JP2003001654A - フィルムの製造方法および装置 - Google Patents

フィルムの製造方法および装置

Info

Publication number
JP2003001654A
JP2003001654A JP2001191402A JP2001191402A JP2003001654A JP 2003001654 A JP2003001654 A JP 2003001654A JP 2001191402 A JP2001191402 A JP 2001191402A JP 2001191402 A JP2001191402 A JP 2001191402A JP 2003001654 A JP2003001654 A JP 2003001654A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
endless belt
roll
back roll
dope
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001191402A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4770072B2 (ja
Inventor
Shoichi Sugitani
彰一 杉谷
Kazuyuki Shimizu
和之 清水
Hiroyuki Goto
洋之 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2001191402A priority Critical patent/JP4770072B2/ja
Publication of JP2003001654A publication Critical patent/JP2003001654A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4770072B2 publication Critical patent/JP4770072B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンドレスベルトの微小振動の発生を防止し
て製造されるフィルムの膜厚変動を小さくしうるフィル
ムの製造方法を提供する。 【解決手段】 エンドレスベルト1上に原料樹脂のドー
プを流延してウェブWを形成し、形成したウェブWをエ
ンドレスベルト1から剥離した後、剥離したウェブWを
乾燥させてフィルムFを得るようになされた溶液流延製
膜法によりフィルムを製造する方法である。ドープ流延
部において、エンドレスベルト1の裏面に接触してエン
ドレスベルト1を支持するバックロール200の回転時に
おけるエンドレスベルト1に対する接触部の上下方向の
変動量を、100μm以下にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、たとえば液晶画
像表示装置の偏光板保護膜および光学補償フィルム等に
用いられる光学用のセルロースエステルフィルムを製造
するのに適用されるフィルムの製造方法および装置に関
する。
【0002】この明細書において、流延されたドープが
エンドレスベルト上で乾燥され、エンドレスベルトから
剥離しうるドープ膜の状態となって以後、最終的に乾燥
されてフィルムになるまでの間のものを「ウェブ」と称
するものとする。
【0003】
【従来の技術】液晶画像表示装置は、低電圧かつ低消費
電力でIC回路への直結が可能であり、しかも薄型化が
可能であるから、ワードプロセッサやパーソナルコンピ
ュータ等の表示装置として広く使用されている。ところ
で、この液晶画像表示装置の基本的な構成は、液晶セル
の両側に偏光板を設けたものである。偏光板は、一定方
向の偏波面の光だけを通すので、液晶画像表示装置にお
いては、偏光板は、電界による配向の変化を可視化させ
るさせる重要な役割を担っており、偏光板の性能によっ
て液晶画像表示装置の性能が大きく左右される。
【0004】偏光板の一般的な構成は、たとえばアルカ
リ鹸化して一軸延伸されかつヨウ素染色されたポリビニ
ルアルコールフィルムからなる偏光膜の片面または両面
に、セルローストリアセテートフィルムやセルロースア
セテートプロピオネートフィルム等のセルロースエステ
ルフィルムからなる保護膜が、ポリビニルアルコールの
ような粘着剤を介して貼り合わせられたものである。
【0005】このようなセルロースエステルフィルム
は、一般に、溶液流延製膜法により製造されている。
【0006】すなわち、セルロースエステルのドープ
を、ダイにより、表面に鏡面処理が施されたエンドレス
ベルト上に流延し、エンドレスベルトがほぼ1周する間
に、流延されたドープを乾燥させることによりウェブを
形成するとともに、このウェブを剥離ロールにより剥離
し、剥離されたウェブを加熱乾燥装置において加熱乾燥
してフィルムを得、このフィルムを巻取ロールに巻き取
ることにより、セルロースエステルフィルムが製造され
ている。
【0007】しかしながら、ダイによりドープを流延す
るドープ流延部においてエンドレスベルトが振動する
と、ダイとエンドレスベルトの表面との距離が周期的に
変動し、その結果ダイから吐出されるドープの膜厚が周
期的に変動する。したがって、製造されるフィルムの膜
厚にも周期的な変動が発生して、均一膜厚のフィルムを
得ることができなくなる。そこで、ドープ流延部でのエ
ンドレスベルトの振動を抑制する目的で、ドープ流延部
においてはエンドレスベルトの上側移動経路の下方にバ
ックロールが配置され、バックロールがエンドレスベル
トの裏面に接触することによりエンドレスベルトを支持
するようになされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近では、
液晶画像表示装置の需要増加によって、偏光板の保護膜
として用いられるセルロースエステルフィルムの生産量
が拡大しており、生産速度を速くする必要性が生じてい
る。また、携帯用液晶パネルの需要増加により、偏光板
の一層の薄肉化が進められており、保護膜としてのセル
ロースエステルフィルムの一層の薄肉化も要求されてい
る。
【0009】しかしながら、生産速度を速くしたり、セ
ルロースエステルフィルムの薄肉化を図ると、従来の方
法のようにバックロールを用いるだけでは、製造される
セルロースエステルフィルムの膜厚変動を十分に小さく
することができないことが判明した。
【0010】そこで、バックロールを用いた場合におい
ても、生産速度を速めたり、製造するセルロースエステ
ルフィルムの薄肉化を図ったりした場合に、製造される
セルロースエステルフィルムの膜厚変動を十分に小さく
することができない原因を調べたところ、バックロール
自身の回転精度が十分ではないこと、およびバックロー
ルに付着した汚れにより、エンドレスベルトに微小振動
が発生していることが判明した。
【0011】この発明の目的は、上記問題を解決し、エ
ンドレスベルトの微小振動の発生を防止し、その結果製
造されるフィルムの膜厚変動を小さくしうるフィルムの
製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によるフ
ィルムの製造方法は、エンドレスベルト上に原料樹脂の
ドープを流延してウェブを形成し、形成したウェブをエ
ンドレスベルトから剥離した後、剥離したウェブを乾燥
させてフィルムを得るようになされた溶液流延製膜法に
よりフィルムを製造する方法において、ドープ流延部に
おいてエンドレスベルトの裏面に接触してエンドレスベ
ルトを支持するバックロールの回転時におけるエンドレ
スベルトに対する接触部の上下方向の変動量を、100
μm以下にするものである。
【0013】請求項1の発明において、バックロールの
回転時におけるエンドレスベルトに対する接触部の上下
方向の変動量は、静止時においてバックロールの中心軸
線が位置する基準直線と、バックロールが1回転する間
における上記接触部との間の距離の変動を測定し、その
最大値と最小値との差を算出することにより求められる
値を意味するものとする。また、請求項1の発明におい
て、バックロールの回転時におけるエンドレスベルトに
対する接触部の上下方向の変動量を、100μm以下に
限定したのは、100μmを越えるエンドレスベルトに
微小振動が発生し、製造されたフィルムに、その長手方
向に数mmの周期で比較的大きな膜厚変動が発生するか
らである。バックロールの回転時におけるエンドレスベ
ルトに対する接触部の上下方向の変動量は、60μm以
下であることが好ましい。
【0014】請求項2の発明によるフィルムの製造方法
は、請求項1の発明において、バックロールの表面粗さ
を、最大高さRmaxで0.2〜1.2μmとしておくも
のである。バックロールの表面粗さを、最大高さRmax
で0.2〜1.2μmの範囲内に限定したのは、0.2
μm未満であると、エンドレスベルトの蛇行制御を行う
ためにエンドレスベルトを幅方向に移動させようとして
もスムーズに移動せずに、蛇行制御が不能になり、1.
2μmを越えると、エンドレスベルトの裏面の汚れがバ
ックロールの周面に転写して汚れやすくなり、この汚れ
がエンドレスベルトの振動発生の原因となるからであ
る。バックロールの表面粗さは、最大高さRmaxで0.
2〜1.0μmの範囲内にすることが好ましい。
【0015】請求項3の発明によるフィルムの製造方法
は、請求項1または2の発明において、エンドレスベル
トの裏面の表面粗さを、平均表面粗さRaで3〜100
μmとしておくものである。エンドレスベルトの裏面の
表面粗さを、平均表面粗さRaで3〜100μmの範囲
内に限定したのは、3μm未満であると、バックロール
との摩擦が大きくなってエンドレスベルトの蛇行制御時
にバックロールの周面が傷付けられて汚れが付着し、こ
の汚れがエンドレスベルトの振動発生の原因となった
り、あるいは傷そのものがエンドレスベルトの振動発生
の原因となったりし、100μmを越えると、エンドレ
スベルトの裏面を案内するガイドロールの表面がエンド
レスベルトにより削られてエンドレスベルトの裏面が汚
れやすくなり、バックロール周面の汚れに繋がってエン
ドレスベルトの振動発生の原因となるからである。エン
ドレスベルトの裏面の表面粗さは、平均表面粗さRaで
5〜80μmであることが好ましい。
【0016】請求項4の発明によるフィルムの製造方法
は、請求項1〜3のうちのいずれかの発明において、バ
ックロールの周面に堆積する汚れの量を、0.1g/m
以下に保つものである。バックロールの周面に堆積し
た汚れの量が0.1g/mを越えると、エンドレスベ
ルトの振動が発生するからである。
【0017】請求項5の発明によるフィルムの製造方法
は、エンドレスベルト上に原料樹脂のドープを流延して
ウェブを形成し、形成したウェブをエンドレスベルトか
ら剥離した後、剥離したウェブを乾燥させてフィルムを
得るようになされた溶液流延製膜法によりフィルムを製
造する方法において、ドープ流延部においてエンドレス
ベルトの裏面に接触してエンドレスベルトを支持するバ
ックロールの周面に波長400nmの光を投射したさい
の反射率を、汚れが付着していない状態の反射率を10
0%として80%以上に保つものである。バックロール
の周面に波長400nmの光を投射したさいの反射率
が、汚れが付着していない状態の反射率を100%とし
て80%未満であると、バックロール表面が汚れてエン
ドレスベルトの振動発生の原因となり、あるいは最悪の
場合はエンドレスベルトの破損の原因となるからであ
る。
【0018】請求項6の発明によるフィルムの製造方法
は、請求項5の発明において、バックロールの周面を、
間欠的または連続的に清掃することを特徴とするもので
ある。
【0019】請求項7の発明によるフィルムの製造方法
は、請求項5または6の発明において、バックロールの
周面に波長400nmの光を投射したさいの反射率を測
定することによりバックロールの周面の汚れを検出し、
上記反射率が、汚れが付着していない状態の反射率を1
00%として80%未満になったときに、バックロール
周面の清掃を行うものである。請求項5の発明のところ
でも述べたように、バックロールの周面に波長400n
mの光を投射したさいの反射率が、汚れが付着していな
い状態の反射率を100%として80%未満であると、
バックロール表面が汚れてエンドレスベルトの振動発生
の原因となったり、エンドレスベルトの破損の原因とな
るからである。
【0020】請求項8の発明によるフィルムの製造方法
は、請求項6または7の発明において、バックロール周
面の清掃を、清掃用不織布をバックロールの回転方向後
方に送りながら、押圧ロールによってバックロールの全
長にわたって線圧1kg/cm以上で線接触させること
により行うものである。この場合、フィルムの製造を長
時間連続して行ったとしても、得られるフィルムの膜厚
変動を小さくすることができる。
【0021】請求項9の発明によるフィルムは、請求項
1〜8のうちのいずれかに記載の方法により製造された
ものである。
【0022】請求項10の発明によるフィルムは、請求
項9の発明において、膜厚が20〜60μmとなされた
ものである。
【0023】請求項11の発明によるフィルムは、請求
項9または10の発明において、セルロースエステルか
らなるものである。
【0024】請求項12の発明による偏光板は、請求項
11の発明によるフィルムからなる保護膜を有するもの
である。
【0025】請求項13の発明によるフィルムの製造装
置は、エンドレスベルトと、原料樹脂のドープをエンド
レスベルト上に吐出する流延手段と、ドープ流延部にお
いてエンドレスベルトの裏面に接触してエンドレスベル
トを支持するバックロールと、エンドレスベルト上に流
延されたドープを乾燥させてウェブを形成する乾燥装置
と、エンドレスベルトからウェブを剥離する剥離ロール
と、剥離されたウェブを乾燥させてフィルムを得る乾燥
装置とを備えたフィルムの製造装置において、バックロ
ールの回転時におけるエンドレスベルトに対する接触部
の上下方向の変動量が、100μm以下となされている
ものである。この発明において、バックロールの回転時
におけるエンドレスベルトに対する接触部の上下方向の
変動量の意味およびその限定理由は、請求項1の発明と
同じである。
【0026】請求項14の発明によるフィルムの製造装
置は、請求項13の発明において、バックロールの表面
粗さが、最大高さRmaxで0.2〜1.2μmとなされ
ているものである。この発明において、バックロールの
表面粗さの限定理由は、請求項2の発明と同じである。
【0027】請求項15の発明によるフィルムの製造装
置は、請求項13または14の発明において、エンドレ
スベルトの裏面の表面粗さが、平均表面粗さRaで3〜
100μmとなされているものである。この発明におい
て、エンドレスベルト裏面の表面粗さの限定理由は、請
求項3の発明と同じである。
【0028】請求項16の発明によるフィルムの製造装
置は、請求項13〜15のうちのいずれかの発明におい
て、バックロールの周面に堆積する汚れの量が、0.1
g/m以下に保たれるようになされているものであ
る。この発明において、バックロール周面に堆積する汚
れの量の限定理由は、請求項4の発明と同じである。
【0029】請求項17の発明によるフィルムの製造装
置は、エンドレスベルトと、原料樹脂のドープをエンド
レスベルト上に吐出する流延手段と、ドープ流延部にお
いてエンドレスベルトの裏面に接触してエンドレスベル
トを支持するバックロールと、エンドレスベルト上に流
延されたドープを乾燥させてウェブを形成する乾燥装置
と、エンドレスベルトからウェブを剥離する剥離ロール
と、剥離されたウェブを乾燥させてフィルムを得る乾燥
装置とを備えたフィルムの製造装置において、バックロ
ールの周面に波長400nmの光を投射したさいの反射
率が、汚れが付着していない状態の反射率を100%と
して80%以上に保たれるようになされているものであ
る。この発明において、バックロール周面の反射率の限
定理由は、請求項5の発明と同じである。
【0030】請求項18の発明によるフィルムの製造装
置は、請求項17の発明において、バックロールの周面
を間欠的または連続的に清掃する清掃手段を備えている
ことを特徴とするものである。
【0031】請求項19の発明によるフィルムの製造装
置は、請求項17または18の発明において、バックロ
ールの周面に波長400nmの光を投射したさいの反射
率を測定する反射率測定装置を備えており、反射率測定
装置により測定された反射率が、汚れが付着していない
状態の反射率を100%として80%未満になったとき
に、清掃手段によりバックロール周面の清掃が行われる
ようになされているものである。
【0032】請求項20の発明によるフィルムの製造装
置は、請求項18または19の発明において、清掃手段
が、所定長さの不織布を巻き取っておりかつバックロー
ルの回転方向後方に不織布を繰り出す不織布繰り出しロ
ールと、不織布繰り出しロールから繰り出された不織布
を巻き取る不織布巻取ロールと、不織布繰り出しロール
から繰り出された不織布を、不織布巻取ロールに巻き取
る前にバックロールの周面に、線圧1kg/cm以上で
押し付ける押圧ロールとを備えているものである。
【0033】この発明によるフィルムの製造方法および
装置は、たとえばセルロースエステルフィルムの製造に
適用される。
【0034】セルロースエステルフィルムに使用するセ
ルロースエステルは、リンターパルプ、ウッドパルプお
よびケナフパルプの群から選ばれたセルロースを用い、
セルロースに無水酢酸、無水プロピオン酸または無水酪
酸を常法により反応して得られるものであり、なかでも
セルロースの水酸基に対する全アシル基の置換度が2.
5〜3.0のセルローストリアセテート、セルロースア
セテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレ
ートおよびセルロースアセテートプロピオネートブチレ
ートが好ましい。上記セルロースエステルのアセチル基
の置換度は、少なくとも1.5であることが好ましい。
セルロースエステルのアシル基の置換度の測定方法とし
ては、ASTMのD−817−91に準じて実施するこ
とができる。セルロースエステルの分子量は、数平均分
子量として70,000〜300,000、とくに8
0,000〜200,000が、フィルムに成形した場
合の機械的強度上好ましい。通常、セルロースエステル
は反応後の水洗等処理後においてフレーク状となり、そ
の形状で使用されるが、粒径を0.05〜2.0mmの
粒状とすることにより溶解性を早めることができる。
【0035】セルロースエステルフィルム中に、フタル
酸エステル、リン酸エステルなどの可塑剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤およびマット剤などを含有させることに
より、セルロースエステルフィルムに起因するハロゲン
化銀写真感光材料や液晶画像表示装置の性能を向上させ
ることができる。また、セルロースエステルフィルム中
には染料等を含有させてもよい。この他、上記セルロー
スエステルフィルム中に帯電防止剤、難燃剤、滑剤およ
び油剤等も加える場合もある。これらの添加剤は、セル
ロースエステル溶液の調製の際に、セルロースエステル
や溶媒と共に添加してもよいし、溶液調製中や調製後に
添加してもよい。
【0036】つぎに、ドープの調製方法について述べ
る。セルロースエステルに対する良溶媒を主とする有機
溶媒に溶解釜中でフレーク状のセルロースエステルを攪
拌しながら溶解してドープを形成する。溶解方法として
は、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、主
溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、特開平9−955
44号、特開平9−95557号および特開平9−95
538号の各公報に開示されているような冷却溶解法で
行う方法並びに特開平11−21379号公報開示され
ているような高圧で行う方法等がある。溶解後ドープを
濾材で濾過し、脱泡してポンプで次工程に送る。ドープ
中のセルロースエステルの濃度は10〜35%程度であ
り、好ましくは15〜25%である。有用なポリマーを
ドープ中に含有させるには、予め有機溶媒に該ポリマー
を溶解してから添加してもよいし、ドープに直接添加し
てもよい。この場合、ポリマーがドープ中で白濁した
り、相分離したりしないように添加する。
【0037】セルロースエステルに対する良溶媒として
の有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ア
ミル、ギ酸エチル、アセトン、シクロヘキサノン、アセ
ト酢酸メチル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソ
ラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,4−ジ
オキサン、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,
2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,
3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,
3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノー
ル、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プ
ロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1
−プロパノール、ニトロエタン、2−ピロリドン、N−
メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミ
ダゾリジノン、塩化メチレンおよびブロモプロパン等を
挙げることができる。なかでも酢酸メチル、アセトンま
たは塩化メチレンが好ましいが、最近の環境問題から非
塩素系の有機溶媒の方が好ましい。また、有機溶媒に、
メタノール、エタノールおよびブタノール等の低級アル
コールを併用すると、セルロースエステルの有機溶媒へ
の溶解性が向上したり、ドープ粘度が低減できるので好
ましく、なかでも沸点が低く、毒性の少ないエタノール
がとくに好ましい。ドープに使用する有機溶媒は、セル
ロースエステルの良溶剤と貧溶剤を混合して使用するこ
とが生産効率の点で好ましく、良溶剤と貧溶剤の混合比
率の好ましい範囲は、良溶剤が70〜98%であり、貧
溶剤が2〜30%である。良溶剤とは、使用するセルロ
ースエステルを単独で溶解するものをいい、貧溶剤と
は、単独では溶解しないものをいう。ドープに使用する
貧溶剤としては、メタノール、エタノール、n−ブタノ
ール、シクロヘキサン、アセトンおよびシクロヘキサノ
ン等を挙げることができる。有用なポリマーに対する有
機溶媒としては、セルロースエステルの良溶媒が選定さ
れる。前記のように低分子可塑剤を使用する場合には、
通常の添加方法で行うことができるが、ドープ中に直接
添加してもよく、予め有機溶媒に溶解してからドープ中
に注ぎ入れてもよい。
【0038】セルロースエステルドープは濾過すること
により、異物、とくに液晶画像表示装置において画像と
認識しやすい異物は除去しなければならない。偏光板用
保護フィルムの品質は、この濾過によって決まるといっ
てよい。濾過に使用する濾材は、絶対濾過精度が小さい
方が好ましいが、絶対濾過精度が小さすぎると、濾材の
目詰まりが発生しやすく、濾材の交換を頻繁に行わなけ
ればならないので、生産性を低下させるという問題があ
る。このため、ドープに使用する濾材は、絶対濾過精度
0.001〜0.008mmのものが好ましく、なかで
も0.003〜0.006mmがとくに好ましい。
【0039】
【発明の実施形態】以下、この発明の具体的実施例を、
比較例とともに説明する。
【0040】実施例1〜8および比較例1 この実施例1〜8および比較例1は、図1および図2に
示すセルロースエステルフィルムの製造装置を使用して
行ったものである。
【0041】図1および図2において、セルロースエス
テルフィルムの製造装置は、鏡面処理を施された表面を
有するステンレス鋼製駆動エンドレスベルト(1)と、セ
ルロースエステルのドープをエンドレスベルト(1)上に
流延するドープ流延ダイ(2)と、エンドレスベルト(1)の
上下の移動経路の表側にそれぞれ配され、かつエンドレ
スベルト(1)上に流延されたドープに所定温度の温風を
当てることにより乾燥させてウェブを形成する加熱乾燥
装置(3)と、エンドレスベルト(1)の上下の移動経路の裏
側にそれぞれ配され、かつエンドレスベルト(1)の温度
を所定温度に調整する温度調整装置(4)と、ウェブ(W)を
エンドレスベルト(1)から剥離するウェブ剥離ロール(5)
と、エンドレスベルト(1)から剥離したウェブ(W)を乾燥
させてフィルム(F)を得る乾燥装置(6)と、得られたフィ
ルム(F)の幅方向両側縁部を把持して、フィルム(F)幅を
一定に保持、またはフィルム(F)を幅方向に延伸するテ
ンター装置(7)と、フィルム(F)を巻き取るフィルム巻取
装置(10)とを備えている。
【0042】乾燥装置(6)は、熱風吹き込み口(61)およ
び同排出口(62)を有するハウジング(60)内に、複数の移
送ロール(63)が千鳥配置状に設けられたものである。乾
燥装置(6)においては、ウェブ(W)はハウジング(60)内を
全ての移送ロール(63)に掛けられて搬送され、その搬送
中に、熱風吹き込み口(61)から吹き込まれる乾燥熱風に
より乾燥させられる。フィルム巻取装置(10)は、ハウジ
ング(100)内に設けられた複数の移送ロール(101)および
1つの巻取ロール(102)を備えている。そして、フィル
ム(F)は、ハウジング(100)内を全ての移送ロール(101)
に掛けられて搬送され、巻取ロール(102)に巻き取られ
る。
【0043】図2に示すように、ダイ(2)からドープを
吐出するドープ流延部において、エンドレスベルト(1)
の上側移動経路の下方に、エンドレスベルト(1)の裏面
に接触してエンドレスベルト(1)を支持するバックロー
ル(200)が配置されている。バックロール(200)は、周面
にクロムメッキが施されたステンレス鋼からなり、その
外径は400mmである。
【0044】そして、下記組成物を密閉容器に投入し、
攪拌しながら溶解してドープを調製し、調整後のドープ
を濾紙により濾過した。
【0045】 (ドープ組成) アセチル置換度2.88のセルローストリアセテート (数平均分子量150000) 100重量部 トリフェニルホスフェート 10重量部 エチルフタリルエチルグリコレート 2重量部 チヌビン326 1重量部 AEROSIL 200V 0.1重量部 メチレンクロライド 475重量部 エタノール 25重量部 このドープをダイ(2)から吐出してエンドレスベルト(1)
上に流延するとともに、温度調整装置(4)によりエンド
レスベルト(1)の温度を20℃に調整し、さらにエンド
レスベルト(1)の上側移動経路においてドープ膜に乾燥
装置(3)を用いて45℃の風を10m/秒で斜めに当
て、同じく下側移動経路の前半部においてドープ膜に乾
燥装置(3)を用いて40℃の風を10m/秒で下方から
垂直に当てることによって、残留溶媒量が80質量%に
なるまで乾燥させてウェブ(W)を形成した。ついで、剥
離ロール(5)によりウェブ(W)を剥離し、剥離したウェブ
(W)を乾燥装置(6)に導入して移送ロール(63)に掛けて移
送しつつ30〜110℃で乾燥させてフィルム(F)を得
た。なお、剥離ロール(5)および移送ロール(63)におい
てウェブ(W)に作用する張力は20kg/幅としておい
た。ついで、テンター装置(7)にフィルム(F)を導入し、
その幅を保持しながら90〜110℃でさらに乾燥させ
た。その後、フィルム(F)を最終的に20℃まで冷却
し、巻取装置(100)の巻取ロール(102)に巻き取った。
【0046】そして、上記のような操作を、バックロー
ル(200)の回転時におけるエンドレスベルト(1)に対する
接触部の上下方向の変動量、バックロール(200)の周面
の表面粗さ、エンドレスベルト(1)の裏面の表面粗さ、
および得られるフィルム(F)の膜厚を種々変更して行
い、15日間連続してセルローストリアセテートフィル
ム(F)を製造した。
【0047】運転終了後に、バックロール(200)の周面
に堆積した汚れの量、バックロール(200)の周面に波長
400nmの光を投射したさいの反射率を測定した。
【0048】バックロール(200)の回転時におけるエン
ドレスベルト(1)への接触部の上下方向の変動量は、バ
ックロール(200)の端部におけるエンドレスベルト(1)と
接触していない部分にキーエンス社製のレーザ変位計を
固定し、静止時においてバックロール(200)の中心軸線
が位置する基準直線と、バックロール(200)が1回転す
る間における上記接触部との間の距離の変動を測定し、
その最大値と最小値との差を算出することにより求め
た。バックロール(200)周面およびエンドレスベルト(1)
裏面の表面粗さは、キーエンス社製のデジタルマイクロ
スコープを用いて画像解析を行って求めた。バックロー
ル(200)周面に堆積した汚れの量は、バックロール(200)
周面の200mm×200mmの面積部分を、メチレン
クロライドを含浸させた清浄な布で拭き取り、メチレン
クロライドを蒸発させた後の布の重量と、拭き取り前の
メチレンクロライドが含浸させられていない状態の布の
重量との差から算出した。バックロール(200)の周面に
波長400nmの光を投射したさいの光の反射率は、キ
ーエンス社製の光沢度判別センサを用いて測定し、汚れ
が付着していない状態の反射率を100%としたさいの
反射率を求めた。
【0049】評価試験 製造されたフィルムの膜厚を、その長さ方向に1mmピ
ッチで測定し、5mm以下の周期での膜厚変動を、最大
値と最小値との差から算出した。また、製造されたフィ
ルムの膜厚を、その長さ方向に50mmピッチで測定
し、バックロール(200)が1周する周期での膜厚変動
を、最大値と最小値との差から算出した。
【0050】これらの結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1から明らかなように、バックロール(2
00)の回転時におけるエンドレスベルト(1)への接触部の
上下方向の変動量、バックロール(200)の周面の表面粗
さ、エンドレスベルト(1)の裏面の表面粗さ、得られる
フィルムの膜厚、ならびに運転終了後のバックロール(2
00)の周面に堆積した汚れの量およびバックロール(200)
の周面に波長400nmの光を投射したさいの反射率
が、本発明の範囲内にある場合(実施例1〜8)は、5
mm以下の周期での膜厚変動およびバックロール(200)
が1周する周期での膜厚変動のうちの少なくともいずれ
か1つは、極めて小さくなっている。これに対し、上記
条件の全てが範囲外にある場合(比較例)は、5mm以
下の周期での膜厚変動およびバックロール(200)が1周
する周期での膜厚変動のいずれもが大きくなっている。
【0053】実施例9 この実施例は、図3に示す装置を用いて行ったものであ
る。
【0054】図3において、セルロースエステルフィル
ムの製造装置は、バックロール(200)の下方に配され、
かつバックロール(200)の周面の清掃を行う清掃装置(30
0)を備えている。その他の構成は、図1および図2に示
す装置と同じである。
【0055】清掃装置(300)は、バックロール(200)と平
行に配されかつ所定長さの長尺の清掃用不織布(C)が巻
き取られている不織布繰り出しロール(301)と、バック
ロール(200)と平行に配されかつ不織布繰り出しロール
(301)から繰り出された不織布(C)を巻き取る不織布巻取
ロール(302)と、バックロール(200)と平行に配されかつ
不織布繰り出しロール(301)から繰り出された不織布(C)
を、不織布巻取ロール(302)に巻き取られる前にバック
ロール(200)に線圧1kg/cm以上で線接触させる押
圧ロール(303)とを備えている。不織布(C)の幅は、バッ
クロール(200)におけるエンドレスベルト(1)と接触する
部分の全長にわたって線接触するような幅となされてい
る。不織布繰り出しロール(301)から繰り出された不織
布(C)は、バックロール(200)の回転方向後方に送られ、
押圧ロール(303)によりバックロール(200)の周面に押し
付けられた後に不織布巻取ロール(302)に巻き取られ、
これによりバックロール(200)周面が清掃されるように
なっている。押圧ロール(303)は、バックロール(200)と
同方向に回転する。
【0056】また、バックロール(200)としては、周面
の表面粗さが最大高さRmaxで0.8μm、周面に堆積
した汚れ量が0.04g/cm、周面の反射率が、汚
れを付着していない状態の反射率を100%として95
%であるものを使用し、エンドレスベルト(1)として
は、裏面の表面粗さが平均粗さRaで40μmであるも
のを使用した。
【0057】そして、下記組成物を密閉容器に投入し、
攪拌しながら溶解してドープを調製し、調整後のドープ
を濾紙により濾過した。
【0058】 (ドープ組成) アセチル置換度2.88のセルローストリアセテート (数平均分子量150000) 100重量部 トリフェニルホスフェート 10重量部 エチルフタリルエチルグリコレート 2重量部 チヌビン326 1重量部 AEROSIL 200V 0.1重量部 メチレンクロライド 475重量部 エタノール 25重量部 このドープをダイ(2)から吐出してエンドレスベルト(1)
上に流延するとともに、温度調整装置(4)によりエンド
レスベルト(1)の温度を20℃に調整し、さらにエンド
レスベルト(1)の上側移動経路においてドープ膜に乾燥
装置(3)を用いて45℃の風を10m/秒で斜めに当
て、同じく下側移動経路の前半部においてドープ膜に乾
燥装置(3)を用いて40℃の風を10m/秒で下方から
垂直に当てることによって、残留溶媒量が80質量%に
なるまで乾燥させてウェブ(W)を形成した。ついで、剥
離ロール(5)によりウェブ(W)を剥離し、剥離したウェブ
(W)を乾燥装置(6)に導入して移送ロール(63)に掛けて移
送しつつ30〜110℃で乾燥させてフィルム(F)を得
た。なお、剥離ロール(5)および移送ロール(63)におい
てウェブ(W)に作用する張力は20kg/幅としておい
た。ついで、テンター装置(7)にフィルム(F)を導入し、
その幅を保持しながら90〜110℃でさらに乾燥させ
た。その後、フィルム(F)を最終的に20℃まで冷却
し、巻取装置(100)の巻取ロール(102)に巻き取った。こ
うして、膜厚40μmのセルローストリアセテートフィ
ルムを連続的に製造した。このとき、不織布(C)を、5
mm/分の速度で不織布繰り出しロール(301)から繰り
出すとともに巻取ロール(302)に巻取りながら、押圧ロ
ール(303)により線圧5kg/cmでバックロール(200)
に押し付けた。
【0059】その結果、45日間連続運転しても、バッ
クロール(200)の周面の反射率は、汚れを付着していな
い状態の反射率を100%として80%以下まで低下す
ることはなかった。
【0060】なお、上記実施例9においては、不織布
(C)によるバックロール(200)周面の清掃を連続的に行っ
ているが、図1に示す装置において、不織布(C)による
バックロール(200)周面の清掃を、バックロール(200)の
周面に波長400nmの光を投射したさいの反射率を測
定することによりバックロール(200)の周面の汚れを検
出し、上記反射率が、汚れが付着していない状態の反射
率を100%として80%未満になったときに、間欠的
に行う場合もある。
【0061】比較例2 不織布(C)のバックロール(200)への押し付けを行わなか
ったことを除いては、上記実施例9と同様にしてフィル
ムを連続的に製造した。その結果、20日間連続運転し
た時点で、バックロール(200)の周面の反射率は、汚れ
を付着していない状態の反射率を100%として80%
未満まで低下した。
【0062】
【発明の効果】請求項1〜6の発明、および請求項13
〜20の発明によれば、それぞれドープ流延時のエンド
レスベルトの微小振動の発生を抑制し、その結果製造さ
れるフィルムの膜厚変動を小さくすることが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜8および比較例1を実施する装置の
全体構成を示す概略構成図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】実施例9を実施する装置を示す図1の部分拡大
図に相当する図である。
【符号の説明】
(1):支持体 (2):ダイ(流延手段) (3):乾燥装置 (4):温度調整装置 (5):剥離ロール (6):加熱乾燥装置 (10):巻取装置 (200):バックロール (300):清掃装置 (301):不織布繰り出しロール (302):不織布巻取ロール (303):押圧ロール (C):不織布 (F):フィルム (W):ウェブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 1:10 C08L 1:10 (72)発明者 後藤 洋之 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番3 コ ニカ株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA09 AF29 AF35 AH12 BA02 BB02 BC01 BC12 4F205 AA01 AG01 AH73 AM10 AP19 AQ01 AR07 AR13 GA07 GB02 GC07 GF24 GN24 GN25 GN28

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンドレスベルト上に原料樹脂のドープ
    を流延してウェブを形成し、形成したウェブをエンドレ
    スベルトから剥離した後、剥離したウェブを乾燥させて
    フィルムを得るようになされた溶液流延製膜法によりフ
    ィルムを製造する方法において、ドープ流延部において
    エンドレスベルトの裏面に接触してエンドレスベルトを
    支持するバックロールの回転時におけるエンドレスベル
    トに対する接触部の上下方向の変動量を、100μm以
    下にするフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 バックロールの表面粗さを、最大高さR
    maxで0.2〜1.2μmとしておく請求項1記載のフ
    ィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 エンドレスベルトの裏面の表面粗さを、
    平均表面粗さRaで3〜100μmとしておく請求項1
    または2記載のフィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 バックロールの周面に堆積する汚れの量
    を、0.1g/m以下に保つ請求項1〜3のうちのい
    ずれかに記載のフィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 エンドレスベルト上に原料樹脂のドープ
    を流延してウェブを形成し、形成したウェブをエンドレ
    スベルトから剥離した後、剥離したウェブを乾燥させて
    フィルムを得るようになされた溶液流延製膜法によりフ
    ィルムを製造する方法において、ドープ流延部において
    エンドレスベルトの裏面に接触してエンドレスベルトを
    支持するバックロールの周面に波長400nmの光を投
    射したさいの反射率を、汚れが付着していない状態の反
    射率を100%として80%以上に保つフィルムの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 バックロールの周面を、間欠的または連
    続的に清掃する請求項5記載のフィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 バックロールの周面に波長400nmの
    光を投射したさいの反射率を測定することによりバック
    ロールの周面の汚れを検出し、上記反射率が、汚れが付
    着していない状態の反射率を100%として80%未満
    になったときに、バックロール周面の清掃を行う請求項
    5または6記載のフィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 バックロール周面の清掃を、清掃用不織
    布をバックロールの回転方向後方に送りながら、押圧ロ
    ールによってバックロールに線圧1kg/cm以上で線
    接触させることにより行う請求項6または7記載のフィ
    ルムの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のうちのいずれかに記載の
    方法により製造されたフィルム。
  10. 【請求項10】 膜厚が20〜60μmである請求項9
    記載のフィルム。
  11. 【請求項11】 セルロースエステルからなる請求項9
    または10記載のフィルム。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のフィルムからなる保
    護膜を有する偏光板。
  13. 【請求項13】 エンドレスベルトと、原料樹脂のドー
    プをエンドレスベルト上に吐出する流延手段と、ドープ
    流延部においてエンドレスベルトの裏面に接触してエン
    ドレスベルトを支持するバックロールと、エンドレスベ
    ルト上に流延されたドープを乾燥させてウェブを形成す
    る乾燥装置と、エンドレスベルトからウェブを剥離する
    剥離ロールと、剥離されたウェブを乾燥させてフィルム
    を得る乾燥装置とを備えたフィルムの製造装置におい
    て、バックロールの回転時におけるエンドレスベルトに
    対する接触部の上下方向の変動量が、100μm以下と
    なされているフィルムの製造装置。
  14. 【請求項14】 バックロールの表面粗さが、最大高さ
    Rmaxで0.2〜1.2μmとなされている請求項13
    記載のフィルムの製造装置。
  15. 【請求項15】 エンドレスベルトの裏面の表面粗さ
    が、平均表面粗さRaで3〜100μmとなされている
    請求項13または14記載のフィルムの製造装置。
  16. 【請求項16】 バックロールの周面に堆積する汚れの
    量が、0.1g/m 以下に保たれるようになされてい
    る請求項13〜15のうちのいずれかに記載のフィルム
    の製造装置。
  17. 【請求項17】 エンドレスベルトと、原料樹脂のドー
    プをエンドレスベルト上に吐出する流延手段と、ドープ
    流延部においてエンドレスベルトの裏面に接触してエン
    ドレスベルトを支持するバックロールと、エンドレスベ
    ルト上に流延されたドープを乾燥させてウェブを形成す
    る乾燥装置と、エンドレスベルトからウェブを剥離する
    剥離ロールと、剥離されたウェブを乾燥させてフィルム
    を得る乾燥装置とを備えたフィルムの製造装置におい
    て、バックロールの周面に波長400nmの光を投射し
    たさいの反射率が、汚れが付着していない状態の反射率
    を100%として80%以上に保たれるようになされて
    いるフィルムの製造装置。
  18. 【請求項18】 バックロールの周面を間欠的または連
    続的に清掃する清掃手段を備えている請求項17記載の
    フィルムの製造装置。
  19. 【請求項19】 バックロールの周面に波長400nm
    の光を投射したさいの反射率を測定する反射率測定手段
    を備えており、反射率測定手段により測定された反射率
    が、汚れが付着していない状態の反射率を100%とし
    て80%未満になったときに、清掃手段によりバックロ
    ール周面の清掃が行われるようになされている請求項1
    7または18記載のフィルムの製造装置。
  20. 【請求項20】 清掃手段が、所定長さの不織布を巻き
    取っておりかつバックロールの回転方向後方に不織布を
    繰り出す不織布繰り出しロールと、不織布繰り出しロー
    ルから繰り出された不織布を巻き取る不織布巻取ロール
    と、不織布繰り出しロールから繰り出された不織布を、
    不織布巻取ロールに巻き取る前にバックロールの周面
    に、線圧1kg/cm以上で押し付ける押圧ロールとを
    備えている請求項18または19記載のフィルムの製造
    装置。
JP2001191402A 2001-06-25 2001-06-25 フィルムの製造方法および装置 Expired - Fee Related JP4770072B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001191402A JP4770072B2 (ja) 2001-06-25 2001-06-25 フィルムの製造方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001191402A JP4770072B2 (ja) 2001-06-25 2001-06-25 フィルムの製造方法および装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003001654A true JP2003001654A (ja) 2003-01-08
JP4770072B2 JP4770072B2 (ja) 2011-09-07

Family

ID=19030033

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001191402A Expired - Fee Related JP4770072B2 (ja) 2001-06-25 2001-06-25 フィルムの製造方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4770072B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006110881A (ja) * 2004-10-15 2006-04-27 Konica Minolta Opto Inc セルロースエステルフィルムの製造装置における金属支持体表面の清掃方法
JP2007322736A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Fuji Xerox Co Ltd ベルト、及びそれを用いた画像形成装置
JP2008207366A (ja) * 2007-02-23 2008-09-11 Fujifilm Corp セルロースエステルフィルムの製造方法
JP2008230219A (ja) * 2007-02-23 2008-10-02 Fujifilm Corp 溶液製膜方法
JP2008265258A (ja) * 2007-04-25 2008-11-06 Konica Minolta Opto Inc セルロースエステルフィルムの製造方法およびその製造装置
JP2009078444A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Fujifilm Corp 溶液製膜方法及び洗浄装置
JP2009255466A (ja) * 2008-04-21 2009-11-05 Fujifilm Corp 流延方法及び溶液製膜方法
US7763109B2 (en) 2006-09-06 2010-07-27 Fujifilm Corporation Method and system for producing cellulose acylate film
WO2013046369A1 (ja) * 2011-09-28 2013-04-04 三菱化学エンジニアリング株式会社 合成樹脂製薄膜状シートの製造装置
WO2015149104A1 (de) * 2014-04-02 2015-10-08 Berndorf Band Gmbh BANDGIEßANLAGE MIT SCHWIMMENDER GIEßERLAGERUNG
JP2017006836A (ja) * 2015-06-19 2017-01-12 株式会社カネカ 塗布物製造方法、塗布物、および塗布物製造装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5751426A (en) * 1980-09-12 1982-03-26 Toray Ind Inc Removal of attachments on roll surface
JPH0929767A (ja) * 1995-07-18 1997-02-04 Inoue Kinzoku Kogyo Kk フイルム製造装置
JPH09327837A (ja) * 1996-06-07 1997-12-22 Toray Ind Inc 溶液製膜フイルムの製造装置および製造方法
JP2000176952A (ja) * 1998-12-21 2000-06-27 Toray Ind Inc 樹脂フイルムの製造装置および製造方法
JP2000219752A (ja) * 1999-02-02 2000-08-08 Jsr Corp 透明樹脂シートおよびその製造方法、透明積層シートおよびその製造方法並びに液晶表示素子用シート
JP2001019776A (ja) * 1999-07-05 2001-01-23 Konica Corp セルロースエステルフィルム、該フィルムの製造方法、液晶表示部材に使用されるフィルム、及び偏光板

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5751426A (en) * 1980-09-12 1982-03-26 Toray Ind Inc Removal of attachments on roll surface
JPH0929767A (ja) * 1995-07-18 1997-02-04 Inoue Kinzoku Kogyo Kk フイルム製造装置
JPH09327837A (ja) * 1996-06-07 1997-12-22 Toray Ind Inc 溶液製膜フイルムの製造装置および製造方法
JP2000176952A (ja) * 1998-12-21 2000-06-27 Toray Ind Inc 樹脂フイルムの製造装置および製造方法
JP2000219752A (ja) * 1999-02-02 2000-08-08 Jsr Corp 透明樹脂シートおよびその製造方法、透明積層シートおよびその製造方法並びに液晶表示素子用シート
JP2001019776A (ja) * 1999-07-05 2001-01-23 Konica Corp セルロースエステルフィルム、該フィルムの製造方法、液晶表示部材に使用されるフィルム、及び偏光板

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006110881A (ja) * 2004-10-15 2006-04-27 Konica Minolta Opto Inc セルロースエステルフィルムの製造装置における金属支持体表面の清掃方法
JP4609030B2 (ja) * 2004-10-15 2011-01-12 コニカミノルタオプト株式会社 セルロースエステルフィルムの製造装置における金属支持体表面の清掃方法
JP2007322736A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Fuji Xerox Co Ltd ベルト、及びそれを用いた画像形成装置
US7763109B2 (en) 2006-09-06 2010-07-27 Fujifilm Corporation Method and system for producing cellulose acylate film
JP2008207366A (ja) * 2007-02-23 2008-09-11 Fujifilm Corp セルロースエステルフィルムの製造方法
JP2008230219A (ja) * 2007-02-23 2008-10-02 Fujifilm Corp 溶液製膜方法
JP2008265258A (ja) * 2007-04-25 2008-11-06 Konica Minolta Opto Inc セルロースエステルフィルムの製造方法およびその製造装置
JP2009078444A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Fujifilm Corp 溶液製膜方法及び洗浄装置
JP2009255466A (ja) * 2008-04-21 2009-11-05 Fujifilm Corp 流延方法及び溶液製膜方法
WO2013046369A1 (ja) * 2011-09-28 2013-04-04 三菱化学エンジニアリング株式会社 合成樹脂製薄膜状シートの製造装置
KR20140053359A (ko) 2011-09-28 2014-05-07 미츠비시 가가쿠 엔지니어링 가부시키가이샤 합성 수지제 박막 형상 시트의 제조 장치
JP5627056B2 (ja) * 2011-09-28 2014-11-19 三菱化学エンジニアリング株式会社 合成樹脂製薄膜状シートの製造装置
WO2015149104A1 (de) * 2014-04-02 2015-10-08 Berndorf Band Gmbh BANDGIEßANLAGE MIT SCHWIMMENDER GIEßERLAGERUNG
JP2017512684A (ja) * 2014-04-02 2017-05-25 ベルンドルフ バント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 浮動式のノズル支持体を備えたベルト式ストリップキャスタ
KR101906485B1 (ko) 2014-04-02 2018-12-05 베른도르프 반트 게엠베하 캐스트가 부동식으로 지지되는 스트립 캐스팅 장비
JP2017006836A (ja) * 2015-06-19 2017-01-12 株式会社カネカ 塗布物製造方法、塗布物、および塗布物製造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4770072B2 (ja) 2011-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4770072B2 (ja) フィルムの製造方法および装置
JP3918694B2 (ja) フィルム製造方法
JP5050307B2 (ja) セルロースエステルフィルムの製造方法
JP2004106420A (ja) セルロースエステルフイルム及びその製造方法
JP6816638B2 (ja) ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、ポリビニルアルコール系フィルム、および偏光膜
JP2009083344A (ja) 光学フィルム、その製造方法、光学フィルムを用いた偏光板、及び表示装置
JP2002086474A (ja) セルロースエステルフィルム、その製造方法及び製造装置及び偏光板
JP2009078444A (ja) 溶液製膜方法及び洗浄装置
JP5012369B2 (ja) 光学フィルムの製造方法
CN107107404A (zh) 聚乙烯醇系薄膜、聚乙烯醇系薄膜的制造方法、偏振膜及偏振片
TW201706104A (zh) 樹脂薄膜的製造方法及樹脂薄膜製造用支持體
JP6601414B2 (ja) 樹脂フィルムの製造方法
JP4710160B2 (ja) 液晶表示装置用光学補償セルロースエステルフィルムの製造装置
JP5682745B2 (ja) 光学フィルムの製造方法及び製造装置
JP2001113545A (ja) セルロースエステルフィルムの製造方法
JP2002028943A (ja) セルロースエステルフィルムの製造方法、無限移行する無端の金属支持体面を清掃する方法、セルロースエステルフィルム及び偏光板用保護フィルム
JP2017008298A (ja) ポリビニルアルコール系フィルム、ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、及び偏光膜
JP2003285367A (ja) 溶液製膜方法及びその製造物
JP2001113546A (ja) フィルム製造方法、フィルム製造装置、並びにフィルム
JP6922287B2 (ja) ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法、ポリビニルアルコール系フィルム、および偏光膜
JPWO2013111559A1 (ja) 光学フィルムの製造方法
JP2003025352A (ja) セルロースエステルフィルムの製造装置
JP4636744B2 (ja) セルロースアシレート溶液、およびセルロースアシレートフイルムの製造方法
JP2003011143A (ja) セルロースエステルフィルムおよびその製造方法
JP2005193692A (ja) 溶液製膜方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080425

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101019

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101220

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20101220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110215

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110412

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110524

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110606

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140701

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees