JP2003021569A - 漏水検知方法および漏水検知装置 - Google Patents

漏水検知方法および漏水検知装置

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JP2003021569A
JP2003021569A JP2001208805A JP2001208805A JP2003021569A JP 2003021569 A JP2003021569 A JP 2003021569A JP 2001208805 A JP2001208805 A JP 2001208805A JP 2001208805 A JP2001208805 A JP 2001208805A JP 2003021569 A JP2003021569 A JP 2003021569A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物処分場の凹所に遮水シートおよび保護
砂層などを設置した後に、保護砂層などの上に複数の検
知電極と、遮水シートが敷設された遮水部の外部の地盤
に基準電極とを設置するだけで容易に遮水シートの漏水
を検知することができ、可動型の電極を用いることによ
り漏水箇所を精度良く特定することが可能な漏水検知方
法を提供する。 【解決手段】 遮水部2に敷設された遮水シート5の上
部に複数の検知電極7を配置する段階と、地盤1に基準
電極8を設置して電流を流す段階と、複数の検知電極7
に流れる電流を合計することにより遮水シート5の漏水
を検知する段階と、を含む漏水検知方法を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、漏水検知方法に関
し、より詳細には、廃棄物処分場などに敷設される遮水
シートの漏水を検知する漏水検知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】地下水や河川を汚染する恐れのある排水
基準に満たない浸出水が発生する施設には、浸出水を処
理するための処分場が設けられていて、この処分場は、
近年、自然環境や生活圏への影響に対する関心の高まり
から、安全を確実とするものが求められている。通常、
処分場は、遮水シートを敷設し、砂層または覆土を設置
した後に使用される。この遮水シート敷設時、砂層また
は覆土の設置時、または処分場として使用する操業時に
は、汚染された水が周辺環境に流れ出すのを検出するべ
く、遮水シートの破損の有無やその位置を精度良く検知
する漏水検知装置や漏水検知方法が数多く提案されてい
る。
【0003】従来、上述した漏水検知システムや漏水検
知方法としては、遮水シートと遮水シートを敷設する地
盤との間に導電性シートなどの下部電極を設置し、上部
電極を用いて遮水シート上から電圧を印加させながら上
部電極と下部電極との間の電流、電位または電気抵抗を
測定することにより漏水箇所を検出する装置や方法が用
いられている。
【0004】例えば、特開平7−120343号公報に
開示の漏水位置検知システムによれば、電気的絶縁物に
よる遮水層に沿って、一定の間隔で縦横の網目状に配置
された複数の線電極と、遮水構造物の外部に配置された
外部電極とを用い、切換手段により順次選択された線電
極と外部電極との間の電流を測定し、判定手段により電
流値の大きい線電極の位置に基づいて漏水位置を判定す
ることができるようになっている。
【0005】また、特開平8−240508号公報に開
示の漏水検知方法では、一方の電極を遮水シートなどの
遮水帯が敷設される地盤に埋設するか、または地盤と遮
水帯との間に設け、他方の電極を可動型の電極としてこ
れら電極間に流れる電流値を電圧に変換し、電圧の変化
により漏水位置が検知されるようになっている。
【0006】しかしながら、特開平7−120343号
公報に開示の漏水位置検知システムにおいては、外部電
極を用いることにより遮水シートといった電気的絶縁物
の下部に複数の電極を設置する手間がかからないもの
の、線電極を電気的絶縁物上の所定位置に設置しなけれ
ばならず、また線電極を製造するためのコストや労力が
かかるといった問題があった。
【0007】また、特開平8−240508号公報に開
示の漏水検知方法においては、検知電極が可動型とされ
ているため、遮水帯上に設置する手間がかからないもの
の、遮水帯の下部に複数の電極を所定位置に設置する手
間がかかるといった問題があった。また、遮水帯の下部
に電極を設置する場合、遮水帯の下部に設置する電極、
電極と接続するコードなどが破損または切断されると、
交換や修理を容易に行うことが困難であった。また、こ
れら電極を設置した後に遮水帯を敷設するのは、処分場
の施工に時間を要するといった問題も生じていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、上
述した問題に鑑み、廃棄物処分場の凹所に遮水シートお
よび保護砂層などを設置した後に、保護砂層など上に複
数の検知電極と、遮水シートが敷設された遮水部の外部
の地盤に基準電極とを設置するだけで容易に遮水シート
の漏水を検知することができ、可動型の電極を用いるこ
とにより漏水箇所を精度良く特定することが可能な漏水
検知方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記目的は、
本発明の漏水検知方法を用いることで解決される。
【0010】本発明の請求項1の発明によれば、地盤の
凹所と該凹所に沿った該地盤上に敷設され遮水構造が設
けられた遮水部とを備える遮水構造物の漏水を検知する
ための漏水検知方法であって、該方法は、前記遮水部に
敷設された遮水シートの上部に複数の検知電極を配置す
る段階と、前記地盤に基準電極を設置して電流を流す段
階と、前記複数の検知電極に流れる前記電流を合計する
ことにより前記遮水シートの漏水を検知する段階と、を
含む漏水検知方法が提供される。
【0011】本発明の請求項2の発明によれば、前記複
数の検知電極は、所定位置に配設される少なくとも1以
上の検知電極と、可動型の検知電極とから構成される漏
水検知方法が提供される。
【0012】本発明の請求項3の発明によれば、前記可
動型の検知電極により前記遮水シートの漏水箇所を特定
することを特徴とする漏水検知方法が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面をもって本発明の漏水
検知方法について詳細に説明する。図1は、廃棄物処分
場の概略的な断面を示すとともに、本発明に用いられる
装置を設置したところを示した図である。本発明が適用
される廃棄物処分場は、地盤1の凹所と、この凹所に沿
って地盤1上に設置された遮水部2とから構成されてい
る。地盤1の凹所は、地表から基礎地盤に向かって掘り
こんで人工的に形成されていても良く、また、山間部等
の沢や谷間を用いる場合には、その地形を用いることも
できる。このような凹所内には、遮水部2が設けられ、
遮水部2内に廃棄物3が投棄される。雨水等により発生
する汚水は、遮水部2により遮水部2の外部へ浸出しな
いようにされている。
【0014】図1に示す遮水部2は、廃棄物3に隣接す
る砂層または覆土4と、この砂層または覆土4に隣接す
る遮水シート5と、遮水シート5の下側に設けられた保
護土6とから構成されている。砂層または覆工4は、廃
棄物3が投棄される際、遮水シート5を保護するために
設置される。この砂層または覆土4は、必要とされる高
さまで砂または土を設置することができる。遮水シート
5としては、合成ゴムまたはプラスチック製のシート、
具体的にはメタロセン系触媒で製造された線状低密度ポ
リエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MD
PE)、またはチーグラー・ナッタ系触媒で製造された
線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエ
チレン(MDPE)などのオレフィン系樹脂などから形
成される遮水シートが用いられる。また、その厚さや材
質などは、必要な遮水性、耐久性が得られるものであれ
ばいかなるものであっても良い。
【0015】上述した保護土6は、敷設する遮水シート
5の保護に加えて低透水性構造とすることも可能であ
り、この低透水性構造を、土質材料からなる土質遮水層
またはアスファルトからなる遮水層とされており、具体
的には、粘土質、アスファルト、コンクリートといった
透水性の低い材料が用いられ、これらを適宜組み合わせ
て用いることも可能である。保護土6は、必要に応じて
設けることができ、地盤1の凹所において遮水シート5
を充分に保護できるのであれば、設けなくても良い。
【0016】図1に示す実施の形態においては、本発明
に用いられる装置として、砂層または覆土4上の凹所内
の底面部に複数の検知電極7が配置され、遮水部2の外
部の地盤1に基準電極8と、基準電極8に電流を供給す
る電源9と、検知電極7を通して流れた電流を測定する
電流測定手段10とが設けられている。本発明に用いる
ことができる検知電極7としては、基準電極8から供給
される電流が遮水シート5の漏水箇所を通して流れるの
を検知することができるのであれば、どのような位置に
設置されていても良い。また、検知電極7は、いかなる
形状、大きさであっても良い。本発明に用いることがで
きる検知電極7としては、砂層または覆土4上の凹所内
の底面部に設置され、上部に廃棄物3が投棄される場合
には、耐腐食性の材料から製造されたものを用いること
もできるが、竣工検査を目的とするような場合や腐食し
たとしても交換が容易であれば、耐腐食性の材料に限ら
ず、電極として使用できるものであればいかなる材料で
あっても良い。また、検知電極7は、いかなる数設けら
れていても良い。本発明においては、図1に示すように
検知電極7の1つに可動型の検知電極7aを設けること
により、漏水箇所を精度良く特定することが可能となっ
ている。また、検知電極7は、保持性を向上させるため
に砂層または覆土4に向く側に突起などが設けられてい
ても良い。
【0017】本発明に用いることができる基準電極8と
しては、導電性ものであればいかなる材質でも良く、例
えば、鉄、銅、鉛、アルミニウム、パラジウムなどの金
属、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポ
リチオフェン、ポリアセン、ポリパラフェニレンといっ
た導電性ポリマー、カーボンブラック、グラファイトな
どのものを用いることができる。また、本発明に用いる
ことができる基準電極8は、平板、円柱状などいかなる
形状であっても良い。さらに、基準電極8は、保持性を
向上させるために地盤1に向く側に突起などが設けられ
ていても良い。
【0018】図1に示す検知電極7、7aおよび基準電
極8は、各検知電極7に流れる電流を測定するために各
電流測定手段10および電流を供給するための電源9に
それぞれ接続されている。図1においては、電源9から
基準電極8を通して各検知電極7、7aに同時に電流を
流し、各電流測定手段10において、それぞれの検知電
極7、7aに流れる電流を測定することができる。本発
明においては、電流測定手段10を1つとし、スイッチ
を用いて所定位置に配置される検知電極7および可動型
の検知電極7aをそれぞれ切り替え、かつ各検知電極
7、7aに流れる電流を合計したものを測定できるよう
にされていても良い。また、本発明においては、各電流
測定手段10により得られた各電流を合計したり、各検
知電極7、7aおよび基準電極8を流れる電流および電
圧などを監視するコンピュータ・システムを装備した監
視装置を設けていても良い。
【0019】図2は、本発明に用いられる検知電極7、
7aを所定位置に配置したところを示した図である。図
2に示す実施の形態では、地表から基礎地盤に向かって
掘りこむなどして形成された廃棄物処分場に、図1に示
す保護土6を設置した後、凹所内に遮水シート5が敷設
され、遮水シート5上に砂層または覆土4が設置されて
いる。また、砂層または覆土4を設置した凹所内の矩形
の底面部11の各角部に検知電極7が4つ配置されてい
る。さらに、任意の位置に可動型の検知電極7aが配置
されている。これらの検知電極7、7aは、図1に示す
電流測定手段10に接続されていて、それぞれの電流が
測定できるようになっている。また、遮水シート5の外
部の地盤1に基準電極8が設置され、図1に示す電源9
から電流が供給されている。
【0020】本発明において電流は、直流電流、交流電
流のいずれであっても良い。例えば、直流電流を用いて
漏水検知を行う場合、遮水シート5に破損などがなけれ
ば、基準電極8から供給される電流は、遮水シート5を
通すことができないため、検知電極7、7aには流れな
い。したがって、検知電極7、7aに接続されている図
1に示す電流測定手段10において電流を検知すること
ができない。図1に示す電流測定手段10において電流
を検出した場合に、遮水シート5に漏水箇所が存在する
ことがわかる。漏水箇所が存在する場合、漏水箇所は、
可動型の検知電極7aを用いて特定される。図2に示す
実施の形態では、検知電極7aは、矢線Aに示す方向に
向けて移動させることにより、電流が最も大きくなる箇
所を走査している。走査して電流が最も大きくなる箇所
が漏水箇所であり、砂層または覆土4を掘削して遮水シ
ート5の漏水箇所の補修を行うことができる。
【0021】交流電流を用いて漏水検知を行う場合、遮
水シート5に破損がない場合においても電流が流れる。
したがって、遮水シート5を通して流れる電流を予め測
定しておく必要がある。本発明においては、地盤1の凹
所に遮水シート5を敷設し、砂層または覆土4を設置し
た後に各検知電極7、7aに流れる電流を測定し、測定
した電流の合計を求めても良いが、砂層または覆土4を
設置する前に遮水シート5上に各検知電極7、7aを配
置して各検知電極7、7aに流れる電流を測定し、測定
した電流の合計を求めておくことが好ましい。これは、
砂層または覆土4を設置することによって遮水シート5
に破損を生じるおそれがあるためである。
【0022】測定した電流を合計した値は、可動型の検
知電極7aの位置によって変化することがないため、漏
水が起こっていればこの合計した値が大きくなり、容易
に漏水していることを検知することができる。遮水シー
ト5が破損し、漏水している場合、漏水箇所を通してよ
り多くの電流が流れる。(上述したように、漏水箇所の
ない遮水シート5を用いて、予め漏水箇所のない健全な
遮水シート5を通して流れる電流値を測定しておいた場
合には、電流の合計値が健全な場合よりも大きくな
る。)また、遮水シート5に破損があり、漏水箇所から
検知電極7、7aに直接電流が流れる場合と破損がない
場合とでは、測定した電流の位相と測定した電圧の位相
とのずれが異なる。本発明においては、遮水シート5の
破損の有無を判定する場合に、上記位相のずれを用いて
も良い。このように本発明においては、各検知電極7、
7aに流れる電流を合計することにより容易に漏水を検
知することができる。また、本発明においては、交流電
流を用いて漏水箇所を特定する場合においても、可動型
の検知電極7aを移動させ、図1に示す電流測定手段1
0において最大の電流を示す箇所を走査することにより
漏水箇所を特定することができる。
【0023】図3は、本発明に用いられる検知電極7お
よび可動型の検知電極7aを用いて漏水箇所を走査して
いるところを示した図である。図3に示す砂層または覆
土4上の凹所内の矩形とされた底面部11に検知電極7
b、7cが配設されている。また、可動型の検知電極7
aは、検知電極7bの近くに配置されていて、矢線Bの
方向に向けて移動されている。図3には、遮水シート5
の外部の地盤1に基準電極8が設置されている。図示し
ない電源から供給された電流は、基準電極8から漏水箇
所Cを通して各検知電極7a、7b、7cへ流れるよう
になっている。以下、直流電流を用いて漏水検知するも
のとして本発明の漏水検知方法についてより詳細に説明
する。
【0024】図3に示す遮水シート5に破損など漏水箇
所Cがない場合、電流は、上述したように遮水シート5
を通して流れないため、各検知電極7a、7b、7cに
接続されている図1に示す電流測定手段10において電
流を検出することができない。図1に示す電流測定手段
10において電流を検出した場合には、遮水シート5に
漏水箇所Cが存在することがわかる。また、漏水箇所C
を特定する場合には、可動型の検知電極7aを用いて矢
線Bの方向に向けて移動させるなどして走査することが
できる。この場合、各検知電極7a、7b、7cの電流
の合計は、可動型の検知電極7aの位置によらず同じと
なるが、可動型の検知電極7aを移動させ、可動型の検
知電極7aに接続されている図1に示す電流測定手段1
0において最大の電流値を示す位置を漏水箇所Cとして
特定することができる。以下に、漏水箇所Cを特定する
方法について詳細に説明する。
【0025】図3に示す遮水シート5には、漏水箇所C
があり、基準電極8から10mAの電流を供給し、漏水
箇所Cを通して検知電極7a、7b、7cに流れる電流
を測定し、その電流の合計が10mAであったとする。
この場合、漏水箇所Cを通して検知電極7bにおいて2
mA、可動型の検知電極7aにおいて3mA、検知電極
7cにおいて5mAを図示しない電流測定手段によって
検出したとする。次に、可動型の検知電極7aを矢線B
の方向へ向けて移動し、7aへ移動する。ここで各検
知電極7a、7b、7cに流れる電流を測定すると、
検知電極7bにおいて2mA、検知電極7aにおいて
4mA、検知電極7cにおいて4mAが検出される。こ
こで各検知電極7a、7b、7cに流れる電流の合計
は、10mAとなり、検知電極7aが7aへ移動して
も電流の合計が変化していないことがわかる。また、検
知電極7aを移動させることによって検知電極7a
を流れる電流が大きくなるため、漏水箇所Cに近づいて
いることを示している。
【0026】また次に、可動型の検知電極7aを矢線
Bの方向へ向けて移動し、7aへ移動させる。ここで
各検知電極7a、7b、7cに流れる電流を測定する
と、検知電極7bにおいて1mA、検知電極7aにお
いて8mA、検知電極7cにおいて1mAが検出され
る。この場合も、検知電極7a、7b、7cに流れる
電流の合計は、10mAとなり、検知電極7aが7a
へ移動しても電流の合計が変化していないことがわか
る。また、検知電極7aを流れる電流がさらに大きく
なるため、さらに漏水箇所Cに近づいたことを示してい
る。
【0027】さらに次に、可動型の検知電極7aを矢
線Bの方向へ向けて移動し、7aへ移動させる。ここ
で各検知電極7a、7b、7cに流れる電流を測定す
ると、検知電極7bにおいて4mA、検知電極7a
おいて4mA、検知電極7cにおいて2mAが検出され
る。この場合、可動型の検知電極7aに流れる電流が小
さくなったため、漏水箇所Cから遠ざかったことを示し
ている。このようにして、可動型の検知電極7aを用い
て電流が最大となる位置を走査する。図3に示す実施の
形態においては、可動型の検知電極7aの位置におい
て測定した電流が最大となり、可動型の検知電極7a
の位置において遮水シート5が漏水していると特定する
ことができる。
【0028】
【発明の効果】上述したように、本発明の漏水検知方法
は、廃棄物処分場の凹所に遮水シートおよび保護砂層な
どを設置した後に、保護砂層など上に複数の検知電極
と、遮水シートが敷設された遮水部外部の地盤に基準電
極とを配置するだけで容易に漏水検知を行うことがで
き、可動型の検知電極を用いて迅速、かつ容易に漏水箇
所を特定することができる。
【0029】本発明に用いられる装置は、構成が簡単で
あるため、安価で提供することが可能である。また、可
動型の検知電極を用いることにより、遮水シートの漏水
箇所を精度良く特定することが可能である。さらに、遮
水シート下部に電極を設置する必要がなく、装置の設置
も容易であるため、処分場の施工工程を短縮することが
でき、施工管理も容易であり、漏水検知装置が組み込ま
れていない処分場に後から設置することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 廃棄物処分場の概略的な断面を示すととも
に、本発明に用いられる装置を設置したところを示した
図。
【図2】 本発明に用いることができる検知電極7、7
aを所定位置に配置したところを示した図。
【図3】 本発明に用いることができる検知電極7、7
aを用いて漏水箇所を走査しているところを示した図。
【符号の説明】
1…地盤 2…遮水部 3…廃棄物 4…砂層または覆土 5…遮水シート 6…保護土 7、7a、7b、7c…検知電極 8…基準電極 9…電流測定手段 10…電源 11…底面部 C…漏水箇所
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年5月10日(2002.5.1
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 漏水検知方法および漏水検知装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、漏水検知方法およ
び漏水検知装置に関し、より詳細には、廃棄物処分場な
どに敷設される遮水シートの漏水を検知する漏水検知方
および漏水検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】地下水や河川を汚染する恐れのある排水
基準に満たない浸出水が発生する施設には、浸出水を処
理するための処分場が設けられていて、この処分場は、
近年、自然環境や生活圏への影響に対する関心の高まり
から、安全を確実とするものが求められている。通常、
処分場は、遮水シートを敷設し、砂層または覆土を設置
した後に使用される。この遮水シート敷設時、砂層また
は覆土の設置時、または処分場として使用する操業時に
は、汚染された水が周辺環境に流れ出すのを検出するべ
く、遮水シートの破損の有無やその位置を精度良く検知
する漏水検知装置や漏水検知方法が数多く提案されてい
る。
【0003】従来、上述した漏水検知システムや漏水検
知方法としては、遮水シートと遮水シートを敷設する地
盤との間に導電性シートなどの下部電極を設置し、上部
電極を用いて遮水シート上から電圧を印加させながら上
部電極と下部電極との間の電流、電位または電気抵抗を
測定することにより漏水箇所を検出する装置や方法が用
いられている。
【0004】例えば、特開平7−120343号公報に
開示の漏水位置検知システムによれば、電気的絶縁物に
よる遮水層に沿って、一定の間隔で縦横の網目状に配置
された複数の線電極と、遮水構造物の外部に配置された
外部電極とを用い、切換手段により順次選択された線電
極と外部電極との間の電流を測定し、判定手段により電
流値の大きい線電極の位置に基づいて漏水位置を判定す
ることができるようになっている。
【0005】また、特開平8−240508号公報に開
示の漏水検知方法では、一方の電極を遮水シートなどの
遮水帯が敷設される地盤に埋設するか、または地盤と遮
水帯との間に設け、他方の電極を可動型の電極としてこ
れら電極間に流れる電流値を電圧に変換し、電圧の変化
により漏水位置が検知されるようになっている。
【0006】しかしながら、特開平7−120343号
公報に開示の漏水位置検知システムにおいては、外部電
極を用いることにより遮水シートといった電気的絶縁物
の下部に複数の電極を設置する手間がかからないもの
の、線電極を電気的絶縁物上の所定位置に設置しなけれ
ばならず、また線電極を製造するためのコストや労力が
かかるといった問題があった。
【0007】また、特開平8−240508号公報に開
示の漏水検知方法においては、検知電極が可動型とされ
ているため、遮水帯上に設置する手間がかからないもの
の、遮水帯の下部に複数の電極を所定位置に設置する手
間がかかるといった問題があった。また、遮水帯の下部
に電極を設置する場合、遮水帯の下部に設置する電極、
電極と接続するコードなどが破損または切断されると、
交換や修理を容易に行うことが困難であった。また、こ
れら電極を設置した後に遮水帯を敷設するのは、処分場
の施工に時間を要するといった問題も生じていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、上
述した問題に鑑み、廃棄物処分場の凹所に遮水シートお
よび保護砂層などを設置した後に、保護砂層など上に複
数の検知電極と、遮水シートが敷設された遮水部の外部
の地盤に基準電極とを設置するだけで容易に遮水シート
の漏水を検知することができ、可動型の電極を用いるこ
とにより漏水箇所を精度良く特定することが可能な漏水
検知方法および漏水検知装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、上記目的は、
本発明の漏水検知方法および漏水検知装置を用いること
で解決される。
【0010】本発明の請求項1の発明によれば、地盤の
凹所と該凹所に沿った該地盤上に敷設され遮水構造が設
けられた遮水部とを備える遮水構造物の漏水を検知する
ための漏水検知方法であって、該方法は、前記遮水部に
敷設された遮水シートの上部に複数の検知電極を配置す
る段階と、前記地盤に基準電極を設置して電流を流す段
階と、前記複数の検知電極に流れる前記電流を合計する
ことにより前記遮水シートの漏水を検知する段階と、を
含む漏水検知方法が提供される。
【0011】本発明の請求項2の発明によれば、前記複
数の検知電極は、所定位置に配設される少なくとも1以
上の検知電極と、可動型の検知電極とから構成される漏
水検知方法が提供される。
【0012】本発明の請求項3の発明によれば、前記可
動型の検知電極により前記遮水シートの漏水箇所を特定
することを特徴とする漏水検知方法が提供される。
0013本発明の請求項4の発明によれば、地盤の
凹所と該凹所に沿った該地盤上に敷設され遮水構造が設
けられた遮水部とを備える遮水構造物の漏水を検知する
ための漏水検知装置であって、前記遮水部に敷設された
遮水シートの上部に配置される複数の検知電極と、前記
遮水部の外部の前記地盤に設置される基準電極と、前記
基準電極に電流を供給する電源と、前記検知電極を通し
て流れた電流を測定する電流測定手段と、前記電流測定
手段により得られた前記各検知電極を通して流れた前記
電流を合計し、前記遮水シートの漏水を検知するコンピ
ュータシステムと、を含む漏水検知装置が提供される。
0014本発明の請求項5の発明によれば、前記複
数の検知電極は、所定位置に配設される少なくとも1以
上の検知電極と、可動型の検知電極とから構成される漏
水検知装置が提供される。
0015本発明の請求項6の発明によれば、前記可
動型の検知電極により前記遮水シートの漏水箇所を特定
することを特徴とする漏水検知装置が提供される。
0016
【発明の実施の形態】以下、図面をもって本発明の漏水
検知方法について詳細に説明する。図1は、廃棄物処分
場の概略的な断面を示すとともに、本発明に用いられる
装置を設置したところを示した図である。本発明が適用
される廃棄物処分場は、地盤1の凹所と、この凹所に沿
って地盤1上に設置された遮水部2とから構成されてい
る。地盤1の凹所は、地表から基礎地盤に向かって掘り
こんで人工的に形成されていても良く、また、山間部等
の沢や谷間を用いる場合には、その地形を用いることも
できる。このような凹所内には、遮水部2が設けられ、
遮水部2内に廃棄物3が投棄される。雨水等により発生
する汚水は、遮水部2により遮水部2の外部へ浸出しな
いようにされている。
0017】図1に示す遮水部2は、廃棄物3に隣接す
る砂層または覆土4と、この砂層または覆土4に隣接す
る遮水シート5と、遮水シート5の下側に設けられた保
護土6とから構成されている。砂層または覆工4は、廃
棄物3が投棄される際、遮水シート5を保護するために
設置される。この砂層または覆土4は、必要とされる高
さまで砂または土を設置することができる。遮水シート
5としては、合成ゴムまたはプラスチック製のシート、
具体的にはメタロセン系触媒で製造された線状低密度ポ
リエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MD
PE)、またはチーグラー・ナッタ系触媒で製造された
線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエ
チレン(MDPE)などのオレフィン系樹脂などから形
成される遮水シートが用いられる。また、その厚さや材
質などは、必要な遮水性、耐久性が得られるものであれ
ばいかなるものであっても良い。
0018】上述した保護土6は、敷設する遮水シート
5の保護に加えて低透水性構造とすることも可能であ
り、この低透水性構造を、土質材料からなる土質遮水層
またはアスファルトからなる遮水層とされており、具体
的には、粘土質、アスファルト、コンクリートといった
透水性の低い材料が用いられ、これらを適宜組み合わせ
て用いることも可能である。保護土6は、必要に応じて
設けることができ、地盤1の凹所において遮水シート5
を充分に保護できるのであれば、設けなくても良い。
0019】図1に示す実施の形態においては、本発明
に用いられる装置として、砂層または覆土4上の凹所内
の底面部に複数の検知電極7が配置され、遮水部2の外
部の地盤1に基準電極8と、基準電極8に電流を供給す
る電源9と、検知電極7を通して流れた電流を測定する
電流測定手段10とが設けられている。本発明に用いる
ことができる検知電極7としては、基準電極8から供給
される電流が遮水シート5の漏水箇所を通して流れるの
を検知することができるのであれば、どのような位置に
設置されていても良い。また、検知電極7は、いかなる
形状、大きさであっても良い。本発明に用いることがで
きる検知電極7としては、砂層または覆土4上の凹所内
の底面部に設置され、上部に廃棄物3が投棄される場合
には、耐腐食性の材料から製造されたものを用いること
もできるが、竣工検査を目的とするような場合や腐食し
たとしても交換が容易であれば、耐腐食性の材料に限ら
ず、電極として使用できるものであればいかなる材料で
あっても良い。また、検知電極7は、いかなる数設けら
れていても良い。本発明においては、図1に示すように
検知電極7の1つに可動型の検知電極7aを設けること
により、漏水箇所を精度良く特定することが可能となっ
ている。また、検知電極7は、保持性を向上させるため
に砂層または覆土4に向く側に突起などが設けられてい
ても良い。
0020】本発明に用いることができる基準電極8と
しては、導電性ものであればいかなる材質でも良く、例
えば、鉄、銅、鉛、アルミニウム、パラジウムなどの金
属、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポ
リチオフェン、ポリアセン、ポリパラフェニレンといっ
た導電性ポリマー、カーボンブラック、グラファイトな
どのものを用いることができる。また、本発明に用いる
ことができる基準電極8は、平板、円柱状などいかなる
形状であっても良い。さらに、基準電極8は、保持性を
向上させるために地盤1に向く側に突起などが設けられ
ていても良い。
0021】図1に示す検知電極7、7aおよび基準電
極8は、各検知電極7に流れる電流を測定するために各
電流測定手段10および電流を供給するための電源9に
それぞれ接続されている。図1においては、電源9から
各検知電極7、7aに同時に電流を流し、各電流測定手
段10において、それぞれの検知電極7、7aに流れる
電流を測定することができる。本発明においては、電流
測定手段10を1つとし、スイッチを用いて所定位置に
配置される検知電極7および可動型の検知電極7aをそ
れぞれ切り替え、かつ各検知電極7、7aに流れる電流
を合計したものを測定できるようにされていても良い。
また、本発明においては、各電流測定手段10により得
られた各電流を合計したり、各検知電極7、7aおよび
基準電極8を流れる電流および電圧などを監視するコン
ピュータ・システムを装備した監視装置を設けていても
良い。
0022】図2は、本発明に用いられる検知電極7、
7aを所定位置に配置したところを示した図である。図
2に示す実施の形態では、地表から基礎地盤に向かって
掘りこむなどして形成された廃棄物処分場に、図1に示
す保護土6を設置した後、凹所内に遮水シート5が敷設
され、遮水シート5上に砂層または覆土4が設置されて
いる。また、砂層または覆土4を設置した凹所内の矩形
の底面部11の各角部に検知電極7が4つ配置されてい
る。さらに、任意の位置に可動型の検知電極7aが配置
されている。これらの検知電極7、7aは、図1に示す
電流測定手段10に接続されていて、それぞれの電流が
測定できるようになっている。また、遮水シート5の外
部の地盤1に基準電極8が設置され、図1に示す電源9
から電流が供給されている。
0023】本発明において電流は、直流電流、交流電
流のいずれであっても良い。例えば、直流電流を用いて
漏水検知を行う場合、遮水シート5に破損などがなけれ
ば、基準電極8から供給される電流は、遮水シート5を
通すことができないため、検知電極7、7aには流れな
い。したがって、検知電極7、7aに接続されている図
1に示す電流測定手段10において電流を検知すること
ができない。図1に示す電流測定手段10において電流
を検出した場合に、遮水シート5に漏水箇所が存在する
ことがわかる。漏水箇所が存在する場合、漏水箇所は、
可動型の検知電極7aを用いて特定される。図2に示す
実施の形態では、検知電極7aは、矢線Aに示す方向に
向けて移動させることにより、電流が最も大きくなる箇
所を走査している。走査して電流が最も大きくなる箇所
が漏水箇所であり、砂層または覆土4を掘削して遮水シ
ート5の漏水箇所の補修を行うことができる。
0024】交流電流を用いて漏水検知を行う場合、遮
水シート5に破損がない場合においても電流が流れる。
したがって、遮水シート5を通して流れる電流を予め測
定しておく必要がある。本発明においては、地盤1の凹
所に遮水シート5を敷設し、砂層または覆土4を設置し
た後に各検知電極7、7aに流れる電流を測定し、測定
した電流の合計を求めても良いが、砂層または覆土4を
設置する前に遮水シート5上に各検知電極7、7aを配
置して各検知電極7、7aに流れる電流を測定し、測定
した電流の合計を求めておくことが好ましい。これは、
砂層または覆土4を設置することによって遮水シート5
に破損を生じるおそれがあるためである。
0025】測定した電流を合計した値は、可動型の検
知電極7aの位置によって変化することがないため、漏
水が起こっていればこの合計した値が大きくなり、容易
に漏水していることを検知することができる。遮水シー
ト5が破損し、漏水している場合、漏水箇所を通してよ
り多くの電流が流れる。(上述したように、漏水箇所の
ない遮水シート5を用いて、予め漏水箇所のない健全な
遮水シート5を通して流れる電流値を測定しておいた場
合には、電流の合計値が健全な場合よりも大きくな
る。)また、遮水シート5に破損があり、漏水箇所から
検知電極7、7aに直接電流が流れる場合と破損がない
場合とでは、測定した電流の位相と測定した電圧の位相
とのずれが異なる。本発明においては、遮水シート5の
破損の有無を判定する場合に、上記位相のずれを用いて
も良い。このように本発明においては、各検知電極7、
7aに流れる電流を合計することにより容易に漏水を検
知することができる。また、本発明においては、交流電
流を用いて漏水箇所を特定する場合においても、可動型
の検知電極7aを移動させ、図1に示す電流測定手段1
0において最大の電流を示す箇所を走査することにより
漏水箇所を特定することができる。
0026】図3は、本発明に用いられる検知電極7お
よび可動型の検知電極7aを用いて漏水箇所を走査して
いるところを示した図である。図3に示す砂層または覆
土4上の凹所内の矩形とされた底面部11に検知電極7
b、7cが配設されている。また、可動型の検知電極7
aは、検知電極7bの近くに配置されていて、矢線Bの
方向に向けて移動されている。図3には、遮水シート5
の外部の地盤1に基準電極8が設置されている。図示し
ない電源から供給された電流は、基準電極8から漏水箇
所Cを通して各検知電極7a、7b、7cへ流れるよう
になっている。以下、直流電流を用いて漏水検知するも
のとして本発明の漏水検知方法についてより詳細に説明
する。
0027】図3に示す遮水シート5に破損など漏水箇
所Cがない場合、電流は、上述したように遮水シート5
を通して流れないため、各検知電極7a、7b、7cに
接続されている図1に示す電流測定手段10において電
流を検出することができない。図1に示す電流測定手段
10において電流を検出した場合には、遮水シート5に
漏水箇所Cが存在することがわかる。また、漏水箇所C
を特定する場合には、可動型の検知電極7aを用いて矢
線Bの方向に向けて移動させるなどして走査することが
できる。この場合、各検知電極7a、7b、7cの電流
の合計は、可動型の検知電極7aの位置によらず同じと
なるが、可動型の検知電極7aを移動させ、可動型の検
知電極7aに接続されている図1に示す電流測定手段1
0において最大の電流値を示す位置を漏水箇所Cとして
特定することができる。以下に、漏水箇所Cを特定する
方法について詳細に説明する。
0028】図3に示す遮水シート5には、漏水箇所C
があり、基準電極8から10mAの電流を供給し、漏水
箇所Cを通して検知電極7a、7b、7cに流れる電流
を測定し、その電流の合計が10mAであったとする。
この場合、漏水箇所Cを通して検知電極7bにおいて2
mA、可動型の検知電極7aにおいて3mA、検知電極
7cにおいて5mAを図示しない電流測定手段によって
検出したとする。次に、可動型の検知電極7aを矢線B
の方向へ向けて移動し、7aへ移動する。ここで各検
知電極7a、7b、7cに流れる電流を測定すると、
検知電極7bにおいて2mA、検知電極7aにおいて
4mA、検知電極7cにおいて4mAが検出される。こ
こで各検知電極7a、7b、7cに流れる電流の合計
は、10mAとなり、検知電極7aが7aへ移動して
も電流の合計が変化していないことがわかる。また、検
知電極7aを移動させることによって検知電極7a
を流れる電流が大きくなるため、漏水箇所Cに近づいて
いることを示している。
0029】また次に、可動型の検知電極7aを矢線
Bの方向へ向けて移動し、7aへ移動させる。ここで
各検知電極7a、7b、7cに流れる電流を測定する
と、検知電極7bにおいて1mA、検知電極7aにお
いて8mA、検知電極7cにおいて1mAが検出され
る。この場合も、検知電極7a、7b、7cに流れる
電流の合計は、10mAとなり、検知電極7aが7a
へ移動しても電流の合計が変化していないことがわか
る。また、検知電極7aを流れる電流がさらに大きく
なるため、さらに漏水箇所Cに近づいたことを示してい
る。
0030】さらに次に、可動型の検知電極7aを矢
線Bの方向へ向けて移動し、7aへ移動させる。ここ
で各検知電極7a、7b、7cに流れる電流を測定す
ると、検知電極7bにおいて4mA、検知電極7a
おいて4mA、検知電極7cにおいて2mAが検出され
る。この場合、可動型の検知電極7aに流れる電流が小
さくなったため、漏水箇所Cから遠ざかったことを示し
ている。このようにして、可動型の検知電極7aを用い
て電流が最大となる位置を走査する。図3に示す実施の
形態においては、可動型の検知電極7aの位置におい
て測定した電流が最大となり、可動型の検知電極7a
の位置において遮水シート5が漏水していると特定する
ことができる。
0031
【発明の効果】上述したように、本発明の漏水検知方法
は、廃棄物処分場の凹所に遮水シートおよび保護砂層な
どを設置した後に、保護砂層など上に複数の検知電極
と、遮水シートが敷設された遮水部外部の地盤に基準電
極とを配置するだけで容易に漏水検知を行うことがで
き、可動型の検知電極を用いて迅速、かつ容易に漏水箇
所を特定することができる。
0032本発明の漏水検知装置は、構成が簡単であ
るため、安価で提供することが可能である。また、可動
型の検知電極を用いることにより、遮水シートの漏水箇
所を精度良く特定することが可能である。さらに、遮水
シート下部に電極を設置する必要がなく、装置の設置も
容易であるため、処分場の施工工程を短縮することがで
き、施工管理も容易であり、漏水検知装置が組み込まれ
ていない処分場に後から設置することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 廃棄物処分場の概略的な断面を示すととも
に、本発明に用いられる装置を設置したところを示した
図。
【図2】 本発明に用いることができる検知電極7、7
aを所定位置に配置したところを示した図。
【図3】 本発明に用いることができる検知電極7、7
aを用いて漏水箇所を走査しているところを示した図。
【符号の説明】 1…地盤 2…遮水部 3…廃棄物 4…砂層または覆土 5…遮水シート 6…保護土 7、7a、7b、7c…検知電極 8…基準電極 9…電流測定手段 10…電源 11…底面部 C…漏水箇所
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮崎 啓一 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松建 設株式会社内 (72)発明者 水野 晋 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松建 設株式会社内 (72)発明者 田中 勉 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松建 設株式会社内 (72)発明者 酒井 幸雄 東京都千代田区九段北一丁目11番5号 基 礎地盤コンサルタンツ株式会社内 (72)発明者 三木 茂 東京都千代田区九段北一丁目11番5号 基 礎地盤コンサルタンツ株式会社内 Fターム(参考) 2G067 AA01 BB22 BB26 CC02 DD23 EE08 4D004 AA46 BB05 BB06 DA01 DA20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤の凹所と該凹所に沿った該地盤上に
    敷設され遮水構造が設けられた遮水部とを備える遮水構
    造物の漏水を検知するための漏水検知方法であって、該
    方法は、 前記遮水部に敷設された遮水シートの上部に複数の検知
    電極を配置する段階と、 前記地盤に基準電極を設置して電流を流す段階と、 前記複数の検知電極に流れる前記電流を合計することに
    より前記遮水シートの漏水を検知する段階と、を含む漏
    水検知方法。
  2. 【請求項2】 前記複数の検知電極は、所定位置に配設
    される少なくとも1以上の検知電極と、可動型の検知電
    極とから構成される、請求項1に記載の漏水検知方法。
  3. 【請求項3】 前記可動型の検知電極により前記遮水シ
    ートの漏水箇所を特定することを特徴とする、請求項2
    に記載の漏水検知方法。
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