JP2003026652A - 芳香族ジスルフィドの製造法 - Google Patents

芳香族ジスルフィドの製造法

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JP2003026652A
JP2003026652A JP2002132706A JP2002132706A JP2003026652A JP 2003026652 A JP2003026652 A JP 2003026652A JP 2002132706 A JP2002132706 A JP 2002132706A JP 2002132706 A JP2002132706 A JP 2002132706A JP 2003026652 A JP2003026652 A JP 2003026652A
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Koichi Tsuruta
康一 鶴田
Norio Kawabe
紀雄 川辺
Takumi Uchiro
拓実 内呂
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】スルホン酸ハライドをハロゲン化シランと
アミドの存在下、亜鉛と反応させることを特徴とするジ
スルフィドの製造法。 【効果】本発明の方法により、低コストで、金属塩廃液
や金属残査の生成量を抑制し、良好な収率・選択性で、
アリールスルホン酸ハライドから1段階の反応でジアリ
ールジスルフィドを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医薬、農薬、光学材
料などの原料として有用なジアリールジスルフィドを製
造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ジアリールジスルフィドは対応するアリ
ールスルホン酸ハライドから合成する方法が一般的であ
る。例えばWO96/19448に記載されている方
法、即ちスルホン酸ハライドに亜鉛などの金属と塩酸な
どの酸を作用させて還元し、得られたチオールを過酸化
水素などで酸化してジスルフィドを得る方法が知られて
いる。またJ. Org. Chem. 46, 2408 (1981)にはスルホ
ン酸ハライドにトリクロルシランとアミンを作用させて
直接ジスルフィドを得る方法が記載されている。
【0003】特開2000−256306にはアリールスルホン酸
ハライドを亜鉛−ハロゲン化シラン−アミドで還元する
方法が記載されている。しかしこの発明はジスルフィド
ではなくチオールを高い収率・選択性で得るものであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】スルホン酸ハライドを
金属−酸で還元し、得られるチオールを酸化してジスル
フィドを得る方法は、2段階の反応を行うため反応操作
が煩雑である。さらに過剰量の金属と酸を使用するた
め、多量の金属塩廃液や金属残査を生成する。また、反
応の際に危険性の高い水素ガスを発生するといった問題
がある。
【0005】スルホン酸ハライドにトリクロルシランと
アミンを作用させてジスルフィドを得る方法は、使用す
るトリクロルシランが刺激性・腐食性が強いこと、沸点
が低いこと、分解した際に処理困難な固体が生成するこ
となどのため取り扱いにくいという問題がある。また安
価なトリエチルアミンでは反応性が低いため、高価なト
リn−プロピルアミンやトリn−ブチルアミンを使わな
ければならず、使用する試薬のコストが高くなることが
問題である。
【0006】本発明の目的は金属塩廃液や金属残査の生
成量を抑制し、低コスト、かつ良好な収率および選択性
でジアリールジスルフィドを得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
を解決すべく検討を行った結果、アリールスルホン酸ハ
ライドをハロゲン化シランとアミドの存在下、亜鉛と反
応させることによりジアリールジスルフィドを得る方法
を見いだした。特に亜鉛のスルホン酸ハライドに対する
当量が2.5当量付近の場合にジスルフィドを高い収率で
選択的に得ることができる。
【0008】すなわち本発明は、下記式(I)のスルホ
ン酸ハライド
【0009】
【化5】 [式中、Arは炭素数3〜10のヘテロ原子を含みうる
無置換または置換アリール基であり、Xはハロゲンであ
る]を、下記式(II)のハロゲン化シラン
【0010】
【化6】 [式中、A、B、C、Dのうち少なくとも1つはハロゲ
ンであり、それ以外は無置換または置換アルキル基、あ
るいは無置換または置換アリール基である。]および下
記式(III)のアミド
【0011】
【化7】 [式中、R1は水素、無置換または置換アルキル基、無
置換または置換アリール基、アルコキシ基、アミノ基、
アルキルアミノ基、あるいはジアルキルアミノ基であ
り、R2、R3は水素、無置換または置換アルキル基、あ
るいは無置換または置換アリール基であり同一または異
なっていてもよく、R1、R2、R3のうち2つ以上の置
換基が環構造を形成していてもよい]の存在下、スルホ
ン酸ハライドに対して2.2−3.0当量の亜鉛と反応
させることを特徴とする下記式(IV)のジスルフィド
【0012】
【化8】 [式中、Arは前記定義に同じ]の製造法である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において、Arで表される
炭素数3〜10のヘテロ原子を含みうる無置換または置
換アリール基とは特に限定されるものではないが、例え
ばフェニル、ナフチル、フラン、ベンゾフラン、チオフ
ェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジ
ン、ピリミジン、ピラジン、インドール、ベンゾイミダ
ゾール、キノリン、イソキノリン、オキサゾール、イソ
オキサゾール、チアゾール、ベンゾオキサゾール、ベン
ゾチアゾールなどが挙げられる。メチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブ
チル、t−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基、フ
ルオル、クロル、ブロム、ヨードのハロゲン、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブト
キシ、イソブチルオキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ
などの炭素数1〜4のアルコキシ基、メチルチオ、エチ
ルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチル
チオ、イソブチルチオ、s−ブチルチオ、t−ブチルチ
オなどの炭素数1〜4のアルキルチオ基、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノなどの炭素数2〜4のジアルキルア
ミノ基、ニトロ基などを置換基として有するもの(置換
体)も含まれる。好ましくはフェニル、ナフチル、ある
いはそれらに上記のアルキル基、ハロゲン、アルコキシ
基、アルキルチオ基を置換基として有するもの(置換
体)が挙げられる。置換体の場合の置換基の数は特に限
定されないが、1−3個のものが好ましい。
【0014】X、A、B、C、Dで表されるハロゲンと
しては、フルオル、クロル、ブロム、ヨードが挙げら
れ、好ましくはクロルである。
【0015】A、B、C、Dで表される無置換または置
換アルキル基、あるいは無置換または置換アリール基と
は特に限定されるものではないが、例えばメチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘ
キシル、フェニルなどが挙げられる。アルキル基、アリ
ール基、ハロゲン、アルコキシ基、アルキルチオ基、ジ
アルキルアミノ基などを置換基として有するもの(置換
体)も含まれる。好ましくはメチル、エチル、イソプロ
ピル、t−ブチル、フェニルが挙げられる。
【0016】SiABCDで表されるハロゲン化シラン
としては、フロロトリメチルシラン、クロロトリメチル
シラン、ブロモトリメチルシラン、ヨードトリメチルシ
ラン、クロロトリエチルシラン、ブロモトリエチルシラ
ン、クロロトリ−n−プロピルシラン、クロロトリ−i
−プロピルシラン、クロロトリ−n−ブチルシラン、ク
ロロトリ−n−ヘキシルシラン、ジメチルエチルクロロ
シラン、ジメチル−n−プロピルクロロシラン、ジメチ
ル−n−ブチルクロロシラン、ジメチル−i−ブチルク
ロロシラン、ジメチル−t−ブチルクロロシラン、ジメ
チルテキシルクロロシラン、ジメチル−n−オクチルク
ロロシラン、ジメチルフェニルクロロシラン、メチルジ
フェニルクロロシラン、メチルジフェニルブロモシラ
ン、t−ブチルジフェニルクロロシラン、ベンジルジメ
チルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン、トリフ
ェニルフロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、ジ
メチルアリルクロロシラン、ジクロロジメチルシラン、
ジクロロジエチルシラン、ジクロロジ−n−プロピルシ
ラン、ジクロロジ−t−ブチルシラン、ジクロロジフェ
ニルシラン、ジクロロエチルメチルシラン、ジクロロメ
チルフェニルシラン、ジクロロ−i−ブチルフェニルシ
ラン、 ジクロロ−t−ブチルフェニルシラン、メチル
トリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、n−プロ
ピルトリクロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、
i−ブチルトリクロロシラン、t−ブチルトリクロロシ
ラン、n−ヘキシルトリクロロシラン、シクロヘキシル
トリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、p−ト
リルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、アリ
ルトリクロロシラン等が挙げられる。好ましくはジクロ
ロジメチルシラン、ジクロロジエチルシラン、ジクロロ
ジフェニルシランが挙げられる。
【0017】R1で表される水素、無置換または置換ア
ルキル基、無置換または置換アリール基、アルコキシ
基、アミノ基、アルキルアミノ基、あるいはジアルキル
アミノ基とは特に限定されるものではないが、例えば水
素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n
−ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−
ペンチル、n−ヘキシル、フェニル、メトキシ、エトキ
シ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、アミノ、メチルア
ミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ
などが挙げられる。アルキル基、アリール基、ハロゲ
ン、アルコキシ基、アルキルチオ基、ジアルキルアミノ
基などを置換基として有するアルキル基、アリール基
(置換体)も含まれる。
【0018】R2、R3で表される水素、無置換または置
換アルキル基、あるいは無置換または置換アリール基と
は特に限定されるものではないが、例えば水素、メチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチ
ル、n−ヘキシル、フェニルなどが挙げられる。アルキ
ル基、アリール基、ハロゲン、アルコキシ基、アルキル
チオ基、ジアルキルアミノ基などを置換基として有する
アルキル基、アリール基(置換体)も含まれる。
【0019】R1CONR23で表されるアミドとして
は、好ましくはジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、テトラメチル尿素、1,3−ジメチルイミダゾ
リジン−2−オン、3−メチルオキサゾリジン−2−オ
ンが挙げられる。
【0020】亜鉛のスルホン酸ハライドに対する当量は
2.2〜3.0当量が好ましく、特に2.3〜2.7当量においてジ
スルフィドを良好な収率で選択的に得ることができる。
ハロゲン化シランのスルホン酸ハライドに対する当量は
2.0〜6.0当量が好ましく、特に2.0〜4.0当量が好まし
い。アミドのスルホン酸ハライドに対する当量は2.0〜
6.0当量が好ましく、特に2.0〜4.0当量が好ましい。反
応温度は0℃から使用する溶媒の沸点までが好ましく、
特に40〜80℃が好ましい。
【0021】反応溶媒としては非プロトン性溶媒が好ま
しく、例えばトルエン、ジクロルメタン、1,2−ジク
ロルエタン、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエー
テル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、
1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサンなどが
挙げられる。特に1,2−ジクロルエタン、1,2−ジ
メトキシエタンが好ましい。
【0022】スルホン酸ハライドは、例えば置換芳香族
炭化水素をクロロ硫酸でスルホニル化し、続いて得られ
たスルホン酸をハロゲン化する方法で得ることができる
が、本発明の方法では、ここで得られたスルホン酸ハラ
イドをそのまま反応させ良好な収率でジスルフィドを得
ることができ、精製操作を省略することができるため工
業的に有用である。
【0023】本発明の方法では亜鉛を必要最小限しか使
用せず、かつ反応後処理までは水を使用しないため、金
属−酸による反応と異なり金属塩廃液の量を抑えること
ができ、また金属残査を生成しない。反応後処理の際に
条件によっては水酸化亜鉛の微細な沈殿が生成し、ろ過
困難となることがあるが、反応液を酸水溶液で洗浄すれ
ば亜鉛分を除き沈殿の生成を防ぐことができる。反応に
ジハロシランを使用すればトリクロルシラン−アミンに
よる反応と異なり処理困難な沈殿は生成しない。
【0024】本発明の方法により良好な収率・選択性で
アリールスルホン酸ハライドから1段階でジアリールジ
スルフィドが得られる。スルホン酸ハライドは精製せず
に使用することができ、ジクロルシランやジメチルアセ
トアミドなど低コストの試薬で反応を行うことが可能で
ある。反応では危険性の高い水素を発生せず、また金属
塩廃液や金属残査の生成量を抑制することができる。
【0025】
【実施例】以下の実施例は本発明をより具体的に説明す
るために挙げる。
【0026】実施例1 ジフェニルジスルフィド(一般式(IV)中、Ar=P
h) アルゴン雰囲気下、亜鉛1.63gの1,2−ジクロルエタ
ン14ml懸濁液にジクロルジメチルシラン4.2mlを加え、
続いてベンゼンスルホン酸クロリド1.77gとジメチルア
セトアミド2.8mlの1,2−ジクロルエタン16ml溶液を
加え、80℃に加熱して2時間反応させた。水20mlを加え
て撹拌し、有機相を2N塩酸で洗浄し、1.5N水酸化ナ
トリウム水溶液で3回洗浄し、水で洗浄し、溶媒を留去
すると表題の化合物が粗生成物として2.042g得られ
た。得られた表題化合物のHPLC分析による含量は5
1.0%、収率は95.5%であった。
【0027】実施例2 ビス(4−クロルフェニル)ジスルフィド(一般式(I
V)中、Ar=4−ClPh) アルゴン雰囲気下、亜鉛1.63gの1,2−ジクロルエタ
ン14ml懸濁液にジクロルジメチルシラン4.2mlを加え、
続いて4−クロルベンゼンスルホン酸クロリド2.11gと
ジメチルアセトアミド2.8mlの1,2−ジクロルエタン1
6ml溶液を加え、80℃に加熱して2時間反応させた。水2
0mlを加えて撹拌し、有機相を2N塩酸で洗浄し、1.5N
水酸化ナトリウム水溶液で3回洗浄し、水で洗浄し、溶
媒を留去すると表題の化合物が粗生成物として2.469g
得られた。得られた表題化合物のHPLC分析による含
量は53.7%、収率は92.0%であった。
【0028】実施例3 ビス(4−メチルチオフェニル)ジスルフィド(一般式
(IV)中、Ar=4−MeSPh) アルゴン雰囲気下、亜鉛1.63gの1,2−ジクロルエタ
ン14ml懸濁液にジクロルジメチルシラン4.2mlを加え、
続いて4−メチルチオベンゼンスルホン酸クロリド2.23
gとジメチルアセトアミド2.8mlの1,2−ジクロル
エタン16ml溶液を加え、80℃に加熱して3時間反応させ
た。水20mlを加えて撹拌し、有機相を2N塩酸で洗浄
し、1.5N水酸化ナトリウム水溶液で3回洗浄し、水で
洗浄し、溶媒を留去すると表題の化合物が粗生成物とし
て2.591g得られた。得られた表題化合物のHPLC分
析による含量は56.1%、収率は93.7%であった。
【0029】実施例4 ビス(4−メチルチオフェニル)ジスルフィド(一般式
(IV)中、Ar=4−MeSPh、反応温度40℃) アルゴン雰囲気下、亜鉛1.63gの1,2−ジクロルエタ
ン14ml懸濁液にジクロルジメチルシラン4.2mlを加え、
続いて4−メチルチオベンゼンスルホン酸クロリド2.23
gとジメチルアセトアミド2.8mlの1,2−ジクロルエ
タン16ml溶液を加え、40℃に加熱して3時間反応させ
た。水20mlを加えて撹拌し、有機相を2N塩酸で洗浄
し、1.5N水酸化ナトリウム水溶液で3回洗浄し、水で
洗浄し、溶媒を留去すると表題の化合物が粗生成物とし
て2.354g得られた。得られた表題化合物のHPLC分
析による含量は57.5%、収率は87.3%であった。
【0030】実施例5 ビス(4−メチルチオフェニル)ジスルフィド(一般式
(IV)中、Ar=4−MeSPh、溶媒1,2−ジメ
トキシエタン) アルゴン雰囲気下、亜鉛1.63gの1,2−ジメトキシエ
タン14ml懸濁液にジクロルジメチルシラン4.2mlを加
え、続いて4−メチルチオベンゼンスルホン酸クロリド
2.23gとジメチルアセトアミド2.8mlの1,2−ジメ
トキシエタン16ml溶液を加え、80℃に加熱して2時間反
応させた。水20mlを加えて撹拌し、有機相を2N塩酸で
洗浄し、1.5N水酸化ナトリウム水溶液で3回洗浄し、
水で洗浄し、溶媒を留去すると表題の化合物が粗生成物
として2.519g得られた。得られた表題化合物のHPL
C分析による含量は58.0%、収率は94.3%であった。
【0031】実施例6 4−メチルチオベンゼンスルホン酸クロリド(一般式
(I)中、Ar=4−MeSPh、X=Cl) アルゴン雰囲気下、チオアニソール37.3gのジクロルメ
タン180ml溶液を−10℃に冷却し、クロロ硫酸20.9mlを
30分で加え、0〜30℃としてさらに2時間反応させ
た。この反応液にジメチルホルムアミド23.2ml、塩化チ
オニル23.0mlを加え、40℃に加熱して15時間反応させ
た。溶媒を留去し、トルエンを加えて水で2回洗浄し、
溶媒を留去すると表題の化合物が粗生成物として63.22
g得られた。得られた表題化合物のHPLC分析による
含量は98.2%、収率は92.9%であった。
【0032】実施例7 ビス(4−メチルチオフェニル)ジスルフィド(一般式
(IV)中、Ar=4−MeSPh、未精製スルホン酸
ハライドで反応) アルゴン雰囲気下、亜鉛1.63gの1,2−ジクロルエタ
ン14ml懸濁液にジクロルジメチルシラン4.2mlを加え、
続いて実施例6の4−メチルチオベンゼンスルホン酸ク
ロリド(含量98.2%)2.27gとジメチルアセトアミド2.
8mlの1,2−ジクロルエタン16ml溶液を加え、80℃に
加熱して2時間反応させた。水20mlを加えて撹拌し、有
機相を2N塩酸で洗浄し、1.5N水酸化ナトリウム水溶
液で3回洗浄し、水で洗浄し、溶媒を留去すると表題の
化合物が粗生成物として2.561g得られた。得られた表
題化合物のHPLC分析による含量は55.4%、収率は9
1.5%であった。
【0033】比較例1 4−メチルチオベンゼンチオール(4−MeSC6H4
SH) アルゴン雰囲気下、亜鉛2.29gの1,2−ジクロルエタ
ン14ml懸濁液にジクロルジメチルシラン4.2mlを加え、
続いて4−メチルチオベンゼンスルホン酸クロリド2.23
gとジメチルアセトアミド2.8mlの1,2−ジクロルエ
タン16ml溶液を加え、80℃に加熱して3時間反応させ
た。水20mlを加えて撹拌し、有機相を2N塩酸で洗浄
し、有機相から1.5N水酸化ナトリウム水溶液で3回抽
出すると表題の化合物がナトリウムチオラート水溶液と
して得られた。表題化合物を正確に定量するためジスル
フィドに酸化して分析を行った。チオラート水溶液に過
酸化水素31%水溶液0.99mlを加え、40℃に加熱して2時
間反応させた。トルエン20mlを加え、水相からトルエン
で2回抽出し有機相に合わせ、水で洗浄し、溶媒を留去
するとビス(4−メチルチオフェニル)ジスルフィドが
粗生成物として1.007g得られた。得られたビス(4−
メチルチオフェニル)ジスルフィドのHPLC分析によ
る含量は100.0%、収率は64.9%であった。
【0034】
【発明の効果】本発明の方法により低コストで、金属塩
廃液や金属残査の生成量を抑制し、良好な収率・選択性
で、アリールスルホン酸ハライドから1段階の反応でジ
アリールジスルフィドを得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(I)のスルホン酸ハライド 【化1】 [式中、Arは炭素数3〜10のヘテロ原子を含みうる
    無置換または置換アリール基であり、Xはハロゲンであ
    る]を、下記式(II)のハロゲン化シラン 【化2】 [式中、A、B、C、Dのうち少なくとも1つはハロゲ
    ンであり、それ以外は無置換または置換アルキル基、あ
    るいは無置換または置換アリール基である。]および下
    記式(III)のアミド 【化3】 [式中、R1は水素、無置換または置換アルキル基、無
    置換または置換アリール基、アルコキシ基、アミノ基、
    アルキルアミノ基、あるいはジアルキルアミノ基であ
    り、R2、R3は水素、無置換または置換アルキル基、あ
    るいは無置換または置換アリール基であり同一または異
    なっていてもよく、R1、R2、R3のうち2つ以上の置
    換基が環構造を形成していてもよい]の存在下、スルホ
    ン酸ハライドに対して2.2−3.0当量の亜鉛と反応
    させることを特徴とする下記式(IV)のジスルフィド 【化4】 [式中、Arは前記定義に同じ]の製造法。
  2. 【請求項2】スルホン酸ハライドに対して2.3当量−
    2.7当量の亜鉛を使用することを特徴とする請求項1
    記載のジスルフィドの製造法。
  3. 【請求項3】ハロゲン化シランがジクロルジメチルシラ
    ンまたはジクロルジエチルシランである請求項1〜2記
    載のジスルフィドの製造法。
  4. 【請求項4】アミドがジメチルホルムアミド、ジメチル
    アセトアミド、テトラメチル尿素、1,3−ジメチルイ
    ミダゾリジン−2−オンまたは3−メチルオキサゾリジ
    ン−2−オンである請求項1〜3記載のジスルフィドの
    製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102875431A (zh) * 2012-10-01 2013-01-16 浙江大学 二硫化合物的制备方法
JP2015020961A (ja) * 2013-07-17 2015-02-02 国立大学法人名古屋大学 アレーンスルホンアミドの還元方法、アレーンスルホン酸の製法及びビナフチルジスルホン酸

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