JP2000256306A - 芳香族チオール類の製造法 - Google Patents

芳香族チオール類の製造法

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JP2000256306A
JP2000256306A JP11055497A JP5549799A JP2000256306A JP 2000256306 A JP2000256306 A JP 2000256306A JP 11055497 A JP11055497 A JP 11055497A JP 5549799 A JP5549799 A JP 5549799A JP 2000256306 A JP2000256306 A JP 2000256306A
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English (en)
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Takumi Uchiro
拓実 内呂
Susumu Kobayashi
進 小林
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】水性廃液や固形金属残査の生成量が少なく、芳
香族チオール類が高収率かつ高い選択性で得られる製造
方法を提供する 【解決手段】芳香族スルホニルクロリドから一般式II
の芳香族チオールを製造する方法において、亜鉛、ハロ
ゲン化ケイ素化合物、アミド誘導体を用いて還元する製
造法。 (Arは置換または非置換のアリール基または芳香族複
素環基を表す。) 【効果】従来法に比べて水性廃液や固形金属残査の生成
量を顕著に抑制しながら、高収率かつ高い選択性で芳香
族チオール類を製造することが可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は芳香族スルホニルク
ロリド類の還元により芳香族チオール類を製造する新し
い方法に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族チオール類は医薬品や農薬、さら
に最近では種々の光学材料の原料としても用いられてい
る工業的に重要な化合物群の一つである。この芳香族チ
オール類の合成法としては、これまでにも幾つかの方法
が知られているが、なかでも芳香族スルホニルクロリド
の還元反応による手法が適用範囲の広さからよく用いら
れている。
【0003】既存の典型的な芳香族スルホニルクロリド
の還元反応では、有機溶媒および水の存在下で亜鉛やス
ズなどの金属に塩酸や硫酸などの鉱酸を作用させて反応
を行うため、大量の金属イオンを含む強酸性かつ水性の
廃液および大量の固形金属残査が副生することが環境的
に問題視されてきている。これ以外にも赤燐−ヨウ化カ
リウム−酢酸あるいは赤燐−ヨウ素−塩酸の3成分を組
み合わせ用いる方法が特許出願されているが、(1)ジ
スルフィドが副生し、芳香族チオールの収率および純度
が低下する、(2)ヨウ素により生成物が着色する、
(3)エーテル結合を有する基質においてヨウ化物イオ
ンによりエーテル結合が一部切断される、といった幾つ
かの問題点が残されており、これらの問題点を解決しう
る新しい方法の開発が強く望まれていた。
【0004】一方、亜鉛に脱酸素剤としてハロゲン化ケ
イ素化合物を組合せ用いる還元反応の例としては、既に
亜鉛とクロロトリメチルシランを用いるスルホキシドの
スルフィドへの還元反応、エポキシドのアルコールへの
還元反応などが知られている。しかしながら、この組合
せはスルホニルクロリドのチオールへの還元には全く無
効である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水性廃液や
固形金属残査の生成量を顕著に抑制し、高収率かつ高い
選択性をもって芳香族チオール類を得ることのできる、
芳香族スルホニルクロリド類の新しい還元反応を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、亜鉛とハロゲン化ケ
イ素化合物からなる還元剤にアミド誘導体を組合せ用い
る手法を新たに見いだすに至り、本発明を完成させた。
【0007】すなわち、本発明は一般式I
【0008】
【化5】 (式中、Arは置換または非置換のアリール基、または
芳香族複素環基を表す。)で示される芳香族スルホニル
クロリドから一般式II
【0009】
【化6】 (式中、Arは前記定義に同じ。)で示される芳香族チ
オールを製造する方法において、亜鉛、一般式III
【0010】
【化7】 (式中、A、B、CおよびDのうち、少なくとも一つは
ハロゲン原子を表し、それ以外は置換または非置換のア
ルキル基またはアリール基を表し、2つ以上の置換基が
環構造を形成していてもよい。)で示されるハロゲン化
ケイ素化合物、および一般式IV
【0011】
【化8】 (式中、R1は水素、置換または非置換のアルキル基ま
たはアリール基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルア
ミノ基、ジアルキルアミノ基を表し、R2およびR3はそ
れぞれ独立して水素、置換または非置換のアルキル基ま
たはアリール基、アルコキシ基を表す。また、R1、R2
およびR3のうち2つ以上の置換基が環構造を形成して
いてもよい。)で示されるアミド誘導体を用いて還元す
ることを特徴とする製造法である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の一般式IおよびIIで示さ
れる芳香族スルホニルクロリドおよび芳香族チオールに
おいて、Arは置換または非置換のアリール基または芳
香族複素環基を表す。アリール基または芳香族複素環基
としてはフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、フラ
ン、ベンゾフラン、チオフェン、ピロール、イミダゾー
ル、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、イ
ンドール、ベンゾイミダゾール、キノリン、イソキノリ
ン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、ベ
ンゾオキサゾール、ベンゾチアゾールなどが挙げられ、
その置換基としてはアルキル基、ハロゲン、アルコキシ
基、アルキルチオ基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基な
どが挙げられる。アルキル基、アルコキシ基、アルキル
チオ基、ジアルキルアミノ基は特に限定されないが、炭
素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキ
シ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜2
0のジアルキルアミノ基が好ましい。具体的には、アル
キル基としてメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチ
ルなど、ハロゲンとしてフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨ
ード、アルコキシ基としてメトキシ、エトキシ、イソプ
ロポキシ、t−ブトキシなど、アルキルチオ基としてメ
チルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、t−ブチル
チオなど、ジアルキルアミノ基としてジメチルアミノ、
ジエチルアミノなどが挙げられる。フェニル、1−ナフ
チル、2−ナフチル、あるいはそれらに上記のアルキル
基、ハロゲン、アルコキシ基、アルキルチオ基を置換基
として有するものが好ましい。
【0013】一般式IIIで示されるハロゲン化ケイ素化
合物においては、A、B、CおよびDのうち、少なくと
も一つはハロゲン原子を表し、それ以外は置換または非
置換のアルキル基またはアリール基を表し、2つ以上の
置換基が環構造を形成していてもよい。ハロゲン原子と
してはフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードが挙げられ、
中でもクロルが好ましい。置換または非置換のアルキル
基またはアリール基としてはメチル、エチル、n−プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、s−ブ
チル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、フェ
ニルなどが挙げられ、その置換基としてはアリール基、
ハロゲン、アルコキシ基、アルキルチオ基、ジアルキル
アミノ基、ニトロなどが挙げられる。メチル、エチル、
イソプロピル、t−ブチル、フェニルが好ましい。より
具体的には、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素などのケイ素
原子とハロゲン原子のみから構成される化合物や、クロ
ロトリメチルシラン、ブロモトリメチルシラン、ジクロ
ロジメチルシラン、ジクロロジエチルシラン、ジクロロ
メチルフェニルシラン、ジクロロジフェニルシラン、メ
チルトリクロロシランなどの有機ケイ素化合物が好まし
く、より好ましくはジクロロジメチルシランまたはジク
ロロジエチルシランである。
【0014】一般式IVで示されるアミド誘導体において
は、R1は水素、置換または非置換のアルキル基または
アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ
基、ジアルキルアミノ基を表し、R2およびR3はそれぞ
れ独立して水素、置換または非置換のアルキル基または
アリール基を表す。この際、R1、R2およびR3のうち
2つ以上の置換基が環構造を形成していてもよい。置換
または非置換のR1、R2およびR3のアルキル基として
はメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチルなど、R
1、R2およびR3のアリール基としてはフェニル、1−
ナフチル、2−ナフチルなど、R1のアルコキシ基とし
てはメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキ
シなど、R1のアルキルアミノ基としてはメチルアミ
ノ、エチルアミノなど、R1のジアルキルアミノ基とし
てはジメチルアミノ、ジエチルアミノなど、あるいはこ
れらにアルキル基、ハロゲン、アルコキシ基、アルキル
チオ基を置換基として有するものが挙げられる。R1
しては水素、アルキル基、アルコキシ基、ジアルキルア
ミノ基が好ましく、R2、R3としてはアルキル基が好ま
しい。
【0015】一般式IVで示されるアミド誘導体は、ジメ
チルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、ジメチ
ルアセトアミド、N−メチルピペリドンなどのアミンと
カルボン酸から形成される鎖状もしくは環状のアミド化
合物のみならず、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル
イミダゾリジン−2−オン、3−メチルオキサゾリジン
−2−オンなどの鎖状もしくは環状の尿素誘導体、カル
バメート誘導体を含む。中でもジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素、1,3−ジ
メチルイミダゾリジン−2−オン、3−メチルオキサゾ
リジン−2−オンが好ましい。
【0016】本発明の方法においては、亜鉛、一般式II
Iで示されるハロゲン化ケイ素化合物としてジクロロジ
メチルシランまたはジクロロジエチルシラン、および一
般式IVで示されるアミド誘導体としてジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素、1,
3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン、または3−メ
チルオキサゾリジン−2−オンを組み合わせて用いるの
が好ましい。
【0017】本発明の方法は、特にフェニル、1−ナフ
チル、2−ナフチル、あるいはそれらに炭素数1〜20
のアルキル基、ハロゲン、炭素数1〜20のアルコキシ
基、炭素数1〜20のアルキルチオ基が置換したアリー
ル基を有する芳香族スルホニルクロリドを還元して芳香
族チオールを得る方法として優れている。
【0018】本発明の方法は、有機溶媒中でスルホニル
クロリド、亜鉛、ハロゲン化ケイ素化合物、アミド化合
物を混合し、必要に応じて昇温することにより達成され
る。亜鉛と有機溶媒の混合液中にハロゲン化ケイ素化合
物を加え、さらにスルホニルクロリドと種々のアミド化
合物の混合物をあらかじめ有機溶媒に溶解した溶液を投
入する方法が好ましい。
【0019】亜鉛のスルホニルクロリドに対する当量は
3〜10当量が好ましく、特に3〜5当量が好ましい。
ハロゲン化ケイ素化合物のスルホニルクロリドに対する
当量は3〜10当量が好ましく、特に3〜5当量が好ま
しい。アミド化合物のスルホニルクロリドに対する当量
は3〜10当量が好ましく、特に3〜5当量が好まし
い。
【0020】反応に用いる有機溶媒としては、ハロゲン
化ケイ素化合物、スルホニルクロリドおよびアミド化合
物に対して不活性なものであれば特に制限なく用いるこ
とができるが、溶解性および沸点の観点から1,2−ジ
クロロエタンのようなハロゲン化物系溶媒、またはトル
エンのような芳香族系溶媒が好ましい。反応温度として
は室温から用いる溶媒の沸点の間の適当な温度を選択す
ることができるが、反応速度および収率の観点から60
℃から90℃程度の温度が好ましい。反応時間は30分
〜8時間が好ましく、特に1〜4時間が好ましい。
【0021】反応混合物から目的の芳香族チオール類を
取り出す方法としては、反応混合物を冷却後濾過し、濾
液にメタノールやエタノールなどのプロトン性溶媒を加
えて撹拌した後、溶媒を留去することによっても達成で
きるが、上述の濾液に水酸化アルカリの水溶液を加えて
塩基性とすることで芳香族チオール類を水層中に抽出
し、この水層を再度酸性としてから酢酸エチルなどの有
機溶媒で遊離した芳香族チオール類を抽出し、有機溶媒
を留去することによっても達成できる。さらにこれらの
操作に蒸留あるいはカラムクロマトグラフィーなどの手
段を組み合わせ用いることによって、より高純度の芳香
族チオール類を得ることができる。
【0022】本製造法では後処理以外の工程に水を用い
ないため、従来法のような金属イオン含有酸性廃液を多
量に生成しないことが最大の特長として挙げられる。ま
た、本製造法によれば種々の置換基を有する幅広い種類
の芳香族スルホニルクロリドを高い収率で対応するチオ
ールに導くことが出来る。さらに、本製造法は高い選択
性で芳香族チオール類を与え、ジスルフィド類の副生が
少ない点でも優れている。加えて本製造法では、ヨウ素
やヨウ化物イオンのような反応性の高い化学種を用いる
必要がないため、これらが引き起こす種々の副反応を回
避することができる。
【0023】すなわち、本発明は既存の芳香族スルホニ
ルクロリドの還元による芳香族チオール類の合成法が抱
えている種々の問題点を解決し、幅広い種類の芳香族ス
ルホニルクロリド類から、高収率かつ高選択的に芳香族
チオール類を得る効率的かつ環境にやさしい製造方法を
提供するものである。
【0024】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明する。 実施例1 ジクロロジメチルシラン、ジメチルアセトアミドを用い
る1−ナフタレンチオールの合成 乾燥した100ml三口フラスコに亜鉛末(2.29
g,35.0mmol)を入れ、これに1,2−ジクロ
ロエタン(30ml)を加えて撹拌した。この懸濁液に
ジクロロジメチルシラン(4.52g,35.0mmo
l)を加え、続いて1−ナフタレンスルホニルクロリド
(2.27g,10.0mmol)とジメチルアセトア
ミド(2.61g,30.0mmol)の1,2−ジク
ロロエタン(20ml)溶液を加えた。この混合物を7
5℃に加熱し、さらに2時間撹拌したところ亜鉛末はほ
ぼ完全に消滅した。この溶液を室温まで冷却後濾過し、
濾液を10%水酸化ナトリウム水溶液(20ml)を用
いて3回抽出してチオールを水層に移動させた。得られ
た有機層および水層をそれぞれ分取し、有機層を無水硫
酸ナトリウムを用いて乾燥した。乾燥剤を濾別した後、
溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーを用いて精製し、ビス(1−ナフチ
ル)ジスルフィド(6.4mg)を0.4%の収率で得
た。
【0025】一方、上述の水層に12規定塩酸を加えて
酸性(pH=2)とした後、酢酸エチル(30ml)を
用いて3回抽出してチオールを有機層に移動させた。有
機層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、乾燥剤を濾
別した後、溶媒を留去して1−ナフタレンチオールの粗
生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーを用いて精製し、1−ナフタレンチオール
1.52gを得た(収率95%)。
【0026】沸点 86〜87℃/0.3mmHg1 H−NMR(CDCl3/δ/ppm):3.55
(s,1H),7.25〜8.15(m,7H)。
【0027】比較例1 ジクロロジメチルシランを用い、アミド誘導体を添加し
ない1−ナフタレンチオールの合成 乾燥した100ml三口フラスコに亜鉛末(2.29
g,35.0mmol)を入れ、これに1,2−ジクロ
ロエタン(30ml)を加えて撹拌した。この懸濁液に
ジクロロジメチルシラン(4.52g,35.0mmo
l)を加え、続いて1−ナフタレンスルホニルクロリド
(2.27g,10.0mmol)の1,2−ジクロロ
エタン(20ml)を加えた。この混合物を75℃に加
熱し、さらに2時間撹拌したが亜鉛末はほとんど消費さ
れなかった。この混合物を室温まで冷却後濾過し、濾液
を10%水酸化ナトリウム水溶液(20ml)を用いて
3回抽出した。得られた有機層および水層をそれぞれ分
取し、有機層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。
乾燥剤を濾別した後、溶媒を留去して得られた粗生成物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製
し、ビス(1−ナフチル)ジスルフィド(0.37g)
を23%の収率で得た。一方、上述の水層に12規定塩
酸を加えて酸性(pH=2)とした後、酢酸エチル(3
0ml)を用いて3回抽出したが、この有機層中には1
−ナフタレンチオールの生成は認められなかった。
【0028】実施例2 ジクロロジメチルシラン、ジメチルホルムアミドを用い
る1−ナフタレンチオールの合成 乾燥した100ml三口フラスコに亜鉛末(2.29
g,35.0mmol)を入れ、これに1,2−ジクロ
ロエタン(30ml)を加えて撹拌した。この懸濁液に
ジクロロジメチルシラン(4.52g,35.0mmo
l)を加え、続いて1−ナフタレンスルホニルクロリド
(2.27g,10.0mmol)とジメチルホルムア
ミド(2.19g,30.0mmol)の1,2−ジク
ロロエタン(20ml)溶液を加えた。この混合物を7
5℃に加熱し、さらに2時間撹拌したところ亜鉛末はほ
ぼ完全に消失した。この溶液を室温まで冷却後濾過し、
濾液を10%水酸化ナトリウム水溶液(20ml)を用
いて3回抽出してチオールを水層に移動させた。得られ
た有機層および水層をそれぞれ分取し、有機層を無水硫
酸ナトリウムを用いて乾燥した。乾燥剤を濾別した後、
溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーを用いて精製し、ビス(1−ナフチ
ル)ジスルフィド(95mg)を6%の収率で得た。一
方、上述の水層に12規定塩酸を加えて酸性(pH=
2)とした後、酢酸エチル(30ml)を用いて3回抽
出してチオールを有機層に移動させた。有機層を無水硫
酸ナトリウムを用いて乾燥し、乾燥剤を濾別した後、溶
媒を留去して1−ナフタレンチオールの粗生成物を得
た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーを用いて精製し、1−ナフタレンチオール1.18g
を得た(収率74%)。
【0029】実施例3 ジクロロジメチルシラン、テトラメチル尿素を用いる1
−ナフタレンチオールの合成 乾燥した100ml三口フラスコに亜鉛末(2.29
g,35.0mmol)を入れ、これに1,2−ジクロ
ロエタン(30ml)を加えて撹拌した。この懸濁液に
ジクロロジメチルシラン(4.52g,35.0mmo
l)を加え、続いて1−ナフタレンスルホニルクロリド
(2.27g,10.0mmol)とテトラメチル尿素
(3.48g,30.0mmol)の1,2−ジクロロ
エタン(20ml)溶液を加えた。この混合物を75℃
に加熱し、さらに2時間撹拌したところ亜鉛末はほぼ完
全に消滅した。この溶液を室温まで冷却後濾過し、濾液
を10%水酸化ナトリウム水溶液(20ml)を用いて
3回抽出してチオールを水層に移動させた。得られた有
機層および水層をそれぞれ分取し、有機層を無水硫酸ナ
トリウムを用いて乾燥した。乾燥剤を濾別した後、溶媒
を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーを用いて精製し、ビス(1−ナフチル)ジ
スルフィド(4.8mg)を0.3%の収率で得た。
【0030】一方、上述の水層に12規定塩酸を加えて
酸性(pH=2)とした後、酢酸エチル(30ml)を
用いて3回抽出してチオールを有機層に移動させた。有
機層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、乾燥剤を濾
別した後、溶媒を留去して1−ナフタレンチオールの粗
生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーを用いて精製し、1−ナフタレンチオール
1.50gを得た(収率94%)。
【0031】実施例4 ジクロロジメチルシラン、1,3−ジメチルイミダゾリ
ジン−2−オンを用いる1−ナフタレンチオールの合成 乾燥した100ml三口フラスコに亜鉛末(2.29
g,35.0mmol)を入れ、これに1,2−ジクロ
ロエタン(30ml)を加えて撹拌した。この懸濁液に
ジクロロジメチルシラン(4.52g,35.0mmo
l)を加え、続いて1−ナフタレンスルホニルクロリド
(2.27g,10.0mmol)と1,3−ジメチル
イミダゾリジン−2−オン(3.48g,30.0mm
ol)の1,2−ジクロロエタン(20ml)溶液を加
えた。この混合物を75℃に加熱し、さらに2時間撹拌
したところ亜鉛末はほぼ完全に消滅した。この溶液を室
温まで冷却後濾過し、濾液を10%水酸化ナトリウム水
溶液(20ml)を用いて3回抽出してチオールを水層
に移動させた。得られた有機層および水層をそれぞれ分
取し、有機層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。
乾燥剤を濾別した後、溶媒を留去して得られた粗生成物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製
し、ビス(1−ナフチル)ジスルフィド(3.2mg)
を0.2%の収率で得た。
【0032】一方、上述の水層に12規定塩酸を加えて
酸性(pH=2)とした後、酢酸エチル(30ml)を
用いて3回抽出してチオールを有機層に移動させた。有
機層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、乾燥剤を濾
別した後、溶媒を留去して1−ナフタレンチオールの粗
生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーを用いて精製し、1−ナフタレンチオール
1.54gを得た(収率96%)。
【0033】実施例5 クロロトリメチルシラン、ジメチルアセトアミドを用い
る1−ナフタレンチオールの合成 乾燥した100ml三口フラスコに亜鉛末(2.29
g,35.0mmol)を入れ、これに1,2−ジクロ
ロエタン(30ml)を加えて撹拌した。この懸濁液に
クロロトリメチルシラン(5.43g,50.0mmo
l)を加え、続いて1−ナフタレンスルホニルクロリド
(2.27g,10.0mmol)とジメチルアセトア
ミド(2.61g,30.0mmol)の1,2−ジク
ロロエタン(20ml)溶液を加えた。この混合物を7
5℃に加熱し、さらに2時間撹拌したところ亜鉛末はほ
ぼ完全に消滅した。この溶液を室温まで冷却後濾過し、
濾液を10%水酸化ナトリウム水溶液(20ml)を用
いて3回抽出してチオールを水層に移動させた。得られ
た有機層および水層をそれぞれ分取し、有機層を無水硫
酸ナトリウムを用いて乾燥した。乾燥剤を濾別した後、
溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーを用いて精製し、ビス(1−ナフチ
ル)ジスルフィド(95mg)を6%の収率で得た。
【0034】一方、上述の水層に12規定塩酸を加えて
酸性(pH=2)とした後、酢酸エチル(30ml)を
用いて3回抽出してチオールを有機層に移動させた。有
機層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、乾燥剤を濾
別した後、溶媒を留去して1−ナフタレンチオールの粗
生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーを用いて精製し、1−ナフタレンチオール
1.18gを得た(収率74%)。
【0035】実施例6 ジクロロジメチルシラン、ジメチルアセトアミドを用い
るチオフェノールの合成 乾燥した100ml三口フラスコに亜鉛末(2.29
g,35.0mmol)を入れ、これに1,2−ジクロ
ロエタン(30ml)を加えて撹拌した。この懸濁液に
ジクロロジメチルシラン(4.52g,35.0mmo
l)を加え、続いてベンゼンスルホニルクロリド(1.
77g,10.0mmol)とジメチルアセトアミド
(2.61g,30.0mmol)の1,2−ジクロロ
エタン(20ml)溶液を加えた。この混合物を75℃
に加熱し、さらに2時間撹拌したところ亜鉛末はほぼ完
全に消滅した。この溶液を室温まで冷却後濾過し、濾液
を10%水酸化ナトリウム水溶液(20ml)を用いて
3回抽出してチオールを水層に移動させた。得られた水
層が強酸性(pH=2)になるまで12規定塩酸を加え
た後、酢酸エチル(30ml)を用いて3回抽出し、チ
オールを再び有機層に移動させた。有機層を無水硫酸ナ
トリウムを用いて乾燥し、乾燥剤を濾別した後、溶媒を
留去してチオフェノールの粗生成物を得た。この粗生成
物を蒸留により精製し、チオフェノール1.05gを得
た(収率95%)。
【0036】沸点 65〜66℃/20mmHg1 H−NMR(CDCl3/δ/ppm):3.40
(s,1H),6.80〜7.40(m,5H)。
【0037】実施例7 ジクロロジメチルシラン、ジメチルアセトアミドを用い
るp−トルエンチオールの合成 乾燥した100ml三口フラスコに亜鉛末(2.29
g,35.0mmol)を入れ、これに1,2−ジクロ
ロエタン(30ml)を加えて撹拌した。この懸濁液に
ジクロロジメチルシラン(4.52g,35.0mmo
l)を加え、続いてp−トルエンスルホニルクロリド
(1.91g,10.0mmol)とジメチルアセトア
ミド(2.61g,30.0mmol)の1,2−ジク
ロロエタン(20ml)溶液を加えた。この混合物を7
5℃に加熱し、さらに2時間撹拌したところ亜鉛末はほ
ぼ完全に消滅した。この溶液を室温まで冷却後濾過し、
濾液を10%水酸化ナトリウム水溶液(20ml)を用
いて3回抽出してチオールを水層に移動させた。得られ
た水層が強酸性(pH=2)になるまで12規定塩酸を
加えた後、酢酸エチル(30ml)を用いて3回抽出
し、チオールを再び有機層に移動させた。有機層を無水
硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、乾燥剤を濾別した後、
溶媒を留去してp−トルエンチオールの粗生成物を得
た。この粗生成物を蒸留により精製し、p−トルエンチ
オール1.19gを得た(収率96%)。
【0038】沸点 72〜73℃/10mmHg 融点 43℃1 H−NMR(CDCl3/δ/ppm):2.30
(s,3H),3.35(s,1H),6.70〜7.
40(m,4H)。
【0039】実施例8 ジクロロジメチルシラン、ジメチルアセトアミドを用い
る2,5−ジメチルベンゼンチオールの合成 乾燥した100ml三口フラスコに亜鉛末(2.29
g,35.0mmol)を入れ、これに1,2−ジクロ
ロエタン(30ml)を加えて撹拌した。この懸濁液に
ジクロロジメチルシラン(4.52g,35.0mmo
l)を加え、続いて2,5−ジメチルベンゼンスルホニ
ルクロリド(2.05g,10.0mmol)とジメチ
ルアセトアミド(2.61g,30.0mmol)の
1,2−ジクロロエタン(20ml)溶液を加えた。こ
の混合物を75℃に加熱し、さらに2時間撹拌したとこ
ろ亜鉛末はほぼ完全に消滅した。この溶液を室温まで冷
却後濾過し、濾液を10%水酸化ナトリウム水溶液(2
0ml)を用いて3回抽出してチオールを水層に移動さ
せた。得られた水層が強酸性(pH=2)になるまで1
2規定塩酸を加えた後、酢酸エチル(30ml)を用い
て3回抽出し、チオールを再び有機層に移動させた。有
機層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、乾燥剤を濾
別した後、溶媒を留去して2,5−ジメチルベンゼンチ
オールの粗生成物を得た。この粗生成物を蒸留により精
製し、2,5−ジメチルベンゼンチオール1.32gを
得た(収率96%)。
【0040】沸点 96〜97℃/13mmHg1 H−NMR(CDCl3/δ/ppm):2.25
(s,6H),3.20(s,1H),6.80〜7.
20(m,3H)。
【0041】実施例9 ジクロロジメチルシラン、ジメチルアセトアミドを用い
るp−クロロベンゼンチオールの合成 乾燥した100ml三口フラスコに亜鉛末(2.29
g,35.0mmol)を入れ、これに1,2−ジクロ
ロエタン(30ml)を加えて撹拌した。この懸濁液に
ジクロロジメチルシラン(4.52g,35.0mmo
l)を加え、続いてp−クロロベンゼンスルホニルクロ
リド(2.11g,10.0mmol)とジメチルアセ
トアミド(2.61g,30.0mmol)の1,2−
ジクロロエタン(20ml)溶液を加えた。この混合物
を75℃に加熱し、さらに2時間撹拌したところ亜鉛末
はほぼ完全に消滅した。この溶液を室温まで冷却後濾過
し、濾液を10%水酸化ナトリウム水溶液(20ml)
を用いて3回抽出してチオールを水層に移動させた。得
られた水層が強酸性(pH=2)になるまで12規定塩
酸を加えた後、酢酸エチル(30ml)を用いて3回抽
出し、チオールを再び有機層に移動させた。有機層を無
水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、乾燥剤を濾別した
後、溶媒を留去してp−クロロベンゼンチオールの粗生
成物を得た。この粗生成物を蒸留により精製し、p−ク
ロロベンゼンチオール1.39gを得た(収率96
%)。
【0042】沸点 71〜72℃/5mmHg 融点 50℃1 H−NMR(CDCl3/δ/ppm):3.42
(s,1H),7.20(m,4H)。
【0043】実施例10 ジクロロジメチルシラン、3−メチルオキサゾリジン−
2−オンを用いるp−メトキシベンゼンチオールの合成 乾燥した100ml三口フラスコに亜鉛末(2.29
g,35.0mmol)を入れ、これに1,2−ジクロ
ロエタン(30ml)を加えて撹拌した。この懸濁液に
ジクロロジメチルシラン(4.52g,35.0mmo
l)を加え、続いてp−メトキシベンゼンスルホニルク
ロリド(2.11g,10.0mmol)と3−メチル
オキサゾリジン−2−オン(3.03g,30.0mm
ol)の1,2−ジクロロエタン(20ml)溶液を加
えた。この混合物を80℃に加熱し、さらに2時間撹拌
したところ亜鉛末はほぼ完全に消滅した。この溶液を室
温まで冷却後濾過し、濾液を10%水酸化ナトリウム水
溶液(20ml)を用いて3回抽出してチオールを水層
に移動させた。得られた水層が強酸性(pH=2)にな
るまで12規定塩酸を加えた後、酢酸エチル(30m
l)を用いて3回抽出し、チオールを再び有機層に移動
させた。有機層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、
乾燥剤を濾別した後、溶媒を留去してp−メトキシベン
ゼンチオールの粗生成物を得た。この粗生成物を蒸留に
より精製し、p−メトキシベンゼンチオール1.39g
を得た(収率96%)。
【0044】沸点 113〜114℃/49mmHg1 H−NMR(CDCl3/δ/ppm):3.32
(s,1H),3.74(s,3H),6.60〜6.
90(m,2H),7.05〜7.35(m,2H)。
【0045】実施例11 ジクロロジエチルシラン、ジメチルアセトアミドを用い
るp−メトキシベンゼンチオールの合成 乾燥した100ml三口フラスコに亜鉛末(2.29
g,35.0mmol)を入れ、これに1,2−ジクロ
ロエタン(30ml)を加えて撹拌した。この懸濁液に
ジクロロジエチルシラン(4.52g,35.0mmo
l)を加え、続いてp−メトキシベンゼンスルホニルク
ロリド(2.11g,10.0mmol)とジメチルア
セトアミド(2.61g,30.0mmol)の1,2
−ジクロロエタン(20ml)溶液を加えた。この混合
物を80℃に加熱し、さらに2時間撹拌したところ亜鉛
末はほぼ完全に消滅した。この溶液を室温まで冷却後濾
過し、濾液を10%水酸化ナトリウム水溶液(20m
l)を用いて3回抽出してチオールを水層に移動させ
た。得られた水層が強酸性(pH=2)になるまで12
規定塩酸を加えた後、酢酸エチル(30ml)を用いて
3回抽出し、チオールを再び有機層に移動させた。有機
層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、乾燥剤を濾別
した後、溶媒を留去してp−メトキシベンゼンチオール
の粗生成物を得た。この粗生成物を蒸留により精製し、
p−メトキシベンゼンチオール1.36gを得た(収率
94%)。
【0046】実施例12 ジクロロジエチルシラン、ジメチルアセトアミドを用い
る3,4−ジメトキシベンゼンチオールの合成 乾燥した100ml三口フラスコに亜鉛末(2.29
g,35.0mmol)を入れ、これに1,2−ジクロ
ロエタン(30ml)を加えて撹拌した。この懸濁液に
ジクロロジメチルシラン(4.52g,35.0mmo
l)を加え、続いて3,4−ジメトキシベンゼンスルホ
ニルクロリド(2.37g,10.0mmol)と1,
3−ジメチルオキサゾリジン−2−オン(2.61g,
30.0mmol)の1,2−ジクロロエタン(20m
l)溶液を加えた。この混合物を80℃に加熱し、さら
に2時間撹拌したところ亜鉛末はほぼ完全に消滅した。
この溶液を室温まで冷却後濾過し、濾液を10%水酸化
ナトリウム水溶液(20ml)を用いて3回抽出してチ
オールを水層に移動させた。得られた水層が強酸性(p
H=2)になるまで12規定塩酸を加えた後、酢酸エチ
ル(30ml)を用いて3回抽出し、チオールを再び有
機層に移動させた。有機層を無水硫酸ナトリウムを用い
て乾燥し、乾燥剤を濾別した後、溶媒を留去して3,4
−ジメトキシベンゼンチオールの粗生成物を得た。この
粗生成物を蒸留により精製し、3,4−ジメトキシベン
ゼンチオール1.62gを得た(収率95%)。
【0047】沸点 88〜89℃/0.5mmHg1 H−NMR(CDCl3/δ/ppm):3.46
(s,1H),3.87(s,6H),6.60〜7.
03(m,3H)。
【0048】実施例13 ジクロロジエチルシラン、ジメチルアセトアミドを用い
るp−メチルチオベンゼンチオールの合成 乾燥した100ml三口フラスコに亜鉛末(2.29
g,35.0mmol)を入れ、これに1,2−ジクロ
ロエタン(30ml)を加えて撹拌した。この懸濁液に
ジクロロジエチルシラン(4.52g,35.0mmo
l)を加え、続いてp−メチルチオベンゼンスルホニル
クロリド(2.27g,10.0mmol)とジメチル
アセトアミド(2.61g,30.0mmol)の1,
2−ジクロロエタン(20ml)溶液を加えた。この混
合物を80℃に加熱し、さらに2時間撹拌したところ亜
鉛末はほぼ完全に消滅した。この溶液を室温まで冷却後
濾過し、濾液を10%水酸化ナトリウム水溶液(20m
l)を用いて3回抽出してチオールを水層に移動させ
た。得られた水層が強酸性(pH=2)になるまで12
規定塩酸を加えた後、酢酸エチル(30ml)を用いて
3回抽出し、チオールを再び有機層に移動させた。有機
層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、乾燥剤を濾別
した後、溶媒を留去してp−メチルチオベンゼンチオー
ルの粗生成物を得た。この粗生成物を蒸留により精製
し、p−メチルチオベンゼンチオール1.61gを得た
(収率97%)。
【0049】沸点 117〜118℃/3mmHg1 H−NMR(CDCl3/δ/ppm):2.44
(s,3H),3.41(s,1H),7.08〜7.
23(m,4H)。
【0050】
【発明の効果】本発明により、従来法に比べて水性廃液
や固形金属残査の生成量を顕著に抑制しながら、高収率
かつ高い選択性で芳香族チオール類を製造することが可
能となった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式I 【化1】 (式中、Arは置換または非置換のアリール基、または
    芳香族複素環基を表す。)で示される芳香族スルホニル
    クロリドから一般式II 【化2】 (式中、Arは前記定義に同じ。)で示される芳香族チ
    オールを製造する方法において、亜鉛、一般式III 【化3】 (式中、A、B、CおよびDのうち、少なくとも一つは
    ハロゲン原子を表し、それ以外は置換または非置換のア
    ルキル基またはアリール基を表し、2つ以上の置換基が
    環構造を形成していてもよい。)で示されるハロゲン化
    ケイ素化合物、および一般式IV 【化4】 (式中、R1は水素、置換または非置換のアルキル基ま
    たはアリール基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルア
    ミノ基、ジアルキルアミノ基を表し、R2およびR3はそ
    れぞれ独立して水素、置換または非置換のアルキル基ま
    たはアリール基、アルコキシ基を表す。また、R1、R2
    およびR3のうち2つ以上の置換基が環構造を形成して
    いてもよい。)で示されるアミド誘導体を用いて還元す
    ることを特徴とする製造法。
  2. 【請求項2】ハロゲン化ケイ素化合物がクロロトリメチ
    ルシラン、ジクロロジメチルシランまたはジクロロジエ
    チルシランである請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】アミド誘導体がジメチルホルムアミド、ジ
    メチルアセトアミド、テトラメチル尿素、1,3−ジメ
    チルイミダゾリジン−2−オンまたは3−メチルオキサ
    ゾリジン−2−オンである請求項1または2記載の製造
    法。
  4. 【請求項4】一般式Iおよび一般式IIにおいて、Arが
    フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、フラン、ベン
    ゾフラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラ
    ゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、インドー
    ル、ベンゾイミダゾール、キノリン、イソキノリン、オ
    キサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、ベンゾオ
    キサゾール、またはベンゾチアゾール(アルキル基、ハ
    ロゲン、アルコキシ基、アルキルチオ基、ジアルキルア
    ミノ基、またはニトロ基で置換されていてもよい)であ
    る請求項1ないし3記載の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006123521A1 (ja) * 2005-05-17 2006-11-23 Sumitomo Seika Chemicals Co., Ltd. 酢酸(4-メルカプトフェニル)エステルおよびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006123521A1 (ja) * 2005-05-17 2006-11-23 Sumitomo Seika Chemicals Co., Ltd. 酢酸(4-メルカプトフェニル)エステルおよびその製造方法

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