JP6208495B2 - 酒精含有調味料及びその製造方法 - Google Patents
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(1)トマトエキスと、α化米またはみりん粕のいずれか一方と、糖化酵素と、食塩を含有する混合液を、酵母で発酵させてなることを特徴とする酒精含有調味料、
(2)トマトエキスの添加量が10〜20%(w/v)である上記(1)記載の混合液を、酵母で発酵させてなることを特徴とする上記(1)記載の酒精含有調味料、
(3)α化米またはみりん粕のうちいずれか一方の添加量が10〜22%(w/v)である上記(1)記載の混合液を、酵母で発酵させてなることを特徴とする上記(1)または(2)のいずれかに記載の酒精含有調味料、
(4)トマトエキス10〜20%(w/v)と、α化米またはみりん粕のうちいずれか一方を10〜22%(w/v)と、糖化酵素と、食塩を含有する混合液を、酵母で発酵させることを特徴とする酒精含有調味料の製造方法、
に関する。
本発明の酒精含有調味料とは、つゆ・たれ等の日本食の調理に汎用される清酒、みりんのように、コンソメスープのような洋食の風味付けに適した、酒精を含有する発酵調味料である。
具体的には、本発明の酒精含有調味料は、α化米またはみりん粕に、トマトエキス、あるいは、その濃縮物と、糖化酵素、食塩を加えた混合液を酵母で発酵させて得られ、コンソメスープ等の洋食の調味料として好適な、トマトの風味を持つ酒精含有調味料である。
なお、トマトエキスの濃縮物等を、本発明の酒精含有調味料の製造に用いる場合は、トマトエキスの濃縮物のBrix値に基づく濃縮倍率に応じて、濃縮物を水等でトマトエキスと同程度のBrix値まで希釈して用いることが好ましい。
また、酵母で発酵させる前の混合液の製造において、トマトエキス、糖類、食塩、pH調整剤、酒造用糖化酵素、及び、α化米またはみりん粕等を配合する場合、製造の効率、あるいは、製造設備等により配合の順番を適宜変更することができる。例えば、酵母による発酵時間を短縮するために、α化米またはみりん粕に酒造用糖化酵素を添加して、十分に糖化してから、他の原料を配合して発酵させることができる。
(トマト搾汁及びトマトエキスの製造)
トマト搾汁の製造は、市販のトマトペースト(デコム社製)7500Kgに水25トンを加えてマイルダー(MDN303V−C型:荏原製作所社製)を用いて1000rpmで破砕処理した後、マイルダー処理したトマトペースト希釈液のBrixを6に調製して、トマト搾汁を得た。
α化米としては、市販のα化米であるパフゲン(キッコーマン食品社製)を用いた。
みりん粕は、一般的なみりん製造法によって得られたものを使用した。すなわち、炊飯米と米麹と焼酎を混合した後、常法により糖化・発酵し、次いで、濾布濾過により固液分離して得られるみりん粕(流山キッコーマン社製)を用いた。
トマトエキス、α化米またはみりん粕、液糖(ぶどう糖液:昭和産業社製)、食塩、酒造用糖化酵素、清酒用酵母培養液を配合した酵母発酵前の混合液は、表1及び2に示す配合割合で作製した。すなわち、容量200mlのステンレス製容器に、α化米またはみりん粕、液糖、食塩、糖化酵素、スターターである酵母培養液(酵母菌数105〜107個/g)を添加した混合液を作成した。さらに、トマトエキスを配合してから水を加えて、容量を100mlとして、酵母発酵前の混合液を得た。次いで、該混合液を30℃で6日間攪拌しながら発酵させた後、常法により小型圧搾機(超小型テスト圧濾圧搾機240型:NSKエンジニアリング社製)を用いて固液分離して、本発明の酒精含有調味料を製造した。また、トマトエキスに変えてトマト搾汁と、みりん粕を用いて、上記と同様に酵母で発酵させることで、トマト搾汁を原料とした酒精含有調味料を製造した。
なお、スターターの酵母培養液は、市販の清酒用酵母(きょうかい酵母、公益財団法人日本醸造協会製)を、一般的な酵母用培養液(酵母エキス10g、ポリペプトン20g、グルコース20gを1Lに溶解して滅菌した混合液)に接種して、30℃で24時間培養して準備した。
酵母発酵前のα化米またはみりん粕を配合した混合液の糖度は、糖度計(SMART−1:アタゴ社製)を用いて、Brix値として測定した。
一般的に、調味料に含まれる各種アミノ酸は、調味料の旨味成分であり、アミノ酸量が多い場合、旨味や風味が強くなることが知られている。そこで、酒精含有調味料の旨味成分の指標としてアミノ酸度を測定した。アミノ酸度の測定は、国税庁所定分析法の清酒のアミノ酸測定法を用いた。
酒精含有調味料に含まれるアルコール濃度は、酒類用振動密度計(DA−105:京都電子工業社製)を用いて、測定した。
本発明の酒精含有調味料のトマトの香りは、該調味料を、100mlのビーカーに50ml採取し、数回攪拌した後、香りの強さを評価した。トマトの香りが強い場合を評点5として、やや強い場合を4、どちらともいえない場合を3、やや弱い場合を2、弱い場合を1とする5段階で評価した。5名のパネルの平均評点において、3.0以上を○、1.0以上〜3.0未満を△、1.0未満を×とした。
また、該調味料の旨味は、調味液を5mlスプーンに取り、口に含んで評価した。すなわち、α化米またはみりん粕を除いて、トマトエキス、液糖、食塩、酒造用糖化酵素の混合液を清酒用酵母で発酵した表1の比較例1を対象として、旨味が比較例1より、強い場合を評点5として、やや強い場合を4、どちらともいえない場合を3、やや弱い場合を2、弱い場合を1とする5段階で評価した。5名のパネルの平均評点において、3.0以上を○、1.0以上〜3.0未満を△、1.0未満を×とした。
アミノ酸度の評価は、アミノ酸度が2.5以上を○、1.5以上〜2.5未満を△、1.5未満を×とし、さらに、アルコール濃度の評価は、アルコール濃度が5%以上を○、4%以上〜5%未満を△、4%未満を×とした。
酒精含有調味料の総合評価は、上記の評価項目のすべてが○の場合を○、ひとつでも△がある場合は△、ひとつでも×がある場合を×とした。
みりん粕を原料として用いた場合の結果を表1、α化米を原料として用いた場合の結果を表2に示した。
(α化米またはみりん粕を用いた酒精含有調味料の製造)
トマトエキス、及び、α化米またはみりん粕、液糖(ぶどう糖液:昭和産業社製)、食塩、酒造用糖化酵素、清酒用酵母培養液を配合した混合液は、表3に示す配合割合で作成した。すなわち、容量200mlのステンレス製容器に入れたトマトエキス、液糖、食塩、酒造用糖化酵素、スターターである酵母培養液(酵母菌数105〜107個/g)を添加した混合液に、α化米またはみりん粕を加えた後、水で容量を100mlとした酵母発酵前の混合液を作製した。次いで、該混合液を30℃で6日間攪拌しながら発酵させた後、常法により小型圧搾機(超小型テスト圧濾圧搾機240型:NSKエンジニアリング社製)を用いて固液分離して、本発明の酒精含有調味料を製造した。アミノ酸度、アルコール濃度の分析及び官能評価は、実施例1と同様に行った。
結果を表3に示した。
試験例5、及び、試験例14に記載の酒精含有調味料を用いて、コンソメスープを表4の配合で調理した後、コンソメスープのトマトの香りと旨味を評価した。比較として、トマトエキス、米麹、液糖、食塩、酒造用糖化酵素の混合液を清酒用酵母で発酵させた表1の比較例2に示す米麹を用いて製造した米麹由来酒精含有調味料、及び、試験例5、及び、試験例14に記載の配合により、トマトエキスを除いて酵母発酵させて作成した発酵液に、試験例5と試験例14に記載のトマトエキスと同じ量のトマトエキスを混合した酒精含有調味料(比較例3、及び、比較例4)を用いてコンソメスープを作製した。次いで、コンソメスープのトマトの香りの強さとスープの旨味を評価した。
旨味は、コンソメスープを5mlスプーンに取り、口に含んで評価した。旨味が強い場合を評点5として、やや強い場合を4、どちらともいえない場合を3、やや弱い場合を2、弱い場合を1とする5段階で評価した。5名のパネルの平均評点において、3.0以上を○、1.0以上〜3.0未満を△、1.0未満を×とした。
結果を、表4に示した。
一方、トマトエキスに、α化米またはみりん粕を配合して、清酒用酵母で発酵させた本発明の酒精含有調味料を利用して調理したコンソメスープでは、原料のトマトの香りが立ち、また、旨味が豊かなコンソメスープが調理できることがわかり、洋食の調理に適した酒精含有調味料であることがわかった。
Claims (4)
- トマトエキスと、α化米またはみりん粕のうちいずれか一方と、糖化酵素と、食塩を含有する混合液を、酵母で発酵させた発酵物であることを特徴とする酒精含有調味料。
- トマトエキスの添加量が10〜20%(w/v)である請求項1記載の混合液を、酵母で発酵させた発酵物であることを特徴とする請求項1記載の酒精含有調味料。
- α化米またはみりん粕のうちいずれか一方の添加量が10〜22%(w/v)である請求項1記載の混合液を、酵母で発酵させた発酵物であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の酒精含有調味料。
- トマトエキス10〜20%(w/v)と、α化米またはみりん粕のうちいずれか一方を10〜22%(w/v)と、糖化酵素と、食塩を含有する混合液を、酵母で発酵させることを特徴とする酒精含有調味料の製造方法。
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