JP2003046154A - 圧電/電歪素子、圧電/電歪デバイスおよびそれらの製造方法 - Google Patents

圧電/電歪素子、圧電/電歪デバイスおよびそれらの製造方法

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JP2003046154A JP2001229870A JP2001229870A JP2003046154A JP 2003046154 A JP2003046154 A JP 2003046154A JP 2001229870 A JP2001229870 A JP 2001229870A JP 2001229870 A JP2001229870 A JP 2001229870A JP 2003046154 A JP2003046154 A JP 2003046154A
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政彦 滑川
Kazuyoshi Shibata
和義 柴田
Masaki Iwamoto
正樹 岩本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度、耐衝撃性、取扱い性、寸法精度、位置
精度、素子特性の安定性、ならびに製造歩留まりに優れ
た圧電/電歪素子を提供する。 【解決手段】 圧電/電歪層11A、11B、11C、
11Dと内部電極層12A、12B、12Cとが交互に
積層された積層体が概ね台形状をなすように、積層体の
相対向する両側面部が斜面f3、f4であり、斜面f
3、f4のそれぞれに外部電極層14、15が形成さ
れ、これら外部電極層14、15が内部電極層12A、
12B、12Cに交互に接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電/電歪素子、
圧電/電歪デバイスおよびそれらの製造方法に関し、さ
らに詳しくは、圧電/電歪層と内部電極層とを交互に積
層してなる積層型の圧電/電歪素子、圧電/電歪デバイ
スおよびそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光学、磁気記録、精密加工、印刷
などの各種の分野において、例えば光路長や位置などを
サブミクロンオーダで制御したり、振動を精密に制御す
るための変位素子が要望されている。この要望に応える
変位素子としては、例えば強誘電体などでなる圧電/電
歪材料に電圧を印加したときに起こる逆圧電効果や電歪
効果に因る変位を利用するものがある。
【0003】従来、この種の変位素子としては、例えば
図34に示すような特開平4−309274号公報に開
示された積層型圧電素子100が知られている。この積
層型圧電素子100は、図34に示すように、複数の圧
電体セラミックス層101と電極層102とを交互に積
層してなる積層体103と、この積層体103の互いに
対向する2つの側面で各電極層102を交互に共通接続
するとともに、この積層体103の上下面に延伸するよ
うに形成された互いに電気的に分離された一対の外部電
極104、105とを備えている。また、この積層型圧
電素子100においては、外部電極104、105の形
成される積層体103の側面と上下面とのなす稜線部の
曲率半径が、圧電体セラミックス層101の厚さの1/
2を越えない範囲で稜線部に丸みが付けられている。
【0004】また、図34示すような積層型圧電素子1
00を製造するには、まず、原料を秤量し、粉砕してバ
インダと共に混合し、さらに脱泡した後、シート状に形
成して矩形状のグリーンシート(焼成により圧電体セラ
ミックス層101になる)101Aを打ち抜く。このグ
リーンシート101Aの一方の表面に所定領域に亘って
導電ペーストを印刷して電極層102を形成する。次
に、図35に示すように、電極層102が適宜印刷され
たグリーンシート101Aを積層圧着し、必要に応じて
切断した後、焼成して図36に示すような積層体103
を作製する。この結果、グリーンシート101Aは、上
記したように、焼成されて圧電体セラミックス層101
となる。なお、この積層体103においては、互いに対
向する一対の側面に電極層102が交互に露出するよう
に電極層102の配置位置が予め設定されている。その
後、このようにして得られた積層体103の上下面に外
部上面電極104A、外部下面電極105Aを所定領域
に形成する。次に、積層体103の電極層102が交互
に露出する一対の対向する側面106、107に、外部
側面電極(厚膜電極)104B、105Bを形成して図
34に示すような積層型圧電素子100が形成される。
ここで、一方の外部側面電極104Bは外部上面電極1
04Aに接続するように形成し、他方の外部側面電極1
05Bは外部下面電極105Aに接続するように形成す
る。なお、上記した外部電極104、105の形成方法
としては、浸漬法(ディッピング)、蒸着法などがあ
る。
【0005】図37は、このような構成の積層型圧電素
子100を用いたアクチュエータ200を示している。
このアクチュエータ200は、積層型圧電素子100が
可動板(振動板)110の上に、接着剤111にて固定
されてなる。
【0006】その他の変位素子としては、特開昭63−
295269号公報に開示された圧電変位素子が知られ
ている。この圧電変位素子は、圧電性を有するセラミッ
クス薄板の内部に複数の対向する内部電極層を備えてな
る。そして、セラミックス薄板における側端面と上下面
との境界となる角部は、機械的に面取りされている。こ
のセラミックス薄板の表裏面および対向する両側端面に
は、内部電極層と接続する一対の対向表面電極が互いに
電気的に分離された状態で形成されている。対向表面電
極は、セラミックス薄板の表面にスパッタ法、蒸着法な
どの物理蒸着法や、メッキなどの成膜法で形成されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図34
に示した積層型圧電素子100では、図35に示したよ
うに、電極層102を形成(印刷)したグリーンシート
101Aを積層させるのに、それぞれのグリーンシート
101Aをハンドリングして搬送・積み上げを行うた
め、工数が多くコスト高となる問題点がある。
【0008】また、グリーンシート101Aの端縁部が
ハンドリングに伴って変形や損傷を受けたり、破損され
る可能性が高いという問題点がある。特に、積層体10
3の総膜厚(厚さ)が100μm以下の薄い圧電素子で
は、グリーンシート101Aがハンドリングで破損する
可能性が高いものであった。このため、従来の積層型圧
電素子100においては製造歩留まりが低いという問題
点があった。
【0009】さらに、上記した積層型圧電素子100で
は、このようにハンドリングしてグリーンシート101
Aを搬送するため、積み上げられるグリーンシート10
1A同士の位置ずれが発生し易い。これに伴って電極層
102同士の位置ずれも発生し易くなる。加えて、ハン
ドリングによりグリーンシート101Aが変形すること
による位置ずれも発生し易くなる。この結果、対向する
電極層102同士間で実質的に電圧が印加されるグリー
ンシート101Aの面積・領域にもずれが生じ、素子特
性のばらつきが大きくなるという問題点がある。
【0010】さらに、上記した積層型圧電素子100で
は、グリーンシート101Aを積層・焼成してなる積層
体103の側面に、外部上面電極104A、外部下面電
極105Aならびに外部側面電極104B、105Bを
形成する工程が別途必要であるため、工数が多いという
問題点があった。
【0011】また、上記した積層型圧電素子100で
は、外部側面電極104B、105Bを浸漬法などによ
る厚膜とした場合に、これら外部側面電極104B、1
05Bの厚み制御が困難となる。このように制御性の低
い外部側面電極104B、105Bを形成すると、積層
型圧電素子100を図37に示すように可動板110の
上に載置する際に、位置決め精度が低下するという問題
点がある。詳細には、可動板110の上に積層型圧電素
子100を載置するには、図38に示すように、位置決
めピン112、113、114を用いて位置決めを行っ
ている。これら位置決めピン112、113、114
は、図示しない圧電素子位置決め治具に設けられてい
る。上記したように積層型圧電素子100における外部
側面電極104Bは膜厚精度が低いため、位置決めピン
113、114に接しても正確に位置決めされにくく、
よって可動板110に対する位置決め精度も低下する。
また、このような位置決め精度を改善するために、外部
側面電極104B、105Bを薄膜にすると、電極の信
頼性が低下するという問題点が生じる。
【0012】さらに、上記した積層型圧電素子100の
製造方法のように、外部上面電極104A、外部下面電
極105Aを形成した後に、これら電極104A、10
5Bに外部側面電極104B、105Bが確実に接続す
るように形成すると、図39に示すように、外部下面電
極105Aと外部側面電極105Bとが重なり合う部分
に盛上がり(こぶ)115が形成される。このような盛
上がり115は、外部上面電極104Aと外部側面電極
104Bとの接合部でも同様に形成される。このような
盛上がり115が発生するため、積層型圧電素子100
の上下面の平坦性は損なわれる。この結果、外力や振動
に伴ってこの盛上がり115の部分が破壊され易いとい
う問題点がある。
【0013】一方、特開昭63−295269号公報に
開示された圧電変位素子は、セラミックス薄膜の端部を
機械的に斜めに切断して面取りを行っているため、工数
が多くなるとともに、機械的な切断に伴ってセラミック
ス薄膜が損傷される虞があった。
【0014】また、上記圧電変位素子においては、機械
的な切断よってセラミックス薄膜の縦断面を平行四辺形
としているため、この圧電変位素子を可変板上に載置し
た場合に、圧電変位素子の一方の側面が可変板の上面に
対して鈍角をなし、他方の側面が可変板の上面に対して
鋭角をなす。このように鋭角をなす角部は、圧電変位素
子へ外力がかかったり、圧電変位素子自体の変位、振動
により破損され易いという問題点がある。
【0015】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものである。そこで、本発明は、強度、耐衝撃性、取
扱い性、寸法精度、位置精度、素子特性の安定性、なら
びに製造歩留まりに優れた圧電/電歪素子および圧電/
電歪デバイスおよびそれらの製造方法を提供することを
目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第1の特徴は、圧電/電歪層と内部電極層
とが交互に積層された積層体が概ね台形状をなすように
この積層体の相対向する両側面部が傾斜して形成され、
これら両側面部のそれぞれに外部電極層が形成され、こ
れら外部電極層が上記した内部電極層に交互に接続され
ている圧電/電歪素子としたことを要旨とする。
【0017】ここで、「概ね台形状」とは、一方の底面
から他方の底面へ向けて漸次狭くなるような台状の形状
であり、上下方向に切った少なくとも一つの断面が台形
をなす形状という意味である。すなわち、一対の対向す
る側面が積層方向の一方の方向へ向けて互いに近づく形
状であればよい。また、下底面や上底面の形状として
は、任意の形状を採用することができる。好ましくは、
底面が長方形をなし、一対の対向する側面がともに斜面
であり、他の一対の側面同士が平行をなすような台形状
がよい。そして、このような積層体は、圧電/電歪層が
積層方向の一方に向けて漸次狭くなるように設定され
る。このように、積層体の側面は、階段状であって全体
として傾斜するものであってもよい。
【0018】また、積層体の両側面部に形成された外部
電極層は、積層体の広い方の底面側へ延設され、この広
い方の底面に沿って配設されていることが好ましい。加
えて、一方の外部電極層における広い方の底面側に延設
された部分の幅は、他方の外部電極層におけるこの広い
方の底面側に延設された部分の幅より広く設定されてい
ることが好ましい。
【0019】また、本発明に係る圧電/電歪素子におけ
る、圧電/電歪層の積層方向のいずれか一方の表面が、
圧電/電歪層が露出するものであってもよい。
【0020】さらに、外部電極層に接続されている内部
電極層の層数は、両方の外部電極層同士で同じであって
もよいし、異なっていてもよい。
【0021】このような構成の本発明の第1の特徴に係
る圧電/電歪素子では、一方の底面から他方の底面へ向
けて漸次狭くなるような概ね台形状であるため、他方の
底面と、両側の斜面とのなす角度が鈍角となり、この他
方の底面と両側の斜面とでなす稜線部分(角)の強度が
大きくなる。このため、例えば、他方の(狭い方の)底
面を可動板(振動板)の上に固定したときに、外力や圧
電/電歪素子自体の振動により前記稜線部分が損傷や破
壊されるのを防止する作用がある。また、このように他
方の底面を可動板(振動板)の上に接着剤で固定する場
合に、可動板と圧電/電歪素子の両側の斜面とで形成さ
れる凹状(V溝状)の空隙に接着剤を充填することがで
き、圧電/電歪素子を可動板に固定する力(接着力)を
さらに大きくすることができる。また、この凹状の空隙
に接着剤を存在させることができるため、圧電/電歪素
子と可動板との熱膨張差に起因する応力が働いても、圧
電/電歪素子が可動板から剥離することを防止する作用
がある。
【0022】また、圧電/電歪層は、積層方向の一方に
向けて漸次狭くなるため、例えば外部電極層、圧電/電
歪層、ならびに内部電極層を所定の順で積層する際に、
下地層に対して安定した状態でこれら圧電/電歪層を載
置、積層することができる。このため、例えばスクリー
ン印刷法などを用いて、外部電極層、圧電/電歪層、な
らびに内部電極層を印刷して積層させる場合に、下側に
位置する圧電/電歪層が上側に位置する圧電/電歪層よ
り大きい面積であるため、容易に印刷することができ
る。また、スクリーン印刷法によれば、外部電極層を積
層体の斜面(側面部)に沿って例えば導電ペーストを配
することが可能となる。
【0023】さらに、両側面部に形成された外部電極層
の両方を、積層体の広い方の底面に延伸するようにそれ
ぞれ延設することにより、両方の外部電極層に駆動電圧
を印加するための配線や発生電圧を検出するための配線
などを接続する接続領域(パッド部)を確保できるため
配線の接続が容易になる。特に、上記したように、積層
体の狭い方の底面を可動板上に固定する場合に、広い方
の底面でスペース的な余裕をもって配線を接続(ボンデ
ィング)することができる。また、積層体の広い方の底
面に延設された両方の外部電極層のうち一方の外部電極
層の幅を長くとることにより、この一方の外部電極層を
実質的に電圧印加電極または電圧検出電極として用いる
ことが可能となる。
【0024】また、圧電/電歪素子の一方の表面を圧電
/電歪層で形成することにより、例えば可動板上に圧電
/電歪層側を接着した場合に、圧電/電歪層と親和性の
ある接着剤を用いて接着力を高めることが可能となる。
【0025】本発明の第2の特徴は、圧電/電歪層と内
部電極層とが交互に積層された積層体が概ね台形状をな
すようにこの積層体の相対向する両側面部が傾斜して形
成され、両側面部のそれぞれに外部電極層が形成され、
これら外部電極層が内部電極層に交互に接続された圧電
/電歪素子が、可動板の表面に対してこの積層体の面積
の狭い方の底面側で接着されている圧電/電歪デバイス
としたことを要旨とする。
【0026】また、圧電/電歪素子の面積の狭い方の底
面は、可動板に接着剤で接着され、圧電/電歪素子の両
側面部(斜面)とその可動板とで形成される空隙(凹
部)に接着剤が充填されていることが好ましい。このよ
うに接着剤が充填された状態で、圧電/電歪素子と接着
剤とでなる構造が略台形状もしくは略直方体状であるこ
とが好ましい。
【0027】さらに、圧電/電歪素子の両側面部に形成
された外部電極層は、積層体の広い方の底面に共に延設
されていることが好ましい。
【0028】また、圧電/電歪素子は、可動板の一方の
表面のみに接着されたユニモルフ型でもよいし、可動板
の両方の表面にこの可動板を挟んで接着されたバイモル
フ型としてもよい。なお、可動板は、絶縁体、導体のい
ずれも用いることができる。ここで、可動板が導体の場
合は、可動板に圧電/電歪素子の一方の外部電極層が導
通する構成とすることができる。この場合は、接着剤と
して導電性を有するものを用いることで、可動板と圧電
/電歪素子の一方の外部電極層とを接着剤を介して導通
させることができる。
【0029】さらに、本発明の第2の特徴に係る圧電/
電歪デバイスは、一対の圧電/電歪素子同士が、互いに
積層体の面積の狭い方の底面側同士で接着されているバ
イモルフ型としてもよい。
【0030】また、本発明の第2の特徴に係る圧電/電
歪デバイスは、外部電極層を電圧印加回路に接続するこ
とにより、圧電/電歪デバイスを各種アクチュエータ、
通信用や動力用の振動子や共振子、ディスクリミネータ
などの能動デバイスとして用いることができる。
【0031】さらに、外部電極層を電圧検出回路に接続
することにより、超音波センサや加速度センサ、角速度
センサや衝撃センサ、質量センサなどの受動デバイスと
して用いることができる。
【0032】このような第2の特徴に係る圧電/電歪デ
バイスでは、積層体の面積の狭い方の底面側が可動板の
上に接着されるため、面積の狭い方の底面と両側の側面
部とでなす角度が鈍角をなす角部が可動板に当接する。
このように鈍角をなす角部は、鋭角をなす角部や直角を
なす角部よりも強度が高くなるため、圧電/電歪デバイ
スの強度、耐衝撃性などの耐久性を高める作用を有す
る。
【0033】また、可動板と圧電/電歪素子の両側面部
とで形成される空隙(凹部)が、固化する前の流動性を
有する状態の接着剤の液溜め部となり、塗布した接着量
のばらつきや、圧電/電歪素子および可動板のうねりに
起因する、接着剤の過不足を吸収する役割を果たす。ま
た、可動板の上の適正な領域に適正な量の接着剤を配す
ることで、上記空隙に収容される接着剤の表面張力など
の作用により、圧電/電歪素子を適正な位置にオートア
ライメントできる。
【0034】加えて、この空隙に接着剤が充填されるこ
とにより、可動板に対して圧電/電歪素子を強固に固定
することができる。そして、この空隙に充填される接着
剤は、固化しても弾性を有するものであれば、可動板と
圧電/電歪素子との間に熱膨張差に起因して応力が発生
してもその応力を緩和して、圧電/電歪素子が可動板か
ら剥離するのを抑制することができる。このように、圧
電/電歪素子の両側部と可動板とで形成される空隙に接
着剤を充填できるため、圧電/電歪素子が小型化されて
も、圧電/電歪素子の固定力の低下を抑制することがで
きる。
【0035】さらに、圧電/電歪素子の両側面部に形成
された外部電極層を、積層体の広い方の底面に延設した
ことにより、両方の外部電極層へ外部配線を接続するた
めの接続面積を稼ぐことができる。
【0036】また、可動板を導体として、圧電/電歪素
子の一方の外部電極層をこの可動板に接続することによ
り、他方の外部電極層の配線スペースの拡大化と接続作
業の簡便化を図ることができる。
【0037】本発明の第3の特徴は、セラミック基板上
に、第1層目の第1電極材料層および第2電極材料層を
互いに分離するように印刷し、これら第1電極材料層お
よび第2電極材料層の互いの対向方向の外側に位置する
縁部のみを残して、これら第1電極材料層および第2電
極材料層を一体に覆うように圧電/電歪材料ペーストを
用いて圧電/電歪厚膜を形成した後、この圧電/電歪厚
膜の上から、この圧電/電歪厚膜の上面および側面に亘
って前記第1電極材料層のみに接続する第1電極材料層
を印刷する工程と、最上層の第1電極材料層の上から、
下地の前記圧電/電歪厚膜より幅の狭い圧電/電歪厚膜
を印刷する工程と、最上層の圧電/電歪厚膜の上から、
この圧電/電歪厚膜の上面および側面に亘って第2電極
材料層のみに接続する第2電極材料層を印刷する工程
と、最上層の前記第2電極材料層の上から、下地の前記
圧電/電歪厚膜より幅の狭い圧電・電歪厚膜を印刷する
工程と、を繰り返し、所定の温度で焼成を行った後、上
記したセラミック基板から焼成体を取り外す圧電/電歪
素子の製造方法としたことを要旨とする。
【0038】また、上記した第1層目の第2電極材料層
における第1電極材料層との対向方向の幅寸法は、第1
層目の第1電極材料層の幅寸法より広く設定してもよ
い。
【0039】さらに、セラミック基板の上に、焼成によ
って消失する皮膜を予め形成しておく構成としてもよ
い。
【0040】このような構成の第3の特徴に係る圧電/
電歪素子の製造方法では、漸次面積が小さくなるよう
に、圧電/電歪厚膜を印刷により積み重ねることができ
るため、製造が容易になる。このように、圧電/電歪厚
膜と第1電極材料層と第2電極材料層とを共に印刷法に
より形成できるため、搬送ずれや搬送に伴う変形などの
悪影響を受けず、寸法精度および位置精度の高い圧電/
電歪素子を作製することができる。そして、圧電/電歪
厚膜を搬送して積み重ねる工程が不要となるため、圧電
/電歪厚膜がハンドリングされることがなく、損傷を受
けたり破壊されるのを防止することができる。
【0041】また、第1電極材料層と第2電極材料層と
を繰り返して印刷することにより、積層体の両側に外部
側面電極となる部分を順次、連続するように形成するこ
とができるため、別途外部側面電極を形成する工程が不
要となる。
【0042】さらに、圧電/電歪素子の作製に際して用
いるセラミック基板の上に、積層体を焼成する際に消失
する皮膜を予め形成しておくことにより、焼成されたと
きに圧電/電歪素子を容易にセラミック基板から取り外
すことができる。
【0043】また、この発明では、圧電/電歪素子を平
面的に見て最も外側の輪郭をなす外部側面電極が印刷に
より位置決め精度よく形成できる。例えば位置決めピン
などで圧電/電歪素子の位置決めを行いつつ、圧電/電
歪素子を例えば可動板などに載置、固定する際に、圧電
/電歪素子を位置精度よく配置させることができる。
【0044】本発明の第4の特徴は、圧電/電歪層と内
部電極層とが交互に積層された積層体が概ね台形状をな
すようにこの積層体の相対向する両側面部が傾斜して形
成され、これら両側面部のそれぞれに外部電極層が形成
され、これら外部電極層が上記した内部電極層に交互に
接続された圧電/電歪素子における上記積層体の面積の
狭い方の底面側を、可動板の表面に接着剤を介して接続
する圧電/電歪デバイスの製造方法としたことを要旨と
する。
【0045】ここで製造される圧電/電歪デバイスは、
可動板の両側の表面に前記圧電/電歪素子が接着剤を介
して接着されるバイモルフ型の圧電/電歪デバイスとし
てもよいし、一対の圧電/電歪素子の積層体の面積の狭
い方の底面側同士が接着剤を介して接合されたバイモル
フ型としてもよい。
【0046】このような構成の第4の特徴に係る圧電/
電歪デバイスの製造方法では、可動板に対して積層体の
面積の狭い方の底面側を接着剤で接着するため、圧電/
電歪素子の両側面の傾斜面と可動板とで形成される空隙
(凹部)に接着剤が充填され易くなる。このため、この
空隙の大きさに応じて接着剤を必要十分に充填でき、接
着力を確保することができる。圧電/電歪素子同士を接
合する場合も両方の圧電/電歪素子の側面部同士が空隙
(凹部)を形成するため、同様に接着力を高める作用を
有する。
【0047】また、圧電/電歪素子の面積の狭い方の底
面が可動板に接着されるため、圧電/電歪素子の両側面
部と可動板とのなす角度が鈍角となり、圧電/電歪素子
に局部的な損傷や破壊が発生するのを抑制する作用があ
る。このような作用は、圧電/電歪素子同士を狭い方の
底面同士で接合する場合も同様に働く。
【0048】また、可動板の上に配する接着剤を所定の
粘度に設定すれば、圧電/電歪素子を接着剤の上に載置
したときに、圧電/電歪素子の両側面の傾斜面と可動板
とで形成される空隙(凹部)に接着剤が充填されこと
で、圧電/電歪素子を自動的に位置決めすることができ
る。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る圧電/電歪素
子、圧電/電歪デバイスおよびそれらの製造方法の詳細
を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。但し、図
面は模式的なものであり、各材料層の厚みや膜厚比率な
どは現実のものとは異なることにことに留意すべきであ
る。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参
照して判断すべきものである。また、図面相互間におい
ても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれるこ
とは勿論である。
【0050】ここで、本発明における圧電/電歪素子お
よび圧電/電歪デバイスとは、逆圧電効果ならびに電歪
効果あるいは圧電効果により、電気的エネルギーと機械
的エネルギーとを相互に変換する素子およびそれを用い
たデバイスを包含する概念である。したがって、各種ア
クチュエータや振動子などの能動素子、特に、逆圧電効
果や電歪効果による変位を利用した変位素子として用い
られるほかに、圧電効果を利用した加速度センサや衝撃
センサ素子などの受動素子としても用いることができ
る。
【0051】[第1の実施の形態] (圧電/電歪素子)まず、図1〜図4を用いてこの実施
の形態に係る圧電/電歪素子の構成の大略を説明する。
図1に示すように、この実施の形態に係る圧電/電歪素
子10は、例えば4層の圧電/電歪層11A、11B、
11C、11Dと、これらの圧電/電歪層11A、11
B、11C、11Dの互いに隣接する層同士の間に介在
される例えば3層の内部電極層12A、12B、12C
と、これら内部電極層12A、12B、12Cが交互に
接続された一対の外部電極層14、15とを備えてな
る。そして、この圧電/電歪素子10は、上下一対の対
向する底面がともに長方形状をなす概ね台形状の積層体
構造を有する。
【0052】図1に示すように、この圧電/電歪素子1
0における一方の底面(上面)f1の面積は、他方の底
面(下面)f2の面積より広く設定されている。図1に
示すように、面積の広い方の底面f1の幅(図中xで示
す矢印方向の長さ)はW1であり、長さ(図中yで示す
矢印方向の長さ)はL1である。なお、図2は面積の広
い方の底面f1を示す平面図であり、図3は面積の狭い
方の底面f2側から見た圧電/電歪素子10の底面図で
ある。圧電/電歪素子10における面積の狭い方の底面
f2は、図3に表されている。図3に示すように底面f
2の幅は底面f1の幅寸法W1より短いW2であり、底
面f2の長さは底面f1の長さ寸法L1と同じである。
【0053】そして、図3に示す底面図から分かるよう
に、底面f2の両側縁は、底面f1の両側縁から等距離
W3だけ内側に位置し、長さ方向には底面f1と重なる
ように設定されている。このため、圧電/電歪素子10
においては、図1および図3に示すように、x方向の両
側に斜面f3、f4が形成されている。これら一対の斜
面f3、f4は、面積の広い方の底面f1から面積の狭
い方の底面f2に向けて互いに近づく方向へ向けて傾斜
している。
【0054】以上、圧電/電歪素子10の外観構造を説
明したが、次に、この圧電/電歪素子10を構成する各
部材の構造および位置関係について図1〜図4を用いて
詳細に説明する。なお、図4は、図2のA−A断面図で
ある。
【0055】この実施の形態に係る圧電/電歪素子10
において、圧電/電歪層11A、11B、11C、11
Dは、例えばチタン酸ジルコン亜鉛(PZT)などで形
成されている。因みに、PZTで形成した場合は、圧電
/電歪層11A、11B、11C、11Dの強度は70
MPa程度となる。また、内部電極層12A、12B、
12Cおよび外部電極層14、15は、例えば白金(P
t)で形成されている。
【0056】この圧電/電歪素子10では、底面f1か
ら底面f2へ向けて積層される圧電/電歪層11A、1
1B、11C、11Dが漸次幅が短くなるように設定さ
れている。この結果、圧電/電歪素子10全体では、上
記したように両側部に斜面f3、f4が形成されてい
る。
【0057】また、圧電/電歪層11A、11Bの間に
は、斜面f3から斜面f4側へ向けて伸びるように内部
電極層12Aが介在されている。なお、この内部電極層
12Aは、斜面f4までは到達しないように設定されて
いる。圧電/電歪層11B、11Cの間には、斜面f4
から斜面f3側へ向けて伸びるように内部電極層12B
が介在されている。この内部電極層12Bは、斜面f3
までは到達しないように設定される。圧電/電歪層11
C、11Dの間には、上記内部電極層12Aと同様に斜
面f3から斜面f4側へ向けて伸びるように内部電極層
12Cが介在されている。上記した内部電極層12A、
12Cにおける斜面f4側の端縁は、平面的には同位置
にあり、上下で重なる位置にあることが好ましいが、斜
面f4に沿うように内部電極層12Cの方がx方向に短
くてもよい。
【0058】さらに、斜面f3、f4には、外部電極層
14、15の斜面部14A、15Aが形成されている。
この実施の形態では、斜面部14Aの幅(斜面傾き方向
の長さ)が斜面部15Aの幅より長く設定されている。
その斜面部14Aは、図4に示すように、斜面f4全部
を覆うように形成されている。この結果、外部電極層1
4の斜面部14Aは内部電極層12Bに接続され、外部
電極層15の斜面部15Aは内部電極層12A、12C
とに接続されている。すなわち、これら外部電極層1
5、14は、内部電極層12A、12B、12Cに交互
に接続された構造となっている。
【0059】また、最も幅の広い圧電/電歪層11Aの
上面(外側表面)には、図1に示すように外部電極層1
4、15の上面部14B、15Bが、圧電/電歪層11
Aの外側表面のx方向両側縁から延伸して互いに近づく
ように形成されている。なお、これら外部電極層14、
15の上面部14B、15Bは、一方の縁部側で離間し
ている。すなわち、この実施の形態では、外部電極層1
4の上面部14Bの幅(x方向の長さ)が長く、外部電
極層15の幅が短く設定されている。また、外部電極層
14の上面部14Bにおける斜面f3側の端縁は、上記
した内部電極層12Bの端縁と平面的に同位置となるよ
うに設定されているが、特に限定されない。
【0060】そして、最も幅の狭い圧電/電歪層11D
の下面(外側表面)には、外部電極層14の下面部14
Cが形成されている。この下面部14Cは、斜面部14
Aの下端縁から斜面f3側へ向けて伸びるように形成さ
れている。また、この下面部14Cにおける斜面f3側
の端縁は、内部電極層12Bの端縁と平面的に同位置と
なるように設定されているが特に限定されない。
【0061】なお、この実施の形態では、圧電/電歪層
11A、11B、11C、11Dを4層とし、内部電極
層12A、12B、12Cを3層とし、外部電極層14
の上面部分14B、下面部14Cを圧電/電歪素子10
の上下面に対向電極として機能するように配置したが、
各層の層数や、外部電極層14、15のそれぞれに接続
された内部電極層の数は、互いに等しくても、等しくな
くてもよい。これら、電極層の数は、駆動電圧との関係
や、後述する可動板の変位度合などとの関係を考慮して
設定するものである。なお、圧電/電歪層の総数を多く
すれば、この圧電/電歪素子10が固定される可動板を
駆動する駆動力が増大し、もって大きな変位を図ること
ができるとともに、圧電/電歪素子10の剛性が増すこ
とで、高共振周波数化が図られ、変位動作の高速化が容
易に達成できる。
【0062】この実施の形態における圧電/電歪層11
A、11B、11C,11Dの具体的な材料としては、
上述したチタン酸ジルコン亜鉛(PZT)の他に、ジル
コン酸鉛、チタン酸鉛、マグネシウムニオブ酸鉛、ニッ
ケルニオブ酸鉛、亜鉛ニオブ酸鉛、マンガンニオブ酸
鉛、アンチモンスズ酸鉛、マンガンタングステン酸鉛、
コバルトニオブ酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸ナト
リウムビスマス、ニオブ酸カリウムナトリウム、タンタ
ル酸ストロンチウムビスマスなどを単独で、あるいは混
合物として含有するセラミックスが挙げられる。
【0063】特に、高い電気機械結合係数と圧電定数を
有し、圧電/電歪層11A、11B、11C、11Dの
焼結時における焼成セッター(この場合ジルコニア、ア
ルミナ、マグネシア等の酸化物セラミック)との反応性
が小さく、安定した組成のものが得られる点において、
ジルコン酸鉛、チタン酸鉛、およびマグネシウムニオブ
酸鉛を主成分とする材料、もしくはチタン酸ナトリウム
ビスマスを主成分とする材料がある。
【0064】さらに、上記したセラミックス材料に、ラ
ンタン(La)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム
(Sr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、
バリウム(Ba)、ニオブ(Nb)、亜鉛(Zn)、ニ
ッケル(Ni)、マンガン(Mn)、セリウム(C
e)、カドミウム(Cd)、クロム(Cr)、コバルト
(Co)、アンチモン(Sb)、鉄(Fe)、イットリ
ウム(Y)、タンタル(Ta)、リチウム(Li)、ビ
スマス(Bi)、スズ(Sn)などの酸化物などを単独
で、もしくは混合したセラミックスを用いてもよい。
【0065】加えて、例えば主成分であるジルコン酸鉛
とチタン酸鉛およびマグネシウムニオブ酸鉛に、ランタ
ン(La)やストロンチウム(Sr)を含有させること
により、抗電界や圧電特性が調整可能となる等の利点を
得られる場合がある。
【0066】なお、シリカなどのガラス化し易い材料の
添加は避けることが望ましい。その理由は、シリカなど
の材料は、圧電/電歪層11A、11B、11C,11
Dの熱処理(焼成)時に、圧電/電歪材料と反応し易
く、その組成を変動させ圧電特性を劣化させるからであ
る。
【0067】なお、このように圧電/電歪層11A、1
1B、11C,11Dとしては、上記した各種の圧電セ
ラミックスが好適に用いられるが、電歪セラミックスや
強誘電体セラミックス、あるいは反強誘電体セラミック
スを用いることも可能である。ただし、この圧電/電歪
素子10をハードディスクドライブの磁気ヘッドの位置
決めなどに用いる場合は、可動部分の変位量と駆動電圧
または出力電圧とのリニアリティが重要となるため、歪
み履歴の小さい材料を用いることが好ましく、従って、
抗電界が10kV/mm以下の材料を用いることが好ま
しい。
【0068】また、外部電極層14、15としては、室
温で固体であり、導電性に優れた金属で構成されること
が好ましい。このような金属としては、上記した白金
(Pt)の他に、例えばアルミニウム(Al)、チタン
(Ti)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、コバルト(C
o)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、
ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(R
u)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、銀(A
g)、スズ(Sn)、タンタル(Ta)、タングステン
(W)、イリジウム(Ir)、金(Au)、鉛(Pb)
などの金属の単体、もしくはこれらの合金を用いること
ができる。また、これらの材料に圧電/電歪層11A、
11B、11C、11Dと同じ材料を分散させたサーメ
ット材料を用いてもよい。
【0069】さらに、圧電/電歪素子10における外部
電極層14、15および内部電極層12A、12B、1
2Cの材料選定は、圧電/電歪層11A、11B、11
C、11Dの形成方法に依存して決定される。これら圧
電/電歪層の形成方法は、後述する。
【0070】このような構成の圧電/電歪素子10で
は、図4に示すように、下面f2の幅方向両側の角部
(稜線部)16、17が鈍角となっている。すなわち、
下面f2が斜面f3、f4とそれぞれなす角度が鈍角と
なっている。このため、この角部16、17は、直角や
鋭角をなす角部の強度に比較すると大きな強度を有す
る。このように角部16、17の強度を高めた構造とし
たことにより、この圧電/電歪素子10では、下面f2
を可動板(振動板)の上に固定したときに、この圧電/
電歪素子10自体の振動や外力により角部16、17が
損傷や破壊されるのを防止する作用がある。
【0071】また、面積の広い方の底面f1側に外部電
極層14、15の上面部14B、15Bがともに配置さ
れているため、これら上面部14B、15Bを接続領域
(パッド部)とすることができ、配線を容易に接続する
ことができる。
【0072】(圧電/電歪デバイス)次に、図5〜図7
を用いて、第1の実施の形態に係る圧電/電歪素子10
を用いた圧電/電歪デバイス20の実施例について説明
する。なお、図5は圧電/電歪デバイス20の側面図、
図6は圧電/電歪デバイス20の平面図である。
【0073】この圧電/電歪デバイス20は、上記した
構成の圧電/電歪素子10の面積が狭い方の下面f2
が、可動板(振動板)21の上に接着剤22を用いて接
着されたユニモルフ型に構成されている。この実施の形
態に係る圧電/電歪デバイス20では、圧電/電歪素子
10と可動板21とが略同じ幅寸法(図6中矢印で示す
y方向の長さ)に設定されている。また、可動板21の
長さ(図6中矢印で示すx方向の長さ)は、圧電/電歪
素子10の長さより長くなるように設定されている。な
お、可動板21は、可撓性を有し、屈曲変形によって破
損しない程度の機械的強度を有するものであればよく、
応答性、操作性などを考慮して適宜材料選択することが
できる。
【0074】このような圧電/電歪デバイス20におい
て、接着剤22は、可動板21の上面と圧電/電歪素子
10の底面(下面)f2および斜面f3、f4との間に
介在されて圧電/電歪素子10を可動板21の上面に接
着、固定している。特に、圧電/電歪素子10の斜面f
3、f4と可動板21の上面とで形成されるV溝状の空
隙には、接着剤22が充填されている。この結果、圧電
/電歪素子10と接着剤22とがなす形状は、略台形状
もしくは略直方体形状となっている。
【0075】なお、可動板21は、圧電/電歪素子10
の駆動に基づいて作動する部分であり、この圧電/電歪
デバイス20の使用目的に応じて種々の部材が取り付け
られる。例えば、この圧電/電歪デバイス20を変位素
子として使用する場合であれば、光シャッタの遮蔽板な
どが取り付けられる。また、この圧電/電歪デバイス2
0をハードディスクドライブの磁気ヘッドの位置決めや
リンギング抑制機構にしようするのであれば、磁気ヘッ
ド、磁気ヘッドを有するスライダ、スライダを有するサ
スペンションなどの位置決めを必要とする部材が取り付
けられる。
【0076】この可動板21を構成する材料としては、
ジルコニアをはじめとするセラミックスが好ましい。中
でも安定化ジルコニアを主成分とする材料と部分安定化
ジルコニアを主成分とする材料は、薄肉であっても機械
的強度が大きいこと、靱性が高いことからも可動板21
の材料として好ましい。
【0077】また、可動板21を金属材料で構成する場
合には、可撓性を有し、屈曲変形が可能な金属材料であ
ればよいが、例えば鉄系材料としては、各種ステンレス
鋼、各種バネ鋼材で構成することが望ましい。また、非
鉄系材料としては、ベリリウム銅、リン青銅、ニッケ
ル、ニッケル鉄合金などで構成することが望ましい。
【0078】このような構成の圧電/電歪デバイス20
では、圧電/電歪素子10の斜面f3、f4と可動板2
1の上面とで形成されるV溝状の空隙が圧電/電歪素子
10の両側に形成され、この空隙が液状またはペースト
状の接着剤22の液溜めとして機能する。また、この空
隙に保持された接着剤22は、表面張力により塊状を保
持しながら固化する。したがって、接着剤22が圧電/
電歪素子10の上側や可動板21の下側へのはみ出しや
回り込みを抑制することができる。また、可動板21の
上に塗布された接着剤22の量を所定量に設定すること
により、圧電/電歪素子10の斜面f3、f4と可動板
21の上面とで形成されるV溝状の空隙内に過不足なく
充填される。
【0079】そして、上述したように、圧電/電歪素子
10の下面f2の両側の角部(稜線部)16、17が鈍
角となっているため、この角部16、17は、直角や鋭
角をなす角部の強度に比較すると大きな強度を有する。
このように角部16、17の強度を高めた構造としたこ
とにより、この圧電/電歪デバイス20では、圧電/電
歪素子10の振動や外力により角部16、17が損傷や
破壊されるのを防止する作用がある。
【0080】さらに、V溝状の空隙に接着剤22が充填
されているため、圧電/電歪素子10と可動板21との
熱膨張差に起因する応力が最大となる圧電/電歪素子端
部付近において、接着剤が低弾性率であることに起因し
て接着力を保持しつつ応力を緩和して、圧電/電歪素子
10の破壊と、圧電/電歪素子10の可動板21からの
剥離とを防止する作用がある。
【0081】また、面積の広い方の底面f1側に外部電
極層14、15の上面部14B、15Bがともに配置さ
れているため(同一平面上に配置されているため)、こ
れら上面部14B、15Bに配線を容易に接続すること
ができる。
【0082】このような構成の圧電/電歪デバイス20
を能動デバイスとして用いる場合は、図7に示すよう
に、底面f1に形成された外部電極層14の上面部14
Bと外部電極層15の上面部15Bとにそれぞれ配線2
3、24を接続し、これら配線23、24を電圧印加回
路25に接続すればよい。このように能動デバイスとし
て適用した場合は、各種トランスデューサ、各種アクチ
ュエータ、周波数領域機能部品(フィルタ)、トラン
ス、通信用や動力用の振動子や共振子、発振子、ディス
クリミネータなどとして用いることができる。なお、配
線23、24としては、フレキシブルプリント回路体
(FPC)、フレキシブルフラットケーブル(FF
C)、ボンディングワイヤなどを用いることが好まし
い。
【0083】また、この圧電/電歪デバイス20を受動
デバイスとして用いる場合は、図7に示す電圧印加回路
25に変えて電圧検出回路26に配線23、24を接続
すればよい。なお、このように、圧電/電歪素子10の
外部電極層14、15の上面部14B、15Bに配線2
3、24を接続する場合は、接着剤22は電気絶縁性を
有するものを用いることが好ましい。このように受動デ
バイスとして適用した場合は、超音波センサや加速度セ
ンサ、角速度センサや衝撃センサ、質量センサなどとし
て用いることができる。
【0084】(圧電/電歪デバイスの変形例1)図8
は、第1の実施の形態に係る圧電/電歪素子10を用い
た圧電/電歪デバイスの変形例1を示す側面説明図であ
る。なお、この変形例1の構成において、上記した圧電
/電歪デバイス20と同一部分には同一の符号を付し、
類似部分には類似の符号を付して説明する。
【0085】この変形例1に係る圧電/電歪デバイス2
0Aは、上記した圧電/電歪素子10の狭い方の底面f
2が、導電性を有する可動板21の上面に、導電性を有
する接着剤22Aで接着、固定されたものである。
【0086】また、この変形例1では、圧電/電歪素子
10の底面f2に形成された外部電極層14の下面部1
4Cおよび斜面部14Aの下部が、導電性を有する接着
剤22Aを介して可動板21に接続、固定されるもので
あり、他方の外部電極層15の斜面部15Aに接着剤2
2Aが及ばないように設定されている。このように外部
電極層15の斜面部14Aに接着剤22Aが及ばないよ
うにするには、可動板21に塗布する接着剤22Aの量
を適宜設定すればよい。
【0087】このような構成の圧電/電歪デバイス20
Aでは、可動板21に配線23が接続され、外部電極層
15の上面部15Bに配線24が接続される。そして、
図8に示すように、これら配線23、24を電圧印加回
路25に接続することにより、この圧電/電歪デバイス
20Aを能動デバイスとして用いることができる。ま
た、同じく図8に示すように、配線23、24を電圧検
出回路26に接続すれば、圧電/電歪デバイス20Aを
受動デバイスとして用いることができる。
【0088】ここで、導電性を有する接着剤22Aとし
ては、導電性を有する金属フィラーを含むものや、半導
体実装の分野で用いられている異方性導電接着剤など各
種の導電性接着剤を適宜選択することができる。
【0089】また、導電性を有する可動板21として
は、可撓性を有し、屈曲変形が可能な金属材料であれば
よい。例えば、鉄系材料としては、各種ステンレス鋼、
各種バネ鋼材で構成することが望ましい。また、非鉄系
材料としては、ベリリウム銅、リン青銅、ニッケル、ニ
ッケル鉄合金などで構成することが望ましい。
【0090】(圧電/電歪デバイスの変形例2)図9
は、第1の実施の形態に係る圧電/電歪素子10を用い
た圧電/電歪デバイスの変形例2を示す側面図である。
なお、この変形例2の構成において、上記した圧電/電
歪デバイス20と同一部分には同一の符号を付し、類似
部分には類似の符号を付して説明する。
【0091】この変形例2に係る圧電/電歪デバイス2
0Bは、一枚の可動板21の表裏面にそれぞれ上記構成
の圧電/電歪素子10を接着剤22で固定したバイモル
フ型の構造を有している。可動板21の表裏面のそれぞ
れには、圧電/電歪素子10の面積の狭い方の底面f2
側が当接して可動板21を挟むように接着されている。
【0092】この変形例2に係る圧電/電歪デバイス2
0Bでは、それぞれの圧電/電歪素子10の外部電極層
14、15の上面部14B、15Bに配線を接続しても
よいし、可動板21を両方の圧電/電歪素子10の共通
電極とし、それぞれの圧電/電歪素子10の上面部15
Bのみに配線を接続する構成としてもよい。
【0093】なお、圧電/電歪素子10同士の組み合わ
せは、可動板21を挟んで分極方向が対称となるように
配置した対称型(シリーズタイプ)でもよいし、両方の
圧電/電歪素子10の分極方向が同一方向となるように
配置した非対称型(パラレルタイプ)としてもよい。
【0094】(圧電/電歪デバイスの変形例3)図10
は、第1の実施の形態に係る圧電/電歪素子10を用い
た圧電/電歪デバイスの変形例3を示す側面図である。
なお、この変形例2の構成において、上記した圧電/電
歪デバイス20と同一部分には同一の符号を付し、類似
部分には類似の符号を付して説明する。
【0095】この変形例3に係る圧電/電歪デバイス2
0Cは、一対の圧電/電歪素子10を互いに狭い方の底
面f2同士が対向するように配置した状態で、接着剤2
2を介在させて接着、固定したものである。この圧電/
電歪デバイス20Cは、可動板を備えないバイモルフ型
の構造を有している。
【0096】なお、この変形例3においても上記した変
形例2と同様に、圧電/電歪素子10同士の組み合わせ
は、対称型(シリーズタイプ)や非対称型(パラレルタ
イプ)を採用することができる。
【0097】(圧電/電歪デバイスの変形例4)図11
は、第1の実施の形態に係る圧電/電歪素子10を用い
た圧電/電歪デバイスの変形例4を示す側面図である。
【0098】この変形例4に係る圧電/電歪デバイス2
0Dは、図11に示すように、所定間隔を隔てて相対向
する可動板部31、31と、これら可動板部31、31
の一方の端部側でこれら可動板部31、31同士の間に
介在されるように形成された固定部32と、が一体に形
成された基体30を備え、これら一対の可動板部31、
31の一方の端部側で対向外側面に、それぞれ圧電/電
歪素子10が接着、固定されてなる。
【0099】この圧電/電歪デバイス20Dは、圧電/
電歪素子10、10の駆動によって、一対の可動板部3
1、31が変位し、あるいは可動板部31、31の変位
を圧電/電歪素子10により検出する構成を有する。例
えば、図11に示す圧電/電歪デバイス20Dでは、可
動板部31と圧電/電歪素子10とでアクチュエータ部
33、33が構成されている。また、一対の可動板部3
1、31の他方の端部には、互いに内側に向けて突出す
るように肉厚に形成された可動部34、34形成されて
いる。これら可動部34は、可動板部31の変位動作に
伴って変位する。
【0100】基体30は、全体をセラミックスもしくは
金属を用いて構成されたものの他、セラミックスと金属
の材料で形成されたものを組み合わせたハイブリッド構
造としてもよい。また、この基体30は、各部を有機樹
脂、ガラスなどの接着剤で接着してなる構造、セラミッ
クスグリーン積層体を焼成により一体化してなるセラミ
ックス一体構造、ロウ付け、半田付け、共晶接合もしく
は溶接などで一体化した金属一体構造などの構成を採用
することができ、好ましくは、セラミックスグリーン積
層体を焼成により一体化したセラミックス積層体で基体
30を構成することが望ましい。このようなセラミック
スの一体化物は、接合部位の信頼性が高く、剛性確保に
有利な構造であることに加え、容易に製造することが可
能である。
【0101】そして、圧電/電歪素子10は、基体30
の一方の端部側の互いに外側の面に接着剤22を介して
接着、固定されている。この接着剤22としては、有機
系の接着剤でも、無機系の接着剤を用いてもよい。圧電
/電歪素子10は、面積の狭い方の底面f2側で基体3
0に接着されている。また、圧電/電歪素子10の斜面
f3、f4と基体30の外側面とで形成されるV溝状の
空隙には、接着剤22が充填されている。この結果、圧
電/電歪素子10と接着剤22とがなす形状は、略台形
状もしくは略直方体形状となっている。
【0102】また、圧電/電歪素子10における面積が
広い方の底面f1には、外部電極層14の上面部14B
と外部電極層15の上面部15Bとが互いに電気的に絶
縁を保って(離間して)配置されているため、これら上
面部14B、15Bに、図示しない電圧印加回路、もし
くは電圧検出回路に接続される配線がボンディングされ
るようになっている。
【0103】また、この圧電/電歪デバイス20Dで
は、一対の可動部34、34の互いに対向する端面34
A、34A間には、図11に示すように空隙(空気)を
介在させるようにしてもよいし、これら端面34A、3
4A間に可動部34と同じ材料あるいは異なる材料から
なる複数の部材を介在させるようにしてもよい。
【0104】このような構成の圧電/電歪デバイス20
Dにおいては、基本的な構造を成す可動部34、34、
可動板部31、31および固定部32が強靱な材料で一
体的に形成されているため、すべての部材を脆弱で比較
的重い材料である圧電/電歪材料によって構成した圧電
/電歪デバイスと比較して、この圧電/電歪デバイス2
0Dは、機械的強度が高く、ハンドリング性、耐衝撃
性、耐湿性に優れ、動作上、有害な振動(例えば、高速
作動時の残留振動やノイズ発生)の影響を受けにくいと
いう利点がある。
【0105】また、このような圧電/電歪デバイス20
Dでは、互いに対向する可動部34の端面34A、34
Aの間を空隙としたことにより、一方の端面34Aを含
む可動部34と、他方の端面34Aを含む可動部34と
が撓み易くなり、圧電/電歪デバイスの破壊に至らない
変形限界が高くなる。そのため、圧電/電歪デバイス2
0Dがハンドリング性に優れるという利点がある。
【0106】このような圧電/電歪デバイス20Dにお
いて、可動部34は、上述したように、可動板部31の
駆動量に基づいて作動する部分であり、圧電/電歪デバ
イス20Dの使用目的に応じて種々の部材が取り付けら
れる。例えば、圧電/電歪デバイス20Dを変位素子と
して使用する場合であれば、例えば光シャッタの遮蔽板
が取り付けられ、また、ハードディスクドライブの磁気
ヘッドの位置決めやリンギング抑制機構の使用するので
あれば、磁気ヘッド、磁気ヘッドを有するスライダ、ス
ライダを有するサスペンションなどの位置決めを必要と
する部材が取り付けられる。
【0107】また、固定部32は、上述したように、可
動板部31および可動部34を支持する部分であり、例
えばハードディスクドライブの磁気ヘッドの位置決めに
利用する場合には、ボイスコイルモータ(VCM)に取
り付けられたキャリッジアーム、このキャリッジアーム
に取り付けられた固定プレートまたはサスペンションな
どにこの固定部32を支持、固定することにより、圧電
/電歪デバイス20D全体を固定できる。
【0108】さらに、この変形例においても、可動板部
31は、圧電/電歪素子10の変位により駆動される部
分である。このため、可動板部31は、可撓性を有する
薄板状の部材であって、表面に配設された圧電/電歪素
子10の伸縮変位を屈曲変位として増幅して、その変位
を可動部34に伝達する機能を有する。したがって、可
動板部31の形状や材質は、可撓性を有し、屈曲変位に
よって破損しない程度の機械的強度を有するものであれ
ば足り、可動部34の応答性、操作性を考慮して適宜選
択することができる。
【0109】この可動板31を構成する材料としては、
ジルコニアをはじめとするセラミックスが好ましい。中
でも安定化ジルコニアを主成分とする材料と部分安定化
ジルコニアを主成分とする材料は、薄肉であっても機械
的強度が大きいこと、靱性が高いことからも可動板31
の材料として好ましい。
【0110】また、可動板31を金属材料で構成する場
合には、可撓性を有し、屈曲変形が可能な金属材料であ
ればよいが、鉄系材料としては、各種ステンレス鋼、各
種バネ鋼材で構成することが望ましい。また、非鉄系材
料としては、ベリリウム銅、リン青銅、ニッケル、ニッ
ケル鉄合金などで構成することが望ましい。
【0111】上記した安定化ジルコニアならびに部分安
定化ジルコニアにおいては、以下に述べるように、安定
化ならびに部分安定化されたものが好ましい。すなわ
ち、ジルコニアを安定化ならびに部分安定化させる化合
物としては、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、
酸化セリウム、酸化カルシウム、および酸化マグネシウ
ムがあり、少なくともそのうちの1つの化合物を添加、
含有させることにより、あるいは1種類の化合物の添加
のみならず、それら化合物を組み合わせて添加すること
によっても、目的とするジルコニアの安定化は可能であ
る。
【0112】なお、それぞれの化合物の添加量として
は、酸化イットリウムや酸化イッテルビウムの場合にあ
っては、1〜30モル%、好ましくは1.5〜10モル
%、酸化セリウムの場合にあっては、6〜50モル%、
好ましくは8〜20モル%、酸化カルシウムや酸化マグ
ネシウムの場合にあっては、5〜40モル%、好ましく
は5〜20モル%とすることが望ましい。また、その中
でも特に酸化イットリウムを安定化剤として用いること
が好ましい。このように酸化イットリウムを安定化剤と
して用いる場合においては、1.5〜10モル%、さら
に好ましくは2〜4モル%とすることが望ましい。
【0113】なお、機械的強度と安定した結晶相が得ら
れるように、ジルコニアの平均結晶粒子径を0.05〜
3μm、好ましくは1μm以下とすることが望ましい。
また、上述のように、可動板部31は、可動部34と固
定部32と同様にセラミックスを用いることができる
が、好ましくは、実質的に同一の材料を用いて構成する
ことが、接合部分の信頼性、圧電/電歪デバイス20D
の強度の向上、製造の煩雑さの低減を図る上で有利であ
る。
【0114】(第1の実施の形態に係る圧電/電歪素子
の製造方法)次に、図12〜図24を用いて第1の実施
の形態に係る圧電/電歪素子10の製造方法について説
明する。なお、この製造方法ついては、各材料層に新た
な符号と、図1〜図4に示す完成品である圧電/電歪素
子10の符号とを、対比、関連づけを行いながら併用し
て説明する。
【0115】(1)まず、図12に示すような、例えば
ジルコニア、アルミナ、マグネシアなどの酸化物でなる
所定の大きさのセラミックス基板41を用意する。この
基板セラミックス41は、スクリーン印刷の台としての
機能と焼成用基板としての機能を有する。因みに、この
セラミックス基板41の寸法は、例えば40mm×50
mm×0.3mm程度である。
【0116】(2)このセラミックス基板41の上に、
乳剤膜厚10μmの360メッシュのメタルスクリーン
を用いて、カーボン粉末あるいはテオブロミン粉末分散
ペーストを圧電/電歪素子10よりも長い幅寸法を有す
る複数列の領域に印刷し、乾燥させて、図12に示すよ
うな複数列の消失皮膜42を形成する。この消失皮膜4
2は、一列についてx方向に複数の素子形成領域を含ん
でいる。図13は、図12のB−B断面図である。この
消失皮膜42は、後工程での焼成により消失して圧電/
電歪素子10をセラミックス基板41から剥離し易くす
る機能を果たす。なお、消失皮膜42の印刷方向は、図
12に矢印xで示す方向である。
【0117】(3)次に、図14のハッチング部に示す
ようなスクリーン(印刷用版)43Aを用いて、図中に
示す矢印y方向に白金(Pt)ペーストを印刷して乾燥
させる。スクリーン43Aは、360メッシュ、乳剤膜
厚5μmに設定されている。この工程では、第1の実施
の形態に係る圧電/電歪素子10の外部電極層14、1
5の上面部14B、15Bに相当する部分の印刷を行
う。なお、図14のハッチング部に示すようなスクリー
ン43Aを用いることで、x方向に沿った複数の素子形
成領域に亘って一括して印刷することが可能になる。な
お、図15は、このスクリーン43Aを用いて、消失皮
膜42上の1つの素子形成領域内にPtペースト膜4
4、45を離間するように印刷した状態を示している。
これらPtペースト膜44、45とこれらの間の領域と
を含めた領域の面積は、圧電/電歪素子10の焼成前形
成体の広い方の底面と同等の面積に設定する。また、図
15に示すように、スクリーン43Aは、メタルスクリ
ーン46に乳剤層47を所定パターンで付着させて、乳
剤層47の存在しないパターン部分で白金ペーストを消
失皮膜42上に転写するようになっている。
【0118】(4)次いで、図16に示すように、スク
リーン43Bを用いて圧電体ペーストを印刷、乾燥させ
て第1層目の圧電/電歪層11Aの焼成前成形体を形成
する。なお、スクリーン43Bは、360メッシュのメ
タルスクリーン46に膜厚25μmの乳剤層47をパタ
ーン形成したものを用いている。この乳剤層47の開口
パターンは、上記したPtペースト膜44、45および
これらの間の領域とを含む領域より僅かに狭い面積とな
るように設定されている。詳しくは、図16に示すよう
に、スクリーン43Bで印刷された圧電/電歪層11A
の焼成前成形体は、x方向の両側の縁部がPtペースト
膜44、45のx方向の外側縁部からそれぞれx1の距
離だけ内側に位置するように設定されている。なお、圧
電/電歪層11Aの焼成前成形体のy方向の両側の縁部
は、Ptペースト膜44、45のy方向の両側の縁部と
重なるように設定されている。
【0119】(5)次に、図17に示すように、スクリ
ーン43Cを用いて焼成後に内部電極層12Aと外部電
極層15の斜面部15Aを兼ねるPt膜となるPtペー
スト膜48を印刷し、その後、乾燥させる。このPtペ
ースト膜48は、圧電/電歪層11Aの焼成前成形体を
介して、上記工程で形成されたPtペースト膜44に対
してx方向に所定寸法Lだけ重なりあうように設定され
ている。このようにPtペースト膜44、48同士が重
なり合った部分が実効的に電圧印加電極として機能す
る。
【0120】(6)その後、図18に示すように、スク
リーン43Dを用いて圧電体ペーストを印刷、乾燥して
圧電/電歪層11Bの焼成前成形体を形成する。この圧
電/電歪層11Bの焼成前成形体のx方向の一方の端縁
は、Ptペースト膜48のPtペースト膜45に接続さ
れる斜面部分の延長上に位置するように設定されてい
る。この圧電/電歪層11Bの焼成前成形体のx方向の
他方の端縁は、圧電/電歪層11Aの焼成前成形体の端
縁より僅かに内側に位置するように設定され、圧電/電
歪層11Aの焼成前成形体の斜面部分の延長上に位置す
るように設定されている。
【0121】(7)次に、図19に示すように、スクリ
ーン43Eを用いて、焼成後に内部電極層12Bと外部
電極層14の斜面部14Aを兼ねるPtペースト膜49
を印刷、乾燥させる。このPtペースト膜49は、圧電
/電歪層11Bの焼成前成形体を介してPtペースト膜
48と対向する。そして、Ptペースト膜48、49同
士は、x方向に寸法Lだけ重なり合うように設定されて
いる。
【0122】(8)さらに、図20に示すように、スク
リーン43Fを用いて、下地の圧電/電歪層11Bの焼
成前成形体より幅(x方向の長さ)の狭い圧電体ペース
トを印刷、乾燥して圧電/電歪層11Cの焼成前成形体
を形成する。この圧電/電歪層11Cの焼成前成形体
は、Ptペースト膜49の端部から側方で露出する圧電
/電歪層11Bの焼成前成形体の端縁より僅かな寸法だ
け内側位置と、Ptペースト膜49の斜面部より僅かな
寸法だけ内側位置とに亘って形成される。
【0123】(9)その後、図21に示すように、スク
リーン43Gを用いて、焼成後の内部電極層12Cと外
部電極層15の斜面部15Aを兼ねるPtペースト膜5
0を印刷して乾燥させる。
【0124】(10)次に、図22に示すように、スク
リーン43Hを用いて、圧電体ペーストを印刷、乾燥し
て圧電/電歪層11Dの焼成前成形体を形成する。この
圧電/電歪層11Dの焼成前成形体は、下地の圧電/電
歪層11Cの焼成前成形体より幅が狭くなるように設定
されている。
【0125】(11)その後、図23に示すように、ス
クリーン43Iを用いて、焼成後に外部電極層14の下
面部14Cと斜面部14Aとを兼ねるPtペースト膜5
1を印刷して乾燥させる。なお、この工程で用いるスク
リーン43Iは、360メッシュのメタルスクリーン4
6に膜厚5μmの乳剤層47でパターン形成したもので
ある。
【0126】(12)最後に、各材料層の有機分や消失
皮膜42が残らない程度の速度で昇温させ、最高温度1
100℃〜1300℃で焼成を行う。この結果、図24
に示すように、消失皮膜42が消失して圧電/電歪素子
10がセラミックス基板41から容易に離脱させること
ができる。
【0127】このような圧電/電歪素子10の製造方法
では、圧電/電歪層11A、11B、11C、11Dが
面積が漸次小さくなるように、これら圧電/電歪層11
A、11B、11C、11Dを印刷法により積み重ねる
ことができるため、圧電/電歪素子10の製造が容易に
なる。また、圧電/電歪層11A、11B、11C、1
1Dと各電極層(この実施の形態ではPt膜)を共に印
刷法により形成できるため、ハンドリングして搬送する
などの工程がなく、ハンドリングや搬送に伴う変形など
の悪影響を受けず、寸法精度および位置精度の高い圧電
/電歪素子10を製造することができる。
【0128】また、圧電/電歪層と電極層とを繰り返し
て印刷することにより、積層体の両側(x方向の両側)
外部電極となる部分を連続するように形成することがで
きる。このため、別途外部電極層を形成する工程が不要
となり、工数を少なくすることができる。
【0129】さらに、圧電/電歪素子10の製造に先駆
けて、セラミックス基板41の上に焼成により消失する
消失皮膜42を形成してしておくことにより、焼成後に
圧電/電歪素子10を容易に取り外すことができる。ま
た、消失皮膜42は、焼成工程で昇華、燃焼により消失
するため、圧電/電歪素子10にパーティクルなどが付
着するのを抑制することができる。
【0130】なお、この圧電/電歪素子の製造方法にお
いては、スクリーン印刷可能な各種の圧電体材料や導電
体ペーストを適宜選択することができる。
【0131】また、このような圧電/電歪素子の製造方
法では、外部電極層を印刷により位置決め精度よく形成
できるため、圧電/電歪素子を例えば可動板などに載
置、固定する際に、圧電/電歪素子を位置精度よく配置
させることができる。
【0132】[第2の実施の形態] (圧電/電歪素子)図25および図26は、第2の実施
に形態に係る圧電/電歪素子を示している。なお、図2
5は圧電/電歪素子60の側面図、図26は圧電/電歪
素子60の平面図である。図に示すように、圧電/電歪
素子60は、逆圧電効果により駆動される4層の圧電/
電歪層61、62、63、64と、圧電/電歪層61の
外側面に互いに離間して形成された上面電極層65、6
6と、圧電/電歪層61、62、63、64の下面に形
成された内部電極層67、68、69、70と、上面電
極層65に連設されて、内部電極層68、70に接続さ
れた斜面部71と、上面電極層66に連設されて、内部
電極層67、69に接続された斜面部72と、斜面部7
1、72および内部電極層70を一体に覆う絶縁体層7
3と、を備えて構成されている。
【0133】そして、この圧電/電歪素子60は、上下
一対の対向する底面がともに長方形状をなす概ね台形状
の積層体構造を有する。なお、絶縁体層73としては、
圧電/電歪層61などと同一の材料でもよいし、他の材
料を用いてもよい。
【0134】そして、図25に示すように、底面f2の
両側縁は、底面f1の両側縁から等距離だけ内側に位置
し、長さ方向には底面f1と重なるように設定されてい
る。このため、圧電/電歪素子60においては、図25
に示すように、x方向の両側に斜面f3、f4が形成さ
れている。これら一対の斜面f3、f4は、面積の広い
方の底面f1から面積の狭い方の底面f2に向けて互い
に近づく方向へ向けて傾斜している。
【0135】また、上面電極層65は、上面電極層66
に比較して広く設定されている。そして、上面電極層6
5と内部電極層68、70が斜面部71から斜面f4側
へ向けて延伸するように形成されている。また、上面電
極層66に連設されている斜面部72からは、内部電極
層67、69が斜面f3側に向けて延伸するように形成
されている。
【0136】この圧電/電歪素子60では、上面電極層
65と内部電極層67、68、69、70の互いに圧電
/電歪層を介して重なり合う領域が、実効的に電圧印加
領域または電圧検出領域となる。
【0137】この第2の実施の形態に係る圧電/電歪素
子60では、底面f2および斜面f3、f4が絶縁体層
73で覆われている。このため、底面f1の上面電極層
65、66に電圧印加回路または電圧検出回路に接続さ
れる配線が接続されるようになっている。
【0138】この第2の実施の形態に係る圧電/電歪素
子60において、圧電/電歪層61、62、63、64
は、例えばチタン酸ジルコン亜鉛(PZT)などで形成
されている。また、内部電極層67、6869、70お
よび上面電極層65、66ならびに斜面部71、72
は、例えば白金(Pt)などで形成されている。
【0139】この圧電/電歪素子60では、底面f1か
ら底面f2へ向けて積層される圧電/電歪層61、6
2、63、64が幅(x方向の長さ)が漸次短くなるよ
うに設定されている。この結果、圧電/電歪素子60全
体では、上記したように両側部に斜面f3、f4が形成
されている。
【0140】なお、なお、この実施の形態では、圧電/
電歪層61、62、63、64を4層とし、これら圧電
/電歪層を挟む電極層を5層としたが、各層の層数や、
斜面部71、72のそれぞれに接続された内部電極層の
数は、互いに等しくても、等しくなくてもよい。これ
ら、電極層の数は、駆動電圧との関係や、変位度合など
との関係を考慮して設定するものである。このように、
圧電/電歪層の総数を多くすれば、この圧電/電歪素子
60が固定される可動板を駆動する駆動力が増大し、も
って大きな変位を図ることができるとともに、圧電/電
歪素子60の剛性が増すことで、高共振周波数化が図ら
れ、変位動作の高速化が容易に達成できる。
【0141】(圧電/電歪デバイス)図27は、第2の
実施の形態に係る圧電/電歪デバイス70の側面図であ
る。この圧電/電歪デバイス70は、上記した構成の圧
電/電歪素子60の面積が狭い方の底面f2が、可動板
(振動板)71の上に接着剤72を用いて接着されたユ
ニモルフ型に構成されている。この第2の実施の形態に
係る圧電/電歪デバイス70では、可動板71とが略同
じ幅寸法に設定されている。また、可動板71の長さ
は、圧電/電歪素子60の長さより長くなるように設定
されている。なお、可動板71は、可撓性を有し、屈曲
変形によって破損しない程度の機械的強度を有するもの
であればよく、応答性、操作性などを考慮して適宜材料
選択することができる。
【0142】このような圧電/電歪デバイス70におい
て、接着剤72は、可動板71の上面と圧電/電歪素子
60の底面(下面)f2および斜面f3、f4との間に
介在されて圧電/電歪素子60を可動板71の上面に接
着、固定している。特に、圧電/電歪素子60の斜面f
3、f4と可動板71の上面とで形成されるV溝状の空
隙には、接着剤72が充填されている。この結果、圧電
/電歪素子60と接着剤72とがなす形状は、略台形状
もしくは略直方体形状となっている。
【0143】なお、可動板71は、圧電/電歪デバイス
70の駆動に基づいて作動する部分であり、この圧電/
電歪デバイス70の使用目的に応じて種々の部材が取り
付けられる。例えば、この圧電/電歪デバイス70を変
位素子として使用する場合であれば、例えば、光シャッ
タの遮蔽板などが取り付けられる。また、この圧電/電
歪デバイス20をハードディスクドライブの磁気ヘッド
の位置決めやリンギング抑制機構にしようとするのであ
れば、磁気ヘッド、磁気ヘッドを有するスライダ、スラ
イダを有するサスペンションなどの位置決めを必要とす
る部材が取り付けられる。
【0144】また、可動板71は、圧電/電歪素子60
の変位により駆動される部分である。可動板71は、可
撓性を有する部材であって、表面に配設された圧電/電
歪素子60の伸縮変位を屈曲変位として増幅する機能を
有する。したがって、可動板71は可撓性を有し、且つ
屈曲変形によって破損しない程度の機械的強度を有する
ものが選択される。
【0145】この可動板71を構成する材料としては、
ジルコニアをはじめとするセラミックスが好ましい。中
でも安定化ジルコニアを主成分とする材料と部分安定化
ジルコニアを主成分とする材料は、薄肉であっても機械
的強度が大きいこと、靱性が高いこと、圧電/電歪層や
電極材料との反応性が小さいという観点ことからも可動
板71の材料として好ましい。
【0146】また、可動板71を金属材料で構成する場
合には、可撓性を有し、屈曲変形が可能な金属材料であ
ればよいが、鉄系材料としては、各種ステンレス鋼、各
種バネ鋼材で構成することが望ましい。また、非鉄系材
料としては、ベリリウム銅、リン青銅、ニッケル、ニッ
ケル鉄合金などで構成することが望ましい。
【0147】このような構成の圧電/電歪デバイス70
では、圧電/電歪素子60の斜面f3、f4と可動板7
1の上面とで形成されるV溝状の空隙が圧電/電歪素子
60の両側に形成され、この空隙が液状またはペースト
状の接着剤72の液溜めとして機能する。また、この空
隙に保持された接着剤72は、表面張力により塊状を保
持しながら固化する。したがって、接着剤72が圧電/
電歪素子60の上側や可動板71の下側へのはみ出しや
回り込みを抑制することができる。また、可動板71の
上に塗布された接着剤72の量を所定量に設定すること
により、圧電/電歪素子60の斜面f3、f4と可動板
71の上面とで形成されるV溝状の空隙内に過不足なく
充填される。
【0148】そして、圧電/電歪素子60の下面f2の
両側の角部(稜線部)が鈍角となっているため、この角
部は、直角や鋭角をなす角部の強度に比較すると大きな
強度を有する。このように角部の強度を高めた構造とし
たことにより、この圧電/電歪デバイス70では、圧電
/電歪素子60の底面(下面)f2を可動板71の上に
固定したときに、圧電/電歪素子60の振動や外力によ
り角部が損傷や破壊されるのを防止する作用がある。
【0149】さらに、V溝状の空隙に接着剤72が充填
されているため、圧電/電歪素子60と可動板71との
熱膨張差に起因する応力が最大となる圧電/電歪素子端
部付近において、接着剤が低弾性率あることに起因し
て、接着力を保持しつつ応力を緩和して、圧電/電歪素
子60の破壊と、圧電/電歪素子60の可動板71から
の剥離とを防止する作用がある。
【0150】また、面積の広い方の底面f1側に上面電
極層65、66がともに配置されているため(同一平面
上に配置されているため)、これら上面電極層65、6
6に配線を容易に接続することができる。
【0151】このような構成の圧電/電歪デバイス70
を能動デバイスとして用いる場合は、各種トランスデュ
ーサ、各種アクチュエータ、周波数領域機能部品(フィ
ルタ)、トランス、通信用や動力用の振動子や共振子、
発振子、ディスクリミネータなどとして用いることがで
きる。なお、配線としては、フレキシブルプリント回路
体(FPC)、フレキシブルフラットケーブル(FF
C)、ボンディングワイヤなどを用いることが好まし
い。
【0152】また、この圧電/電歪デバイス70を受動
デバイスとして用いる場合は、超音波センサや加速度セ
ンサ、角速度センサや衝撃センサ、質量センサなどとし
て用いることができる。
【0153】このような第2の実施の形態に係る圧電/
電歪デバイス70では、接着剤72が、圧電/電歪素子
60の底面f2と斜面f3、f4とを覆う表面荒さの大
きい絶縁体層73に直接接着するため、金属電極との接
着力に比較して接着力を高めることが可能である。
【0154】また、この圧電/電歪デバイス70では、
圧電/電歪素子60の上面電極層65、66を印刷法で
形成すれば、最も面積の広い底面f1の輪郭をこれら上
面電極層65、66をパターン精度よく形成でき、これ
ら上面電極層65、66を基準として位置決めすること
ができる。このため、可動板71に対して圧電/電歪素
子60を位置精度よく配置、固定することが可能とな
る。
【0155】なお、この第2の実施の形態に係る圧電/
電歪デバイス70では、ユニモルフ型に本発明を適用し
て説明したが、バイモルフ型のデバイスとすることも勿
論可能である。
【0156】(圧電/電歪デバイスの製造方法)以下、
上記した第1および第2の実施の形態の双方に適用する
ことのできる圧電/電歪デバイスの製造方法について図
28〜図33を用いて説明する。
【0157】(A)まず、図28に示すような可動板8
0を用意し、スクリーン印刷法により、図29に示すよ
うに可動板80の所定位置に、接着剤81を塗布する。
【0158】(B)次に、図30および図31に示すよ
うな可動板位置決め治具82に、可動板80を載置す
る。この可動板位置決め治具82は、可動板位置決め基
板83の両側部に一対のガイドピン84、84が立設さ
れている。また、可動板位置決め基板83の中央部に
は、可動板80の2辺に係当して可動板80の位置決め
を行う3つの位置決めピン35が上方へ向けて突設され
ている。
【0159】(C)一方、圧電/電歪素子10を、図3
2に示すような素子位置決め板86にセットする。この
素子位置決め板86には、圧電/電歪素子10を真空吸
引するための複数の吸引口87が設けられている。この
とき、圧電/電歪素子10は、面積の広い方の底面f1
が吸引口87で吸引されるようにセットする。また、こ
の素子位置決め板86には、可動板位置決め治具82と
を組み合わせたときに、ガイドピン84が嵌合するガイ
ド穴88、88が開設されている。さらに、素子位置決
め板86には、可動板位置決め治具82に突設された位
置決めピン35を逃がすための開口部89が形成されて
いる。
【0160】(D)そして、図33に示すように、可動
板位置決め治具82のガイドピン84、84を素子位置
決め板86のガイド穴88、88に挿入して、素子位置
決め板86を可動板位置決め治具82に近接させて、可
動板位置決め治具82上に配置されている可動板80に
圧電/電歪素子10を当接させる。これにより、圧電/
電歪素子10は、可動板80の上に塗布された接着剤8
1により接着、固定される。
【0161】(E)その後、素子位置決め板86の吸引
口87での吸引を停止させた後、素子位置決め板86を
上昇させることにより、圧電/電歪素子10の位置決め
が終了する。
【0162】この後、接着剤の硬化中に圧電/電歪素子
10が移動しないように重しを載せ、例えば熱硬化型一
液エポキシ接着剤であれば、硬化温度に加熱されたオー
ブンの中へ投入し、UV硬化型接着剤であれば、UV
(紫外光)を照射して接着剤を硬化させる。
【0163】なお、上記した圧電/電歪デバイスの製造
方法では、可動板80の一方の表面に圧電/電歪素子1
0を接着する場合であるが、可動板80の両面に圧電/
電歪素子10を接着する場合は、上記方法により可動板
80の一方の表面に圧電/電歪素子10を接着した後、
可動板80を裏返した状態で配置できる他の可動板位置
決め治具を用意して、裏面側に再度圧電/電歪素子10
の接着を行えばよい。
【0164】このような圧電/電歪デバイスの製造方法
において、可動板80に塗布する接着剤81の量、厚み
などを適宜設定しておくことで、図5に示したように接
着剤に過不足のない良好な接着を行うことができる。接
着剤の物性(粘度、チクソトロピー性)にもよるが、接
着剤の塗布位置及び塗布量を精度良く制御できることか
ら、接着剤の塗布方法としては、スクリーン印刷法が好
適に用いられる。
【0165】[その他の実施の形態]上記の本発明の第
1および第2の実施の形態の開示の一部をなす論述およ
び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきで
はない。この開示から当業者には様々な代替実施の形
態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0166】例えば、第1および第2の実施の形態で
は、内部電極層が3層および4層の場合について説明し
たが、1層または2層、さらには5層以上とすることも
可能である。
【0167】上記した圧電/電歪素子10、60は、印
刷法によって製造される場合に、製造上の利点や寸法精
度上ならびに位置精度上の利点があるが、少なくとも底
面の両側部の角部が鈍角であれば印刷法にて製造されな
いものでも強度的な利点を得ることができる。
【0168】また、上記した第1および第2の実施の形
態では、接着剤を圧電/電歪素子と可動板とで形成する
V溝状の空隙に充填する構成としたが、面積の狭い方の
底面のみを接着剤で接着する場合も本発明が適用される
ことは云うまでもない。
【0169】
【発明の効果】本発明によれば、一方の底面から他方の
底面へ向けて漸次狭くなるような概ね台形状であるた
め、他方の底面と、両側の斜面とのなす角度が鈍角とな
り、この他方の底面と両側の斜面とでなす稜線部分の強
度が大きくなるという効果がある。
【0170】また、本発明によれば、他方の底面を可動
板(振動板)の上に接着剤で固定する場合に、可動板と
圧電/電歪素子の両側の斜面とで形成される空隙に接着
剤を充填することができ、圧電/電歪素子を可動板に固
定する力(接着力)をさらに大きくする効果がある。
【0171】さらに、本発明によれば、圧電/電歪素子
の両側の斜面と可動板とで形成される空隙に接着剤を存
在させることができるため、圧電/電歪素子と可動板と
の熱膨張差に起因する応力が働いても、圧電/電歪素子
が可動板から剥離することを防止できるという効果あ
る。
【0172】また、本発明によれば、圧電/電歪層が積
層方向の一方に向けて漸次狭くなるため、印刷法などを
用いて、外部電極層、圧電/電歪層、ならびに内部電極
層を印刷して積層させる場合に、下側に位置する圧電/
電歪層が上側に位置する圧電/電歪層より大きい面積で
あるため、容易に印刷することができる。
【0173】さらに、本発明によれば、両側面部に形成
された外部電極層の両方を、積層体の広い方の底面にそ
れぞれ延設することにより、両方の外部電極層に駆動電
圧を印加するための配線や発生電圧を検出するための配
線などを接続することが容易になる。
【0174】また、本発明によれば、可動板と圧電/電
歪素子の両側面部とで形成される空隙(凹部)が、固化
する前の流動性を有する状態の接着剤に対して、液溜め
部となり、接着剤が圧電/電歪素子の上側に回り込むの
を防止するとともに、圧電/電歪素子の固定力の低下を
抑制することができる。
【0175】さらに、本発明によれば、圧電/電歪厚膜
と第1電極材料層と第2電極材料層とを共に印刷法によ
り形成できるため、搬送ずれや搬送に伴う変形などの悪
影響を受けず、寸法精度および位置精度の高い圧電/電
歪素子を作製することができる。加えて、圧電/電歪厚
膜を搬送して積み重ねる工程が不要となるため、圧電/
電歪厚膜がハンドリングされることがなく、損傷を受け
たり破壊されるのを防止する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る圧電/電歪素
子を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る圧電/電歪素
子の平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る圧電/電歪素
子の底面図である。
【図4】図2のA−A断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る圧電/電歪デ
バイスの側面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る圧電/電歪デ
バイスの平面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る圧電/電歪デ
バイスの用い方を示す側面説明図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る圧電/電歪デ
バイスの変形例1を示す側面説明図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る圧電/電歪デ
バイスの変形例2を示す側面説明図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る圧電/電歪
デバイスの変形例3を示す側面説明図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係る圧電/電歪
デバイスの変形例4を示す側面説明図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態に係る圧電/電歪
素子の製造方法を示す平面図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態に係る圧電/電歪
素子の製造方法を示す側面図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態に係る圧電/電歪
素子の製造方法を示す平面図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態に係る圧電/電歪
素子の製造方法を示す工程断面図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態に係る圧電/電歪
素子の製造方法を示す工程断面図である。
【図17】本発明の第1の実施の形態に係る圧電/電歪
素子の製造方法を示す工程断面図である。
【図18】本発明の第1の実施の形態に係る圧電/電歪
素子の製造方法を示す工程断面図である。
【図19】本発明の第1の実施の形態に係る圧電/電歪
素子の製造方法を示す工程断面図である。
【図20】本発明の第1の実施の形態に係る圧電/電歪
素子の製造方法を示す工程断面図である。
【図21】本発明の第1の実施の形態に係る圧電/電歪
素子の製造方法を示す工程断面図である。
【図22】本発明の第1の実施の形態に係る圧電/電歪
素子の製造方法を示す工程断面図である。
【図23】本発明の第1の実施の形態に係る圧電/電歪
素子の製造方法を示す工程断面図である。
【図24】本発明の第1の実施の形態に係る圧電/電歪
素子の製造方法を示す工程断面図である。
【図25】本発明の第2の実施の形態に係る圧電/電歪
素子の側面図である。
【図26】本発明の第2の実施の形態に係る圧電/電歪
素子の平面図である。
【図27】本発明の第2の実施の形態に係る圧電/電歪
デバイスの側面図である。
【図28】本発明の第2の実施の形態に係る圧電/電歪
デバイスの製造方法を示す平面図である。
【図29】本発明の第2の実施の形態に係る圧電/電歪
デバイスの製造方法を示す平面図である。
【図30】本発明の第2の実施の形態に係る圧電/電歪
デバイスの製造方法に用いる可動板位置決め治具を示す
平面図である。
【図31】本発明の第2の実施の形態に係る圧電/電歪
デバイスの製造方法に用いる可動板位置決め治具を示す
側面図である。
【図32】本発明の第2の実施の形態に係る圧電/電歪
デバイスの製造方法に用いる素子位置決め板を示す平面
図である。
【図33】本発明の第2の実施の形態に係る圧電/電歪
デバイスの製造方法における可動板位置決め治具と素子
位置決め板とを組み合わせた状態を示す側面図である。
【図34】従来の圧電/電歪素子を示す斜視図である。
【図35】従来の圧電/電歪素子の製造工程を示す斜視
図である。
【図36】従来の圧電/電歪素子の積層体を示す斜視図
である。
【図37】従来の圧電/電歪デバイスを示す側面図であ
る。
【図38】従来の圧電/電歪素子の位置決め状態を示す
平面説明図である。
【図39】従来の圧電/電歪デバイスの要部拡大側面図
である。
【符号の説明】
10 圧電/電歪素子 11A、11B、11C、11D 圧電/電歪層 12A、12B、12C 内部電極層 14、15 外部電極層 14A、15A 斜面部 14B、15B 上面部 14C 下面部 16、17 角部 20、20A、20B、20C、20D 圧電/電歪デ
バイス 21 可動板 22 接着剤 31 可動板部 41 セラミックス基板 42 消失皮膜 43A、43B、43C スクリーン 60 圧電/電歪素子 70 圧電/電歪デバイス 71 可動板 72 接着剤 f1、f2 底面 f3、f4 斜面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩本 正樹 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電/電歪層と内部電極層とが交互に積
    層された積層体が概ね台形状をなすように該積層体の相
    対向する両側面部が傾斜して形成され、 前記両側面部のそれぞれに外部電極層が形成され、これ
    ら外部電極層が前記内部電極層に交互に接続されている
    ことを特徴とする圧電/電歪素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の圧電/電歪素子であっ
    て、 前記圧電/電歪層は、積層方向の一方に向けて漸次狭く
    なるように設定されていることを特徴とする圧電/電歪
    素子。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載された圧
    電/電歪素子であって、 前記両側面部に形成された外部電極層は、前記積層体の
    広い方の底面側へ共に延設されていることを特徴とする
    圧電/電歪素子。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の圧電/電歪素子であっ
    て、 一方の前記外部電極層における前記広い方の底面側に延
    設された部分の幅は、他方の前記外部電極層における前
    記広い方の底面側に延設された部分の幅より広く設定さ
    れていることを特徴とする圧電/電歪素子。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2に記載された圧
    電/電歪素子であって、 前記積層方向のいずれか一方の表面が圧電/電歪層であ
    ることを特徴とする圧電/電歪素子。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    された圧電/電歪素子であって、 前記外部電極層に接続されている前記内部電極層の層数
    が、両方の前記外部電極層同士で同じであることを特徴
    とする圧電/電歪素子。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載
    された圧電/電歪素子であって、 前記外部電極層に接続されている前記内部電極層の層数
    が、両方の前記外部電極層で互いに異なることを特徴と
    する圧電/電歪素子。
  8. 【請求項8】 圧電/電歪層と内部電極層とが交互に積
    層された積層体が概ね台形状をなすように該積層体の相
    対向する両側面部が傾斜して形成され、前記両側面部の
    それぞれに外部電極層が形成され、これら外部電極層が
    前記内部電極層に交互に接続された圧電/電歪素子が、 可動板の表面に対して前記積層体の面積の狭い方の底面
    側で接着されていることを特徴とする圧電/電歪デバイ
    ス。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の圧電/電歪デバイスであ
    って、 前記圧電/電歪素子の面積の狭い方の底面と前記可動板
    とが接着剤で接着され、前記両側面部と前記可動板とで
    形成される空隙に前記接着剤が充填されていることを特
    徴とする圧電/電歪デバイス。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の圧電/電歪デバイスで
    あって、 前記圧電/電歪素子と前記接着剤との構造が略台形状も
    しくは略直方体状であることを特徴とする圧電/電歪デ
    バイス。
  11. 【請求項11】 請求項8乃至請求項10のいずれかに
    記載された圧電/電歪デバイスであって、 前記両側面部に形成された外部電極層は、前記積層体の
    広い方の底面に共に延設されていることを特徴とする圧
    電/電歪デバイス。
  12. 【請求項12】 請求項8乃至請求項11のいずれかに
    記載された圧電/電歪デバイスであって、 前記可動板の一方の表面のみに前記圧電/電歪素子が接
    着されていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  13. 【請求項13】 請求項8乃至請求項11いずれかに記
    載された圧電/電歪デバイスであって、 前記可動板の両方の表面に、前記圧電/電歪素子が該可
    動板を挟んで接着されていることを特徴とする圧電/電
    歪デバイス。
  14. 【請求項14】 請求項8乃至請求項13のいずれかに
    記載された圧電/電歪デバイスであって、 前記可動板は、絶縁体であることを特徴とする圧電/電
    歪デバイス。
  15. 【請求項15】 請求項8乃至請求項13のいずれかに
    記載された圧電/電歪デバイスであって、 前記可動板は、導体であることを特徴とする圧電/電歪
    デバイス。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の圧電/電歪デバイス
    であって、 前記可動板は、前記圧電/電歪素子の一方の外部電極層
    と導通していることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の圧電/電歪デバイス
    であって、 前記接着剤が導電性を有し、前記可動板と前記圧電/電
    歪素子の一方の外部電極層とが該接着剤を介して導通し
    ていることを特徴とする圧電/電歪デバイス。
  18. 【請求項18】 圧電/電歪層と内部電極層とが交互に
    積層された積層体が概ね台形状をなすように該積層体の
    相対向する両側面部が傾斜して形成され、前記両側面部
    のそれぞれに外部電極層が形成され、これら外部電極層
    が前記内部電極層に交互に接続された一対の圧電/電歪
    素子同士が、互いに前記積層体の面積の狭い方の底面側
    で接着されていることを特徴とする圧電/電歪デバイ
    ス。
  19. 【請求項19】 請求項8乃至請求項18のいずれかに
    記載された圧電/電歪デバイスであって、 前記外部電極層は、電圧印加回路に接続されていること
    を特徴とする圧電/電歪デバイス。
  20. 【請求項20】 請求項8乃至請求項18のいずれかに
    記載された圧電/電歪デバイスであって、 前記外部電極層は、電圧検出回路に接続されていること
    を特徴とする圧電/電歪デバイス。
  21. 【請求項21】 セラミック基板上に、第1層目の第1
    電極材料層および第2電極材料層を互いに分離するよう
    に印刷し、前記第1電極材料層および前記第2電極材料
    層の互いの対向方向の外側に位置する縁部のみを残し
    て、前記第1電極材料層および前記第2電極材料層を一
    体に覆うように圧電/電歪材料ペーストを用いて圧電/
    電歪厚膜を形成した後、 前記圧電/電歪厚膜の上から、該圧電/電歪厚膜の上面
    および側面に亘って前記第1電極材料層のみに接続する
    第1電極材料層を印刷する工程と、 最上層の前記第1電極材料層の上から、下地の前記圧電
    /電歪厚膜より幅の狭い圧電/電歪ペーストを印刷する
    工程と、 最上層の前記圧電/電歪厚膜の上から、該圧電/電歪厚
    膜の上面および側面に亘って前記第2電極材料層のみに
    接続する第2電極材料層を印刷する工程と、 最上層の前記第2電極材料層の上から、下地の前記圧電
    /電歪厚膜より幅の狭い圧電・電歪ペーストを印刷する
    工程と、を繰り返し、 所定の温度で焼成を行った後、前記セラミック基板から
    焼成体を取り外すことを特徴とする圧電/電歪素子の製
    造方法。
  22. 【請求項22】 請求項21記載の圧電/電歪素子の製
    造方法であって、 前記第1層目の前記第2電極材料層における前記対向方
    向の幅寸法を、前記第1層目の前記第1電極材料層の幅
    寸法より広く設定することを特徴とする圧電/電歪素子
    の製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項21または請求項22に記載さ
    れた圧電/電歪素子の製造方法であって、 前記セラミック基板の上に、焼成によって消失する皮膜
    を形成しておくことを特徴とする圧電/電歪素子の製造
    方法。
  24. 【請求項24】 圧電/電歪層と内部電極層とが交互に
    積層された積層体が概ね形状をなすように該積層体の相
    対向する両側面部が傾斜して形成され、前記両側面部の
    それぞれに外部電極層が形成され、これら外部電極層が
    前記内部電極層に交互に接続された圧電/電歪素子にお
    ける前記積層体の面積の狭い方の底面側を、可動板の表
    面に接着剤を介して接続することを特徴とする圧電/電
    歪デバイスの製造方法。
  25. 【請求項25】 請求項24記載の圧電/電歪デバイス
    の製造方法であって、 前記可動板の両側の表面に前記圧電/電歪素子を接着剤
    を介して接着することを特徴とする圧電/電歪デバイス
    の製造方法。
  26. 【請求項26】 圧電/電歪層と内部電極層とが交互に
    積層された積層体が概ね台形状をなすように該積層体の
    相対向する両側面部が傾斜して形成され、前記両側面部
    のそれぞれに外部電極層が形成され、これら外部電極層
    が前記内部電極層に交互に接続された一対の圧電/電歪
    素子の前記積層体の面積の狭い方の底面側同士を、接着
    剤を介して接合させることを特徴とする圧電/電歪デバ
    イスの製造方法。
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