JP2003026981A - 孔版印刷用油中水型エマルションインク、および該インクを用いた印刷方法 - Google Patents

孔版印刷用油中水型エマルションインク、および該インクを用いた印刷方法

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JP2003026981A
JP2003026981A JP2001212650A JP2001212650A JP2003026981A JP 2003026981 A JP2003026981 A JP 2003026981A JP 2001212650 A JP2001212650 A JP 2001212650A JP 2001212650 A JP2001212650 A JP 2001212650A JP 2003026981 A JP2003026981 A JP 2003026981A
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water
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oil
emulsion ink
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JP2001212650A
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Masaru Hasegawa
賢 長谷川
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Tohoku Ricoh Co Ltd
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Tohoku Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被印刷体への定着性に優れ、にじみや裏移り
のない鮮明な印刷画像を与えることができる孔版印刷用
油中水型エマルションインク、および孔版印刷方法の提
供。 【解決手段】 1.油相10〜90重量%および水相9
0〜10重量%によって構成される油中水型エマルショ
ンインクにおいて、前記油相および/または水相中に少
なくとも1種以上のカーボンナノチューブを含有するこ
とを特徴とする孔版印刷用油中水型エマルションイン
ク。2.サーマルヘッド、又は加熱作用を有するレーザ
ー光線により感熱孔版シートを穿孔する工程、該穿孔シ
ートを孔版印刷版胴ヘセットする工程、該シートの穿孔
部に前記1の油中水型エマルジョンインクを通過させる
工程、および該通過インクを印刷用紙へ磁場により転移
する工程を含むことを特徴とする孔版印刷方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は孔版印刷用エマルシ
ョンインクに関するもので、より詳細には裏移りがな
く、かつにじみの少ない孔版印刷用油中水滴型エマルシ
ョンインク及び孔版印刷方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】孔版印刷法は、孔版印刷原紙の穿孔部を
介して原紙の一方の側より他方の側ヘインクを移動させ
ることにより、紙等の被印刷物面に印刷を行うものであ
る。孔版印刷では排紙されてきた被印刷物表面に形成さ
れている画像のインクによって、次に排紙されてきた被
印刷物の裏面が汚染される問題がある。これは「裏移
り」と呼ばれ、画像を形成しているインクが紙等の被印
刷物にセットされる速度が遅いために起る現象である。
そして、紙等の被印刷物へのセットが遅くなる主因は、
被印刷物へのインクのセットが該被印刷物内へのインク
の浸透で行われることである。
【0003】裏移り防止のため、インクに分散剤を添加
して被印刷物への着色剤の浸透性を高めることが試みら
れている〔高分子学会編、印刷適正P.234印刷学会
出版部発行(1970);その他〕。また、特公平5−
62628号公報には、水相重量の5重量%以上の高沸
点非水溶性溶剤を含む孔版印刷用エマルションインク
が、特開平6−172691号公報には0.5〜5重量
%のワックスを含む孔版印刷用エマルションインクが提
案されている。しかし、これらの従来技術によって充分
に裏移りを防止するのは困難なので、より優れた裏移り
防止技術の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点を
克服した裏移り現象の発生を大幅に抑制可能な孔版印刷
用油中水滴型エマルションインク及び孔版印刷方法を提
供することをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、油相10〜9
0重量%および水相90〜10重量%によって構成され
る油中水型エマルションインクにおいて、前記油相およ
び/または水相中に少なくとも1種以上のカーボンナノ
チューブを含有することを特徴とする孔版印刷用油中水
型エマルションインクを提供することにより、前記課題
を解決することができた。
【0006】本発明のインクに添加されるカーボンナノ
チューブは、グラファイト状炭素原子面を丸めた円筒が
1個、または数個入れ子状に配列した繊維状構造を有
し、その直径がナノメートルオーダーのサイズの極めて
微小な物質で、このものは公知であり、例えば特許第2
546114号公報、特開平10−203810号公報
などに記載のものが挙げられる。
【0007】カーボンナノチューブは一種、あるいは2
種以上混合物であっても良い。また、前記カーボンナノ
チューブには、磁場を駆動力とする印刷を可能とするた
めに金属元素を内包させても良い。前記カーボンナノチ
ューブに金属元素を内包する場合、金属元素の種類は特
に制限されないが、磁場を駆動力とする印刷に適してい
るのでFe、Co、Ni等の鉄族元素が望ましい。ま
た、カーボンナノチューブは例えば特許第259590
3号公報に示されているように、その表面官能基を改質
することができ、本発明においては油相および/または
水相に適宜表面官能基を改質し添加される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明をさらに詳細に説明す
る。本発明のエマルションインキは、着色剤としてカー
ボンナノチューブを用いるものであるが、このカーボン
ナノチューブは別の着色剤とを混ぜて使うこともでき
る。この場合は前記のカーボンナノチューブを着色剤全
重量の70%重量以上、好ましくは85重量%以上とす
るのが望ましい。そして、インク内への前記別の着色剤
の添加量は1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%
とするのが良い。
【0009】本発明のインクに前記のカーボンナノチュ
ーブと共に添加することのできる着色剤を例示すると、
カーボンブラック、ファーネスカーボンブラック、ラン
プブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラッ
ク、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、ニトロソ系顔
料、ニトロ系顔料、建染染料系顔料、媒染染料系顔料、
塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料及び天然染料系顔料
等の顔料が挙げられ、また染料としては、油溶性染料及
び水溶性染料の何れも用いることができ、また、これら
染顔料の2種類以上を併用することもできる。油溶性染
料は油相中に添加するに好都合であり、水溶性染料は水
相中に添加するに好都合である。油溶性染料としては、
例えば、ジアゾ染料、アントラキノン系染料等の油溶性
染料等が挙げられる。
【0010】本発明の孔版印刷用油中水型エマルション
インクは、油相約10〜90重量%と水相約90〜10
重量%によって構成されるエマルションインクであり、
インク内には前記カーボンナノチューブのほか、少なく
とも油、水及び乳化剤を含有させることが必要である。
【0011】前記孔版印刷用油中水型エマルションイン
クで使用される水は清浄であれば良く、具体的には水道
水、イオン交換水、蒸留水等を使えば良い。
【0012】インク製造用の油は公知の鉱物油や植物油
等であり、具体的には石油系溶剤、スピンドル油、流動
パラフイン、軽油、灯油、マシン油、ギヤー油、潤滑
油、モーター油等の鉱物油;あまに油、トール油、大豆
油、とうもろこし油、オリーブ油、なたね油、ひまし
油、脱水ひまし油等の植物油等が例示される。また、ポ
リイソブチレン類、水素化ポリデセン類、トリメチロー
ルプロパンエステル類、ネオペンチルエステル類、ペン
タエリスリトールエステル類、シロキサン類、シリコー
ン類、フロロカーボン類、アルキル置換ジフェニルエー
テル類、フタル酸エステル類、リン酸エステル類等の合
成油も使用可能である。なお、石油系溶剤としてはエク
ソン社のアイソパーや日石三菱社製の日石ソルベント等
の混合溶剤を使っても良い。そして、これらの油は単独
でも2種以上混合して使っても良い。
【0013】乳化剤には非イオン界面活性剤を使うのが
望ましく、具体的にはグリセリン脂肪酸エステル、ポリ
グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪
酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコー
ル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレン硬化ひ
まし油、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸
アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムア
ルデヒド縮合物等が例示される。これらは単独又は2種
以上混合してインクに添加すれば良く、添加量はインク
重量の1〜8重量%、好ましくは2〜5.5重量%とす
れば良い。
【0014】以上のほか、インク内にはエマルションの
形成を妨害しない範囲で樹脂、着色剤の分散剤、ゲル化
剤及び酸化防止剤等を添加することができる。また、水
相にはエマルションの形成を妨害しない範囲で水溶性高
分子、防腐・防かび剤、水の蒸発抑制剤、凍結防止剤、
pH調整剤、電解質等を添加することができる。
【0015】さらに、水相にカーボンナノチューブを添
加する場合には、水に対するカーボンナノチューブの濡
れ性や分散性等を改良するために、イオン性界面活性
剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、または高
分子系、シリコーン系、フッ素系の界面活性剤を含有さ
せることができ、油相に添加される場合には、着色剤と
被印刷物との固着、着色剤の分散及びインクの経時安定
性向上等のために従来から添加されているバインダー樹
脂を添加すれば良く、具体的にはロジン;重合ロジン、
水素化ロジン、ロジンエステル、水素化ロジンエステル
等のロジン系樹脂;ロジン変性フェノール樹脂等のロジ
ン変性樹脂;フェノール樹脂;石油樹脂;アルキッド樹
脂;ゴム誘導体;重合ひまし油等を1種又は2種以上混
合して添加すれば良い。また、添加量はインク重量の1
0重量%以下、好ましくは1〜7重量%とすれば良い。
【0016】カーボンナノチューブ等の着色剤用分散剤
には、前記の乳化剤用非イオン界面活性剤を使うことが
できる。このほか、アルキルアミン系高分子化合物、ア
ルミニウムキレート系化合物、スチレン/無水マレイン
酸共重合体、ポリアクリル酸の部分アルキルエステル、
ポリアルキレンポリアミン、脂肪族多価カルボン酸、ポ
リエーテル、エステル型アニオン界面活性剤、高分子量
ポリカルボン酸の長鎖アミン塩、ポリアミド、燐酸エス
テル系界面活性剤、アルキルスルホカルボン酸塩、α−
オレフインスルホン酸塩、ジオクチルスルホコハク酸塩
等も使用可能である。これらの分散剤は単独又は2種以
上混合して添加すれば良く、その添加量は着色剤重量の
40重量%以下、好ましくは2〜35重量%とすれば良
い。
【0017】ゲル化剤は、油相に含まれる樹脂をゲル化
してインクの保存安定性、定着性、流動性等を向上させ
る役割を持ち、本発明のインクに添加されるゲル化剤と
しては油相中の樹脂と配位結合する化合物が好ましい。
このような化合物を例示すると、Li、Na、K、A
l、Ca、Co、Fe、Mn、Mg、Pb、Zn、Zr
等の金属を含む有機酸塩、有機キレート化合物、金属石
鹸オリゴマー等であり、具体的にはオクチル酸アルミニ
ウム等のオクチル酸金属塩、ナフテン酸マンガン等のナ
フテン酸金属塩、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸
塩、アルミニウムジイソプロポキシドモノエチルアセト
アセテート等の有機キレート化合物等が挙げられる。こ
れらのゲル化剤は、1種又は2種以上を油相に添加すれ
ば良く、その添加量は油相中の樹脂の15重量%以下、
好ましくは5〜10重量%である。
【0018】油相に添加される酸化防止剤は、ジブチル
ヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、ブチルヒドロ
キシアニソール等であり、これらの添加によって油相中
のバインダー樹脂等の酸化を防ぎ、これによってインク
粘度の上昇等が防止される。また、その添加量はインク
中の油の2重量%以下、好ましくは0.1〜1.0重量
%である。なお、酸化防止剤は単独でも2種以上を混合
して使っても良い。
【0019】エマルションインクの水相に添加される水
溶性高分子は、補湿や増粘のために添加されるものであ
り、具体的には下記の天然又は合成高分子が添加され
る。デンプン、マンナン、アルギン酸ソーダ、ガラクタ
ン、トラガントガム、アラビアガム、プルラン、デキス
トラン、キサンタンガム、ニカワ、ゼラチン、コラーゲ
ン、カゼイン等の天然高分子;カルボキシメチルセルロ
ース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、ヒドロキシメチルデンプン、カル
ボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプン等の半合
成高分子;ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウ
ム、ポリアクリル酸トリエタノールアミン等のアクリル
酸樹脂誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリビニルメチルエーテル等の合成高分子。これら
の水溶性高分子は単独でも2種以上混合して添加しても
良く、インクに含まれる水の25重量%以下、好ましく
は0.5〜15重量%添加される。
【0020】水相に添加される防腐・防かび剤は、エマ
ルション内で細菌やかびが繁殖するのを防ぐために添加
され、エマルションを長期間保存する場合は防腐・防か
び剤の添加が普通である。その添加量は、インク中に含
まれる水の3重量%以下、好ましくは0.1〜1.2重
量%とするのが良い。防腐・防かび剤としてはサリチル
酸、フェノール類、p−オキシ安息香酸メチル、p−オ
キシ安息香酸エチル等の芳香族ヒドロキシ化合物及びそ
の塩素化合物のほか、ソルビン酸やデヒドロ酢酸等が使
用され、これらは単独でも2種以上混合して使っても良
い。
【0021】水の蒸発抑制剤と凍結防止剤は兼用可能で
あり、これらの目的で添加される薬品はエチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等
のグリコール;メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、ブタノール、イソブタノール等の低級飽和一価ア
ルコール;グリセリンやソルビトール等の多価アルコー
ル等である。これらの薬品は1種又は2種以上を添加す
れば良く、その添加量はインク中の水重量の15重量%
以下、好まくは4〜12重量%である。
【0022】水相に添加されるpH調整剤は、トリエタ
ノールアミン、酢酸ナトリウム、トリアミルアミン等で
あり、必要時にはこれらのpH調整剤を添加して水相の
pHを6〜8に保つことができる。水相のpHが前記範
囲からはずれると、増粘剤用水溶性高分子が添加されて
いる場合にその効果が損なわれる等の問題がある。
【0023】水相に添加される電解質は、エマルション
の安定性を高めるために添加されるものである。従っ
て、該電解質にはエマルションの安定度向上に有効な離
液順列が高いイオンで構成された電解質を添加するのが
良い。離液順列が高い陰イオンは、クエン酸イオン、酒
石酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン等であり、離液順
列が高い陽イオンはアルカリ金属イオンやアルカリ土類
金属イオンであるから、ここで添加される電解質として
は少なくとも陰イオンか陽イオンの一方が前記イオンよ
りなる塩が好ましい。従って、ここで添加される電解質
としては、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、クエン
酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、ホウ酸ナトリウ
ム、酢酸ナトリウム等が好ましく、その添加量は水相の
0.1〜2重量%、好ましくは0.5〜1.5重量%で
ある。
【0024】上記のほか、本発明の孔版印刷用油中水型
エマルションインクには、印刷時に印刷用紙と印刷ドラ
ムとの分離を良くするため、或いは印刷用紙の巻き上が
り防止等のために油相にワックスを添加することができ
る。また、水相にはトリエタノールアミンや水酸化ナト
リウム等を添加して、水溶性高分子添加による高粘度化
を更に増進させることができる。さらに、水相に防錆剤
や消泡剤を添加して印刷の際に印刷機がインクによって
錆びたり、インクが泡立っことを防止することができ
る。これらの添加剤は、孔版印刷用インクに添加されて
いる公知品を必要に応じて添加すれば良く、その添加量
は従来品の場合と同程度で良い。
【0025】本発明のエマルションインクは、従来のエ
マルションインク製造時と同様にして油相及び水相液を
調製し、この両者を公知の乳化機内で乳化させてインク
とすれば良い。すなわち、着色剤、乳化剤及び必要に応
じて添加される樹脂等の添加物を良く分散させた油を常
法で調製し、これに着色剤、防腐、防かび剤や水溶性高
分子等が必要に応じて添加されている水溶液を徐々に添
加して乳化させれば良い。
【0026】また、本発明の孔版印刷用W/O型エマル
ションインク中にはにじみ防止、あるいは粘度調整のた
めに体質顔料も添加できる。インク中に添加される体質
顔料としては白土、シリカ、タルク、クレー、炭酸カル
シウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アルミナホワイ
ト、ケイソウ土、カオリン、マイカ、水酸化アルミニウ
ム等の無機微粒子およびポリアクリル酸エステル、ポリ
ウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレ
ン、ポリシロキサン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、
等の有機微粒子またはこれらの共重合体からなる微粒子
が挙げられる。具体的な例としてはアエロジル200、
アエロジルR972等(日本アエロジル製)、NEWD
ORBEN(白石工業製)、BEN−GEL、S−BE
N、ORGANITEなど(豊川洋行製)、TIXOG
ELシリーズ(VP、DS、GB、VG、EZ−100
など)、OPTIGEL(日産ガードラー製)などが挙
げられる。これらは油相、水相または両相に添加しても
良い。その添加量はインクに対して0.01〜50重量
%が好ましく、より好ましくは0.01〜10重量%で
ある。
【0027】本発明で使用するカーボンナノチューブは
その内部に異種原子が十分収まる空洞をもっており、希
ガス原子や金属原子/微粒子を安定に内包できることが
できる。特にその内部にFe、Co、Niといった鉄族
元素(磁性物質)を内包したカーボンナノチューブは磁
性を示し、磁場を駆動力とする印刷が可能となる。ま
た、カーボンナノチューブは内部の磁性物質を酸化から
保護するとともに、粒子間の磁気的結合を小さく抑える
機能をもつ。このことは、着色剤としてインク内で使用
する際に凝集を防ぐ上でも重要である。
【0028】本発明の孔版印刷用W/O型エマルション
インクを用いた孔版印刷方法としては、多孔性の版銅の
内部に設けられたインキ供給手段から版胴内周面にイン
キを供給し、プレスローラや圧胴等のニッブ形成部材と
版胴との協働により印圧を発生させ、版胴の開孔部を経
由して版胴外面に巻装されたマスタの穿孔部から滲出し
たインキを印刷用紙に転写させて印刷を行い、版胴外周
面から印刷用紙を分離して排紙する。このとき、インク
ローラーと対向し印刷ニップ部を形成する部材として、
磁性をもつ部材を使用する印刷方法が特に好ましい。そ
の理由は、カーボンナノチューブ内に存在させた金属元
素と印刷ニップ部に形成される磁場によりインクの印
刷、特に印刷用紙面に垂直な方向への浸透速度が速めら
れ、裏移りがなくにじみの少ない印刷物が得られる。
【0029】インクローラーと対向する印刷ニップ形成
部材としては、例えば特開平11−180020号公報
に示されているような形状のもので永久磁石等により磁
性を持たせたものでよい。特開平11−180020号
公報に示されている孔版印刷装置は、図1に示すよう
に、概略、給紙部1、印刷部2及び排紙部3とから構成
されたものである。給紙部1は、図示しない給紙トレ
イ、給紙コロ、分離コロ、ガイド板4、レジストローラ
対5a、5b、後述する圧胴6に対して接離自在な押さ
え部材7とから主に構成されている。図示しない給紙ト
レイから印刷用紙が図示しない給紙コロ、分離コロによ
りレジストローラ対5a、5bに送られ、さらに、レジ
ストローラ対5a、5bにより所定のタイミングで給送
される印刷用紙は、押さえ部材7により圧胴6に押圧さ
れる。
【0030】印刷部2は、内部にインキ供給手段14を
有する回転自在な円筒状の版胴8と、該版胴8に圧接さ
れ、版胴8との間に印刷用紙の挟持部(ニップ部)を形
成するニップ形成部材としての圧胴6とから主に構成さ
れている。圧胴6の圧接(版胴8との協働)によって印
圧が発生し、版胴8からのインキが印刷用紙に転移可能
となる。版胴8は、インキ供給パイプを兼ねた支軸11
で回転自在に支持されており、その外周面上には図示し
ない製版済みのマスタを挟持するためのクランパ12を
20有している。クランパ12は軸13により版胴8の
外周面上に開閉可能に設けられ、図示しない開閉手段に
よって開閉されるようになっている。また、版胴8の外
周面には図示しない網目状の開孔部が形成されており、
インキ供給手段14により供給されたインキはこの開孔
部より滲出し、図示しないマスタの穿孔部を通過して印
刷用紙に転移する。
【0031】インキ供給手段14は、インキローラ15
と、ドクターローラ16とから主に構成されている。イ
ンキローラ15は、その外周面が版胴8の内周面と僅か
な間隙を保つように、支軸17を介して版胴8内の図示
しない側板に回転自在に支持されており、版胴8を駆動
する版胴駆動手段から駆動力をギアやベルト等の図示し
ない駆動力伝達手段で伝達されることにより、版胴8と
同期して同方向に回転駆動される。ドクターローラ16
はその外周面とインキローラ15の外周面との間に僅か
な間隙が生じるように、版胴8内の図示しない側板に回
転自在に支持されており、図示しない駆動力伝達手段か
らの駆動力によってインキローラ15とは逆方向に回転
駆動される。
【0032】インキローラ15とドクターローラ16と
の間に、支軸11に取付けられたインキパイプ18を通
ったインキが供給されることにより、楔状のインキ溜ま
り19が形成される。このインキはドクターローラ16
により層厚を一定に規制されてインキローラ15の外周
面上に供給される。
【0033】排紙部3は、圧胴6の排紙側に配設された
ガイド板10と、印刷用紙を図示しない排紙トレイに排
出するための搬送ベルト20とから主に構成されてい
る。ガイド板10は、印刷用紙を搬送ベルト20に導く
ためのもので、先端部から空気を噴射する機能を有して
いる。搬送ベルト20は、駆動ローラ20a、従動ロー
ラ20b、無端ベルト20c、吸引ファン20dとから
主に構成されている。印刷用紙は吸引ファン20dの吸
引力によって無端ベルト20c上に吸着されながら矢印
方向に搬送され、図示しない排紙トレイに排出される。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。なお、例中の
部は重量部を意味する。
【0035】 (実施例1) 着色剤:カーボンナノチューブ 7.0部 分散剤:アルミニウムキレート化合物(味の素製) 0.5部 :ヘキサグリセリンポリリシノレート(日光ケミカルズ製)0.5部 オイル:日石スーパーオイルB(日石三菱製) 22.0部 乳化剤:ソルビタンモノオレート 5.0部 水:イオン交換水 54.0部 凍結防止剤:エチレングリコール 10.0部 電解質:硫酸マグネシウム 0.9部 防腐剤:p−オキシ安息香酸メチル 0.1部 顔料分散体の調製は、カーボンナノチューブ、アルミニ
ウムキレート化合物等の分散剤とオイルを三本ロールで
練肉することで行い、この顔料分散体にオイルを加え混
合し、油相とする。次に、これに水相を徐々に加え、乳
化を行うことによって、孔版印刷用W/O型エマルショ
ンインクを得た。
【0036】 (実施例2) 着色剤:Fe内包カーボンナノチューブ 7.0部 分散剤:アルミニウムキレート化合物(味の素製) 0.5部 :ヘキサグリセリンポリリシノレート(日光ケミカルズ製)0.5部 オイル:日石スーパーオイルB(日石三菱製) 25.0部 乳化剤:ソルビタンモノオレート 5.0部 水:イオン交換水 51.0部 凍結防止剤:エチレングリコール 10.0部 電解質:硫酸マグネシウム 0.9部 防腐剤:p−オキシ安息香酸メチル 0.1部 上記組成物を調製し、実施例1と同様にして孔版印刷用
W/O型エマルションインクを得た。
【0037】 (比較例1) 着色剤:カーボンブラック 8.0部 分散剤:アルミニウムキレート化合物(味の素製) 0.5部 :ヘキサグリセリンポリリシノレート(日光ケミカルズ製)0.5部 オイル:日石スーパーオイルB(日石三菱製) 22.0部 乳化剤:ソルビタンモノオレート 5.0部 水:イオン交換水 53.0部 凍結防止剤:エチレングリコール 10.0部 電解質:硫酸マグネシウム 0.9部 防腐剤:p−オキシ安息香酸メチル 0.1部 上記組成物を調製し、実施例1と同様にして孔版印刷用
W/O型エマルションインクを得た。
【0038】実施例1、2及び比較例1の孔版印刷用W
/O型エマルションインクについて、下記評価を行っ
た。それらの結果を表1に示す。室温20℃、湿度65
%RHにおいて、特開平11−180020号公報記載
の孔版印刷機の圧胴部分にシート状のマグネットを装着
し、印刷速度90枚/分にてベタ部および細線部のある
画像30枚を印刷し、印刷物に白い紙を重ねて発生する
裏移りを評価し、裏移りの少ないものを○、特に裏移り
の少ないものを◎、またにじみの少ないものを○、特に
にじみの少ないものを◎とした。また、顕微鏡観察によ
り顔料の凝集の有無を評価し、凝集の少ないものを○、
特に凝集の少ないものを◎とした。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明の孔版印刷用油中水型エマルショ
ンインク、特に金属元素を内包させたカーボンナノチュ
ーブを使用した孔版印刷用油中水型エマルションインク
は、被印刷体への定着性に優れ、にじみや裏移りのない
鮮明な印刷画像を与えることができる。また、本発明の
孔版印刷用油中水型エマルションインク、特に金属元素
を内包させたカーボンナノチューブを使用した孔版印刷
用油中水型エマルションインクを用いる孔版印刷方法に
おいては、磁性をもつ印刷ニップ部を形成する部材を使
用することにより、印刷用紙面に垂直な方向への浸透速
度が速められ、裏移りがなくにじみの少ない印刷物が得
られる、という優れた効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の実施に用いられる孔版印刷装置
の全体概略正面図である。
【符号の説明】
1 給紙部 2 印刷部 3 排紙部 6 圧胴 8 版胴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H113 AA01 AA03 AA05 BA09 BA39 BB02 BC00 BC11 CA47 DA03 DA04 DA41 FA54 4J039 AB04 AB06 AD01 AE11 BA02 BA04 BA06 BC12 BC20 BC39 BC56 BC60 BE01 BE06 BE07 BE12 CA06 EA43 EA47 GA04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油相10〜90重量%および水相90〜
    10重量%によって構成される油中水型エマルションイ
    ンクにおいて、前記油相および/または水相中に少なく
    とも1種以上のカーボンナノチューブを含有することを
    特徴とする孔版印刷用油中水型エマルションインク。
  2. 【請求項2】 カーボンナノチューブが金属元素を内包
    することを特徴とする請求項1記載の孔版印刷用油中水
    型エマルションインク。
  3. 【請求項3】 カーボンナノチューブが、油相または水
    相に添加されるかに応じて、その表面官能基が改質され
    たものであることを特徴とする請求項1または2に記載
    の孔版印刷用油中水型エマルションインク。
  4. 【請求項4】 カーボンナノチューブが、該カーボンナ
    ノチューブの水に対する濡れ性や分散性等を改良する剤
    と共に水相に添加されたことを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の孔版印刷用油中水型エマルションイ
    ンク。
  5. 【請求項5】 カーボンナノチューブが、バインダー樹
    脂と共に油相に添加されたことを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の孔版印刷用油中水型エマルション
    インク。
  6. 【請求項6】 サーマルヘッド、又は加熱作用を有する
    レーザー光線により感熱孔版シートを穿孔する工程、該
    穿孔シートを孔版印刷版胴ヘセットする工程、該シート
    の穿孔部に請求項1〜5のいずれかに記載の油中水型エ
    マルションインクを通過させる工程、および該通過イン
    クを印刷用紙へ磁場により転移する工程を含むことを特
    徴とする孔版印刷方法。
  7. 【請求項7】 インクローラーと対向し印刷ニップ部を
    形成する部材として、磁性をもつ部材を使用することを
    特徴とする請求項6記載の孔版印刷方法。
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