JP2003020524A - 接合型複合ステープル繊維 - Google Patents
接合型複合ステープル繊維Info
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Abstract
なおかつ発色性が良好な極細繊維を得ること。 【解決手段】 高分子重合体(A)と高分子重合体
(B)が、繊維断面において交互に配置されてなり、高
分子重合体(A)の成分と高分子重合体(B)の成分の
質量比が90/10〜10/90である接合型複合ステ
ープル繊維であって、該繊維の分割後に形成される高分
子重合体(A)、高分子重合体(B)からなる偏平繊維
の断面の厚さが3μm以下、偏平繊維の断面の厚さDに
対する長さLの割合である偏平比L/Dが2以上、各偏
平繊維が0.02dtex以上である接合型複合ステー
プル繊維。
Description
プル繊維に関するものであり、さらに詳細には人工皮革
やワイパー等に用いた場合に手触り感が良く、発色性が
良好な接合型複合ステープル繊維および該繊維を用いて
なる繊維構造体に関する。
良くするために、構成繊維ができるだけ極細繊維である
ことが望ましい。一般に、単繊維繊度が0.1dtex
以下の極細繊維を製造するには、直接紡糸では糸切れが
起こりやすくなるために細さに限界があり、複合紡糸方
法が用いられている。複合紡糸方法では、繊維の断面を
見た場合の状態から、2成分が高度に分割相互配列し
た接合型(多層型や花弁型など)と、1成分が他成分
中に高度に分散した海島型とがある。この様な接合型の
複合繊維においてはその成分相互の剥離によって、鋭い
縁のある繊維や、極細繊維が形成される。その繊維は主
としてナイロン6とポリエチレンテレフタレートの例が
多いがその剥離方法または分割方法には、ベンジルア
ルコールのような薬液の入った液でナイロン成分を収縮
させて、その力で相互に分離させるとか、アルカリ液
で、ポリエチレンテレフタレートを少し溶解させて相互
に分離する方法、何度も湿熱処理と乾燥処理を繰り返
して剥離する方法、物理的に擦過したり、もんだりし
て強制的に分離させる方法、およびこれらの組み合わ
せがある。
維を製造し、後に海成分を有機溶剤にて、化学的処理を
して除去し、島成分を残すといった方法により、0.1
dtex以下の繊維を得るという方法が取られている。
以上のようにいずれの方法を用いた場合でも、有機溶剤
を使用することが多く、環境に及ぼす影響からは好まし
くなく、また、有機溶剤の購入や回収により人工皮革の
製造コストが上がる原因にもなる。
0.1dtex以下の繊維が使用され、この場合は丸断
面が多く、繊維の直径は約3μm以下となる。しかし、
一般的に繊維は0.1dtex以下、すなわち直径約3
μm以下になると、繊維集合体にして染色した場合に
は、光の乱反射により白ボケ感が発生し、発色性が悪く
なる現象が現れてくる。そこで、濃く染めるために多量
の染料が必要になり、染色のコストが高くなるといった
問題があった。このように手触り感が良好で、かつ発色
性が良好であるという2つの性質を併せ持つ原綿が求め
られていた。
解決するものであり、人工皮革にした時に手触り感が良
く、かつ発色性が良好な極細繊維を得ることができる接
合型複合ステープル繊維を提供することを課題とする。
子重合体(A)と高分子重合体(B)が、繊維断面にお
いて交互に配置されてなり、高分子重合体(A)の成分
と高分子重合体(B)の成分の質量比が90/10〜1
0/90である接合型複合ステープル繊維であって、該
繊維の分割後に形成される高分子重合体(A)、高分子
重合体(B)からなる偏平繊維の断面の厚さが3μm以
下、偏平繊維の断面の厚さDに対する長さLの割合であ
る偏平比L/Dが2以上、各偏平繊維が0.02dte
x以上である接合型複合ステープル繊維である。
本発明の接合型複合繊維は、高分子重合体(A)と高分
子重合体(B)が、繊維断面において交互に配置されて
なり、高分子重合体(A)の成分と高分子重合体(B)
の成分の質量比が90/10〜10/90の範囲であ
り、85/15〜15/85の範囲にあることが好まし
い。高分子重合体(B)の質量比が10以下の場合に
は、高分子重合体(A)と高分子重合体(B)とを交互
に配列する際に、高分子重合体(B)の量が少ないため
に目的とする断面を形成することが難しくなる。また、
逆に高分子重合体(B)の質量比が90以上となると、
高分子重合体(A)の量が少ないために目的とする断面
を得られにくくなる。なお、本発明においては高分子重
合体(A)と高分子重合体(B)が合計層数で20層以
上接合されていることが良好な手触り感が得られる点で
好ましい。
を用いて人工皮革等を得る場合には、分割後の単繊維の
形態を考慮する必要がある。すなわち、スエード調やヌ
バック調などの起毛品では、単繊維が細いほど手触り感
が良く、0.1dtexより細い繊維つまり繊維径約3
μmより細い繊維が使われることが多い。そこで、本発
明における繊維の分割後における高分子重合体(A)、
高分子重合体(B)それぞれからなる偏平繊維の断面の
厚さDが3μm以下であることが必要であり、好ましく
は、0.5〜2.5μmである。3μmより厚い場合
は、手触り感が悪くなる。
用として用いる場合には、発色性が良好であることが望
ましい。良好な発色性を得るためには、分割後における
各偏平繊維の断面の厚さDに対する長さLの割合である
偏平比L/Dが2以上であることが重要である。L/D
が2未満である場合は、発色性が上がらないために、染
料を多量に用いて染めなければならず、染色コストが高
くなるので好ましくない。白ボケ感が少なくなり、発色
性が上がる点から偏平比は5〜20であることが好まし
い。
り感が良好で、偏平比も高い方が染色による発色性も良
いが、厚さDが薄くて繊度が小さくなりすぎても発色性
が上がらなくなる。そこで、手触り感が良く、良好な発
色性を得るためには分割後の各偏平繊維の単繊維繊度は
0.02dtex以上であり、好ましくは、0.05〜
0.5dtexである。
とができる高分子重合体(A)、高分子重合体(B)と
しては、求める手触り感、染色性、性能に応じて、また
は高分子重合体(A)、高分子重合体(B)のどちらか
一方を化学的処理により除去する場合などを考慮し、任
意に選ぶことができる。その例としては、ポリエチレン
テレフタレート系やポリブチレンテレフタレート系など
のポリエステル系重合体、ポリエチレンやポリプロピレ
ンなどのポリオレフィン系重合体、ナイロン6やナイロ
ン66などのポリアミド系重合体、その他にポリスチレ
ン系重合体、ポリビニルアルコール系重合体、エチレン
−ビニルアルコール系共重合体などを挙げることがで
き、各成分には1種、または2種以上が用いることがで
きる。
び/またはポリブチレンテレフタレート系重合体は、必
要に応じて他のジカルボン酸成分、オキシカルボン酸成
分、他のジオール成分の1種または2種以上を共重合単
位として有していてもよい。その場合に、他のジカルボ
ン酸成分としては、ジフェニルジカルボン酸、ナフタレ
ンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸またはそれら
のエステル形成性誘導体;5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸ジメチル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ビ
ス(2−ヒドロキシエチル)などの金属スルホネート基
含有芳香族カルボン酸誘導体;シュウ酸、アジピン酸、
セバシン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸ま
たはそのエステル形成性誘導体を挙げることができる。
また、オキシカルボン酸成分の例としては、p−オキシ
安息香酸、p−β−オキシエトキシ安息香酸またはそれ
らのエステル形成性誘導体などを挙げることができる。
ジオール成分としてはジエチレングリコール、1,3−
プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペ
ンチルグリコールなどの脂肪族ジオール;1,4−ビス
(β−オキシエトキシ)ベンゼン、ポリエチレングリコ
ール、ポリブチレングリコールなどを挙げることができ
る。
維の断面形状としては、特に限定はなく、用途、性能に
応じて多層型、中空多層型、花弁型、中空花弁型にする
ことができる。各断面形状の繊維を得るためには、それ
ぞれに対応する口金ノズル孔構造を用いればよい。
繊度は、特に限定されず、用途によって任意に繊度を選
ぶことができるが、紡糸時の工程安定性の点から0.5
〜5.0dtexが好ましく、さらに好ましくは、1.
0〜4.0dtexである。また、カット長もその用途
により、任意に選ぶことができるが、水に抄造させた時
の分散性の点から1〜20mmであることが好ましく、
さらに好ましくは、2〜10mmである。
必要に応じて各種添加剤を配合し使用することができ
る。例えば、触媒、着色防止剤、耐熱剤、難燃剤、蛍光
増白剤、艶消剤、着色剤、光沢改良剤、制電剤、芳香
剤、消臭剤、抗菌剤、防ダニ剤、無機微粒子などが含ま
れてもよい。また、添加剤の配合は高分子重合体
(A)、高分子重合体(B)のいずれか一方であっても
良いし、または両方であっても良い。
式法、湿式法によりシート状構造物とすることができる
が、特に本発明においては、湿式法を用いることが好ま
しい。さらに、延伸時に分割していない繊維を用いて、
同じく抄造したものを織組織、編組織などのスクリムと
積層し、水流絡合により交絡させる際に、同時に割繊さ
せて得ることもできる。
は、本発明の分割型複合繊維が割繊しやすいことが望ま
しい。例えば、図1に示すように高分子重合体(A)お
よび高分子重合体(B)からなる各層が繊維の外周の一
部を構成していることが好ましい。本発明における接合
型複合繊維を製造するには、高分子重合体(A)と高分
子重合体(B)とを溶融状態とし、これを常法により交
互に配列させた状態で口金ノズル孔に導き、該ノズル孔
より吐出させて得ることができる。
重合体(B)からなる各層が繊維の外周の一部を構成さ
せるためには、A高分子重合体とB高分子重合体の溶解
度パラメーター(SP値)と紡糸時の見かけ溶融粘度の
バランスが重要である。ここでいうSP値は、P.A.
J.Smallが提唱している方法により算出すること
ができる(P.A.J.Small:J.Appl.C
hem.,3,71(1953))。SP値の高い場合
には、高分子重合体の極性基がお互いの距離をできるだ
け離れるように位置しようとするために表面張力により
端部が丸くなりやすい。よって、高分子重合体(B)の
SP値と高分子重合体(A)のSP値が近い方が好まし
い。しかし、高分子重合体(B)のSP値と高分子重合
体(A)のSP値が近くても、紡糸時における高分子重
合体(A)または高分子重合体(B)の見かけ溶融粘度
の差が大きい場合には、見かけ溶融粘度の効果の方が勝
り、溶融粘度の高い高分子重合体の端部が丸くなりやす
く粘度の低い重合体によって覆われてしまう可能性があ
る。そこで、高分子重合体(A)及び高分子重合体
(B)のそれぞれの溶融粘度は近いことが望ましい。高
分子重合体(B)と高分子重合体(A)において、SP
値の差の大きい組み合わせを選ぶ場合には、それぞれの
溶融粘度を適当に設定することにより各成分の各層が繊
維断面の外周の一部を構成するようにすることができ
る。
では、カード後の水流絡合時や、または、紡糸後の延伸
時に繊維の長手方向に剥離、割繊が容易に生じることが
好ましい。そこで、高分子重合体(A)と高分子重合体
(B)との組み合わせにおいて、それぞれのSP値の差
が1以上であることが好ましい。1未満の場合には高分
子重合体(A)と高分子重合体(B)の相溶性が高いた
めに、接合面での接着性が高く、水流絡合時、または紡
糸後の延伸時、あるいは適当な繊維長にカットする際に
おいて割繊することが難しくなってしまう。
し、シート状構造物を得る際には、様々な形態の繊維を
用いることができる。例えば、紡糸後の延伸時に、それ
ぞれの繊維の積層重合体成分の接合面において、繊維の
長手方向への剥離、割繊が50%以上生じていることが
好ましい。50%以上割繊している場合には水に繊維を
分散させるだけでシート状構造物を安価に作ることがで
きる。50%未満の場合には、水に分散させるだけでは
均一なシートにならないために、強力な解離機を使用す
るか、もしくは、抄造する前段階として、物理的または
化学的に割繊しなければならなくなり、製造コストが上
がることになる。もちろん、製造条件の制約、用途など
により前段階での物理的または化学的などの方法により
割繊させたものを使用することができる。なお、上述の
割繊比率は、走査型電子顕微鏡(SEM)により拡大観
察することで求めることができる。
維を用いてシート状構造物を得る場合は、該繊維を20
%以上用いて抄造することが好ましい。すなわち、20
%未満の場合には、独特の光沢を有するシートを得るこ
とが難しくなってしまう。また、人工皮革にした場合に
手触り感が悪くなってしまう場合がある。
以上用いて抄造することによってシート状構造物を得
て、これをウォータージェットにて割繊、絡合させるこ
とによって繊維構造体を得ることができるし、シート状
構造物を、ニードルパンチ処理して絡合させた後に、物
理的または化学的などの方法により、割繊させて繊維構
造体を得ることもできる。さらに、シート状構造物は接
合型複合ステープル繊維を物理的または化学的などの方
法により割繊させた分割糸を20%以上用いて抄造する
ことによっても得られる。
構造体を得る際には、要求される物性などにより、他の
繊維と混合して使用することができる。他の繊維として
は、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、
ポリビニルアルコール繊維、ポリエチレン繊維、ポリプ
ロピレン繊維、塩化ビニル繊維などの合成繊維、また、
パルプ、綿、麻などの天然繊維などの繊維を選ぶことが
できる。また、2種類以上の繊維を用いても良い。しか
し、該接合型複合ステープル繊維を用いて得られる繊維
構造体においては、該接合型複合ステープル繊維を20
%以上含むことが重要である。すなわち、該接合型複合
ステープル繊維の含有量が20%以下の場合には、分割
後における高分子重合体(A)のエッジ状断面の効果が
発現しにくく、ワイパーとしての拭き取り性能が十分で
ない。また、シート状構造物の場合には、20%以下の
含有量では、偏平断面の光沢が現れにくくなってしま
う。
種方法によって得られたシート状構造物を、織組織や編
組織などと交絡させることによって繊維構造体を得るこ
ともできる。また、交絡された繊維構造物を、物理的ま
たは化学的などの方法により、割繊させることもでき
る。加えて、接合型複合ステープル繊維を20%以上用
いて抄造した後に、織組織、編組織などの繊維構造体と
水流絡合させる際に同時に割繊させて繊維構造体を得る
こともできる。
体を目的に応じた方法により加工して人工皮革を得るこ
とが可能である。例えば、得られた繊維構造体に、ポリ
ウレタン樹脂を含浸させた後に表面を染色して人工皮革
を得ることができる。
繊維構造体をワイパーとして用いることも可能である。
得られた繊維構造体をそのままワイパーとして使用する
こともできるが、必要に応じて、繊維構造体に各種の樹
脂を含浸させてワイパーとして使用することもできる。
するが、本発明はこれによって何ら限定されるものでは
ない。なお、実施例中の各評価は以下の方法にて行っ
た。
の測定]図2に示すような分割後における高分子重合体
(A)と高分子重合体(B)それぞれの偏平繊維の厚さ
Dと長さLを走査型電子顕微鏡にて測定し、偏平比L/
Dを計算した。
偏平繊維の厚さDと長さLから繊維の断面積を計算し、
各重合体の密度を掛けて、繊度を計算した。
れた接合型複合繊維を20g/m2の目付で抄造した後
に、編組織と重ねて30〜60kg/cm2の水圧で水
流絡合し、繊維構造体を得る。この繊維構造体を下記の
方法により染色し、この繊維構造体の反射率によって、
Kubelka−MunkのK/Sの値を求め、4段階
によって評価した。 ・染色条件 1. プレセット;170℃ 2. 分散染色;染料(CI Disperse Red
183)を用いて、125℃で40分間処理。 3. リラックス処理;85℃で20分間処理。 4. 酸性染色;染料(CI Acid Red215)
を用いて、98℃で40分間処理 5. ソーピング;アミラジンD(第一工業製薬(株)
製)を用い、70℃で20分間処理 6. ファイナルセット;160℃ ・発色性評価 ◎;極めて良好(K/S値;16以上) ○;良好 (K/S値;14〜16) △;普通 (K/S値;12〜14) ×;悪い (K/S値;12以下)
より染色された基布の手触り感を以下の4段階にて評価
した。 ◎;極めてソフトで滑らか ○;ソフトで滑らか △;やや硬い ×;硬くてザラつく
(PET)(SP値;10.5)、高分子重合体(B)
としてナイロン6(Ny6)(SP値;13.5)を用
いて、質量比を50/50の割合で、21層に交互に配
列させた後に口金より吐出させて紡糸した。紡糸時の見
かけの溶融粘度はそれぞれ100Pa・s、90Pa・
sであった。紡糸後延伸し、5mmにカットし、図1の
断面形状の繊維を得た。得られた延伸糸は単糸繊度2.
8dtexで、高分子重合体(A)の偏平繊維の厚さD
は2.0μm、偏平比は3.0、繊度0.13dtex
であった。また、高分子重合体(B)の偏平繊維の厚さ
Dは2.0μm、偏平比は3.0、繊度0.14dte
xであった。得られた複合繊維を用いて抄造し、得られ
たシート状構造物を編組織と重ねて水流絡合を施し、人
工皮革用基布を得た。得られた基布を上記条件にて染色
したところ、手触り感は極めてソフトで滑らかで、発色
性は極めて良好であった。
としてNy6を用いて、質量比を5/95の割合で、2
1層に交互に配列させた後に口金より吐出させて紡糸し
た。紡糸後、延伸して5mmにカットした。得られた延
伸糸は単糸繊度4.4dtexであったが、高分子重合
体(B)と高分子重合体(A)が交互に均一に積層した
断面構造は得られなかった。
としてNy6を用いて、質量比を95/5の割合で、2
1層に交互に配列させた後に口金より吐出させて紡糸し
た。紡糸後、延伸して5mmにカットした。得られた延
伸糸は単糸繊度4.4dtexであったが、高分子重合
体(B)と高分子重合体(A)が交互に均一に積層した
断面構造は得られなかった。
としてNy6を用いて、質量比を50/50割合で、1
1層に交互に配列させた後に口金より吐出させて紡糸し
た。紡糸後、延伸して5mmにカットした。得られた延
伸糸は単糸繊度4.6dtexで、高分子重合体(A)
の偏平繊維の厚さDは3.5μm、偏平比は3.0、繊
度0.44dtexであった。さらに、高分子重合体
(B)の偏平繊維の厚さDは3.5μm、偏平比は3.
0、繊度0.37dtexであった。抄造して得られた
シート状構造物と編組織を重ねて水流絡合を施し、人工
皮革用基布を得た。得られた基布を染色したところ、発
色性は極めて良好であったが、手触り感が硬くてザラつ
くものであった。
分割数の組み合わせを様々に変化させたこと以外は実施
例1と同様にして得られた複合繊維の各偏平繊維の厚さ
D、偏平比L/D、繊度、および抄造して得られたシー
ト状構造物を編組織と重ねて水流絡合して得られた人工
皮革用基布の手触り感、発色性の結果を表1に示す(実
施例2〜6、比較例4〜5)。また、海成分としてポリ
エチレン(PE)、島成分としてポリエチレンテレフタ
レートを用いて、常法により海島型複合繊維を得、該繊
維をトルエン抽出によりポリエチレンを除去した後に、
残ったポリエチレンテレフタレート繊維を抄造し、シー
ト状構造物を得た。このシートを編組織と重ねて水流絡
合して製造した人工皮革用基布の手触り感、発色性の結
果を表2に示す(比較例6〜9)。
維構造体は極細繊維を含んで構成されているので、ソフ
トで通気性の良好な人工皮革やスパンレース、衛材用不
織布等を得ることができる。さらに、該繊維構造体の不
織布は極細繊維の繊維間が緻密であり、毛細管現象によ
り吸水性が良好であると共に、フィルターやマスクなど
として用いた場合には優れた除塵性能を有し、ワイパー
として用いた場合には良好な拭き取り性を発揮する。該
接合型繊維を分割、割繊した後に抄造して得られるシー
トは、その割繊後の偏平な断面形状により、独特の光沢
を有するシートを得ることができる。
す断面模式図。
して形成された偏平繊維の一例を示す断面模式図。
Claims (9)
- 【請求項1】 高分子重合体(A)と高分子重合体
(B)が、繊維断面において交互に配置されてなり、高
分子重合体(A)の成分と高分子重合体(B)の成分の
質量比が90/10〜10/90である接合型複合ステ
ープル繊維であって、該繊維の分割後に形成される高分
子重合体(A)、高分子重合体(B)からなる偏平繊維
の断面の厚さが3μm以下、偏平繊維の断面の厚さDに
対する長さLの割合である偏平比L/Dが2以上、各偏
平繊維が0.02dtex以上である接合型複合ステー
プル繊維。 - 【請求項2】 高分子重合体(A)と高分子重合体
(B)が合計層数で20層以上接合されている請求項1
記載の接合型複合ステープル繊維。 - 【請求項3】 紡糸後の延伸時または適当な長さに切断
する際において、それぞれの繊維の積層重合体成分の接
合面における繊維の長手方向への剥離、割繊が50%以
上生じている請求項1または2に記載の接合型複合ステ
ープル繊維。 - 【請求項4】 請求項1〜3に記載の接合型複合ステー
プル繊維を20質量%以上用いて抄造することによって
得られるシート状構造物。 - 【請求項5】 請求項1〜4に記載の接合型複合ステー
プル繊維を物理的または化学的などの方法により割繊さ
せた分割糸を20質量%以上用いて抄造することにより
得られるシート状構造物。 - 【請求項6】 請求項4または5で得られたシート状構
造物を積層させた後に、お互いに交絡させることによっ
て得られる繊維構造体。 - 【請求項7】 請求項4または5で得られたシート状構
造物を織組織または編組織と交絡させることによって得
られる繊維構造体。 - 【請求項8】 請求項6〜8に記載の繊維構造体を用い
てなる人工皮革。 - 【請求項9】 請求項6〜8に記載の繊維構造体を用い
てなるワイパー。
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