JP2003029037A - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents
光学フィルムの製造方法Info
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Abstract
力に依ることなく、液晶材料を配向させて、光学フィル
ムを製造する方法を提供すること。 【解決手段】 配向処理が施されていない、面内位相差
50nm以下の高分子フィルム上に、サーモトロピック
液晶性化合物を含有しかつ液晶状態においてコレステリ
ック液晶相を呈する溶液を、塗布し、配向させた後、硬
化させることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
Description
向を固定化したコレステリック液晶フィルムを備えた光
学フィルムの製造方法に関する。
には、一般には、液晶を一定の配列に並べて分子配向さ
せる必要がある。これは電場・磁場・せん断応力あるい
は界面などの外場の影響により変化する。そして、この
配向変化に由来する光制御機能を利用して、各種光電子
産業用途への応用展開がなされている。たとえば、液晶
材料は、光学フィルムとして賞用されている。
く分けると次の二つの方法がある。 (1)配向膜を設けた基材に液晶材料を塗布することで
液晶の配向状態を制御する方法。(2)延伸高分子フィ
ルム上に液晶材料を塗布し、延伸方向にそって配向させ
る方法(たとえば、特開平3−9325号公報等)。こ
れらの方法はいずれも基材に施した配向処理による配向
規制力を利用する方法である。
基材をラビング処理したラビング配向膜を用いる方法が
ある。この方法ではラビングによる配向処理時にケバ立
ちが発生する問題がある。また、前記配向方法(1)と
しては、基材上に配向剤により配向膜を設ける方法があ
るが、この方法では配向膜を基材に設ける際に異物が混
入する問題や、配向膜を設ける層の分だけ全体の厚みが
厚くなるなどの問題がある。
る延伸高分子フィルムが得られる光学フィルムの光学特
性に影響を及ぼす場合がある。これらの影響を考慮する
と、得られる光学フィルムをそのままフィルム化するこ
とが不可能であり、得られた光学フィルムは他の基材に
転写する必要がある。その際、基材として使用した延伸
高分子フィルムは産廃となり、材料コスト・製造コスト
・プロセスの全ての面において無駄が生じる。転写を行
う際には、異物の混入・面荒れ・ムラ・傷付があり、こ
れらも光学フィルムの光学特性に悪影響を及ぼす。また
フィルムを多層化する際には各層毎に転写が必要となる
ため上記のような光学特性への悪影響が考えられフィル
ムの多層化が困難である。また、配向規制を行う際の面
内のバラツキが、面内に配向のムラとして生じる。さら
には、転写を行う際には、基材と光学フィルムの密着に
必要な粘着層または接着層により全体の厚みが厚くなる
などの問題もある。
向規制力を必要とする方法であるため、配向領域が大面
積化した場合には配向制御が困難であったり、得られる
光学フィルムを転写する必要がある等の不都合を有して
いる。すなわち、液晶材料の配向を高度に制御し、固定
化する技術は確立しているとはいい難い。
や延伸高分子フィルムによる配向規制力に依ることな
く、液晶材料を配向させて、光学フィルムを製造する方
法を提供することを目的とする。
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す製造
方法により前記目的を達成できることを見出し本発明を
完成するに至った。
いない、面内位相差50nm以下の高分子フィルム上
に、サーモトロピック液晶性化合物を含有しかつ液晶状
態においてコレステリック液晶相を呈する溶液を、塗布
し、配向させた後、硬化させることを特徴とする光学フ
ィルムの製造方法、に関する。
0nm以下の未延伸高分子フィルムにコレステリック液
晶相を呈する液晶材料を塗布し、加熱、硬化するだけ
で、優れた配向性を示す光学フィルムが得られる。光学
フィルムの生産段階において、ラビング処理や配向剤に
より配向膜を形成する配向処理工程を省けるため、材料
コスト・製造コスト・プロセスを節約できる。また未延
伸高分子フィルムを基材として用いるため光学フィルム
への光学特性の影響を無視でき、製造後の他の基材への
転写の必要がなくなる。また、配向処理層、粘着層が不
要であり薄層化が図れる。このように配向して得られた
コレステリック液晶相は、均一・透明で極めて優れた光
学的性質を持ったものである。
内位相差50nm以下であり、面内位相差が50nmを
超えると良好な配向性のコレステリック液晶相が得られ
ない。前記面内位相差は生産性の理由から、好ましくは
20nm以下であり、さらに好ましくは10nm以下で
ある。
m)の未延伸高分子フィルムのフィルムの厚さ方向の軸
に対して垂直方向に延び、かつこのフィルムの厚み内に
含まれる複数の軸に沿った屈折率のうち最大値を示す方
向に延びる軸を主軸とし、この主軸方向の屈折率をn
x、この主軸と厚さ方向の軸の双方に垂直な軸に沿った
方向の屈折率をnyとしたとき、 面内位相差:Δnd=(nx−ny)×d で表される。
ーモトロピック液晶性化合物として、たとえば、重合性
液晶モノマーが用いられる。
ーモトロピック液晶性化合物として、たとえば、液晶ポ
リマーが用いられる。
ーモトロピック液晶性化合物として、たとえば、重合性
液晶モノマーと液晶ポリマーの混合物が用いられる。
り配向後に紫外線照射により架橋硬化させる方法、液晶
ポリマーは塗布後、加熱等により配向後に冷却硬化する
ことで光学フィルムを形成するができる。
液晶状態においてコレステリック液晶相を呈する溶液
が、サーモトロピック液晶性化合物とカイラル剤を含有
し、その合計に対して、カイラル剤を7重量%以上含有
してなり、下記式で表されるねじり力: ねじり力=1/{コレステリック液晶相の選択反射波長
(nm)×カイラル剤重量比(重量%)} が、1×10-6以上になるよう調整されていることが好
ましい。
10-6以上であるのが好ましく、さらには1×10-5以
上、1×10-4以上であるのがコストの面からより好ま
しい。またこのカイラル剤の重量は、サーモトロピック
液晶性化合物に対して7重量%以上であるのが好まし
く、特に7. 5〜17重量%であると非常に優れた光学
特性を示すためより好ましい。
m以下の高分子フィルムは、表面ラビング処理や配向剤
により配向膜の形成等の配向処理が施されておらず、ま
た延伸配向処理が施されていないものである。
下であり、配向させる温度で変化しないものであれば特
に制限はない。たとえば、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリ
マー、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース
等のセルロース系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマ
ー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー
等の透明ポリマーからなるフィルムがあげられる。また
ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等
のスチレン系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィ
ン、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン系ポ
リマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリ
アミド等のアミド系ポリマー等の透明ポリマーからなる
フィルムもあげられる。さらにイミド系ポリマー、スル
ホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポ
リエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレン
スルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、
塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマ
ー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリ
マー、エポキシ系ポリマーや前記ポリマーのブレンド物
等の透明ポリマーからなるフィルムなどもあげられる。
これらプラスチックフィルム厚さは、通常、10〜10
00μm程度である。
フィルムとして用いられるトリアセチルセルロース、ノ
ルボルネン構造を有するノルボルネン系ポリオレフィン
等のプラスチックフィルムが賞用される。これらプラス
チックフィルムは光学異方性が非常に小さいため、プラ
スチックフィルム上に前記液晶性化合物を配向し形成さ
れた光学フィルム層は、当該光学フィルム層を別のプラ
スチックフィルムヘ転写することなく、そのままコレス
テリック配向位相差フィルムとして選択反射板等の光学
フィルムに用いることができる。
呈する溶液は、サーモトロピック液晶性化合物を含有し
てなり、液晶状態においてはコレステリック液晶相を呈
するものであれば特に制限はない。前記サーモトロピッ
ク液晶性化合物としては、重合性液晶モノマーおよび/
または液晶ポリマーがあげられる。
ば、ネマティック液晶性モノマーがあげられる。これら
ネマティック液晶性モノマーには液晶状態においてコレ
ステリック液晶相を呈するように、コレステリック液晶
性モノマーやカイラル剤が配合される。
クリロイル基、メタクリロイル基等の重合性官能基を有
し、これに環状単位等からなるメソゲン基を有するもの
があげられる。また重合性官能基として、アクリロイル
基、メタアクリロイル基等を2つ以上有するものを用い
て架橋構造を導入して耐久性を向上させることもでき
る。メソゲン基となる前記環状単位としては、たとえ
ば、ビフェニル系、フェニルベンゾエート系、フェニル
シクロヘキサン系、アゾキシベンゼン系、アゾメチン
系、アゾベンゼン系、フェニルピリミジン系、ジフェニ
ルアセチレン系、ジフェニルベンゾエート系、ビシクロ
へキサン系、シクロヘキシルベンゼン系、ターフェニル
系等があげられる。なお、これら環状単位の末端は、た
とえば、シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲ
ン基等の置換基を有していてもよい。
ネマティック液晶性モノマー等の配向を乱さないもので
あれば特に制限されない。カイラル剤は液晶性を有して
いてもよく液晶性を有しなくてもよいが、コレステリッ
ク液晶性を示すものを好ましく使用できる。カイラル剤
は反応性基を有するもの、有しないもののいずれも使用
できるが、硬化して得られるコレステリック液晶配向フ
ィルムの耐熱性、耐溶剤性の点では反応性基を有するも
のが好ましい。反応性基としては、たとえば、アクリロ
イル基、メタアクリロイル基、アジド基、エポキシ基な
どがあげられる。
レステリック性の液晶配向を示す主鎖型、側鎖型または
これらの複合型の各種骨格の液晶ポリマーを使用でき
る。液晶ポリマーは、液晶状態においてコレステリック
液晶相を呈するように、液晶ポリマー中にカイラル成分
を導入することにより調製することができる。また、液
晶ポリマーとしてネマチック系液晶ポリマーを用い、液
晶状態においてコレステリック液晶相を呈するように、
これにカイラル剤を含有させることができる。
位等からなるメソゲン基を結合した構造を有する縮合系
のポリマー、たとえば、ポリエステル系、ポリアミド
系、ポリカーボネート系、ポリエステルイミド系などの
ポリマーがあげられる。メソゲン基となる前記芳香族単
位としては、フェニル系、ビフェニル系、ナフタレン系
のものがあげられ、これら芳香族単位は、シアノ基、ア
ルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基等の置換基を有し
ていてもよい。
リレート系、ポリメタクリレート系、ポリシロキサン
系、ポリマロネート系の主鎖を骨格とし、側鎖に環状単
位等からなるメソゲン基を有するものがあげられる。メ
ソゲン基となる前記環状単位としては、たとえば、ビフ
ェニル系、フェニルベンゾエート系、フェニルシクロヘ
キサン系、アゾキシベンゼン系、アゾメチン系、アゾベ
ンゼン系、フェニルピリミジン系、ジフェニルアセチレ
ン系、ジフェニルベンゾエート系、ビシクロへキサン
系、シクロヘキシルベンゼン系、ターフェニル系等があ
げられる。なお、これら環状単位の末端は、たとえば、
シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基等の
置換基を有していてもよい。
いずれのメソゲン基も屈曲性を付与するスペーサ部を介
して結合していてもよい。スペーサー部としては、ポリ
メチレン鎖、ポリオキシメチレン鎖等があげられる。ス
ペーサー部を形成する構造単位の繰り返し数は、メソゲ
ン部の化学構造により適宜に決定されるがポリメチレン
鎖の繰り返し単位は0〜20、好ましくは2〜12、ポ
リオキシメチレン鎖の繰り返し単位は0〜10、好まし
くは1〜3である。
が重量平均分子量に基づき2千〜10万程度のものが好
ましい。液晶ポリマーの重量平均分子量が大きくなる
と、液晶としての配向性が乏しくなって液晶ポリマーが
均一な配向状態を形成しにくくなる傾向があることから
ことから、液晶ポリマーの重量平均分子量は、5万以下
とするのがより好ましい。また、液晶ポリマーの重量平
均分子量が小さくなると非流動層としての成膜性に乏し
くなる傾向があることから、液晶ポリマーの重量平均分
子量は、2.5千以上とするのがより好ましい。
相を呈する溶液は、サーモトロピック液晶性化合物とし
て、重合性液晶モノマーおよび/または液晶ポリマーを
含有するが、サーモトロピック液晶性化合物として重合
性液晶モノマーを含有する場合には、通常、光重合開始
剤を含有する。光重合開始剤は各種のものを特に制限な
く使用できる。光重合開始剤としては、たとえば、チバ
スペシャリフィケミカルズ社製のイルガキュア(Irg
acure)907,同184、同651、同369な
どを例示できる。光重合開始剤の添加量は、サーモトロ
ピック液晶性化合物の配向性を乱さない程度に加えられ
る。通常、重合性液晶モノマー100重量部に対して、
0.5〜30重量部程度が好ましい。特に3〜15重量
部が好ましい。
する溶液を調製する際に用いられる溶媒としては、通
常、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、
テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロ
ロエチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素
類、フェノール、パラクロロフェノールなどのフェノー
ル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼ
ン、1,2−ジメトキベンゼンなどの芳香族炭化水素
類、その他、アセトン、酢酸エチル、tert−ブチル
アルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエ
チレングリコール、エチレンブリコールモノメチルエー
テル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチル
セルソルブ、ブチルセルソルブ、2−ピロリドン、N−
メチル−2−ピロリドン、ピリジン、トリエチルアミ
ン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニト
リル、ブチロニトリル、二硫化炭素などを用いることが
できる。溶液の濃度は、サーモトロピック液晶性化合物
の溶解性や最終的に目的とする光学フィルムの膜厚に依
存するため一概には言えないが、通常3〜50重量%、
好ましくは7〜30重量%の範囲である。
を塗工する方法としては、例えば、ロールコート法、グ
ラビアコート法、スピンコート法、バーコート法などを
採用することができる。溶液の塗工後、溶媒を除去し、
基板上に液晶層を形成させる。溶媒の除去条件は、特に
限定されず、溶媒をおおむね除去でき、液晶ポリマー層
または液晶性組成物層が流動したり、流れ落ちたりさえ
しなければ良い。通常、室温での乾燥、乾燥炉での乾
燥、ホットプレート上での加熱などを利用して溶媒を除
去する。液晶層の厚みは1〜10μm程度とするのが好
ましい。
た液晶層を液晶状態とし、コレステリック配向させる。
たとえば、液晶層が液晶温度範囲になるように熱処理を
行う。熱処理方法としては、上記の乾燥方法と同様の方
法で行うことができる。熱処理温度は、サーモトロピッ
ク液晶性化合物と高分子フィルムの種類により異なるた
め一概には言えないが、通常60〜300℃、好ましく
は70〜200℃の範囲において行う。また熱処理時間
は、熱処理温度および使用するサーモトロピック液晶性
化合物や高分子フィルムの種類によって異なるため一概
には言えないが、通常10秒〜2時間、好ましくは20
秒〜30分の範囲で選択される。
としては、熱処理後のコレステリック配向液晶フィルム
を、熱処理操作における加熱雰囲気中から、室温中に出
すことによって行うことができる。また空冷、水冷など
の強制冷却を行ってもよい。前記コレステリック液晶配
向層は、サーモトロピック液晶性化合物のガラス転移温
度以下に冷却することにより配向が固定化される。
合性液晶モノマーを含有している場合には、このように
固定化されたコレステリック液晶配向層に対して、光照
射を行い光重合性液晶化合物を重合または架橋させて光
重合性液晶化合物を固定化して、耐久性を向上したコレ
ステリック配向液晶フィルムを得る。光照射は、たとえ
ば、紫外線照射により行う。紫外線照射条件は、十分に
反応を促進するために、不活性気体雰囲気中とすること
が好ましい。通常、約80〜160mW/cm 2 の照度
を有する高圧水銀紫外ランプが代表的に用いられる。メ
タハライドUVランプや白熱管などの別種ランプを使用
することもできる。なお、紫外線照射時の液晶層表面温
度が液晶温度範囲内になるように、コールドミラー、水
冷その他の冷却処理あるいはライン速度を速くするなど
して適宜に調整する。
フィルム(光学フィルム)が得られる。こうして得られ
た光学フィルムは、基板ある高分子フィルムから剥離す
ることなく用いられる他、基板から剥離して用いてもよ
い。
択反射フィルムが挙げられる。選択反射フィルムは可視
光領域の一部に選択反射波長帯域を有し、当該選択反射
波長帯域はカイラル剤の使用量を適宜に調整することに
より変更できる。なお、選択反射フィルムの選択反射波
長帯域を、可視光領域全体に広げる方法としては、カイ
ラル剤の添加量を変えて作製した複数の選択反射フィル
ムを積層する方法と、得られた選択反射フィルム上に異
なる選択反射波長帯域を有する液晶性組成物溶液を重ね
て塗工する方法がある。前記選択反射フィルムに位相差
フィルムを積層するとコレステリック偏光子が得られ
る。また、得られた光学フィルム(液晶配向フィルム)
は上記選択反射フィルム以外に位相差フィルム(光学補
償フィルム)、ねじれ位相差フィルム、傾斜位相差フィ
ルムなどとして使用される。
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
性のネマティック液晶性化合物(ジアクリロイル基を有
するフェニルエステル化合物)92重量部とカイラル剤
(具体的には:環状カイラル構造を有するジアクリルロ
イル化合物)8重量部および光重合開始剤(チバスペシ
ャリフィケミカルズ社製,イルガキュア907)5重量
部をトルエン20重量部に溶解した溶液を調製した。
5nm、厚み方向位相差(Rth)50nmである高分子
フィルム(TAC:トリアセチルセルロース)を用い
た。
高分子フィルム上にアプリケーターにより塗工した。次
いで、90℃で1分間熱処理後、その後室温まで一気に
冷却することにより、前記液晶層をコレステリック配向
させ、かつ配向を維持したままガラス化しコレステリッ
ク配向液晶層(2μm)を固定化した。さらに、固定化
したコレステリック配向液晶層に紫外線を照射すること
により完全透明で平滑なコレステリック配向液晶フィル
ム(光学フィルム)を作製した。コレステリック液晶相
の選択反射波長は、390nmであり、ねじり力は、
3.21×10-4であった。
同様のTACフィルム上に1重量%のポリビニルアルコ
ール溶液を塗布し、90℃で乾燥して、膜厚約0. 01
μmの皮膜を形成し、この皮膜にラビング処理を施しラ
ビング膜を形成したものを用い、当該ラビング膜に、前
記溶液を塗工したこと以外は実施例1と同様にして光学
フィルムを作製した。
に1重量%のポリビニルアルコール溶液を塗布し、90
℃で乾燥して、膜厚約0. 01μmの皮膜を形成し、こ
の皮膜にラビング処理を施しラビング膜を形成したもの
を用いた。また、カイラル剤を含有していないこと以外
は実施例1と同様にして調製した溶液を、当該ラビング
膜に塗工したこと以外は実施例1と同様にして光学フィ
ルムを作製した。
分子フィルム(PET:ポリエチレンテレフタレート:
Δnd1700nm)を用いたこと以外は実施例1と同
様にして光学フィルムを作製した。
分子フィルム(PET:ポリエチレンテレフタレート:
Δnd1700nm)を用いた。また、カイラル剤を含
有していないこと以外は実施例1と同様にして調製した
溶液を、当該延伸PETフィルムに塗工したこと以外は
実施例1と同様にして光学フィルムを作製した。
外は実施例1と同様にして調製した溶液を用いたこと以
外は実施例1と同様にして光学フィルムを作製した。得
られた光学フィルム面は白濁した。
ムについて、配向性を調べた。結果を表1に示す。実施
例1、比較例1、3の配向性の検討は、クロスニコルに
した偏光板に試料(光学フィルム:基材付)を挿入し、
方位を変えて透過率の変化の確認を行った。どの方位に
おいても透過率の変化のないものを配向性:○とした。
比較例2、4、5の配向性の検討は、試料をクロスニコ
ルにした偏光顕微鏡で観察し、基材の配向軸と偏光板の
透過軸が一致したところでの暗視野の確認によって行っ
た。透過率変化がないものを配向性:○とした。位相差
の測定は王子計測機器:KOBRAを用いて測定を行っ
た。また、ヘイズは、次式で表せ、(拡散透過率/全光
透過率)×100、MURAKAMI COLOR R
ESEARCH LABORATORY:HAZEME
TER HM−150により測定した。
フィルムを用いて配向性良好なコレステリック配向液晶
フィルム(光学フィルム)が作製されている。高分子フ
ィルムは未延伸のため作製後の他の基材への転写工程が
不要である。一方、比較例1、3では、配向性良好なコ
レステリック配向液晶フィルムが得られているが、比較
例1では高分子フィルムに配向処理が施されており、ま
た比較例3では高分子フィルムとして延伸フィルムが用
いられており製造工程上の不都合がある。
ィルム(光学フィルム)を作製した例であり、高分子フ
ィルムとして配向処理が施されているもの(比較例2)
や高分子フィルムとして延伸フィルムを用いたもの(比
較例4)では配向性良好であるが上記同様の製造工程上
の不都合がある。また、比較例5のように、面内位相差
50nm以下の未延伸の高分子フィルムでは白濁し配向
性不良である。
ィルム による配向規制力に依ることなくコレステリッ
ク性液晶相の優れた配向性を示す光学フィルムが得られ
る。すなわち、生産段階での配向処理を省けるため、具
体的には、以下の効果がある。配向基材やラビング等に
よる配向膜を必要としない。配向規制力が必要ではない
ため、配向処理による配向ムラがない。配向処理を必要
としないため、大面積の配向が容易である。配向処理が
必要ではないため、配向処理による精密な配向制御が必
要ではない。配向処理時に発生するケバ立ち、異物混入
が防げる。また未延伸高分子フィルムを基材として用い
ることで、光学特性に及ぼす影響を無視できるため、光
学フィルム製造後に他の基材への転写の必要がなくな
る。具体的には、以下の効果がある。配向処理層と粘着
層が不要であるため、薄層化が図れる。得られた配向し
た液晶性化合物膜は、均一・透明で極めて優れた光学的
性質を持ったものである。材料コスト・製造コスト・プ
ロセスを節約できる。等方性基材を使用しているため、
光学特性に影響がないため、そのままフィルム化(偏光
板直接塗工)が可能であり、転写の必要がない。転写を
行う際、異物の混入・面荒れ・ムラ・傷付を防ぎ、非常
に光学特性の高いフィルムを得ることができる。フィル
ムを多層化する際、転写が必要ないため容易にそれが行
える。
Claims (5)
- 【請求項1】 配向処理が施されていない、面内位相差
50nm以下の高分子フィルム上に、サーモトロピック
液晶性化合物を含有しかつ液晶状態においてコレステリ
ック液晶相を呈する溶液を、塗布し、配向させた後、硬
化させることを特徴とする光学フィルムの製造方法。 - 【請求項2】 サーモトロピック液晶性化合物が、重合
性液晶モノマーであることを特徴とする請求項1記載の
光学フィルムの製造方法。 - 【請求項3】 サーモトロピック液晶性化合物が、液晶
ポリマーであることを特徴とする請求項1記載の光学フ
ィルムの製造方法。 - 【請求項4】 サーモトロピック液晶性化合物が、重合
性液晶モノマーと液晶ポリマーの混合物であることを特
徴とする請求項1記載の光学フィルムの製造方法。 - 【請求項5】 液晶状態においてコレステリック液晶相
を呈する溶液が、サーモトロピック液晶性化合物とカイ
ラル剤を含有し、その合計に対してカイラル剤を7重量
%以上含有してなり、下記式で表されるねじり力: ねじり力=1/{コレステリック液晶相の選択反射波長
(nm)×カイラル剤重量比(重量%)} が、1×10-6以上になるよう調整されていることを特
徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学フィルム
の製造方法。
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