JP2015020961A - アレーンスルホンアミドの還元方法、アレーンスルホン酸の製法及びビナフチルジスルホン酸 - Google Patents

アレーンスルホンアミドの還元方法、アレーンスルホン酸の製法及びビナフチルジスルホン酸 Download PDF

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Abstract

【課題】アレーンスルホンアミドから対応する還元体を収率よく得る。
【解決手段】N,N−ジメチルナフタレン−2−スルホンアミドを5当量のRed−Al(NaAlH2(OC24OCH32)で還元することにより、収率よく対応するスルフィン酸が得られた。このスルフィン酸を酸素(1atm)で酸化することにより、対応するナフタレン−2−スルホン酸が得られた。
【選択図】なし

Description

本発明は、アレーンスルホンアミドの還元方法、アレーンスルホン酸の製法及びビナフチルジスルホン酸に関する。
1,1’−ビナフチル−2,2’−ジスルホン酸(BINSA)は、アレーンスルホン酸の一種であるが、例えばピリジニウム塩として不斉マンニッヒ触媒として利用可能であることが知られている(特許文献1)。BINSAの合成方法としては、ビナフトールの2,2’位のOH基をO−チオカルバモイルに変換し、それを転移反応によってS−チオカルバモイルに変換後、スルホン酸基へ導くものが報告されている(非特許文献1)。
ところで、アレーンスルホンアミドは、化学的に安定であり、激しい反応条件に耐え得るため、アミンの保護基として、有機合成的に幅広く用いられている。スルホンアミドの保護の主体はアミンであるため、スルホンアミドの脱保護によりアミンを製造する方法は多数確立されている。スルホンアミドの脱保護には、例えば、強酸(HBr,HClO4,トリフルオロ酢酸など)、強塩基(KOH,NaOHなど)、ヨウ化サマリウム、塩化チタン(III)、Bu3SnH/AIBN、金属リチウム/ナフタレン、光反応、電気分解などが用いられる。これらは、スルホンアミドのスルホン部位を、例えば二酸化硫黄(SO2)などに分解しながら脱保護するため、スルフィン酸やスルホン酸として取り出すことは原理的にできなかった。一方、スルホンアミドの脱保護をKPPh2によって行うことにより、スルフィン酸とアミンを得る例も報告されている(非特許文献2)。この非特許文献2では、スルフィン酸は不安定であるとして単離していない。更に、N−トリフリルアジリジンをNaAlH2(OC24OCH32(Red−Alという)で還元してトリフリル基が脱保護されたアジリジンを得た例が報告されている(非特許文献3)。この非特許文献3では、スルホン部位については言及されていない。
国際公開第2009/54240号パンフレット
Angew. Chem., Int. Ed. 2009, vol48, p4363 J. Am. Chem. Soc. 2012, vol34, p19358 J. Org. Chem. 1972, vol37, p2208
上述したように、アレーンスルホンアミドの脱保護によりアミンを製造する方法は知られているものの、アレーンスルホンアミドからそれに対応するスルフィン酸などの還元体を製造する方法は知られていなかった。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、アレーンスルホンアミドから対応する還元体を収率よく得ることを主目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明者らは、N,N−ジメチル−2−ナフタレンスルホンアミドをモデル基質として用い、種々の還元剤を用いて還元反応を試みたところ、Red−Alを用いたときに、過剰還元によって生成するナフタレンの副生を抑制しつつ、対応する還元体が収率よく得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のアレーンスルホンアミドの還元方法は、ArSO2NR12(Arは置換基を有していてもよいアレーンであり、R1及びR2は同じでも異なっていてもよいアルキル基である)で表されるアレーンスルホンアミドを、MAlH4−n(Mはアルカリ金属であり、nは1〜3のいずれかの整数であり、Rはアルコキシ基又はアルコキシアルコキシ基である)で表される還元剤で還元することにより、対応するスルフィン酸、スルフェン酸、ジスルフィド及びチオールの少なくとも1つの還元体を得るものである。
本発明のアレーンスルホンアミドの還元方法によれば、アレーンスルホンアミドから対応する還元体を収率よく得ることができる。また、得られた還元体は、酸素又は過酸化水素で酸化することにより、対応するアレーンスルホン酸に容易に変換することができる。
本発明のアレーンスルホンアミドの還元方法では、ArSO2NR12で表されるアレーンスルホンアミドを反応基質として用いる。ここで、Arは置換基を有していてもよいアレーンである。アレーンとしては、ベンゼン、1−ナフタレン、2−ナフタレン、1−アントラセン、2−アントラセン、9−アントラセン、1−フェナントレン、2−フェナントレン、3−フェナントレン、4−フェナントレン、9−フェナントレン、ビフェニル、ビナフチルなどが挙げられる。アレーンは1つ以上の置換基を有していてもよい。その場合、置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、スルホン酸エステル基などが挙げられる。R1及びR2は同じでも異なっていてもよいアルキル基である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
本発明のアレーンスルホンアミドの還元方法では、MAlH4−n(Mはアルカリ金属であり、nは1〜3のいずれかの整数であり、Rはアルコキシ基又はアルコキシアルコキシ基である)で表される還元剤を用いる。ここで、Mとしては、Li,Na,Kなどが挙げられ、このうちNaが好ましい。nは、2であることが好ましい。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などが挙げられる。アルコキシアルコキシ基としては、メトキシメトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−メトキシプロポキシ基、3−メトキシプロポキシ基などが挙げられ、このうち2−メトキシエトキシ基が好ましい。こうした還元剤としては、Red−AlすなわちNaAlH2(OC24OCH32が好ましい。還元剤の使用量は、スルホンアミドに対して1〜20当量の範囲で設定するのが好ましく、3〜10当量の範囲で設定するのがより好ましく、5〜10当量の範囲で設定するのが更に好ましい。
本発明のアレーンスルホンアミドの還元方法では、溶媒を用いることが好ましい。溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒が挙げられる。エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテルなどが挙げられる。反応溶媒の使用量は、基質の濃度が0.001〜0.5mol/Lとなるように設定するのが好ましく、0.01〜0.1mol/Lとなるように設定するのがより好ましい。
本発明のアレーンスルホンアミドの還元方法では、反応温度は、−10℃〜100℃が好ましく、0〜50℃がより好ましい。反応系の雰囲気は、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性雰囲気が好ましい。反応時間は、反応基質や還元剤、反応温度に応じて適宜設定すればよい。還元反応は、アレーンスルホンアミドが消失するまで行ってもよいが、副反応が起こりやすい場合には、アレーンスルホンアミドが消失する前に終了してもよい。
本発明のアレーンスルホンアミドの還元方法では、還元体としてアレーンスルホンアミドに対応するスルフィン酸(−SO2H)を選択的に得ることが好ましい。スルフェン酸(−SOH)やジスルフィド(−S−S−)やチオール(−SH)まで還元してしまうと、次に酸化でスルホン酸に変換する場合に酸化剤が多く必要になってしまうからである。スルフィン酸を選択的に得るには、例えば還元剤の使用量をスルホンアミドの5〜10当量とするのが好ましい。こうすれば、過剰な還元反応を抑制することができる。
本発明のアレーンスルホン酸の製法では、上述したアレーンスルホンアミドの還元方法によって得られた前記還元体を、酸素又は過酸化水素で酸化することにより、対応するスルホン酸を得る。
酸素で酸化する場合、酸素ガスを用いてもよいし空気中の酸素を用いてもよいが、酸素ガスを用いることが好ましい。酸素圧は、特に限定するものではないが、例えば1〜10atmの範囲で適宜設定すればよい。酸素で酸化する場合、溶媒は、酸素に不活性な溶媒であればよく、例えば、HMPAやDMF、DMSO、アセトニトリル、アセトンなどの極性非プロトン性溶媒が挙げられる。また、水酸化カリウムなどの塩基の存在下で酸化を行ってもよい。過酸化水素で酸化する場合、過酸化水素水を用いることが好ましい。その場合、溶媒は、過酸化水素に不活性な溶媒であればよく、例えば、酢酸メチルや酢酸エチルなどのエステル系溶媒が挙げられる。反応温度は、−10℃〜100℃が好ましく、0〜50℃がより好ましい。反応時間は、反応基質や酸化剤、反応温度に応じて適宜設定すればよい。酸化反応は、アレーンスルホンアミドの還元体が消失するまで行ってもよいが、副反応が起こりやすい場合には、還元体が消失する前に終了してもよい。
本発明のアレーンスルホン酸の製法では、式(1)で表される光学活性スルホンアミドを、前記還元剤による還元とそれに続く酸化によって、式(2)で表される光学活性ジスルホン酸を得るようにしてもよい。式(2)で表される光学活性ジスルホン酸は、種々の有機合成反応の触媒としての利用が期待される。
式(1),(2)中、R1及びR2は前述の通りである。R3はアルキル基である。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。R4及びR5は同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアリール基である。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。アリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、5−アントラセニル基、1−フェナントレニル基、2−フェナントレニル基、3−フェナントレニル基、4−フェナントレニル基、9−フェナントレニル基などが挙げられる。アリール基は1つ以上の置換基を有していてもよい。その場合、置換基としては、ハロゲン原子やアルキル基、アリール基、アルコキシ基などが挙げられる。これらの具体例については、既に説明したとおりである。
本発明のアレーンスルホン酸の製法によれば、3,3’位に種々の置換基(特にアリール基)を有する光学活性ビナフチルジスルホン酸を合成することができる。例えば、式(3)で表される新規なビナフチルジスルホン酸を合成することができる。
[実施例1]
窒素置換した反応容器に、N,N−ジメチルナフタレン−2−スルホンアミド(23.5mg,0.10mmol)とTHF(4mL)を加えて、0℃に冷却し、Red−Al(65wt%トルエン溶液、0.30mL,1.0mmol)を加えた。同混合物を40℃で22時間加熱した。反応終了をTLCで確認し、0℃に冷却した後、激しく撹拌しながら硫酸ナトリウムの飽和水溶液を適量加え、酢酸エチル(10mL×2)を用いて通常の分液処理を行った。抽出した有機層は飽和塩化ナトリウム水溶液(5mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、濃縮した。得られた濃縮物は、精製せずにそのまま以降の操作を続けた。得られた濃縮物にヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)(1mL)、水酸化カリウム(33.7mg,0.60mmol)を加え、約5気圧(0.5MPa)の酸素を封入した。この混合物を80℃で10時間加熱した。反応終了後、室温まで冷却し、そのままシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=1:1)にて生成物を分取し、目的の2−ナフタレンスルホン酸カリウム塩を収率71%(17.8mg)で得た。得られた2−ナフタレンスルホン酸カリウム塩のスペクトルデータは以下のとおり。
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.55 (m, 2H), 7.85-8.00 (m, 4H), 8.34 (s, 1H). 13C NMR (100 MHz, d6-DMSO:D2O = 3:1) δ 124.0, 126.0, 128.5, 129.0, 129.1, 129.8, 129.9, 133.1, 134.7, 143.1. IR (KBr) 3422, 1624, 1230, 1186, 1101, 1045 cm-1. HRMS (FAB-) calcd for C10H7O3S [M-K]- 207.0116, found 207.0118.
[比較例1〜3]
実施例1のRed−Alの代わりに、比較例1ではDIBAL(水素化ジイソブチルアルミニウム)、比較例2ではLiAlH4(水素化リチウムアルミニウム)、比較例3ではAlH3(水素化アルミニウム)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行った。具体的な反応条件及び結果を表1に示す。比較のために実施例1の反応条件及び結果も表1に示した。
表1に示すように、還元剤としてDIBALを用いた比較例1では、還元反応が進行せず、未反応のスルホンアミドが定量的に回収された。また、還元剤としてLiAlH4やAlH3を用いた比較例2,3では、還元反応及びそれに続く酸化反応の後に、対応するスルホン酸カリウムがそれぞれ収率46%,49%で得られた。この比較例2,3では、還元反応でC−S結合が切断されたナフタレンが約30%副生し、これがスルホン酸カリウムの収率を中程度にとどめた原因となった。これに対して、還元剤としてRed−Alを用いた実施例1では、ナフタレンの副生を約5%にまで抑制することができ、目的とするスルホン酸カリウムが収率71%で得られた。
[実施例2〜5]
実施例2〜5では、N,N−ジメチルナフタレン−2−スルホンアミドを下記式に記載した条件で実施例1に準じて還元及び酸化を行い、更にアンバーライトでイオン交換を行うことにより、目的の2−ナフタレンスルホン酸を高収率で得た。
[実施例6]
実施例6では、下記式に示すように、N,N−ジメチルナフタレン−2−スルホンアミドをRed−Alで還元して対応するスルフィン酸を単離し、その後、単離したスルフィン酸を酸素で酸化して対応するスルホン酸を得た。以下にその実験手順を説明する。
[6−1]還元反応
窒素置換した反応容器に、N,N−ジメチルナフタレン−2−スルホンアミド(23.5mg,0.10mmol)とTHF(4mL)を加えて、0℃に冷却し、Red−Al(65wt%トルエン溶液、0.15mL,0.50mmol)を加えた。同混合物を室温で5時間撹拌した。反応終了をTLCで確認し、0℃に冷却した後、激しく撹拌しながら硫酸ナトリウムの飽和水溶液を適量加え、酢酸エチル(10mL×2)を用いて通常の分液処理を行った。抽出した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(5mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、濃縮し、目的の2−ナフタレンスルフィン酸を収率95%(18.4mg)で得た。得られた2−ナフタレンスルフィン酸のスペクトルデータは以下のとおり。
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.55 (m, 2H), 7.85-8.00 (m, 4H), 8.34 (s, 1H). 13C NMR (100 MHz, d6-DMSO:D2O = 3:1) δ 124.0, 126.0, 128.5, 129.0, 129.1, 129.8, 129.9, 133.1, 134.7, 143.1.
[6−2]酸化反応
続いて、窒素置換した反応容器に、2−ナフタレンスルフィン酸(96.1mg,0.50mmol)、ジメチルホルムアミド(DMF)(5mL)を加え、風船の酸素を封入した(1気圧)。この混合物を60℃で28時間加熱した。反応終了後、室温まで冷却し、溶媒を留去して、減圧乾燥(1〜2Torr)し、目的の2−ナフタレンスルホン酸を収率95%(100mg)で得た。
[実施例7]
下記式にしたがって、ジスルホンイミド(化合物10)を出発物質として、目的とする3,3’−ジフェニル−1,1’−ビナフチル−2,2’ジスルホン酸(化合物22)を合成した。なお、化合物10は文献Eur. J. Org. Chem. 2010, p4181の記載にしたがって合成した。
[7−1]ステップ1
窒素置換したシュレンク反応容器に、化合物10(R体、328.6mg,0.60mmol)、炭酸カリウム(249mg,1.80mmol)、塩化メチレン(10mL)を加えて、0℃に冷却した。トリメチルオキソニウムテトラフルオロボラート(266.2mg,1.80mmol)を加えた後、室温まで昇温し、4時間撹拌した。反応終了をTLCで確認した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(5mL)を加え、酢酸エチル(15mL×2)を用いて通常の分液処理を行った。抽出した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、濃縮した。得られた濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて生成物を分取し、目的の化合物12(R体)を収率>99%(337.0mg)で得た。化合物12のスペクトルデータは以下のとおり。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.95 (s, 3H), 7.25 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.39-7.48 (m, 12H), 7.68 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 7.98 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 8.06 (s, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 30.7, 127.3 (2C), 127.8 (2C), 127.9 (2C), 128.3 (2C), 128.4 (2C), 128.5 (2C), 128.7 (2C), 130.0 (2C), 130.4 (2C), 131.8 (2C), 132.2 (2C), 133.8 (2C), 134.5 (2C), 138.0 (2C), 139.0 (2C), 139.8 (2C). M.p. 278℃ (decomposed). IR (KBr) 3056, 2932, 1366, 1349, 1176, 1029 cm-1. [α]D 24= 38.8 (c 1.0, CHCl3, (R)). HRMS (FAB+) calcd for C33H24NO4S2 [M+H]+ 562.1147, found 562.1150.
[7−2]ステップ2
化合物12(561.1mg,1.0mmol)に対して、水酸化ナトリウム(8.0g,200mmol)、メタノール(100mL)を加えた。同反応溶液を70℃で15時間加熱した。室温に冷却し、反応終了をTLCで確認した後、メタノールを減圧留去したのち、酢酸エチル(30mL)と飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)を加え、酢酸エチル(15mL×2)を用いて通常の分液処理を行った。抽出した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、濃縮した。得られた濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=5:1)にて生成物を分取し、目的の化合物14(R体)を収率99%(601.7mg)で得た。化合物14のスペクトルデータは以下のとおり。
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 2.30 (s, 3H), 6.96 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.16-7.38 (m, 6H), 7.39-7.48 (m, 4H), 7.51 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.57-7.69 (m, 4H), 7.76 (s, 1H), 7.80 (s, 1H), 7.85 (d, J = 9.1 Hz, 1H), 7.87 (d, J = 8.2 Hz, 1H). 13C NMR (100 MHz, CD3OD) δ 28.9, 127.3, 127.4, 127.7, 127.9, 128.2, 128.4, 128.5, 128.6, 129.4, 130.9, 131.2, 131.3, 132.8, 134.0, 134.5, 134.7, 135.4, 136.1, 138.7, 140.3, 140.4, 142.4, 142.7, 144.6. M.p. 273 ℃ (decomposed). IR (KBr) 3376, 1494, 1326, 1170, 1041 cm-1. [α]D 23 = 155 (c 1.0, CH3OH, (R)). HRMS (FAB+) calcd forC33H24NNa2O5S2 [M+Na]+624.0891, found 624.0899.
[7−3]ステップ3
化合物14(120.3mg,0.20mmol)に、炭酸カリウム(69.1mg,0.50mmol)、塩化メチレン(7.5mL)を加えて、0℃に冷却した。トリエチルオキソニウムテトラフルオロボラート(1M塩化メチレン溶液、0.50mL,0.50mmol)を加えた後、室温まで昇温し、20時間撹拌した。反応終了をTLCで確認した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(5mL)を加え、酢酸エチル(15mL×2)を用いて通常の分液処理を行った。抽出した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、濃縮した。得られた濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて生成物を分取し、目的の化合物16(R体)を収率98%(119.3mg)で得た。化合物16のスペクトルデータは以下のとおり。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.93 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 2.33 (d, J = 5.0 Hz, 3H), 3.29 (q, J = 5.0 Hz, 1H), 3.70 (dq, J = 9.6, 6.9 Hz, 1H), 3.86 (dq, J = 9.6, 6.9 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.29 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.37-7.55 (m, 8H), 7.57-7.74 (m, 5H), 7.79 (m, 1H), 7.91 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.93 (s, 1H), 7.94 (s 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 14.4, 28.8, 66.2, 127.2, 127.54, 127.56, 127.61, 127.91, 127.94, 128.0, 128.3, 128.5, 128.8, 129.1, 129.1, 130.0, 132.1, 132.3, 132.5, 132.6, 132.7, 133.5, 133.9, 134.8, 136.1, 137.4, 138.5, 139.6, 140.0, 140.6. M.p. 140-142℃. IR (KBr) 3372, 3055, 1332, 1183, 1000 cm-1. [α]D 25 = 186.4 (c 1.0, CHCl3, (R)). HRMS (FAB+) calcd for C33H30NO5S2 [M+H]+ 608.1565, found 608.1555.
[7−4]ステップ4
化合物16(30.4mg,0.050mmol)に、炭酸カリウム(13.8mg,1.0mmol)、1,2−ジクロロエタン(2mL)を加えて、0℃に冷却した。トリメチルオキソニウムテトラフルオロボラート(14.8mg,0.10mmol)を加えた後、90℃まで昇温し、52時間撹拌した。反応終了をTLCで確認した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(5mL)を加え、酢酸エチル(10mL×2)を用いて通常の分液処理を行った。抽出した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、濃縮した。得られた濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)にて生成物を分取し、目的の化合物18(R体)を収率85%(26.6mg)で得た。化合物18のスペクトルデータは以下のとおり。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.94 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 2.10 (s, 6H), 3.73 (m, 1H), 3.90 (m, 1H), 7.27-7.32 (m, 2H), 7.33-7.50 (m, 8H), 7.53-7.78 (m, 6H), 7.86 (s, 1H), 7.88 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.90 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.94 (s, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 14.5, 34.5, 66.3, 127.2, 127.3, 127.4, 127.5, 127.6, 127.7, 127.8, 127.9, 128.4, 128.9, 129.2, 129.8, 132.1, 132.2, 132.5, 132.6, 133.1, 133.7, 134.1, 135.1, 137.5, 137.7, 139.6, 139.9, 140.7, 141.4. IR (KBr) 3057, 2927, 1355, 1325, 1183, 1137 cm-1. [α]D 24 = 337.5 (c 1.0, CHCl3, (R)). HRMS (FAB+) calcd for C36H33NO5S2 [M+H]+ 622.1722, found 622.1711.
[7−5]ステップ5
化合物18(69.7mg,0.112mmol)にTHF(4mL)を加えて、0℃に冷却し、Red−Al(65wt%トルエン溶液、0.30mL,1.0mmol)を加えた。同混合物を40℃で6時間加熱した。反応終了をTLCで確認し、0℃に冷却した後、激しく撹拌しながら硫酸ナトリウムの飽和水溶液を適量加え、酢酸エチル(10mL×2)を用いて通常の分液処理を行った。抽出した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(5mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、濃縮した。得られた濃縮物は、精製せずにそのまま以降の操作を続けた。得られた濃縮物にヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)(1mL)、水酸化カリウム(33.7mg,0.60mmol)を加え、約5気圧(0.5MPa)の酸素を封入した。この混合物を80℃で10時間加熱した。反応終了後、室温まで冷却し、そのままシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=1:1)にて生成物を分取し、目的の化合物20(R体)を収率53%(38.2mg)で得た。化合物20のスペクトルデータは以下のとおり。
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.06 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.18 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 7.26-7.35 (m, 6H), 7.41 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.66 (d, J = 7.6 Hz, 4H), 7.69 (s, 2H), 7.81 (d, J = 8.2 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CD3OD) δ 127.0 (2C), 127.1 (2C), 127.6 (4C), 127.8 (2C), 128.3 (2C), 129.2 (2C), 131.4 (4C), 132.2 (2C), 134.2 (2C), 134.3 (2C), 138.1 (2C), 140.3 (2C), 140.4 (2C), 145.2 (2C). IR (KBr) 3056, 1231, 1186, 1038 cm-1. [α]D 24 = 91.3 (c 0.80, CH3OH, (R)). HRMS (FAB+) calcd for C32H21Na2O6S2 [M-2K+2Na+H]+611.0575, found 611.0584; (FAB-) calcd for C32H20NaO6S2 [M-2K+Na]-587.0599, found 587.0608.
[7−6]ステップ6
化合物20(37.9mg,0.059mmol)を陽イオン交換樹脂(アンバーライトIR120H、100cm3)に通した。次いで、回収液からメタノールを減圧留去し、トルエンにて共沸脱水を行った。その後、1〜2Torrにて12時間減圧乾燥し、化合物22(R体)を収率>99%(34.4mg)で得た。化合物22のスペクトルデータは以下のとおり。
1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.07 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.25 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 7.29-7.43 (m, 6H), 7.50 (t, J = 6.9 Hz, 2H), 7.61 (d, J = 7.0 Hz, 4H), 7.80 (s, 2H), 7.89 (d, J = 7.8 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CD3OD) δ 127.5 (2C), 127.6 (2C), 127.9 (4C), 128.6 (2C), 128.7 (2C), 129.0 (2C), 131.0 (4C), 132.8 (2C), 134.0 (2C), 134.5 (2C), 138.4 (2C), 138.6 (2C), 140.0 (2C), 144.2 (2C). IR (KBr) 3420, 3053, 1229, 1182, 1035 cm-1. [α]D 24 = 121 (c 1.0, MeOH, (R)). HRMS (FAB+) calcd for C32H22O6S2 [M]+ 566.0858, found 566.0862.
[7−7]ステップ7
窒素置換したシュレンク反応容器に、化合物22(31.0mg,0.055mmol)、炭酸カリウム(69.1mg,0.50mmol)、塩化メチレン(2mL)を加えて、0℃に冷却した。トリエチルオキソニウムテトラフルオロボラート(1M塩化メチレン溶液、0.50mL,0.50mmol)を加えた後、室温まで昇温し、15時間撹拌した。反応終了をTLCで確認した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(5mL)を加え、酢酸エチル(15mL×2)を用いて通常の分液処理を行った。抽出した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、濃縮した。得られた濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)にて生成物を分取し、目的の化合物24(R体)を収率84%(28.8mg)で得た。化合物24の光学純度は、HPLCで決定し、>99%eeであることを確認した[ダイセルキラルカラムIA,ヘキサン:イソプロパノール=9:1,1.0mL/min,tR=9.0min(S),16.9min(R)]。化合物24のスペクトルデータは以下のとおり。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.94 (t, J = 6.9 Hz, 6H), 3.66-3.75 (m, 2H), 3.79-3.88 (m, 2H), 7.25 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.39-7.75 (m, 14H), 7.92 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.96 (s, 2H).13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ14.5, 66.3, 127.5, 127.8, 127.9, 128.1, 129.3, 129.7, 130.3, 132.2, 132.7, 133.0, 134.1, 137.7, 138.9, 140.6. IR (KBr) 3056, 2984, 2256, 1580, 1493, 1444, 1354, 1185, 1001 cm-1. [α]D 24 = 112.0 (c 0.20, CHCl3, (R)). HRMS (FAB+) calcd for C36H31O6S2 [M+H]+ 623.1562, found 623.1563.
[比較例4〜7]
表2に示すように、前出の化合物10,12,14,16につき、実施例7のステップ5,6と同様の還元・酸化反応及びイオン交換反応を試みたところ、目的とする化合物22は全く得られなかった。
[実施例8]
下記式にしたがって、ジスルホンイミド(化合物26(S体))を出発物質として、目的とする3,3’−ジアリール−1,1’−ビナフチル−2,2’ジスルホン酸(化合物40a〜40c)を合成した。なお、化合物26は文献Eur. J. Org. Chem. 2010, p4181の記載にしたがって合成した。
[8−1]ステップ1
窒素置換したシュレンク反応容器に、化合物26(27.7mg,0.050mmol)、炭酸カリウム(20.7mg,0.15mmol)、塩化メチレン(2mL)を加えて、0℃に冷却した。トリメチルオキソニウムテトラフルオロボラート(22.2mg,0.15mmol)を加えた後、室温まで昇温し、20時間撹拌した。反応終了をTLCで確認した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(5mL)を加え、クロロホルム(15mL×2)を用いて通常の分液処理を行った。抽出した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、濃縮した。得られた濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:1〜3:1)にて生成物を分取し、目的の化合物28(S体)を収率>99%(28.3mg)で得た。化合物28のスペクトルデータは以下のとおり。
1HNMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.36 (s, 3H), 7.00 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.36 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 7.66 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.91 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 8.51 (s, 2H). 13CNMR (100 MHz, CDCl3) δ 31.5, 114.1 (2C), 127.6 (2C), 128.4 (2C), 128.7 (2C), 130.7 (2C), 131.2 (2C), 135.5 (2C), 137.3 (4C), 140.8 (2C). M.p. 283℃ (decomposed). IR (KBr) 3419, 1551, 1372, 1348, 1183, 1156, 1132, 1044 cm-1. [α]D 25 = 131.2 (c 0.20, CHCl3, (S)). HRMS (EI+) calcd for C21H13Br2NO4S2 [M+H]+564.8653, found 564.8657.
[8−2]ステップ2
窒素置換した反応容器に、化合物28(567mg,1.0mmol)、フェニルボロン酸(366mg,3mmol)テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(116mg,0.1mmol)、炭酸カリウム(1.38g,10mmol)、THF(20mL),水(5mL)を加えて、85℃に加熱して12時間撹拌した。反応終了をTLCで確認した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)を加え、クロロホルム(30mL×2)を用いて通常の分液処理を行った。抽出した有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過、濃縮した。得られた濃縮物からシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=6:1〜3:1)にて生成物を分取し、目的の化合物30a(S体)を収率87%(490mg)で得た。また、化合物30b(S体),30c(S体)については、フェニルボロン酸の代わりに、それぞれ4−ビフェニルボロン酸及び3,5−ジフェニルフェニルボロン酸を用いることにより、収率89%及び90%で得た。化合物30b,30cのスペクトルデータは以下のとおり。
化合物30b:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.00 (s, 3H), 7.27 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.35 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 7.39-7.49 (m, 6H), 7.51-7.60 (m, 4H), 7.62-7.74 (m, 10H), 8.00 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 8.07 (s, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 30.7, 125.8, 126.5, 127.1, 127.4, 128.2, 128.4, 128.7, 129.1, 129.9, 130.8, 131.6, 131.9, 133.8, 134.4, 137.5, 138.7, 138.9, 140.3, 140.5. M.p. 194-196℃. IR (KBr) 3028, 1576, 1487, 1369, 1349, 1177 cm-1. [α]D 23 = 12.8 (c 0.50, CHCl3, (S)). HRMS (FAB+) calcd for C45H31NO4S2 [M]+ 713.1694, found 713.1702.
化合物30c:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.00 (s, 3H), 7.30-7.40 (m, 6H), 7.40-7.50 (m, 10H), 7.66-7.76 (m, 14H), 7.87 (m, 2H), 8.01 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 8.16 (s, 2H). 13CNMR (100 MHz, CDCl3) δ 30.7, 125.3, 126.4, 127.2, 127.4, 127.5, 127.6, 128.2, 128.3, 128.8, 128.9, 130.0, 131.7, 132.0, 133.9, 134.4, 137.6, 139.1, 140.6, 140.7, 141.2. M.p. 194-196℃. IR (KBr) 2940, 1593, 1574, 1496, 1370, 1349, 1177, 1028 cm-1. [α]D 24 = -30.0 (c 0.50, CHCl3, (S)). HRMS (EI+) calcd for C57H39NNaO4S2 [M]+ 865.2321, found 865.2336.
[8−3]ステップ3
実施例7のステップ2と同様にして、化合物30a〜30cから化合物32a〜32c(いずれもS体)をそれぞれ収率93%,96%,90%で得た。化合物32b,32cのスペクトルデータは以下のとおり。
化合物32b:1H NMR (400 MHz, d8-THF) δ 2.10 (s, 3H), 4.30 (br, 1H), 6.90 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 7.12 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 7.16-7.22 (m, 2H), 7.23-7.32 (m, 2H), 7.32-7.46 (m, 6H), 7.55-7.84 (m, 16H). 13C NMR (100 MHz, d8-THF) δ 28.8, 126.1, 126.3 126.9, 127.3, 127.6, 128.1, 128,2, 128.4, 129.0, 129.4, 129.6, 131.0, 131.4, 131.7, 132.5, 132.6, 133.8, 134.2, 134.4, 135.5, 135.9, 137.6, 139.3, 139.8, 140.8, 141.1, 141.2, 141.3, 141.9, 142.7, 144.0. M.p. 284-286℃. IR (KBr) 3373, 3065, 1486, 1393, 1329, 1229, 1203, 1042 cm-1. [α]D 22 = -81.9 (c 0.20, CHCl3, (S)). HRMS (ESI-) calcd for C45H32NO5S2 [M-Na]- 730.1727, found 7301723.
化合物32c:1H NMR (400 MHz, d8-THF) δ 2.18 (s, 3H), 4.10 (br, 1H), 7.03 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.14 (m, 2H), 7.20 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.24-7.50 (m, 14H), 7.68-8.05 (m, 18H). 13CNMR (100 MHz, d8-THF) δ 28.9, 124.4, 125.6, 127.3, 127.6, 127.9, 128.0, 128.1, 128.3, 128.4, 129.0, 129.4, 129.6, 129.7, 132.6, 133.1, 134.0, 134.2, 134.3, 136.3, 136.5, 138.3, 139.5, 139.9, 140.8, 141.4, 141.7, 141.9, 142.2, 143.7, 145.2. M.p. 282-284℃. IR (KBr) 3374, 3058, 1593, 1496, 1330, 1232, 1169, 1040 cm-1. [α]D 23 = -125.2 (c 0.20, CHCl3, (S)). HRMS (ESI-) calcd for C57H40NO5S2 [M-Na]- 882.2353, found 882.2367.
[8−4]ステップ4
実施例7のステップ3と同様にして、化合物32a〜32cから化合物34a〜34c(いずれもS体)をそれぞれ収率68%,78%,78%で得た。化合物34b,34cのスペクトルデータは以下のとおり。
化合物34b:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.95 (t, J = 7.8 Hz, 3H), 2.38 (d, J = 4.9 Hz, 3H), 3.48 (q, J = 5.0 Hz, 1H), 3.77 (dq, J = 10.1, 7.1 Hz, 1H), 3.92 (dq, J = 10.1, 7.1 Hz, 1H), 7.25-7.53 (m, 10H), 7.60-7.83 (m, 13H), 7.88 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.99 (s, 1H), 8.01 (s, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 14.9, 28.8, 66.3, 126.0, 126.6, 126.9, 127.1, 127.2, 127.3, 127.4, 127.6, 127.7, 127.8, 128.0, 128.1, 128.8, 128.9, 129.0, 129.2, 129.6, 130.6, 132.2, 132.4, 132.7, 132.8, 133.6, 134.1, 134.8, 135.9, 137.2, 138.7, 139.1, 139.8, 140.0, 140.3, 140.7, 141.2. M.p. 163-165℃. IR (KBr) 3373, 3030, 1487, 1353, 1331, 1183 cm-1. [α]D 23 = -76.0 (c 0.20, CHCl3, (S)). HRMS (FAB+) calcd for C47H38NO5S2 [M+H]+ 760.2191, found 760.2203.
化合物34c:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.85 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 2.40 (d, J = 5.0 Hz, 3H), 3.56 (q, J = 5.5 Hz, 1H), 3.75 (m, 1H), 3.86 (m, 1H), 7.29-7.54 (m, 16H), 7.59-7.67 (m, 2H), 7.70-7.80 (m, 8H), 7.82-8.00 (m, 7H), 8.03 (m, 1H), 8.08 (s, 1H), 8.10 (s 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 14.6, 29.2, 66.4, 125.3, 126.2, 126.9, 127.5, 127.7, 127.9, 128.5, 128.6, 129.2, 129.3, 129.4, 129.6, 132.6, 132.8, 132.9, 133.0, 133.9, 134.3, 135.2, 136.3 137.6, 139.0, 140.1, 140.3, 140.4, 140.8, 141.0, 141.1, 141.2, 141.4, 141.7, 141.8, 142.0. M.p. 193-194℃. IR (KBr) 3376, 3034, 1593, 1496, 1330, 1182 cm-1. [α]D 22 = -112.0 (c 0.20, CHCl3, (S)). HRMS (FAB+) calcd for C59H46NO5S2 [M+H]+ 912.2817, found 912.2814.
[8−5]ステップ5
実施例7のステップ4と同様にして、化合物34a〜34cから化合物36a〜36c(いずれもS体)をそれぞれ収率91%,>99%,98%で得た。化合物36b,36cのスペクトルデータは以下のとおり。
化合物36b:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.97 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 2.16 (s, 6H), 3.79 (dq, J = 10.1, 7.3 Hz, 1H), 3.79 (dq, J = 10.1, 7.3 Hz, 1H), 7.30-7.52 (m, 10H), 7.58-7.80 (m, 14H), 7.79-7.96 (m, 3H), 7.99 (s, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 14.5, 34.5, 66.3, 126.0, 126.4, 126.9, 127.1, 127.4, 127.5, 127.6, 127.7, 127.9, 128.0, 128.8, 128.9, 129.2, 130.3, 132.2, 132.3, 132.5, 132.8, 133.1, 133.7, 134.1, 135.2, 137.1, 137.4, 139.8, 139.9, 140.1, 140.3, 140.4, 140.5, 140.7. M.p. 171-173℃. IR (KBr) 3029, 1487, 1355, 1324, 1136, 1067 cm-1. [α]D 24 = -91.9 (c 0.20, CHCl3, (S)). HRMS (FAB+) calcd for C48H40NO5S2 [M+H]+ 774.2348, found 774.2359.
化合物36c:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 0.86 (t, J = 6.9 Hz, 3H), 2.20 (s, 6H), 3.77 (m, 1H), 3.90 (m, 1H), 7.30-7.52 (m, 16H), 7.59-7.68 (m, 2H), 7.70-8.03 (m, 17H), 8.09 (s, 1H). 13CNMR (100 MHz, CDCl3) δ 14.4, 34.8, 66.2, 124.7, 125.1, 126.0, 127.2, 127.3, 127.4, 127.5, 127.7, 127.9, 128.0, 128.9, 129.0, 129.1, 129.3, 132.3, 132.7, 133.1, 133.7, 134.1, 135.2, 137.3, 137.4, 139.9, 140.1, 140.6, 140.8, 140.9, 141.2, 141.6, 142.3. M.p. 189-191℃. IR (KBr) 3035, 1593, 1576, 1497, 1355, 1322, 1183, 1137 cm-1. [α]D 23 = -93.9 (c 0.20, CHCl3, (S)). HRMS (FAB+) calcd for C60H48NO5S2 [M+H]+ 926.2974, found 926.2969.
[8−6]ステップ6
実施例7のステップ5と同様にして、化合物36a〜36cから化合物38a〜38c(いずれもS体)をそれぞれ収率55%,66%,57%で得た。化合物38b,38cのスペクトルデータは以下のとおり。また、このステップ6の別例として、Red−Alによる還元反応をTHF中、40℃で行い、続く酸化反応をDMF中、水酸化カリウム存在下、約1気圧(0.1MPa)の酸素を封入して60℃で24時間行った。そうしたところ、化合物36a〜36cから化合物38a〜38c(いずれもS体)がそれぞれ収率39%,52%,43%で得られた。このように汎用性の高いDMFを用いて1気圧という緩和した条件で酸化反応を行った場合でも、円滑に反応が進行することがわかった。
化合物38b:1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.04 (m, 2H), 7.18 (t, J = 8.2 Hz, 2H), 7.30 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 7.42 (t, J = 7.6 Hz, 6H), 7.59 (d, J = 8.2 Hz, 4H), 7.66 (d, J = 7.8 Hz, 4H), 7.72-7.81 (m, 6H), 7.83 (d, J = 7.8 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CD3OD) δ 126.4, 127.2, 127.9, 128.0, 128.1, 128.4, 129.2, 129.7, 131.7, 132.3, 134.2, 134.4, 138.3, 139.8, 140.2, 142.7, 144.2. IR (KBr) 3371, 1620, 1485, 1220, 1175, 1036 cm-1. [α]D 23 = -10.0 (c 0.20, CH3OH, (S)). HRMS (FAB-) calcd for C44H28NaO6S2 [M-2K+Na]- 739.1225, found 739.1205.
化合物38c:1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.10 (m, 2H), 7.24 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 7.32 (t, J = 7.3 Hz, 4H), 7.40-7.53 (m, 10H), 7.73-7.85 (m, 10H), 7.86-8.00 (m, 8H). 13CNMR (100 MHz, CD3OD) δ 124.8, 127.4, 128.1, 128.4, 128.5, 129.2, 129.3, 129.7, 132.5, 134.3, 134.4, 138.3, 139.8, 141.4, 143.0, 146.0. IR (KBr) 3406, 1594, 1215, 1182, 1038 cm-1. [α]D 23 = -72.0 (c 0.20, CH3OH, (S)). HRMS (FAB-) calcd for C56H36NaO6S2 [M-2K+Na]- 891.1851, found 891.1841.
[8−7]ステップ7
実施例7のステップ6と同様にして、化合物38a〜38cから化合物40a〜40c(いずれもS体)をいずれも収率>99%で得た。化合物40b,40cのスペクトルデータは以下のとおり。
化合物40b:1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.10 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.27 (t, J = 7.0 Hz, 2H), 7.33 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 7.44 (t, J = 7.8 Hz, 4H), 7.51 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.62-7.67 (m, 4H), 7.68-7.74 (m, 8H), 7.86 (s, 2H), 7.91 (d, J = 8.2 Hz, 2H). 13CNMR (100 MHz, CD3OD) δ 126.5, 127.7, 127.9, 128.1, 128.7, 128.8, 129.1, 129.8, 131.6, 132.9, 134.1, 134.6, 138.5, 138.7, 139.7, 140.6, 142.4, 143.3. IR (KBr) 3382, 1697, 1486, 1220, 1164, 1033 cm-1. [α]D 22 = -20.8 (c 1.0, MeOH, (S)). HRMS (FAB-) calcd for C44H29O6S2 [M-H]- 717.1406, found 717.1391.
化合物40c:1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.16 (br, 2H), 7.27 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 7.32 (t, J = 7.3 Hz, 4H), 7.40-7.53 (m, 10H), 7.73-7.85 (m, 10H), 7.86-8.00 (m, 8H). 13CNMR (100 MHz, CD3OD) δ 124.9, 127.6, 128.2, 128.4, 128.5, 128.6, 129.2, 129.3, 129.7, 132.7, 134.2, 134.5, 139.9, 141.5, 142.8, 145.4. IR (KBr) 3389, 1497, 1218, 1186, 1035 cm-1. [α]D 23 = -69.2 (c 0.20, CH3OH, (S)). HRMS (FAB-) calcd for C56H37O6S2 [M-H]- 869.2032, found 869.2014.
[実施例9]
実施例8のステップ6の代わりに、下記式のように、ステップ1で化合物36a〜36cのスルホン酸エステルをスルホン酸ナトリウム塩(化合物37a〜37c)に変換し、そのナトリウム塩を単離せず、ステップ2でRed−Alによる還元反応をTHF中、35℃で行い、更に酸化反応をDMF中、水酸化カリウム存在下、約1気圧(0.1MPa)の酸素を封入して60℃で38時間行うことにより、化合物38a〜38cを得た。なお、ステップ2は、実施例8のステップ6の別例と同様である。ステップ3では、実施例8のステップ7(実施例7のステップ6)と同様にして、化合物40a〜40cを得た。以下には、ステップ1の手順について、化合物36aを化合物37aに変換する場合を例に挙げて説明する。
反応容器に、化合物36a(124.4mg,0.20mmol)と水酸化ナトリウム(1.60g,40mmol)とメタノール(20mL)を加えて、70℃に加熱し、5時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、2M塩酸で中和した。酢酸エチル(20mL×3)を用いて通常の分液処理を行った。抽出した有機層は硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、濃縮し、目的とする化合物37aをほぼ定量的に得た。この化合物37aは精製せずに次の反応(連続的還元・酸化)に用いた。化合物37b,37cもこれと同様にして得た。化合物37a〜37cのスペクトルデータは以下のとおり。
化合物37a:1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 2.12 (s, 6H), 6.98 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.20-7.39 (m, 7H), 7.40-7,50 (m, 3H), 7.51-7.60 (m, 3H), 7.63 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 7.75 (s, 1H), 7.76 (s, 1H), 7.87 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.88 (d, J = 8.2 Hz, 1H). 13C NMR (100 MHz, CD3OD) Many peaks overlapped. δ 35.5, 127.3, 127.4, 127.7, 128.0, 128.1, 128.2, 128.3, 128.4, 128.5, 128.7, 129.5, 129.6, 130.5, 130.9, 131.4, 132.8, 133.3, 133.7, 134.3, 134.5, 135.0, 135.6, 136.1, 139.2, 140.5, 143.4, 143.8, 144.6. M.p. 283℃ (decomposed). IR (KBr) 3444, 3054, 2923, 1491, 1322, 1188, 1135, 1042 cm-1. [α]D 22= 88.8 (c 1.0, CH3OH, (R)). HRMS (FAB-) calcd for C34H26NO5S2 [M-Na]- 592.1252, found 592.1252.
化合物37b: 1H NMR (400 MHz, d8-THF) δ 1.91 (s, 6H), 6.77 (br, 1H), 6.90 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.09-7.27 (m, 8H), 7.30-7.39 (m, 5H), 7.42-7.47 (m, 4H), 7.52-7.53 (m, 4H), 7.60-7.65 (m, 2H), 7.78-7.85 (m, 4H). 13C NMR (100 MHz, d8-THF) Many peaks overlapped. δ 33.9, 124.9, 125.8, 126.5, 126.6, 126.7, 126.8, 127.1, 127.5, 127.7, 128.3, 128.4, 128.7, 130.8, 131.4, 131.7, 131.9, 132.8, 133.0, 133.9, 134.3, 134.8, 137.8, 138.7, 138.9, 140.3, 140.5, 140.8, 141.4, 142.8, 143.0. M.p. 289-292℃ (decomposed). IR (KBr) 3422, 3029, 1619, 1487, 1322, 1190, 1041 cm-1. HRMS (FAB-) calcd for C46H34NO5S2[M-Na]- 744.1878, found 744.1878.
化合物37c: 1H NMR (400 MHz, d8-THF) δ2.00 (s, 6H), 6.98 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.14-7.34 (m, 13H), 7.37-7.45 (m, 4H), 7.66-7.88 (m, 18H), 7.95 (br, 1H). 13C NMR (100 MHz, d8-THF) Many peaks overlapped. δ34.5, 123.2, 124.0, 126.0, 126.6, 126.9, 127.1, 127.1, 127.3, 127.5, 128.2, 128.5, 128.7, 129.0, 131.9, 132.7, 133.1, 133.3, 133.7, 135.0, 137.6, 138.7, 139.8, 140.0, 140.5, 140.7, 140.9, 141.1, 141.5, 142.8, 143.2, 144.7. M.p. 293-296℃ (decomposed). IR (KBr) 3407, 3057, 3033, 2923, 1594, 1497, 1319, 1188, 1041 cm-1. HRMS (FAB-) calcd for C58H42NO5S2 [M-Na]-896.2504, found 896.2504.
化合物36a〜36cから化合物38a〜38cへの変換効率は、実施例8よりも実施例9の方が高い。その理由は、以下のように考えられる。化合物36a〜36cのRed−Alによる還元反応では、ビナフチル化合物のスルホンアミド部位はスルフィン酸に、スルホン酸エステル部位はスルホン酸に変換されるのが、次の酸化反応で最も効率よく酸化される。しかし、実際には、Red−Alによる還元反応では、スルホン酸エステル部位はチオールやジスルフィドに変換されてしまうことが確認されている。実施例9では、スルホン酸エステル部位をスルホン酸ナトリウム塩にすることで、これらの還元反応が抑制され、スルホン酸への選択的な変換効率が上がったと考えれる。
本発明によって得られるアリールスルホンアミドの還元体は、対応するアリールスルホン酸の合成中間体として有用である。また、アリールスルホン酸は、例えば有機合成反応の触媒などに利用可能である。

Claims (6)

  1. ArSO2NR12(Arは置換基を有していてもよいアレーンであり、R1及びR2は同じでも異なっていてもよいアルキル基である)で表されるアレーンスルホンアミドを、MAlH4−n(Mはアルカリ金属であり、nは1〜3のいずれかの整数であり、Rはアルコキシ基又はアルコキシアルコキシ基である)で表される還元剤で還元することにより、対応するスルフィン酸、スルフェン酸、ジスルフィド及びチオールの少なくとも1つの還元体を得る、アレーンスルホンアミドの還元方法。
  2. 前記還元体として前記スルフィン酸を選択的に得る、請求項1に記載のアレーンスルホンアミドの還元方法。
  3. 前記還元剤は、Red−AlすなわちNaAlH2(OC24OCH32である、請求項1又は2に記載のアレーンスルホンアミドの還元方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のアレーンスルホンアミドの還元方法によって得られた前記還元体を、酸素又は過酸化水素で酸化することにより、対応するスルホン酸を得る、アレーンスルホン酸の製法。
  5. 前記アレーンスルホンアミドとして式(1)で表される光学活性スルホンアミドを用い、式(2)で表される光学活性ジスルホン酸を得る、請求項4に記載のアレーンスルホン酸の製法。
    (式(1),(2)中、R1及びR2は前述の通りであり、R3はアルキル基であり、R4及びR5は同じであっても異なっていてもよく水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアリール基である)
  6. 式(3)で表される新規なビナフチルジスルホン酸。
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