JPH0980227A - ねじれ配向位相差板の製造方法、該製造方法により得られた位相差板を用いた楕円偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

ねじれ配向位相差板の製造方法、該製造方法により得られた位相差板を用いた楕円偏光板及び液晶表示装置

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JPH0980227A
JPH0980227A JP7230043A JP23004395A JPH0980227A JP H0980227 A JPH0980227 A JP H0980227A JP 7230043 A JP7230043 A JP 7230043A JP 23004395 A JP23004395 A JP 23004395A JP H0980227 A JPH0980227 A JP H0980227A
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liquid crystal
polymer
solvent
film
crystal polymer
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JP7230043A
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Tsunatoshi Ishimaru
維敏 石丸
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成膜に際しての厚み制御を容易に行うことが
でき、生産性に優れ、かつ安価なねじれ配向位相差板の
製造方法を提供する。 【解決手段】 (a)ねじれネマチック配向することが
できるサーモトロピック液晶ポリマーと、非液晶性ポリ
マーとを溶媒に均一に溶解させてなる溶液、または
(b)ネマチック配向することができるサーモトロピッ
ク液晶ポリマーと、カイラル剤と、非液晶性ポリマーと
を溶媒に均一に溶解させてなる溶液を、平滑な面上に均
一に塗工し、溶媒を乾燥させ、溶媒乾燥後に液晶ポリマ
ーの液晶発現温度以上の温度で熱処理することにより、
ねじれネマチック配向させるねじれ配向位相差板の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に用
いられるねじれ配向タイプの位相差板の製造方法、その
ような製造方法により得られた位相差板を用いた楕円偏
光板及び液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、低電圧で駆動でき、かつ軽量であ
るため、種々の液晶表示装置が広く用いられてきてい
る。液晶表示装置の中でも、STN型液晶表示装置は、
TN型液晶表示装置に比べてコントラストが高く、視野
角が広いなどの利点を有するため、各種OA機器等にお
いて広く用いられている。
【0003】しかしながら、STN型液晶表示装置は、
複屈折モードを利用したものであり、本来的には白黒モ
ードで表示することができず、着色が避けられない。ま
た着色が避けられないため、そのままではカラー表示に
採用することが困難であるという欠点があった。
【0004】そこで、STN型液晶表示装置において白
黒表示を可能とするために、STN型液晶表示セル上
に、同じセルギャップを有し、かつねじれを逆方向とし
た第2の液晶セルを色補償用セルとして配置してなる、
いわゆるWセル型液晶表示装置が提案されている。
【0005】しかしながら、Wセル型のSTN型液晶表
示装置では、白黒表示は可能になるものの、色補償用液
晶セルを用いているため、表示装置の重量や厚みが増大
せざるを得ず、かつコストがかなり高くつくという問題
があった。
【0006】そこで、厚みが数十μm程度のポリカーボ
ネートなどの高分子材料の一軸延伸フィルムを色補償フ
ィルムとして用いることが試みられているが、コントラ
スト、色相、正面輝度などの表示品質が充分でなかっ
た。
【0007】そこで、上記のような問題を解決するもの
として、特開平3−87720号公報には、色補償用液
晶セルに代えて、高分子液晶をねじれネマチック配向さ
せてなるフィルムを用いることが提案されている。この
ねじれネマチック配向フィルムは、上記Wセル型液晶表
示装置における色補償用液晶セルと同様に、ねじれ角が
液晶セルと同一とされており、かつねじれが逆方向とさ
れている構造を有する。従って、液晶表示セルで発生し
た位相差が、ねじれネマチック配向フィルムにおいて相
殺され、白黒表示が実現される。
【0008】上記特開平3−87720号に記載のねじ
れネマチック配向フィルムは、以下の工程により製造さ
れる。すなわち、透光基板上に配向膜を形成し、該透光
基板上に光学活性を有する高分子液晶溶液をスピンコー
トする。次に、溶媒を乾燥・除去し、液晶高分子フィル
ムを形成する。さらに、上記透光基板上に液晶高分子フ
ィルムが形成された積層体を、液晶相発現に必要な温度
以上の温度で熱処理し、ねじれネマチック配向を発現さ
せ、ねじれネマチック配向フィルムを得る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】液晶表示装置では、配
向処理を施された一対の対向基板間に液晶層を配置した
構造を有する。液晶分子のねじれ角は、液晶層に加えら
れるカイラル剤(すなわち、光学活性を有する材料であ
り、L体またはD体のみからなる)の量または液晶分子
内に含まれるカイラル基(光学活性基)の量と、対向基
板の配向規制力によって制御されている。また、液晶セ
ルの厚みは、厚みが均一なスペーサーを対向基板間に配
置することにより制御されている。
【0010】しかしながら、上述した特開平3−877
20号公報に記載のねじれネマチック配向フィルムで
は、1枚の基板上に液晶相を形成し、ねじれネマチック
配向させている。すなわち、液晶ポリマーを用いたねじ
れネマチック配向フィルムは、1枚の基板の配向膜の配
向方向を基準に、高分子液晶のもつ光学活性により、ま
たは高分子液晶にカイラル剤を加えることにより、ねじ
れを発生させ、高分子液晶に導入する光学活性部位の割
合または加えられるカイラル剤の量により、ねじれのピ
ッチを規定している。従って、ねじれ角を決定した段階
で、ねじれピッチが液晶相の厚みから一義的に決定され
てしまう。
【0011】ところが、スペーサー等の厚みを制御する
部材を用いていないため、ねじれネマチック配向フィル
ムを形成するための高分子液晶溶液を基板上に塗布する
段階における高分子液晶溶液の濃度と塗布厚みとをコン
トロールすることにより、フィルムの厚みが制御される
ことになる。
【0012】しかしながら、実際に形成されるねじれネ
マチック配向フィルムの厚みは数μmとかなり薄い。従
って、数%の誤差で、上記厚みのねじれネマチック配向
フィルムを製造しようとした場合、フィルムの乾燥後の
厚みは0.1ミクロンオーダーで制御されねばならな
い。しかしながら、高分子液晶溶液の濃度や塗工に際し
ての厚みを制御することにより、0.1ミクロンオーダ
ーで乾燥後のフィルムの厚みを制御することは非常に困
難である。
【0013】例えば、固形分20重量%の高分子液晶溶
液を用い、厚さ6μmのねじれネマチック配向フィルム
を誤差5%で製造する場合を想定する。この場合、溶液
の塗工厚みは30μmとし、塗工厚みの誤差は1.5μ
m以内としなければならない。このような誤差範囲で高
分子液晶溶液を塗工することは非常に困難である。
【0014】すなわち、前述した従来の一軸延伸された
ポリカーボネートフィルムなどからなる位相差フィルム
では、厚み40μm程度であるため、同様の条件でフィ
ルムを作製する場合、塗工厚みは100μm、塗工時の
誤差は10μmの範囲で良いのに対し、上記ねじれネマ
チック配向フィルムの場合には非常に高精度に薄いフィ
ルムを形成しなければならなかった。
【0015】その結果、上記ねじれネマチック配向フィ
ルムでは、歩留りが低下し、コストが非常に高くつくと
いう問題が生じる。本発明の目的は、上述したねじれネ
マチック配向フィルムの欠点を解消し、位相差を与える
能力を維持しつつ、フィルムの厚みを増大させることが
でき、従って、フィルムを成膜する際の厚みの制御をよ
り簡単に行い得る、ねじれ配向位相差板の製造方法を提
供することにある。
【0016】また、本発明の他の目的は、上記のような
製造方法で得られた位相差板を用いた楕円偏光板及び液
晶表示装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成するためになされたものであり、請求項1に記載の発
明は、(a)ねじれネマチック配向することができるサ
ーモトロピック液晶ポリマーと、非液晶性ポリマーとを
溶媒に均一に溶解させてなる溶液、または(b)ネマチ
ック配向することができるサーモトロピック液晶ポリマ
ーと、カイラル剤と、非液晶性ポリマーとを溶媒に均一
に溶解させてなる溶液を、平滑な面上に均一に塗工し、
溶媒を乾燥させ、溶媒乾燥後に液晶ポリマーの液晶発現
温度以上の温度で熱処理することにより、ねじれネマチ
ック配向させることを特徴とするねじれ配向位相差板の
製造方法である。
【0018】また、請求項2に記載の発明は、上記請求
項1に記載の発明の製造方法で得られたねじれ配向位相
差板と偏光板とを積層してなる積層体により構成されて
いる楕円偏光板である。
【0019】請求項3に記載の発明は、液晶表示セルの
少なくとも片側において請求項1に記載の発明の製造方
法で得られたねじれネマチック配向位相差板を介して偏
光板が配置されている液晶表示装置である。
【0020】以下、本発明の詳細を説明する。請求項1
の発明において用いられる、ねじれネマチック配向する
ことができるサーモトロピック液晶ポリマーとしては、
液晶状態でネマチック配向し、液晶転移点以下の温度で
はガラス状態となる任意のポリマーを用いることができ
る。このような液晶ポリマーは直鎖型あるいは側鎖型の
いずれの構造を有するものであってもよい。もっとも、
直鎖型の液晶ポリマーの場合では、液晶相を発現するの
に必要なセグメント間を屈曲鎖や比較的曲がり易い柔ら
かいセグメントで連結したものがよく、塗工する基材を
樹脂フィルムとした場合に、基材の耐熱性の点から液晶
相発現温度が160℃以下のものがよい。
【0021】他方、側鎖型の液晶ポリマーの場合には、
直鎖型に比べて液晶相の発現温度は低いが、直鎖型と同
様に液晶相発現温度が160℃以下のものが、同様に基
材の耐熱性の点から好ましい。
【0022】上記直鎖型液晶ポリマーとしては、例え
ば、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポ
リエステルイミドなどを例示することができる。また、
側鎖型液晶ポリマーとしては、ポリアクリレート、ポリ
メタクリレート、ポリマロネート、ポリシロキサンなど
を例示することができる。
【0023】請求項1に記載の発明では、上記(a)の
溶液または(b)の溶液が用いられる。(a)の溶液で
は、ねじれネマチック配向することができるサーモトロ
ピック液晶ポリマーと、非液晶性ポリマーとが溶媒に均
一に溶解されている。この場合、ねじれネマチック配向
することができるサーモトロピック液晶ポリマーは、上
記のようなポリマーからなるものであるが、液晶そのも
のに光学活性を有する置換基が導入されており、それに
よってねじれネマチック配向が発現される。上記光学活
性を有する置換基としては、−CH(CH3 )C
2 5 、−CHCICH3 、−CH(CH3 )C3 7
などを例示することができる。
【0024】また、(b)の溶液では、ネマチック配向
することができるサーモトロピック液晶ポリマーと、カ
イラル剤と、非液晶性ポリマーとが溶媒に均一に溶解さ
れている。ここで用いられるサーモトロピック液晶ポリ
マーは、カイラル剤の添加によりねじれネマチック配向
を発現する。従って、上記(b)の溶液に用いられるサ
ーモトロピック液晶ポリマーは、液晶そのものに光学活
性を有する置換基を有する必要はない。
【0025】また、上記(b)の溶液で用いられるカイ
ラル剤は、光学活性を有する化合物からなり、D体また
はL体のみから構成されている。このようなカイラル剤
としては、上記光学活性を有する任意の低分子化合物あ
るいは高分子化合物を用いることができ、好ましくは、
上記液晶ポリマーとの相溶性が良好な液晶性の化合物を
用いることが好ましい。用い得るカイラル剤の例として
は、低分子化合物としては、コレステリック液晶がよ
く、下記の化合物a、化合物b、化合物c、化合物dな
どを挙げることができ、液晶ポリマーとの相溶性に優れ
た液晶性化合物としては、光学活性を有するポリエステ
ル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステルイミ
ドなどの直鎖型の液晶ポリマーや光学活性を有するポリ
アクリレート、ポリメタクリレート、ポリシロキサンな
どの側鎖型の液晶ポリマーを例示することができる。
【0026】
【化1】
【0027】上記(a)の溶液及び(b)の溶液のいず
れにおいても用いられる非液晶性ポリマーは、マトリク
ス相を構成して本発明の位相差板の厚みを増大させるた
めに用いられているものであり、サーモトロピック液晶
ポリマーがねじれネマチック配向を発現するのを阻害し
ない限り、適宜の非液晶性ポリマーを用いることができ
る。このような非液晶性ポリマーとしては、ポリアクリ
レート、ポリメタクリレート、ポリエステル、ポリカー
ボネート等の基本的に液晶高分子と同様なポリマーが使
用でき、好ましくは相溶性の点から、使用する液晶ポリ
マーと同一の骨格(特に側鎖型では主鎖と同じ骨格)を
有するポリマーがよい。
【0028】請求項1に記載の発明では、上記(a)及
び(b)の溶液を調製するに際し、上記各成分が溶媒に
均一に溶解される。この溶媒としては、(a)の溶液を
調製する場合には、サーモトロピック液晶ポリマー及び
非液晶性ポリマーを均一に溶解させ得る適宜の溶媒が、
(b)の溶液を調製する場合には、サーモトロピック液
晶ポリマー、カイラル剤及び非液晶性ポリマーを均一に
溶解させ得る適宜の溶媒が用いられる。用い得る溶媒と
しては、ポリマーの種類によっても異なるが、塩化メチ
レンなどのハロゲン化炭化水素、ハロゲン化炭化水素と
フェノールとの混合溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどを例示す
ることができる。
【0029】上記(a)の溶液における濃度としては、
ポリマーの粘性によっても異なるが、溶液キャスト法で
は乾燥時の溶媒輝散により、塗工時の厚みよりも乾燥被
膜の厚みが薄くなることで厚み精度を出しているという
観点から、サーモトロピック液晶ポリマー及び非液晶性
ポリマーの全体を溶質とした場合、1重量%〜50重量
%の範囲とすることが好ましい。
【0030】また、(b)の溶液の場合には、溶液キャ
スト法では乾燥時の溶媒輝散により、塗工時の厚みより
も乾燥被膜の厚みが薄くなることで厚み精度を出してい
るという観点から、サーモトロピック液晶ポリマー、カ
イラル剤及び非液晶性ポリマーの全体を溶質とした場
合、1重量%〜50重量%の範囲とすることが好まし
い。
【0031】請求項1に記載の発明では、上記(a)ま
たは(b)の溶液を調製した後に、溶液を平滑な面上に
均一に塗工する。この塗工方法としては、スピンコー
ト、ドクターブレード法、ロールコート法などの均一な
厚みに塗工し得る適宜の方法を採用することができる。
また、塗工の際に用いられる平滑な面としては、液晶表
示装置に用いられる透光性基板をそのまま用いてもよ
く、あるいは他の平滑な面上において上記溶液を塗工し
てもよい。
【0032】上記溶液を塗工した後、溶媒を乾燥・除去
する。この溶媒の乾燥にあたっては、溶媒の種類により
適宜加熱してもよい。次に、上記溶媒を乾燥させた後
に、液晶ポリマーの液晶発現温度以上で熱処理が行われ
る。この熱処理は、溶媒が乾燥されて成膜されたフィル
ムを加熱装置内に配置することなどの適宜の方法によっ
て行い得る。液晶ポリマーの液晶発現温度以上の温度で
加熱することにより、フィルム中の液晶ポリマーがねじ
れネマチック配向され、ねじれ配向位相差板が得られ
る。
【0033】請求項1に記載の発明では、上記のように
ねじれネマチック配向できる液晶ポリマー、あるいはネ
マチック配向できる液晶性ポリマーとカイラル剤に加え
て、上記非液晶性ポリマーが溶媒に溶かされた溶液を用
いて位相差板が成膜される。従って、上記液晶ポリマー
が非液晶ポリマーにより希釈されているため、液晶ポリ
マーの位相差補償性能をそのまま維持した状態で、非液
晶ポリマーが加えられている分だけフィルム厚みを増大
させることができる。
【0034】よって、請求項1に記載の発明の位相差板
では、全体の厚みを数十μm程度と厚くすることができ
る。そのため、フィルムの厚みの誤差を数%以内とする
場合であっても、塗工時の厚み精度を数十μmのオーダ
ーとすることができる。よって、乾燥後の厚みが数十μ
mの通常のフィルムを製造する方法を用いて、ねじれネ
マチック配向フィルムを容易に製造し得る。
【0035】また、請求項2に記載の発明では、上記製
造方法で得られたねじれ配向位相差板が、偏光板に積層
された積層体により楕円偏光板が構成されている。この
場合、用いる偏光板としては、従来より液晶表示装置に
用いられている任意の偏光板を使用することができる。
例えば、ポリビニルアルコール、またはその誘導体から
なるフィルムを一軸延伸配向させ、偏光子としてヨウ素
や二色性染料を吸着させた後、非旋光性の三酢酸セルロ
ースなどのセルロース系フィルムをその両側に貼り合わ
せたものを例示することができる。さらに、塩化ビニル
フィルムの脱塩酸処理あるいはポリビニルアルコール系
フィルムの脱水処理により得られたポリエン系の偏光板
や、ポリエチレンテレフタレートなどの疎水性樹脂に二
色性染料をブレンドし一軸に配向させた偏光板などを用
いることも可能である。なかでも、ポリビニルアルコー
ルフィルムに、ヨウ素や二色性染料を吸着させ、一軸に
配向した偏向子に三酢酸セルロールなどのセルロース系
フィルムを保護フィルムとしてその両側に貼り合わせた
ものが、偏光特性や色相特性上から好ましい。
【0036】また、請求項1に記載の発明により得られ
る位相差板と上記偏光板を用いて、楕円偏光板を形成す
るには、偏光板の光学軸と、位相差板の光学軸を15〜
75度、好ましくは20〜60度、さらに好ましくは4
0〜50度の範囲で粘着剤や接着剤等を用いて貼り合わ
せればよい。
【0037】また、請求項3に記載の発明は、液晶表示
セルの少なくとも片側に請求項1に記載の発明で得られ
た位相差板を介して上記偏光板を配置した構造を有する
ことを特徴とする。この場合用いられる液晶表示セルと
しては、STNモードを用いたもの、あるいはTNモー
ドを用いたものの何れであってもよい。より具体的に
は、請求項1に記載の発明で得られた位相差板を、液晶
表示セルの少なくとも片側の上に配置し、該位相差板に
偏光板を積層することにより、請求項3に記載の液晶表
示装置を得ることができる。この場合、位相差板の両面
に偏光板を配置してもよい。すなわち、位相差板と液晶
表示セルとの間に、さらに偏光板を配置してもよい。
【0038】図1は、請求項3に記載の発明にかかる液
晶表示装置の一例を説明するための模式的断面図であ
る。液晶表示装置1では、液晶2が一対のガラス基板
3,3間に挟持されて、液晶表示セル4が構成されてい
る。液晶表示セル4の片面には、請求項1に記載の発明
にかかる位相差板5が貼り合わされている。また、位相
差板5の片面には、偏光板6が貼り合わされている。他
方、液晶表示セル4の他面にも、偏光板6が貼り合わさ
れている。
【0039】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を説明する
ことにより、本発明を明らかにする。
【0040】実施例1 溶媒としての塩化メチレン90gに、下記の式(1)で
示すアクリレート系ポリマー20gと、下記の化学式
(2)で示す側鎖型液晶ポリマー4.87gと、下記の
化学式(3)で示すカイラルな置換基を導入した側鎖型
液晶ポリマー0.12gとを混合し、溶液を調製した。
この溶液を静置し、脱泡し、目視により気泡が存在しな
いことを確認した。
【0041】次に、上記溶液を、配向膜によって配向処
理されたガラス基板上にドクターブレードをコーターヘ
ッドとして用いて138μmの厚みに塗工した。次に、
ガラス基板上に塗工された溶液を、ギヤオーブン中にお
いて40℃〜100℃まで2℃/分の昇温速度で連続的
に昇温し、乾燥した。乾燥により、ガラス基板上にフィ
ルムが成膜されていた。
【0042】次に、ガラス基板に形成された上記フィル
ムを、ガラス基板ごと160℃の温度で1時間加熱する
ことより、ねじれネマチック配向させ、ガラス基板上に
支持されている厚さ30μmのねじれネマチック配向位
相差板を得た。
【0043】
【化2】
【0044】
【化3】
【0045】
【化4】
【0046】実施例2 溶媒としての塩化メチレン90gに、非液晶性ポリマー
として実施例1で用いた化学式(1)で示したアクリレ
ート系ポリマー20gと、下記の化学式(4)で示す側
鎖型液晶ポリマー4.85gと、化学式(5)で示すカ
イラルな置換基を導入した側鎖型液晶ポリマー0.13
gとを混合し、溶液を調製した。調製された溶液を静置
し、脱泡し、目視により気泡が存在しないことを確認し
た。
【0047】次に、上記溶液を、配向膜により配向処理
されたガラス基板上にドクターブレードをコーターヘッ
ドとして用いて166μmの厚みに塗工した。塗工後、
ギヤオーブン中で40℃〜100℃まで2℃分の温度で
連続昇温し、塗工された溶液を乾燥し、溶媒を除去し
た。乾燥により、ガラス基板上にフィルムが形成され
た。しかる後、このフィルムをガラス基板毎155℃の
温度に加熱し、1時間維持することにより、ガラス基板
上に支持されている厚み36μmのねじれネマチック配
向位相差板を得た。
【0048】
【化5】
【0049】
【化6】
【0050】実施例3 塩化メチレン90gに、非液晶性ポリマーとして実施例
1で用いたアクリレート系ポリマー20gと、下記の化
学式(6)で示す側鎖型液晶ポリマー4.91gと、下
記の化学式(7)で示すカイラルな置換基を導入した側
鎖型液晶ポリマー0.11gとを混合し、溶液を調製し
た。調製した溶液を静置し、脱泡し目視により気泡が存
在しないことを確認した。
【0051】次に、上記溶液を用い、配向膜により配向
処理が施されたガラス基板上にドクターブレードをコー
ターヘッドとして用いて152μmの厚みに塗工した。
次に、ギヤオーブン中で40℃〜100℃、2℃/分で
連続昇温し、上記ガラス基板上に塗工された溶液を乾燥
し、フィルムを得た。乾燥後、ガラス基板に支持された
フィルムを150℃に加熱し、1時間熱処理することに
より、ガラス基板に支持されている厚さ33μmのねじ
れネマチック配向位相差板を得た。
【0052】
【化7】
【0053】
【化8】
【0054】比較例1 溶媒としての塩化メチレン80gに、化学式(2)で示
した側鎖型液晶ポリマー15gと、化学式(3)で示し
たカイラルな置換基を導入した側鎖型液晶ポリマー3g
とを混合し、溶液を調製した。この溶液を、配向処理さ
れたガラス基板上にドクターブレードをコーターヘッド
として用い、33μmの厚みに塗工した。次に、ギヤオ
ーブン中において、上記ガラス基板上の溶液を40℃〜
100℃まで2℃/分で連続昇温して乾燥させて、フィ
ルムを得た。しかる後、ガラス基板に支持されたフィル
ムを、160℃で1時間加熱し、ガラス基板に支持され
ている厚み6μmのねじれネマチック配向位相差板を得
た。
【0055】実施例及び比較例の評価 上記実施例1〜3及び比較例1で得たねじれネマチック
配向位相差板において、その面内の任意の5点において
位相差値の測定を下記の要領で行い、その分散値を算出
した。結果を下記の表1に示す。
【0056】位相差値の測定方法…ねじれ位相差板の基
材側を入射方向とし、液晶高分子層表面の配向方向(あ
らかじめ決定されている基材の配向方向)a1と−45
°の角度をなす方向b1より直線偏光を入射する。この
とき出射側で、偏光板の透過軸を回転させ、透過光スペ
クトルを観測する。偏光板の透過軸がねじれ位相差板の
出射光軸a2と+45°の角度b2になったとき、ある
波長λで透過率が0になる。このときのb1とb2のな
す角度θとλを下記の数式(1)に代入することで位相
差値が得られる。
【0057】
【数1】
【0058】
【表1】
【0059】表1から明らかなように、位相差値の分散
性は、比較例に比べて実施例1〜3で著しく小さく、従
って、位相差板の均一性の高いことがわかる。
【0060】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
かかる製造方法では、液晶性ポリマーだけでなく、非液
晶性ポリマーを含む溶液を用いて位相差板を構成するた
めのフィルムが成膜される。従って、液晶ポリマーが非
液晶性ポリマーで希釈される分だけフィルムの厚みを増
大させることができるため、液晶ポリマーの能力をその
まま維持した状態で位相差板全体の厚みを増大させるこ
とができる。よって、従来の数十μmの厚みのフィルム
を作製する時と同程度の精度で塗工厚みを制御すればよ
いだけであるため、位相差が面内で均一であり、かつ高
品質なフィルムからなる位相差板を容易にかつ安価に提
供することが可能となる。
【0061】また、請求項2に記載の発明では、上記請
求項1に記載の発明にかかる製造方法により得られた位
相差板を用いて楕円偏光板が合成されているため、軽量
であり、しかも均一な特性を有する楕円偏光板を提供す
ることが可能となる。
【0062】また、請求項3に記載の発明では、上記請
求項1に記載の発明にかかる製造方法により得られた位
相板を用いて液晶表示装置が構成されているため、全体
の重量を増大させることなく、安定な特性を発揮し得る
液晶表示装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により得られたねじれ配向位
相差板が用いられたSTN型液晶表示装置を説明するた
めの模式的断面図。
【符号の説明】
1…液晶表示装置 2…液晶 3…ガラス基板 4…液晶表示セル 5…ねじれ配向位相差板 6…偏光板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ねじれネマチック配向することが
    できるサーモトロピック液晶ポリマーと、非液晶性ポリ
    マーとを溶媒に均一に溶解させてなる溶液、または
    (b)ネマチック配向することができるサーモトロピッ
    ク液晶ポリマーと、カイラル剤と、非液晶性ポリマーと
    を溶媒に均一に溶解させてなる溶液を、平滑な面上に均
    一に塗工し、溶媒を乾燥させ、溶媒乾燥後に液晶ポリマ
    ーの液晶発現温度以上の温度で熱処理することにより、
    ねじれネマチック配向させることを特徴とするねじれ配
    向位相差板の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の製造方法で得られたねじれ配
    向位相差板と、偏光板とを積層してなる積層体であるこ
    とを特徴とする楕円偏光板。
  3. 【請求項3】 液晶セルの少なくとも片側に、請求項1
    に記載の製造方法で得られたねじれ配向位相差板を介し
    て偏光板が配置されていることを特徴とする液晶表示装
    置。
JP7230043A 1995-09-07 1995-09-07 ねじれ配向位相差板の製造方法、該製造方法により得られた位相差板を用いた楕円偏光板及び液晶表示装置 Withdrawn JPH0980227A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10339812A (ja) * 1997-06-09 1998-12-22 Nitto Denko Corp 円偏光分離層、光学素子、偏光光源装置及び液晶表示装置
JP2000226458A (ja) * 1999-02-08 2000-08-15 Nitto Denko Corp 光学フィルム、光学部材及び光学素子
JP2002148611A (ja) * 2000-11-15 2002-05-22 Nippon Mitsubishi Oil Corp 半透過型液晶表示素子
JP2003029037A (ja) * 2001-07-16 2003-01-29 Nitto Denko Corp 光学フィルムの製造方法

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