JPH1148271A - セルローストリアセテートフィルムの製造方法 - Google Patents
セルローストリアセテートフィルムの製造方法Info
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- JPH1148271A JPH1148271A JP21450197A JP21450197A JPH1148271A JP H1148271 A JPH1148271 A JP H1148271A JP 21450197 A JP21450197 A JP 21450197A JP 21450197 A JP21450197 A JP 21450197A JP H1148271 A JPH1148271 A JP H1148271A
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Abstract
膜方法で製造する方法において、50重量%以上の時点
で幅延伸装置で幅保持を行って高温乾燥させると、 急
激な収縮に対抗してウエブに大きな力が発生し、乾燥中
にウエブが切断したりかえってムラに引っ張られたりし
てフィルムの平面性が劣化する。 【解決手段】 図1の剥離部4で剥離されたウエブ1を
その溶媒含有率が50重量%未満、12重量%以上の時
点で、幅延伸装置で延伸しつつ乾燥させることによって
セルローストリアセテートフィルムの平面性やムラの発
生を解決出来る。また溶媒含有率が10以下の時点で加
圧装置によってウエブの両面から0.2kPa以上10
kPa以下の圧力を付与することによっても解決され得
る。
Description
光材料や液晶表示装置に有用なセルローストリアセテー
トフィルムの製造方法に関し、更に詳しく溶液流延製膜
法におけるフィルムの平面性の優れ、ムラのないセルロ
ーストリアセテートフィルムの製造方法に関する。
膜方法の一つにベルト又はドラムの流延面上にドープを
流延し剥離し、これを乾燥する溶液流延製膜法がある。
この溶液流延製膜法の乾燥方法としては、一般には図8
に示すように流延面3から剥離したフィルム1(以後、
ウエブという)を乾燥室5内に設けられた多数の千鳥状
に配したロール6の間に掛け渡して、その間を移動する
間に(ロール搬送方式という)熱風7、赤外線などで乾
燥する方法がある(例えば米国特許第2,319,05
3号明細書参照)。また、溶媒含有率が乾燥フィルムに
対して50重量%以上のセルローストリアセテートフィ
ルムの両端縁部をテンターなどで保持しながら搬送しつ
つ乾燥する方法(登録2076430号)がある。これ
は流延面から剥離した時点でのウエブの残留溶媒が非常
に多くあり、このまま直接ロール搬送するとロール表面
の接触によりフィルムの表面が損なわれる場合に効果が
あるとしている。
のフィルムの機械強度等を改善するために行われる延伸
方法のひとつにフィルムの両側縁部をクリップ等で固定
して2〜6倍延伸するテンター方式がある。このテンタ
ー方式を利用してフェノキシ樹脂等のフィルムから液晶
表示パネルの基板を製造する技術も開発されており(特
開昭59−211006号公報)、このフィルムにはセ
ルローストリアセテートフィルムも使用できることがそ
のなかに示唆されている。
延製膜法は搬送過程においてウエブが不均一収縮するた
めその表面性を良好に保つことは困難であった。主な平
面性故障は搬送方向に発生する小さなシワである。その
ピッチは0.3〜10数mm,凹凸の高さは1〜6μm
である。このフィルムに写真乳剤を塗布すると乳剤層の
厚みムラ(塗布ムラ)を生じて重大な故障となる。そこ
で、前記登録2076430号には、ウエブを溶媒含有
率50重量%以上でウエブの幅を所定間隔に保持しなが
ら主溶媒の沸点以上の温度で乾燥しつつ搬送することが
記載されているが、50重量%以上の高溶媒含有率では
まだウエブの弾性率が小さく、両端の固定をそこで止め
ると急激に収縮が起こり平面性が劣化したり、また高温
乾燥させると急激な収縮力に対抗してウエブにおおきな
力が発生し、乾燥中にウエブが切断したり、かえってム
ラに引っ張られたりして、セルローストリアセテートフ
ィルムの製品として、特にハロゲン化銀写真感光材料の
品質として使用に耐えないものになってしまう虞れがあ
る。一方急激な収縮が発生しない低溶媒含有率まで幅を
保持しようとするには非常におおきな設備が必要とな
り、その結果フィルムのコストアップを招いてしまう。
は、残留溶媒が10%以下で幅方向に所定量延伸させる
方法が記載されているが、10%以下の非常に低溶媒含
有率ではウエブ中の溶媒分布の不均一さに起因し弾性率
も不均一となるため、両側縁部から張力を付与し延伸さ
せた場合平面性が劣化する虞れがある。
性条件下でもコンパクトな装置で、平面性の優れたセル
ローストリアセテートフィルムの製造方法を提供するこ
とにある。
(1)、(4)及び(5)の手段によって上記目的を達
成し得た。即ち: (1)セルローストリアセテートフィルムの溶液流延製
膜方法において、乾燥過程でのセルローストリアセテー
トフィルムの溶媒含有率X0(重量%)が下記式 12≦X0<50 の範囲内の乾燥過程の任意の時点において該フィルムの
幅手方向に張力付与を開始することを特徴とするセルロ
ーストリアセテートフィルムの製造方法。更に下記
(2)、(3)又は(6)の態様によって本発明を達成
し得た。
媒含有率X1(重量%)が前記X0との下記式 4≦X1≦0.5X0+4 で与えられる領域内にあることを特徴とする(1)に記
載のセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
の幅手方向の延伸率Y(%)が前記X0に対して下記式 Y≧−10log(X0+40)+20 で与えられることを特徴とする(1)又は(2)に記載
のセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
の溶液流延製膜方法において、支持体から剥離された
後、乾燥工程の任意の時点において該フィルムの幅手方
向に張力付与を開始し、溶媒含有率が4重量%以上の時
点で張力付与を終了することを特徴とするセルロースト
リアセテートフィルムの製造方法。
0になった時点で、該フィルムに0.2kPa以上10
kPa以下の圧力を厚さ方向に付与することを特徴とす
るセルローストリアセテートフィルムの製造方法。
0になった時点で、該フィルムに0.2kPa以上10
kPa以下の圧力を厚さ方向に付与することを特徴とす
る(1)乃至(3)の何れかに記載のセルローストリア
セテートフィルムの製造方法。
示す。セルローストリアセテートドープが流延口2から
流延面3上に流延され、それによって形成されたウエブ
1が剥離部4で剥離され、乾燥室5内のロール6間を走
行する間に熱風7により乾燥される。ウエブ(フィル
ム)の溶媒含有率が50%未満、12%以上の間で幅方
向延伸装置8に導き、幅手方向の延伸率Yが次式を満足
するように、Y%延伸させ、 Y≧−10log(X0+40)+20 更に緊張状態のまま徐々に冷却し、残りの溶媒を次の乾
燥室5で蒸発させた後巻取り機11にて巻取る。
ィルムなどの延伸に使用されるテンターを用いることが
できる。テンターの機構の例を図4に示す。エンドレス
の二組のチェーン19がいくつかの節を持つ幅方向に可
動なレール17に組み込まれている。各チェーンにはウ
エブ1の両側緑部を固持するために図3に示す様なクリ
ップ13が列状にとりつけられており、ウエブ1の両緑
部を固定アゴ16の上にシュー15で押さえている。ス
プロケット18を駆動することによりウエブを連続的に
幅方向に延伸させることが出来る。また図5に示すよう
なピン20を有するピン型延伸装置も本発明としては有
用である。
率でウエブの両側縁部の固定を開始しても溶媒含有率が
4重量%以上で張力付与をやめることである。溶媒含有
率が4重量%未満の低溶媒含有率では前述の弾性率の不
均一さが著しく、平面性の優れたフィルムを得ることが
困難となる。
する。溶媒含有率X2が10重量%以下においてウエブ
1を図7のようなニップロール23により0.2kPa
以上10kPa以下の圧力24を均一に加えることによ
って平面性を改善することが出来る。
は次のように定義される。
ルム)の重量(g) 本発明でいう延伸率は次のように定義される。
幅手長さ L0:幅方向延伸装置入口(図1の9)でのウエブの幅
手長さ また延伸装置入口というのは例えば図4のスプロケット
18の位置にはいる時をいい、延伸装置出口というのは
例えば図4のスプロケット18′から離れる位置をい
う。
装置8に入るウエブ1の溶媒含有率X0が50重量%未
満、12重量%以上、好ましくは35重量%以下、15
重量%以上である。50重量%以上の時点で幅方向延伸
装置で幅保持を行って高温乾燥させると、急激な収縮力
に対抗してウエブに大きな力が発生し、乾燥中にウエブ
が切断したり、かえってムラに引っ張られたりする。
X0に対して Y≧−10log(X0+40)+20 とすることで、更に平面性を改良することができること
を見いだした。前記式で与えられる値未満の幅手方向の
延伸率では平面性の改良が充分でなく、逆に過度に延伸
されるとフィルム加工上の問題が発生するため、Yは Y≦5{−10log(X0+40)+20} が好ましい。
方向延伸をする場合のウエブの前歴は如何様であっても
よく、図1のように乾燥室5のロール群を通して乾燥さ
せた後に幅方向延伸装置8にはいってもよく、図2の幅
保持乾燥室12を経て溶媒含有率X0が50重量%以下
の時点で幅方向延伸装置8に入ってもよい。また幅保持
乾燥室の前後に乾燥室5があってもよい。図2に示した
幅保持乾燥室12を経た後、幅方向延伸装置8で前記溶
媒含有率X0と幅手方向の延伸率Y0との関係内で処理す
ることは本発明の好ましい態様の一つである。
は幅保持乾燥室12内における溶媒含有率のコントロー
ルは熱風7の温度及び風量で行うことが出来る。幅方向
延伸装置8の延伸温度は使用する溶媒や溶媒含有率によ
って異なるが、例えば主溶媒にメチレンクロライドを用
いた場合には50〜200℃、好ましくは100〜15
0℃である。50℃以下では乾燥が遅くなり、200℃
以上ではウエブ中の可塑剤が幅方向延伸装置8内に多量
に揮発して問題を引き起こす。
は溶媒含有率が10%以下の時点で0.2kPa以上1
0kPa以下の圧力をウエブ(フィルム)両面から加え
ることにより、高温乾燥した時のウエブの表面の小さな
シワを矯正することが出来ることを見いだした。図6の
23がこの後処理工程でウエブ1に圧力方向24を加え
る一つ方法として示してあるが、具体的には図7の23
のような平行な二本のニップロールでウエブ1に圧力方
向24をかける方法である。またカレンダーロールのよ
うな方法によってもよい。
く、好ましくは1から8組程度が好ましい。また本発明
の後処理工程の加圧処理前のウエブ(フィルム)の前歴
はいかなる方法を経由してもよく、溶媒含有率が10重
量%以上まで図6に示したロール搬送による乾燥過程で
あっても、本発明の溶媒含有率50重量%未満12重量
%以上の範囲で幅方向延伸を乾燥過程を通ってもよい。
後者の場合本発明の最適なセルローストリアセテートフ
ィルムの製造方法の一つである。加圧する場合の温度は
100〜200℃が好ましい。
としてメチレンクロライド、アセトン、1,3−ジオキ
ソラン、1,4−ジオキサン、フルオロアルコール、フ
ルオロカーボン、アセト酢酸メチル又は酢酸メチル等が
ありセルローストリアセテートを溶解し得るものならば
何でもよい。副溶媒としてはメタノール、エタノール、
ブタノール、シクロヘキサン等を用いることが出来、主
溶媒及び副溶媒は特開平9−95538号、同9−95
557号又は同8−143709号に記載されている溶
媒などが使用できる。また、ドープ溶解方法としては、
通常の攪拌による方法の他に、特開平9−95538号
又は同9−95557号に記載されている冷却溶解方法
も使用できる。
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
00重量部、メチレンクロライド350重量部、エタノ
ール70重量部、トリフェニルホスフェート12重量部
からなるドープを用いベルト流延法によりドープ膜を形
成させた。次に溶媒含有率150重量%でベルトから剥
離し、乾燥を進めX0=45重量%の時点でフィルム両
端部をピンで固定しながら搬送し、X1=30重量%で
両端部を開放した。なお、幅手方向の延伸率Yは0%で
あった。更に乾燥を行いフィルムA−1を得た。
%、溶媒含有率X1を25重量%とした以外は実施例1
と同様に操作を行い、フィルムA−2を得た。
実施例2と同様な操作を行い、フィルムA−3を得た。
%、溶媒含有率X1を3重量%とした以外は実施例1と
同様な操作を行い、フィルムA−4を得た。
%、溶媒含有率X1を10重量%とした以外は実施例1
と同様な操作を行い、フィルムA−5を得た。
与せずに乾燥させ、溶媒含有率X2が3重量%の時点で
圧力2kPaの条件でニップロールにより後処理を行
い、フィルムA−6を得た。
%、溶媒含有率X1を15重量%、そして幅手方向の延
伸率Yを5%とした以外は実施例1と同様な操作を行
い、更に溶媒含有率X2が3重量%になった時点で圧力
2kPaの条件で実施例6と同様に後処理を行いフィル
ムA−7を得た。
張力を付与させずに乾燥を完結させ、フィルムH−1を
得た。
%、溶媒含有率X1を70重量%とした以外は実施例1
と同様な操作を行い、フィルムH−2を得た。
溶媒含有率X1を3重量%とした以外は実施例1と同様
な操作を行い、フィルムH−3を得た。
与せずに乾燥させ、溶媒含有率X2が12重量%の時点
で圧力2pKaの条件で実施例6と同様に後処理を行い
フィルムH−4を得た。
料を切り出し、50W蛍光灯を5本並べて試料台に45
°の角度から照らせるように高さ1.5mの高さに固定
し、試料台の上に各フィルム試料を置き、フィルム表面
に反射してみえる凹凸を目で見て、次のように判定し
た。
る。
引層とバック層を塗布乾燥させ、下引面に下記染料入り
のゼラチン溶液を塗布乾燥させた。
ように評価した。
トリアセテートフィルムはフィルム表面の凹凸が小さ
く、ゼラチン(写真乳剤の代用)の塗布ムラは殆どなく
良好であった。
ルムの製造方法により、セルローストリアセテートの溶
液製膜法において、従来平面性が悪化しやすかったセル
ローストリアセテートフィルムの高温、高速乾燥が可能
となり製膜速度を著しく高めることができた。
の1実施例のクリップの側面図。
1実施例の概略平面図。
の1実施例のピン型延伸機クリップの斜視図。
製膜工程図。
斜視図。
Claims (6)
- 【請求項1】 セルローストリアセテートフィルムの溶
液流延製膜方法において、乾燥過程でのセルローストリ
アセテートフィルムの溶媒含有率X0(重量%)が下記
式 12≦X0<50 の範囲内の乾燥過程の任意の時点において該フィルムの
幅手方向に張力付与を開始することを特徴とするセルロ
ーストリアセテートフィルムの製造方法。 - 【請求項2】 前記張力付与を終了する時点での溶媒含
有率X1(重量%)が前記X0との下記式 4≦X1≦0.5X0+4 で与えられる領域内にあることを特徴とする請求項1に
記載のセルローストリアセテートフィルムの製造方法。 - 【請求項3】 前記張力付与中における該フィルムの幅
手方向の延伸率Y(%)が前記X0に対して下記式 Y≧−10log(X0+40)+20 で与えられることを特徴とする請求項1又は2に記載の
セルローストリアセテートフィルムの製造方法。 - 【請求項4】 セルローストリアセテートフィルムの溶
液流延製膜方法において、支持体から剥離された後、乾
燥工程の任意の時点において該フィルムの幅手方向に張
力付与を開始し、溶媒含有率が4重量%以上の時点で張
力付与を終了することを特徴とするセルローストリアセ
テートフィルムの製造方法。 - 【請求項5】 溶媒含有率X2(重量%)がX2≦10に
なった時点で、該フィルムに0.2kPa以上10kP
a以下の圧力を厚さ方向に付与することを特徴とするセ
ルローストリアセテートフィルムの製造方法。 - 【請求項6】 溶媒含有率X2(重量%)がX2≦10に
なった時点で、該フィルムに0.2kPa以上10kP
a以下の圧力を厚さ方向に付与することを特徴とする請
求項1乃至3の何れかに記載のセルローストリアセテー
トフィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21450197A JPH1148271A (ja) | 1997-08-08 | 1997-08-08 | セルローストリアセテートフィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21450197A JPH1148271A (ja) | 1997-08-08 | 1997-08-08 | セルローストリアセテートフィルムの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1148271A true JPH1148271A (ja) | 1999-02-23 |
Family
ID=16656766
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21450197A Pending JPH1148271A (ja) | 1997-08-08 | 1997-08-08 | セルローストリアセテートフィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1148271A (ja) |
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- 1997-08-08 JP JP21450197A patent/JPH1148271A/ja active Pending
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