JP4207924B2 - セルローストリアセテートフィルムの製造装置 - Google Patents
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Description
ドープ条件で異なるが、前述のカールによる折れ、裂け等の問題は、一般的に高残留溶媒量でウエブの弾性率が小さく、支持体から剥離してテンター導入部までの区間、特にテンター導入部、又はフィルム加工の下引塗布から巻き取りの区間でも発生が多く見られる。一般的にはカールの程度を如何に最小限にくい止めるか支持体上での両面の乾燥に工夫がなされている。しかしながら、完全にウエブが平らであることは難しく、カールが残ることはやむを得ないため、これに対処することが以前からの課題であった。
1.
セルローストリアセテートフィルムを溶液流延法により製膜する装置であって、ウエブを支持体から剥離する工程から巻き取り工程までの間の製膜工程において、ウエブ端部に発生するカール部分を裁断する装置、該裁断する装置による裁断後すぐに、該ウエブをテンターによって搬送しながら乾燥する装置を有することを特徴とするセルローストリアセテートフィルムの製造装置。
2.
前記裁断する装置は、ウエブの両端から5mm以上15mm以下裁断することを特徴とする前記1記載のセルローストリアセテートフィルムの製造装置。
3.
前記裁断する装置は、超音波カッターにより前記ウエブの両端部を裁断することを特徴とする前記1又は2記載のセルローストリアセテートフィルムの製造装置。
この方法を図5(テンターを用いる装置)に示した。図6はテンター8のクリップ11である。この型はポリエステルの延伸によく用いられるものである。図7はピン型クリップの例を示した。
セルローストリアセテート100重量部、メチレンクロライド390重量部、エタノール40重量部及びトリフェニルホスフェート(可塑剤)12重量部を混合して溶解し、ドープとした。図13のような装置を用いて、精密に送液出来る加圧タイプのギヤポンプで、コートハンガータイプのダイス2から出来上がりセルローストリアセテートフィルムの厚さが130μmになるように流延した。支持体3上で乾燥させ、約一周した剥離点4で剥離し、ロール群6の乾燥装置5に導入し、60℃で乾燥後に設置したスリッター9でウエブ1の両端から10mmのところを裁断し、テンター8に導入しクリップ11で両端をつかみ、ウエブ幅が収縮しないように幅保持を行った。90℃〜110℃で乾燥した。テンター8を出てから、ロール群6の乾燥装置5を通し、120℃で乾燥させた後、後述の処方の下引層とバック層を下引塗布機23で塗布、乾燥させた後、巻き取りセルローストリアセテートフィルムを得た。
スリッターを用いず、抑制装置10を図10のX方向とY方向の組み合わせで使用後、ロール群6の乾燥装置5に導入した以外は、実施例1と同様にセルローストリアセテートフィルムを作製した。なお剥離後のウエブの高さは空気側に18mmであった。
テンター前にスリッター、下引塗布後に抑制装置の両方を設置し、該抑制装置に図10の抑制装置10のX方向、Y方向の組み合わせで使用した以外は実施例1と同様にセルローストリアセテートフィルムを作製した。なお、下引塗布後のウエブの高さは空気側に14mmであった。
剥離後のウエブを裁断することなくテンターに導入した以外は実施例1と同様にセルローストリアセテートフィルムを作製した。
評価方法
〈平面性〉
幅90cm、長さ100cmの大きさに各試料を切り出し、50W蛍光灯を5本並べて試料台に45°の角度から照らせるように高さ1.5mの高さに固定し、試料台の上に各フィルム試料を置き、フィルム表面に反射して見える凹凸を目で見て、次のように判定した。この方法によって「つれ」とか「しわ」の判定が出来る。
A:蛍光灯が5本とも真っすぐに見えた
B:蛍光灯が少し曲がって見えるところがある
C:蛍光灯が全体的に少し曲がって見える
D:蛍光灯が大きくうねって見える
E:蛍光灯が大きい曲がりの中にも細かいうねりが見える。
〈塗布ムラ〉
各フィルムに下記の処方の下引層とバック層を塗布乾燥させ、下引面に下記染料入りのゼラチン溶液を塗布乾燥させた。
酢酸ビニル:無水マレイン酸交互共重合体 3g
アセトン 810g
イソプロパノール 150g
(バック層塗布液)
酸化スズ:酸化アンチモン複合微粒子(平均粒径0.05μm) 14g
セルロースジアセテート 6g
アセトン 800g
シクロヘキサノン 200g
(ゼラチン塗布液)
ゼラチン 4g
水 100g
メチルバイオレット(染料) 0.2g
サポニン 0.1g
各試料をシャーカステンの上に乗せ、「しわ」や「つれ」などの欠陥、塗布ムラを観察し、下記のように評価した。
A:ムラがなく非常にスムースである
B:細かいムラが若干ある
C:ややムラがあるような感じ
D:はっきりとムラが見える
E:非常に大きなムラが見える。
A:生産中ウエブの切断もなく安定に長時間生産出来た
B:若干弱い「つれ」が見えたが切断もなく、安定して長時間生産できた
C:「つれ」や「しわ」が発生し、生産を途中で中止した
D:「折れ」が発生し、テンターやロールに導入出来なかった。
実施例1のフィルムは平面性が優れ、また安定長時間生産ができたのに対し、比較例1のフィルムは連続生産は出来たものの、平面性が劣っていた。比較例2は全くテンターに導入出来ず生産出来なかった。
これらの結果を表1に示す。
2 ダイス
3 支持体
4 剥離点
5 乾燥装置
6 ロール(群)
7 乾燥風
8 テンター
9 スリッター
10 抑制装置
11 クリップ
12 レバー
13 シュー
14 固定台
15 ピン
16 ピン型クリップ
17 テンター
18 レール
19 スプロケット
20 チェーン
21 テンター導入口
22 下引装置
23 下引塗布機
24 下引乾燥機
Claims (3)
- セルローストリアセテートフィルムを溶液流延法により製膜する装置であって、ウエブを支持体から剥離する工程から巻き取り工程までの間の製膜工程において、ウエブ端部に発生するカール部分を裁断する装置、該裁断する装置による裁断後すぐに、該ウエブをテンターによって搬送しながら乾燥する装置を有することを特徴とするセルローストリアセテートフィルムの製造装置。
- 前記裁断する装置は、ウエブの両端から5mm以上15mm以下裁断することを特徴とする請求項1記載のセルローストリアセテートフィルムの製造装置。
- 前記裁断する装置は、超音波カッターにより前記ウエブの両端部を裁断することを特徴とする請求項1又は2記載のセルローストリアセテートフィルムの製造装置。
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JP2005131508A JP4207924B2 (ja) | 2005-04-28 | 2005-04-28 | セルローストリアセテートフィルムの製造装置 |
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JP2005131508A JP4207924B2 (ja) | 2005-04-28 | 2005-04-28 | セルローストリアセテートフィルムの製造装置 |
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