JP2003033169A - 食酢の製造方法及び食酢 - Google Patents

食酢の製造方法及び食酢

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Hirotaka Mori
浩孝 森
Daiki Kawabata
大樹 川端
Toshikazu Nomura
俊和 野村
Akiko Okamoto
明子 岡本
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Tamanoi Vinegar Co Ltd
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  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 納豆のような大豆もしくはその加工品の納豆
菌処理物を原料として用いながら、プロテアーゼ処理の
ような特別な処理工程を、従来の食酢の製造工程に追加
する必要がなく、アミノ酸含有量が高くて旨味が増強さ
れていて、その一方、納豆独特の臭いがほとんどない食
酢を提供する。 【解決手段】 澱粉質原料及び/又は糖質原料を糖化さ
せ、次いでアルコール発酵させた後、酢酸発酵させて食
酢を製造する方法において、糖化処理は、大豆又は大豆
加工品の納豆菌処理物が加えられている澱粉質原料及び
/又は糖質原料について行われることを特徴とする食酢
の製造方法、又は、澱粉質原料及び/又は糖質原料を糖
化させて得た糖化物に、大豆又は大豆加工品の納豆菌処
理物を加えて再度糖化処理を行った後、アルコール発酵
を行うことを特徴とする食酢の製造方法、及び、これら
の製造方法によって製造された食酢により課題を解決し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は食酢及びその製造
方法に関し、特に、アミノ酸含有量が高く、旨味の強い
食酢及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】食酢は、一般的に、澱粉質原料及び/又
は糖質原料を糖化させ、次いでアルコール発酵させた
後、これを酢酸発酵させて製造されている。
【0003】すなわち、米・麦・酒粕等の穀類、イモ
類、豆類、葡萄・リンゴ等の果汁などの澱粉質原料及び
/又は糖質原料を、必要に応じて加熱し、適宜、麹、酵
素、酵母などを加えて、麹法、酵素法などによって糖化
及び、アルコール発酵を行い、アルコールを含む発酵
液、いわゆるもろみを得、もろみ又はもろみから精製し
た精製アルコールに酢酸菌を含む発酵液、いわゆる種酢
を加え、これらが投入されている発酵桶(タンク)内を
強制通気撹拌する全面発酵法、あるいはこれらを発酵桶
(タンク)内に投入して静置しておく静置発酵法などに
よって酢酸発酵させこれを濾過、殺菌等して醸造酢を得
る製造方法が、伝統的また工業的に行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】食酢は、その殺菌、防
腐効果などにより広く使用されているが、近年は、食酢
による疲労回復効果、減塩効果などが着目され、調味
料、清涼飲料、果実飲料などに益々盛んに使用されるよ
うになっている。
【0005】食酢は、もろみの原料に何を使用している
かに応じてその風味を変えることができるので、近年の
需要の増大に伴い、種々の原料が用いられた種々の風味
の食酢が提供されるようになっている。
【0006】本発明は、このように、種々の原料が使用
され、様々な風味の食酢が提供されるようになる中で、
特に、旨味が増強された食酢を提供することを目的とし
て開発されたものである。
【0007】本願の発明者は、旨味が増強された食酢と
するために、食酢の中のアミノ酸含有量に注目し、アミ
ノ酸含有量のより高い食酢を製造する原料として納豆を
採用することを検討した。
【0008】納豆を原料として使用する食酢について
は、すでに特開平9−154563号に提案されてい
る。特開平9−154563号に提案されている食酢
(納豆酢・大豆酢)及びその製造方法は、大豆もしくは
その加工品の納豆菌処理物(例えば納豆)をプロテアー
ゼ処理した後、エタノールの存在下、種酢を添加し酢酸
菌によって酢酸発酵させることを特徴とするものであ
る。これによって、納豆の特異な臭いはなくて風味がよ
く、酸味はまろやかで旨味が強く、アミノ酸含有量が高
くて、必須アミノ酸のバランスもよい食酢(納豆酢・大
豆酢)を提供し得ることが提案されている。
【0009】しかし、特開平9−154563号に提案
されている食酢(納豆酢・大豆酢)及びその製造方法で
は大豆もしくはその加工品の納豆菌処理物(例えば、納
豆)をプロテアーゼを用いて加水分解処理することが必
須になっていた。
【0010】本発明は、納豆のような大豆もしくはその
加工品の納豆菌処理物を原料として用いながら、プロテ
アーゼ処理のような特別な処理工程を、従来の食酢の製
造工程に追加する必要がなく、アミノ酸含有量が高くて
旨味が増強されていて、その一方、納豆独特の臭いがほ
とんどなくマイルドな酸味を有する食酢を提供すること
を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
にこの発明が提案する食酢の製造方法は、澱粉質原料及
び/又は糖質原料を糖化させ、次いでアルコール発酵さ
せた後、酢酸発酵させて食酢を製造する方法において、
糖化処理は、大豆又は大豆加工品の納豆菌処理物が加え
られている澱粉質原料及び/又は糖質原料について行わ
れることを特徴とするものである。
【0012】また、この発明が提案する他の食酢の製造
方法は、澱粉質原料及び/又は糖質原料を糖化させ、次
いでアルコール発酵させた後、酢酸発酵させて食酢を製
造する方法において、澱粉質原料及び/又は糖質原料を
糖化させて得た糖化物に、大豆又は大豆加工品の納豆菌
処理物を加えて再度糖化処理を行った後、アルコール発
酵を行うことを特徴とするものである。
【0013】前記いずれの製造方法によっても、大豆又
は大豆加工品の納豆菌処理物を原料として用いながら、
その一方で、特別な処理工程を、前述した従来の伝統
的、工業的に行われている食酢の製造方法に追加する必
要なしに、納豆独特の臭いがほとんどなくマイルドな酸
味を有し、なおかつ、独特の風味のよさと、濃厚な旨味
を発揮できる食酢を製造することができる。
【0014】そして、前記課題を解決するためにこの発
明が提案する食酢は、前記いずれかの製造方法で製造さ
れたことを特徴とするものである。
【0015】前記において、澱粉質原料及び/又は糖質
原料を糖化させ、次いでアルコール発酵させた後、酢酸
発酵させて食酢を製造する工程は、本明細書において前
述した伝統的、工業的に行われている食酢の製造方法に
おいて行われている工程と同様に行うことができる。
【0016】そこで、前記において、澱粉質原料、糖質
原料としては、本明細書において前述した伝統的、工業
的に行われている食酢の製造方法において、澱粉質原
料、糖質原料として使用されている米・麦・酒粕等の穀
類、イモ類、豆類、葡萄・リンゴ等の果汁などのいずれ
をも使用することができ、これらの中の、少なくとも一
種以上を、本発明の食酢の製造方法において使用する澱
粉質原料及び/又は糖質原料として用いることができ
る。
【0017】また、前記において、大豆の納豆菌処理物
としては、その代表例として納豆、例えば、市販されて
いる各種の納豆を用いることができる。また、大豆又は
大豆加工品の納豆菌処理物として、大豆や大豆加工品
(例えば、脱脂大豆、脱脂大豆粉、おから、きなこ、大
豆グリッツなどの種々の大豆由来の製品)を蒸煮等の加
熱処理して、あるいは加熱処理することなく、納豆菌
(例えば、市販の納豆菌)を接種し、培養した処理物を
用いることもできる。
【0018】前述した本発明のいずれの食酢の製造方法
においても、澱粉質原料及び/又は糖質原料を用いる
量、大豆又は大豆加工品の納豆菌処理物を用いる量は、
糖化処理、アルコール発酵、酢酸発酵の各工程で使用さ
れる総ての原料の総重量に対して、澱粉質原料及び/又
は糖質原料を7重量%〜35重量%、大豆又は大豆加工
品の納豆菌処理物を3.5重量%〜28重量%とし、か
つ、澱粉質原料及び/又は糖質原料と、大豆又は大豆加
工品の納豆菌処理物の合計重量が、糖化処理、アルコー
ル発酵、酢酸発酵の各工程で使用される総ての原料の総
重量の40%を越えないようにすることが望ましい。
【0019】旨味を増強させるべく、製造された食酢中
におけるアミノ酸含有量を高めることを目的として、使
用する大豆又は大豆加工品の納豆菌処理物の割合を高く
し過ぎると納豆の臭いが強くなり、その一方、少なくし
過ぎると、旨味の増強という面での効果が小さくなって
しまう。また、使用する澱粉質原料及び/又は糖質原料
の量と、使用する大豆又は大豆加工品の納豆菌処理物の
量との関係及び、使用する澱粉質原料及び/又は糖質原
料と、大豆又は大豆加工品の納豆菌処理物の合計重料
と、糖化処理、アルコール発酵、酢酸発酵の各工程で使
用される総ての原料の総重量との関係を考慮しないと、
納豆臭がほとんどせず、マイルドな酸味であって、か
つ、好ましい風味を呈し、旨味が増強されている食酢を
製造することは困難である。
【0020】すなわち、使用する澱粉質原料及び/又は
糖質原料、大豆又は大豆加工品の納豆菌処理物の前述し
たそれぞれの上限及び下限と、澱粉質原料及び/又は糖
質原料と、大豆又は大豆加工品の納豆菌処理物の合計重
量の前述した上限は、大豆又は大豆加工品の納豆菌処理
物を原料として用いながら、その一方で、特別な処理工
程を、前述した従来の伝統的、工業的に行われている食
酢の製造方法に追加する必要なしに、納豆独特の臭いが
ほとんどなくマイルドな酸味を有し、なおかつ独特の風
味のよさと、濃厚な旨味を発揮できる食酢を製造できる
という観点から定められるものである。
【0021】本発明の食酢の製造方法における、大豆又
は大豆加工品の納豆菌処理物が加えられている澱粉質原
料及び/又は糖質原料について行われる糖化処理、澱粉
質原料及び/又は糖質原料について行われる糖化処理、
澱粉質原料及び/又は糖質原料を糖化させて得た糖化物
に大豆又は大豆加工品の納豆菌処理物を加えて再度行わ
れる糖化処理、アルコール発酵、酢酸発酵は、本明細書
において前述した伝統的、工業的に行われている食酢の
製造方法で実施されている要領(いわゆる常法)に従っ
て行われるものである。
【0022】すなわち、本発明の食酢の製造方法におけ
る前記の糖化処理、アルコール発酵、酢酸発酵などにお
けるpH、処置温度、処理時間などの処理条件は、前述
した澱粉質原料及び/又は糖質原料を用いる量、大豆又
は大豆加工品の納豆菌処理物を用いる量(糖化処理、ア
ルコール発酵、酢酸発酵の各工程で使用される総ての原
料の総重量に対して、澱粉質原料及び/又は糖質原料を
7重量%〜35重量%、大豆又は大豆加工品の納豆菌処
理物を3.5重量%〜28重量%とし、かつ、澱粉質原
料及び/又は糖質原料と、大豆又は大豆加工品の納豆菌
処理物の合計重量が、糖化処理、アルコール発酵、酢酸
発酵の各工程で使用される総ての原料の総重量の40%
を越えない)という条件の下で行われるという点を除け
ば、特に限定されるものではなく、前述した伝統的、工
業的に行われている食酢の製造方法で実施されている要
領(いわゆる常法)に従って適宜行うことができる。例
えばいずれの糖化処理であっても、pH2.8〜pH
5.0程度、処理温度30℃〜60℃程度、処理時間2
0時間〜240時間程度の範囲内で、使用する原料、そ
の使用量などに応じて相応しい処理条件を採用すること
ができる。また、アルコール発酵は、pH2.5〜pH
7.0程度、処理時間20時間〜240時間程度の範囲
内で、使用する原料、その使用量などに応じて相応しい
処理条件を採用することができる。更に、酢酸発酵は、
処理温度25℃〜40℃程度、処理時間20時間〜72
0時間程度の範囲内で、使用する原料、その使用量など
に応じて相応しい処理条件を採用することができる。
【0023】以下、本発明の好ましい実施例を説明す
る。
【0024】
【実施例1】澱粉質原料及び/又は糖質原料として生米
を用い、大豆又は大豆加工品の納豆菌処理物として市販
の納豆を用いた場合の実施例である。
【0025】生米75g、市販の納豆150gに水を加
えて蒸煮する。蒸煮後、蒸煮物に麹米75g(米として
75g)を加え、撹拌した後、45℃で、一週間、糖化
を行った。
【0026】得られた糖化物に、生米、麹米、納豆の合
計重量が全体の30%程度になるように水を加え、少量
の酵母を添加し、約30℃で、10日間、アルコール発
酵を行った。
【0027】出来上がったアルコールに酢酸菌膜を移植
し、30℃で、10日間、静置発酵を行い、静置発酵物
を濾過して本発明の食酢を得た。
【0028】
【実施例2】前記実施例1と同様に、澱粉質原料及び/
又は糖質原料として生米を用い、大豆又は大豆加工品の
納豆菌処理物として市販の納豆を用いた実施例である。
【0029】市販の納豆150gを110℃以上で30
分間加熱処理し、これに生米75gと、水とを加えて蒸
煮する。蒸煮後、蒸煮物に麹米75g(米として75
g)を加え、撹拌した後、45℃で、一週間、糖化を行
った。
【0030】得られた糖化物に、生米、麹米、納豆の合
計重量が全体の30%程度になるように水を加え、少量
の酵母を添加し、約30℃で、10日間、アルコール発
酵を行った。
【0031】出来上がったアルコールに酢酸菌膜を移植
し、30℃で、10日間、静置発酵を行い、静置発酵物
を濾過して本発明の食酢を得た。
【0032】前記実施例1と比較すると、大豆又は大豆
加工品の納豆菌処理物としての市販の納豆をあらかじめ
加熱処理してから使用したこの実施例2で製造した食酢
の方が、納豆臭が若干弱まったように感じられ、その
分、爽やかさを増した風味となっていた。
【0033】
【実施例3】澱粉質原料及び/又は糖質原料として生米
を用い、大豆又は大豆加工品の納豆菌処理物として市販
の納豆を用いた場合の実施例である。
【0034】生米75gを常法通り洗米、浸漬、蒸煮す
る。蒸煮後、蒸煮物に水を加えて160gとし、麹米7
5g(米として75g)を加え、撹拌した後、55℃
で、一晩、糖化を行った。
【0035】市販の納豆150g(すなわち、生米と麹
米の合計と同重量の市販の納豆)を前記で得られた糖化
物に加え、撹拌した後、45℃で一週間糖化を行った。
【0036】得られた糖化物に、生米、麹米、納豆の合
計重量が全体の30%程度になるように水を加え、少量
の酵母を添加し、約30℃で、10日間、アルコール発
酵を行った。
【0037】出来上がったアルコールに酢酸菌膜を移植
し、30℃で、10日間、静置発酵を行い、静置発酵物
を濾過して本発明の食酢を得た。
【0038】
【実施例4】前記実施例3と同様に、澱粉質原料及び/
又は糖質原料として生米を用い、大豆又は大豆加工品の
納豆菌処理物として市販の納豆を用いた実施例である。
【0039】生米75gを常法通り洗米、浸漬、蒸煮す
る。蒸煮後、蒸煮物に水を加えて160gとし、麹米7
5g(米として75g)を加え、撹拌した後、55℃
で、一晩、糖化を行った。
【0040】市販の納豆150g(すなわち、生米と麹
米の合計と同重量の市販の納豆)を110℃以上で30
分間加熱処理し、これを前記で得られた糖化物に加え、
撹拌した後、45℃で、一週間、糖化を行った。
【0041】得られた糖化物に、生米、麹米、納豆の合
計重量が全体の30%程度になるように水を加え、少量
の酵母を添加し、約30℃で、10日間、アルコール発
酵を行った。
【0042】出来上がったアルコールに酢酸菌膜を移植
し、30℃で、10日間、静置発酵を行い、静置発酵物
を濾過して本発明の食酢を得た。
【0043】前記実施例3と比較すると、大豆又は大豆
加工品の納豆菌処理物としての市販の納豆をあらかじめ
加熱処理してから使用したこの実施例4で製造した食酢
の方が、納豆臭が若干弱まったように感じられ、その
分、爽やかさを増した風味となっていた。
【0044】
【比較例1】生米75gを常法通り洗米、浸漬、蒸煮す
る。蒸煮後、蒸煮物に水を加えて160gとし、麹米7
5g(米として75g)を加え、撹拌した後、55℃
で、一晩、糖化を行った。
【0045】得られた糖化物に、生米、麹米の合計重量
が全体の15%程度になるように水を加え、少量の酵母
を添加し、約30℃で、10日間、アルコール発酵を行
った。出来上がったアルコールに酢酸菌膜を移植し、3
0℃で、10日間、静置発酵を行い、静置発酵物を濾過
して食酢を得た。
【0046】
【試験例1】実施例1で製造された食酢についてその成
分を分析した。
【0047】ケルダール法により、食酢中の全窒素及び
ホルモール体窒素を分析したところ、それぞれ378m
g/ml、182mg/mlであった。この分析結果
は、本発明の製造方法によって製造された食酢のアミノ
酸量が豊富である可能性を示すものである。
【0048】次に、高速液体クロマトグラフ法により、
実施例1で製造された食酢についてアミノ酸含有量(可
食部100mlあたりのアミノ酸含有量)を分析したと
ころ、下記の表1の結果を得た。対照として従来の製造
方法によるアルコール酢、米酢、玄米酢のアミノ酸含有
量(可食部100mlあたりのアミノ酸含有量)を表1
に併記する。この従来の製造方法によるアルコール酢、
米酢、玄米酢のアミノ酸含有量は、「酢の科学」(朝倉
書店 飴山實・大塚滋編 1990年)の第183頁に
掲載されているものである。
【0049】
【表1】
【0050】表1記載の分析結果より、本発明の製造方
法によって製造された食酢のアミノ酸含有量は、本発明
以外の従来の製造方法による食酢(アルコール酢、米
酢、玄米酢)のアミノ酸含有量の10〜20倍以上であ
ることがわかる。
【0051】
【試験例2】実施例1、3、比較例1で製造された食酢
について、それぞれ、納豆臭、風味、旨味についてパネ
ラー10名によって比較試験を行った。
【0052】納豆臭については、パネラー全員が実施例
1、3、比較例1で製造された食酢のいずれについても
納豆臭を特に感じなかったとの評価を下した。
【0053】風味については、実施例1、3で製造され
た食酢について、パネラー全員が若干の納豆の風味を感
ずるが、かえって、この若干の納豆の風味が好ましく感
じられるとの評価を下した。
【0054】旨味については、パネラー全員が実施例
1、3で製造された食酢の方が、比較例1で製造された
食酢よりも強い旨味を感じるとの評価を下した。
【0055】更に、実施例1、実施例3で製造された食
酢を各種調味料に添加し、実施例1、実施例3で製造さ
れた食酢を添加する前の各種調味料と、添加後の各種調
味料とを前記のパネラー10名で比較したところ、いず
れのパネラーも、実施例1、実施例3で製造された食酢
の添加によって塩味が増強されたとの評価を下した。こ
のことから、本発明の食酢を使用することによって食塩
の使用量を減らすことが可能になり、調味料の減塩を図
ることができる。
【0056】以上、本発明の好ましい実施例を説明した
が、各実施例における原材料、使用材料、処理条件など
は本発明が理解できる程度に好ましい原材料、使用材
料、処理条件を例示したものにすぎない。したがって、
本発明は前記の実施例の形態に限定されず、特許請求の
範囲の記載から把握される技術的範囲において種々の形
態に変更可能である。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、従来の伝統的又は工業
的な醸造酢の製造方法をほとんどそのまま使用したま
ま、アミノ酸含有量が高く、旨味が増強された食酢を簡
単に製造することができる。
【0058】本発明によれば、アミノ酸含有量を高める
べく原料の一部に、納豆などの、大豆又は大豆加工品の
納豆菌処理物を使用し、その一方で、特別な処理工程を
従来の伝統的、工業的に行われている食酢の製造方法に
追加していないにもかかわらず、納豆独特の臭いがほと
んど無く、納豆が苦手な人でも、納豆に含まれる有効成
分を手軽に摂取できる食酢を提供することができる。
【0059】このように、本発明の食酢は、好ましく感
じられる独特の風味を有し、従来の食酢に比較して増強
された旨味を呈するので、ドレッシング、たれ、つゆ、
ぽんず、粉末調味料、すし酢、レトルト食品、スープ
類、インスタント食品等の加工食品の風味づけ、旨味の
付与などに非常に有効である。
【0060】更に、本発明の食酢を各種調味料に添加す
ると塩味が増加されるので、本発明の食酢を使用するこ
とによって、調味料に使用される食塩の使用量を減らす
という効果、すなわち減塩効果を期待することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野村 俊和 奈良県大和郡山市西町100番地 タマノイ 酢株式会社中央研究所内 (72)発明者 岡本 明子 奈良県大和郡山市西町100番地 タマノイ 酢株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4B028 BC03 BL10 BL38 BP05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 澱粉質原料及び/又は糖質原料を糖化さ
    せ、次いでアルコール発酵させた後、酢酸発酵させて食
    酢を製造する方法において、糖化処理は、大豆又は大豆
    加工品の納豆菌処理物が加えられている澱粉質原料及び
    /又は糖質原料について行われることを特徴とした食酢
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 澱粉質原料及び/又は糖質原料を糖化さ
    せ、次いでアルコール発酵させた後、酢酸発酵させて食
    酢を製造する方法において、澱粉質原料及び/又は糖質
    原料を糖化させて得た糖化物に、大豆又は大豆加工品の
    納豆菌処理物を加えて再度糖化処理を行った後、アルコ
    ール発酵を行うことを特徴とした食酢の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の製造方法で製造さ
    れたことを特徴とする食酢。
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