JP3421443B2 - 楕円偏光板および液晶表示装置 - Google Patents

楕円偏光板および液晶表示装置

Info

Publication number
JP3421443B2
JP3421443B2 JP23524694A JP23524694A JP3421443B2 JP 3421443 B2 JP3421443 B2 JP 3421443B2 JP 23524694 A JP23524694 A JP 23524694A JP 23524694 A JP23524694 A JP 23524694A JP 3421443 B2 JP3421443 B2 JP 3421443B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
film
polarizing plate
cellulose triacetate
discotic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP23524694A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0894838A (ja
Inventor
卓 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP23524694A priority Critical patent/JP3421443B2/ja
Publication of JPH0894838A publication Critical patent/JPH0894838A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3421443B2 publication Critical patent/JP3421443B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、楕円偏光板、特にTN
型液晶セルを用いる液晶表示装置の視角特性を改良する
楕円偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】日本語ワードプロセッサやデスクトップ
パソコン等のOA機器の表示装置は、主流であるCRT
から、薄型軽量、低消費電力という大きな利点を持った
液晶表示素子(以下LCD)に変換されつつある。現在
普及しているLCDの多くは、ねじれネマティック液晶
を用いている。このような液晶を用いた表示方式として
は、複屈折モードと旋光モードの2つの方式に大別でき
る。
【0003】複屈折モードを用いた表示素子(STN型
LCD)は、液晶分子配列のねじれ角が90゜以上ある
もので、急峻な電気光学特性を持つため、能動素子(薄
膜トランジスタやダイオード)がなくても単純なマトリ
ックス状の電極構造で時分割駆動により大容量の表示が
得られる。しかし、応答速度が遅く(数百ミリ秒)、階
調表示が困難という欠点を持ち、能動素子を用いた液晶
表示素子(TFT−LCDやMIM−LCD)の表示性
能を越えるまでには至っていない。
【0004】TFT−LCDやMIM−LCDには、液
晶分子の配列状態が90゜ねじれた旋光モードの表示方
式(TN型LCD)が用いられている。この表示方式
は、応答速度が速く(数十ミリ秒)、容易に白黒表示が
得られ、高い表示コントラストを示すことから他の方式
のLCDと比較しても最も有力な方式である。しかし、
ねじれネマティック液晶を用いている為、表示方式の原
理上、見る方向によって表示色や表示コントラストが変
化するといった視角特性上の問題点があり、CRTの表
示性能を越えるまでには至っていない。
【0005】特開平4−229828号、特開平4−2
58923号公報などに見られるように、一対の偏光板
とTN型液晶セルの間に、位相差フィルムを配置するこ
とによって視野角を拡大しようとする方法が提案されて
いる。上記特許公報で提案された位相差フィルムは、液
晶セルに対して、垂直な方向の位相差はほぼゼロのもの
であり、真正面からは何ら光学的な作用を及ぼさす、傾
けたときに位相差が発現し、液晶セルで発現する位相差
を補償しようというものである。しかし、これらの方法
によっても視野角の改良は不十分で、具体的には、画面
法線方向から上下方向または左右方向に傾けたときの表
示画像の着色(着色現象)や白黒が反転する現象(反転
現象)が著しく、特に、車載用やCRTの代替として考
えた場合には、全く対応できないのが現状である。
【0006】また、特開平4−366808号、特開平
4−366809号公報では、光学軸が傾いたカイラル
ネマチック液晶を含む液晶セルを位相差フィルムとして
用いて視野角を改良しているが、2層液晶方式となりコ
ストが高く、非常に重たいものとなっている。さらに特
開平4−113301、特開平5−80323、特開平
5−157913号公報に、液晶セルに対して、高分子
鎖、光軸または光学弾性軸が傾斜している位相差フィル
ムを用いている方法が提案されているが、一軸性のポリ
カーボネートを斜めにスライスして用いる等、大面積の
位相差フィルムを低コストでは得難いという問題点があ
った。またSTN−LCDの視野角改善については言及
しているもののTN−LCDの視野角改善について何等
具体的効果が示されていない。また、特開平5−215
921号公報においては一対の配向処理された基板に、
硬化時に液晶性を示す、棒状化合物を挟持した形態の複
屈折板によりLCDの光学補償をする案が提示されてい
るが、この案では従来から提案されているいわゆるダブ
ルセル型の補償板と何ら変わることがなく、大変なコス
トアップになり事実上大量生産には向かない。さらにT
N型LCDの全方位視野角改善についてはその効果が示
されていない。また、特開平3−9326号、及び特開
平3−291601号公報においては配向膜が設置され
たフィルム状基盤に高分子液晶を塗布することによりL
CD用の光学補償板とする案が記載されているが、この
方法では分子を斜めに配向させることは不可能であるた
め、やはりTN型LCDの全方位視野角改善は望めな
い。
【0007】更に、EP0576304A1、および本
発明者らによる特開平6ー75116号公報に、光学的
に負の一軸性でその光軸が傾斜している位相差板を用い
ることにより、視角特性を改良する方法が記載されてい
る。この方法によれば視野角は従来のものと比べ大幅に
改善されるが、それでもCRT代替を検討するほどの視
野角改善は実現不可能であった。
【0008】そこで本発明者らは、特願平6ー1265
21号明細書において、光学的に負の一軸性でその光軸
がフイルムの法線方向から傾斜している光学異方素子、
および光学的に負の一軸性でその光軸がフイルムの法線
方向にある光学異方素子の特性をあわせ持つ位相差フイ
ルムにより、TN型液晶を有する液晶表示装置の視角特
性が著しく改善される事を見いだした。
【0009】一般に、視野角の改良には、位相差フイル
ムを、液晶セルと偏光板との間に設置する事が必要であ
る。ここで用いられている偏光板は、後述する様に、延
伸したポリビニルアルコールにヨウ素または二色性染料
を吸着させた偏光素子の両側に、光学的に殆ど異方性の
ないセルローストリアセテート等の保護フイルムを貼り
合わせる事で、耐熱性、耐湿性を改良したものである。
従来は、この偏光板に位相差フイルムを貼り合わせて楕
円偏光板とし、それを液晶セルに貼り合わせて液晶表示
装置を作成しており、多くの貼り合わせ工程が必要であ
り、またこの液晶表示装置を、高温あるいは高湿条件下
に置くと、楕円偏光板の貼り合わせた界面で剥がれる剥
離故障、楕円偏光板の内部で気泡の発生するアワ故障、
あるいは楕円偏光板の四隅からシワの発生するシワ故障
等が起こる場合があり、液晶表示装置の表示品位を著し
く低くするという大きな問題点があった。また単に貼り
合わせ工程を減らすためには、位相差フイルムを偏光板
の保護フイルムとして用いる事も可能であるが、後述す
る様に、偏光素子と位相差フイルムとの貼り合わせが難
しく、上記同様に、剥離故障、アワ故障、またはシワ故
障が起こる場合があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、貼り
合わせ工程が少なく、高湿条件下に置かれても、剥離故
障、アワ故障、あるいはシワ故障等のない楕円偏光板を
提供する事であり、さらに、高温あるいは高湿条件下に
置かれても、表示品位の低下が起こらない液晶表示装置
を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、両側表面にケ
ン化処理を施した三酢酸セルロースフィルムの一方の表
面に設けられた配向膜上にディスコティック液晶を塗布
して形成された光学異方性層が設けれ、該三酢酸セルロ
ースフィルムの他方の表面には偏光素子が接合されてな
る楕円偏光板にある。本発明はまた、両側表面にケン化
処理を施した三酢酸セルロースフィルムの一方の表面に
配向膜を設け、その配向膜上にディスコティック液晶を
塗布して形成した光学異方性層を有する光学異方素子を
予め用意し、この光学異方素子を、別に用意した偏光素
子の表面に、三酢酸セルロースフィルムの他方の表面に
て接合することを特徴とする楕円偏光板の製造方法にも
ある。本発明はまた、少なくとも、2枚の電極間に、ね
じれ角がほぼ90゜のTN型液晶を挟持した液晶セル、
および上記の楕円偏光板を有する事を特徴とする液晶表
示装置にもある。
【0012】本発明の楕円偏光板が高温、高湿条件下に
置かれても、剥離故障、アワ故障、シワ故障等が発生し
ない事については、下記のように考えている。通常用い
られている偏光素子は、エチレンー酢酸ビニル共重合体
部分ケン化ポリマー、部分ホルマール化ポリビニルアル
コール、ポリビニルアルコールの様な親水性ポリマーか
らなるフイルムを延伸した後、ヨウ素、または二色性染
料を吸着させたものや、ポリ塩化ビニルのようなプラス
チックフイルムを処理して、ポリエンを配向させたもの
である。この偏光素子の耐熱性、耐湿性を改良するため
に、従来から、偏光素子の両側に三酢酸セルロース等の
複屈折が小さく、吸湿性あるいは透湿性の小さいフイル
ムを、保護フイルムとして貼り合わせて、偏光板とする
事が行われてきた。
【0013】本発明においては、光学異方素子を偏光素
子の保護フイルムとして用いる事により、楕円偏光板作
成における貼り合わせ工程を減らす事を目的としてお
り、貼り合わせる光学異方素子の熱あるいは湿度に対す
る収縮特性が、偏光素子と大きく異なっていると、貼り
合わせた界面での剥離故障、シワ故障、アワ故障等の原
因になると考えられる。本発明の光学異方素子は、支持
体上に円盤状化合物を含む光学異方性層を設けたもので
あり、この支持体として、偏光板の保護フイルムとして
従来から用いられてきた三酢酸セルロースを用いればこ
れらの故障はなくなるものと推定される。但し、通常の
三酢酸セルロース上に、この光学異方性層を設置する事
は、密着の点で難しく、この密着性を改良する事を検討
した結果、三酢酸セルロースをケン化する事が効果的で
ある事を見いだし、本発明を成すに至った。
【0014】本発明の好ましい実施態様について、以下
に詳しく説明する。このケン化した三酢酸セルロース
は、原材料となる三酢酸セルロースフイルムを、例え
ば、2%の水酸化カリウム水溶液のような、希薄なアル
カリ水溶液中に浸す事によって、表面だけ僅かにケン化
したものである。この時の反応条件は、室温で約1〜3
0分、好ましくは10分以下の比較的穏和なもので十分
である。
【0015】なお原材料となる三酢酸セルロースフイル
ムは、光学的に負の一軸性でその光軸がフイルムの法線
方向にある光学異方素子としては、光透過率が80%以
上であると同時に、フイルム面内の主屈折率をnx、n
y、厚み方向の主屈折率をnz、フイルムの厚みをdと
したとき、三軸の主屈折率の関係が nz<ny=nx
を満足し、式 {(nx+ny)/2ーnz}×d
で表されるレタデーションが20nmから400nmで
ある事が好ましい。但し、nxとnyの値は厳密に等し
い必要はなく、ほぼ等しければ十分である。具体的に
は、|nxーny|/|nx−nz|≦0.2 であれ
ば実用上問題はない。 |nxーny|×d で表され
る正面レタデーションは、50nm以下である事が好ま
しく、20nm以下である事がさらに好ましい。
【0016】本発明の、光学的に負の一軸性でその光軸
が、フイルムの放線方向から5゜から50゜傾斜してい
る光学異方性層は、斜めに配向した円盤状化合物を含む
ものである事が好ましい。該光学異方性層は、光透過率
が80%以上であるとともに、フイルム面内の主屈折率
をnx’、ny’、厚み方向の屈折率をnz’、厚さを
d’とした時、三軸の主屈折率の関係が nz’<n
y’=nx’ を満たし、式 {(nx’+ny’)/
2−nz’}×d’ で表されるレタデーションが50
nmから400nmである事が好ましい。但し、n
x’、ny’の値は厳密に等しい必要はなく、ほぼ等し
ければ十分である。具体的には、以下の範囲であれば問
題はない。 |nx’−ny’|/|nx’−nz’|≦0.2 また光軸がフイルムの放線方向となす角については、1
0゜から50゜である事がさらに好ましい。
【0017】本発明の円盤状化合物とは、例えば、C、
Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.
71巻、111頁(1981年)に記載されている、ベ
ンゼン誘導体や、B.Kohneらの研究報告、Ang
ew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載
されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの
研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁
(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.A
m.Chem.Soc.116巻、2655頁(199
4年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセ
チレン系マクロサイクルなどが挙げられ、一般的にこれ
らを分子中心の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキ
シ基、置換ベンゾイルオキシ基等がその直鎖として放射
状に置換された構造であり、液晶性を示し、一般的にデ
ィスコティック液晶と呼ばれるものが含まれる。ただ
し、分子自身が負の一軸性を有し、一定の配向を付与で
きるものであれば上記記載に限定されるものではない。
また、本発明において、円盤状化合物から形成したと
は、最終的にできた物が前記化合物である必要はなく、
例えば、前記低分子ディスコティック液晶が熱、光等で
反応する基を有しており、結果的に熱、光等で反応によ
り重合または架橋し、高分子量化し液晶性を失ったもの
も含まれるものとする。
【0018】つぎに、本発明における円盤状化合物と
は、下記に列挙する様なディスコティック液晶、および
他の低分子化合物やポリマーとの反応により、もはや液
晶性を示さなくなったディスコティック液晶の反応生成
物等のように、分子自身が光学的に負の一軸性を有する
化合物全般を意味する。
【0019】
【化1】
【0020】
【化2】
【0021】
【化3】
【0022】
【化4】
【0023】本発明における円盤状化合物がディスコテ
ィック液晶の場合、これらを含む層を、光学的に負の一
軸でかつ光軸がフイルムの法線方向から5゜から50゜
傾斜させて配向させるためには、下記の処理が必要にな
る。具体的には、ケン化した三酢酸セルロースフイルム
上に、ラビング処理した有機配向膜あるいは無機配向膜
を形成し、その上にディスコティック液晶を塗布し、そ
の後液晶相、より好ましくはディスコネマティック相形
成温度まで昇温することである。これにより該液晶は斜
め配向をし、その後の冷却により配向を保ったまま、常
温では固体状態をとる。また、ディスコティックネマテ
ィック液晶相形成温度はディスコティック液晶に固有の
ものであるが、異なるものを二種以上混合する事によ
り、任意に調整する事ができる。本発明に用いるディス
コティック液晶のディスコティックネマティック液晶相
−固相転移温度としては、好ましくは70℃以上300
℃以下、特に好ましくは70℃以上150℃以下であ
る。
【0024】上記の有機配向膜としては、ポリイミド
膜、ポリスチレン誘導体などがあり、水溶性のものとし
ては、ゼラチン膜やポリビニルアルコールなどが挙げら
れる。これらは全てラビング処理を施すことにより、デ
ィスコティック液晶を斜めに配向させることができる。
中でもアルキル変性のポリビニルアルコールは特に好ま
しく、ディスコティック液晶を均一に配向させる能力に
秀れていることを本発明者らは発見した。これは配向膜
表面のアルキル鎖とディスコティック液晶のアルキル側
鎖との強い相互作用のためと推測している。上記アルキ
ル変性ポリビニルアルコールは、下記に列記するような
末端にアルキル基を有するものであり、けん化度80%
以上、重合度200以上が好ましい。また、側鎖にアル
キル基を有するポリビニルアルコールも有効に用いるこ
とができる。市販品として、クラレ製 MP103、M
P203、R1130などが入手可能である。
【0025】また、LCDの液晶配向膜として広く用い
られているポリイミド膜も有機配向膜として好ましく、
これはポリアミック酸(例えば、日立化成製 LQ/L
Xシリーズ、日産化学製 SEシリーズ等)を基板面に
塗布し100〜300℃で0.5〜1時間焼成の後ラビ
ングする事により得られる。
【0026】また、前記ラビング処理とは、LCDの液
晶配向処理工程として広く普及しているものと同一な手
法で、配向膜の表面を紙やガーゼ、フェルト、ラバー、
或いはナイロン、ポリエステル繊維などを用いて一定方
向にこすることにより配向を得る方法である。一般的に
は長さと太さが均一な繊維を平均的に植毛した布などを
用いて数回程度ラビングを行う。
【0027】また、無機斜方蒸着膜の蒸着物質としては
SiOを代表としTiO2、MgF2、ZnO2等の金属
酸化物やフッ化物、Au、Al等の金属が挙げられる。
尚、金属酸化物は高誘電率のものであれば斜方蒸着物質
として用いることができ、上記に限定されるものではな
い。蒸着膜の形成には基盤固定型の方法とフィルムへの
連続蒸着型の方法の両者が使え、蒸着物質としてSiO
を例にとると蒸着角度αが約65〜88゜において、デ
ィスコティック液晶はその光学軸が蒸着粒子カラムの方
向とおよそ直交する方向に均一配向する。
【0028】上記配向膜は、その上に塗設されたディス
コティック液晶分子の配向方向を決定する作用がある
が、ディスコティック液晶の配向性は配向膜に依存する
ためその組合わせを最適化する必要がある。また均一配
向をしたディスコティック液晶分子はフイルムの法線と
ある角度をもって配向するが、傾斜角は配向膜によって
はあまり変化せず、ディスコティック液晶分子固有の値
をとることが多い。ディスコティック液晶を二種以上あ
るいはディスコティック液晶に似た化合物を混合すると
その混合比により傾斜角を調整する事ができる。従っ
て、斜め配向の傾斜角制御にはディスコティック液晶を
選択する、或いは混合するなどの方法がより有効であ
る。
【0029】またディスコティック液晶を斜めに配向さ
せる別の方法として、磁場配向や電場配向が挙げられ
る。この場合には、ディスコティック液晶を塗布した基
板を加熱しながら、所望の角度で磁場、あるいは電場を
かける事が必要となる。
【0030】このようにして得られる円盤状化合物の斜
め配向が、高温、高湿下でも維持できるようにするため
には、あらかじめ円盤状化合物に、重合性不飽和基、エ
ポキシ基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等の官能
基を持たせ、熱、あるいは光重合開始剤による、重合性
不飽和基のラジカル重合、あるいは光酸発生剤によるエ
ポキシ基の開環重合、多価イソシアナート、多価エポキ
シ化合物による架橋反応等によって、円盤状化合物自身
を架橋する事が好ましい。この時同様の官能基を有する
別の化合物を含有させてもかまわない。
【0031】偏光素子と保護フイルムとして用いる光学
異方素子とは、アクリル系、SBR系、あるいはシリコ
ン系粘着剤または接着剤によって、強固に貼り合わさ
れ、本発明の楕円偏光板が得られる。本発明において
は、偏光素子の一方の保護フイルムは前述した光学異方
素子であり、他の一方のは同様な光学異方素子でも良い
が、複屈折の小さい、ゼオネックス、ARTON、フジ
タック等の商品名で市販されているフイルムを用いる事
が好ましい。本発明の楕円偏光板を、TN型液晶セルに
用いる場合、楕円偏光板の保護フイルムのうち、光学異
方素子がTN液晶セル側に向くようにする事が必要であ
る。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
する。 実施例1三酢酸セルロースフイルムAの作成 スチレン換算の重量平均分子量8万のトリアセチルセル
ロースを塩化メチレンに溶解し、金属バンド上に流延
し、揮発分が3%になった時点で剥取り、その後テンタ
ーによる幅方向延伸、MD方向延伸、及び熱による配向
緩和を行うことによって、約115μm厚の三酢酸セル
ロースフイルムAを作成した。
【0033】実施例2ケン化した三酢酸セルロースフイルムBの作成 実施例1で作成した三酢酸セルロースフイルムを室温
で、2%の水酸化カリウム水溶液中に5分間浸蹟し、流
水中で洗浄した後乾燥して、ケン化した三酢酸セルロー
スフイルムBを作成した。
【0034】光学異方素子Cの作成 実施例得たケン化三酢酸セルロースフィルムBを支
持体として、アルキル変性PVA(MP203:商品名
クラレ製)を1.2μmの厚みとなる様に塗布した
後、ラビング機によりラビングし、前述したディスコテ
ィック液晶TE−8(m=4) 0.4g、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート 0.06g、イルガ
キュアー907 0.004gを1.2gのメチルエチ
ルケトンに溶解した塗布液を、スピンコーターで塗布
(回転数150rpm/2分)し、乾燥後室温から14
7℃まで10分間で昇温加熱して、ディスコティック液
晶を配向させた後、147℃のまま高圧水銀灯を用いて
2分間UV照射し、ゆっくり室温まで放冷して、円盤状
化合物を含む層Dを有する光学異方素子Cを作成した。
【0035】比較例1光学異方素子 Eの作成 実施例3で使用したBの代わりに、実施例1で作成した
Aを用いる以外はまったく同様にして、比較例の光学異
方素子Eを作成した。
【0036】実施例4 エリプソメーターを用いて、上記支持体A、Bのレタデ
ーション値、および光学異方性層Dのレタデーション
値、光軸がフイルムの法線方向となす傾斜角を求め、そ
の結果を表1にまとめた。
【0037】
【表1】
【0038】実施例5 楕円偏光板Qの作成 延伸したポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させた偏
光素子Pの片側に、アクリル系接着剤を用いて、実施例
3で作成した光学異方素子Cを、三酢酸セルロースフィ
ルムの側が内側となるように貼り合わせ、また反対側に
は、実施例1で作成した三酢酸セルロースフィルムAを
貼り合わせて本発明の楕円偏光板を作成した。但し、楕
円偏光板Qにおいては、偏光素子の吸収軸と、光学異方
素子Cにおけるレターデーションが極小値をとる方向の
フィルム面への投影方向とが直交するようにした。
【0039】比較例2楕円偏光板Rの作成 実施例5で用いた光学異方素子Cの代わりに、比較例1
で作成した光学異方素子Eを用いる他は全く同様にし
て、比較例の楕円偏光板Rを作成した。とる方向のフイ
ルム面への投影方向とが直交するようにした。
【0040】実施例7楕円偏光板の評価 楕円偏光板Q,Rをアクリル系接着剤を用いてガラスば
んにはりつけ、高温、加圧下でエイジングした後、90
℃の恒温槽に入れ、500および1000時間後に、剥
離故障、アワ故障、またはシワ故障の発生状況を観察
し、結果を表2にまとめた。
【0041】
【表2】
【0042】実施例8液晶表示装置H1、H2の作成 シャープ株式会社製のTFT型液晶カラーテレビ6Eー
C3の偏光板を剥し、代わりに本発明の楕円偏光板Q、
あるいは比較例の楕円偏光板Rを、液晶セルの両側に貼
り合わせ、液晶表示装置H1、H2を作成した。なお楕
円偏光板Qについては、偏光素子を外側にし、光学異方
素子Cのレタデーションが極小値をとる方向の、フイル
ム面への投影方向が、隣接する液晶セルのラビング軸と
180゜となる様に配置した。
【0043】実施例9 液晶表示装置H1、H2の評価 実施例で作成した液晶表示装置H1、H2について、
コントラストの視野角依存性を測定し、白表示と黒表示
のコントラスト比(T0/T5)が10となる角度を視
野角と定義し、上下左右方向の視野角を求め、結果を表
3にまとめた。
【0044】
【表3】
【0045】
【発明の効果】本発明の楕円偏光板Q、および比較例の
楕円偏光板Rとも、光学異方素子を偏光板の保護フイル
ムとして用いており、楕円偏光板を作成するについて
は、貼り合わせ工程が従来よりも少なくなっている。ま
たこれらの楕円偏光板をガラス板に貼りつけたものを、
90℃の恒温槽中で経時させると、本発明の楕円偏光板
は偏光子と光学異方素子との密着が良く、その界面で剥
がれが発生する事はないが、比較例の楕円偏光板では、
縁で界面に剥がれが発生し、細かいアワも発生してい
た。またこれらを貼りつけた、液晶表示装置H1、H2
は共のコントラストから見た視野角が広く、反転も殆ど
見られなかった。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両側表面にケン化処理を施した三酢酸セ
    ルロースフィルムの一方の表面に設けられた配向膜上に
    ディスコティック液晶を塗布して形成された光学異方性
    層が設けられ、該三酢酸セルロースフィルムの他方の表
    面には偏光素子が接合されてなる楕円偏光板。
  2. 【請求項2】 両側表面にケン化処理を施した三酢酸セ
    ルロースフィルムの一方の表面に配向膜を設け、その配
    向膜上にディスコティック液晶を塗布して形成した光学
    異方性層を有する光学異方素子を予め用意し、この光学
    異方素子を、別に用意した偏光素子の表面に、三酢酸セ
    ルロースフィルムの他方の表面にて接合することを特徴
    とする楕円偏光板の製造方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも、2枚の電極間に、ねじれ角
    がほぼ90゜のTN型液晶を挟持した液晶セル、および
    請求項1に記載の楕円偏光板を有する事を特徴とする液
    晶表示装置。
JP23524694A 1994-09-29 1994-09-29 楕円偏光板および液晶表示装置 Expired - Fee Related JP3421443B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23524694A JP3421443B2 (ja) 1994-09-29 1994-09-29 楕円偏光板および液晶表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23524694A JP3421443B2 (ja) 1994-09-29 1994-09-29 楕円偏光板および液晶表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0894838A JPH0894838A (ja) 1996-04-12
JP3421443B2 true JP3421443B2 (ja) 2003-06-30

Family

ID=16983244

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23524694A Expired - Fee Related JP3421443B2 (ja) 1994-09-29 1994-09-29 楕円偏光板および液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3421443B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100818947B1 (ko) * 1999-02-17 2008-04-07 후지필름 가부시키가이샤 액정성 분자로부터 형성된 광학 이방성 층을 가지는 광학보상 시트
KR100655677B1 (ko) * 1999-03-12 2006-12-08 후지 샤신 필름 가부시기가이샤 투명 보호막, 편광막, 투명 지지체, 및 액정성 분자로부터형성된 광학적 이방성 층을 갖는 타원 편광판
TWI243264B (en) * 2000-12-04 2005-11-11 Fuji Photo Film Co Ltd Optical compensating sheet and process for producing it, polarizing plate and liquid crystal display device
JP4729320B2 (ja) * 2005-03-25 2011-07-20 富士フイルム株式会社 液晶表示装置
WO2007007615A1 (ja) 2005-07-13 2007-01-18 Nitto Denko Corporation 光学補償層付偏光板およびその製造方法、ならびに、光学補償層付偏光板を用いた液晶パネル、液晶表示装置および画像表示装置
JP2007161768A (ja) 2005-12-09 2007-06-28 Fujifilm Corp ポリマーフイルムのアルカリ鹸化方法及び装置
JP2007161769A (ja) 2005-12-09 2007-06-28 Fujifilm Corp ポリマーフイルムのアルカリ鹸化方法及び装置
JP2009098636A (ja) 2007-09-27 2009-05-07 Fujifilm Corp 光学フィルム、偏光板、及び液晶表示装置
WO2013065307A1 (ja) 2011-11-01 2013-05-10 コニカミノルタ株式会社 位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置
US10943960B2 (en) * 2017-01-25 2021-03-09 Lg Chem, Ltd. Optical filter for anti-reflection and organic light-emitting device
KR102394968B1 (ko) 2017-11-27 2022-05-04 후지필름 가부시키가이샤 장척 액정 필름, 장척 편광판, 화상 표시 장치, 및 장척 액정 필름의 제조 방법
CN112639553B (zh) 2018-09-12 2022-09-13 富士胶片株式会社 液晶膜、偏振片、圆偏振片及图像显示装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6432203A (en) * 1987-07-28 1989-02-02 Sumitomo Chemical Co Production of polarizing plate
JPH0651121A (ja) * 1992-07-29 1994-02-25 Nitto Denko Corp 偏光板及び楕円偏光板
JP3315476B2 (ja) * 1993-01-18 2002-08-19 富士写真フイルム株式会社 光学補償シート及びその製造方法、並びにそれを用いた液晶表示素子

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0894838A (ja) 1996-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3284002B2 (ja) 楕円偏光板およびそれを用いた液晶表示装置
JP3044681B2 (ja) 液晶表示装置
JP2640083B2 (ja) 光学補償シート及びそれを用いた液晶表示装置
JP2587398B2 (ja) 光学補償シート、液晶表示装置及びカラー液晶表示装置
JP3421443B2 (ja) 楕円偏光板および液晶表示装置
JP2005520209A (ja) 光学補償フィルム、偏光板および画像表示装置
JP2002207125A (ja) 光学補償シート及び液晶表示装置
KR100894239B1 (ko) 액정 표시 장치
JP2003232922A (ja) 偏光板および液晶表示装置
JP3561373B2 (ja) 液晶表示素子
JP2767382B2 (ja) 光学補償シート
JPH0895030A (ja) 光学補償シート、及びそれを用いた液晶表示素子
JP2000009936A (ja) 光学補償シートの製造方法
JP3568641B2 (ja) 光学異方素子およびそれを用いた液晶表示素子
JP2706902B2 (ja) カラー液晶表示装置
JP3687921B2 (ja) 光学異方素子を用いた液晶表示素子
JPH08101380A (ja) 反射型液晶表示装置
JPH09230335A (ja) 光学補償フイルム及びそれを用いた液晶表示装置
JPH0895032A (ja) 楕円偏光板及びカラー液晶表示装置
JPH07333434A (ja) 光学補償シート及びそれを用いた液晶表示素子
JPH0933908A (ja) 液晶表示装置
JPH08152514A (ja) 光学補償シート及びそれを用いた液晶表示素子
JP3699160B2 (ja) 光学異方素子を用いた液晶表示素子
JPH0843625A (ja) 光学補償シートの製造方法
JPH0821996A (ja) 液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030408

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080418

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090418

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090418

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100418

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110418

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120418

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130418

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130418

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140418

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees