JP2579250B2 - セルローストリアセテートフイルムの製造方法 - Google Patents

セルローストリアセテートフイルムの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平面性が良好なセルロ
ーストリアセテートフイルムを製造する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】セルローストリアセテートフイルムの製
膜方法の一つに、バンドまたはドラム上にドープを流延
して剥ぎ取った後これを乾燥する溶液製膜法がある。
【0003】従来、この溶液製膜法における乾燥方法と
しては、例えば、図2に示すように、流延面1から剥ぎ
取ったドープ2を乾燥室3内に設けられた多数のロール
4の間に掛け渡し、その多数のロール4間を移動させる
(ロール搬送方式という)間に、熱風a、赤外線などで
乾燥するさせる方法があった(米国特許第2,319,053号
明細書等)。
【0004】また、流延面から剥ぎ取ったウェブの両側
縁部をテンタークリップ等で保持しながら、延伸させる
ことなく搬送しつつ乾燥する方法もあった(特開昭62-4
6625号、特開昭62-46626号各公報)。この方法は、流延
面から剥ぎ取ったウエブの残留溶媒が非常に多く、直接
ロール搬送するとロール表面の接触によりウェブの表面
が損なわれる場合に効果がある。
【0005】ところで、溶液製膜法は製膜速度が遅いこ
とが大きな問題点であり、乾燥工程においても乾燥速度
を上げることが工業上重要な課題となっていた。そこ
で、流延面上から剥ぎ取ったドープをできるだけ高温で
乾燥できるように、流延面から剥ぎ取りを早めるための
ゲル化剤、例えば、ブタノールなどの高沸点溶剤を含ま
せたり(米国特許第2,607,704号、米国特許第2,739,069
号各明細書等)、また、乾燥温度を高くしたりする方法
が提案されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の方法では、平面性故障が発生することが多かっ
た。すなわち、膜は高温になるにしたがって、搬送過程
において搬送方向に連続的なしわ(以後、スジバリと言
う。)が多発する。例えば、ピッチ30〜50mm、凹凸の高
さ搬送時5〜6mm(静止時で張力がない場合0.5〜1.0m
m)のスジバリが発生する。
【0007】このスジバリは、セルローストリアセテー
トフイルムを写真フイルム等の支持体として用いた時、
乳剤層の厚みむらの原因となるものであった。
【0008】本発明は、以上の問題点を解決し、高温乾
燥により高速製膜しても平面性が良好なセルローストリ
アセテートフイルムの製造方法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するためにスジバリの発生する原因に付いて鋭意
研究し、高温乾燥によって膜の弾性率が低下し、搬送方
向に作用する搬送テンションによってその方向に延伸さ
れやすくなり、そして、この時膜の幅方向には圧縮力が
働くので座屈変形し、その結果スジバリが発生するもの
であることを見出した。
【0010】そして、さらに研究の結果、セルロースト
リアセテートフイルムの溶液製膜工程において乾燥温度
を特定の条件にすることにより、高温で高速乾燥しても
フイルムの平面性が損なわれないことを見いだした。
【0011】すなわち、本発明のセルローストリアセテ
ートフイルムの製造方法は、ドープをバンドまたはドラ
ム上に流延した後、剥ぎ取って乾燥させる溶液製膜法に
おいて、最終乾燥工程に入る直前のドープの残留溶媒を
10%以下にし、最終乾燥工程において表面温度をガラス
転移温度からガラス転移温度+40℃の範囲に維持しつつ
ロールに巻回して膜を搬送し、かつ最終乾燥工程に至る
前の膜の表面温度を最終乾燥工程の膜の表面温度より15
℃以上低くしたことを特徴として構成されている。
【0012】最終乾燥工程におけるフイルムの表面温度
は、ガラス転移温度からガラス転移温度+40℃の範囲、
好ましくはガラス転移温度から20〜30℃高い範囲であ
る。ガラス転移温度未満では、十分な平面性改良の効果
が得られない。ガラス転移温度+40℃を越えると、膜の
弾性率が低下して搬送方向に延伸されやすくなり、ま
た、膜内の可塑剤の揮発量が著しく増加する。
【0013】最終乾燥工程に入る前のフイルムの表面温
度は、最終乾燥工程のフイルム表面温度より15℃以上、
好ましくは20〜45℃低くする。温度差が15℃未満では平
面性の改良効果が十分に得られない。
【0014】ガラス転移温度は、例えば、ASTM D3418−
82にもとずいてDSC(DiferentialScanning Calorimet
er;走査型示差熱量計) を用いて測定した値を用いる。
セルローストリアセテートフイルムのガラス転移温度は
102℃であった。
【0015】流延速度を増加させると乾燥室内を通過す
る時間が短くなるので残留溶媒は増加する。
【0016】最終乾燥工程以前の乾燥工程は、ロール搬
送方式でもよいし、特開昭63-27360号に開示されている
ような非接触搬送方式でもよい。
【0017】最終乾燥工程に至るドープの残留溶媒は、
10重量%以下、好ましくは2重量%以下であり、当然0
%であってもよい。残留溶媒が10重量%を越えると、最
終製品中の残留溶媒が多くなる。残留溶媒は下記の式に
よる。 残留溶媒(重量%)=(A−B)×100/A A:試料フイルムの重量(g) B:110℃、1時間、熱風乾燥後の試料フイルムの重量
(g)
【0018】最終乾燥工程に入る直前の残留溶媒量のコ
ントロールは、例えば、熱風の温度及び風量で行う。
【0019】
【作用】本発明のセルローストリアセテートフイルムの
製造方法では、最終乾燥工程で表面温度をガラス転移温
度からガラス転移温度+40℃の範囲にし、かつ最終乾燥
工程に至る前の表面温度を最終乾燥工程より15℃以上低
い温度としているので、最終乾燥工程は、最終乾燥工程
以前の工程で座屈変形によりスジバリ故障が発生した時
の温度、即ち形状記憶温度より高い温度になる。そし
て、この高い温度でロールに巻回して搬送し、座屈変形
した表面を平面に矯正する。
【0020】
【実施例】本発明のセルローストリアセテートフイルム
の製造方法の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0021】図1はセルローストリアセテートフイルム
の製造方法を実施するための製造装置の模式図である。
【0022】図において、符号11は流延部、符号12、13
及び14は、流延部11から剥ぎ取られた膜15を順次乾燥す
る第1乾燥室、第2乾燥室及び最終乾燥室である。そし
て、第1乾燥室12と第2乾燥室13の間に下塗り塗布部16
が設けられている。
【0023】流延部11は、所定温度に冷却されるバンド
17とその上部に設けられた流延口18からなっている。ま
た、第1、第2及び最終乾燥室乾燥12、13及び14は、そ
れぞれ、熱風供給口19、20及び21が設けられ、また、ウ
ェブ15を搬送するためのロール22、23及び24が設けられ
ている。
【0024】以上のような製造装置でセルローストリア
セテートフイルムを製造するには、まず、所定組成のド
ープをバンド17に流延し、流延されたドープが発泡しな
い温度条件で乾燥しつつ搬送する。そして、ある程度自
己保持性が出た時バンド17から剥ぎ取り、その後、第1
乾燥室12に送り込み、熱風供給口19から熱風aを送り込
みつつロール22で搬送し、下塗りができる状態にまで乾
燥させる。こうして乾燥させられた膜15は下塗り塗布部
16に送られ、写真感光材料用の下塗り剤が塗布される。
【0025】下塗りされた膜15は、第2乾燥室13へ送り
込まれ第1乾燥室12と同様に乾燥させられる。この2回
の乾燥工程で、膜15の残留溶媒は10%以下になってい
る。また、両乾燥室12、13での乾燥温度は、後述する最
終乾燥室14での乾燥温度より15℃以上低く設定されてい
る。
【0026】最後に、膜15は最終乾燥室14に送り込ま
れ、ガラス転移温度からガラス転移温度+40℃の範囲の
温度で加熱されつつロール24で搬送される。したがっ
て、ウェブ15は少し軟化した状態で引張り応力が発生す
るので、既に生じていた凹凸等の変形は解消される。そ
して、その後冷却して巻き取る。
【0027】実施例1〜4及び比較例1、2: セルローストリアセテート21重量%、トリフェニルホス
フェート3重量%、メチレンクロライド65重量%、メタ
ノール7重量%及びブタノール4重量%からなるドープ
を調製し、図1に示すセルローストリアセテートフイル
ムの製造装置を用い、厚さ約120μmのセルローストリ
アセテートフイルムを製造した。
【0028】そして、得られたセルローストリアセテー
トフイルムに写真乳剤を塗布して塗布ムラを評価した。
評価方法は現像処理後、透過光を用いて色ムラを肉眼で
判定した。乾燥条件及び評価結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1の結果より、実施例1〜4(本発明
品)は、高温乾燥したにもかかわらず、フイルム平面性
が良好で写真乳剤の塗布ムラは殆どなく良好であった。
これに対し、比較例1は、温度差が10℃であったために
塗布ムラが発生し、比較例2は、残留溶媒が10%以上で
あるので最終製品にも残留溶媒が残り不都合が発生し
た。
【0031】
【発明の効果】本発明は、セルローストリアセテートの
溶液製膜法において、平面性を良好に保持しつつ高温高
速乾燥することができるので、製膜速度を著しく高める
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセルローストリアセテートフイルムの
製造方法を実施する製造装置の模式図である。
【図2】従来のセルローストリアセテートフイルムの製
造装置の模式図である。
【符号の説明】
11 流延部 12 第1乾燥室 13 第2乾燥室 14 最終乾燥室 15 膜

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルローストリアセテートフイルム用ド
    ープをバンドまたはドラム上に流延した後、剥ぎ取って
    乾燥させる溶液製膜法において、最終乾燥工程に入る直
    前のドープの残留溶媒を10%以下にし、最終乾燥工程に
    おいて表面温度をガラス転移温度からガラス転移温度+
    40℃の範囲に維持しつつロールに巻回して膜を搬送し、
    かつ最終乾燥工程に至る前の膜の表面温度を最終乾燥工
    程の膜の表面温度より15℃以上低くしたことを特徴とす
    るセルローストリアセテートフイルムの製造方法
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