JPH1190944A - プラスティックフィルムの製造装置及び製造方法 - Google Patents

プラスティックフィルムの製造装置及び製造方法

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JPH1190944A
JPH1190944A JP25690597A JP25690597A JPH1190944A JP H1190944 A JPH1190944 A JP H1190944A JP 25690597 A JP25690597 A JP 25690597A JP 25690597 A JP25690597 A JP 25690597A JP H1190944 A JPH1190944 A JP H1190944A
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plastic film
tenter
slack
sag
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JP25690597A
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Tadahiro Kaneko
忠浩 金子
Katsuya Hashimoto
勝也 橋本
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルローストリアセテートフィルムをテンタ
ーを用いる溶液流延製膜方法で作製する場合、テンター
の入口にウエブを導入する際、導入が困難であったり、
平面性が損なわれたりしていた。特により幅の広いセル
ローストリアセテートフィルムを作製する際には更に困
難さが増す。 【解決手段】 テンターを用いる溶液流延製膜方法によ
りプラスティックフィルムを作製するにあたり、テンタ
ー入口前に、ウエブ幅手方向のたるみ抑制装置を有する
ことを特徴とするプラスティックフィルムの製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生産性が高く、かつ
品質の優れたプラスティックフィルムを得るための製造
装置に関し、その装置を用いたプラスティックフィルム
の製造方法に関する。特に、ハロゲン化銀写真感光材料
または液晶画像表示装置に有用なセルローストリアセテ
ートフィルムを得るための製造装置に関し、またその装
置を用いたセルローストリアセテートフィルムの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスティックフィルムを溶液流延製膜
法で製膜するのに従来は図1に示すような支持体から剥
離されたウエブをロール群6により引き回した乾燥装置
5で乾燥し作製されていた。近年、例えば特開昭62−
46625号、同62−46626号あるいは特開平4
−152125号等各公報に記載されているような図2
に示したようなテンター8によって幅保持を行いながら
乾燥する方法及び装置が示されている。これらテンター
8を用いて乾燥する方法はテンター入口9への導入の作
業性のやりにくさがあり、生産性を高めることがなかな
か難しい点が多かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】テンターを用いた溶液
流延製膜法によるプラスティックフィルムの作製にあた
り、支持体からウエブを剥離してからテンターに導入す
る際、ウエブは多量の溶媒を含有して柔らかいため、ウ
エブをテンターに導入し損なったり、そのため作業性を
よくするために大きなスペースをとることにより、テン
ター保持によって得られる平面性が損なわれたりした。
また、ロール群6により引き回して乾燥させる途中にテ
ンター8を用いる場合においても、ある程度の幅になる
とウエブの自重により発生するたるみで同様の問題を生
じ、なかなか生産性と品質を両立させることが困難であ
った。
【0004】本発明はテンターを用いた溶液流延製膜法
によりプラスティックフィルムを作製するにあたり、図
2のようにウエブ1を支持体3から剥離点4で剥離して
からテンター8の入口9に導入するまでの間、あるいは
図3のようにロール群6により引き回して乾燥させる途
中にテンター8を設け、その直前のロールからテンター
入口9までの間で、起こるトラブルを解決しようとする
ものである。トラブルの具体的なこととしては、この間
で、ウエブが自重でたるんだり、そのたるみ量が変動し
たりして、そのためテンタークリップの挟み幅が変化し
たり、ウエブが左右どちらかに偏ったりして、乾燥収縮
時に発生する張力がウエブ位置によって不均一となり、
平面性が悪化する。また、たるみが大きいとテンターク
リップがウエブをつかみ損ない切断事故や保持し損ない
等製膜工程がストップするなど生産性の低下につながっ
たりした。このような状況の中で、セルローストリアセ
テートフィルムの生産性をあげるために、ウエブの幅を
更に幅広くしようとしても、それは困難であった。
【0005】本発明の第1の目的は、支持体からウエブ
を剥離してからテンターの入口に導入するまでの間で、
ウエブの導入時における作業性の悪化や作業トラブルの
起こりにくいプラスティックフィルムの製造装置と製造
方法を提供することである。
【0006】本発明の第2の目的は、前記剥離してから
テンターの入口に導入するまでの間で発生する平面性の
劣化を抑制するプラスティックフィルムの製造装置と製
造方法を提供することである。
【0007】第3の発明はより幅の広いウエブであって
も、高品質のプラスティックフィルムを生産性良く製造
出来る製造装置と製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的を下記
(1)から(11)の態様により達成することが出来
た。
【0009】(1)テンターを用いる溶液流延製膜方法
によりプラスティックフィルムを作製するにあたり、テ
ンター入口前に、ウエブ幅手方向のたるみ抑制装置を有
することを特徴とするプラスティックフィルムの製造装
置。
【0010】(2)前記プラスティックフィルムがセル
ローストリアセテートフィルムであることを特徴とする
請求項1に記載のプラスティックフィルムの製造装置。
【0011】(3)前記たるみ抑制装置が、幅手方向に
広がる角度が2〜60゜の方向範囲で回転する回転ロー
ラーを有することを特徴とする(1)または(2)に記
載のプラスティックフィルムの製造装置。
【0012】(4)前記たるみ抑制装置が、ウエブの上
部に吸気装置を有することを特徴とする(1)または
(2)に記載のプラスティックフィルムの製造装置。
【0013】(5)前記たるみ抑制装置が、ウエブの下
から送風出来る送風機を有することを特徴とする(1)
または(2)に記載のプラスティックフィルムの製造装
置。
【0014】(6)テンターを用いる溶液流延製膜方法
によりプラスティックフィルムを作製するにあたり、テ
ンター入口前に有するウエブ幅手方向のたるみ抑制装置
により、たるみを抑制することを特徴とするプラスティ
ックフィルムの製造方法。
【0015】(7)該プラスティックフィルムがセルロ
ーストリアセテートフィルムであることを特徴とする請
求項6に記載のプラスチックフィルムの製造方法。
【0016】(8)前記たるみ抑制装置により、テンタ
ー入口でのウエブのたるみを、たるみ抑制前のたるみ高
さ:ΔDの20%以下とし、かつ、たるみ率:Dが、D
≦5の範囲で製造することを特徴とする(6)または
(7)に記載のプラスティックフィルムの製造方法。
【0017】ここで、ΔDはウエブ剥離点あるいはテン
ター入口に最も近いロールからテンター入口までの間の
ほぼ中間点でのウエブ縁部とウエブ中央部の高さの差
(m)である。また、Dはたるみ率(%)で、D=(Δ
D/S)×100で表され、Sはウエブを平らにしたと
きの幅(m)である。
【0018】(9)前記たるみ抑制装置が、テンター入
口の手前で幅手方向に広がる角度が2〜60゜の方向範
囲で回転する回転ローラーにより前記ウエブのたるみを
抑制することを特徴とする(6)乃至(8)のいずれか
に記載のプラスティックフィルムの製造方法。
【0019】(10)前記たるみ抑制装置が、前記ウエ
ブの上部に吸気装置により前記ウエブのたるみを抑制す
ることを特徴とする(6)乃至(8)のいずれかに記載
のプラスティックフィルムの製造方法。
【0020】(11)前記たるみ抑制装置が前記ウエブ
の下から送風出来る送風機により前記ウエブのたるみを
抑制することを特徴とする(6)乃至(8)のいずれか
に記載のプラスティックフィルムの製造方法。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明を詳述する。
【0022】本発明で用いる溶液流延製膜法を図2を用
いて説明すると、プラスティック樹脂を溶媒に溶解した
ドープを、精密に定量出来る加圧型ギヤポンプ等により
ダイス2に送り、ダイスから鏡面を有する支持体3の上
に流延し、ドープ膜となし、支持体上で両面から熱を加
え含有している溶媒を蒸発させて、支持体が約一周した
ところの剥離点4でウエブ1(かなり乾燥されたドープ
膜をウエブと呼ぶこととする)を剥離し、テンター8に
導入して乾燥する、あるいは必要に応じて、ローラー群
6により引き回して乾燥させる乾燥装置5に導入し、こ
の途中にテンターを設けて乾燥させ、巻き取り、プラス
ティックフィルムとする。ここで、テンター8はポリエ
ステル延伸型のクリップ(以後断らない限りクリップを
指すこととする)でもピン型クリップでもよく、ウエブ
を保持出来る形態のものならば特に形状にはとらわれな
い。
【0023】本発明のウエブの幅は1.0m以上5m以
下であり、あまり広すぎると生産しにくくなる。1.8
m以上4m位が操作上、あるいは生産性の点から好まし
い。
【0024】テンター入口9では、ウエブが自重で垂れ
下がり、広幅のウエブでは更に垂れ下がる距離(高さ)
ΔD(m)は大きくなる。また剥離点における残留溶媒
量(重量%)は200から80重量%程度で剥がされ
る。垂れ下がり量と生産速度を考慮すれば、好ましくは
150から100重量%である。残留溶媒量が多くなれ
ばなるほど、ウエブは重くなり、垂れ下がり高さΔDは
高くなる。また使用する溶媒種によっても重さ及び垂れ
下がり高さは異なる。
【0025】なお、本発明で用いられる残留溶媒は測定
点においてサンプリングしたウエブを秤量瓶に入れてウ
エブ重量A(g)を秤量し、後にウエブ試料を115℃
で1時間加熱後、水分を吸着しないように室温まで冷却
し、秤量瓶の重量を計り、乾燥ウエブの重量B(g)
と、下記の式に従って計算される。
【0026】 残留溶媒量(重量%)={(A−B)/B}×100 本発明において、ウエブの垂れ下がり高さΔD(m)は
ウエブ幅S(m)との関係からたるみ率D(%)が次の
式によって示される。ただし、Sはウエブを平らなとこ
ろで平らにした時の長さである。
【0027】D=(ΔD/S)×100 本発明はテンター8の入口9の手前で、たるみをたるみ
抑制装置で抑制し、テンター入口9、つまりクリップへ
の挟み込みをスムースに行い、かつ優れた平面性のフィ
ルムを得ることである。特に、たるみ抑制装置により、
たるみをΔDの20%以下とし、かつD≦5.0の範囲
を満足する時に、スムースなクリップへの挟み込みが可
能となり平面性の良好なフィルムを得ることが出来る。
【0028】たるみを抑制するたるみ抑制装置は、残留
溶媒を多く含み、より幅の広いウエブのたるみを抑制す
る装置であれば制限がないが、下記の装置が好ましい態
様である。
【0029】本発明の第1のたるみ抑制装置は、テンタ
ー入口9の手前で、図4に示すように、テンター入口9
に向かって、幅手の外側方向に広がる角度θが2〜60
゜の角度の範囲で回転ローラー10をそれぞれ縁部に設
置し、それらの回転ローラー10はウエブ1を幅手外側
に引っ張る方向に回転するようになっている。角度が2
゜未満では引っ張り効果が小さく、60゜を越えるとウ
エブにローラーの引っ掻ききずをつくりやすいため、θ
はこの間の範囲が望ましい。回転ローラー10はローラ
ー表面にウエブ表面を傷つけることのないよう、図5の
ようにエッジの角がなく丸みを持つ突起11を有してい
ることが好ましい。またブラシ状のものでもよい。表面
の材質としては、有機溶媒に耐性のあるものであればな
んでもよいが、ハロゲン化写真感光材料にかぶりなどの
影響を及ぼさない材質である必要がある。テフロンやフ
ッ素ゴム等は本発明に好ましく用いられる。回転ローラ
ー10の回転数は回転ローラー10のウエブ搬送方向ベ
クトルの移動速度がウエブ搬送速度と同等となるように
するのがよい。
【0030】本発明の第2の抑制装置は、図6のよう
に、ウエブの下側からウエブ面に向けて送風し、たるみ
を矯正する方法を用いたものである。図6は第2の抑制
装置を有する溶液流延製膜装置の一部の断面図である。
送風機12の吹き出し面13の送風口15(図7)から
ウエブに向かって上に送風される(矢印で送風の方向を
14で示した)。図7はウエブの上側から見た図で、吹
き出し面13が見える平面図である。図7の吹き出し面
13には多数の送風口15があり、これをパンチ板と称
している。送風口15はパンチ板以外に長いスリットを
有するスリット板もあり、吹き出し面13に丸い穴の代
わりに複数のスリットがあってもよい。本発明ではパン
チ板もスリット板も好ましく用いられる。パンチ板ある
いはスリット板からの送風はウエブ1幅全面に送風して
もよいが、たるみの高さが高い中心部を中心に送風する
のが好ましい。また、パンチ板あるいはスリット板の吹
き出す風量あるいは風速を細かく変化させてもよく、た
るみに応じて変化させるのが好ましい。吹き出し面13
のウエブ1の幅に対して縁より約1m以内が好ましい。
【0031】本発明の第3の抑制装置は、図8のよう
に、ウエブの上面からウエブの表面を吸引する方法を用
いたものである。図8は第3の抑制装置を有する溶液流
延製膜装置の一部の断面図である。剥離されたウエブ1
をテンター8の入口9までの間、吸引装置16の吸引口
17からの吸気によりたるみを補正しようとするもので
あり、吸引装置16の位置は図8のようにウエブ1の搬
送方向に平行にウエブ1の中央部を中心にするのがよ
い。吸気装置の縁はウエブの縁がら約1m以内が好まし
い。
【0032】以上のように、3つの方法のたるみ抑制装
置をテンター入口前に設置することによって平面性の優
れたセルローストリアセテートフィルムを得ることがで
きるばかりでなく、テンターの入口における導入トラブ
ルを解消し生産性を向上することが出来た。特により、
上記のたるみ抑制装置が有効に働き、今まで得にくかっ
たより幅の広いセルローストリアセテートフィルムを容
易にうることが出来た。
【0033】本発明に有用なプラスティックフィルムに
は、セルロースアセテートフィルムやポリカーボネート
フィルムがあり、いずれも有機溶媒に溶解して、溶液流
延製膜法で作製され得る。
【0034】ポリカーボネートフィルムはポリカーボネ
ート樹脂をメチレンクロライドを主溶媒とした溶媒に溶
解し、支持体上に流延し乾燥して得られる。ポリカーボ
ネート樹脂は市販品をもちいることが出来る。
【0035】本発明に有用なセルロースアセテートフィ
ルムには、セルローストリアセテートフィルム、セルロ
ースジアセテート、セルロースアセテート−プロピオネ
ート、セルロースアセテートブチレート等がある。これ
らのうち、特にセルローストリアセテートフィルムが好
ましく用いられる。
【0036】本発明に有用なセルローストリアセテート
フィルムに用いられるセルローストリアセテートの平均
酢化度は58.0%以上62.5%以下であり、本発明
ではこの範囲のものをセルローストリアセテートと呼ぶ
こととする。一般的には、セルロースアセテートの酢化
度が53%以上56%以下のものをセルロースジアセテ
ートといい、酢化度が58%以上62.5%以下のもの
をセルローストリアセテートと呼んでいる。酢化度の他
に反応度を示す表示様式には置換度あるいはアセチル化
度がある。酢化度はセルロースの水酸基に酢酸が反応し
た時の、酢酸(CH3COOH)重量%で表したもの
で、最高に反応した場合が62.5%である。アセチル
化度は同様に反応した時のアセチル基(CH3CO)重
量%で表したもので、最高に反応した場合44.8%で
ある。置換度はアセチル基がセルロース分子のOH基に
反応した度合いを表し、全OH基に反応した場合を3.
00として表す。これはセルロース分子の最小単位のグ
ルコース単位の3個のOH基に3個のアセチル基が置換
されたことを意味する。なお、酢化度の測定はASTM
のD−817−97のセルロースアセテート等の試験法
に記載されている方法により測定出来る。
【0037】本発明に使用するセルローストリアセテー
トの重合度(粘度平均)は220以上500以下のもの
が好ましい。一般的にセルローストリアセテートを含む
セルローストリアセテートフィルム、繊維または成型品
の機械的強度がタフであるためには重合度が200以上
あることが必要とされており、祖父江寛、右田伸彦編
「セルロースハンドブック」朝倉書房(1985)や、
丸沢廣、宇田和夫編「プラスチック材料講座17」日刊
工業新聞社(1970)に記載されている。本発明のセ
ルローストリアセテートの重合度は更に好ましくは25
0から350である。粘度平均重合度はオストワルド粘
度計で測定することができ、測定されたセルローストリ
アセテートの固有粘度[η]から下記の式により求めら
れる。
【0038】DP=[η]/Km 式中:DPは粘度平均重合度、Kmは定数6×10-4 本発明に使用するセルローストリアセテート溶液の有機
溶媒としてはメチレンクロライド、アセトン、酢酸メチ
ル、フルオロアルコール(沸点40℃以上165℃以
下)、アセト酢酸メチル、1,3−ジオキソラン、1,
4−ジオキサン、等を挙げることが出来る。
【0039】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0040】(基本条件)ここに記載するセルロースト
リアセテートフィルム作製条件は、基本的なものであ
り、以降の実施例の条件の基本となるものである。セル
ローストリアセテート100重量部、メチレンクロライ
ド380重量部、エタノール及びTPP12重量部から
なるドープを用いて、ダイスからウエブ幅が2mになる
ように鏡面を有するエンドレスに走行するステンレスベ
ルト上に流延し、ベルトがほぼ1回転したところで剥離
し、剥離直後のウエブの残留溶媒量を130重量%と
し、剥離後ウエブをロール群6により引き回して乾燥
し、残留溶媒量が約40重量%になったところでウエブ
を、テンター8に導入して幅保持をしながら乾燥させ、
更に乾燥装置で乾燥を完結させ、厚さ125μmのセル
ローストリアセテートフィルムを得た。
【0041】(平面性の測定)作製したセルローストリ
アセテートフィルムを小坂研究所製触針式3次元表面粗
さ計サーフコーダーでテンター保持内側縁からフィルム
中心に向かって間隔20mmの2本のライン上を、搬送
方向へ間隔50mmで10個所測定点を選んで各点10
mm走査し、得られた中心線平均粗さ:Ra(μm)の
10点の平均値で平面性を評価した。
【0042】(実施例1〜3)テンター入口の直ぐ手前
に、ウエブの両縁部のところから5cmのところの上下
に図4の10及び図5に示した幅5cmのローラーを回
転方向が搬送方向に対して角度θを2゜、20゜及び5
0゜になるように外側に広がるように設置し、剥離した
ウエブに上記回転しているローラーを接触させてテンタ
ーに導入した。仕上がったそれぞれの(実施例1、2、
3)セルローストリアセテートフィルムをサンプリング
し、平面性を測定し、またフィルムの表面状態を観察し
た。
【0043】(比較例1及び2)回転ローラーを使用し
ない(比較例1)、また回転ローラーのθを80゜にし
た(比較例2)以外は実施例1と同様にセルローストリ
アセテートフィルムを作製し、平面性の測定及び表面状
態の観察を行った。実施例1〜3とともに結果を表1に
示した。
【0044】
【表1】
【0045】(結果)回転ローラーの角度θを2゜、2
0゜及び50゜にしてウエブに接触させてテンターに導
入したところ、平面性に優れ、表面の状態も良好なセル
ローストリアセテートフィルムを得ることが出来た。こ
れに対して、回転ローラーを使用しなかったものは表面
にシワが見られ、平面性の粗さは良くなかった。また回
転ローラーの角度を80゜にしたものは両縁部に多数の
引っ掻き傷があり、平面性も劣化していた。
【0046】(実施例4)テンター入口手前に図6及び
図7のようにウエブの下側に、またウエブの両端部から
60cmのところに送風機12の両端になるように幅8
0cm、長さ1mのパンチ板型送風機12を設置し、ウ
エブの下から35℃の風を5m/secで送風した。
【0047】(比較例3)剥離点とテンター入口までの
間に送風機を設置しなかった以外は実施例4と同様にセ
ルローストリアセテートフィルムを得た。なお比較例1
とも比較した。結果を実施例4とともに表2に示した。
【0048】
【表2】
【0049】(結果)比較例3ではたるみが非常に大き
くテンター導入が困難であり、やっと通した試料は平面
性が悪かったのに対して実施例4は送風機の上ではほと
んどたるみはなく、平面性も優れていた。比較例1は剥
離点からテンター入口までの距離はほとんどない場合で
あるが、本発明の送風機を使用したものはそれに比べ非
常に優れていた。
【0050】(実施例5)回転ローラーの代わりにテン
ターの入口の手前に図8及び図9のように、ウエブの上
側にウエブの両端部から60cmのところに吸引装置1
6の両端がくるように幅80cm、長さ2mの吸引装置
16を、またウエブ(平らにした時の平面)から100
mmのところに吸引装置の底がくるように設置し、ウエ
ブの上方へ開口部1m2あたり10(m3/sec)で吸
引した以外は、実施例1と同様にセルローストリアセテ
ートフィルムを作製し、平面性を評価し、結果を表3に
示した。比較は比較例1及び3で行った。
【0051】
【表3】
【0052】比較例3では、たるみが非常に大きくテン
ター導入が困難であり、やっと通した試料は平面性が悪
かったのに対して、実施例5は吸引機の下ではほとんど
たるみはなく、平面性も優れていた。比較例1は剥離点
からテンター入口までの距離はほとんどない場合である
が、本発明の吸引機を使用したものはそれに比べ非常に
優れていた。
【0053】
【発明の効果】本発明のたるみ抑制装置をテンター入口
前に設置することによって平面性の優れたセルロースト
リアセテートフィルムを得ることが出来るばかりでな
く、テンターの入口における導入トラブルを解消し生産
性を向上することが出来た。特により、上記のたるみ抑
制装置が有効に働き、今まで得にくかったより幅の広い
セルローストリアセテートフィルムを容易に得ることが
出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶液流延製膜装置の断面図である。
【図2】テンターを有する溶液流延製膜装置の断面図で
ある。
【図3】テンターを有する溶液流延製膜装置の断面図で
ある。
【図4】たるみ抑制装置(回転ローラー)を有する溶液
流延製膜装置の一部の断面図である。
【図5】たるみ抑制装置の1実施例を示した回転ローラ
ーの斜視図である。
【図6】たるみ抑制装置(送風機)を有する溶液流延製
膜装置の一部の断面図である。
【図7】たるみ抑制装置(送風機)をウエブの下に設置
した状態を示した平面図である。
【図8】たるみ抑制装置(吸引機)を有する溶液流延製
膜装置の一部の断面図である。
【図9】たるみ抑制装置(吸引機)の斜視図である。
【符号の説明】
1 ウエブ 2 ダイス 3 支持体 4 剥離点 5 乾燥装置 6 ロール(群) 7 乾燥風 8 テンター 9 テンター入口 10 回転ローラー 11 突起 12 送風機 13 吹き出し面 14 送風の方向 15 送風口(パンチ板の穴) 16 吸引装置 17 吸引口 18 吸気の方向

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テンターを用いる溶液流延製膜方法によ
    りプラスティックフィルムを作製するにあたり、テンタ
    ー入口前に、ウエブ幅手方向のたるみ抑制装置を有する
    ことを特徴とするプラスティックフィルムの製造装置。
  2. 【請求項2】 前記プラスティックフィルムがセルロー
    ストリアセテートフィルムであることを特徴とする請求
    項1に記載のプラスティックフィルムの製造装置。
  3. 【請求項3】 前記たるみ抑制装置が、幅手方向に広が
    る角度が2〜60゜の方向範囲で回転する回転ローラー
    を有することを特徴とする請求項1または2に記載のプ
    ラスティックフィルムの製造装置。
  4. 【請求項4】 前記たるみ抑制装置が、ウエブの上部に
    吸気装置を有することを特徴とする請求項1または2に
    記載のプラスティックフィルムの製造装置。
  5. 【請求項5】 前記たるみ抑制装置が、ウエブの下から
    送風出来る送風機を有することを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載のプラスティックフィルムの製造装置。
  6. 【請求項6】 テンターを用いる溶液流延製膜方法によ
    りプラスティックフィルムを作製するにあたり、テンタ
    ー入口前に有するウエブ幅手方向のたるみ抑制装置によ
    り、たるみを抑制することを特徴とするプラスティック
    フィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 該プラスティックフィルムがセルロース
    トリアセテートフィルムであることを特徴とする請求項
    6に記載のプラスチックフィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記たるみ抑制装置により、テンター入
    口でのウエブのたるみを、たるみ抑制前のたるみ高さ:
    ΔDの20%以下とし、かつ、たるみ率:Dが、D≦5
    の範囲で製造することを特徴とする請求項6または7に
    記載のプラスティックフィルムの製造方法。ここで、Δ
    Dはウエブ剥離点あるいはテンター入口に最も近いロー
    ルからテンター入口までの間のほぼ中間点でのウエブ縁
    部とウエブ中央部の高さの差(m)である。また、Dは
    たるみ率(%)で、D=(ΔD/S)×100で表さ
    れ、Sはウエブを平らにしたときの幅(m)である。
  9. 【請求項9】 前記たるみ抑制装置が、テンター入口の
    手前で幅手方向に広がる角度が2〜60゜の方向範囲で
    回転する回転ローラーにより前記ウエブのたるみを抑制
    することを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載
    のプラスティックフィルムの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記たるみ抑制装置が、前記ウエブの
    上部に吸気装置により前記ウエブのたるみを抑制するこ
    とを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載のプラ
    スティックフィルムの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記たるみ抑制装置が前記ウエブの下
    から送風出来る送風機により前記ウエブのたるみを抑制
    することを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載
    のプラスティックフィルムの製造方法。
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