JP2002174724A - ホメオトロピック配向液晶層の製造方法、垂直配向膜形成剤およびホメオトロピック配向液晶フィルムの製造方法 - Google Patents

ホメオトロピック配向液晶層の製造方法、垂直配向膜形成剤およびホメオトロピック配向液晶フィルムの製造方法

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JP2002174724A
JP2002174724A JP2000370975A JP2000370975A JP2002174724A JP 2002174724 A JP2002174724 A JP 2002174724A JP 2000370975 A JP2000370975 A JP 2000370975A JP 2000370975 A JP2000370975 A JP 2000370975A JP 2002174724 A JP2002174724 A JP 2002174724A
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Shunsuke Shudo
俊介 首藤
Sadahiro Nakanishi
貞裕 中西
Shusaku Nakano
秀作 中野
Takuji Kamijo
卓史 上条
Shu Mochizuki
周 望月
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 垂直配向膜を形成する基板の材質に拘わら
ず、重合性液晶化合物をホメオトロピック配向させた液
晶層を製造する方法、さらにはホメオトロピック配向液
晶フィルムを製造する方法を提供すること。 【解決手段】 基板上に形成した垂直配向膜上に重合性
液晶化合物を塗工することにより前記液晶化合物をホメ
オトロピック配向させた液晶層を製造する方法におい
て、垂直配向膜の形成剤として長鎖アルキル型デンドリ
マー誘導体を用いることを特徴とするホメオトロピック
配向液晶層の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホメオトロピック
配向液晶層の製造方法に関する。また、本発明は前記ホ
メオトロピック配向液晶層の製造方法に用いる配向膜形
成材に関する。さらには、本発明は、前記配向液晶層か
らホメオトロピック配向液晶フィルムを製造する方法に
関する。ホメオトロピック配向液晶フィルムは単独でま
たは他のフィルムと組み合わせて、位相差フィルム、視
角補償フィルム、光学補償フィルム、楕円偏光フィルム
等の光学フィルムとして使用できる。
【0002】
【従来の技術】液晶化合物のホメオトロピック配向は、
液晶相の分子長軸が平均して薄膜(液晶相)を形成する
基板に対して実質的に垂直である場合に生じる。自発的
にホメオトロピック配向する物質は非常に僅かしかな
く、従って、かかる配向を生じさせるためには、一般的
に垂直配向剤が用いられる。垂直配向剤によりホメオト
ロピック配向させることができる液晶化合物としては、
たとえば、ネマチック液晶化合物が知られている。かか
る液晶化合物の配向技術にがかわる概説は、例えば、化
学総説44(表面の改質,日本化学会編,156〜16
3頁)に記載されている。
【0003】前記液晶化合物をホメオトロピック配向さ
せるうる垂直配向剤としては各種の有機系または無機系
配向剤が知られているが、慣用されている配向剤の多く
はガラス基板上で有効に作用するようにデザインされて
いる。
【0004】このような慣用の有機系配向剤としては、
たとえば、レシチン、シラン系界面活性剤、n−オクタ
デシルトリエトキシシラン、チタネート系界面活性剤、
ピリジニウム塩系高分子界面活性剤、ヘキサデシルトリ
メチルアンモニウムハライドまたはクロム錯体などがあ
げられる。これら有機系配向剤は、活性成分が非常に少
量(代表的には1%よりも少ない量)となるように適当
な揮発性溶剤に溶解され、次いで例えばスピンコーティ
ングまたはその他周知の塗工方法によって基板上に塗工
された後、揮発性溶剤を蒸発させることにより、ガラス
基板上に有機配向剤の薄膜として形成される。これら有
機系配向剤は、極性のガラス表面に引き付けられると考
えられる極性末端基とガラス表面に対して垂直に配列す
る無極性の長鎖状アルキル鎖を有することを特徴とする
ものであり、このような表面上において液晶化合物にホ
メオトロピック配向を生じさせる。
【0005】また無機系配向剤としては、例えば、ガラ
ス基板上にSiOX またはIn2 3 /SnO2 を垂直
角度で蒸着させたものが知られており、液晶化合物にホ
メオトロピック配向を生じさせる。その他、アルキル側
鎖付ポリイミド膜も液晶ディスプレイなどのホメオトロ
ピック配向膜として用いられている。
【0006】しがしながら、前記慣用の配向剤は、いず
れもガラス基板上においてのみ液晶化合物にホメオトロ
ピック配向を与えるものであり、プラスチックフィルム
やプラスチックシート等のポリマー物質からなる基板上
での配向にはあまり有効に作用するものではない。ポリ
マー物質からなる基板の表面は前記慣用されている配向
剤の極性末端基に対する親和性に乏しいものと推測さ
れ、それゆえ、一般的には、ホメオトロピック配向を全
然示さないか、またはほんの僅かに配向を示すに留ま
る。また、アルキル側鎖付ポリイミド膜の形成には高温
での熱処理が必要であるが、ポリイミド配向膜を焼成す
るに耐えることができ、光学用途として使用できる透明
プラスチックフィルムはほんの僅かである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、垂直配向膜
を形成する基板の材質に拘わらず、液晶化合物をホメオ
トロピック配向させた液晶層を製造する方法、さらには
ホメオトロピック配向液晶フィルムを製造する方法を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解消するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す方法によ
り前記目的を達成できることを見出し本発明を完成する
に至った。
【0009】すなわち、本発明は、基板上に形成した垂
直配向膜上で重合性液晶化合物を塗工することにより前
記液晶化合物をホメオトロピック配向させた液晶層を製
造する方法において、垂直配向膜の形成剤として長鎖ア
ルキル型デンドリマー誘導体を用いることを特徴とする
ホメオトロピック配向液晶層の製造方法、に関する。
【0010】前記配向液晶層の製造方法によれば、ホメ
オトロピック配向した配向液晶層が得られる。配向膜の
形成剤として用いている、長鎖アルキル型デンドリマー
誘導体はコア部から長鎖アルキル基が枝のように数本伸
びた構造をしており、垂直配向膜を形成する基板の材質
に関係なくホメオトロピック配向を得ることができる。
【0011】前記ホメオトロピック配向液晶層の製造方
法において、基板はポリマー物質またはガラス等の各種
材質のものを用いることができる。また、ポリマー物質
はプラスチックシートまたはプラスチックフィルムとし
て用いられる。本発明の製造方法では、基板の種類に制
限はなく、ガラス基板、プラスチックシートまたはプラ
スチックフィルムを特に制限なく使用することができ
る。
【0012】また、本発明は、前記ホメオトロピック配
向液晶層の製造方法において、垂直配向膜の形成に用い
られる長鎖アルキル型デンドリマー誘導体からなる垂直
配向膜形成剤、に関する。長鎖アルキル型デンドリマー
誘導体は、垂直配向膜形成剤として初めて用いられたも
のである。
【0013】また、本発明は、前記製造方法により形成
されたホメオトロピック配向液晶層を、その配向状態を
維持した状態で紫外線硬化させ固定化することを特徴と
するホメオトロピック配向液晶フィルムの製造方法、に
関する。
【0014】前記ホメオトロピック配向液晶層を紫外線
硬化させることにより、重合性液晶化合物をそのままの
配向状態で固定化したホメオトロピック配向液晶フィル
ムを製造することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明では、基板上に形成した垂
直配向膜上で重合性液晶化合物をホメオトロピック配向
させるが、垂直配向膜の形成剤として、長鎖アルキル型
デンドリマー誘導体を用いる。
【0016】デンドリマーは、たとえば、一または二以
上の末端一級アミノ基(活性基)を有する化合物に、末
端一級アミノ基の1当量に対し、2当量のアクリロニト
リルをマイケル付加した後にニトリル基を還元するなど
の各種の手段により、末端に一級アミノ基(活性基)を
枝のように二世代、三世代、さらにはそれ以上に亘って
複数本伸ばした構造をしている。本発明の長鎖アルキル
型デンドリマー誘導体は、前記デンドリマーの末端活性
基に長鎖アルキル基を持たせたものである。長鎖アルキ
ル基は直鎖であるのが好ましく、またその炭素数は、通
常6〜20程度とするのが好ましい。当該長鎖アルキル
基は、たとえば、デンドリマーの末端一級アミノ基にア
クリル酸長鎖アルキルエステルをマイケル付加すること
により得られる。
【0017】長鎖アルキル型デンドリマー誘導体の具体
例としては、たとえば、下記式(化1)で表される構造
のものがあげられる。
【0018】
【化1】 化1の長鎖アルキル型デンドリマー誘導体は、1,4−
ブタンジアミンに付加した三世代の末端一級アミノ基
に、さらに炭素数18のアルキル基を有するアクリル酸
エステルが付加した構造を有する。
【0019】基板上に垂直配向膜を形成するにあたり、
配向膜形成剤である長鎖アルキル型デンドリマー誘導体
は、n−ヘキサン、メチルエチルケトンなどの適当な揮
発性溶剤に溶解した溶液とし、これを基板上にスピンコ
ーティングなどの各種の塗工方法により塗工する。溶液
の固形分濃度は特に制限されないが、通常、0. 05〜
0. 5重量%程度とされる。スピンコーティングの際に
は揮発性溶剤は揮発し、長鎖アルキル型デンドリマー誘
導体の薄膜からなる垂直配向膜が基板上に形成される。
支持基板上に形成された垂直配向膜層の厚さは、通常、
2〜20nm程度である。
【0020】垂直配向膜を形成する基板は、ガラス基
板、プラスチックシートまたはプラスチックフィルムの
いずれの形状でもよい。基板の厚さは、通常、10〜1
000μm程度である。
【0021】プラスチックフィルムは配向させる温度で
変化しないものであれば特に制限はなく、たとえば、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロース、
トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポ
リカーボネート系ポリマー、ポリメチルメタクリレート
等のアクリル系ポリマー等の透明ポリマーからなるフィ
ルムがあげられる。またポリスチレン、アクリロニトリ
ル・スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造
を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合
体等のオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、
ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー等の
透明ポリマーからなるフィルムもあげられる。さらにイ
ミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルス
ルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリ
マー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルア
ルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニ
ルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリ
オキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマーや前記
ポリマーのブレンド物等の透明ポリマーからなるフィル
ムなどもあげられる。これらのなかでも水素結合性の高
い表面を有するプラスチックフィルムが好ましく、場合
によっては表面処理を必要とする。
【0022】前記プラスチックフィルムのなかでも、ノ
ルボルネン構造を有するフィルム、セルロース系フィル
ムをケン化処理したプラスチックフィルムは、光学異方
性が非常に小さいため、これらを基板として配向液晶層
を形成したフィルムは、ホメオトロピック配向位相差フ
ィルムとして液晶ディスプレイの光学補償用途に用いる
ことができる。さらには、ITO(インジウム・スズ酸
化物)をスパッタしたフィルム、一軸延伸したプラスチ
ックフィルムなどが挙げられる。一軸延伸プラスチック
フィルムと組み合わせると広視野を補償する機能を有す
るユニークな補償フィルムとなる。光学異方性を有する
プラスチックフィルムは光学異方性の小さいプラスチッ
クフィルム上に直接または粘着剤もしくは接着剤を介し
て転写することにより、光学補償フィルム等に利用する
ことができる。
【0023】続いて、前記配向膜上に重合性液晶化合物
を塗工し、配向液晶層を形成する。重合性液晶化合物
は、重合性官能基として、たとえば、アクリレート基ま
たはメタクリレート基等を有する液晶性化合物であり、
液晶性化合物としては室温でネマチック液晶性のものが
賞用される。このような、ネマチック重合性液晶化合物
としては、例えば、大日本インキ化学工業 (株)製のU
CL−001、UCL−M1などがあげられる。
【0024】重合性液晶化合物は、光重合開始剤と共
に、配向膜上に塗工してホメオトロピック配向液晶層を
形成する。重合性液晶を支持基板の配向膜上に塗工する
方法としては、室温で液晶性を示す重合性液晶化合物を
用いる方法、重合性液晶化合物を溶媒に溶解した溶液
を、スピンコートあるいはバーコート等を含む公知の塗
工方法で塗工する方法などがあげられる。重合性液晶化
合物は適宜に熱処理を施して液晶状態とする。なお、室
温で液晶性を示す重合性液晶化合物を用いる場合には、
室温で液晶状態であるから、配向膜上にそのまま塗工す
ることができ、数秒から数分放置することにより、自発
的に重合液晶化合物が配向する。これを液晶状態を示す
液晶温度範囲で保持することにより、ホメオトロピック
配向液晶層を維持する。
【0025】光重合開始剤としては、たとえば、チバス
ペシャリティケミカルズ社製のイルガキュア(Irga
cure)907、184、651および369などが
あげられる。配向液晶層は紫外線の照射により固定化す
ることができる。光重合開始剤の添加量は液晶化合物の
配向性を乱さない程度に加えられ、液晶化合物の種類に
より異なり一概には言えないが、通常、液晶化合物10
0重量部に対し0.5〜5重量部程度が好ましく、特に
0.8〜3重量部がより好ましい。
【0026】溶液の調製に用いられる溶媒は、重合性液
晶化合物や支持基板の種類により異なり一概には言えな
いが、通常、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロ
エタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テ
トラクロロエチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化
炭化水素類、フェノール、パラクロロフェノールなどの
フェノール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキ
シベンゼン、1,2−ジメトキベンゼンなどの芳香族炭
化水素類、アセトン、酢酸エチル、tert−ブチルア
ルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチ
レングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルセ
ルソルブ、ブチルセルソルブ、2−ピロリドン、N−メ
チル−2−ピロリドン、ピリジン、トリエチルアミン、
テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、ジメチルスルホシド、アセトニトリル、
ブチロニトリル、二硫化炭素などを用いることができ
る。溶液の濃度は、用いる重合性液晶化合物の溶解性や
最終的に目的とする配向液晶フィルムの膜厚に依存する
ため一概には言えないが、通常3〜50重量%程度、好
ましくは7〜30重量%の範囲である。
【0027】塗工された前記重合液晶化合物からなるホ
メオトロピック配向液晶層の厚みは2〜15μm程度と
するのが好ましい。なお、特にホメオトロピック配向液
晶フィルムの膜厚を精密に制御する必要がある場合に
は、膜厚が基板に塗工する段階でほぼ決まるため、溶液
の濃度、塗工膜の膜厚などの制御は特に注意を払う必要
がある。塗工した溶液中の溶媒を除去するために、液晶
の等方相転移温度以下の温度で加熱乾燥する。それとほ
ぼ同時に重合性液晶化合物はホメオトロピック配向して
配向液晶層を形成する。
【0028】このようにして配向させた液晶層に対し
て、紫外線を照射し、配向性を維持したまま固定化する
ことにより、ホメオトロピック配向した配向液晶フィル
ムが得られる。
【0029】紫外線の照射の条件は、充分な表面硬化を
達成するために、不活性気体雰囲気とするのが好まし
い。通常、約80〜160mW/cm2 の照度を有する
高圧水銀紫外線ランプが代表的に用いられる。メタルハ
ライドUVランプおよび白熱管などの別種のランプも使
用することができる。なお、紫外線照射時の液晶表面温
度が液晶温度範囲内になるように、コールドミラー、水
冷その他の冷却処理あるいはライン速度を早くするなど
して適宜に調整する。
【0030】このようにしてホメオトロピック配向液晶
層が固定される。当該配向液晶層は同一の方向で配向さ
れた分子を有する。従ってこの配向液晶層の配向ベクト
ルの凍結または安定化およびその異方性物性の保存が達
成されることは周知であり、このような薄膜はそれらの
光学的性質が確認され、各種の用途で使用される。前記
配向液晶層は一軸性の正の複屈折率を有する薄膜であ
る。
【0031】以上のようにして得られるホメオトロピッ
ク配向液晶層の配向は、当該液晶層の光学位相差を垂直
入射から傾けた角度で測定することによって量化するこ
とができる。ホメオトロピック配向液晶フィルムの場
合、この位相差値は垂直入射について対称的である。光
学位相差の測定には数種の方法を利用することができ、
例えば自動複屈折測定装置(オーク製)および偏光顕微
鏡(オリンパス製)を利用することができる。このホメ
オトロピック配向液晶フィルムはクロスニコル偏光子間
で黒色に見える。
【0032】こうして得られたホメオトロピック配向液
晶フィルムは、光学フィルムとして用いられる。前記配
向液晶フィルムは基板上の配向膜から剥離して用いても
よいし、剥離することなく基板上の配向膜に形成された
配向液晶層としてそのまま用いてもよい。
【0033】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明の一態様につい
て説明するが、本発明は実施例に限定されないことはい
うまでもない。
【0034】実施例1 基板としてガラス基板(1000μm)を用い、その上
に配向剤として、0.5重量%の長鎖型アルキル型デン
ドリマー誘導体(化1のもの,アルキル基の炭素数1
8)のn−ヘキサン溶液をスピンコーティングにより塗
工し、配向膜の薄膜(10nm)を形成した。
【0035】次いで、前記配向膜上に、室温でネマチッ
ク液晶相を示す重合性液晶化合物(大日本インキ化学工
業(株)製のUCL−001)に光開始剤(チバスペシ
ャリティケミカルズ社製,イルガキュア369)を3重
量%含有させたものを、スピンコーティングにより塗工
してホメオトロピック配向液晶層を形成し、次いで窒素
雰囲気下で高圧水銀ランプにより紫外線を照射すること
により配向液晶層(6μm)を固定化したホメオトロピ
ック配向液晶フィルムを得た。
【0036】サンプル(基板付きホメオトロピック配向
液晶フィルム)をクロスニコルさせた偏光顕微鏡によ
り、当該フィルム表面に対し垂直な方向からサンプルを
観察したところ、正面からは何も見えなかった。これに
よりホメオトロピック配向を確認した。すなわち光学位
相差が発生していないことがわかった。このフィルムを
傾けて斜めから光を入射し、同様にクロスニコルで観察
したところ、光の透過が観測された。
【0037】また、同フィルムの光学位相差を自動複屈
折測定装置により測定した。測定光をサンプル表面に対
して垂直あるいは斜めから入射して、その光学位相差と
測定光の入射角度のチャートから、ホメオトロピック配
向を確認した。ホメオトロピック配向では、サンプル表
面に対して垂直方向での位相差(正面位相差)がほぼゼ
ロである。このサンプルに関しては、液晶層の遅相軸方
向に斜めから位相差を測定したところ、測定光の入射角
度の増加に伴い、位相差値が増加したことからホメオト
ロピック配向が得られていると判断できた。
【0038】実施例2 実施例1において、基板としてポリビニルアルコールフ
ィルム(20μm)を用いた以外は実施例1と同様にし
てホメオトロピック配向液晶フィルムを作製した。ま
た、実施例1と同様にして、サンプルのホメオトロピッ
ク配向を確認した。
【0039】実施例3 実施例1において、基板としてケン化処理したセルロー
ストリアセテートフィルム(40μm)を用いた以外は
実施例1と同様にしてホメオトロピック配向液晶フィル
ムを作製した。また、実施例1と同様にして、サンプル
のホメオトロピック配向を確認した。
【0040】実施例4 実施例1において、基板として一軸延伸アートンフィル
ム(アートンはJSR(株)製のポリマー,20μm)
を用いた以外は実施例1と同様にしてホメオトロピック
配向液晶フィルムを作製した。また、実施例1と同様に
して、サンプルのホメオトロピック配向を確認した。一
軸延伸アートンは一般に正面位相差を持つ位相差フィル
ムであり、正面とそれに垂直な方向に位相差を持つフィ
ルムが得られた。
【0041】参考例1 実施例1において、配向剤としてn−オクタデシルトリ
エトキシシランを用いた以外は実施例1と同様にしてホ
メオトロピック配向液晶フィルムを作製した。また、実
施例1と同様にして、サンプルのホメオトロピック配向
を確認した。
【0042】比較例1 実施例1において、基板としてポリビニルアルコールフ
ィルム(10μm)を用い、配向剤としてn−オクタデ
シルトリエトキシシランを用いた以外は実施例1と同様
の操作を行った。また、実施例1と同様にして、サンプ
ルの評価を行ったがホメオトロピック配向は確認できな
かった。
【0043】比較例2 実施例1において、基板としてケン化処理していないセ
ルローストリアセテートフィルム(40μm)を用いた
以外は実施例1と同様の操作を行った。また、実施例1
と同様にして、サンプルの評価を行ったがホメオトロピ
ック配向は確認できなかった。
フロントページの続き (72)発明者 中野 秀作 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 上条 卓史 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 望月 周 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA04 BA06 BA42 BB43 BB49 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA11Z FB02 FB04 FC23 GA01 LA11 LA30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成した垂直配向膜上に重合性
    液晶化合物を塗工することにより前記液晶化合物をホメ
    オトロピック配向させた液晶層を製造する方法におい
    て、垂直配向膜の形成剤として長鎖アルキル型デンドリ
    マー誘導体を用いることを特徴とするホメオトロピック
    配向液晶層の製造方法。
  2. 【請求項2】 基板の材質が、ポリマー物質またはガラ
    スであることを特徴とする請求項1記載のホメオトロピ
    ック配向液晶層の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のホメオトロピッ
    ク配向液晶層の製造方法において、垂直配向膜の形成に
    用いられる長鎖アルキル型デンドリマー誘導体からなる
    垂直配向膜形成剤。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の製造方法により
    形成されたホメオトロピック配向液晶層を、その配向状
    態を維持した状態で紫外線硬化させ固定化することを特
    徴とするホメオトロピック配向液晶フィルムの製造方
    法。
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Cited By (11)

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