JP3561373B2 - 液晶表示素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術】
本発明は、視角によるコントラスト変化と、白及び中間調での色味変化が改良された液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
日本語ワードプロセッサやディスクトップパソコン等のOA機器の表示装置の主流であるCRTは、薄型軽量、低消費電力という大きな利点をもった液晶表示素子に変換されてきている。現在普及している液晶表示素子(以下LCDと称す)の多くは、ねじれネマティック液晶を用いている。このような液晶を用いた表示方式としては、複屈折モードと旋光モードとの2つの方式に大別できる。
【0003】
複屈折モードを用いたLCDは、液晶分子配列のねじれ角90°以上ねじれたもので、急崚な電気光学特性をもつ為、能動素子(薄膜トランジスタやダイオード)が無くても単純なマトリクス状の電極構造でも時分割駆動により大容量の表示が得られる。しかし、応答速度が遅く(数百ミリ秒)、階調表示が困難という欠点を持ち、能動素子を用いた液晶表示素子(TFT−LCDやMIM−LCDなど)の表示性能を越えるまでにはいたらない。
【0004】
TFT−LCDやMIM−LCDには、液晶分子の配列状態が90°ねじれた旋光モードの表示方式(TN型液晶表示素子)が用いられている。この表示方式は、応答速度が速く(数+ミリ秒)、容易に白黒表示が得られ、高い表示コントラストを示すことから他の方式のLCDと比較して最も有力な方式である。しかし、ねじれネマティック液晶を用いている為に、表示方式の原理上、見る方向によって表示色や表示コントラストが変化するといった視角特性上の問題があり、CRTの表示性能を越えるまでにはいたらない。
【0005】
SID’92 Digest p.798などに見られるように、画素を分割し、それぞれ電圧印加時のチルト方向を逆向きにして、視角特性を補償する方法が提案されている。この方法によると、上下方向の階調反転に関する視角特性は改善されるが、コントラストの視角特性はほとんど改善されない。
【0006】
特開平4−229828号、特開平4−258923号公報などに見られるように、一対の偏光板とTN型液晶セルの間に、位相差フィルムを配置することによって視野角を拡大しようとする方法が提案されている。
【0007】
上記特許公報で提案された位相差フィルムは、液晶セルの表面に対して、垂直な方向に位相差がほぼゼロのものであり、真正面からはなんら光学的な作用を及ぼさず、傾けたときに位相差が発現し、液晶セルで発現する位相差を補償しようというものである。しかし、これらの方法によってもLCDの視野角はまだ不十分であり、更なる改良が望まれていた。
【0008】
また、特開平4−366808号、特開平4−366809号公報では、光学軸が傾いたカイラルネマチック液晶を含む液晶セルを位相差フィルムとして用いて視野角を改良しているが、2層液晶方式となりコストが高く、非常に重たいものとなっている。さらに特開平4−113301号特開平5−80323号、特開平5−157913号公報に、液晶セルに対して、高分子鎖、光軸または光学弾性軸が傾斜している位相差フィルムを用いている方法が提案されているが、一軸性のポリカーボネートを斜めにスライスして用いる等、大面積の位相差フィルムを低コストでは得難いという問題点があった。またSTN−LCDに関しての視野角改善については言及しているもののTN−LCDの視野角改善について何等具体的効果が示されていない。
【0009】
また、特開平5−215921号公報においては一対の配向処理された基盤に硬化時に液晶性を示す棒状化合物を挟持した形態の複屈折板によりLCDの光学補償をする案が提示されているが、この案では従来から提案されているいわゆるダブルセル型の補償板と何ら変わることがなく、大変なコストアップになり事実上大量生産には向かない。さらにTN型LCDの全方位視野角改善についてはその効果が示されていない。
【0010】
また、特開平3−9326号、及び特開平3−291601号公報においては配向膜が設置されたフィルム状基盤に高分子液晶を塗布することによりLCD用の光学補償板とする案が記載されているが、この方法では分子を斜めに配向させることは不可能であるため、やはりTN型LCDの全方位視野角改善は望めない。
【0011】
更に、EP0576304A1、および本発明者らによる特開平6ー75116号公報に、光学的に負の一軸性でその光軸が傾斜している位相差板を用いることにより、視角特性を改良する方法が記載されている。
この方法によれば視野角は従来のものと比べ大幅に改善されるが、それでもCRT代替を検討するほどの視野角改善は実現不可能であった。
【0012】
そこで本発明者らは、特開平7−333597号において、光学的に負の一軸性でその光軸がフイルムの法線方向から傾斜している光学異方素子、および光学的に負の一軸性でその光軸がフイルムの法線方向にある光学異方素子の特性をあわせ持ち、光軸が存在せず、レターデーション値の絶対値が最小となる方向が、フィルム法線方向でも面方向でもない位相差フイルムにより、TN型液晶を有する液晶表示装置の視角特性が著しく改善される事を見いだした。また、特開平8−50206号において、光軸を、光学異方性層の厚み方向において連続的に変化させる事により、更に視角特性が改善される事を見いだした。
【0013】
上記特許公報で提案された位相差フィルムによって著しく視野特性が改善され、かなり傾斜した角度から画像が見えるようになったが、TN型液晶セルに装着した場合、液晶面に対する視角によって白及び中間調の画面の色が黄色味を帯びることがあり色相の変化が起きるという欠点があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、TN型晶セルにおいて、正面コントラストを低下させずに、視角によるコントラスト変化と、白及び中間階調における視角による色相変化が改良された液晶表示素子を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の手段により達成された。
(1)少なくとも偏光素子と、光学異方素子、及び液晶セルを有する液晶表示素子において、該光学異方素子が少なくとも1枚の透明高分子フィルムと、少なくとも1層の円盤状化合物を含む層とからなり、該光学異方素子の屈折率異方性の波長分散値と、該液晶の屈折率異方性の波長分散値との差が20%以下であり、かつ該光学異方素子がレターデーション値がゼロとなる方向がなく、すなわち、光軸が存在せず、レターデーション値の絶対値が最小となる方向がフィルム法線方向でも面方向でもなく、該透明高分子フィルムの光学特性が式1、及び2を満足し、該円盤状化合物を含む層の光学特性が、式3、及び4を満足し、かつ該円盤状化合物の円盤面とフィルム法線方向とのなす角が、円盤状化合物含有層の厚み方向において連続的に変化している事を特徴とする液晶表示素子。
式1 100≦{(nx1+ny1)/2―nz1}×d1≦1000
式2 0≦|(nx1−ny1)×d1|≦200
式3 50≦{(n1+n2)/2―n3}×d2≦1000
式4 0≦|(n1−n2)×d2|≦200
(但し、nx1及びny1は透明高分子フィルムの面内の主屈折率の平均値を、nz1は厚み方向の主屈折率の平均値を表し、d1は透明高分子フィルムの厚さの和を表す。又、n1、n2及びn3は円盤状化合物含有層の主屈折率の平均値を表し、d2は円盤状化合物含有層の厚さを表し、そして上記式の単位はnmである。)
【0016】
(2)該偏光素子と該液晶セルの間の光学異方素子の厚みが200μm以下である事を特徴とする(1)に記載の液晶表示素子。
【0017】
(3)少なくとも偏光素子と、光学異方素子、及び液晶セルを有する液晶表示素子において、該光学異方素子が少なくとも1枚の透明高分子フィルム、光学的に負の一軸性の面配向性層、及び円盤状化合物を含む層とからなり、該光学異方素子の屈折率異方性の波長分散値と、該液晶の屈折率異方性の波長分散値との差が20%以下であり、かつ該光学異方素子がレターデーション値がゼロとなる方向がなく、レターデーション値の絶対値が最小となる方向がフィルム法線方向でも面方向でもなく、該透明高分子フィルム及び該面配向性層の合計の光学特性が式5、及び6を満足し、該円盤状化合物を含む層の光学特性が、前記式3、及び4を満足し、かつ該円盤状化合物の円盤面とフィルム法線方向とのなす角が、円盤状化合物含有層の厚み方向において連続的に変化している事を特徴とする液晶表示素子。
【0018】
式5 100≦{(nx1+ny1)/2―nz1}×d1+{(nx2+ny2)/2―nz2}×d3+≦1000
式6 0≦|(nx1−ny1)×d1|+|(nx2−ny2)×d3|≦200
(但し、nx2及びny2は面配向性層の面内の主屈折率の平均値を、nz2は厚み方向の主屈折率の平均値を表し、d3は面配向性層の厚さを表す。そして上記式の単位はnmである。)
【0019】
(4)該偏光素子と該液晶セルの間の光学異方素子の厚みが200μm以下である事を特徴とする(1)に記載の液晶表示素子。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いてTN型液晶表示素子を例にとり本発明の作用を説明する。図1、図2、図3は、液晶セルにしきい値電圧以上の電圧を印加した場合の液晶セル中を伝搬する光の偏光状態を示したものであり、電圧無印加時では明状態を示すものである。図2は、液晶セルに光が垂直に入射した場合の光の偏光状態を示した図である。自然光L0が偏光軸PAをもつ偏光子A1に垂直に入射したとき、偏光子Aを透過した光は、直線偏光L1となる。
【0021】
図中、LCは、TN型液晶セルに十分に電圧を印加した時の液晶分子の配列状態を、概略的に1つの液晶分子モデルで示したものである。液晶セル中の液晶分子LCの分子長軸が光の進路PSと平行な場合、入射面(光の進路に垂直な面内)での屈折率の差が生じないので、液晶セル中を伝搬する常光と異常光の位相差が生じず直線偏光L1は液晶セルを透過すると直線偏光のまま伝搬する。偏光子Bの偏光軸PBを偏光子Aの偏光軸PAと垂直に設定すると、液晶セルを透過した光L2は偏光板を透過することができず暗状態となる。
【0022】
図3は、液晶セルに光が斜めに入射した場合の光の偏光状態を示した図である。入射光の自然光L0が斜めに入射した場合、偏光子Aを透過した偏光光L1はほぼ直線偏光になる。(実際の場合、偏光板の特性により楕円偏光になる)。この場合、液晶の屈折率異方性により液晶セルの入射面において屈折率の差が生じ、液晶セルを透過する光L2は楕円偏光となり、偏光子Bを透過してしまう。この様な斜方入射における光の透過は、コントラストの低下を招き好ましくない。
【0023】
本発明は、この様な斜方入射におけるコントラストの低下を防ぎ、視角特性を改善し、同時に、正面のコントラストを改善しようとするものである。
図1に本発明による構成の一例を示した。液晶セルCEと偏光子Bとの間に本発明の光学異方素子RFが配置されている。この光学異方素子RFは光学軸に対して光が入射する角度が大きくなる程大きく偏光する複屈折体と同様な働きをする。この様な構成の液晶表示素子に図3の場合と同様に光が斜方入射し液晶セルCEを透過した光L2は楕円偏光となるが、光学異方素子の積層体RFを透過する時の位相遅延作用によって楕円偏光が元の直線偏光に変調され、種々の斜方入射においても同一な透過率が得られる視角依存性のない良好な液晶表示素子が実現できた。
【0024】
本発明によって、液晶表示素子の視角特性を大幅に向上できたことについては以下のように推定している。
TN−LCDの多くは、ノーマリーホワイトモードが採用されている。このモードにおいて、視角を大きくすることに伴って、黒表示部からの光の透過率が著しく増大し、結果としてコントラストの急激な低下を招いていることになる。
黒表示は電圧印加時の状態であるが、この時には、TNセルは、光学軸が、セルの表面に対する法線方向から若干傾いた正の一軸性光学異方体とみなすことができる。このわずかな光軸の傾斜によって真正面でも複屈折が生じるだけではなく、セルの上下方向すなわち主視角方向で視野角の著しい非対称性が生じ、上下どちらか一方または両方向の視野角が著しく損なわれることになる。
【0025】
液晶セルの光学軸が液晶セルの表面に対する法線方向から傾いている場合、光学軸が法線方向にある光学異方体では、その補償が不十分であることが予想される。また、液晶セルが正の光学異方体と見なせるのであれば、それを補償するためには負の一軸性光学異方体でなければならない。このような理由から本発明における光学軸が法線方向から傾いた負の一軸性光学異方体である円盤状化合物含有層によって視野角特性が改善される。(図4)
【0026】
しかし、TN型液晶セルの光学異方性を正の一軸性とみなすのはあくまでも近似であり、実際には液晶セルは単純な正の光学異方体ではなく、ねじれ配向しており、チルト角も変化している。したがって、光軸が傾斜した負の一軸性光学異方体で補償することはおのずと限界がある。本発明者らは、鋭意検討した結果、更に大幅な視野角改善をし、CRT代替の可能性を切り開くためには、レターデーション値がゼロとなる方向、すなわち、光軸が存在せず、レターデーション値の絶対値が最小となる方向がフィルム法線方向でも面方向でもない光学異方素子を用いることによって実現できることを突き止めた。その具体的方法として、負の一軸性を有すると共に光軸が傾斜した円盤状化合物を含む層を、負の一軸性を有すると共に光軸がフイルム法線方向にある透明高分子フィルム上の設ける事により、光軸が存在せずRe値の最小値がフイルム法線方向でも面方向でもない光学特性を実現できた。
さらに、液晶セルはチルト角が厚み方向で連続的に変化しているため、円盤状化合物の円盤面とフィルム法線方向とのなす角を連続的に変化させる事により、TN型液晶セルの黒表示時の補償が完全にでき、コントラストで見た視野角特性の大幅な改善を実現できた。
【0027】
一方、従来のTN型LCDにおいては、フルカラー表示などで起きる、視角によって中間階調特性が変化する問題点があった。これらは、起きている現象によって、階調反転、白抜け、黒つぶれと呼ばれている。本発明の光学異方素子の、光軸が存在せずRe値の最小値がフイルム法線方向でも面方向でもない光学特性により、視角による階調反転、白抜け、黒つぶれを大幅に低減できた。
また視角によって白表示が黄色く着色する問題点もあったが、該光学異方素子の屈折率異方性の波長分散値と、該液晶の屈折率異方性の波長分散値との差を25%以下にする事によって大幅な改善を実現できた。
【0028】
本発明の楕円偏光板及び液晶表示素子が正面コントラストを低下させずに、表示色の視角特性が改善され、白及び中間階調を視角によらず正確に表示できる事については、下記のように考えている。
カラー表示などの場合のように、様々な波長の光について補償が行われなければならない。可視域の様々な波長の光について補償が十分に行われなければ、液晶表示素子が視角によって色味変化を起こすことになる。特に黒表示を完璧に補償した場合、白表示では若干の補償不足が発生し、視角によってわずかなレターデーションが発生するが、波長分散を液晶セルにあわせる事により、その視角によるレターデーションの発生を抑える事ができる。また、光学異方素子の厚みの合計を200μm以下にする事によって、視角による光路長の増大によって発生する吸収の増大を抑えることができた。
【0029】
TN型液晶セルに用いられる液晶の屈折率異方性は、一般に短波長側で大きく、長波調側で小さい(正の波長分散という)。また、一般に円盤状化合物の屈折率異方性はさらに大きな正の波長分散を示す。一方、通常偏光素子の保護膜として用いられているトリアセチルセルロースは、負の波長分散を示す。
本発明者らは、偏光素子と液晶セルの間の光学異方素子すなわち少なくとも1枚の透明高分子フィルム、少なくとも一層の面配向性層、及び少なくとも1層の円盤状化合物を含む層とを通過する事によって引き起こされる屈折率異方性の波長分散を液晶セルの屈折率異方性の波長分散に合わせる事によって、可視域のあらゆる波長の光に対して補償が行われる事を見いだし、視角による色味変化を大幅に低減できた。
【0030】
本発明においては、液晶セルの屈折率異方性の波長分散αLCを波長450nmと550nmの光でのレターデーションの比、Re(λ=450nm)/Re(λ=550nm)で定義する。同様に、光学異方素子の屈折率異方性の波長分散αRFは積層体の場合、全層を通過する事により引き起こされる屈折率異方性の波長分散値で定義する。
【0031】
光学異方素子の屈折率異方性の波長分散がTN型液晶の屈折率異方性の波長分散に合わせる、すなわち0.75≦αRF/αLC≦1.25となるように透明高分子フィルム、円盤状化合物を含む層、及び面配向性層の屈折率異方性を設計する事によって、本発明の光学異方素子を装着した液晶表示素子の視角による色味変化をほとんどなくすことができた。
【0032】
以上はノーマリーホワイトモードを例にとって説明したが、ノーマリーブラックモードにおいても同様である。ノーマリーブラックモードにおいて、黒表示は電圧無印加時である。この場合も、光軸が存在せず、レターデーション値の絶対値が最小となる方向がフィルム法線方向でも面方向でもない光学異方素子を用いることによって、コントラスト、色味の視野角変化が大幅に低減できた。
【0033】
次に、本発明の実施態様について詳しく説明する。
本発明における、光軸が存在せず、レターデーション値の絶対値が最小となる方向がフィルム法線方向でも面方向でもない光学異方素子を実現する具体的方法として、負の一軸性を有すると共に光軸が傾斜した光学異方体として円盤状化合物含有層を用い、負の一軸性を有すると共に光軸がフイルム法線方向にある光学異方体として透明高分子フィルムを用いる方法が好ましい。また、波長分散を液晶セルに合わせるために、負の一軸性を有すると共に光軸がフイルム法線方向にある光学異方体として適当な波長分散の素材の面配向性層を設ける事がさらに好ましい。
【0034】
また、円盤状化合物の円盤面とフィルム法線方向とのなす角が厚み方向で連続的に変化する事により、円盤状化合物含有層単独でも光軸が存在せず、レターデーション値の絶対値が最小となる方向がフィルム法線方向でも面方向でもない事がさらに好ましい。
【0035】
負の一軸性とは、光学異方体の3軸方向屈折率を、その値が小さい順にn1、n2、n3としたとき、n1<n2=n3の関係を有するものである。従って光学軸方向の屈折率が最も小さいという特性を有するものである。ただし、n2とn3の値は厳密に等しい必要はなく、ほぼ等しければ十分である。具体的には、
|n2−n3|/|n2−n1|≦0.2
であれば実用上問題はない。
【0036】
負の一軸性を有すると共に光軸が傾斜した光学異方体の光軸の傾斜角は、視野角特性を大幅に改良する条件として、フィルム法線方向から5゜〜85゜傾いていることが好ましく、10゜〜40゜がより好ましく、20゜〜35゜が最も好ましい。さらに、シートの厚さをDとし、Δn=n2−n1と定義した時、
50≦Δn・D≦400 (nm)
の条件を満足することが好ましい。
【0037】
本発明の透明高分子フィルムに使用される素材は、特に限定はないが、各種高分子素材、液晶、または、それらのブレンド物、架橋物などが好適に利用される。これらの中では、高分子素材から成るフィルムが好ましい。このような高分子フィルムは、光透過率が80%以上であることが好ましい。従って、ゼオネックス(日本ゼオン)、ARTON(日本合成ゴム)、フジタック(富士写真フイルム)などの商品名で売られている固有複屈折率が小さい素材、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォンなどの固有複屈折率が大きい素材も好適に利用できる。
【0038】
本発明においては、上記透明高分子フィルムは偏光素子の保護フィルムを兼ねてもよいし兼ねなくても良いが、保護フィルムの光学特性も考慮して透明高分子フィルムの光学特性や、後述する面配向性層の光学特性を設計する必要がある。また、偏光素子と液晶セルの間は前述した光学異方素子であり、他方外側の保護膜は同様な光学異方素子でも良いが、複屈折の小さい、ゼオネックス、ARTON、フジタック等の商品名で市販されているフイルムを用いる事が好ましい。
【0039】
次に、本発明の円盤状化合物とは、例えば、C、Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されている、ベンゼン誘導体や、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルなどが挙げられ、一般的にこれらを分子中心の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基等がその直鎖として放射状に置換された構造であり、液晶性を示し、一般的にディスコティック液晶と呼ばれるものが含まれる。ただし、分子自身が負の一軸性を有し、一定の配向を付与できるものであれば上記記載に限定されるものではない。また、本発明において、円盤状化合物から形成したとは、最終的にできた物が前記化合物である必要はなく、例えば、前記低分子ディスコティック液晶が熱、光等で反応する基を有しており、結果的に熱、光等で反応により重合または架橋し、高分子量化し液晶性を失ったものも含まれるものとする。
【0040】
本発明における円盤状化合物とは、下記に列挙する様なディスコティック液晶、および他の低分子化合物やポリマーとの反応により、もはや液晶性を示さなくなったディスコティック液晶の反応生成物等のように、分子自身が光学的に負の一軸性を有する化合物全般を意味する。
【0041】
【化1】
【0042】
【化2】
【0043】
【化3】
【0044】
【化4】
【0045】
本発明における円盤状化合物がディスコティック液晶の場合、これらを含む層を、光学的に負の一軸でかつ光軸がフイルムの法線方向から5゜から50゜傾斜させて配向させるためには、下記の処理が必要になる。
具体的には、前述した透明高分子フィルム上に、ラビング処理した有機配向膜あるいは無機配向膜を形成し、その上にディスコティック液晶を塗布し、その後液晶相、より好ましくはディスコネマティック相形成温度まで昇温することである。
これにより該液晶は斜め配向をし、その後の冷却により配向を保ったまま、常温では固体状態をとる。また、ディスコティックネマティック液晶相形成温度はディスコティック液晶に固有のものであるが、異なるものを二種以上混合する事により、任意に調整する事ができる。
本発明に用いるディスコティック液晶のディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度としては、好ましくは50℃以上、300℃以下、特に好ましくは70℃以上、150℃以下である。
【0046】
上記の有機配向膜としては、ポリイミド膜、ポリスチレン誘導体などがあり、水溶性のものとしては、ゼラチン膜やポリビニルアルコールなどが挙げられる。
これらは全てラビング処理を施すことにより、ディスコティック液晶を斜めに配向させることができる。
中でもアルキル変性のポリビニルアルコールは特に好ましく、ディスコティック液晶を均一に配向させる能力に秀れていることを本発明者らは発見した。
これは配向膜表面のアルキル鎖とディスコティック液晶のアルキル側鎖との強い相互作用のためと推測している。
上記アルキル変性ポリビニルアルコールは、下記に列記するような末端にアルキル基を有するものであり、けん化度80%以上、重合度200以上が好ましい。また、側鎖にアルキル基を有するポリビニルアルコールも有効に用いることができる。市販品として、クラレ製;MP103、MP203、R1130などが入手可能である。
【0047】
また、LCDの液晶配向膜として広く用いられているポリイミド膜も有機配向膜として好ましく、これはポリアミック酸(例えば、日立化成製;LQ/LXシリーズ、日産化学製;SEシリーズ等)を基板面に塗布し100〜300℃で0.5〜1時間焼成の後ラビングする事により得られる。
【0048】
また、前記ラビング処理とは、LCDの液晶配向処理工程として広く普及しているものと同一な手法で、配向膜の表面を紙やガーゼ、フェルト、ラバー、或いはナイロン、ポリエステル、レーヨン繊維などを用いて一定方向にこすることにより配向を得る方法である。一般的には長さと太さが均一な繊維を平均的に植毛した布をロールに巻き付けて回転させながら、配向膜表面に接触させる事によりラビングを行う。
【0049】
また、無機斜方蒸着膜の蒸着物質としてはSiOを代表としTiO2 、MgF2 、ZnO2 等の金属酸化物やフッ化物、Au、Al等の金属が挙げられる。尚、金属酸化物は高誘電率のものであれば斜方蒸着物質として用いることができ、上記に限定されるものではない。蒸着膜の形成には基盤固定型の方法とフィルムへの連続蒸着型の方法の両者が使え、蒸着物質としてSiOを例にとると蒸着角度αが約65〜88゜において、ディスコティック液晶はその光学軸が蒸着粒子カラムの方向とおよそ直交する方向に均一配向する。
【0050】
上記配向膜は、その上に塗設されたディスコティック液晶分子の配向方向を決定する作用があるが、ディスコティック液晶の配向性は配向膜に依存するためその組合わせを最適化する必要がある。
また均一配向をしたディスコティック液晶分子はフイルムの法線とある角度をもって配向するが、傾斜角は配向膜によってはあまり変化せず、ディスコティック液晶分子固有の値をとることが多い。
ディスコティック液晶を二種以上あるいはディスコティック液晶に似た化合物を混合するとその混合比により傾斜角を調整する事ができる。従って、斜め配向の傾斜角制御にはディスコティック液晶を選択する、或いは混合するなどの方法がより有効である。
【0051】
またディスコティック液晶を斜めに配向させる別の方法として、磁場配向や電場配向が挙げられる。この場合には、ディスコティック液晶を塗布した基板を加熱しながら、所望の角度で磁場、あるいは電場をかける事が必要となる。
【0052】
このようにして得られる円盤状化合物の斜め配向が、高温、高湿下でも維持できるようにするためには、あらかじめ円盤状化合物に、重合性不飽和基、エポキシ基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等の官能基を持たせ、熱、あるいは光重合開始剤による、重合性不飽和基のラジカル重合、あるいは光酸発生剤によるエポキシ基の開環重合、多価イソシアナート、多価エポキシ化合物による架橋反応等によって、円盤状化合物自身を架橋する事が好ましい。
この時同様の官能基を有する別の化合物を含有させてもかまわない。
【0053】
本発明における面配向性層は水または有機溶媒に溶解または分散して偏光素子の保護膜または前述の透明高分子フィルム上に塗布して設ける事が好ましい。使用される素材に特に限定は無いが、正の固有複屈折を有し、複屈折の波長分散が液晶セルのそれに近い各種高分子素材、円盤状化合物、棒状化合物、液晶、またはそれらのブレンド物などが好適に用いられる。塗布乾燥工程で面配向させるためには剛直な構造が好ましい。また、液晶ではホモジニアスなモノドメインを形成しやすいコレステリック高分子液晶やネマチック液晶の高分子分散物がより好ましい。
具体的な素材としては前述の透明高分子フィルム、円盤状化合物や配向膜素材で述べた素材の他に、アゾキシ、アゾメチン、置換ビフェニル、フェニルシクロヘキサン化合物等の棒状液晶が好適に用いられる。
また、本発明の面配向性層は前述の配向膜を兼ねる事ができる。
【0054】
本発明において、偏光素子と液晶セルの間に、上記の光学異方素子を装着する場合、円盤状化合物含有層を液晶セル寄りに配置する場合と、偏光素子側に配置する場合があるが、本発明においては、どちらに配置しても構わない。しかし、補償能を最大限に発揮するには、円盤状化合物含有層を液晶セル寄りに配置し、透明高分子フィルムや面配向性層を偏光素子寄りに配置する方が好ましい。
また、本発明の楕円偏光板を、TN型液晶セルに用いる場合、楕円偏光板の保護フイルムのうち、光学異方素子がTN型液晶セル側に向くようにする事が必要である。
【0055】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
実施例1
(透明高分子フィルムの作製)
ダイセル(株)製トリアセチルセルロース100重量部に対して、トリフェニルホスフェート7重量部、ビフェニルジフェニルホスフェート3.5重量部をメチレンクロライドとメタノールの重量比9対1の混合溶媒中に固形分濃度15重量%になるように溶かしたドープをステンレスバンド上に、乾燥膜厚が80μmになるように流延し、はぎ取った後、60℃〜120℃の熱風で乾燥し、トリアセチルセルロースフイルムA1を作製した。
面内の主屈折率をnx 、ny 、厚さ方向の屈折率をnz、厚さをdとした時、トリアセチルセルロースフィルムAは、|nx −ny |×d=3nm、{(nx +ny )/2−nz }×d=20nmであり、ほぼ負の一軸性であり、光軸がほぼフイルム法線方向にあった。また、屈折率異方性の波長分散値αTAC=0.58(450nmでのReと550nmでのReとの比)であった。
【0056】
(円盤状化合物の塗布)
上記のトリアセチルセルロースフイルムA1の一方の側にゼラチン層(0.5μm)を塗設し、反対側の面に粒径0.1μmのシリカを含むジアセチルセルロース層(0.2μm)を塗設した。
次に塗設したゼラチン層の上に下記配向膜塗布液をスライドコーターで25cc/m2 塗布し、60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒間乾燥させた。
【0057】
配向膜塗布液
化合物(1) 10 g
水 371 g
メタノール 119 g
架橋剤(グルタルアルデヒド) 0.5 g
【0058】
【化5】
【0059】
本塗膜をラビングロール径150mm、フィルム搬送速度30m/min、ラッピング角度6度、ラビングロール回転数600rpm 、フィルム基板搬送張力90gf/cmのラビング条件にてラビング処理を行なった。
【0060】
この配向膜上に、前述したディスコティック液晶TE−8(8)(m=4)1.8g、トリメチロ−ルプロパンEO変性トリアクリレート(新大阪化学製#360)0.2g、セルロ−スアセテ−トブチレ−ト(イ−ストマンケミカル製CAB551−0.2)0.04g、光重合開始剤(チバガイギ−製イルガキュアー907)0.06g、増感剤(日本化薬製カヤキュア−DETX)0.02gを3.43gのメチルエチルケトンに溶解した塗布液を、ワイヤ−バ−で塗布(5.2cc/m2 )し、金属の枠に貼りつけて、130℃の温度雰囲気に該塗布物を入れ、3分間加熱し、ディスコティック液晶を配向させた後、130℃のまま120W/cmの高圧水銀灯を用いて、照度600mW/cm2 で1秒間塗布面上にUV照射した後室温にもどして、円盤状化合物含有層を塗設したトリアセチルセルロースフイルムA2を作製した。
円盤状化合物含有層の厚みは、およそ2.6μmであった。この円盤状化合物含有層は、主屈折率の小さい順にn1、n2、n3としたとき、n1<n2=n3の関係を有しており、負の一軸性であった。また、光軸はフィルム法線方向から30°傾斜していた。{(n1 +n2 )/2―n3 }×d2 =110nm、|(n1 −n2 )×d2 |=55nmであった。また、屈折率異方性の波長分散値αDLC=1.15(450nmでのReと550nmでのReとの比)であった。
【0061】
(偏光素子の作製)
ポリビニルアルコールのフイルムを延伸した後、ヨウ素を吸着させて偏光素子を作製した。
【0062】
(楕円偏光板の作製)
トリアセチルセルロースフィルムA1の表面を鹸化処理した後、上記の偏光素子の両側に2枚、接着剤で貼り合わせて偏光板を作製した後、円盤状化合物含有層を塗布したトリアセチルセルロースフィルムA2のバック面すなわちシリカを含むジアセチルセルロース層(0.2μm)を塗設した面にアクリル系粘着剤付きの離型紙を貼り合わせ、上記偏光板と貼り合わせ、楕円偏光板A3を作製した。
このようにして得られた楕円偏光板の、トリアセチルセルロースフィルムA1、円盤状化合物含有層含むトリアセチルセルロースフィルムA2からなる光学異方素子積層体は、光軸が無く、フィルム法線方向から20°傾斜した方向でのレターデーションの絶対値が最小となり、最小値は17nmであった。また、光学異方素子積層体の屈折率異方性の波長分散値αRF=0.99であった。
【0063】
(液晶表示素子の作製)
液晶の異常光と常光の屈折率の差と液晶セルのギャップサイズの積が470nmで、ねじれ角が90度のTN型液晶セルに、上記楕円偏光板A3を、液晶表示素子を挟むようにして2枚装着し、液晶表示素子Aを作製した。光学異方素子は液晶セル側になるようにした。
液晶セルの屈折率異方性の波長分散値αLC=1.06で、αRFとの差は7%であった。
【0064】
実施例2
(透明高分子フィルムの作製)
ダイセル(株)製トリアセチルセルロース100重量部に対して、トリフェニルホスフェート10重量部、ビフェニルジフェニルホスフェート5重量部をメチレンクロライドとメタノールの重量比9対1の混合溶媒中に固形分濃度15重量%になるように溶かした事以外は実施例1と同様にして、80μm のトリアセチルセルロースフイルムB1を作製した。
トリアセチルセルロースフィルムB1は、|nx −ny |×d=6nm、{(nx +ny )/2−nz }×d=40nmであり、ほぼ負の一軸性であり、光軸がほぼフイルム法線方向にあった。また、屈折率異方性の波長分散値αTAC=0.58であった。
【0065】
(円盤状化合物の塗布)
実施例1と同様にして、トリアセチルセルロースフィルムB1に上に円盤状化合物含有層を塗設した。
この円盤状化合物含有層は、n1<n2=n3の関係を有しており、負の一軸性であった。また、光軸はフィルム法線方向から30°傾斜していた。{(n1 +n2 )/2―n3 }×d2 =110nm、|(n1 −n2 )×d2 |=55nmであった。また、屈折率異方性の波長分散値αDLC=1.15であった。
【0066】
(偏光素子の作製)
実施例1と同様にして偏光素子を作製した。
【0067】
(楕円偏光板の作製)
表面を鹸化処理したトリアセチルセルロースフィルムBを、一枚だけ偏光素子の片側に接着剤で貼り合わせた後、反対側の面に、円盤状化合物含有層を塗布したトリアセチルセルロースフィルムBのバック面すなわちシリカを含むジアセチルセルロース層を塗設した面にアクリル系粘着剤付きの離型紙を貼り合わせ、上記偏光板と貼り合わせ、楕円偏光板Bを作製した。
このようにして得られた楕円偏光板の、トリアセチルセルロースフィルムA1と円盤状化合物含有層からなる光学異方素子は、光軸が無く、フィルム法線方向から20°傾斜した方向でのレターデーションの絶対値が最小となり、最小値は12nmであった。また、光学異方素子の屈折率異方性の波長分散値αRF=1.00であった。
【0068】
(液晶表示素子の作製)
実施例1と同様にして、上記楕円偏光板Bを、液晶表示素子を挟むようにして2枚装着し、液晶表示素子Bを作製した。
液晶セルの屈折率異方性の波長分散値αLC=1.06で、αRFとの差は6%であった。
【0069】
比較例1
(透明高分子フィルムの作製)
実施例1と同様にしてトリアセチルセルロースフイルムB1を作製した。
また、厚みが100μmとなるように流延したトリアセチルセルロースフイルムC1を作製した。
トリアセチルセルロースフィルムC1は、|nx −ny |×d=10nm、{(nx +ny )/2−nz }×d=50nmであり、ほぼ負の一軸性であり、光軸がほぼフイルム法線方向にあった。また、屈折率異方性の波長分散値αTAC=0.58であった。
【0070】
(円盤状化合物の塗布)
円盤状化合物含有層の厚みを、およそ2.0μmとした事以外は実施例1と同様にしてトリアセチルセルロースフィルムC1の上に円盤状化合物含有層を塗設した。
この円盤状化合物含有層は、n1<n2=n3の関係を有しており、負の一軸性であった。また、光軸はフィルム法線方向から35°傾斜していた。{(n1 +n2 )/2―n3 }×d2 =70nm、|(n1 −n2 )×d2 |=35nmであった。また、屈折率異方性の波長分散値αDLC=1.15であった。
【0071】
(偏光素子の作製)
実施例2と同様にして偏光素子を作製した。
【0072】
(楕円偏光板の作製)
トリアセチルセルロースフィルムB1の表面をKOH水溶液で鹸化処理した後、上記の偏光素子の両側に2枚、接着剤で貼り合わせて偏光板を作製した後、円盤状化合物含有層を塗設したトリアセチルセルロースフィルムC1のバック面すなわちシリカを含むジアセチルセルロース層を塗設した面にアクリル系粘着剤付きの離型紙を貼り合わせ、上記偏光板と貼り合わせ、楕円偏光板Cを作製した。
このようにして得られた楕円偏光板Cの、トリアセチルセルロースフィルムB1、C1、円盤状化合物含有層からなる光学異方素子積層体は、光軸が無く、フィルム法線方向から20°傾斜した方向でのレターデーションの絶対値が最小となり、最小値は17nmであった。また、光学異方素子積層体の屈折率異方性の波長分散値αRF=0.81であった。
【0073】
(液晶表示素子の作製)
実施例1と同様にして、上記楕円偏光板Cを、液晶表示素子を挟むようにして2枚装着し、液晶表示素子Cを作製した。
液晶セルの屈折率異方性の波長分散値αLC=1.06で、αRFとの差は24%であった。
【0074】
実施例3
(透明高分子フィルムの作製)
実施例1と同様にして、トリアセチルセルロースフイルムA1を作製した。
トリアセチルセルロースフィルムA1は、|nx −ny |×d=3nm、{(nx +ny )/2−nz }×d=20nmであり、ほぼ負の一軸性であり、光軸がほぼフイルム法線方向にあった。また、屈折率異方性の波長分散値αTAC=0.58であった。
【0075】
(面配向性層の塗布)
実施例1の(円盤状化合物の塗布)と同様にして、上記のトリアセチルセルロースフイルムA1の一方の側にゼラチン層(0.5μm)を塗設し、反対側の面に粒径0.1μmのシリカを含むジアセチルセルロース層(0.2μm)を塗設した。
次に塗設したゼラチン層の上に日本合成化学(株)製可溶性ポリエステルTP−220の2重量%メチルエチルケトン溶液をスライドコーターで30cc/m2塗布し、60℃の温風で60秒、さらに90℃の温風で150秒間乾燥させた。
この面配向性層は、|nx −ny |×d=2nm、{(nx +ny )/2−nz }×d=40nmであり、ほぼ負の一軸性であり、光軸がほぼフイルム法線方向にあった。また、屈折率異方性の波長分散値αPET=1.22であった。
【0076】
(円盤状化合物の塗布)
上記面配向性層の上に、実施例1と同様にして配向膜を塗設した後、およそ2.0μm円盤状化合物含有層を塗設した。
この円盤状化合物含有層は、n1<n2=n3の関係を有しており、負の一軸性であった。また、光軸はフィルム法線方向から35°傾斜していた。{(n1 +n2 )/2―n3 }×d2 =70nm、|(n1 −n2 )×d2 |=35nmであった。また、屈折率異方性の波長分散値αDLC=1.15であった。
【0077】
(偏光素子の作製)
実施例2と同様にして偏光素子を作製した。
【0078】
(楕円偏光板の作製)
トリアセチルセルロースフィルムA1の表面をKOH水溶液で鹸化処理した後、上記の偏光素子の両側に2枚、接着剤で貼り合わせて偏光板を作製した後、面配向性層と円盤状化合物含有層を塗設したトリアセチルセルロースフィルムA1のバック面すなわちシリカを含むジアセチルセルロース層を塗設した面にアクリル系粘着剤付きの離型紙を貼り合わせ、上記偏光板と貼り合わせ、楕円偏光板Dを作製した。
このようにして得られた楕円偏光板Dの、2枚のトリアセチルセルロースフィルムA1、面配向性層、円盤状化合物含有層からなる光学異方素子は、光軸が無く、フィルム法線方向から20°傾斜した方向でのレターデーションの絶対値が最小となり、最小値は15nmであった。また、光学異方素子積層体の屈折率異方性の波長分散値αRF=1.02であった。
【0079】
(液晶表示素子の作製)
実施例1と同様にして、上記楕円偏光板Dを、液晶表示素子を挟むようにして2枚装着し、液晶表示素子Dを作製した。
液晶セルの屈折率異方性の波長分散値αLC=1.06で、αRFとの差は4%であった。
【0080】
実施例4
(透明高分子フィルムの作製)
実施例1と同様にして、トリアセチルセルロースフイルムA1を作製した。
トリアセチルセルロースフィルムA1は、|nx−ny|×d=6nm、{(nx+ny)/2−nz}×d=20nmであり、ほぼ負の一軸性であり、光軸がほぼフイルム法線方向にあった。また、屈折率異方性の波長分散値αTAC=0.58であった。
【0081】
(面配向性層の塗布)
実施例3と同様にして、上記のトリアセチルセルロースフイルムB1の一方の側にゼラチン層(0.5μm)を塗設し、反対側の面に粒径0.1μmのシリカを含むジアセチルセルロース層(0.2μm)を塗設した。
次に塗設したゼラチン層の上に東レ(株)製可溶性ポリエステルK−1089の2重量%メチルエチルケトン溶液をスライドコーターで50cc/m2塗布し、60℃の温風で90秒、さらに90℃の温風で210秒間乾燥させた。
この面配向性層は、|nx −ny |×d=2nm、{(nx +ny )/2−nz }×d=60nmであり、ほぼ負の一軸性であり、光軸がほぼフイルム法線方向にあった。また、屈折率異方性の波長分散値αPET=1.18であった。
【0082】
(円盤状化合物の塗布)
上記面配向性層の上に、実施例1と同様にして配向膜を塗設した後、およそ2.0μm円盤状化合物含有層を塗設した。
この円盤状化合物含有層は、n1<n2=n3の関係を有しており、負の一軸性であった。また、光軸はフィルム法線方向から35°傾斜していた。{(n1 +n2 )/2―n3 }×d2 =70nm、|(n1 −n2 )×d2 |=35nmであった。また、屈折率異方性の波長分散値αDLC=1.15であった。
【0083】
(偏光素子の作製)
実施例2と同様にして偏光素子を作製した。
【0084】
(楕円偏光板の作製)
表面を鹸化処理したトリアセチルセルロースフィルムBを、一枚だけ偏光素子の片側に接着剤で貼り合わせた後、反対側の面に、円盤状化合物含有層を塗布した上記トリアセチルセルロースフィルムBのバック面すなわちシリカを含むジアセチルセルロース層を塗設した面にアクリル系粘着剤付きの離型紙を貼り合わせ、上記偏光板と貼り合わせ、楕円偏光板Eを作製した。
このようにして得られた楕円偏光板の、トリアセチルセルロースフィルムB1、面配向性層と円盤状化合物含有層からなる光学異方素子は、光軸が無く、フィルム法線方向から20°傾斜した方向でのレターデーションの絶対値が最小となり、最小値は12nmであった。また、積層体の屈折率異方性の波長分散の平均値αRF=1.07であった。
【0085】
(液晶表示素子の作製)
実施例1と同様にして、上記楕円偏光板Eを、液晶表示素子を挟むようにして2枚装着し、液晶表示素子Eを作製した。
液晶セルの屈折率異方性の波長分散値αLC=1.06で、αRFとの差は3%であった。
【0086】
上記液晶表示素子A〜Eに白〜中間調になるように駆動電圧をかけ、視角による色相変化をみると、実施例のA、B、D、Eは比較例のCにくらべてほとんど着色せず、良好な視角特性を示した。
【0087】
【本発明の効果】
本発明によれば、TN型液晶表示素子やTFT型液晶表示素子、MIM型液晶表示素子、TFD型液晶表示素子の視角によるコントラスト低下や色味変化が改善され、視認性にすぐれる高品位表示の液晶表示素子を提供することができる。また、本発明をその他の3端子素子、2端子素子を用いたアクティブマトリクス液晶表示素子に応用しても優れた効果が得られることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示素子の構成の1実施例を説明する図である。
【図2】従来のTN型液晶表示素子の構成図と表示面に垂直に光が入射する場合の光の透過状態を説明する図である。
【図3】従来のTN型液晶表示素子の構成図と表示面に斜めに光が入射する場合の光の透過状態を説明する図である。
【図4】光学軸が法線方向から傾いた負の一軸性光学異方体によって視角特性が改善される原理を示した模式図である。
【符号の説明】
L0−−−−−−−−−入射光
A、B−−−−−−−−偏光子
PA、PB−−−−−−偏光軸
L1−−−−−−−−−偏光子から出た光
PS−−−−−−−−−光の進む方向
CE−−−−−−−−−TN型液晶セル
L2−−−−−−−−−TN型液晶セルから出た光
LC−−−−−−−−−液晶分子
RF−−−−−−−−−光学異方素子
Claims (4)
- 少なくとも偏光素子と、光学異方素子、及び液晶セルを有する液晶表示素子において、該光学異方素子が少なくとも1枚の透明高分子フィルムと、少なくとも1層の円盤状化合物を含む層とからなり、該光学異方素子の屈折率異方性の波長分散値と、該液晶の屈折率異方性の波長分散値との差が20%以下であり、かつ該光学異方素子がレターデーション値がゼロとなる方向がなく、レターデーション値の絶対値が最小となる方向がフィルム法線方向でも面方向でもなく、該透明高分子フィルムの光学特性が式1、及び2を満足し、該円盤状化合物を含む層の光学特性が、式3、及び4を満足し、かつ該円盤状化合物の円盤面とフィルム法線方向とのなす角が、円盤状化合物含有層の厚み方向において連続的に変化している事を特徴とする液晶表示素子。
式1 100≦{(nx1+ny1)/2―nz1}×d1≦1000
式2 0≦|(nx1−ny1)×d1|≦200
式3 50≦{(n1+n2)/2―n3}×d2≦1000
式4 0≦|(n1−n2)×d2|≦200
(但し、nx1及びny1は透明高分子フィルムの面内の主屈折率の平均値を、nz1は厚み方向の主屈折率の平均値を表し、d1は透明高分子フィルムの厚さの和を表す。又、n1、n2及びn3は円盤状化合物含有層の主屈折率の平均値を表し、d2は円盤状化合物含有層の厚さを表し、そして上記式の単位はnmである。) - 該偏光素子と該液晶セルの間の光学異方素子の厚みが200μm以下である事を特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
- 少なくとも偏光素子と、光学異方素子、及び液晶セルを有する液晶表示素子において、該光学異方素子が少なくとも1枚の透明高分子フィルム、光学的に負の一軸性の面配向性層、及び円盤状化合物を含む層とからなり、該光学異方素子の屈折率異方性の波長分散値と、該液晶の屈折率異方性の波長分散値との差が20%以下であり、かつ該光学異方素子がレターデーション値がゼロとなる方向がなく、レターデーション値の絶対値が最小となる方向がフィルム法線方向でも面方向でもなく、該透明高分子フィルム及び該面配向性層の合計の光学特性が式5、及び6を満足し、該円盤状化合物を含む層の光学特性が、式3、及び4を満足し、かつ該円盤状化合物の円盤面とフィルム法線方向とのなす角が、円盤状化合物含有層の厚み方向において連続的に変化している事を特徴とする液晶表示素子。
式5 100≦{(nx1+ny1)/2―nz1}×d1+{(nx2+ny2)/2―nz2}×d3+≦1000
式6 0≦|(nx1−ny1)×d1|+|(nx2−ny2)×d3|≦200
(但し、nx2及びny2は面配向性層の面内の主屈折率の平均値を、nz2は厚み方向の主屈折率の平均値を表し、d3は面配向性層の厚さを表す。そして上記式の単位はnmである。)
式3 50≦{(n1+n2)/2―n3}×d2≦1000
式4 0≦|(n1−n2)×d2|≦200
(但し、n1、n2及びn3は円盤状化合物含有層の主屈折率の平均値を表し、d2は円盤状化合物含有層の厚さを表し、そして上記式の単位はnmである。) - 該偏光素子と該液晶セルの間の光学異方素子の厚みが200μm以下である事を特徴とする請求項3に記載の液晶表示素子。
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