JP2009227446A - ガイドローラ、溶液製膜方法及び溶液製膜設備 - Google Patents

ガイドローラ、溶液製膜方法及び溶液製膜設備 Download PDF

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Abstract

【課題】搬送方向の伸びを抑制し、異方性の少ないポリマーフィルムを迅速に製造する。
【解決手段】ポリマーと溶媒とが含まれるドープを流延ダイから、走行する支持体の表面に流延して流延膜を形成する。その後に、支持体の表面から剥ぎ取りローラにより流延膜を剥ぎ取り、剥ぎ取った後の流延膜を、ゲル状の帯状の湿潤フィルム31として複数のガイドローラ36で搬送してテンターに案内する。ガイドローラ36は、いわゆるコンケーブローラであり、湿潤フィルム31の耳部62に接触する周面には、波状部64が形成されている。波状部64は、断面半円形状の谷部及び山部を方向Xに交互に並べた形態になっている。
【選択図】図3

Description

本発明は、ポリマーフィルムを搬送するガイドローラ及びこのガイドローラを用いる溶液製膜方法及び溶液製膜設備に関する。
ポリマーフィルム(以下、フィルムと称する)は、優れた光透過性や柔軟性および軽量薄膜化が可能であるなどの特長から光学機能性フィルムとして多岐に利用されている。中でも、セルロースアシレートなどを用いたセルロースエステル系フィルムは、光学的に透明性が高いことと、光学的に等方性が高いことから、液晶表示装置のように偏光を取り扱う装置用の光学材料として優れており、これまで偏光膜の保護フィルムや、斜め方向からの見た表示を良化(視野角補償)できる光学補償フィルムの支持体として用いられている。
液晶表示装置用の部材のひとつである偏光板は、偏光膜と、偏光膜に貼り付けられた保護フィルムとからなる。一般的な偏光膜は、延伸されたポリビニルアルコール(PVA)系フィルムをヨウ素または二色性色素で染色することにより得られる。多くの場合、偏光膜の保護フィルムとしては、偏光膜に直接貼り合わせることができるセルロースアシレートフィルムが用いられている。そして、偏光板の特性は、保護フィルムの光学特性に大きく左右されるため、偏光膜の保護フィルム等には、高い光学的等方性等の光学特性が求められる。
最近の液晶表示装置においては、視野角特性等の改善がより強く要求されるようになっており、偏光膜の保護フィルムや光学補償フィルムの支持体などに用いられるフィルムには、より高い光学的等方性が求められている。
フィルムの主な製造方法としては、溶融押出方法と溶液製膜方法とがある。溶融押出方法とは、ポリマーをそのまま加熱溶解させた後、押出機で押し出してフィルムを製造する方法であり、生産性が高く、設備コストも比較的低額であるなどの特徴を有する。しかし、膜厚精度を調整することが難しく、また、フィルム上に細かいスジ(ダイライン)ができるために、光学機能性フィルムへ使用することができるような高品質のフィルムを製造することが困難である。一方、溶液製膜方法は、溶融押出方法と比べて、光学等方性や厚み均一性に優れるとともに、含有異物の少ないフィルムを得ることができるため、表示装置などに用いられる光学フィルムは、主に溶液製膜方法で製造されている。
この溶液製膜方法の概要について説明する。まず、セルローストリアセテートなどのポリマーをメチレンクロライドや酢酸メチル等の溶媒に溶解し、ドープを調製する。次に、このドープに所定の添加剤を混合し、流延ドープを調製する。第3に、流延ドープを流延ダイの流出口から走行する支持体(キャスティングドラムやエンドレスバンドなど)上に流延する。こうして、支持体上に流延膜が形成される。第4に、この支持体が所定の走行速度で流延膜を搬送する。第5に、冷却または乾燥により、流延膜に自己支持性を発現させた後、支持体から流延膜を湿潤フィルムとして剥ぎ取る。第6に、この湿潤フィルムを支持体から乾燥手段まで、ドライブローラやフリーローラ(以下、ガイドローラと称する)を用いて搬送し、乾燥手段内にて、この湿潤フィルムに残留する溶媒を蒸発させる乾燥工程を行う。最後に、乾燥工程を経た湿潤フィルムを、フィルムとして巻き取る(例えば、特許文献1)。
特開2006−306025号公報
しかしながら、溶媒を多量に含む湿潤フィルムに所定の張力が付与されると、湿潤フィルム中のポリマー分子が張力の方向に配向しやすくなる。したがって、湿潤フィルムをガイドローラにより支持搬送する場合には、湿潤フィルム中のポリマー分子が搬送方向に配向してしまい、最終的に得られるフィルムにおいて、光学特性に異方性を生じるおそれがある。
また、近年の光学フィルムの需要の著しい増大に応えるため、生産効率の高い溶液製膜方法の確立が求められている。しかしながら、溶液製膜方法における製膜速度が増大するに伴い、湿潤フィルムの搬送速度、すなわち、ガイドローラの周速度が増大する。そして、湿潤フィルムの搬送速度やガイドローラの周速度の増大により、ガイドローラと湿潤フィルムとの間に、空気が入り込みやすくなってしまう。このように、ガイドローラと湿潤フィルムとの間において、空気の入り込みが発生すると、ガイドローラとの間で湿潤フィルムがスリップしてしまうおそれがある。スリップが発生すると、フィルム表面に擦り傷が発生すると共に、ガイドローラによる搬送力も低下するため好ましくない。
本発明は、上記課題を解決するものであり、ポリマーフィルムを搬送するガイドローラ、及びこのガイドローラを用いて光学的等方性に優れたポリマーフィルムを効率よく製造する溶液製膜設備及び溶液製膜方法を提供することを目的とする。
本発明は、ウェブを周面で支持しながら、前記ウェブを走行させるガイドローラにおいて、ローラ本体と、前記ローラ本体の回転軸方向の中央部から両端部に向かうに従い次第に直径が大きくなるように形成され、前記ウェブを支持するテーパ状の周面と、前記テーパ状の周面で、前記ウェブの幅方向両端の耳部が接触する耳部接触領域に設けられ、前記ローラ本体の周方向に沿い、前記ローラ本体の回転軸方向に離間して形成される複数の突条とを備え、前記突条は、前記回転軸を含む断面において、頂部が略円弧状に形成されていることを特徴とする。
前記複数の突条の前記回転軸方向におけるピッチが0.01mm以上2mm以下であり、前記各突条の間を谷としたときに谷底と前記頂部との高さが0.01mm以上1mm以下であることが好ましい。また、前記テーパ状の周面は、前記中央部における直径をDcとし、前記両端部における直径をDeとするときに、(De−Dc)/Dcが0.001以上0.1以下であることが好ましい。更に、前記テーパ状の周面の前記回転軸方向における長さを1.8m以上2.2m以下とすることが好ましい。
本発明の溶液製膜設備は、上記のガイドローラと、ポリマーと溶媒とを含むドープを走行する支持体上に流延し、長尺状の流延膜を形成する流延膜形成装置と、前記流延膜が前記支持体上で自己支持性を有した後に前記支持体から湿潤フィルムとして剥ぎ取る剥ぎ取り装置と、前記湿潤フィルムを乾燥する乾燥装置とを備え、前記ガイドローラを用いて、この剥ぎ取った前記湿潤フィルムを支持して、前記乾燥装置へ送ることを特徴とする。
前記支持体の温度が、−15℃以上0℃以下の範囲で略一定であることが好ましい。また、前記乾燥装置は、前記湿潤フィルムの幅方向両端の耳部を保持して前記湿潤フィルムを乾燥するピンテンタであることが好ましい。
更に、本発明は、ポリマーと溶媒とを含むドープを走行する支持体上に流延し、長尺状の流延膜を形成する流延膜形成工程、前記流延膜が前記支持体上で自己支持性を有した後に、剥取ローラを用いて前記支持体から湿潤フィルムとして剥ぎ取る剥取工程、この剥ぎ取った前記湿潤フィルムを乾燥装置に送る渡り工程、前記乾燥装置により前記湿潤フィルムを乾燥させる乾燥工程とを備える溶液製膜方法において、上記の前記ガイドローラを用いて前記渡り工程を行うことを特徴とする。
本発明によれば、湿潤フィルムを支持搬送するガイドローラの周面のうち、湿潤フィルムの耳部と接触する耳部接触領域に、周方向に伸び、軸方向に離間して形成される突条を有するため、突条の頂部で湿潤フィルムを支持しつつ、湿潤フィルムと突条の間に形成された谷部との隙間からエアを逃がすことが可能となる。したがって、湿潤フィルムの搬送速度が高速になった場合でも、前記隙間からエアを確実に逃がすことができるので、湿潤フィルムを高速で確実に搬送することができる。更に、前記波状部を有するガイドローラにより湿潤フィルムの幅方向両側縁部を支持するため、搬送のためのグリップ力を保持しつつ、搬送によるポリマー分子の配向を抑えることができる。よって、光学的異方性の低いポリマーフィルムを製造することができる。
更に、軸方向の中央部から両側端部に向かうに従い径が大きくなるガイドローラ(以下、コンケーブローラと称する)を用いて湿潤フィルムを搬送することにより、湿潤フィルムに幅方向の張力を付与することができる。このため、湿潤フィルムの搬送時に、ポリマー分子の配向が搬送方向に生じたとしても、所望の大きさの張力を搬送方向と略垂直な幅方向に付与することが可能となる。よって、軸方向の長さL1、中央部における小径をDc、両側縁部における大径をDeなどから定義されるコンケーブ量が所定の範囲になるように調節されたコンケーブローラを用いて湿潤フィルムを搬送することにより、搬送方向によって生じる光学的異方性を相殺することができる。したがって、本発明によれば、光学的異方性が極めて低いポリマーフィルムを容易に効率よく製造することができる。
以下に、本発明のガイドローラの実施形態について詳細に説明する。なお、本発明はここに挙げる実施形態に限定されるものではない。
ポリマーフィルム製造設備10は、図1に示すように、配管を介して接続されたドープ製造設備11より供給されるドープ12を、走行(回転)する流延ドラム(キャスティングドラム)13の表面に流延して流延膜14を形成し、この流延膜14を流延ドラム24から剥ぎ取って湿潤フィルム31とし、湿潤フィルム31を乾燥させることによりポリマーフィルム(以下、「フィルム」と称する)15を得る。
ポリマーフィルム製造設備10は、大別して、流延装置16、渡り部17、テンター装置18、乾燥室21、冷却室22、及び、巻取室23等で構成されている。
流延装置16には、ケーシング16aの内部に、流延ドラム24、流延ダイ(エクスクルージョンダイ)25、減圧チャンバ26、剥取ローラ27、温調装置28、伝熱媒体循環装置29、及び、凝縮器30等が配されている。
剥取ローラ27は、軸方向の中央部から両側端部まで、略同一の径を有する。剥取ローラ27は、流延ドラム24の表面24aから流延膜14を剥ぎ取り、剥ぎ取った帯状の流延膜14を湿潤フィルム31としてケーシング16aに設けた出口から渡り部17に向けて案内する。温調装置28は、ケーシング16a内の温度を調節する。凝縮器30は、コンデンサ32と、回収装置33とからなる。コンデンサ32は、流延室の内部に浮遊する蒸発した溶媒を凝縮液化させる。回収装置33は、凝縮液化した溶媒を回収する。
流延ダイ25は、先端にドープ12を吐出する横長スリット状の吐出口が設けられており、流延ドラム24は、吐出口の下方に配されている。ドープ12は、吐出口から吐出されることで、流延ドラム24の表面24aに薄厚シート状に流延される。流延ダイ25は、電解質水溶液やメチレンクロライドやメタノールなどの混合液に対する高い耐腐食性や低い熱膨張率などを有する素材(例えばSUS316などの鋼材)等の材料で形成される。
流延ドラム24は、円柱形状になっており、図示しない駆動装置により回転軸24bを中心に図1において反時計方向に向けて一定の速度で回転する。この回転により、表面24aは、10〜300m/分の速度で走行する。流延ドラム24の表面24aは、クロムメッキ処理が施され、十分な耐腐食性と強度を有している。なお、流延ドラム24の寸法や材質等は特に限定されるものではないが、ドープ12の流延幅に対して1.1〜2.0倍程度の幅を有するものが好ましく、さらに、耐腐食性や高強度性を有する材質が好ましい。なお、表面24aの走行速度は、100m/分以上であることが好ましい。
伝熱媒体循環装置29は、流延ドラム24に接続されており、伝熱媒体を循環させて流延ドラム24の表面24aを所望の温度に保持する。これにより、流延ドラム24の表面24aの温度は、例えば−15℃以上0℃以下の所定の温度に保たれる。なお、平面性に優れる流延膜14を形成するために、表面24aには、研磨処理が施されていることが好ましい。
流延ダイ25から表面24aに吐出されたドープ12は、流延膜14になる。そして、流延膜14は、流延ドラム24の表面24a上で冷却され、ゲル状になる。この流延膜14は、流延ドラム24の回転により回転方向に送られる。
ここで、ゲル状とは、コロイド溶液がジェリー状に固化した状態の他、溶液の流動性が失われた状態を含む。なお、「溶液の流動性が失われた」とは、溶質が高分子の場合は、溶媒が溶質の分子鎖の中で保持された状態で流動性を失い、結果的に溶液の流動性が失われた状態を意味し、一方、溶質が低分子の場合は、溶媒の分子と溶質の分子との相互作用により、結果的に溶液の流動性が失われた状態を含む。
減圧チャンバ26は、吐出口に対して流延ドラム24の回転方向に沿う上流側に配されており、吐出口から流延ドラム24に達するまでのドープ12の流れを規定する流延ビードの後方を減圧する。これにより、流延ビードの背面側が負圧になり、流延ドラム24の周面への流延ビードの着地位置がふらつくことなく一定にすることができる。減圧チャンバ26は、本実施形態では−2000Pa〜−50Paの範囲で減圧する。
剥取ローラ27は、流延ドラム24の回転方向に沿って、流延ダイ25の下流側に配されており、流延膜14を流延ドラム24から剥ぎ取って、帯状の湿潤フィルム31としてケーシング16aの出口から渡り部17に向けて、搬送方向(以下、Y方向と称する)へ送り出す。
なお、剥ぎ取り後の湿潤フィルム31、つまり、ゲル状のウェブの残留溶媒量は、乾量基準で100重量%以上250重量%以下である。ここで、本文中での残留溶媒量は、乾量基準による残留溶媒量であり、サンプリング時におけるフィルム重量を「x」、そのサンプリングフィルムを乾燥した後の重量を「y」とするとき{(x−y)/y}×100の式から算出される値である。
図1及び図2のように、渡り部17には、ガイドローラ36が設けられる。必要に応じて、渡り部17に、このガイドローラ36とともにダクト37、38を設けても良い。ガイドローラ36は、駆動ローラ36a、36bとフリーローラ36cとで構成されており、これら駆動ローラ36aとフリーローラ36bとにより湿潤フィルム31をテンター装置18に向けて搬送する。
駆動ローラ36a、36bは、Y方向の上流側から下流側に向かって順次設けられ、モータの駆動を利用して駆動する。
ダクト37、38には、冷風を吹き出すスリット37a、38aが設けられる。ダクト37は、スリット37aが湿潤フィルム31の上面31aと対向するように配され、ダクト38は、スリット38aが湿潤フィルム31の下面31bと対向するように配される。ダクト37、38は、図示しない制御部の制御の下、温度、湿度、溶媒の凝縮点などが所定の範囲内で略一定になるように調節された冷風を、スリット37a、38aを介して、湿潤フィルム31の両面31a、31bへあてる。この冷風の吹きつけにより、渡り部17において、湿潤フィルム31のゲル化を進行させることができる。なお、冷風の温度は、湿潤フィルム31のゲル状を維持するために、−20〜50℃の範囲で略一定で保持することが好ましい。また、スリット37a、38aに代えて、或いはこれとともに、矩形状、円形状や楕円形状などの開口部を設けても良い。
なお、湿潤フィルム31の両面31a、31b側にダクト37、38を設けたが、いずれか一方の面側のみに、ダクトを設けても良い。また、冷風を吹き付ける範囲は、湿潤フィルム31の幅方向の全域、中央部のみ、両端部のみ、または片端部のみでもよい。特に、湿潤フィルム31に冷風を吹き付ける方向は、湿潤フィルム31の表面に対して略垂直の方向、Y方向、または、湿潤フィルム31の両サイドから、冷風を吹き付けてもよい。更に、湿潤フィルム31の上面31aを流延ドラム24の表面24aと接触していた支持面とし、下面31bをその反対側のエア面としても良いし、その逆でも良い。
なお、図示しない制御部の制御の下、湿潤フィルム31のゲル状を維持するために、湿潤フィルム31と接触するガイドローラ36の周面の温度を、−20〜50℃の範囲で略一定で保持してもよい。
(テンター装置)
テンター装置18は、チェーン18bと、プーリ18cと、噛み込みブラシ18dとを有する。プーリ18cは、把持開始部18aと把持解除部とに設けられる。無数のピンが設けられたチェーン18bは、プーリ18cに掛け渡される。噛み込みブラシ18dは、把持開始部18aの上流側、湿潤フィルム31の搬送路の幅方向両端部近傍に設けられる。図示しない制御部の制御の下、プーリ18cは軸を中心に回転する。プーリ18cの回転により、チェーン18bは、把持開始部18a及び把持解除部をエンドレスで順次巡回する。そして、把持開始部18aに送られた湿潤フィルム31は、噛み込みブラシ18dにより、チェーン18bに設けられたピンに押し付けられ、ピンが湿潤フィルム31を貫通する。こうして、把持開始部18aでは、チェーン18bに設けられたピンによる湿潤フィルム31の両側端部の把持が開始される。また、把持解除部では、このピンによる湿潤フィルム31の両側端部の把持が解除される。こうして、流延装置16から送られた湿潤フィルム31は、把持開始部18a及び把持解除部を順次通過した後、フィルム20となって耳切装置40へ送られる。
テンター装置18には、図示しないダクトが設けられる。所定の条件に調節された乾燥風は、このダクトから湿潤フィルム31に向けて、送り出される。乾燥風が湿潤フィルム31にあたることにより、湿潤フィルム31に含まれる溶媒が蒸発し、湿潤フィルム31が乾燥する。湿潤フィルム31から溶媒を効率よく蒸発させるためには、温度が130℃以上190℃以下の乾燥風を湿潤フィルム31にあてることが好ましい。
なお、テンター装置18と耳切装置40との間に、延伸装置を設けてもよい。延伸装置としては、把持手段を入口から出口まで拡幅するように設けられた一対のレールとによる拡幅延伸を行うもの、又は収縮機で幅方向を延伸させるものでも良い。また、把持手段としてピンを有するピン型のテンター装置18として説明しているが、特に限定されるものではなく、例えば、把持手段として湿潤フィルム31の両側端部を把持するクリップを複数備えたクリップ型のテンター装置を用いても良い。また、ピン型とクリップ型との2つのテンター装置を設けてもよい。
図1のように、耳切装置40は、湿潤フィルム31のうち、ガイドローラ36に接触して付く接触キズや、テンター装置18のピンによる突き刺しキズが付く両側端部(耳部)を切除する。耳部を切り取った湿潤フィルム31は、乾燥室21に送られる。なお、切り取られた耳切り屑(耳屑フィルム)は、クラッシャ41により細かく切断処理されて再生チップとなる。この再生チップは、ドープ12の原料として再利用される。
乾燥室21には、多数のパスローラ44が設けられている。これらパスローラ44は、湿潤フィルム31を掛け渡し、その湿潤フィルム31の両面をまんべんなく乾燥させる。なお、乾燥中に湿潤フィルム31から溶媒が蒸発する。この気化した溶媒は、乾燥室21の外側に設けられた吸着回収装置45により吸着回収される。乾燥した湿潤フィルム31は、ポリマーフィルム15となって、冷却室22へと案内されて、略室温まで冷却される。
冷却室22に対してポリマーフィルム15のY方向に沿う下流側には、強制除電装置47が配置されている。強制除電装置47は、ポリマーフィルム15に帯電した静電気を除電する。また、冷却室22の隣には、ナーリング付与ローラ48が配置されている。ナーリング付与ローラ48は、除電後のポリマーフィルム15の両縁にエンボス加工のナーリングを付与する。
ナーリング付与ローラ48に対してポリマーフィルム15のY方向に沿う下流側には、巻取室23が配置されている。巻取室23には、巻取ローラ50やプレスローラ51が配されている。巻取ローラ50は、ナーリング付与ローラ48から搬送されるポリマーフィルム15を巻き取る。プレスローラ51は、フィルム巻き取り時にポリマーフィルム15を巻取ローラ50に向けて押さえ付ける。
次に、ガイドローラ36の詳細について説明する。ガイドローラ36は、図3及び図4に示すように、ローラ本体60と、その回転軸になる軸部61から構成されている。ガイドローラ36は、軸部61が方向Xに沿うように配置される。なお、ローラ本体60、及び、軸部61の材質としては、耐蝕性に優れたもの、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などが材料として用いられる。各ガイドローラ36の表面には、テフロン(登録商標)加工を施すのが好適である。
ローラ本体60は、X方向の中央部から両側縁部にかけて次第に大きくなる径を有する。このようなローラ本体60を有するガイドローラ36用いて、湿潤フィルム31の走行をガイドすることによって、方向Xの中央部から両側縁部側へ向かう張力を湿潤フィルム31に付与することができる。この張力の大きさは、方向Xの長さL1、方向Xの中央部における小径をDcと、両側縁部における大径をDeなどから適宜決定することができるが、例えば、(De−Dc)/Dcの値が、0.001以上0.1以下であり、方向Xの長さL1が、1.8m以上2.2m以下であることが好ましい。
ローラ本体60は、湿潤フィルム31の下面31bを支持しながら搬送する(図2参照)。波状部64は、ローラ本体60の周面のうち、湿潤フィルム31の耳部62に接触する部分(以下、耳部接触領域と称する)に形成される。波状部64は、方向Xに交互に並ぶ谷部67と山部66とを有し、波状に形成される。谷部67や山部66の稜線が、周方向に沿って連なる。ローラ本体60の周面のうち、両端の波状部64との間の中央部65は、平らに形成される。なお、湿潤フィルム31の耳部62は、波状部64に接触することで、例えば縦筋等のキズが付く場合もあるが、耳切装置40によって耳部62が除去され、残った部分、すなわち耳部62を除く製品部63が、製品としてのポリマーフィルム15になるので問題はない。
山部66及び谷部67は、断面略半円形状になっており、例えば、バイトを用いた精密旋盤で精度良く加工成形される。山部66の頂点69を通る稜線は、回転軸に対して直交する方向に沿っている。谷部67の底部68を通る稜線は、山部の稜線に対して平行になる。なお、山部66の頂点69に繋がる稜線を、湿潤フィルム31の両側端部を幅方向に拡張する向きになるように、回転軸に対して「ハ」の字に傾けて作ってもよい。
図5のように、ガイドローラ36が湿潤フィルム31を支持する際、湿潤フィルム31はいわゆるゲル状のフィルムであるため、谷部67との間に隙間を残しつつ、波状部64の山部66の表面を周って谷部67に向けて入り込む。また、湿潤フィルム31が走行する際、ガイドローラ36と湿潤フィルム31との間にはエアが入りこむ。山部66は、湿潤フィルム31の耳部62を支持し、谷部67は、耳部62との隙間に入り込むエアを逃がす。これにより、湿潤フィルム31と波状部64との間では、エアの入り込みに起因するスリップが防止されつつ、湿潤フィルム31の両側端部の支持により、湿潤フィルム31の走行がガイドされる。したがって、本発明のガイドローラ36によれば、湿潤フィルム31とガイドローラ36との間にてエアの入り込みが起こっても、波状部64により湿潤フィルム31の両側端部が支持されるため、湿潤フィルム31のスリップを抑えつつ、湿潤フィルム31全体の走行をガイドすることができる。
また、ガイドローラ36は、ローラ本体60の周面のうち、湿潤フィルム31の製品部63に接触する部分(以下、製品部接触領域と称する)には、波状部64が設けられないため、ガイドローラ36を用いて湿潤フィルム31をガイドする際、湿潤フィルム31の製品部には、キズがつかず、また山部66の跡が転写されない。
また、ガイドローラ36を用いて湿潤フィルム31を搬送した場合であっても、従来のフラットローラを用いた場合に比べて小さいものの、Y方向のテンションが湿潤フィルム31に付与される。このテンションの付与により、湿潤フィルム31内のポリマー分子が配向しやすくなる。そして、ポリマー分子の配向の結果、フィルムのY方向の屈折率Nyが増大してしまう結果、フィルムの膜厚と複屈折率|Nx−Ny|との積で表される面内レターデーションReが変動してしまう。本発明では、いわゆるコンケーブローラを用いて湿潤フィルム31を搬送するため、この搬送の際、Y方向と略垂直のX方向への張力を湿潤フィルム31の全体に均一に付与することができる。また、ガイドローラ36のコンケーブ量を適宜調節することにより、X方向への張力の大きさを所望のものにすることができる。したがって、本発明のガイドローラ36を用いて湿潤フィルム31を搬送することにより、ローラ搬送の際の面内レターデーションReの変動を抑えることが可能となる。更に、これに加え、湿潤フィルム31のしわやカールの発生を防止することも可能となる。
また、波状部64が設けられていないコンケーブローラ(以下、溝無しコンケーブローラと称する)を用いて湿潤フィルムを搬送する場合、湿潤フィルムのシワやタルミなどを防止する効果が得られるものの、湿潤フィルム31の蛇行が起こりやすくなるため、溝無しコンケーブローラを連続して配置することができない。したがって、溝無しコンケーブローラを用いる場合には、蛇行防止の観点より、湿潤フィルムのシワやタルミの防止効果が十分に得られない場合がある。ところが、本発明のガイドローラ36には、耳部接触領域のみに波状部64が設けてられているため、ガイドローラ36の搬送の際湿潤フィルム31の蛇行が起こりにくくなる。したがって、本発明のガイドローラ36は、従来の溝無しコンケーブローラに比べて、湿潤フィルム31の蛇行を防ぎつつ、湿潤フィルム31のシワやタルミをより確実に防止することができる。
波状部64の具体的な形状を説明する。隣り合う山部66の頂点69同士の距離、すなわち、山部66のピッチPmは、0.01mm以上2mm以下となっている。ピッチPmが0.01mm未満であると、旋盤加工が困難となり、この旋盤加工を行った場合には製造コストが掛かって非常に高価になってしまう。また、ピッチPmが2mmよりも大きいと、スリップや面写りが発生する。なお、ピッチPvを、0.01mm以上2mm以下とすることが好ましい。更に、谷部67及び山部66のピッチPvおよびPmは、0.3mm以上0.5mm以下であることがより好ましい。
底部68から頂点69までの高さHv−mは、0.01mm以上1mm以下となっている。高さHv−mが0.01mm未満であると、湿潤フィルム31を支持した状態で、湿潤フィルム31との間のエアを逃がす効果がなくなり、スリップしやすくなってしまう。高さHv−mが1mmよりも大きいと、旋盤加工が困難となり、この旋盤加工を行った場合には製造コストが掛かって非常に高価になってしまう。このエアとは、湿潤フィルム31の走行または、ローラ本体60の回転によって、ローラ本体60の周面と湿潤フィルム31との間に入り込むエアを指す。なお、高さHv−mは、0.02mm以上0.1mm以下であることがより好ましい。
山部66の断面を形成する円の中心Omから頂点69までの距離、すなわち、山部66の曲率半径Rmは、0.1mm以上0.5mm以下となっている。曲率半径Rmが0.1mm未満であると、湿潤フィルム31との接触面積が小さくなり、スリップが発生する結果、湿潤フィルム31の表面に傷がつきやすくなる。曲率半径Rmは大きくなるほど、湿潤フィルム31の保持力が向上し、スリップの発生が抑えられる。本実施形態のような湿潤フィルム31の場合には、曲率半径Rmは0.5mm程度で十分な保持力を得られることができる。なお、谷部67の断面を形成する円の中心Ovから底部68までの距離、すなわち山部66の曲率半径Rvは、0.1mm以上0.5mm以下とすることが好ましい。更に、谷部67及び山部66の曲率半径RvおよびRmは、0.2mm以上0.4mm以下であることがより好ましい。
全周が平らな面になっているローラ本体60の所定部分に波状部64を設けてもよい。この場合、波状部64の加工は、図4に示すように、頂点69の高さが中央部65の周面65aの仮想周面65xの高さと一致するように、波状部64の山部66の頂点69を加工するのが望ましい。ここで、仮想周面65xとは、波状部64を設ける前の耳部接触領域の周面である。
また、図6、図7のように、波状部64を、底部68の高さが仮想周面65xの高さと一致するように、或いは、底部68の高さが仮想周面65xの高さよりも高くなるように設けても良い。この波状部64は、ローラ本体60の両側端部に波状部64を加工した後に、波状部64の谷部67の底部68に合わせて中央部65の周面65aを研磨加工等で削ってもよいし、方向X中央部よりも径が大きい大径部を方向Xの両側端部に有する段付きローラを用いて、大径部の周面を加工しても良い。この場合、図4及び図5で説明したローラ本体60と比べて、中央部65よりも波状部64が突出しているため、グリップ力が向上する。なお、頂点69と底部68との高さの差の略半分の高さ位置70に対して、中央部65の周面65aまでの高さHは、位置70における高さに対して0.01〜2%の高さにするのが望ましい。
上記実施形態では、底部68から頂点69までの高さHv−mが略一定となるように、波状部64を設けたが、本発明はこれに限られず、図8のように、高さHv−mが、方向Xの中央部から両側縁部に向かうに従い大きくなるように、波状部64を設けても良い。
上記実施形態では、頂点69の高さが仮想周面65xの高さと一致するように、波状部64を設けたが、本発明はこれに限られず、図9のように、波状部64に設けられた各頂点69や底部68における径が方向X中央部側から両側縁部側まで略同一となるように、波状部64を設けても良い。このような波状部64は、方向Xの中央部から両側縁部に向かうに従い径が大きくなるコンケーブ部と、このコンケーブ部の方向X両端部側に設けられ、径が略同一のフラット部とを備えるガイドローラの周面を加工して、設けても良い。
上記実施形態では、山部66及び谷部67を1周分ずつ分断して作っているが、1条又は複数条からなる螺旋状になるように作っても良い。また、上記実施形態では、山部66の頂点69及び谷部67の底部68を結ぶ稜線が軸に対して直交する向きになるように作っているが、稜線が軸に対して交差するように作っても良い。この場合、図10に示すように、方向Xにおける1対の稜線の間隔が、Y方向上流側からY方向下流側に向かうに従い、広くなるように波状部80を設けても良い。
上記実施形態では、図2のように、渡り部17に複数のガイドローラ36を略水平に設けたが、本発明はこれに限られず、渡り部17にガイドローラ36を千鳥状に設けても良い。図11には、方向Xの中央部から両側端部に向かって径が略同一であるフラットローラ86a、86bが複数個略水平に配され、ガイドローラ36xが、フラットローラ86a、86bに対して千鳥状に配される渡り部17の概要を示す。なお、図11では、1つのガイドローラ36xを千鳥状に配置したが、本発明はこれにかぎられず、複数のガイドローラ36xを千鳥状に配置しても良い。
上記実施形態では、ガイドローラ36全てに、波状部64を設けると記載したが、本発明はこれに限られず、各ガイドローラ36a〜36xのうち少なくとも1つに波状部64を設けても良い。波状部64が設けられる各ガイドローラ36a〜36xは、駆動ローラでもフリーローラでもよい。
なお、湿潤フィルム31の両側端部のグリップ力を増す場合には、耳部62を含む範囲、すなわち、耳部62よりも広い幅で波状部64を設けてもよい。また、耳部62と同じ範囲に設けてもよい。この場合には、例えば波状部64により縦筋等のキズが付いても耳切装置40で除去するので、問題がない。さらに、湿潤フィルム31の両側端部のグリップ力を低下させる場合には、耳部62よりも狭い幅で波状部64を設けても良い。波状部64が接触する湿潤フィルム31の両側端部は、湿潤フィルム31の幅の1%以上10%以下までの範囲にするのが好適である。なお、波状部64は、湿潤フィルム31の幅方向で均等の幅にするのが望ましい。
以上より、平面性に優れるポリマーフィルム15を高速かつ安定して製造することができる。本発明によると、Y方向の長さが少なくとも100m以上であり、幅方向の幅が1400〜1800mmであるポリマーフィルム15を製造することが可能である。ただし、本発明は、1800mmより大きい場合にも効果を発揮する。ポリマーフィルム15の膜厚は、特に限定されるものではないが、20〜500μmであることが好ましい。より好ましくは30〜300μmであり、特に好ましくは35〜200μmであるが、ポリマーフィルム15の膜厚が15〜100μmのように薄い場合でも、本発明の効果を得ることができる。
上記実施形態では、支持体として流延ドラムを用いたが、本発明はこれに限られず、一対の回転体に巻き掛け、無端走行するエンドレスベルトを用いてもよい。
上記実施形態では、走行する支持体で、流延膜14を冷却し、自己支持性を発現させたが、本発明はこれに限られず、流延膜14を乾燥して、自己支持性を発現させてもよい。この場合、剥ぎ取り後の湿潤フィルム31の残留溶媒量は、乾量基準で70重量%以上100重量%以下とするのが望ましい。また、流延膜14の乾燥により自己支持性を発現させた場合には、渡り部17において、温度が20℃以上250℃以下の乾燥風を湿潤フィルム31にあててもよい。乾燥風を湿潤フィルム31に当てる方法は、冷風と同様でもよい。
また、上記各実施形態では、ガイドローラ36を渡り部17に用いているが、本発明では、湿潤フィルム31を搬送する搬送路であれば、例えばテンター装置18、耳切装置40、及び、乾燥室21の内部に設けてもよく、また、これらの間を繋ぐ搬送路にも設けてもよい。さらに、ポリマーフィルム製造装置で用いることを前提に記載しているが、本発明ではこれに限らず、溶質及び溶媒を含むゲル状のウェブを搬送するガイドローラであれば、いずれにも適用することができる。溶質及び溶媒を含むゲル状のウェブとしては、製造途中の状態のウェブ以外、すなわち、製品の状態で溶質及び溶媒を含むゲル状になっているシートやフィルムなどの長尺状のものを含む。
また、上記の各実施形態では、1種類のドープを用いて単層のフィルムを製造する形態を示したが、本発明は複層構造の流延膜を形成する場合にも効果を発揮する。なお、複層構造の流延膜は所望数のドープを同時或いは逐次に流延する等の公知の方法を用いれば良く、特に限定されない。また、流延ダイ、減圧室、支持体等の構造、共流延、剥離法、延伸、各工程の乾燥条件、ハンドリング方法、カール、平面性矯正後の巻取方法から、溶媒回収方法、フィルム回収方法まで、特開2005−104148号公報の[0617]段落から[0889]段落に詳しく記述されており、これらの記載も本発明に適用することができる。なお、完成したフィルムの性能や、カールの度合い、厚み、及びこれらの測定法は、特開2005−104148号公報の[1073]段落から[1087]段落に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。
完成したフィルムの少なくとも一方の面に表面処理を施すと、偏光板等の光学部材との接着度を高めることができるので好ましい。表面処理としては、例えば、真空グロー放電処理、大気圧プラズマ放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理等が挙げられ、これらの中から少なくとも1つの処理を行うことが好ましい。
完成したフィルムをベースとし、その両面或いは一方の面に所望の機能性層を設けると、各種機能性フィルムとして用いることができる。機能性層としては、例えば、帯電防止層、硬化樹脂層、反射防止層、易接着層、防眩層、光学補償層等が挙げられる。例えば、反射防止層を設けると、光の反射を防止して高画質を提供することができる反射防止フィルムが得られる。なお、上記の機能性層や形成方法等に関しては、特開2005−104148号公報の[0890]段落から[1072]段落に詳細に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。また、本発明のポリマーフィルムの具体的用途に関しては、例えば、特開2005−104148号公報の[1088]段落から[1265]段落に記載される、TN型、STN型、VA型、OCB型、反射型等の液晶表示装置への利用等が挙げられる。
次に、本発明に係る各種ドープ原料について、具体的に説明する。
ドープ原料としてセルロースエステルを用いると、透明度の高いフィルムを得ることができるので好ましい。セルロースエステルとしては、例えば、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアシレートブチレート等のセルロースの低級脂肪酸エステルが挙げられる。中でも、透明度の高さから、セルロースアシレートを用いることが好ましく、特に、トリアセチルセルロース(TAC)を用いることが好ましい。なお、本実施形態で用いるドープは、ポリマーとしてトリアセチルセルロース(TAC)を含むものとする。このようにTACを用いる場合には、TACの90重量%以上が0.1〜4mmの粒子であることが好ましい。
上記のセルロースアシレートとしては、より透明度の高いフィルムを得るためにも、セルロースの水酸基へのアシル基の置換度が下記式(a)〜(c)の全てを満足するものが好ましい。下記式中のA、Bは、セルロースの水酸基中の水素原子に対するアシル基の置換度を表わしており、具体的には、Aはアセチル基の置換度であり、Bは炭素数が3〜22のアシル基の置換度である。
(a) 2.5≦A+B≦3.0
(b) 0≦A≦3.0
(c) 0≦B≦2.9
セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位及び6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部又は全部を炭素数が2以上のアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位、3位及び6位それぞれについて、セルロースの水酸基がエステル化している割合を意味する。なお、100%のエステル化の場合を置換度1とする。
全アシル化置換度、すなわち、DS2+DS3+DS6の値は、2.00〜3.00が好ましく、より好ましくは2.22〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、DS6/(DS2+DS3+DS6)の値は、0.28以上が好ましく、より好ましくは0.30以上であり、特に好ましくは0.31〜0.34である。ここで、DS2は、グルコース単位における2位の水酸基の水素がアシル基によって置換されている割合であり、DS3は、グルコース単位における3位の水酸基の水素がアシル基によって置換されている割合であり、DS6は、グルコース単位において、6位の水酸基の水素がアシル基によって置換されている割合である。
セルロースアシレートに用いられるアシル基は1種類だけでも良いし、2種類以上のアシル基が用いられていても良い。なお、2種類以上のアシル基を用いるときには、その1つがアセチル基であることが好ましい。2位、3位及び6位の水酸基がアセチル基により置換されている度合いの総和をDSAとし、2位、3位及び6位の水酸基がアセチル基以外のアシル基によって置換されている度合いの総和をDSBとすると、DSA+DSBの値は、2.22〜2.90であることが好ましく、特に好ましくは2.40〜2.88である。
また、DSBは0.30以上であることが好ましく、特に好ましくは0.7以上である。更に、DSBは、その20%以上が6位水酸基の置換基であることが好ましく、より好ましくは25%以上であり、30%以上がさらに好ましく、33%以上であることが特に好ましい。更に、セルロースアシレートの6位におけるDSA+DSBの値が0.75以上であり、さらに好ましくは、0.80以上であり、特には0.85以上であるセルロースアシレートも好ましい。このようなセルロースアシレートを用いると、非常に溶解性に優れたドープを調製することができる。なお、上記のようなセルロースアシレートを用いる場合には、非塩素系溶媒を用いると、非常に優れた溶解性を有し、低粘度であり、かつ濾過性に優れるドープを調製することができる。
セルロースアシレートの炭素数が2以上のアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でも良く、特に限定はされない。例えば、セルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステル、芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステル等が挙げられる。更に、それぞれが置換された基を有していても良い。これらの好ましい例としては、プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、iso−ブタノイル基、t−ブタノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基等が挙げられる。中でも、プロピオニル基、ブタノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、t−ブタノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基等がより好ましく、特に好ましくは、プロピオニル基、ブタノイル基である。
なお、本発明で用いることができるセルロースアシレートの詳細については、特開2005−104148号公報の[0140]段落から[0195]段落に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。
ドープ原料となる溶媒は、用いられるポリマーを溶解することができる有機化合物を用いることが好ましい。ただし、本発明においてドープとは、ポリマーを溶媒に溶解又は分散させることで得られる混合物を意味するため、ポリマーとの溶解性が低いような溶媒も用いることができる。好適に用いることができる溶媒としては、例えば、ベンゼンやトルエン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタンやクロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、メタノールやエタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ジエチレングリコール等のアルコール、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン、酢酸メチルや酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル、テトラヒドロフランやメチルセロソルブ等のエーテル等が挙げられる。これらの溶媒の中から2種類以上の溶媒を選択し、混合した混合溶媒を用いても良い。中でもジクロロメタンを用いると溶解度に優れるドープを得ることが出来ると共に、短時間のうちに流延膜中の溶媒を蒸発させてフィルムとすることができるので好ましい。
上記のハロゲン化炭化水素としては、炭素原子数1〜7のものが好ましく用いられる。更に、ポリマーとの相溶性や、支持体から剥ぎ取る流延膜の剥ぎ取る易さの指標である剥ぎ取り性、フィルムの機械強度、光学特性等の観点から、ジクロロメタンに炭素数が1〜5のアルコールを1種ないしは、数種類混合させたものを用いることが好ましい。アルコールの含有量は、溶媒全体に対して2〜25重量%が好ましく、5〜20重量%がより好ましい。アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等が挙げられ、中でも、メタノール、エタノール、n−ブタノール、或いはこれらの混合物を用いることが好ましい。
最近、環境に対する影響を最小限に抑えるため、ジクロロメタンを用いない溶媒組成も提案されている。この目的に対しては、炭素数が4〜12のエーテル、炭素数が3〜12のケトン、炭素数が3〜12のエステルが好ましく、これらを適宜混合して用いることが好ましい。これらの化合物は環状構造を有していても良いし、エーテル、ケトン及びエステルの官能基、すなわち、−O−、−CO−、及び−COO−のいずれかを2つ以上有する化合物も溶媒として用いることができる。その他にも、溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していても良い。なお、2種類以上の官能基を有する場合には、その炭素数がいずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であれば良く、特に限定はされない。
ドープには、目的に応じて可塑剤、紫外線吸収剤(UV剤)、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤等の公知である各種添加剤を添加させても良い。例えば、可塑剤としては、トリフェニルフィスフェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート等のリン酸エステル系可塑剤や、ジエチルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤、及びポリエステルポリウレタンエラストマー等の公知の各種可塑剤を用いることができる。
なお、溶媒、可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤、光学異方性コントロール剤、レターデーション制御剤、染料、剥離剤等の各種添加剤及び微粒子については、特開2005−104148号公報の[0196]段落から[0516]段落に詳細に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。また、TACを利用したドープの製造方法であり、例えば、素材、原料、添加剤の溶解方法及び添加方法、濾過方法、脱泡等についても同様に、特開2005−104148号公報の[0517]段落から[0616]段落に詳細に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。
本実施形態のガイドローラ36の効果を明らかにするために、図4で説明したローラ本体60のうちの山部66の有無、山部66のピッチPm、高さHv−m、及びテーパ量(De−Dc)/Dcの値を変えて作ったガイドローラを用いて実験1〜13を行った。以下実験1について詳細を説明し、実験2〜13については、実験1と異なる部分のみの説明を行い、実験1と共通する部分の説明は省略する。
(実験1)
ポリマーフィルムの製造に使用したポリマー溶液(ドープ)の調製に際しての配合を下記に示す。
[ドープの調製]
ドープ12の調製に用いた化合物の処方を下記に示す。
セルローストリアセテート(置換度2.8) 89.3重量%
可塑剤A(トリフェニルフォスフェート) 7.1重量%
可塑剤B(ビフェニルジフェニルフォスフェート) 3.6重量%
の組成比からなる固形分(溶質)を
ジクロロメタン 80重量%
メタノール 13.5重量%
n−ブタノール 6.5重量%
からなる混合溶媒に適宜添加し、攪拌溶解してドープ12を調製した。なお、ドープ12のTAC濃度は略23重量%になるように調整した。ドープ12を濾紙(東洋濾紙(株)製,#63LB)にて濾過後さらに焼結金属フィルタ(日本精線(株)製06N,公称孔径10μm)で濾過し、さらにメッシュフイルタで濾過した後にストックタンク11に入れた。
[セルローストリアセテート]
なお、ここで使用したセルローストリアセテートは、残存酢酸量が0.1重量%以下であり、Ca含有率が5ppm、Mg含有率が42ppm、Fe含有率が0.5ppmであり、遊離酢酸40ppm、さらに硫酸イオンを15ppm含むものであった。また6位水酸基の水素に対するアセチル基の置換度は0.91であった。また、全アセチル基中の32.5%が6位の水酸基の水素が置換されたアセチル基であった。また、このTACをアセトンで抽出したアセトン抽出分は8重量%であり、その重量平均分子量/数平均分子量比は2.5であった。また、得られたTACのイエローインデックスは1.7であり、ヘイズは0.08、透明度は93.5%であった。このTACは、パルプから採取したセルロースを原料として合成されたものである。以下の説明において、これをパルプ原料TACと称する。
図1に示すように、ポリマーフィルム製造設備10を用いてポリマーフィルム15を製造した。ポンプは、濾過装置を介して、ドープ12を流延ダイ25へ送った。ドープ12の温度を略34℃に調整するために、流延ダイ25にジャケット(図示しない)を設けてジャケット内に供給する伝熱媒体の温度を調節した。
軸13bの駆動により、流延ドラム13を回転させた。周面13aの走行方向における速度は、50m/分以上200m/分以下とした。伝熱媒体循環装置29は、流延ドラム13の周面13aの温度を−10℃以上10℃以下に調節した。周面13aの幅方向中央部の表面温度は0℃であり、その両側縁の温度差は6℃以下であった。
流延ドラム13上での乾燥雰囲気における酸素濃度は5vol%に保持した。なお、この酸素濃度を5vol%に保持するために空気を窒素ガスで置換した。また、流延装置16内の溶媒を凝縮回収するために、凝縮器(コンデンサ)32を設け、その出口温度を−3℃に設定した。
流延ダイ25は、ドープ12を周面13a上に流延し、周面13aに流延膜14を形成した。減圧チャンバ26は、流延ビードの背面側を減圧し、流延ビードの長さが20mm〜50mmとなるように流延ビードの両面側の圧力差を調節した。
冷却により、流延膜14が自己支持性を有するものとなった後、剥取ローラ27を用いて、流延ドラム13から流延膜14を湿潤フィルム31として剥ぎ取った。剥取不良を抑制するために流延ドラム13の速度に対して剥取速度(剥取ローラドロー)は100.1%〜110%の範囲で適切に調整した。
剥取ローラ27は、湿潤フィルム31に渡り部17に案内した。渡り部17では、温度が略60℃の乾燥空気を湿潤フィルム31にあてて、湿潤フィルム31を乾燥させた。渡り部17に設けられるローラ36は、湿潤フィルム31をテンター装置18に案内した。
テンター装置18では、湿潤フィルム31に温度が略120℃の乾燥空気をあてて、湿潤フィルム31を乾燥した。テンター装置18から送られた湿潤フィルム31の耳部62(図3参照)を耳切装置40にて切断した。耳切装置40を経た湿潤フィルム31を、乾燥室15に送った。耳切装置40から送り出された湿潤フィルム31の残留溶媒量が略3重量%であった。乾燥室15では、湿潤フィルム31に温度が略140℃の乾燥空気をあてて、湿潤フィルム31を乾燥し、ポリマーフィルム15を得た。
そして、ポリマーフィルム15を巻取室23に搬送した。巻取室23は、室内温度28℃,湿度70%に保持した。巻取室23の内部には、ポリマーフィルム15の帯電圧が−1.5kV〜+1.5kVとなるようにイオン風除電装置(図示しない)も設置した。最後に、プレスローラ51で所望のテンションを付与しつつ、ポリマーフィルム15を巻取室23内の巻取ローラ50で巻き取った。
渡り部17での詳細条件は次の通りであった。
渡り部17の搬送テンション:100N/m、
ガイドローラ36の周速度:50m/min、
湿潤フィルム31の幅:1900mm、
湿潤フィルム31の膜厚:160mm、
剥取ローラ27で剥ぎ取り後の湿潤フィルム31の残留溶媒量:250重量%、
ガイドローラ36の方向X中央部の外径Dc:100〜105mm
ガイドローラ36の方向X両側端部の外径De:105〜110mm
ガイドローラ36の方向Xの長さL1:2100〜2300mm
(評価)
また、実験1において、以下の評価を行った。
1.スリップの有無の評価
スリップの有無の評価は、以下の条件に基づいて行った。
○:渡り部17にて湿潤フィルムのスリップが発生しなかった。
△:渡り部17にて湿潤フィルムのスリップが発生したものの、湿潤フィルムの表面にキズがつかなかった。
×:渡り部17にて湿潤フィルムのスリップが発生し、湿潤フィルムの表面にキズがついた。
2.Rtdの測定
渡り部17の入口及び出口に設けられたラインセンサを用いて、渡り部17の入口における湿潤フィルム31の幅W0、渡り部17の出口における湿潤フィルム31の幅W1を測定した。そして、このW1/W0を、湿潤フィルムのX方向の寸法変化割合Rtdとした。
3.Rmdの測定
渡り部17への導入直前の湿潤フィルム31に、Y方向の長さL0の切り込みを設けた。そして、渡り部17の出口を通過する湿潤フィルム31において、この切り込みのY方向の長さL1を測定した。そして、このL1/L0を、湿潤フィルムのY方向の寸法変化割合Rmdとした。
(実験2〜13)
実験2〜13では、山部の有無、ピッチPm、高さHv−m、及び(De−Dc)/Dcの値を変えたこと以外は、実験1と同様にしてポリマーフィルムを製造した。そして、各実験2〜13において、実験1と同様の評価を行った。
表1に、実験1〜13についてのスリップの有無の評価結果、及びRmd、Rtdの測定値を、山部の有無、ピッチPm、高さHv−m、及び(De−Dc)/Dcの値とともに纏めて示す。
Figure 2009227446
表1より、本発明のガイドローラを用いることにより、湿潤フィルムを高速で搬送することができることがわかった。また、コンケーブ量を所定の範囲にすることにより、搬送時における湿潤フィルムの伸びが抑えられることがわかった。実験13のみにおいて湿潤フィルム31の蛇行が発生したため、蛇行を防ぐ点より、テーパ量を0.1以下にすることが好ましいことがわかった。
ポリマーフィルム製造設備の概略図である。 第1の渡り部の概要を示す説明図である。 第1の渡り部を下方から見た説明図である。 第1のガイドローラの波状部について、ローラ本体の軸を含む面における断面図である。 第1のガイドローラにより湿潤フィルムが支持される様子を示す断面図である。 第2のガイドローラの波状部について、ローラ本体の軸を含む面における断面図である。 第3のガイドローラの波状部について、ローラ本体の軸を含む面における断面図である。 第4のガイドローラの波状部について、ローラ本体の軸を含む面における断面図である。 第5のガイドローラの波状部について、ローラ本体の軸を含む面における断面図である。 第6のガイドローラを上方からみた説明図である。 第2の渡り部の概要を示す説明図である。
符号の説明
12 ドープ
13 流延ドラム
14 流延膜
15 ポリマーフィルム
17 渡り部
26 減圧チャンバ
27 剥取ローラ
36 ガイドローラ
36a 駆動ローラ
36b フリーローラ
64 波状部
66 山部
67 谷部

Claims (8)

  1. ウェブを周面で支持しながら、前記ウェブを走行させるガイドローラにおいて、
    ローラ本体と、
    前記ローラ本体の回転軸方向の中央部から両端部に向かうに従い次第に直径が大きくなるように形成され、前記ウェブを支持するテーパ状の周面と、
    前記テーパ状の周面で、前記ウェブの幅方向両端の耳部が接触する耳部接触領域に設けられ、前記ローラ本体の周方向に沿い、前記ローラ本体の回転軸方向に離間して形成される複数の突条とを備え、
    前記突条は、前記回転軸を含む断面において、頂部が略円弧状に形成されていることを特徴とするガイドローラ。
  2. 前記複数の突条の前記回転軸方向におけるピッチが0.01mm以上2mm以下であり、
    前記各突条の間を谷としたときに谷底と前記頂部との高さが0.01mm以上1mm以下であることを特徴とする請求項1記載のガイドローラ。
  3. 前記テーパ状の周面は、前記中央部における直径をDcとし、前記両端部における直径をDeとするときに、(De−Dc)/Dcが0.001以上0.1以下であることを特徴とする請求項1または2記載のガイドローラ。
  4. 前記テーパ状の周面の前記回転軸方向における長さを1.8m以上2.2m以下とすることを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1項記載のガイドローラ。
  5. 請求項1ないし4のうちいずれか1項記載のガイドローラと、
    ポリマーと溶媒とを含むドープを走行する支持体上に流延し、長尺状の流延膜を形成する流延膜形成装置と、
    前記流延膜が前記支持体上で自己支持性を有した後に前記支持体から湿潤フィルムとして剥ぎ取る剥ぎ取り装置と、
    前記湿潤フィルムを乾燥する乾燥装置とを備え、
    前記ガイドローラを用いて、この剥ぎ取った前記湿潤フィルムを支持して、前記乾燥装置へ送ることを特徴とする溶液製膜設備。
  6. 前記支持体の温度が、−15℃以上0℃以下の範囲で略一定であることを特徴とする請求項5項記載の溶液製膜設備。
  7. 前記乾燥装置は、前記湿潤フィルムの幅方向両端の耳部を保持して前記湿潤フィルムを乾燥するピンテンタであることを特徴とする請求項5または6項記載の溶液製膜設備。
  8. ポリマーと溶媒とを含むドープを走行する支持体上に流延し、長尺状の流延膜を形成する流延膜形成工程、前記流延膜が前記支持体上で自己支持性を有した後に、剥取ローラを用いて前記支持体から湿潤フィルムとして剥ぎ取る剥取工程、この剥ぎ取った前記湿潤フィルムを乾燥装置に送る渡り工程、前記乾燥装置により前記湿潤フィルムを乾燥させる乾燥工程とを備える溶液製膜方法において、
    請求項1ないし4のうちいずれか1項記載の前記ガイドローラを用いて前記渡り工程を行うことを特徴とする溶液製膜方法。
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