JP2003026068A - サスペンション装置 - Google Patents
サスペンション装置Info
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- Vehicle Body Suspensions (AREA)
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Abstract
延ばし、このスイングアーム44の前部に上端が下端よ
り前方に位置するように前傾させたキングピンとしての
ボルト73を取付け、このボルト73に左右へ延びるク
ロスビーム64を旋回可能に取付け、このクロスビーム
64の両端に前輪13,14を回転可能に取付けた。 【効果】 車両が旋回する際に、ハンドル操作に伴って
前車体を旋回方向に傾斜させることができ、運転者が乗
車した状態での車両の重心を旋回方向、即ち旋回側の側
方へ移動させることができ、旋回性を向上させることが
できる。
Description
させるのに好適なサスペンション装置に関する。 【0002】 【従来の技術】前側の車体と後側の車体とをロール可能
に連結するとともに、前側の車体に、操舵可能な2個の
車輪を左右に配置したサスペンション装置を備える車両
が知られている。この車両を図9及び図10で説明す
る。 【0003】図9は従来のサスペンション装置を備えた
車両の側面図であり、車両100は、車体フレーム10
1の前部にステアリング装置103及びフロントサスペ
ンション装置104を取付け、ステアリング装置103
を左右2個の前輪105,105(奥側の前輪105は
不図示)側に連結するとともに、フロントサスペンショ
ン装置104で前輪105,105を懸架し、車体フレ
ーム101の後部に連結装置106を介してパワーユニ
ット107及びこのパワーユニット107で駆動する左
右2個の後輪108,108をロール可能に連結した四
輪車である。 【0004】図10は従来のサスペンション装置を説明
する分解斜視図であり、フロントサスペンション装置1
04は、車体フレーム101の前部下部に設けた前部取
付部111,111,112,112にフロントフレー
ム113を取付け、このフロントフレーム113に設け
たアーム取付部114,114にそれぞれ左右のスイン
グアーム116,116をそれぞれスイング可能に取付
け、これらのスイングアーム116,116の先端にそ
れぞれキングピン117,117(一方のキングピン1
17は不図示。)を介してナックル118,118(一
方のナックル118は不図示。)を旋回可能に取付け、
これらのナックル118,118に前輪105,105
を回転可能に取付け、フロントダンパ121,121の
両端部をそれぞれフロントフレーム113と各スイング
アーム116とに渡す構造を有する。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】例えば、車両100が
旋回すると、遠心力によって旋回方向とは逆の方向に傾
く。即ち、車体の重心は、旋回方向とは逆の方向に移動
する。旋回速度を高めると車体は更に傾くため、旋回速
度を抑えて走行しなければならない。 【0006】二輪車又は前輪1輪の三輪車では、旋回時
に車体を旋回方向に倒して車体の重心を移動させること
で、車体に作用する遠心力の影響を抑え、スムーズに旋
回することができる。そこで、上記した車両100にお
いても、車体の重心を旋回方向に移動させることができ
れば、旋回性を向上させることができると考えられる。 【0007】本発明の目的は、サスペンション装置を改
良することで、車両の旋回性を向上させることにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、前車体と、この後方に設けた後車体とを
ロール自在に連結し、前車体の左右にそれぞれ前輪を設
けた車両において、前車体から前方へアームを延ばし、
このアームの前部に上端が下端より前方に位置するよう
に前傾させたキングピンを取付け、このキングピンに左
右へ延びるクロスビームを旋回可能に取付け、このクロ
スビームの両端に前輪を回転可能に取付けた構成とし、
キングピンを前傾させたことを特徴とする。 【0009】キングピンを前傾させることで、車両が旋
回する際に、ハンドル操作に伴って前車体を旋回方向に
傾斜させることができ、運転者が乗車した状態での車両
の重心を旋回方向、即ち旋回側の側方へ移動させること
ができて、旋回性を向上させることができる。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明に係るサスペンション装置を
備えた車両の側面図であり、四輪車10は、バーハンド
ル11及びこのバーハンドル11で操舵する前輪13,
14(奥側の前輪14は不図示)を前車体16に取付
け、エンジン及び変速機からなるパワーユニット18、
このパワーユニット18を支える支持アーム部19及び
パワーユニット18で駆動する後輪21,22(奥側の
後輪22は不図示)で後車体24を構成し、これらの前
車体16と後車体24とを連結装置26でロール可能に
連結した車両である。 【0011】ここで、31は運転者の足載せとするフロ
アステップ、32はシート、33はウインドスクリー
ン、34は屋根、35,35(奥側の符号35は不図
示)は屋根34を支えるポール、36はラゲッジボック
ス、37は後車体24のパワーユニット18と支持アー
ム部19とに渡したリヤサスペンションユニットであ
る。 【0012】図2は本発明に係るサスペンション装置を
取付けた車体構造を示す側面図であり、前車体16は、
側面視がほぼL字形状の車体フレーム41と、この車体
フレーム41の前部上部から前輪13,14(奥側の前
輪14は不図示)側に渡って配置したステアリング装置
42と、車体フレーム41の前部下部に連結したサスペ
ンション装置43とを備える。 【0013】サスペンション装置43は、車体フレーム
41にスイング可能に取付けるとともに車体前方に延ば
したアームとしてのスイングアーム44と、このスイン
グアーム44に上端を取付けるとともに下端を車体フレ
ーム41に取付けたフロントサスペンションユニット4
5とを備える。 【0014】連結装置26は、車体フレーム41に車体
前後方向に延ばして取付けたロール軸(不図示)と、こ
のロール軸を受ける軸受の役目をするとともに後車体2
4の支持アーム部19を連結するケース46と、これら
のロール軸及びケース46とが相対回転した時にダンパ
作用を発揮させるためにロール軸、ケース46間に配置
した弾性部材(不図示)とからなる。 【0015】図3は本発明に係るサスペンション装置を
備えた車体の斜視図であり、車体フレーム41の前部に
立上げ部51を設け、この立上げ部51の上端にヘッド
パイプ52を設け、このヘッドパイプ52にステアリン
グ装置42を構成するハンドル軸55を回転可能に取付
けたことを示す。ハンドル軸55は、バーハンドル11
(図1参照)に取付けた部材である。車体フレーム41
は、後部にブラケット57を介して連結装置26を取付
けた部材である。 【0016】図4は本発明に係るサスペンション装置及
びステアリング装置を説明する分解斜視図であり、ハン
ドル軸55の下端に連結部55aを設け、この連結部5
5aに第1リンク61の一端に設けた連結部61a,6
1aをスイング可能に取付け、この第1リンク61の他
端にボールジョイント62を介して第2リンク63の一
端を回転可能及びスイング可能に取付け、この第2リン
ク63の他端に設けた連結部63a,63aに、左右の
前輪13,14を連結するクロスビーム64の上部アー
ム部66に設けた連結部66aをスイング可能に取付け
る状態を示す。これらのバーハンドル11(図1参
照)、ハンドル軸55、第1リンク61、ボールジョイ
ント62、第2リンク63は、それぞれステアリング装
置42を構成する部材である。 【0017】また図では、車体フレーム41のアーム取
付け部68,68にスイングアーム44の基部71を取
付け、このスイングアーム44の先端に設けた軸受部7
2にキングピンとしてのボルト73を介してクロスビー
ム64の上部アーム部66及び下部アーム部74を旋回
可能に取付け、スイングアーム44の基部71から立上
げたL字状アーム76の先端にフロントサスペンション
ユニット45の上端を取付け、このフロントサスペンシ
ョンユニット45の下端を車体フレーム41の立上げ部
51の下部に取付けることを示す。 【0018】ここで、77はボルト73の先端にねじ結
合するナット、78,78はクロスビーム64の両端に
取付けた車軸支持部材、81,82はそれぞれ前輪1
3,14の車軸である。 【0019】このように、サスペンション装置43は、
スイングアーム44と、フロントサスペンションユニッ
ト45と、ボルト73及びナット77と、上部アーム部
66及び下部アーム部74を取付けたクロスビーム64
と、車軸支持部材78,78と、車軸81,82とから
なる。 【0020】図5は本発明に係るサスペンション装置の
要部を説明する側面図であり、一部を断面で示した。サ
スペンション装置43は、スイングアーム44とクロス
ビーム64とを連結するキングピンとしてのボルト73
を、上端が下端より車体前方(白抜き矢印(fron
t)の指す方向が車体前方である。)に位置するように
角度θだけ前傾させたものである。 【0021】即ち、スイングアーム44の前端に軸受部
72を鉛直線83に対して角度θだけ前傾させて取付
け、軸受部72の端部に、クロスビーム64の上部アー
ム部66及び下部アーム部74にそれぞれ開けたピン貫
通穴84,85を合わせ、ピン貫通穴84側からボルト
73をピン貫通穴84、軸受部72内及びピン貫通穴8
5に通し、ボルト73の先端に形成したおねじにナット
77をねじ結合する。 【0022】以上に述べたサスペンション装置43の作
用を次に説明する。図6(a),(b)は本発明に係る
サスペンション装置の作用を説明する第1作用図であ
り、車体の平面図を示す。(a)は、バーハンドル11
を左右に切らず、前輪13,14を直進方向に向けた状
態を示す。 【0023】(b)はバーハンドル11を、例えば矢印
で示すように右(白抜き矢印(right)の指す方向
が右である。)に切って前輪13,14を右に操舵し、
車両を右に旋回させる状態を示す。 【0024】即ち、バーハンドル11を右に切ると、ハ
ンドル軸55の回転に伴って第1リンク61が回転する
とともにスイングし、この第1リンク61にボールジョ
イント62を介して連結した第2リンク63が左側(白
抜き矢印(left)の指す方向が左側である。)に移
動し、上部アーム部66の後端が左側にスイングし、ク
ロスビーム64が平面視で右回りに旋回し、これに伴っ
て前輪13,14が右に操舵される。 【0025】図7(a)〜(c)は本発明に係るサスペ
ンション装置の作用を説明する第2作用図であり、車輪
を操舵したときに車体が傾く状態を原理図で説明する。
(サスペンション装置43の各構成の形状は、便宜上簡
略にした。)(a)は、図5に対応するスイングアーム
44及びクロスビーム64の側面図であり、また、この
側面図の右側にスイングアーム44の端部の側面図を記
載した。 【0026】まず、バーハンドルを、例えば右に切る
と、クロスビーム64は矢印に示すようにキングピン7
3(即ちボルト73)を中心にして旋回する。(b)
は、クロスビーム64が旋回した状態、即ち、(a)の
状態から、左側の車軸81は紙面の奥側へ移動し、右側
の車軸82は紙面の手前側へ移動した状態を示す。 【0027】この状態は、キングピン73が前傾してい
るために、右側の車軸82が左側の車軸81よりも高く
なった状態、即ち右側の前輪が左側の前輪よりも高くな
った状態であるが、実際には、左右の前輪は両方とも地
面に接地するから、この状態を実際の状態に修正するた
めに、地面を90とすると、地面90から左側の車軸8
1の先端までの高さをhとしたときに右側の車軸82の
先端の高さを左側の車軸81の先端の高さhに合わせる
ために、右側の車軸82の先端を距離dだけ下降させ
る。 【0028】(c)は、右側の車軸82を下降させて、
車軸82を左側の車軸81と同じ高さhにしたことを示
す。右側の車軸82を下降させることは、(b)におい
て、スイングアーム44を矢印に示すように車体前後方
向に延びる水平軸91に対して回転させることである。
即ち、(c)に戻って、スイングアーム44は水平軸9
1を中心に角度φだけ回転する。 【0029】図8は本発明に係るサスペンション装置の
作用を説明する第3作用図であり、車体の正面図を示
す。図7(c)で説明したように、スイングアーム44
が回転すると、図8において、スイングアーム44に連
結した車体フレーム41がスイングアーム44と一体的
に回転する、即ち前車体16を構成する車体フレーム4
1は、後車体24に対してロールして、鉛直線83から
角度φだけ車体右側方(図中の白抜き矢印(righ
t)は車体右側方を表す。即ちここでは、車両の旋回方
向である。)に傾斜する。このように、車体フレーム4
1が傾斜すれば、乗車した運転者を含めた四輪車10
(図1参照)の重心95を車体の右側方に移動させるこ
とができる。 【0030】以上の図1及び図5で説明したように、本
発明は、前車体16と、この後方に設けた後車体24と
をロール自在に連結し、前車体16の左右にそれぞれ前
輪13,14を設けた四輪車10において、前車体16
から前方へスイングアーム44を延ばし、このスイング
アーム44の前部に上端が下端より前方に位置するよう
に前傾させたキングピンとしてのボルト73を取付け、
このボルト73に左右へ延びるクロスビーム64を旋回
可能に取付け、このクロスビーム64の両端に前輪1
3,14を回転可能に取付けた構成とし、ボルト73を
前傾させたことを特徴とする。 【0031】キングピン73を前傾させたことで、四輪
車10が旋回する際に、ハンドル操作に伴って前車体1
6を旋回方向、即ち旋回側の側方(例えば、図8では車
体の右側方)に傾斜させることができ、運転者が乗車し
た状態での四輪車10の重心95を旋回方向、即ち旋回
側の側方(例えば、図8では車体の右側方)へ移動させ
ることができ、旋回性を向上させることができる。 【0032】従って、旋回速度を高めることができ、ま
た、四輪車10の重心95の移動により重心95の位置
が低くなり、重心95に働く遠心力により四輪車10を
ロールさせるためのモーメントを小さくすることができ
る。この結果、前輪13,14及び後輪21,22(図
6(a)参照)のトレッド(左右の車輪間隔)を小さく
することができ、車幅を抑えることができて、四輪車1
0の小型化を図ることができる。 【0033】尚、本発明では、車両の前車体と後車体と
をロール可能に連結するとともに前輪を2輪、後輪を2
輪としたが、これに限らず、前車体と後車体とをロール
しないように連結するとともに、前輪を2輪、後輪を1
輪とした三輪車としてもよい。 【0034】 【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1のサスペンション装置は、前車体から前
方へアームを延ばし、このアームの前部に上端が下端よ
り前方に位置するように前傾させたキングピンを取付
け、このキングピンに左右へ延びるクロスビームを旋回
可能に取付け、このクロスビームの両端に前輪を回転可
能に取付けたので、車両が旋回する際に、ハンドル操作
に伴って前車体を旋回方向に傾斜させることができ、運
転者が乗車した状態での車両の重心を旋回方向、即ち旋
回側の側方へ移動させることができ、旋回性を向上させ
ることができる。
の側面図 【図2】本発明に係るサスペンション装置を取付けた車
体構造を示す側面図 【図3】本発明に係るサスペンション装置を備えた車体
の斜視図 【図4】本発明に係るサスペンション装置及びステアリ
ング装置を説明する分解斜視図 【図5】本発明に係るサスペンション装置の要部を説明
する側面図 【図6】本発明に係るサスペンション装置の作用を説明
する第1作用図 【図7】本発明に係るサスペンション装置の作用を説明
する第2作用図 【図8】本発明に係るサスペンション装置の作用を説明
する第3作用図 【図9】従来のサスペンション装置を備えた車両の側面
図 【図10】従来のサスペンション装置を説明する分解斜
視図 【符号の説明】 10…車両(四輪車)、13,14…前輪、16…前車
体、24…後車体、26…連結装置、44…アーム(ス
イングアーム)、64…クロスビーム、73…キングピ
ン(ボルト)、95…車体の重心。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 前車体と、この後方に設けた後車体とを
ロール自在に連結し、前記前車体の左右にそれぞれ前輪
を設けた車両において、前記前車体から前方へアームを
延ばし、このアームの前部に上端が下端より前方に位置
するように前傾させたキングピンを取付け、このキング
ピンに左右へ延びるクロスビームを旋回可能に取付け、
このクロスビームの両端に前記前輪を回転可能に取付け
た構成とし、キングピンを前傾させたことを特徴とする
サスペンション装置。
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