JP2003019726A - セルロースエステルフィルムの製造装置 - Google Patents

セルロースエステルフィルムの製造装置

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JP2003019726A
JP2003019726A JP2001167033A JP2001167033A JP2003019726A JP 2003019726 A JP2003019726 A JP 2003019726A JP 2001167033 A JP2001167033 A JP 2001167033A JP 2001167033 A JP2001167033 A JP 2001167033A JP 2003019726 A JP2003019726 A JP 2003019726A
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Japan
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film
web
roll
cellulose ester
transfer
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JP2001167033A
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English (en)
Inventor
Kazuhisa Mitsuhata
和久 光畑
Kazuyuki Shimizu
和之 清水
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶液流延製膜法によりセルロースエステルフ
ィルムを製造する装置において、移送ロールから受ける
キズや変形、ツレやシワ、あるいはまたフィルム移送時
の滑りにより生じるスリキズの発生を未然に防止する。
さらに製品後の寸法安定性を向上する。光学物性を損な
うことなく、性能の優れたLCD用保護フィルムとして
使用可能なセルロールエステルフィルムの製造装置を提
供する。 【解決手段】 溶液流延製膜法により支持体1上に形成
したウェブWを剥離し、複数の移送ロール32,41を経由
させてウェブWを移送しながら乾燥させる乾燥手段と、
ウェブWを乾燥させて得られるフィルムFを少なくとも
1つの移送ロール51を経由させて巻き取る巻取手段5と
を具備し、移送ロール32,41,51におけるウェブWまたは
フィルムFの接触部分に、ウェブWまたはフィルムFの
幅方向及び搬送方向に対して規制力の強い部位と弱い部
位とを設け、両者の面積比率を1/2〜1/50とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば液晶画像表
示装置における偏光板の保護フィルムとして好適なセル
ロースエステルフィルムの製造装置に関する。
【0002】この明細書において、フィルムの原料溶液
であるドープの流延手段における「支持体」とは、回転
金属製エンドレスベルトまたは回転金属ドラムを意味す
るものとする。また、支持体上に流延されたドープが、
支持体上で乾燥され、支持体から剥がしうるドープ膜の
状態なって以後、最終的に乾燥されてフィルムになるま
での間のものを「ウェブ」と称するものとする。
【0003】
【従来の技術】液晶画像表示装置(LCD)は、低電圧
かつ低消費電力でIC回路への直結が可能であり、しか
も薄型化が可能であるから、ワードプロセッサーやパー
ソナルコンピュータ等の表示装置として広く使用されて
いる。ところで、このLCDの基本的な構成は、液晶セ
ルの両側に偏光板を設けたものである。偏光板は、一定
方向の偏波面の光だけを通すので、LCDにおいては、
電界による液晶の配向の変化を可視化させる重要な役割
を担っており、偏光板の性能によってLCDの性能が大
きく左右される。偏光板は偏光子と、偏光子の両面に積
層された保護フィルムとよりなる。そして、このような
偏光板の保護フィルムとして、膜厚20〜200μmの
セルロースエステルフィルムが広く用いられている。
【0004】従来、このようなセルロースエステルフィ
ルムを製造する装置として、支持体上に前記フィルムの
原料溶液であるドープを流延するドープ流延手段と、こ
のドープ流延手段によって支持体上に形成されたウェブ
を、支持体から剥離させる剥離ロールと、剥離ロールに
よって支持体から剥離させられたウェブを、複数の移送
ロールを経由させて移送しながら乾燥させる乾燥手段
と、乾燥手段によってウェブを乾燥させて得られるフィ
ルムを少なくとも1つの移送ロールを経由させて巻き取
る巻取手段とを具備したものが知られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来の
セルロースエステルフィルムの製造装置では、数多くの
移送ロールが用いられているため、製造されたフィルム
に、これらのロールに起因する故障が発生することがあ
る。というのは、移送ロールとして、ロール表面が滑ら
かな鏡面ロールなどを用いており、このようにウェブま
たはフィルムに対していわゆる規制力が弱い表面を有す
るロールを用いた場合には、剥離もしくは移送中のウェ
ブまたはフィルムに滑りが生じ、これに基づくスリキズ
などがフィルム表面に生じやすいという問題があった。
【0006】そして、このような問題を解決するため
に、例えば剥離もしくは移送中のウェブまたはフィルム
の張力を上げると、ウェブまたはフィルムが移送方向に
延びてしまう。特に、LCD用保護フィルムの用途とし
て使用する場合、この延びが光学物性の劣化や各物性挙
動に悪影響を与えてしまう。特に80μm以下の薄膜フ
ィルムの場合に、この傾向は顕著となる。
【0007】そこで、従来、セルロースエステルフィル
ムの製造装置において、移送ロールとしてウェブまたは
フィルムに対する規制力を強くしたロールを用いること
が提案された。例えば移送ロールとして、スパイラル溝
を有するロールや両端部に溝を有するロールを用いたり
(特開平11−235728号公報)、ロール両端部に
ロール表面に接触するシート状物に対するトラクション
力(摩擦力)が大きい部分を設けた溝付きロールを用い
ることが既に知られている(特開2000−86031
号)。
【0008】しかしながら、単に移送ロール端部におい
てウェブまたはフィルムに対する規制力を強くしただけ
では、ウェブまたはフィルムが規制力の強い箇所から受
ける圧力により、得られたフィルムに、キズや変形、あ
るいはまたいわゆるツレやシワが発生するという問題が
あった。
【0009】本発明者は、上記の点に鑑み鋭意研究を重
ねた結果、溶液流延製膜法によりセルロースエステルフ
ィルムを製造する装置において、移送ロールにおけるウ
ェブまたはフィルムの接触部分に、ウェブまたはフィル
ムの幅方向及び搬送方向に対して規制力の強い部位と弱
い部位とを所定の割合で設けることにより、上記の問題
すなわちロールから受けるキズや変形、ツレやシワ、あ
るいはまたフィルム移送時の滑りにより生じるスリキズ
の発生を未然に防止することができることを見い出し、
本発明を完成するに至った。
【0010】本発明の目的は、上記の従来技術の問題を
解決し、溶液流延製膜法によりセルロースエステルフィ
ルムを製造する装置において、移送ロールから受けるキ
ズや変形、ツレやシワ、あるいはまたフィルム移送時の
滑りにより生じるスリキズの発生を未然に防止すること
ができ、さらに、製品後の寸法安定性の向上およびツレ
・シワの発生を抑制することができ、これによって、光
学物性を損なうことなく、性能の優れたLCD用保護フ
ィルムとして使用することができるセルロールエステル
フィルムの製造装置を提供しようとすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によるセ
ルロールエステルフィルムの製造装置は、溶液流延製膜
法により膜厚20〜200μmのセルロースエステルフ
ィルムを製造する装置であって、支持体上に前記フィル
ムの原料溶液であるドープを流延するドープ流延手段
と、ドープ流延手段によって支持体上に形成されたウェ
ブを、支持体から剥離ロールによって剥離し、剥離ロー
ルを含めた複数の移送ロールを経由させてウェブを移送
しながら乾燥させる乾燥手段と、乾燥手段によってウェ
ブを乾燥させて得られるフィルムを少なくとも1つの移
送ロールを経由させて巻き取る巻取手段とを具備してお
り、前記乾燥手段及び巻取手段のうちの少なくともいず
れか一方の移送ロールのうち全体の本数の70〜100
%の移送ロールにおけるウェブまたはフィルムの接触部
分に、ウェブまたはフィルムの幅方向及び搬送方向に対
して規制力の強い部位と弱い部位とを設け、両者の面積
比率を1/2〜1/50とすることを特徴としている。
【0012】請求項2の発明は、請求項1記載のセルロ
ールエステルフィルムの製造装置において、ウェブまた
はフィルムの幅方向及び搬送方向に対して規制力の弱い
部位が、表面粗さRmax0.8μm以下の鏡面を有する
部位であり、ウェブまたはフィルムの幅方向及び搬送方
向に対して規制力の強い部位が、前記鏡面に比べて大き
い摩擦力を有する部位である。
【0013】請求項3の発明は、請求項1記載のセルロ
ールエステルフィルムの製造装置において、ウェブまた
はフィルムの幅方向及び搬送方向に対して規制力の強い
部位と弱い部位との組み合わせを、溝付き面/表面粗さ
Rmax0.8μmより大きいマット(微細凹凸面)、表
面粗さRmax0.8μmより大きいマット/表面粗さRm
ax0.8μm以下の鏡面、溝付き面/表面粗さRmax
0.8μm以下の鏡面のいずれかとなすものである。
【0014】請求項4の発明は、請求項3記載のセルロ
ールエステルフィルムの製造装置において、溝付き面
が、ロール周面をめぐる少なくとも1本のスパイラル溝
を有するものである。
【0015】請求項5の発明は、請求項3記載のセルロ
ールエステルフィルムの製造装置において、溝付き面
が、少なくとも1本のロール周方向の溝を有するもので
ある。
【0016】請求項6の発明は、請求項3〜5のうちの
いずれか一項記載のセルロールエステルフィルムの製造
装置において、溝の幅が0.05〜5mm、溝の深さが
0.05〜5mm、溝の開口部両側の横断面略円弧状角
部の曲率半径(R)が0.05〜1、溝のピッチが0.
1〜300mmである。
【0017】請求項7の発明は、請求項1〜6のうちの
いずれか一項記載のセルロールエステルフィルムの製造
装置において、各ロールのウェブまたはフィルムに対し
て規制力の強い部位が、ウェブまたはフィルムの接触部
分の幅方向の両端部に設けられているものである。
【0018】請求項8の発明は、請求項7のセルロール
エステルフィルムの製造装置において、各ロールのウェ
ブまたはフィルムの接触部分の幅方向の両端部に設けら
れたウェブまたはフィルムに対して規制力の強い部位
が、ロール周面をめぐる少なくとも1本のスパイラル溝
を有する溝付き面であり、ロール両端部のスパイラル溝
が、平面よりみてウェブまたはフィルムの移送方向に向
かって左右両外側方に広がるように傾斜した平行溝が表
われるように設けられている。
【0019】請求項9の発明は、請求項7のセルロール
エステルフィルムの製造装置において、各ロールのウェ
ブまたはフィルムの接触部分の幅方向の両端部に設けら
れたウェブまたはフィルムに対して規制力の強い部位
が、ロール周面をめぐる少なくとも1本のスパイラル溝
を有する溝付き面であり、ロール両端部のスパイラル溝
が、平面よりみてウェブまたはフィルムの移送方向に向
かってウェブまたはフィルムの中央部側に狭まるように
傾斜した平行溝が表われるように設けられている。
【0020】請求項10の発明は、請求項1〜9のうち
のいずれか一項記載のセルロールエステルフィルムの製
造装置において、ウェブまたはフィルムの移送速度が、
2〜200m/分である。
【0021】請求項11の発明は、請求項1〜10のう
ちのいずれか一項記載のセルロールエステルフィルムの
製造装置において、ウェブまたはフィルムに作用する張
力が、60〜250N/mである。
【0022】請求項12の発明は、請求項1〜11のう
ちのいずれか一項記載のセルロールエステルフィルムの
製造装置において、剥離ロール及び移送ロールの外径
が、60〜400mmである。
【0023】請求項13の発明は、請求項1〜12のう
ちのいずれか一項記載のセルロースエステルフィルムの
製造装置において、ウェブまたはフィルムが、0.1〜
100%の残留溶剤量を有するものである。
【0024】請求項14の発明は、請求項1〜13のう
ちのいずれか一項記載のセルロースエステルフィルムの
製造装置において、乾燥手段及び巻取手段の雰囲気温度
が、5〜200℃である。
【0025】上記において、本発明によるセルロールエ
ステルフィルムの製造装置は、製品状態での膜厚が20
〜200μm、好ましくは20〜85μm、さらに好ま
しくは20〜60μmのフィルムを製造の対象としてい
る。本発明で対象となるセルロースエステルフィルム
は、セルロースの低級脂肪酸エステルからなる。ここ
で、セルロースの低級脂肪酸エステルにおける低級脂肪
酸とは炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味し、例えばセ
ルロースジアセテートやセルローストリアセテート等の
セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セ
ルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネ
ートやセルロースアセテートブチレート等の混合脂肪酸
エステルが挙げられる。最も好ましいセルロースの低級
脂肪酸エステルはセルローストリアセテートである。
【0026】セルロースエステルフィルム中に、可塑
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、加工安定剤、及びマッ
ト剤などを含有させることにより、セルロースエステル
フィルムに起因する液晶画像表示装置の性能を向上させ
ることができる。
【0027】請求項1の発明では、乾燥手段及び巻取手
段のうちの少なくともいずれか一方の移送ロールのうち
全体の本数の70〜100%の移送ロールにおけるウェ
ブまたはフィルムの接触部分に、ウェブまたはフィルム
の幅方向及び搬送方向に対して規制力の強い部位と弱い
部位とを設け、両者の面積比率を1/2〜1/50とす
ることが限定されている。その理由は、ロールにおける
規制力の強い部位の面積比が1に対し、弱い部位の面積
比が2未満では、幅方向の規制力が強すぎて、ツレやシ
ワの発生の原因となり、これが起因してウェブまたはフ
ィルムの破断を生じることもあり、また、規制力の強い
部位の面積比が1に対し、弱い部位の面積比が50を超
えると、搬送方向の規制力が弱すぎて、ロール接触部で
滑りが生じ、ウェブまたはフィルムにスリキズが発生す
るからである。ウェブまたはフィルムの幅方向及び搬送
方向に対して規制力の強い部位と弱い部位の面積比率の
より好ましい範囲は、1/5〜1/40である。
【0028】ここで、乾燥手段及び巻取手段の移送ロー
ルの全体の本数は、例えば2〜1000本、通常、2〜
500本である。そして、ウェブまたはフィルムの接触
部分に、ウェブまたはフィルムの幅方向及び搬送方向に
対して規制力の強い部位と弱い部位とを設ける移送ロー
ルの本数が、乾燥手段及び巻取手段のうちの少なくとも
いずれか一方の移送ロールのうち全体の本数の70%未
満では、搬送方向の規制力が弱すぎるロールが多いた
め、ロール接触部で滑りが生じ、ウェブまたはフィルム
にスリキズが発生するからである。
【0029】また請求項2の発明では、ウェブまたはフ
ィルムの幅方向及び搬送方向に対して規制力の弱い部位
が、表面粗さRmax0.8μm以下の鏡面を有する部位
であり、ウェブまたはフィルムの幅方向及び搬送方向に
対して規制力の強い部位が、前記鏡面に比べて相対的に
大きい摩擦力を有する部位であるとしている。
【0030】請求項3の発明では、ウェブまたはフィル
ムの幅方向及び搬送方向に対して規制力の強い部位と弱
い部位との組み合わせを、溝付き面/表面粗さRmax
0.8μmより大きいマット(微細凹凸面)、表面粗さ
Rmax0.8μmより大きいマット/表面粗さRmax0.
8μm以下の鏡面、溝付き面/表面粗さRmax0.8μ
m以下の鏡面のいずれかとしている。
【0031】請求項4の発明では、溝付き面が、ロール
周面をめぐる少なくとも1本のスパイラル溝を有するも
のであり、請求項5の発明では、溝付き面が、少なくと
も1本のロール周方向の溝を有するものである。
【0032】そして、請求項6の発明では、これらの溝
の幅が0.05〜5mm、溝の深さが0.05〜5m
m、溝の開口部両側の横断面略円弧状角部の曲率半径
(R)が0.05〜1、溝のピッチが0.1〜300m
mであることが限定されている。その理由は、溝の幅が
0.05mm未満、溝の深さが0.05mm未満、溝の
開口部両側の横断面略円弧状角部の曲率半径(R)が
0.05未満、溝のピッチが0.1mm未満であれば、
搬送方向の規制力が弱すぎて、ロール接触部で滑りが生
じ、ウェブまたはフィルムにスリキズが発生するからで
あり、また、溝の幅が5mmを越え、溝の深さが5mm
を越え、溝の開口部両側の横断面略円弧状角部の曲率半
径(R)が1を越え、溝のピッチが300mmを越える
と、幅方向の規制力が強すぎることと、溝に沿ってウェ
ブまたはフィルムの変形が生じ、ツレやシワの発生の原
因となり、これが起因してウェブまたはフィルムの破断
を生じることもあるからである。
【0033】なお、溝の幅の好ましい範囲は0.1〜2
mm、溝の深さの好ましい範囲は0.07〜1mm、溝
の開口部両側の横断面略円弧状角部の曲率半径(R)の
好ましい範囲は0.07〜0.5、溝のピッチの好まし
い範囲は0.3〜100mmである請求項7の発明で
は、各ロールのウェブまたはフィルムに対して規制力の
強い部位が、ウェブまたはフィルムの接触部分の幅方向
の両端部に設けられることが限定されている。その理由
は、ロールの規制力の強い箇所がウェブまたはフィルム
にダメージを与える可能性があるためである。
【0034】請求項8の発明では、各ロールのウェブま
たはフィルムの接触部分の幅方向の両端部に設けられた
ウェブまたはフィルムに対して規制力の強い部位が、ロ
ール周面をめぐる少なくとも1本のスパイラル溝を有す
る溝付き面であり、ロール両端部のスパイラル溝が、平
面よりみてウェブまたはフィルムの移送方向に向かって
左右両外側方に広がるように傾斜した平行溝が表われる
ように設けられている。
【0035】このようなスパイラル溝がロール両端部に
設けられたロールは、乾燥部すなわち乾燥手段におい
て、ロール端部溝による外側への規制力により、ツレ・
シワの発生を抑制できる利点がある。従って、例えばウ
ェブまたはフィルムの残留メチレンクロライド量がまだ
多い乾燥ゾーンでは、ツレ・シワが発生しやすいので、
上記請求項8に記載のロールを使用するのが、好まし
い。
【0036】請求項9の発明では、各ロールのウェブま
たはフィルムの接触部分の幅方向の両端部に設けられた
ウェブまたはフィルムに対して規制力の強い部位が、ロ
ール周面をめぐる少なくとも1本のスパイラル溝を有す
る溝付き面であり、ロール両端部のスパイラル溝が、平
面よりみてウェブまたはフィルムの移送方向に向かって
ウェブまたはフィルムの中央部側に狭まるように傾斜し
た平行溝が表われるように設けられている。
【0037】このようなスパイラル溝がロール両端部に
設けられたロールは、乾燥部すなわち乾燥手段における
フィルムの幅方向の収縮が、ロール端部溝による外側の
規制力が軽減される結果、フィルムがその幅方向に均一
に収縮し、かつスパイラル溝が、ウェブまたはフィルム
の移送方向に対して左右両外側方に向かって設けられて
いる請求項8に記載のロールほどではないが、ツレ・シ
ワの発生を抑制する作用もある。さらに、ウェブまたは
フィルムに対して幅方向に不均一な応力がかからないこ
とにより、製品後のフィルムの寸法安定性も向上する。
【0038】セルロースエステルフィルムの製造装置の
乾燥部すなわち乾燥手段において、これらのロールを使
い分けることにより、製品後のフィルムの寸法安定性の
向上並びにツレ・シワ発生の抑制を実現することができ
るものである。
【0039】請求項10の発明では、ウェブまたはフィ
ルムの移送速度が、2〜200m/分に限定されてい
る。その理由は、移送速度が2m/分未満であると、表
面粗さRmax0.8μm以下の鏡ロールでも幅方向及び
搬送方向に規制力があるからであり、移送速度が200
m/分を超えると、溝付き面を有するロールや表面粗さ
Rmax0.8μmより大きいマット面を有するロールで
も搬送方向の規制力が不足して、ロール接触部で滑りが
生じ、ウェブまたはフィルムにスリキズが発生するから
である。ウェブまたはフィルムの移送速度の好ましい範
囲は10〜100m/分である。
【0040】請求項11の発明では、ウェブまたはフィ
ルムの移送張力が、60〜250N/mに限定されてい
る。その理由は、移送張力が60N/m未満であると、
溝付き面を有するロールや表面粗さRmax0.8μmよ
り大きいマット面を有するロールでも搬送方向の規制力
が不足して、ロール接触部で滑りが生じ、ウェブまたは
フィルムにスリキズが発生するからであり、移送張力が
250N/mを超えると、Rmax0.8μm以下の鏡ロ
ールでも幅方向及び搬送方向に規制力があるからであ
る。ウェブまたはフィルムの移送張力の好ましい範囲
は、80〜200N/mである。
【0041】請求項12の発明では、剥離ロール及び移
送ロールの外径が、60〜400mmに限定されてい
る。その理由は、剥離ロール及び移送ロールの外径が6
0mm未満であると、ロール剛性が不足し、たわみが発
生することでフィルムのツレやシワの発生原因になるか
らであり、外径が400mmを超えると、ロール自重が
重くなることにより、ロールの回転不良が生じるからで
ある。剥離ロール及び移送ロールの外径の好ましい範囲
は、70〜350mmである。
【0042】請求項13の発明では、ウェブまたはフィ
ルムが、0.1〜100%の残留溶剤量を有するもので
あると記載されている。
【0043】本発明で用いる残留溶剤量は、下記の式で
表せる。
【0044】 残留溶剤量(質量%)={(M−N)/N}×100 ここで、Mはウェブまたはフィルムの任意時点での質
量、Nは質量Mのものを110℃で3時間乾燥させたと
きの質量である。
【0045】上記の移送ロールによって移送されるウェ
ブまたはフィルムの残留溶剤量が0.1%未満である
と、移送ロールによって作用するウェブまたはフィルム
の搬送方向に対する規制力が弱く、ロール接触部で滑り
が生じ、ウェブまたはフィルムにスリキズが発生するか
らであり、100%を超えると、移送ロールによって作
用するウェブまたはフィルムの幅方向に対する規制力が
強くなりすぎ、溝に沿ってウェブまたはフィルムの変形
が生じる可能性があるからである。
【0046】請求項14の発明では、乾燥手段及び巻取
手段の雰囲気温度が、5〜200℃であると記載されて
いる。その理由は、乾燥手段及び巻取手段の雰囲気温度
が、5℃未満であると、ウェブの乾燥過程において、ウ
ェブの表面温度が露点以下となり、結露して、ロール接
触部分に滑りが生じる場合があるからであり、雰囲気温
度が、200℃を超えると、セルロースエステルフィル
ムのガラス転移温度(Tg)をかなり越えるため、フィ
ルムが熱変形し、シワやツレの原因になるからである。
【0047】
【発明の実施形態】つぎに、本発明の実施形態を、図面
を参照して説明する。
【0048】図1を参照すると、本発明のセルロールエ
ステルフィルムの製造装置は、溶液流延製膜法により膜
厚20〜200μm、好ましくは20〜85μm、さら
に好ましくは20〜60μmのセルロースエステルフィ
ルムを製造する装置であって、回転金属製エンドレスベ
ルトからなる支持体(1) と、支持体(1) 上にセルロース
エステルフィルムの原料溶液であるドープを流延するダ
イ(2) と、ダイ(2) によって支持体(1) 上に形成された
ウェブ(W) を、支持体(1) から剥離させる剥離ロール(3
1)と、剥離ロール(31)によって支持体(1) から剥離させ
られたウェブ(W) を、複数の移送ロール(32)(41)を経由
させて移送しながら乾燥させる乾燥させる一次及び二次
乾燥手段(3)(4)と、ウェブ(W) を乾燥させて得られるフ
ィルム(F) を少なくとも1つの移送ロール(51)を経由さ
せて巻き取る巻取手段(5) とを具備している。
【0049】一次乾燥手段(3) は、第1ハウジング(30)
内に千鳥配置状に設けられた複数の移送ロール(32)を備
えている。第1ハウジング(30)には乾燥風吹き込み口(3
3)及び同排出口(34)が設けられている。
【0050】そして、支持体(1) の剥離側端部から剥離
ロール(31)により剥離されたウェブ(W) は、一次乾燥手
段(3) の第1ハウジング(30)内を、全ての移送ロール(3
2)を経由して移送され、その移送中に乾燥風吹き込み口
(33)から吹き込まれる乾燥風により乾燥させられた後、
二次乾燥手段(4) に送られる。
【0051】二次乾燥手段(4) は、第2ハウジング(40)
内に千鳥配置状に設けられた複数の移送ロール(41)を備
えている。第2ハウジング(40)には乾燥風吹き込み口(4
2)及び同排出口(43)が設けられている。そして、一次乾
燥手段(3) から送られてきたウェブ(W) は、二次乾燥手
段(4) のハウジング(40)内を、全ての移送ロール(41)を
経由して移送され、その移送中に、乾燥風吹き込み口(4
2)から吹き込まれる乾燥風により乾燥させられてフィル
ム(F) とされた後、巻取手段(5) に送られる。
【0052】巻取手段(5) は、ハウジング(50)内に設け
られた複数の移送ロール(51)及び1つの巻取ロール(52)
を備えている。巻取ロール(52)は、移送ロール(51)群よ
りも下流側に配されている。そして、二次乾燥手段(4)
から送られてきたフィルム(F) は、ハウジング(50)内を
全ての移送ロール(51)を経由して移送され、巻取ロール
(52)に巻き取られる。
【0053】なお、図1においては、ウェブ(W) 及びフ
ィルム(F) を移送するドライブロールの図示は省略され
ている。
【0054】本発明によるセルロールエステルフィルム
の製造装置は、前記剥離ロール(31)及び各移送ロール(3
2)(41)(51)におけるウェブ(W) またはフィルム(F) の接
触部分に、ウェブ(W) またはフィルム(F) の幅方向及び
搬送方向に対して規制力の強い部位と弱い部位とを設
け、両者の面積比率を1/2〜1/50とするものであ
る。
【0055】ここで、剥離ロール(31)及び各移送ロール
(32)(41)(51)のウェブ(W) またはフィルム(F) の幅方向
及び搬送方向に対して規制力の強い部位と弱い部位との
組み合わせを、溝付き面/表面粗さRmax0.8μmよ
り大きいマット(微細凹凸面)、表面粗さRmax0.8
μmより大きいマット/表面粗さRmax0.8μm以下
の鏡面、溝付き面/表面粗さRmax0.8μm以下の鏡
面のいずれかとするのが、良い。
【0056】剥離ロール(31)及び各移送ロール(32)(41)
(51)の溝付き面は、ロール周面をめぐる少なくとも1本
のスパイラル溝、または少なくとも1本のロール周方向
の溝を有するものである。これらの溝の幅が0.05〜
5mm、溝の深さが0.05〜5mm、溝の開口部両側
の横断面略円弧状角部の曲率半径(R)が0.05〜
1、溝のピッチが0.1〜300mmである。
【0057】剥離ロール(31)及び各移送ロール(32)(41)
(51)のウェブ(W) またはフィルム(F) に対して規制力の
強い部位が、ウェブ(W) またはフィルム(F) 接触部分の
幅方向の両端部に設けられることが好ましい。
【0058】ところで、セルロースエステルフィルムの
製造装置においては、乾燥部すなわち乾燥手段がいくつ
かのゾーンに分かれており、各ゾーンの温度(フィルム
温度)や移送張力が異なる。また、ウェブ(W) またはフ
ィルム(F) の残留メチレンクロライド量は、乾燥が進行
するにつれて減少していく。これらの因子(フィルム温
度、移送張力、残留メチレンクロライド量)は、製品後
の寸法安定性およびツレ・シワの発生に大きく影響す
る。
【0059】例えばウェブ(W) またはフィルム(F) の残
留メチレンクロライド量がまだ多い一次乾燥手段(乾燥
ゾーン)(3) では、ツレ・シワが発生しやすいので、図
2に示すように、上記請求項8の発明におけるウェブ
(W) またはフィルム(F) に対して規制力の強い部位が、
各ロール(32)のウェブ(W) またはフィルム(F) の接触部
分の幅方向の両端部に設けられているロール(32)を使用
するのが、好ましい。ここで、ロール(32)両端部の規制
力の強い部位が、ロール周面をめぐる少なくとも1本の
スパイラル溝(S1)(S1)を有する溝付き面であり、ロール
(32)両端部のスパイラル溝(S1)(S1)が、平面よりみてウ
ェブ(W) またはフィルム(F) の移送方向に向かって左右
両外側方に広がるように傾斜した平行溝が表われるよう
に設けられている。
【0060】これに対し、寸法安定性に影響する二次乾
燥手段(乾燥ゾーン)(4) では、余分な幅方向の規制力
をかけたくないので、図3に示すように、上記請求項9
の発明におけるように、ウェブ(W) またはフィルム(F)
に対して規制力の強い部位が、各ロール(41)のウェブ
(W) またはフィルム(F) の接触部分の幅方向の両端部に
設けられているロール(41)を使用するが、ここで、ロー
ル(41)両端部の規制力の強い部位が、ロール周面をめぐ
る少なくとも1本のスパイラル溝(S2)(S2)を有する溝付
き面であり、ロール(41)両端部のスパイラル溝(S2)(S2)
が、平面よりみてウェブ(W) またはフィルム(F) の移送
方向に向かってウェブ(W) またはフィルム(F) の中央部
側に狭まるように傾斜した平行溝が表われるように設け
られているものである。
【0061】また、ウェブ(W) またはフィルム(F) の移
送速度は、2〜200m/分であり、ウェブ(W) または
フィルム(F) の移送張力は、60〜250N/m、好ま
しくは80〜200N/mである。
【0062】剥離ロール(31)及び各移送ロール(32)(41)
(51)の外径は60〜400mm、好ましくは70〜35
0mmである。
【0063】さらに、ウェブ(W) またはフィルム(F)
が、0.1〜100%の残留溶剤量を有するものであ
り、詳しくは、移送ロール(32)(41)(51)によって移送さ
れるウェブ(W) またはフィルム(F) が、0.1〜100
%の残留溶剤量を有するものである。また乾燥手段(3)
(4)及び巻取手段(5) 内の雰囲気温度は5〜200℃、
好ましくは20〜150℃である。
【0064】以下、上記実施形態の装置を用いて行った
具体的実施例を比較例とともに説明する。
【0065】実施例1〜4及び比較例 実施例は、図1に示すセルロースエステルフィルムの製
造装置を用いて行ったものである。
【0066】剥離ロール(31)、乾燥手段(3)(4)及び巻取
手段(5) の移送ロール(32)(41)(51)の条件を表1に示
す。
【0067】そして、セルローストリアセテート100
重量部、メチレンクロライド350重量部、エタノール
12重量部及びトリフェニルホスフェート12重量部よ
りなる組成物からドープを調製し、このドープを用いて
溶液流延製膜法により、図1の製造装置によって、下記
の製膜条件にてセルローストリアセテートフィルムを作
成した。
【0068】 移送速度 20m/分 移送張力 100〜120N 乾燥膜厚 80μmまたは40μm 乾燥部すなわち乾燥手段(3)(4)におけるウェブ(W) の残
留溶剤量は100〜3%であり、巻取部すなわち巻取手
段(5) の残留溶剤量は3未満〜0.2%であった。乾燥
手段(3)(4)内の雰囲気温度は25〜120℃、巻取手段
(5) 内の雰囲気温度は25℃であった。
【0069】また、ウェブ(W) またはフィルム(F) の残
留メチレンクロライド量がまだ多い一次乾燥手段(乾燥
ゾーン)(3) では、ツレ・シワが発生しやすいので、図
2に示すように、ロール両端部の規制力の強い部位すな
わちロール両端部の溝付き面のスパイラル溝(S1)(S1)
が、平面よりみてウェブ(W) またはフィルム(F) の移送
方向に向かって左右両外側方に広がるように傾斜した平
行溝が表われるように設けられているロール(32)を使用
した。このロール(32)の両端部のスパイラル溝(S1)(S1)
の向きを、「外向き」と表現する。
【0070】これに対し、寸法安定性に影響する二次乾
燥手段(乾燥ゾーン)(4) では、余分な幅方向の規制力
をかけたくないので、図3に示すように、ロール両端部
の規制力の強い部位すなわち溝付き面のスパイラル溝(S
2)(S2)が、平面よりみてウェブ(W) またはフィルム(F)
の移送方向に向かってウェブ(W) またはフィルム(F)の
中央部側に狭まるように傾斜した平行溝が表われるよう
に設けられているロール(41)を使用した。このロール(4
1)の両端部のスパイラル溝(S2)(S2)の向きを、「内向
き」と表現する。
【0071】ついで、実施例1〜4及び比較例の各種ロ
ールを用いて製造した巻取り後のフィルム(F) につい
て、キズ、変形、ツレ・シワの有無を評価するととも
に、製品後の寸法安定性について評価し、得られた結果
を表1にまとめて示した。
【0072】なお、表1中の評価結果の基準は、各種ロ
ールを用いて製造した巻取り後のフィルム(F) につい
て、「キズ」、「変形」、「ツレ・シワ」のいずれにつ
いても、下記のように記載した。
【0073】 ◎ 1個以内/10m ○ 2〜5個/10m △ 6〜20個/10m × 21個以上/10m また、寸法安定性は、製品後のフィルム(F) の幅方向の
5箇所から、縦150mm×横120mmの寸法を有す
るフィルム試料片を採取し、これらのフィルム試料片を
高温・高湿処理した後、寸法変化を測定した。
【0074】寸法安定性の評価 ◎ ±0.2%以内 ○ ±0.3%以内 △ ±0.4%以内 × ±0.4%を超える
【表1】
【0075】上記表1の結果から明らかなように、本発
明の製造装置を用いた実施例1〜4においては、剥離ロ
ール(31)及び各移送ロール(32)(41)(51)から受けるキズ
や変形、ツレやシワ、あるいはまたフィルム移送時の滑
りにより生じるスリキズの発生が非常に少なく、さら
に、製品後の寸法安定性し、光学物性を損なうことな
く、性能の優れたLCD用保護フィルムを製造すること
ができた。これに対し、比較例では、剥離部及び乾燥部
にてロール滑りによるキズが多数発生しており、巻取部
にてロールのスパイラル溝に起因するフィルムの変形が
多数発生し、さらに巻取部ではロール表面の規制力が強
すぎることによるシワが多数発生していた。
【0076】
【発明の効果】本発明は、上述のように、溶液流延製膜
法によりセルロースエステルフィルムを製造する装置に
おいて、ドープ流延手段によって支持体上に形成された
ウェブを、支持体から剥離ロールによって剥離し、剥離
ロールを含めた複数の移送ロールを経由させてウェブを
移送しながら乾燥させる乾燥手段と、乾燥手段によって
ウェブを乾燥させて得られるフィルムを少なくとも1つ
の移送ロールを経由させて巻き取る巻取手段とを具備し
ており、前記乾燥手段及び巻取手段のうちの少なくとも
いずれか一方の移送ロールのうち全体の本数の70〜1
00%の移送ロールにおけるウェブまたはフィルムの接
触部分に、ウェブまたはフィルムの幅方向及び搬送方向
に対して規制力の強い部位と弱い部位とを設け、両者の
面積比率を1/2〜1/50とするもので、本発明によ
れば、移送ロールから受けるキズや変形、ツレやシワ、
あるいはまたフィルム移送時の滑りにより生じるスリキ
ズの発生を未然に防止することができ、さらに、製品後
の寸法安定性の向上およびツレ・シワの発生を抑制する
ことができて、光学物性を損なうことなく、性能の優れ
たLCD用保護フィルムとして使用可能なセルロースエ
ステルフィルムを製造することができるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すセルロースエステルフ
ィルムの製造装置のフローシートである。
【図2】図1のフィルム製造装置の一次乾燥手段の移送
ロール部分の拡大平面図である。
【図3】図1のフィルム製造装置の二次乾燥手段の移送
ロール部分の拡大平面図である。
【符号の説明】
1 金属製エンドレスベルト(支持体) 3 一次乾燥手段 4 二次乾燥手段 5 巻取手段 31 剥離ロール 32 移送ロール 41 移送ロール 51 移送ロール S1 スパイラル溝 S2 スパイラル溝 W ウェブ(またはフィルム) F フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 B29L 7:00 C08L 1:10 C08L 1:10 Fターム(参考) 4F071 AA09 AF01Y AF15Y AF27Y BA02 BB02 BC01 BC16 4F205 AA01 AG01 AH73 AR04 AR08 AR13 GA07 GB02 GC07 GN21 GN24 GN29 GW21

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶液流延製膜法により膜厚20〜200
    μmのセルロースエステルフィルムを製造する装置であ
    って、支持体上に前記フィルムの原料溶液であるドープ
    を流延するドープ流延手段と、ドープ流延手段によって
    支持体上に形成されたウェブを、支持体から剥離ロール
    によって剥離し、剥離ロールを含めた複数の移送ロール
    を経由させてウェブを移送しながら乾燥させる乾燥手段
    と、乾燥手段によってウェブを乾燥させて得られるフィ
    ルムを少なくとも1つの移送ロールを経由させて巻き取
    る巻取手段とを具備しており、前記乾燥手段及び巻取手
    段のうちの少なくともいずれか一方の移送ロールのうち
    全体の本数の70〜100%の移送ロールにおけるウェ
    ブまたはフィルムの接触部分に、ウェブまたはフィルム
    の幅方向及び搬送方向に対して規制力の強い部位と弱い
    部位とを設け、両者の面積比率を1/2〜1/50とす
    ることを特徴とするセルロースエステルフィルムの製造
    装置。
  2. 【請求項2】 ウェブまたはフィルムの幅方向及び搬送
    方向に対して規制力の弱い部位が、表面粗さRmax0.
    8μm以下の鏡面を有する部位であり、ウェブまたはフ
    ィルムの幅方向及び搬送方向に対して規制力の強い部位
    が、前記鏡面に比べて大きい摩擦力を有する部位である
    請求項1記載のセルロールエステルフィルムの製造装
    置。
  3. 【請求項3】 ウェブまたはフィルムの幅方向及び搬送
    方向に対して規制力の強い部位と弱い部位との組み合わ
    せを、溝付き面/表面粗さRmax0.8μmより大きい
    マット(微細凹凸面)、表面粗さRmax0.8μmより
    大きいマット/表面粗さRmax0.8μm以下の鏡面、
    溝付き面/表面粗さRmax0.8μm以下の鏡面のいず
    れかとする請求項1記載のセルロールエステルフィルム
    の製造装置。
  4. 【請求項4】 溝付き面が、ロール周面をめぐる少なく
    とも1本のスパイラル溝を有するものである請求項3記
    載のセルロールエステルフィルムの製造装置。
  5. 【請求項5】 溝付き面が、少なくとも1本のロール周
    方向の溝を有するものである請求項3記載のセルロール
    エステルフィルムの製造装置。
  6. 【請求項6】 溝の幅が0.05〜5mm、溝の深さが
    0.05〜5mm、溝の開口部両側の横断面略円弧状角
    部の曲率半径(R)が0.05〜1、溝のピッチが0.
    1〜300mmである請求項3〜5のうちのいずれか一
    項記載のセルロールエステルフィルムの製造装置。
  7. 【請求項7】 各ロールのウェブまたはフィルムに対し
    て規制力の強い部位が、ウェブまたはフィルムの接触部
    分の幅方向の両端部に設けられている請求項1〜6のう
    ちのいずれか一項記載のセルロールエステルフィルムの
    製造装置。
  8. 【請求項8】 各ロールのウェブまたはフィルムの接触
    部分の幅方向の両端部に設けられたウェブまたはフィル
    ムに対して規制力の強い部位が、ロール周面をめぐる少
    なくとも1本のスパイラル溝を有する溝付き面であり、
    ロール両端部のスパイラル溝が、平面よりみてウェブま
    たはフィルムの移送方向に向かって左右両外側方に広が
    るように傾斜した平行溝が表われるように設けられてい
    る請求項7記載のセルロールエステルフィルムの製造装
    置。
  9. 【請求項9】 各ロールのウェブまたはフィルムの接触
    部分の幅方向の両端部に設けられたウェブまたはフィル
    ムに対して規制力の強い部位が、ロール周面をめぐる少
    なくとも1本のスパイラル溝を有する溝付き面であり、
    ロール両端部のスパイラル溝が、平面よりみてウェブま
    たはフィルムの移送方向に向かってウェブまたはフィル
    ムの中央部側に狭まるように傾斜した平行溝が表われる
    ように設けられている請求項7記載のセルロールエステ
    ルフィルムの製造装置。
  10. 【請求項10】 ウェブまたはフィルムの移送速度が、
    2〜200m/分である請求項1〜9のうちのいずれか
    一項記載のセルロールエステルフィルムの製造装置。
  11. 【請求項11】 ウェブまたはフィルムの移送張力が、
    60〜250N/mである請求項1〜10のうちのいず
    れか一項記載のセルロールエステルフィルムの製造装
    置。
  12. 【請求項12】 剥離ロール及び移送ロールの外径が、
    60〜400mmである請求項1〜11のうちのいずれ
    か一項記載のセルロールエステルフィルムの製造装置。
  13. 【請求項13】 ウェブまたはフィルムが、0.1〜1
    00%の残留溶剤量を有するものである請求項1〜12
    のうちのいずれか一項記載のセルロースエステルフィル
    ムの製造装置。
  14. 【請求項14】 乾燥手段及び巻取手段の雰囲気温度
    が、5〜200℃である請求項1〜13のうちのいずれ
    か一項記載のセルロースエステルフィルムの製造装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008023744A (ja) * 2006-07-18 2008-02-07 Konica Minolta Opto Inc 光学フィルムの製造方法
JP2009160803A (ja) * 2008-01-04 2009-07-23 Fujifilm Corp 溶液製膜方法
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US7678300B2 (en) 2005-11-30 2010-03-16 Konica Minolta Opto, Inc. Optical film manufacturing method and apparatus
JP2012091398A (ja) * 2010-10-27 2012-05-17 Konica Minolta Opto Inc 剥離室ロールおよび光学フィルムの製造方法

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