • G05F1/569Regulating voltage or current wherein the variable actually regulated by the final control device is dc using semiconductor devices in series with the load as final control devices sensing a condition of the system or its load in addition to means responsive to deviations in the output of the system, e.g. current, voltage, power factor for protection
    • G05F1/573Regulating voltage or current wherein the variable actually regulated by the final control device is dc using semiconductor devices in series with the load as final control devices sensing a condition of the system or its load in addition to means responsive to deviations in the output of the system, e.g. current, voltage, power factor for protection with overcurrent detector

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スイッチングパルス幅を短くすることによっ
て過電流保護動作を行うスイッチング電源装置におい
て、スイッチング周波数を高周波化して外付け部品を小
型化するとともに、集積回路自体も小型化する。 【解決手段】 発振周波数変更回路18は、過電流検出
回路11で過電流が検出されると発振器16の発振周波
数を低下させるとともに、RSフリップフロップ回路1
2が前記過電流保護動作を行う。出力短絡などで出力電
圧Voが低下すると、発振周波数変更回路18は発振器
16の発振周波数をさらに低下させる。こうして過電流
保護動作の応答遅れを考慮することで、定常負荷時の周
波数を高周波化するようにした構成において、過電流検
知出力を、RSフリップフロップ回路12を介して発振
周波数低下回路18に与えることで、ハンチングを防止
するための時定数回路を不要し、集積回路自体のチップ
サイズも小型化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、過負荷や出力短絡
が生じたときに出力電流を制限する過電流保護機能を備
えたスイッチング電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】前記過電流保護機能を備えたスイッチン
グ電源装置として、たとえば図11に示す構成が挙げら
れる。このスイッチング電源装置では、入力段のコンデ
ンサc1で平滑化された入力電圧vinがトランジスタ
tr1によってスイッチングされる。トランジスタtr
1がONしている期間では、該トランジスタtr1のエ
ミッタに現れた電圧voutによって、コイルl1、コ
ンデンサc2および負荷rlに対してエネルギが供給さ
れる。トランジスタtr1がOFFしている期間では、
コイルl1に蓄えられたエネルギが、ダイオードd1に
よって還流させられて負荷rlに与えられる。
【0003】出力電圧voの制御は、該出力電圧voを
抵抗r1・r2の抵抗値による所定の比率で分割した帰
還電圧vadjと基準電圧源2の基準電圧vref1と
に基づいて行なわれる。まず、差動アンプ1によって両
電圧の差に応じた電圧が出力され、その電圧と発振器3
から出力される100〔kHz〕の三角波とがコンパレ
ータ4で比較される。すると、コンパレータ4からは、
差動アンプ1の出力レベルに応じたパルス幅のPWM信
号が出力される。
【0004】次いで、このPWM信号が駆動回路5に与
えられると、PWM信号のデューティサイクルに応じて
該駆動回路5がトランジスタtr1のON/OFFを制
御する。これによって、出力電圧voが、前記基準電圧
vref1および抵抗r1・r2による分圧比で決定さ
れる一定電圧(たとえば5〔V〕)に制御される。
【0005】上記の動作時においては、図12の(a)
および(b)に示すように、コンパレータ4の出力電
圧、すなわちPWM信号および電圧voutが破線で示
すようなパルス幅となっている。トランジスタtr1の
デューティDは、トランジスタtr1のON時間とOF
F時間とをそれぞれtON、tOFF とすれば、 D=tON/(tON+tOFF ) =(vO /vIN)×100〔%〕 …(1) となる。
【0006】ところが、負荷rlが重くなると、コイル
l1に流れるコイル電流ilが、同図の(c)で破線か
ら実線に示すように増大する。やがて、コイル電流il
が過電流検出レベルiclを超えると、入力段に設けら
れた過電流検出回路6によって過電流状態が検出され、
RSフリップフロップ回路7にセット信号が出力され
る。
【0007】RSフリップフロップ回路7は、セット端
子電圧が同図の(d)に示すようにハイレベルに変化し
てセットされる。セット端子電圧が一度ハイレベルとな
るとラッチがかかり、出力をローレベルに保持する。こ
のとき、リセット端子電圧は、ローレベルのままとな
る。
【0008】すると、コンパレータ4の出力電圧および
電圧voutは、同図の(a)および(b)に破線で示
すパルス幅であるにも関わらず、RSフリップフロップ
回路7の出力がセット時からローレベルとなるため、実
線で示すパルス幅まで狭められる。このようにしてトラ
ンジスタtr1のデューティが低下することによって、
出力電圧voが低下して出力電流の増大が抑制される。
そして、この結果、出力電流ioは、図13に示すよう
にA点で低下する。
【0009】また、発振器3からRSフリップフロップ
回路7へは、トランジスタtr1のOFF時にリセット
信号が出力されており、同図の(e)に示すようにRS
フリップフロップ回路7のリセット端子電圧が変化す
る。このとき、RSフリップフロップ回路7は、リセッ
ト端子電圧が一度ハイレベルとなるとラッチがかかり、
セット端子電圧がハイレベルとなるときと逆に、出力を
ハイレベルに保持する。これによって、トランジスタt
r1は、次のON時に通常のタイミングでONする。
【0010】しかしながら、上記のスイッチング電源装
置では、スイッチング電源の小型化や軽量化などのため
にスイッチング周波数を高くしてゆく(約50〔kH
z〕以上とする)と、以下に説明するように、過電流保
護機能の動作に不都合が生じる。
【0011】すなわち、図12に示すように、セット端
子電圧がハイレベルになるまでの時間td1と、さらに
セット端子電圧がハイレベルになってからトランジスタ
tr1がOFFするまでの時間td2との遅れが生じ
る。両時間td1・td2の和である遅延時間tdは、
過電流検出からトランジスタtr1をOFFさせるまで
の時間、すなわち過電流保護機能が動作するまでに要す
る時間である。上記の遅延時間tdは約1〔μsec〕
にも達し、前記100〔kHz〕のスイッチング周波
数、すなわち10〔μsec〕のスイッチング周期にお
いて、過電流保護動作時にスイッチングパルス幅が狭め
られると、保護動作に及ぶ影響が大きくなり、無視でき
なくなる。
【0012】たとえば、入力電圧vin=40〔V〕、
出力電圧vo=5〔V〕、コイルl1のインダクタンス
L=200〔μH〕とすると、上記の遅延時間tdの間
にコイル電流ilの変化分である電流Δiは、 Δi=〔(vin−vo)/L〕×td=0.175〔A〕 …(2) となる。このため、コイル電流ilは、電流Δiによっ
て過電流検出レベルiclを超えてしまう。そして、こ
の電流変化分Δiが、平均電流、すなわち出力電流io
を増大させることになる。
【0013】このときの出力特性は、前記図13に示す
ように、短絡状態(vo=0〔V〕)に近くなるほどエ
ミッタ電流が増大し、絶対最大定格値(2.5〔A〕)
を超えてしまい、垂下特性とならなくなる。このよう
に、上記のスイッチング電源装置では、スイッチング周
波数が高くなる程、過電流保護機能が確実に動作しなく
なるという問題点があった。
【0014】そこで、このような問題を解決する他の従
来技術が、特開平7−46828号公報で示されてい
る。この従来技術を図14および図15で示す。これら
の図14および図15は、上述の図11および図13に
それぞれ対応しており、対応する部分には同一の参照符
号を付して示す。注目すべきは、このスイッチング電源
装置では、出力短絡などによる過電流時に発振周波数を
低下させるために、コンパレータ8と、定電圧源9と、
発振周波数変更回路10とがさらに設けられていること
である。
【0015】前記コンパレータ8の非反転入力には、前
記抵抗r1・r2によって得られた電圧vadjが与え
られ、反転入力には、定電圧源9が接続されている。前
記基準電圧源2による基準電圧vref1は、たとえば
1.25〔V〕であり、これに対して前記定電圧源9に
よる基準電圧vref2は、たとえば0.6〔V〕であ
る。コンパレータ8への帰還電圧vadjが前記0.6
〔V〕となるときの出力電圧voは、次式により、 vo=0.6〔V〕×(r1+r2)/r2=2.4〔V〕 …(3) となる。すなわち、コンパレータ8は、出力電圧voが
上記の2.4〔V〕より低下したことを検出し、これに
応答して発振周波数変更回路10は、前記発振器3が発
生する三角波の発振周波数を、前記100〔kHz〕か
ら20〔kHz〕にまで低下させるようになっている。
【0016】したがって、負荷短絡等によって負荷rl
の抵抗値が小さくなって出力電流ioが増大し、トラン
ジスタtr1のコレクタ電流が増大して、コレクタ電流
が過電流検出レベルを超えると、過電流検出回路6によ
って過電流状態が検出されて過電流保護機能が動作を開
始し、過電流検出回路6から出力されるセット信号によ
ってRSフリップフロップ回路7がセットされ、トラン
ジスタtr1のスイッチングパルス幅が小さくなり、該
トランジスタtr1のON時間が短くなって、図15に
おいて、前述のように出力電圧voがA点で低下する。
【0017】さらに、負荷rlの抵抗値が小さくなる
と、出力電圧voは、同図に示すB点まで低下して2.
4〔V〕となり、このときの帰還電圧vadjは、0.
6〔V〕となる。これからさらに出力電圧voが低下し
て、帰還電圧vadjが基準電圧vref2の0.6
〔V〕より低くなると、それまでハイレベルであったコ
ンパレータ8の出力がローレベルになり、発振周波数変
更回路10から発振器3に発振周波数を変更するように
指令を与える電圧が出力され、発振器3は、発振周波数
を100〔kHz〕から20〔kHz〕に低下させる。
【0018】このような動作によって、通常の過電流保
護動作によってスイッチングパルス幅が狭くされ、過電
流検出から出力トランジスタtr1がOFFするまでの
遅延時間tdによって決定されるスイッチングパルス幅
の最小値に近付いたとしても、B点でコンパレータ8の
出力が変化してスイッチング周波数が低下することによ
って、スイッチングパルス幅が広がることになる。
【0019】たとえば、トランジスタtr1は、通常動
作時、前述の式1から5〔V〕/12〔V〕≒41.7
〔%〕のデューティDでスイッチングを行っており、前
記B点で出力電圧voが2.4〔V〕となると、前記式
1から20〔%〕になっているので、スイッチングパル
ス幅は、2〔μsec〕から10〔μsec〕にまで拡
大する。それゆえ、過電流保護動作における前述の遅延
時間tdの影響を従来の1/5に軽減することができ
る。
【0020】したがって、図15に示すように、出力電
流ioは、スイッチング周波数fsの低下が開始するB
点から低下が終了するC点へは、正規の過電流ポイント
まで戻るため低下してゆく。C点以降では、発振周波数
が20〔kHz〕に固定されるため、負荷rlが小さく
なるとスイッチングパルス幅が狭くなり、上記の遅延時
間tdの影響が大きくなって出力電流ioが増大する。
【0021】しかしながら、上記のようにB点からC点
まで出力電流ioを低下させているので、該出力電流i
oの増大を大幅に抑制することができる。これにより、
出力電流ioは、前記の絶対最大定格値の2.5〔A〕
を超えなくなる。なお、同図において破線で示したの
は、前記図13で示す過電流保護特性である。
【0022】一方、スイッチング電源には、小型化、低
コスト化には依然として強い要望がある。この小型化、
低コスト化のためには、前記トランジスタtr1を含め
て前記スイッチング電源装置を集積回路化し、該集積回
路に外付けされるコイルl1やコンデンサc2を小型化
することが有効であり、そのためスイッチング周波数f
sをさらに高周波化することが考えられる。一方、前記
集積回路を比較的安価なバイポーラ素子で実現しても、
前記スイッチング周波数fsとして300〔kHz〕程
度まで対応することができる。
【0023】しかしながら、上記図14で示す従来技術
においても、vin=24〔V〕、vo=5〔V〕とし
たとき、通常制御状態でのデューティDは前記式1から
約20.8〔%〕であり、fs=300〔kHz〕(ス
イッチング周期T=3.33〔μsec〕)で、ON時
間tONは、 tON=T×D=3.33×0.208=693〔nsec〕 …(4) となり、前記遅延時間tdの1〔μsec〕よりも短く
なってしまう。
【0024】このため、前記図15において仮想線で示
すように、A点で過電流を検出し、その保護動作を行っ
ても、その保護動作がトランジスタtr1のON時間t
ONの経過後に行われることになり、該過電流保護動作が
無効となって出力電流ioが増大してゆく。さらに、負
荷rlが重くなり出力電流ioが増大し、トランジスタ
tr1の能力であるたとえば3.0〔A〕を超えると、
トランジスタtr1のコレクタ−エミッタ間の電圧降下
CEが増大し始め、該トランジスタtr1での損失が大
きくなって効率が低下し、出力電圧voが低下し始め
る。こうしてD点のvo=2.4〔V〕となると、前記
発振周波変更回路10の動作によって前記スイッチング
周波数fsが低下するので、通常の過電流保護動作が行
われて前記C点に到達する。
【0025】すなわち、前記点D−C間の短絡保護動作
が行われてからのC点以下では過電流保護動作が行われ
るけれども、点A−D間では過電流保護動作が行われな
いことになってしまう。また、前記のような電圧降下V
CEの増大によるトランジスタtr1の損失の増大によっ
て、該トランジスタtr1の安全動作領域(ASO)を
広くする必要が生じ、該トランジスタtr1のサイズや
コストの増加を招くという問題もある。
【0026】そこで、このような問題を解決するため
に、さらに他の従来技術として、特開2000−245
142号公報が提案された。その従来技術を、図16で
示す。この図16の構成において、前述の図11や図1
4の構成に類似し、対応する部分には同一の参照符号を
付して、その説明を省略する。注目すべきは、この従来
技術では、前記図11や図14の構成における発振周波
変更回路10が第2の発振周波変更回路10bとなり、
前記過電流検出回路11に応答して発振器3の発振周波
数を低下させる第1の発振周波数変更回路10aが設け
られていることである。
【0027】前記発振器3は、発振周波数を、前記第1
発振周波数変更回路10aの出力に応答して、第1の発
振周波数である、たとえば300〔kHz〕から、第2
の発振周波数である、たとえば100〔kHz〕にまで
低下し、また第2発振周波数変更回路10bの出力に応
答して、前記第2の発振周波数である100〔kHz〕
から、第3の発振周波数である、たとえば20〔kH
z〕にまで低下する。
【0028】したがって、図17で示すように、発振器
3は、定常負荷時にはfs=300〔kHz〕で動作し
ており、負荷rlが重くなり、その抵抗値が小さくなっ
て出力電流ioが増大し、トランジスタtr1のコレク
タ電流が増大して、図17のA点においてコレクタ電流
が過電流検出レベルの2〔A〕を超えると、過電流検出
回路6によって過電流状態が検出されて過電流保護動作
が開始され、第1発振周波数変更回路10aはfs=1
00〔kHz〕の動作に切換える。また、RSフリップ
フロップ回路7がセットされ、トランジスタtr1のス
イッチングパルス幅が小さくなり、該トランジスタtr
1のON時間が短くなって、出力電圧voがこのA点で
低下する。
【0029】さらに、負荷rlの抵抗値が小さくなる
と、出力電圧voは、B点まで低下して2.4〔V〕と
なり、このときの帰還電圧vadjは、0.6〔V〕と
なる。これからさらに出力電圧voが低下して、該帰還
電圧vadjが基準電圧vref2の0.6〔V〕より
低くなると、第2発振周波数変更回路10bはfs=2
0〔kHz〕の動作に切換える。この動作によって、通
常の過電流保護動作によってスイッチングパルス幅が狭
くされ、前記遅延時間tdによって決定されるスイッチ
ングパルス幅の最小値に近付いたとしても、B点でスイ
ッチング周波数が再び低下することによって、スイッチ
ングパルス幅が広がることになり、出力電流ioは、ス
イッチング周波数fsの低下が開始するB点から低下が
終了するC点へは、正規の過電流ポイントの2〔A〕ま
で戻るため低下してゆく。
【0030】C点以降では、発振周波数が20〔kH
z〕に固定されるので、負荷rlが小さくなるとスイッ
チングパルス幅が狭くなり、上記の遅延時間tdの影響
が大きくなって出力電流ioが増大する。しかしなが
ら、上記のようにB点からC点まで出力電流ioを予め
低下させているので、該出力電流ioの増大を大幅に抑
制することができる。これによって、出力電流ioは、
絶対最大定格値の、たとえば2.5〔A〕を超えなくな
る。なお、図17において破線で示したのは、fs=1
00〔kHz〕に固定した場合の過電流保護特性であ
る。
【0031】このようにスイッチング周波数の低下を、
出力短絡などによる出力電圧voの低下時だけでなく、
過電流検出時点でも行うことによって、定常負荷時のス
イッチング周波数fsをトランジスタtr1の動作周波
数の上限である300〔kHz〕程度にまで高めて、外
付けのコイルl1やコンデンサc2を小型化し、スイッ
チング電源装置の小型化、低コスト化を図っている。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】上述のように構成され
るスイッチング電源装置では、スイッチング周波数の切
換えにあたって、ハンチングを防止するために、コンデ
ンサを用いた時定数回路が用いられている。その様子
を、図18に詳細に示す。図18は、前記第1発振周波
数変更回路10aおよび第2発振周波数変更回路10b
の具体的構成を示す電気回路図である。なお、この図1
8には、前記過電流検出回路6の一部の構成である抵抗
r11およびトランジスタq11と、発振器3における
定電流回路3aとを合わせて示している。前記定電流回
路3aからの出力電流i40が発振回路に与えられ、発
振回路はその電流i40に対応した周波数で発振を行う
ことになる。
【0033】まず、第1発振周波数変更回路10aは、
定電流源f21と、コンデンサc21と、トランジスタ
q21〜q24と、抵抗r21,r22とを備えて構成
されている。電源電圧vsが与えられる電源ラインl2
と接地ラインl3との間には、定電流源f21とコンデ
ンサc21との直列回路が介在されている。前記電源ラ
インl2,l3間にはまた、抵抗r21とトランジスタ
q21との直列回路と、定電流i21を作成するトラン
ジスタq23と抵抗r22とトランジスタq22との直
列回路とが接続されている。コンデンサc21と並列に
前記トランジスタq11が介在されており、このコンデ
ンサc21の出力電圧がトランジスタq21のベースに
与えられることになる。抵抗r21とトランジスタq2
1との接続点は、トランジスタq22のベースに接続さ
れる。ダイオード接続されているトランジスタq23は
トランジスタq24とカレントミラー回路を構成してい
る。
【0034】したがって、定格負荷時には、前記トラン
ジスタq11がOFFしており、コンデンサc21は定
電流源f21によって充電され、その充電電圧によって
トランジスタq21がONし、トランジスタq22がO
FFして電流i21が0となって、トランジスタq24
からの出力電流i22も0となっている。これに対し
て、過電流状態となってトランジスタq11がONする
と、コンデンサc21の充電電荷が放電され、トランジ
スタq21がOFFし、トランジスタq22がONして
電流i21が流れ、該第1発振周波数変更回路10aか
ら発振器3の定電流発生回路3aに出力電流i22が流
し出される。
【0035】ここで、トランジスタq23,q24のエ
ミッタ面積比は1:1に形成されており、また電源電圧
vsは2.6〔V〕に選ばれ、抵抗r22の抵抗値は4
6〔kΩ〕に選ばれている。したがって、 i22=i21=(vs−VBE−VSAT )/r22 …(5) となる。ここで、VBEはトランジスタq23のベース−
エミッタ間電圧であり、たとえば0.65〔V〕であ
る。また、VSAT はトランジスタq22のON時の飽和
電圧であり、たとえば0.1〔V〕である。したがっ
て、前記式5から、i22=40〔μA〕の電流を流し
出すことができる。
【0036】第2発振周波数変更回路10bは、トラン
ジスタq31〜q34と、抵抗r31,r32と、定電
流源f31とを備えて構成されている。定電流源f31
は、差動対を構成する一対のトランジスタq31,q3
2のエミッタに定電流i31を供給する。トランジスタ
q31のベースには前記帰還電圧vadjが与えられ、
コレクタは接地されている。トランジスタq32のベー
スには、前記電源ラインl2,l3間に介在された分圧
抵抗r31,r32によって作成される参照電圧vre
f3、たとえば0.6〔V〕が与えられる。トランジス
タq32のコレクタは、ダイオード接続されたトランジ
スタq33を介して接地されている。トランジスタq3
3は、トランジスタq34とカレントミラー回路を構成
している。
【0037】トランジスタq33,q34のエミッタ面
積比は1:3に選ばれており、またi31=20〔μ
A〕に選ばれている。したがって、定常負荷状態のvo
=5〔V〕では、vadj=1.25〔V〕となってv
ref3<vadjとなり、トランジスタq31がOF
Fし、トランジスタq32,q33がONして、トラン
ジスタq34は60〔μA〕の電流を引き抜く能力を有
している。
【0038】定電流発生回路3aは、トランジスタq4
1〜q48と、ダイオードd41〜d44と、定電流源
f41とを備えて構成されている。前記電源ラインl
2,l3間には、定電流源f41とダイオード接続され
たトランジスタq41との直列回路が介在されており、
該直列回路によって定電流i41が作成されている。ト
ランジスタq41はトランジスタq42,q43,q4
4とカレントミラー回路を構成しており、各トランジス
タq41,q42,q43,q44のエミッタ面積比
は、1:1:2:1に形成されている。
【0039】トランジスタq42は、ダイオード接続さ
れたトランジスタq45と、ダイオードd41,d42
とともに、前記出力電流i40を作成するための直列回
路を構成し、前記電源ラインl2,l3間に介在されて
いる。ダイオードd42とトランジスタq42との直列
回路には、並列にダイオードd43と前記トランジスタ
q43との直列回路が介在されている。このトランジス
タq43のコレクタに前記第1発振周波数変更回路10
aからの出力電流i22が流し込まれる。
【0040】また、トランジスタq44は、ダイオード
接続されたトランジスタq46と直列に接続され、電源
ラインl2,l3間に介在されている。一方、前記トラ
ンジスタq45とダイオードd41との直列回路と並列
に、トランジスタq47とダイオードd44との直列回
路が設けられている。トランジスタq46とトランジス
タq47とはカレントミラー回路を構成しており、した
がってトランジスタq44を流れるi44がトランジス
タq46,q47で折り返されてダイオードd41のカ
ソード側に流し込まれることになる。トランジスタq4
7のコレクタはまた、前記トランジスタq34のコレク
タに接続されている。
【0041】前記トランジスタq46とトランジスタq
47とのエミッタ面積比は1:0.8に形成されてい
る。定電流源f41によってトランジスタq41に供給
される電流i41は10〔μA〕に選ばれている。した
がって、トランジスタq42,q44を流れる電流i4
2,i44は10〔μA〕となり、トランジスタq43
を流れる電流i43は20〔μA〕となり、トランジス
タq47を流れる電流i45は8〔μA〕となる。トラ
ンジスタq45を流れる電流i46は、該トランジスタ
q45とカレントミラー回路を構成し、エミッタ面積比
が1:1に形成されるトランジスタq48によって、前
記出力電流i40として折り返されて出力される。
【0042】このように構成される定電流発生回路3a
において、定常負荷時には、前記トランジスタq24が
OFFし、i22=0〔μA〕となる。またこのとき、
トランジスタq34がONし、トランジスタq47を流
れる電源i45は十分に該トランジスタq34によって
引き抜かれてバイパスされる。したがって、 i40=i46=i42+i43=30〔A〕 …(6) となる。
【0043】次に、過電流状態が検出されると、トラン
ジスタq24がONし、電流i22が供給されることに
なる。トランジスタq43が通過させることができる電
流i43よりもトランジスタq24が通過させることが
できる電流i22の方が大きいので、該トランジスタq
43のコレクタ電位は、ほぼvs−VSAT のハイレベル
となりダイオードd43がOFFする。これによって、 i40=i46=i42=10〔μA〕 …(7) となる。なおこのとき、トランジスタq34はONした
ままである。
【0044】さらに、出力電圧voが低下し、前記2.
4〔V〕(vadj=0.6〔V〕)以下となると、ト
ランジスタq34はOFFする。これによって、トラン
ジスタq47を流れる電流i45がダイオードd41の
カソード側に流れ込むことになり、 i40=i46=i42−i45=2〔μA〕 …(8) となる。
【0045】ここで、図示しない発振回路の発振周波数
fsは、発振用コンデンサの静電容量Coscとし、発
振波形の振幅をVoscとするとき、 fs=1/T=I40/2Cosc×Vosc …(9) で表すことができる。
【0046】したがって、Cosc=50〔pF〕と
し、Vosc=1〔V〕とすると、前記発振周波数fs
は、i40=30〔μA〕のときには前記300〔kH
z〕となり、i40=10〔μA〕のときには前記10
0〔kHz〕となり、i40=2〔μA〕のときには前
記20〔kHz〕となる。
【0047】ここで、前記第1発振周波数変更回路10
aにおいて、定電流源f21から供給される電流i23
は、たとえば1〔μA〕に選ばれ、コンデンサc21の
静電容量は150〔pF〕に選ばれる。トランジスタq
11の通過電流は、たとえば〔mA〕オ−ダーであり、
したがってトランジスタq21のOFF動作は、fs=
300〔kHz〕動作時のスイッチング周期である約3
〔μsec〕よりも充分短い、たとえば20〔nse
c〕程度で終了する。これに対して、トランジスタq2
1のON動作は、定電流源f21がコンデンサc21を
該トランジスタq21のON電圧(VBE=0.65 〔V〕)
に充電するまでの遅延時間tdf1だけ要する。この遅
延時間tdf1は、 tdf1=(C21*VBE)/I23 =(150〔μF〕*0.65〔V〕)/1〔μA〕 ≒101〔μsec〕 …(10) となる。
【0048】したがって、fs=100〔kHz〕動作
時のスイッチング周期である10〔μsec〕よりも十
分長い。これによって、過電流発生時にはスイッチング
周波数fsが速やかに低下され、過電流状態が解除され
ると100〔kHz〕動作の10サイクル分の時間が経
過してからトランジスタq21がOFFし、fs=30
0〔kHz〕動作に自動復帰する。前記定電流i23お
よびコンデンサc21の静電容量などは、前記スイッチ
ング周波数fsおよび所望とする遅延時間tdf1など
に対応して適宜選ばれる。
【0049】以上のように、上述のスイッチング電源装
置では、外付けのコイルl1やコンデンサc2を小型化
しているけれども、集積回路内に形成されるコンデンサ
c21には、或る程度の静電容量が必要になり、チップ
サイズが大きいという問題がある。なお、第2発振周波
数変更回路10bは、コンデンサc2で平滑化されてい
る帰還電圧vadjに基づいて発振器3の周波数を切換
えるので、前記のようなハンチングを防止するための時
定数回路は不要となっている。
【0050】本発明の目的は、スイッチング周波数を切
換え可能にして外付け部品を小型化するとともに、集積
回路自体も小型化することができるスイッチング電源装
置を提供することである。
【0051】
【課題を解決するための手段】本発明のスイッチング電
源装置は、発振手段からの発振信号に応答してスイッチ
ング素子が入力直流電圧をスイッチングすることによっ
て所望とするレベルの電圧出力を得ることができ、出力
電流が予め定める値より大きくなったことが過電流検知
手段で検知されると過電流保護手段がスイッチングパル
ス幅を狭くして前記出力電流を制限するようにしたスイ
ッチング電源装置において、前記過電流検知手段からの
過電流検知出力を前記過電流保護手段による保護動作の
実現までの遅延時間より長い期間ラッチするラッチ手段
と、前記ラッチ手段からの出力に応答して、定常時の第
1の発振周波数から、該第1の発振周波数よりも低く、
かつ前記遅延時間より長い周期の第2の発振周波数に前
記発振手段の発振周波数を低下させる第1の発振周波数
低下手段と、予め定めるレベルの出力電圧の低下を検出
し、前記第2の発振周波数よりも低い第3の発振周波数
に前記発振手段の発振周波数を低下させる第2の発振周
波数低下手段とを含むことを特徴とする。
【0052】上記の構成によれば、過電流保護手段の動
作の開始にあたって、過電流状態であることが過電流検
知手段によって検知されると、第1の発振周波数低下手
段は、発振手段の発振周波数を、定常時の第1の発振周
波数から第2の発振周波数に低下させる。前記第2の発
振周波数は、過電流保護手段による保護動作の実現まで
の遅延時間より長い周期となっている。
【0053】したがって、第1の発振周波数において
は、定常状態でのスイッチングパルス幅が狭く、過電流
保護動作によってスイッチングパルス幅をそれ以上狭く
できない場合があるけれども、第2の発振周波数におい
ては、過電流状態が検出されてからスイッチング素子が
OFFするまでの遅延時間よりもスイッチング素子のO
N期間が長くなり、該過電流保護動作が有効に行われ、
出力電流が減少する。
【0054】同様に、第2の発振周波数低下手段は、出
力短絡などで出力電圧が所定レベルより低下したことを
検出すると、発振手段の発振周波数を、第3の発振周波
数にさらに低下させる。これによって、前記第1の発振
周波数から第2の発振周波数に発振周波数が一旦低下さ
れた後、過電流保護動作によって狭くなったスイッチン
グパルス幅が再び広くなり、上記の遅延時間の影響を小
さくすることができる。こうして、上記の遅延時間の影
響による出力電流の増大を防止することができる。
【0055】したがって、前記第1の発振周波数を、前
記遅延時間に係りなく、たとえばスイッチングトランジ
スタの動作周波数の上限付近まで高くすることができ、
集積回路化される発振手段や過電流保護手段などに対し
て、外付けされるコイルやコンデンサなどを小型化し、
スイッチング電源装置の一層の小型化、低コスト化を図
ることができる。
【0056】また、前記過電流検知手段からの過電流検
知出力は、前記遅延時間より長い期間ラッチするラッチ
手段を介して第1の発振周波数低下手段に与えられるの
で、前記第1の発振周波数でスイッチングパルスが出力
されても、過電流検知出力は維持され、発振手段の発振
周波数は確実に低下する。そして、発振手段の発振周波
数が第1の発振周波数に復帰するには、過電流状態が解
消し、出力段のコンデンサで平滑化された出力電圧が定
常電圧に復帰してからになるので、ハンチングを防止す
るための時定数回路を不要にすることができる。これに
よって、外付けの部品だけでなく、集積回路自体のチッ
プサイズも小型化することができる。
【0057】また、本発明のスイッチング電源装置で
は、前記予め定めるレベルの出力電圧は、入力電圧に応
じて設定されることを特徴とする。
【0058】上記の構成によれば、入力電圧が大きいと
きには高い出力電圧から発振周波数を低下させ、入力電
圧が小さいときには低い出力電圧から発振周波数を低下
させることで、短絡時における電流値の著しい低下・増
加の特性を改善することができる。
【0059】さらにまた、本発明のスイッチング電源装
置は、前記第2の発振周波数低下手段に関連して、入力
電圧および出力電圧に応じて発振周波数を変化するよう
に、調整手段が設けられていることを特徴とする。
【0060】上記の構成によれば、入力電圧が出力電圧
に比べて大きいときにはデューティが小さいので、過電
流保護動作が有効に行えるように、スイッチング素子の
ON期間を長くするためには、第2の発振周波数を特に
低くする必要があるのに対して、出力電圧が大きいとき
には発振周波数を低くすると負荷電流が小さくなりす
ぎ、発振周波数を低くしない方が望ましいこともあるの
で、これに対応して、入力電圧だけでなく、出力電圧に
も応じて、発振周波数を設定する。
【0061】したがって、発振周波数を、より適切に設
定することができる。
【0062】また、本発明のスイッチング電源装置は、
前記第1の発振周波数低下手段に関連して、起動時に該
第1の発振周波数低下手段による発振周波数の変更動作
を禁止させる遅延手段が設けられていることを特徴とす
る。
【0063】上記の構成によれば、スイッチング電源装
置では、出力平滑用に、大容量・低直列等価抵抗の出力
コンデンサが使われることが多いので、起動時には、該
出力コンデンサの充電のための突入電流によって過電流
検出動作をしてしまうことが多く、この場合過電流保護
動作によってスイッチング周波数が低下すると負荷電流
値が低下し、低い電流しか流せなくなってしまうので、
前記遅延手段によって発振周波数の変更動作を禁止させ
る。
【0064】したがって、起動時における不所望な過電
流保護動作を回避し、充分な負荷電流を供給することが
できる。
【0065】さらにまた、本発明のスイッチング電源装
置は、前記第1の発振周波数低下手段に関連して、前記
ラッチ手段と該第1の発振周波数低下手段との間に、前
記ラッチ手段による過電流検出出力を保持する保持手段
が設けられていることを特徴とする。
【0066】上記の構成によれば、過電流保護動作によ
ってスイッチング素子をOFF駆動すると、前記過電流
検出手段による過電流状態の検出はなくなり、第1の発
振周波数低下手段は発振周波数を定常時の周波数に復帰
させようとするのに対して、保持手段が過電流検出出力
を保持していることで、このように過電流が一時的に検
出されなくなっても、発振周波数を低下したままで保持
させることができる。
【0067】したがって、スイッチングパルスのパルス
幅や周期を安定させることができる。
【0068】また、本発明のスイッチング電源装置は、
前記ラッチ手段に関連して、リセット信号を分周する分
周手段が設けられていることを特徴とする。
【0069】上記の構成によれば、通常は、前記ラッチ
手段はスイッチングパルス毎にリセットされるのに対し
て、リセット信号を分周することで、過電流状態におけ
るスイッチング周波数を発振周波数ではなく、リセット
信号周波数に安定させることができる。
【0070】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について、
図1〜図5に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0071】図1は、本発明の実施の一形態のスイッチ
ング電源装置の電気的構成を示すブロック図である。本
例に係るスイッチング電源装置は、チョッパ型であり、
後述するコイルL1および平滑用のコンデンサC1,C
2を除いて、集積回路化されている。ただし、ダイオー
ドD1および抵抗R1・R2は、集積回路化しないこと
も多い。
【0072】このスイッチング電源装置は、図1に示す
ように、たとえば25〔V〕の入力電圧Vinをスイッ
チングするNPN形のバイポーラのトランジスタTr1
を備えている。入力端子から前記トランジスタTr1の
コレクタへの電源ラインには、過電流検出回路11が直
列に介在されており、この過電流検出回路11の前段に
は、脈流を平滑化するコンデンサC1が設けられてい
る。
【0073】前記過電流検出回路11は、たとえば入力
端子から前記トランジスタTr1のコレクタへの電源ラ
インに直列に介在されて電流−電圧変換を行う検知抵抗
と、その検知抵抗の端子間電圧が入力される差動増幅器
とを備えて構成され、トランジスタTr1のコレクタ−
エミッタ間に流れる電流が過電流検出レベルICLを超
えると過電流状態であると検出し、これを後述するラッ
チ手段であるRSフリップフロップ回路12にセット信
号として出力する。
【0074】トランジスタTr1のエミッタには、コイ
ルL1が直列に接続されている。このコイルL1の前記
エミッタ側の一端にはダイオードD1のカソードが接続
され、ダイオードD1のアノードは接地されている。ま
た、コイルL1の他端は、出力平滑用のコンデンサC2
の一端に接続されるとともに、直列に接続された抵抗R
1・R2と、これらの抵抗R1・R2と並列に設けられ
た負荷RLとを介して接地されている。上記のコンデン
サC2は、他端が接地されている。また、抵抗R1・R
2は、抵抗値が、たとえばそれぞれ3〔kΩ〕と1〔k
Ω〕とであり、出力電圧Voを1/4に分圧するように
なっている。
【0075】入力段のコンデンサC1で平滑化された入
力電圧VinがトランジスタTr1によってスイッチン
グされると、トランジスタTr1がONしている期間で
は、該トランジスタTr1のエミッタに現れた電圧Vo
utによって、コイルL1、コンデンサC2および負荷
RLに対してエネルギが供給される。トランジスタTr
1がOFFしている期間では、コイルL1に蓄えられた
エネルギが、ダイオードD1によって還流させられて負
荷RLに与えられる。
【0076】前記の抵抗R1と抵抗R2との接続点の電
圧は、差動アンプ13の反転入力に、帰還電圧Vadj
として与えられる。また、この差動アンプ13の非反転
入力には、たとえば前記抵抗R1・R2による分圧比が
前記1/4であり、出力電圧Voが5〔V〕である場
合、1.25〔V〕の基準電圧Vref1を発生する基
準電圧源14が接続されている。差動アンプ13は、出
力電圧Voが抵抗R1・R2によって分圧されて得られ
た帰還電圧Vadjと、上記の基準電圧Vref1との
差に応じた電圧Vthを出力するようになっている。上
記の差動アンプ13の出力は、コンパレータ15の非反
転入力に接続されている。また、コンパレータ15の反
転入力には、発振器16が接続されている。
【0077】コンパレータ15は、差動アンプ13の出
力電圧Vthをスレッシュレベルとして、発振器16か
らの三角波と該電圧Vthとを比較し、三角波のレベル
が差動アンプ13の出力電圧Vthより低いときハイレ
ベルを出力する一方、三角波のレベルが差動アンプ13
の出力電圧より高いときローレベルを出力するようにな
っている。つまり、コンパレータ15は、トランジスタ
Tr1をON/OFFさせるためのPWM信号を出力す
るようになっている。
【0078】上記のコンパレータ15の出力は、前記駆
動回路17に接続されている。駆動回路17は、コンパ
レータ15からのPWM信号に基づいて、トランジスタ
Tr1をON/OFF駆動する回路である。また、RS
フリップフロップ回路12は、過電流検出回路11から
のセット信号でセットされるとともに、発振器16から
のリセット信号によってリセットされ、セットされる
と、上記のPWM信号に拘わらずトランジスタTr1を
OFFする動作を行うようになっている。
【0079】出力電圧Voの制御は、該出力電圧Voを
前記抵抗R1・R2の抵抗値で分割して得られる帰還電
圧vadjと、基準電圧源14からの基準電圧Vref
1とに基づいて行なわれる。まず、差動アンプ13によ
って両電圧の差に応じた電圧が出力され、その電圧と発
振器16から出力される三角波とがコンパレータ15で
比較される。すると、コンパレータ15からは、差動ア
ンプ13の出力レベルに応じたパルス幅のPWM信号が
出力される。
【0080】次いで、このPWM信号が駆動回路17に
与えられると、PWM信号のデューティDに応じて該駆
動回路17がトランジスタTr1のON/OFFを制御
する。これによって、出力電圧Voが、前記基準電圧v
ref1および抵抗R1・R2による分圧比で決定され
る一定電圧(5〔V〕)に制御される。
【0081】前記発振器16は、三角波を発生するとと
もに、RSフリップフロップ回路12のリセット端子に
与えるリセット信号を発生するようになっている。RS
フリップフロップ回路12は、前記過電流検出回路11
からのセット信号に応答して、トランジスタTr1のベ
ースを駆動する駆動回路17にトランジスタTr1をO
FFする信号を送出し、前記リセット信号が入力される
まで送出し続ける。
【0082】また、発振器16は、前記三角波の発振周
波数を、発振周波数変更回路18の出力に応答して、第
1の発振周波数である、たとえば300〔kHz〕か
ら、第2の発振周波数である、たとえば150〔kH
z〕、さらに第3の発振周波数である、たとえば30
〔kHz〕にまで低下するようになっている。前記第3
の発振周波数は、可聴帯域外で、最も低い周波数に選ば
れている。また、前記第2の発振周波数は、後述するよ
うに選ばれる。
【0083】本発明で注目すべきは、前記発振周波数変
更回路18は、前記RSフリップフロップ回路12から
の出力に応答して発振器16の発振周波数を前記300
〔kHz〕から150〔kHz〕に低下させることであ
り、前記RSフリップフロップ回路12がセットされて
いる間、前記150〔kHz〕に発振周波数を低下さ
せ、さらに前記帰還電圧Vadjが基準電圧源19から
の基準電圧Vref2、たとえば0.5〔V〕より低下
すると、前記150〔kHz〕から30〔kHz〕に低
下させる。
【0084】前記RSフリップフロップ回路12は、セ
ット端子Sが前記過電流検出回路11に接続され、リセ
ット端子Rが前記コンパレータ15の出力端子に接続さ
れ、反転出力端子/Qが前記発振周波数変更回路18に
接続されている。このRSフリップフロップ回路12
は、セット端子Sにハイレベルが入力されると反転出力
端子/Qをローレベルとし、その状態をリセット端子R
にハイレベルが入力されるまで維持するものとし、リセ
ット端子Rにハイレベルが入力されると反転出力端子/
Qをハイレベルとし、セット端子Sにハイレベルが入力
されるまで維持するものとする。また、セット端子Sと
リセット端子Rとが同時にハイレベルとなると、反転出
力端子/Qはローレベルとなる。
【0085】なお、帰還電圧Vadjが0.5〔V〕と
なるときの出力電圧Voは、次式により、 Vo=0.5〔V〕×(R1+R2)/R2=2.0〔V〕 …(11) となる。すなわち、出力電圧Voが上記の2〔V〕より
低下すると、発振器16の発振周波数は最も低い30
〔kHz〕まで低下される。
【0086】このスイッチング電源装置の内部の上記各
回路には、前記入力電圧Vinから、内部定電圧回路2
0で作成された定電圧Vsが、電源電圧として供給され
る。
【0087】図2は、上述のように構成されるスイッチ
ング電源装置の動作を説明するための波形図である。こ
の図2は、スイッチング周波数fsが、前記300〔k
Hz〕から150〔kHz〕に移行している状態を示し
ている。図2(a)はコイルL1の電流ILを示し、図
2(b)は発振器16の出力波形を示し、図2(c)は
トランジスタTr1のON/OFF動作を示す。図2で
は、入力電圧Vin=25〔V〕、出力電圧Vo=5
〔V〕、過電流検出レベルICL=2〔A〕、負荷抵抗
RL=2〔Ω〕としており、Vo/RL=2.5〔A〕
となり、過電流状態となっている。そしてそれを、図2
(c)の最初のパルスで検出したものとする。
【0088】図2(b)で示すように発振器16の発振
周波数は低下してゆき、これに伴って図2(a)で示す
コイル電流ILも低下してゆき、やがて過電流検出レベ
ルICL以下となる。図2(c)で示すように、トラン
ジスタTr1は、最初は発振器16の出力レベルが差動
アンプ13の出力電圧Vth以下となるとONしてい
る。このときのスイッチング周期は1/300〔kH
z〕=3.33〔μsec〕、1周期におけるトランジ
スタTr1のパルス幅は、 3.33〔μsec〕×Vo/Vin=666〔nsec〕 …(12) である。この時、過電流検出経路の遅延時間td(≒1
〔μsec〕)>スイッチングパルス幅となっている。
【0089】前記最初のパルスで過電流を検出すると、
RSフリップフロップ回路12が発振器16からの三角
波のピークでリセットされた時点でトランジスタTr1
がONするようになり、スイッチング周期は低下すべき
スイッチング周波数の150〔kHz〕に対応した6.
66〔μsec〕へと広がってゆく。そして、パルス幅
は、1.33〔μsec〕となり、td<スイッチング
パルス幅として、前記過電流検出回路11およびRSフ
リップフロップ回路12による過電流保護動作を行うこ
とができるようになる。
【0090】すなわち、の期間では、トランジスタT
r1がONすると同時に過電流検出回路11が過電流を
検出し、RSフリップフロップ回路12をセットする動
作および遅延時間td経過後にはトランジスタTr1を
OFFする動作が行われる。この動作では、高周波のま
まであり、トランジスタTr1のパルス幅<遅延時間t
dであるので、前記パルス幅を小さくすることはできな
いけれども、RSフリップフロップ回路12がセットさ
れると発振周波数が低く(図2(b)の発振器波形の傾
きが緩やかに)なってゆくので、トランジスタTr1の
OFF期間が長くなる。
【0091】続いて、の期間では、トランジスタTr
1のOFF期間が長くなったので、トランジスタTr1
のデューティが小さくなり、出力電圧Voが低下し、差
動アンプ13の出力電圧Vthが増大し、Vth>発振
器波形となるとトランジスタTr1はONする。
【0092】の期間では、差動アンプ13の出力電圧
Vthがさらに増大し、発振器16の出力電圧の最大値
よりも大きくなっており、この場合のスイッチング動作
は、発振器出力の極大値で出力されるリセット信号がR
Sフリップフロップ回路12に入力されるとトランジス
タTr1がONし、過電流検出回路11が過電流を検出
し、出力されるリセット信号がRSフリップフロップ回
路12に入力されると、トランジスタTr1が遅延時間
td後にOFFされる動作となる。このときのスイッチ
ング周波数は通常状態での周波数よりも低くなり、この
低くなったスイッチング周波数を前述のように150
〔kHz〕とすると、 Vo=Vin×1〔μs〕×150〔kHz〕=3.75〔V〕…(13) となり、出力電圧Voおよび出力電流Ioが共に低下す
る。
【0093】図2には、スイッチング周波数の切換えが
行われなかった場合の波形を、参考までに破線で示して
いる。スイッチング周波数の切換えを行わない場合は、
過電流状態においてはトランジスタTr1がONすると
同時に過電流を検出し、遅延時間td後にOFFする動
作を行うけれども、トランジスタTr1の通常のON時
間は前記のように666nsであり、スイッチングパル
ス幅を小さくできないので、出力電圧Voは低下せず、
コイル電流ILも低下しない。負荷抵抗RLがさらに小
さくなった場合は、負荷電流Ioが増大し、トランジス
タTr1が破壊する可能性がある。
【0094】図3は、前記発振周波数変更回路18およ
び基準電圧源19の具体的構成を示す電気回路図であ
る。前記発振器16は、この発振周波数変更回路18か
ら出力されるバイアス電流IBIASに応じて、前記のよう
に発振周波数を変化する。発振周波数変更回路18は、
前記RSフリップフロップ回路12の反転出力/Qがベ
ースに与えられてON/OFF動作を行うNPNトラン
ジスタQ1と、前記帰還電圧Vadjがベースに与えら
れてON/OFF動作を行うPNPトランジスタQ2
と、前記トランジスタQ2と共にコンパレータとして動
作するPNPトランジスタQ3,Q4およびNPNトラ
ンジスタQ5,Q6と、出力用のNPNトランジスタQ
7,Q8と、定電流源F1,F2と、逆流防止用ダイオ
ードD11とを備えて構成されている。
【0095】トランジスタQ3,Q4はエミッタが共通
に前記定電流源F1に接続され、ベースには前記基準電
圧Vref2が共通に与えられ、コレクタはトランジス
タQ5,Q6のコレクタにそれぞれ接続されている。ト
ランジスタQ5,Q6のベースはトランジスタQ6のコ
レクタに共通に接続されてカレントミラー回路を構成
し、エミッタは共に接地されている。前記トランジスタ
Q2はトランジスタQ3,Q4と並列に設けられ、エミ
ッタが前記定電流源F1に接続され、コレクタは接地さ
れる。トランジスタQ1は、トランジスタQ6へのコレ
クタ電流をバイパスするように設けられる。トランジス
タQ3のコレクタ電流は、トランジスタQ5と並列に設
けられるトランジスタQ7にも与えられ、該トランジス
タQ7を流れる電流は、カレントミラー回路を構成する
トランジスタQ8で折返されて、定電流源F2から引抜
かれる。この定電流源F2からの電流と、トランジスタ
Q8を流れる電流との差分が、ダイオードD11を介し
て前記発振器16へのバイアス電流IBIASとなる。
【0096】定常状態では、Vadj>Vref2であ
り、トランジスタQ3,Q4に電流が流れる。そして、
RSフリップフロップ回路12の反転出力/Qがハイレ
ベルとなってトランジスタQ1はONし、トランジスタ
Q4からトランジスタQ6へ流れる電流はバイパスされ
る。したがって、トランジスタQ6,Q5のベース電流
が0となって該トランジスタQ6,Q5を流れる電流も
0となり、前記定電流源F2からの電流は総てトランジ
スタQ7,Q8を流れ、前記バイアス電流IBI ASは0と
なる。
【0097】これに対して、過電流状態となると、RS
フリップフロップ回路12の反転出力/Qがローレベル
となってトランジスタQ1はOFFし、トランジスタQ
6,Q5に電流が流れ、トランジスタQ3のコレクタ電
流の一部だけがトランジスタQ7、したがってトランジ
スタQ8に流れるので、トランジスタQ8のコレクタ電
流は定常状態よりも制限され、前記定電流源F2の電流
の一部から前記バイアス電流IBIASが供給される。さら
に出力電圧Voが前記2.0〔V〕以下となる出力短絡
状態では、トランジスタQ2がONし、トランジスタQ
3,Q4、したがってトランジスタQ5,Q6を流れる
電流がバイパスされ、トランジスタQ7,Q8を流れる
電流がさらに減少し、前記バイアス電流IBIASは最も多
くなる。
【0098】こうして、バイアス電流IBIASを変化する
ことで、前記発振周波数を変化することができる。な
お、短絡を検知するトランジスタQ2には、前記帰還電
圧Vadjではなく、出力電圧Voが直接与えられても
よい。
【0099】前記第1の発振周波数である300〔kH
z〕では、前記バイアス電流IBIASは0となるので、発
振器16のトランジスタのエミッタ面積比等で、その第
1の発振周波数となるように調整される。また、前記第
2および第3の発振周波数には、さらにトランジスタQ
3〜Q6のエミッタ面積比や定電流源F1,F2による
電流値を調整することで、それらの発振周波数となるよ
うに調整される。たとえば、前記第2の発振周波数を前
記150〔kHz〕とする場合、トランジスタQ3,Q
4の面積比は3:1、トランジスタQ5,Q6の面積比
は1:1に選ばれる。
【0100】ここで、前記第2の発振周波数の選び方に
ついて説明する。過電流保護機能が動作する、すなわち
スイッチングパルス幅が過電流検出経路の遅延時間td
よりも長くなる条件を満たすためには、上述のようにス
イッチング周波数fsを低くすればよい。しかしなが
ら、スイッチング周波数fsを低くすると、過電流保護
動作時に、特に出力電圧Voが高い状態において、負荷
電流Ioが小さくなる。したがって、前記第2の発振周
波数は、出力電圧Voが所定の電圧よりも高いときにお
いても負荷電流Ioの急激な低下を抑えることができる
周波数とする必要がある。
【0101】図4に過電流状態でのコイル電流ILを示
す。過電流状態では、前述のように、トランジスタTr
1は発振器16の発振周波数でONまたはRSフリップ
フロップ回路12からリセット信号が出力されるとON
し、過電流検出レベルICLに達するとOFFする動作
を行う。図4においてコイル電流ILの正の傾きは(V
in−Vo)/L、負の傾きは−Vo/Lとなり、スイ
ッチング周波数fsによらず一定である。傾きが同じで
スイッチング周波数fsが低くなるとき、コイル電流I
Lの平均値と等しくなる負荷電流値(図4の破線)は、
スイッチング周波数fsが低くなる程、低下する。
【0102】たとえば、Vin=12〔V〕、Vo=5
〔V〕、L=10〔μH〕、ICL=2〔A〕とすると
き、過電流状態でのリップル電流△IL、負荷電流Io
は、 △IL=Vo/L×Vo/Vin/fs …(14) Io=ICL−△IL/2 …(15) となるので、図4で示すように、fs=300〔kH
z〕での負荷電流Ioが約1.65〔A〕であるのに対
して、たとえばfs=100〔kHz〕まで低下する
と、負荷電流Ioは約1〔A〕まで低下することにな
る。
【0103】このときの出力電圧Vo−出力電流Ioの
特性を図5に示す。スイッチング電源として、立ち上が
り時のコンデンサの突入電流や短時間の出力異常によっ
て出力電流Ioが2〔A〕を超えた場合においても、異
常状態から復帰したときには、出力電圧Voが元に戻る
ことが望ましい。定常負荷での負荷電流を1.5〔A〕
とするとき、fs=300〔kHz〕では前記過電流状
態での負荷電流は約1.65〔A〕であり、出力電圧V
oが一旦低下しても、過電流状態が解消されれば、定常
負荷での動作点Dに戻り、5〔V〕出力となる。しかし
ながら、fs=100〔kHz〕では、一旦過電流保護
がかかると、動作点Eで過電流保護がかかったままとな
ることがある。
【0104】すなわち、前記リップル電流△ILは、前
記式14で示すように出力電圧Voの2乗に比例してい
るので、該出力電圧Voが高いときにスイッチング周波
数fsを極端に低くすることは負荷電流Ioの低下につ
ながり、好ましくない。したがって、出力電圧Voが所
定の電圧を超える、すなわちVadj>Vref2の場
合における前記第2の発振周波数は、前記過電流状態で
の負荷電流が定常負荷での負荷電流より大きくなるよう
な周波数に選ばれる。
【0105】次に、基準電圧源19について説明する。
基準電圧源19は、入力電圧Vinを分圧して前記基準
電圧Vref2として出力する抵抗R3・R4によって
構成されている。たとえば、R3=19〔kΩ〕、R4
=1〔kΩ〕に選ばれる。したがって、入力電圧Vin
を1/20に分圧し、Vin=10〔V〕のときにはV
ref2=0.5〔V〕となり、Vin=20〔V〕の
ときにはVref2=1〔V〕となる。このように前記
基準電圧Vref2を入力電圧Vinに応じて設定す
る。
【0106】これまで述べてきたスイッチング電源装置
の出力電圧Vo−出力電流Ioの動作特性は、前述の図
17に類似しているけれども、前記図17に示す動作特
性において、C点の電流値は、入力電圧Vinが低く、
出力電圧Voが高い場合、スイッチング周波数fsが低
いと小さくなり、過電流復帰が悪くなる。一方、B点の
電流値は、入力電圧Vinが高く、出力電圧Voが低い
場合、スイッチング周波数fsが高いと異常に大きくな
り、好ましくない。
【0107】たとえば、Vref2=1.25〔V〕、
Vo=5〔V〕、R3=1〔kΩ〕、R4=〔3k
Ω〕、L1=30〔μH〕、ICL=2〔A〕、第2の
発振周波数を150〔kHz〕、第3の発振周波数を3
0〔kHz〕とする。ここで、Vref2=1.0
〔V〕に固定してしまうと、Vo=4〔V〕となり、C
点の電流値は、前記式14,15から、Vin=10
〔V〕のときはIo=1.1〔A〕となり、Vin=2
0〔V〕のときはIo=1.6〔A〕となる。また、B
点の電流値は、Vin=10〔V〕のときはIo=1.
8〔A〕となり、Vin=20〔V〕のときはIo=
1.9〔A〕となる。
【0108】したがって、Vref2=1.0〔V〕に
固定の場合は、Vin=10〔V〕のように入力電圧V
inが低い場合は、C点の電流値が小さくなり好ましく
ない。
【0109】これに対して、Vref2=0.5〔V〕
固定とすると、Vo=2〔V〕となり、Vin=10
〔V〕のときC点での電流値は、Io=1.8〔A〕と
なり、問題はないけれども、B点での電流値は、Vin
=20〔V〕のときには過電流保護の遅延時間を1〔μ
sec〕とすると、 入力電力=20〔V〕×1〔μsec〕×150〔kHz〕×Io =3〔V〕×Io …(16) に対して、 出力電力=2〔V〕×Io …(17) となり、入力電力>出力電力となってB点の電流値が極
端に大きくなる。
【0110】そこで、本発明では、入力電圧Vinを用
いて基準電圧Vref2を作成し、入力電圧Vinが大
きいときにはC点の電流値が小さくなりにくいことから
基準電圧Vref2を高く設定し、高い出力電圧Voか
ら周波数を低下させ、入力電圧Vinが小さいときには
B点の電流値が大きくなりにくいことから基準電圧Vr
ef2を低く設定し、低い出力電圧Voから周波数を低
下させることで、C点の電流値の低下およびB点の電流
値の増加特性を改善している。
【0111】このように本発明のスイッチング電源装置
では、発振周波数変更回路18は、前記図16等で示す
従来のスイッチング電源装置のように過電流検出回路1
1からの出力に応答して発振器16の発振周波数を低下
させるのではなく、その過電流検出回路11からのセッ
ト信号でセットされるラッチ手段であるRSフリップフ
ロップ回路12からの出力に応答して発振器16の発振
周波数を低下させ、過電流検出経路による遅延時間td
を超える時間保持させている。
【0112】したがって、第1の発振周波数でスイッチ
ングパルスが出力されても、過電流検知出力は維持さ
れ、発振器16の発振周波数は確実に低下する。前記R
Sフリップフロップ回路12は、発振器16からの三角
波のピーク毎にリセットされているけれども、発振器1
6の発振周波数が定常時の発振周波数に復帰するのは、
図2(b)における差動アンプ13の出力電圧Vthが
前記三角波のレベル以下となってからであり、それには
平滑用のコンデンサC2で平滑化された出力電圧Voを
分圧した帰還電圧Vadjが基準電圧Vref1と略等
しくなる必要があり、過電流で低下した出力電圧Voが
5〔V〕等の定常電圧に復帰してからとなる。
【0113】したがって、発振周波数変更回路18に
は、図3で示す回路図からも明らかなように、過電流状
態が解除されてから定常動作に復帰するまでのハンチン
グを防止するための時定数回路を不要にすることができ
る。これによって、前記300〔kHz〕の高周波を使
用することによる外付けのコイルL1やコンデンサC2
の小型化が可能なだけでなく、集積回路自体のチップサ
イズも小型化することができる。
【0114】また、前記第2の発振周波数は、スイッチ
ングパルス幅が過電流検出経路の遅延時間tdよりも長
くなる条件を満たすだけでなく、スイッチング周波数f
sが低くなっても、特に出力電圧Voが高い状態におい
て、負荷電流Ioが大幅に小さくならないレベルとして
いる。したがって、前記のように出力電圧Voが所定の
電圧よりも高くても、負荷電流Ioの急激な低下を抑え
ることができる。
【0115】さらにまた、基準電圧源19は、入力電圧
Vinを分圧して短絡検知のための基準電圧Vref2
を作成している。したがって、入力電圧Vinが大きい
ときには高い出力電圧Voから発振周波数を低下させ、
入力電圧Vinが小さいときには低い出力電圧Voから
発振周波数を低下させ、短絡時における電流値の著しい
低下・増加の特性を改善することができる。
【0116】本発明の実施の他の形態について、図6お
よび図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0117】図6は、本発明の実施の他の形態のスイッ
チング電源装置の電気的構成を示すブロック図である。
このスイッチング電源装置は、前述の図1で示すスイッ
チング電源装置に類似し、対応する部分には同一の参照
符号を付して、その説明を省略する。
【0118】注目すべきは、このスイッチング電源装置
では、入力電圧Vinだけでなく、出力電圧Voにも応
じて発振周波数を変化するために、前記発振周波数変更
回路18に関連して、調整回路21が設けられているこ
とである。この調整回路21は、大略的に、入力電圧V
inを分圧する抵抗R11・R12と、その分圧値Va
と出力電圧Voとに応じた電圧Vbを作成する差動増幅
器22とを備えて構成される。
【0119】図7は、前記差動増幅器22の具体的構成
を示す電気回路図である。前記差動増幅器22は、差動
対を構成するPNPトランジスタQ11,Q12と、カ
レントミラー回路を構成するNPNトランジスタQ1
3,Q14と、出力用のトランジスタQ15と、定電流
源F11とを備えて構成される。
【0120】前記トランジスタQ11のベースには前記
入力電圧Vinを抵抗R11・R12で分圧した分圧値
Vaが入力され、トランジスタQ12のベースには前記
出力電圧Voが入力され、エミッタには共通に定電流源
F11からの電流が与えられる。トランジスタQ11の
コレクタはトランジスタQ13を介して接地され、トラ
ンジスタQ12のコレクタはトランジスタQ14のコレ
クタおよびベースに接続されるとともに、トランジスタ
Q13のベースに接続される。トランジスタQ13のコ
レクタはトランジスタQ15のベースに接続され、トラ
ンジスタQ15のコレクタは前記図3で示す発振周波数
変更回路18におけるトランジスタQ6のコレクタ側の
点Pに接続される。
【0121】たとえば、抵抗R11=6〔kΩ〕、抵抗
R12=4〔kΩ〕、定電流源F11=10〔μA〕と
し、図3における定電流源F2=27〔μA〕、定電流
源F1=54〔μA〕、トランジスタQ3とQ4とのエ
ミッタ比を5:4とし、通常状態での発振周波数は30
0〔kHz〕とし、コイルL1=30〔μH〕、過電流
検出レベルICL=2〔A〕、遅延時間td=1〔μs
ec〕とし、Vin=20〔V〕、Vo=2〔V〕の条
件にて過電流を検出すると、定電流源F11からの電流
はトランジスタQ12からトランジスタQ14の側に流
れ、トランジスタQ13のコレクタ電位、すなわちトラ
ンジスタQ15のベース電位が低くなり、該トランジス
タQ15はOFFとなる。
【0122】このとき、図3においてトランジスタQ3
には30〔μA〕(=54〔μA〕×5/9)が流れ、
トランジスタQ5には24〔μA〕、トランジスタQ7
には6〔μA〕が流れる。したがって、バイアス電流I
BIASには21〔μA〕流れることとなり、発振周波数
は、たとえば90〔kHz〕となる。このとき、スイッ
チングパルス幅は、 Vo/Vin/90〔kHz〕=1.1〔μsec〕 …(18) であり、スイッチングパルス幅が過電流検出経路の遅延
時間tdよりも長くなる前述の条件を満足することがで
きる。
【0123】しかしながら、発振周波数を、たとえば1
00〔kHz〕としても、そのままの構成をVin=1
0〔V〕、Vo=5〔V〕の条件で使用すると、前記式
14,15から、Io=1.2〔A〕となり負荷電流を
大きくできなくなる。そこで、調整回路21は、入力電
圧Vinおよび出力電圧Voを検出し、過電流検出時の
スイッチング周波数を適切に決定する。
【0124】前記Vin=10〔V〕、Vo=5〔V〕
の条件にて過電流を検出すると、定電流源F11からの
電流はトランジスタQ11に流れ、トランジスタQ15
のベース電流となり、該トランジスタQ15はONとな
る。このとき、トランジスタQ4の電流が総て該トラン
ジスタQ15に流れる。これによって、トランジスタQ
7のコレクタ電流は30〔μA〕流れ、ダイオードD1
1には電流が流れなくなる。このときの発振周波数は3
00〔kHz〕のままであるが、スイッチングパルス幅
は1.6〔μsec〕であるから、前述の条件を満たす
ので、過電流保護機能は動作する。また、前記式14,
15から、Io=1.86〔A〕となり、負荷電流が小
さくなることもない。
【0125】このように入力電圧Vinが出力電圧Vo
に比べて大きいときにはパルス幅が短くなるので、発振
周波数を特に低くする必要があるのに対して、出力電圧
Voが大きいときには発振周波数を低くしない方が望ま
しいこともあり、調整回路21は、入力電圧Vinだけ
でなく、出力電圧Voにも応じて、発振周波数をより適
切に設定することができる。
【0126】また、このスイッチング電源装置において
注目すべきは、起動時に発振周波数変更回路18による
変更動作を禁止させる遅延回路23が設けられているこ
とである。スイッチング電源装置では、コンデンサC2
に、大容量・低直列等価抵抗の出力コンデンサ(容量:
10〜2200〔μF〕、直列等価抵抗:0.001〜
0.1〔Ω〕)が使われることが多いので、起動時に
は、前記出力コンデンサの充電のための突入電流によっ
て、過電流検出動作をすることが多い。過電流保護動作
によってスイッチング周波数が低下すると、前述したよ
うに負荷電流値が低下することがある。そこで、前記遅
延回路23によって発振周波数の変更動作を禁止させ、
不所望な過電流保護動作を回避する。
【0127】前記遅延回路23は、前記内部定電圧回路
20によって発生された定電圧Vsを電源として、定電
流を供給する定電流源F21と、前記定電流源F21か
らの定電流によって充電されるコンデンサC21と、基
準電圧源24と、前記コンデンサC21の充電電圧と前
記基準電圧源24からの基準電圧とを比較するコンパレ
ータ25と、前記コンパレータ25からの出力を前記図
3の発振周波数変更回路18の点Pに与える出力トラン
ジスタQ21とを備えて構成される。
【0128】したがって、電源が投入され、定電流源F
21からの定電流によって充電されたコンデンサC21
の充電電圧が基準電圧源24からの基準電圧以下の間
は、コンパレータ25は出力トランジスタQ21をON
し、発振周波数変更回路18におけるトランジスタQ4
の電流を該出力トランジスタQ21によって総てバイパ
スさせ、トランジスタQ6が動作しないようにして、発
振周波数の低下を禁止する。コンデンサC21が充電さ
れ、充電電圧が基準電圧源24からの基準電圧よりも大
きくなると、コンパレータ25は出力トランジスタQ2
1をOFFし、発振周波数の低下を許容する。
【0129】たとえば、定電流源F21の電流を10
〔μA〕、コンデンサC21の静電容量を1〔μF〕、
基準電圧源24の基準電圧を2〔V〕とすると、コンデ
ンサC21の充電電圧Vcは、 Vc=10〔μA〕÷1〔μF〕×t …(19) となるから、t=0.2〔sec〕後に前記2〔V〕を
超える。したがって、電源投入から前記0.2〔se
c〕の起動時は、過電流検出に応答したスイッチング周
波数の低下が生じないので、前記のような起動時の問題
を解消することができる。
【0130】本発明の実施のさらに他の形態について、
図8に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0131】図8は、本発明の実施のさらに他の形態の
スイッチング電源装置におけるRSフリップフロップ回
路12の出力段から発振周波数変更回路18の入力段の
構成を示す電気回路図である。RSフリップフロップ回
路12の出力段は、前記内部定電圧回路20で作成され
た定電圧Vsを電源電圧とし、電源ライン間にプルアッ
プ抵抗R31および出力トランジスタQ31の直列回路
が接続されて構成されており、出力トランジスタQ31
のコレクタ電圧が前記発振周波数変更回路18の入力段
のトランジスタQ1のベースに与えられることになる。
そこで、本実施の形態では、このトランジスタQ31の
コレクタ−エミッタ間、すなわちトランジスタQ1のベ
ース−エミッタ間に、保持手段であるコンデンサC31
を設け、一時的に過電流検出回路11が過電流を検出し
なくなっても、発振周波数変更回路18を動作させ続け
る。
【0132】前記RSフリップフロップ回路12におい
て、定常時にはトランジスタQ31はOFFし、前述の
ようにトランジスタQ1はONしている。これに対し
て、過電流時には、トランジスタQ31はONし、前述
のようにトランジスタQ1はOFFする。このとき、ト
ランジスタQ31がONすると、コンデンサC31の電
荷は放電され、過電流が検出されなくなってトランジス
タQ31がOFFしても、コンデンサC31の充電電圧
がトランジスタQ1をONさせるまでには所定の遅延時
間を要することになる。したがって、過電流が一時的に
検出されなくなっても、発振周波数変更回路18は発振
器16を直ちに定常の発振周波数に復帰させるのではな
く、発振周波数を低下したままで保持させることができ
る。
【0133】一方、発振周波数変更回路18は、過電流
検出回路11からのセット信号でセットされると、トラ
ンジスタTr1をOFFし、発振器16の発振周波数を
低下させるけれども、トランジスタTr1がOFFして
いる間は過電流検出回路11による検知は行えないの
で、発振器16からのリセット信号でリセットされる
と、発振器16の発振周波数は定常時の周波数に復帰し
てしまう。このため、前述の図2(b)で示すように、
発振周波数が一定せず、図2(c)で示す出力電圧波形
のパルス幅や周期が一定せず、出力電圧Voが不安定と
なる可能性がある。
【0134】そこで、前記コンデンサC31によって発
振周波数を低下したままで保持させることで、出力電圧
Voの安定性を向上することができる。
【0135】なお、たとえばプルアップ抵抗R31=8
0〔kΩ〕、コンデンサC31=80〔pF〕、トラン
ジスタQ1がONとなるベースーエミッタ間電圧=0.
6〔V〕、Vs=1〔V〕とすると、過電流が検出され
なくなってから実際に発振周波数が復帰するのは、 −80〔pF〕×80〔kΩ〕×ln(1−0.6÷1) =5.9〔μsec〕…(20) が経過してからとなる。
【0136】したがって、安定した波形を得ることがで
きる。ここで、集積回路内にコンデンサC31を追加す
ることになるけれども、静電容量は、前述の従来技術の
コンデンサc21の150〔pF〕に比べて、大幅に小
さくすることができ、前述のチップサイズの縮小化を図
ることができる。
【0137】本発明の実施の他の形態について、図9お
よび図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0138】図9は、本発明の実施の他の形態のスイッ
チング電源装置における分周回路41の構成を示すブロ
ック図である。この分周回路41は、前記発振器16か
らRSフリップフロップ回路12へのリセット信号の経
路に介在される。この分周回路41は、RSフリップフ
ロップ回路42に、さらにANDゲートGが追加されて
構成されている。その他の構成は前述の図1の構成と同
様である。
【0139】前記発振器16からのリセット信号はRS
フリップフロップ回路42のセット端子Sに入力される
とともにANDゲートGの一方の入力に与えられ、AN
DゲートGの他方の入力にはRSフリップフロップ回路
42の出力端子Qからの出力が与えられ、該ANDゲー
トGの出力が分周されたリセット信号として前記RSフ
リップフロップ回路12に与えられるとともに、前記R
Sフリップフロップ回路42のリセット端子Rに帰還さ
れる。
【0140】図10は、分周回路41の動作を説明する
ための波形図である。図10(a)は前記発振器16か
らのリセット信号であり、このリセット信号が遅延時間
を持ったRSフリップフロップ回路42のセット端子S
に入力されることで、該RSフリップフロップ回路42
は、図10(b)に示すように、たとえば500〔ns
ec〕後に出力端子Qをハイレベルとし、リセット端子
Rにハイレベルの信号が入力されるまで出力端子Qから
ハイレベルを出力し続ける。
【0141】したがって、ANDゲートGは、図10
(c)に示すように、次のリセット信号の入力によって
ハイレベルを出力し、RSフリップフロップ回路42は
前記500〔nsec〕後に出力端子Qをローレベルと
する。こうして、図10(a)と図10(c)とを比較
して明らかなように、前記発振器16からのリセット信
号が1/2に分周される。
【0142】前述の図1の構成では、発振器16からR
Sフリップフロップ回路12へ出力されるリセット信号
の周波数は、発振器16の発振周波数と同じであるのに
対して、この分周回路42を用いることで、上述のよう
に1/2に設定することができる。前述のように、定常
状態では発振器16の発振周波数でスイッチングが行わ
れるのに対して、過電流状態ではスイッチング周波数は
発振周波数ではなく、リセット信号の周波数に依存す
る。
【0143】したがって、リセット信号の周波数を発振
周波数の1/2に分周することで、過電流状態ではスイ
ッチングOFF期間が2倍になり、等価的にスイッチン
グ周波数が低くなる。たとえば、スイッチングON時間
がスイッチングOFF期間に比べて充分短い場合には、
スイッチング周波数を定常時の1/2にすることができ
る。
【0144】なお、他の構成を用いることによって、他
の分周比に設定されてもよい。
【0145】
【発明の効果】本発明のスイッチング電源装置は、以上
のように、過電流が検知されると、過電流保護手段がス
イッチングパルス幅を狭くして出力電流を制限するよう
にしたスイッチング電源装置において、過電流状態であ
ることが過電流検知手段で検知されると、第1の発振周
波数低下手段が発振手段の発振周波数を定常時の第1の
発振周波数から第2の発振周波数に低下させ、また出力
短絡などで出力電圧が所定レベルより低下したことを検
出すると、第2の発振周波数低下手段が第3の発振周波
数にさらに低下させる。
【0146】それゆえ、第1の発振周波数においては、
定常状態でのスイッチングパルス幅が狭く、過電流保護
動作によってスイッチングパルス幅をそれ以上狭くでき
ない場合があるけれども、第2の発振周波数において
は、過電流状態が検出されてからスイッチング素子がO
FFするまでの遅延時間よりもスイッチング素子のON
期間が長くなり、該過電流保護動作が有効に行われ、出
力電流が減少する。同様に、第3の発振周波数でも、前
記第1の発振周波数から第2の発振周波数に発振周波数
が一旦低下された後、過電流保護動作によって狭くなっ
たスイッチングパルス幅が再び広くなり、上記の遅延時
間の影響を小さくすることができる。こうして、上記の
遅延時間の影響による出力電流の増大を防止することが
できる。
【0147】また、前記過電流検知手段からの過電流検
知出力は、前記遅延時間より長い期間ラッチするラッチ
手段を介して第1の発振周波数低下手段に与えられるの
で、前記第1の発振周波数でスイッチングパルスが出力
されても、過電流検知出力は維持され、発振手段の発振
周波数は確実に低下する。そして、発振手段の発振周波
数が第1の発振周波数に復帰するには、過電流状態が解
消し、出力段のコンデンサで平滑化された出力電圧が定
常電圧に復帰してからになるので、ハンチングを防止す
るための時定数回路を不要にすることができる。これに
よって、外付けの部品だけでなく、集積回路自体のチッ
プサイズも小型化することができる。
【0148】また、本発明のスイッチング電源装置は、
以上のように、前記第2の発振周波数低下手段が第3の
発振周波数に低下させるための出力電圧のレベルを、入
力電圧に応じて設定する。
【0149】それゆえ、入力電圧が大きいときには高い
出力電圧から発振周波数を低下させ、入力電圧が小さい
ときには低い出力電圧から発振周波数を低下させること
で、短絡時における電流値の著しい低下・増加の特性を
改善することができる。
【0150】さらにまた、本発明のスイッチング電源装
置は、以上のように、前記第2の発振周波数低下手段に
関連して、入力電圧および出力電圧に応じて発振周波数
を変化する調整手段を設ける。
【0151】それゆえ、入力電圧が出力電圧に比べて大
きいときにはパルス幅が短くなるので、発振周波数を特
に低くする必要があるのに対して、出力電圧が大きいと
きには発振周波数を低くすると負荷電流が小さくなりす
ぎ、発振周波数を低くしない方が望ましいこともあるの
で、これに対応し、発振周波数を、より適切に設定する
ことができる。
【0152】また、本発明のスイッチング電源装置は、
以上のように、前記第1の発振周波数低下手段に関連し
て、起動時に該第1の発振周波数低下手段による発振周
波数の変更動作を禁止させる遅延手段を設ける。
【0153】それゆえ、スイッチング電源装置に設けら
れる大容量・低直列等価抵抗の出力コンデンサの起動時
の突入電流による不所望な過電流保護動作を回避し、充
分な負荷電流を供給することができる。
【0154】さらにまた、本発明のスイッチング電源装
置は、以上のように、前記第1の発振周波数低下手段に
関連して、前記ラッチ手段と該第1の発振周波数低下手
段との間に、前記ラッチ手段による過電流検出出力を保
持する保持手段を設ける。
【0155】それゆえ、過電流保護動作によってスイッ
チング素子をOFF駆動し、過電流が一時的に検出され
なくなっても、発振周波数を低下したままで保持させる
ことができ、スイッチングパルスのパルス幅や周期を安
定させることができる。
【0156】また、本発明のスイッチング電源装置は、
以上のように、前記ラッチ手段に関連して、リセット信
号を分周する分周手段を設ける。
【0157】それゆえ、過電流状態におけるスイッチン
グ周波数を発振周波数ではなく、リセット信号周波数に
安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態のスイッチング電源装置
の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図1で示すスイッチング電源装置の動作を説明
するための波形図である。
【図3】図1で示すスイッチング電源装置における発振
周波数変更回路および基準電圧源の具体的構成を示す電
気回路図である。
【図4】図1で示すスイッチング電源装置の過電流状態
でのコイル電流を示す波形図である。
【図5】図1で示すスイッチング電源装置の動作特性を
示すグラフである。
【図6】本発明の実施の他の形態のスイッチング電源装
置の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】図6で示すスイッチング電源装置における差動
増幅器の具体的構成を示す電気回路図である。
【図8】本発明の実施のさらに他の形態のスイッチング
電源装置におけるRSフリップフロップ回路の出力段か
ら発振周波数変更回路の入力段の構成を示す電気回路図
である。
【図9】本発明の実施の他の形態のスイッチング電源装
置における分周回路の構成を示すブロック図である。
【図10】前記分周回路の動作を説明するための波形図
である。
【図11】典型的な従来技術のスイッチング電源装置の
電気的構成を示すブロック図である。
【図12】図11で示すスイッチング電源装置の動作を
説明するための波形図である。
【図13】図11で示すスイッチング電源装置の動作特
性を示すグラフである。
【図14】他の従来技術のスイッチング電源装置の電気
的構成を示すブロック図である。
【図15】図14で示すスイッチング電源装置の動作特
性を示すグラフである。
【図16】さらに他の従来技術のスイッチング電源装置
の電気的構成を示すブロック図である。
【図17】図16で示すスイッチング電源装置の動作特
性を示すグラフである。
【図18】図16で示すスイッチング電源装置における
第1発振周波数変更回路および第2発振周波数変更回路
の具体的構成を示す電気回路図である。
【符号の説明】
11 過電流検出回路(過電流検知手段) 12 RSフリップフロップ回路(過電流保護手段・
ラッチ手段) 13 差動アンプ 14,19,24 基準電圧源 15,25 コンパレータ 16 発振器(発振手段) 17 駆動回路 18 発振周波数変更回路(第1および第2の発振周
波数低下手段) 20 内部定電圧回路 21 調整回路(調整手段) 22 差動増幅器 23 遅延回路(遅延手段) 41 分周回路(分周手段) 42 RSフリップフロップ回路 C1,C2,C21 コンデンサ C31 コンデンサ(保持手段) D1,D11 ダイオード F1,F2,F11,F21 定電流源 G ANDゲート L1 コイル Q1〜Q8;Q11〜Q15;Q31 トランジスタ Q21 出力トランジスタ R1〜R4;R11,Q12 抵抗 R31 プルアップ抵抗 RL 負荷 Tr1 トランジスタ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発振手段からの発振信号に応答してスイッ
    チング素子が入力直流電圧をスイッチングすることによ
    って所望とするレベルの電圧出力を得ることができ、出
    力電流が予め定める値より大きくなったことが過電流検
    知手段で検知されると過電流保護手段がスイッチングパ
    ルス幅を狭くして前記出力電流を制限するようにしたス
    イッチング電源装置において、 前記過電流検知手段からの過電流検知出力を前記過電流
    保護手段による保護動作の実現までの遅延時間より長い
    期間ラッチするラッチ手段と、 前記ラッチ手段からの出力に応答して、定常時の第1の
    発振周波数から、該第1の発振周波数よりも低く、かつ
    前記遅延時間より長い周期の第2の発振周波数に前記発
    振手段の発振周波数を低下させる第1の発振周波数低下
    手段と、 予め定めるレベルの出力電圧の低下を検出し、前記第2
    の発振周波数よりも低い第3の発振周波数に前記発振手
    段の発振周波数を低下させる第2の発振周波数低下手段
    とを含むことを特徴とするスイッチング電源装置。
  2. 【請求項2】前記予め定めるレベルの出力電圧は、入力
    電圧に応じて設定されることを特徴とする請求項1記載
    のスイッチング電源装置。
  3. 【請求項3】前記第2の発振周波数低下手段に関連し
    て、入力電圧および出力電圧に応じて発振周波数を変化
    するように、調整手段が設けられていることを特徴とす
    る請求項1記載のスイッチング電源装置。
  4. 【請求項4】前記第1の発振周波数低下手段に関連し
    て、起動時に該第1の発振周波数低下手段による発振周
    波数の変更動作を禁止させる遅延手段が設けられている
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のスイッ
    チング電源装置。
  5. 【請求項5】前記第1の発振周波数低下手段に関連し
    て、前記ラッチ手段と該第1の発振周波数低下手段との
    間に、前記ラッチ手段による過電流検出出力を保持する
    保持手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜
    3の何れかに記載のスイッチング電源装置。
  6. 【請求項6】前記ラッチ手段に関連して、リセット信号
    を分周する分周手段が設けられていることを特徴とする
    請求項1〜3の何れかに記載のスイッチング電源装置。
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