JP5650015B2 - 風送装置及び風送方法並びに溶液製膜設備 - Google Patents

風送装置及び風送方法並びに溶液製膜設備 Download PDF

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Description

本発明は、搬送中のフィルムから切り離されたフィルム側端部(耳部)を耳部回収部にまで風送する風送装置及び方法に関する。また、本発明は、そのような風送装置を備えた溶液製膜設備に関する。
ポリマーフィルムは、優れた光透過性や柔軟性に加え軽量薄膜化が可能であることから、光学フィルムとして多岐に利用されている。中でも、セルロースアシレートなどを用いたセルロースエステル系フィルムは、写真感光用フィルムの他、近年市場が拡大している液晶表示装置の構成部材である偏光板の保護フィルムや位相差フィルム等の光学フィルムに用いられている。
光学フィルムとしてのポリマーフィルムを製造する方法としては、良好な平面性や低光学異方性を得ることができる溶液製膜方法が適している。この溶液製膜方法では、まず、ポリマーと溶媒とを含むドープを、循環回転する支持体に流延して流延膜を形成する。そして、流延膜は、乾燥によって自己支持性を有するようになったときに、支持体から湿潤フィルムとして剥ぎ取られる。剥ぎ取られた湿潤フィルムはテンター装置に送られる。このテンター装置では、クリップやピン等によって支持された湿潤フィルムの両端側部(以下「耳部」という)をその幅方向に延伸するとともに、乾燥風の吹き付けによって湿潤フィルムを乾燥させている。したがって、テンター装置内において、湿潤フィルムからは溶媒分の大部分が蒸発する。これにより、製品としてのフィルムが得られる。フィルムはさらに乾燥装置などで乾燥が施された後、巻取装置により巻き取られる。
テンター装置を経た後のフィルムは、クリップで把持した把持痕やピンで差し込んだ差込痕が耳部に残っている。このように把持痕等が残っているフィルムは製品として使用することができないため、耳切装置でその耳部を切り離している。切り離された耳部は、帯状になって吸引ダクトを介してクラッシャなどの回収部に送られる。そして、回収部では、原料として利用することが出来るように、耳部の再利用処理が行なわれる。
吸引ダクトの入口の手前にはフィードローラ対が設けられており、吸引ダクトに入る前の耳部をフィードローラ対により挟持することで、耳部は吸引ダクト周辺の風等によって流されること無く、確実に吸引ダクト内に引き込むことができる。また、耳部に対するフィードローラ対の押さえ圧を制御することで、風送中の耳部が吸引ダクト内で詰まらないようにしている(特許文献1参照)。
特開2005−238801号公報
上述したように、耳切装置により切り離された耳部はフィードローラ対に挟持されることで確実に吸引ダクト内に引き込むことができるものの、耳部はフィードローラ対の間に一定の押さえ圧で挟み込まれているため、耳部がフィードローラ対のうちいずれかの一方又は両方に貼り付いてしまうことがある。このように耳部がフィードローラ対に貼り付いてしまうと、耳部はそのままフィードローラ対に巻き込まれてしまうことがある。また、耳部には、フィードローラ対による押圧力や吸引ダクトによる吸引力などの様々な力が加わっているため、製造条件の変化その他要因によりそれら力が変化することで、耳部に加わる張力も変化する。このように耳部の張力に変化が起こると、耳部がたるんでフィードローラ対に巻き込まれてしまうことがあった。
以上のように、耳部のフィードローラへの貼り付きや巻き込みが生じた場合には、新たに送られてくる耳部の蛇行、張力の不安定化を誘発して、耳部が引きちぎれてしまうことがあった。これに対して、特許文献1のように、フィードローラ対の押さえ圧を制御することで、耳部のたるみなどを無くすことはできるものの、耳部がフィードローラ対に貼り付いたり、巻き付いてしまった場合には、もはや対処することが困難である。
本発明は、耳切装置により切り離された耳部をフィードローラ対で挟持してから吸引ダクト内に引き込む際に、フィードローラ対に耳部が貼り付いたり、巻き付いたりすることを防止することができる風送装置及び風送方法並びに溶液製膜設備を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の風送装置は、搬送中のフィルムの側端部から切り離された耳部を耳部回収部にまで風送するための配管と、配管に入る前の前記耳部を挟持するローラ対と、ローラ対と配管との間に、ローラ対に対して0.1mm以上2mm以下のクリアランスを介して設けられ、ローラ対に巻き付いた耳部を掻き落とすスクレーパー対とを有し、ローラ対の少なくともいずれかの周面には、一定ピッチで配列された多数の錘台からなり、耳部のスリップを防止する凹凸部が形成されており、錐台の上面の面積をSaとし、下面の表面積をSbとした場合に、Sa/Sb×100で表される面積比は10%以上90%以下であるものである。この発明において、配管の内周面には、多数の凹部及び凸部からなり、耳部の内周面への貼り付きを防止する凹凸部が形成されていることが好ましく、内周面に接触したときの耳部の表面積をSx、耳部と接触する内周面のうち凸部の表面積をSyとした場合に、Sy/Sx×100で得られる接触率が20%以下であることがさらに好ましい。
また、本発明の風送装置は、搬送中のフィルムの側端部から切り離された耳部を耳部回収部にまで風送するための配管と、配管に入る前の耳部を挟持するローラ対と、ローラ対と配管との間に設けられ、ローラ対に巻き付いた耳部を掻き落とすスクレーパー対とを有し、配管の内周面には、多数の凹部及び凸部からなり、耳部の内周面への貼り付きを防止する凹凸部が形成されているものである。この発明において、内周面に接触したときの耳部の表面積をSx、耳部と接触する内周面のうち凸部の表面積をSyとした場合に、Sy/Sx×100で得られる接触率が20%以下であることが好ましい。また、スクレーパー対とローラ対との間には0.1mm以上2mm以下のクリアランスが設けられていることが好ましい。また、ローラ対の少なくともいずれかには、周全体にわたって形成された溝が幅方向に一定ピッチで複数設けられ、スクレーパー対には、ローラ対の径方向に対して溝との間に一定のクリアランスを設けた状態で、溝に嵌合される突起部が設けられていることが好ましく、溝の深さは1mm以上であり、クリアランスは0.1mm以上であって溝の深さ以下であることがさらに好ましい。
上記の双方の本発明の風送装置について、スクレーパー対の下端部は、配管の入口から内側に一定の長さ分だけ配管内に入り込んでいることが好ましい。
本発明の溶液製膜設備は、フィルムの耳部をピンで差し込んで支持するピンテンタと、ピンテンタの下流に設けられ、フィルムの耳部をクリップで把持するクリップテンタとを備える溶液製膜設備において、上記本発明の風送装置は、ピンテンタとクリップテンタとの間に設けられた第1耳切装置により切り離されたフィルムの耳部を風送する第1風送装置と、クリップテンタの下流に設けられた第1耳切装置により切り離されたフィルムの耳部を風送する第2風送装置とを備えており、第1風送装置ではローラ対を金属で形成し、第2風送装置ではローラ対を金属またはゴムで形成したものである。
本発明の風送方法は、搬送中のフィルムから切り離されたフィルム側端部である耳部を、配管を介して、耳部回収部にまで風送する際、配管に入る前の耳部をローラ対により挟持し、ローラ対と配管との間に、ローラ対に対して0.1mm以上2mm以下のクリアランスを介して設けられたスクレーパー対により、ローラ対に巻き付いた耳部を掻き落とす風送方法であり、ローラ対の少なくともいずれかの周面には、一定ピッチで配列された多数の錘台からなり、耳部のスリップを防止する凹凸部が形成されており、錐台の上面の面積をSaとし、下面の表面積をSbとした場合に、Sa/Sb×100で表される面積比は10%以上90%以下であるものである。
また、本発明の風送方法は、搬送中のフィルムから切り離されたフィルム側端部である耳部を、配管を介して、耳部回収部にまで風送する際、配管に入る前の耳部をローラ対により挟持し、ローラ対と配管との間に設けられたスクレーパー対により、ローラ対に巻き付いた耳部を掻き落とす風送方法であり、配管の内周面には、多数の凹部及び凸部からなり、耳部の内周面への貼り付きを防止する凹凸部が形成されているものである。この発明において、内周面に接触したときの耳部の表面積をSx、耳部と接触する内周面のうち凸部の表面積をSyとした場合に、Sy/Sx×100で得られる接触率が20%以下であることが好ましい。
本発明によれば、ローラ対と耳部風送用の配管との間に設けられたスクレーパーによって、ローラ対に巻き付いた耳部を掻き落としていることから、ローラ対に耳部が貼り付いたり、巻き付いたりすることを防止することができる。
溶液製膜設備の概略図である。 ピンテンタとクリップテンタとの間にある耳切装置の平面図である。 風送装置の断面図である。 フィードローラ対の周面に設けられた凹凸部の斜視図である。 第1実施形態におけるフィードローラ対及びスクレーパーの斜視図である。 第1実施形態におけるフィードローラ対、スクレーパー、吸引ダクトを説明するための説明図である。 第2実施形態におけるフィードローラ対及びスクレーパーの斜視図である。 第2実施形態におけるフィードローラ対、スクレーパー、吸引ダクトを説明するための説明図である。 スクレーパーの突起部がフィードローラ対の溝に嵌合している状態を表すフィードローラ対及びスクレーパーの一部断面図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態の溶液製膜設備10は、流延室12とピンテンタ13とクリップテンタ14と乾燥室15と冷却室16と巻取室17とを有する。流延室12には、流延ダイ21、流延ドラム22、減圧チャンバ23、及び剥取ローラ24が設けられる。
流延ダイ21は、ポリマーと溶剤とを含むドープ28を、流延ドラム22に向けて吐出する。流延ドラム22は、駆動装置(図示しない)により軸22aを中心に回転する。流延ドラム22の回転により、周面22bはA方向へ所定の速度で走行する。流延ダイ21から吐出したドープ28は、周面22bとの間で流延ビードを形成し、周面22b上では流延膜40を形成する。
流延ドラム22には温調装置33が接続される。温調装置33は、所望の温度に調節された伝熱媒体を、流延ドラム22内の流路中に循環させる。この伝熱媒体の循環により、流延ドラム22の周面22bの温度を所望の温度に保つことができる。また、図示は省略するが、流延室12内に気化する溶剤を凝縮する凝縮装置、液化した溶剤を回収する回収装置を設けることにより、流延室12内にて気体となっている溶剤が液化する温度を所定の範囲に保つことができる。
流延ダイ21に流延ビードの背面側を所望の圧力まで減圧する減圧チャンバ23を設けてもよい。この減圧チャンバ23により、図示しない制御部の制御の下、流延ビードの背面側の圧力を正面側に対して−10Pa以上−2000Pa以下にすることが好ましい。このように流延ビードの背面側の圧力を減圧することで、流延ドラムが高速回転したとしても、流延ビードが回転方向(A方向)側に流され過ぎることがないため、流延ビードを流延ドラム22上の所定位置に確実に吐出することができる。
剥取ローラ24は、周面22b上の流延膜40を剥ぎ取って、湿潤フィルム44として、流延室12の下流側へ案内する。流延室12の下流には、渡り部、ピンテンタ13、クリップテンタ14、乾燥室15、冷却室16、及び巻取室17が順に設置されている。渡り部45では、流延室12から送り出された湿潤フィルム44をローラ46で搬送した後、ピンテンタ13に導入する。ピンテンタ13は、湿潤フィルム44の両側端部を貫通して保持する多数のピンプレートを有し、このピンプレートが軌道上を走行する。走行中の湿潤フィルム44に対しては乾燥風が送られる。これにより、湿潤フィルム44は乾燥し、フィルム50となる。なお、以下の記載において、湿潤フィルム又はフィルムのうちその両側端から内側の一定領域を占める両側端部を耳部と称する。
クリップテンタ14は、フィルム50の耳部を把持する多数のクリップを有し、このクリップが延伸軌道上を走行する。クリップにより走行するフィルム50に対し乾燥風が送られ、フィルム50には、フィルム幅方向への延伸処理とともに乾燥処理が施される。なお、クリップテンタ14は省略しても良い。
ピンテンタ13及びクリップテンタ14の下流にはそれぞれ耳切装置51、52が設けられている。耳切装置51、52はフィルム50の耳部を切り離す。この切り離された部分は、風送装置53,54によりクラッシャ55に送られる。このクラッシャ55において、耳部は細かく切断され、ドープ等の原料として再利用される。
乾燥室15には、多数のローラ56が設けられており、これらにフィルム50が巻き掛けられて搬送される。乾燥室15内の雰囲気の温度や湿度などは、図示しない空調機により調節されており、乾燥室15の通過によりフィルム50の乾燥処理が行われる。乾燥室15には吸着回収装置57が接続される。吸着回収装置57は、フィルム50から蒸発した溶剤を吸着により回収する。
乾燥室15の出口側には冷却室16が設けられており、この冷却室16でフィルム50が室温となるまで冷却される。冷却室16及び巻取室17の間では、上流側から順に、除電バー61、ナーリング付与ローラ62、及び耳切装置63が設けられる。除電バー61は、冷却室16から送り出され、帯電したフィルム50から電気を除く除電処理を行う。
ナーリング付与ローラ62はフィルム50をニップする1対のニップローラ62a、62bから構成され、一方のローラ62aの周面には、フィルム50の耳部に凹凸状のナーリング部を付与する角錐台状の突起部が所定の配列ピッチで複数設けられている。なお、突起部は角錐台状のものに限られず、円錐台状や、円丘状のものでもよい。また、突起部と同様の突起部を、ローラ62aの周面ではなく、ローラ62bの周面に設けてもよいし、ローラ62a及び62bの周面にそれぞれ設けてもよい。
耳切装置63は、フィルム50のうちナーリング部よりも外側にある耳部を切り離す。この切り離された耳部は、風送装置70によりクラッシャ55に送られる。クラッシャ55では、耳部は細かく切断され、ドープ等の原料として再利用される。
巻取室17には、プレスローラ71と巻き芯72を有する巻取機73とが設置されており、巻取室17に送られたフィルム50は、プレスローラ71によって押し付けられながら巻き芯72に巻き取られ、ロール状となる。巻き芯72の直径は、特に限定されない。
図2及び図3に示すように、耳切装置51は、ピンテンタ13から送られてきたフィルム50の耳部50aを切り離す一対のカッタ51aを備えている。カッタ51は上丸刃と下丸刃とからなり、これら上丸刃と下丸刃との間にフィルム50を送り込むことによって、耳部50aを切り離す。耳部50aが切り離されたフィルム50はクリップテンタ14に送られる一方、耳部50aはガイドローラ82を介して風送装置53に送られる。なお、耳切装置52,63については、耳切装置51と同様であるため、説明を省略する。
風送装置53は、耳切装置51で切り離された耳部50aを吸引ダクト84内に引き込む。吸引ダクト84内にはロータリカッタ85が設けられており、このロータリカッタ85は、回転軸86を中心に一定の回転速度で回転する回転刃87と吸引ダクト84内の内壁に取り付けられた固定刃88とを備えている。ロータリカッタ85では、回転刃87が固定刃88を横切るごとに、吸引ダクト84内に引き込まれた耳部50aを回転刃87と固定刃88との間に挟み込んで切断する。これにより、長尺状の耳部50aは細かく短冊状に切断される。短冊状の耳部50bは、クラッシャ55に送られる。なお、風送装置54,70については、風送装置53と同様であるため、説明を省略する。
風送装置53には、吸引ダクト84に入り込む前の耳部50aを挟持するフィードローラ対89が、吸引ダクト84の入口84aの上方に設けられている。フィードローラ対89は駆動ローラ90と押さえローラ91とからなる。駆動ローラ90はモータ90aの駆動により一定の回転速度で回転する。押さえローラ91は、シフト部93により駆動ローラ90に接触する押さえ位置とこの押さえ位置から退避した退避位置との間で移動自在に設けられている。耳部50aの先端を通過させる際には、押さえローラ91を退避位置にセットさせる。そして、耳部50aの先端が通過した後は、押さえローラ91を押さえ位置にセットし、耳部50aを挟持する。
駆動ローラ90の周面には、図4に示すように、周面上に耳部50aがスリップすることを防止する凹凸部95が設けられている。凹凸部95は、一定ピッチで規則的に配列された多数の四角錘台95aからなる。四角錐台95aは、駆動ローラ90の周面上に位置する下面59aと、この下面59aから高さ方向(駆動ローラ90の軸方向と直交する方向)に一定距離だけ離れて位置する上面59bとを有している。四角錐台95aの59bは略フラットであるが、上面59bの面積が下面59aと比較して極めて小さい場合には、耳部50aが一定の圧力で押さえローラ91により駆動ローラ90側に押し付けられることによって、耳部50aは四角錘台95aに食い込むおそれがある。この食い込みによって、耳部50aが駆動ローラ90に貼り付いたり、巻き付いたりするおそれがある。
そこで、四角錐台95aの上面59bの面積をSaとし、下面59aの表面積をSbとした場合に、面積比(Sa/Sb×100)を10%以上90%以下とすることが好ましく、10%以上30%以下とすることがより好ましい。四角錘台95aの面積比を前記範囲内にすることで、耳部50aのスリップを防止することができるだけでなく、耳部50aが凹凸部95に食い込むことがないため、耳部50aが駆動ローラ90に貼り付いたり、巻き付いたりすることを防止することができる。なお、押さえローラ91の周面に対しても、駆動ローラと同様に、凹凸部を設けてもよい。また、図4では、図の煩雑化を避けるために、四角錐台の一部にのみ符号を付している。
駆動ローラ90及び押さえローラ91は、アルミなどの金属で形成されている。耳部50aには、ピンテンタ13でピンが差し込まれたことによって、尖った差込痕が残っているが、金属製のローラ90,91で耳部50aを挟持することで、それらローラ90,91の表面に差込痕によるキズ等が付くことはない。なお、クリップテンタ14を通過した後に切り離された耳部にはクリップの把持痕が残っているが、この把持痕はピンの差込痕ほど鋭利でない。したがって、風送装置54内の駆動ローラ及び押さえローラは金属製の他、ゴム等で形成してもよい。同様に、風送装置70内の駆動ローラ及び押さえローラについても金属やゴム等で形成してもよい。
図3、図5及び図6に示すように、フィードローラ対89の下方には、スクレーパー97,98からなるスクレーパー対が設けられてる。一方のスクレーパー97は、駆動ローラ90に貼り付いた耳部50aや、たるみなどによって駆動ローラ90に巻き込まれた耳部50aを掻き落とす。このように耳部50aを掻き落とすことで、駆動ローラ90の周面から、耳部50aの搬送を阻害するものが除去される。駆動ローラ90上に搬送阻害物がないことで、新たに送られてくる耳部50aの蛇行等を防止することができるとともに、張力を均一にした状態で耳部50aを挟持することができる。これにより、耳部50aの切断等を引き起こすことなく、安定して耳部50aを搬送することができる。なお、もう一方のスクレーパー98は、押さえローラ91に貼り付いた耳部50aを掻き落とすものであり、機能的にはスクレーパー97と同様である。
なお、駆動ローラ90や押さえローラ91に凹凸部95を設けることは、耳部50aのフィードローラ対への貼り付きや巻き付きを防止することに一定の効果はある。しかし、耳部50がフィードローラ対89に案内されてくる速度(搬送速度)や、耳部50aの厚み等によっては、貼り付きや巻き付きが発生する場合もある。例えば、搬送速度が大きくなるほど、あるいは、耳部50aの厚みが小さくなるほど、凹凸部95があってもフィードローラ対89に貼り付いたり巻き付いたりしやすくなる。このような場合には、スクレーパー97、98を用いると耳部50aは確実に下流の吸引ダクト84へと案内される。
駆動ローラ90とスクレーパー97との間には、クリアランスCL1が設けられている。クリアランスCL1は0,1mm以上2mm以下が好ましく、より好ましくは0.1mm以上1mm以下である。クリアランスCL1を前記範囲内にすることで、駆動ローラ90の回転を妨げることなく、駆動ローラ90上に付着した耳部を確実に掻き落とすことができる。押さえローラ91とスクレーパー98との間にも、上記と同様に、クリアランスCL1が設けられている。
なお、本実施形態においては、前述の通り、駆動ローラ90の周面に多数の四角錐台95aを設けている。このような場合には、四角錐台95aの略フラットな上面59bとスクレーパ97との間の距離を、クリアランスCL1とみなしてもよい。
スクレーパー97,98の下端部97a,98aは、吸引ダクトの入口84aから内側に一定長さ分だけ吸引ダクト84内に入り込んでいる。これにより、耳部50aは、フィードローラ対89に挟持されてから吸引ダクトの入口84aに入るまでの間、その表面及び裏面側から吸引ダクト84近傍の流れ風をほとんど受けることが無い。したがって、耳部50aは、吸引ダクトの入口84aに入るまで吸引ダクト84から逸れて大きく流されたり、弛んだりすることが無くなるため、耳部50aを確実に吸引ダクト84内に引き込むことができる。
吸引ダクト84の内周面84bには、凹部100aと凸部100bとからなる凹凸部100が形成されている。これにより、耳部50aが内周面84bに接触したとしても、凹凸部100が無い内周面に接触したときと比較して、接触面積を低減することができる。したがって、内周面84bへの耳部50aの貼り付きを防止することができるため、吸引ダクト84内に入った耳部50aを確実に下方のロータリカッタ85にまで送ることができる。例えば、吸引ダクト84に案内された耳部50aが吸引ダクト84の内部につまってしまう等の問題がより確実に防止される。
ここで、内周面84bに耳部50aが接触した場合に、内周面84bに接触した耳部50aの表面積をSxと、耳部50aに接触した内周面84bのうち凸部100bの表面積をSyとすると、接触率(Sy/Sx×100)は20%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下である。接触率を前記範囲にすることで、内周面84bに耳部50aが貼り付くことを確実に防止することができる。なお、接触率100%とは、内周面85bに凹凸部100が無い場合である。
吸引ダクト84の内周面84bに耳部50aが貼り付いても、フィルムの硬さ等によっては、スクレーパー97,98によるフィードローラ89からの耳部50aの掻き落としのみで、耳部50aが吸引ダクト84を通過してロータリカッタ95へ案内される場合もある。
次に、本発明の作用について説明する。図1に示すように、ドープ28は流延ダイ21へ送られる。流延ダイ21に設けられた温調機により、ドープ28の温度は、30℃以上35℃以下の範囲で略一定に調節される。
温調装置33は、流延ドラム22の周面22bの温度が、−20℃以上0℃以下の範囲で略一定になるように調節する。流延ドラム22は、軸22aを中心に回転する。これにより、周面22bはA方向へ走行する。周面22bの走行速度は、35m/分以上200m/分以下であることが好ましく、70m/分以上150m/分以下であることがより好ましい。
流延ダイ21は、吐出口からドープ28を流延ドラム22の周面22bに向けて吐出する。吐出したドープ28により、周面22b上には流延膜40が形成する。流延膜40をなすドープ28は、周面22b上で冷却され、ゲル状となる結果、流延膜40に自己支持性が発現する。その後、剥取ローラ24は、自己支持性を有するものとなった流延膜40を、流延ドラム22から湿潤フィルム44として剥ぎ取り、渡り部45を介して、ピンテンタ13へ案内する。
ここで、ゲル化とは、コロイド溶液がジェリー状に固化した状態の他、ドープの流動性が失われた状態を含む。なお、「ドープの流動性が失われた」とは、溶質が高分子の場合において、溶剤が溶質の分子鎖の中で保持された状態で流動性を失い、結果的に溶液の流動性が失われた状態と、溶質が低分子の場合において、溶剤の分子と溶質の分子との相互作用により、結果的に溶液の流動性が失われた状態とを含む。
剥ぎ取り時の流延膜40の残留溶剤量は、250重量%以上300重量%以下であることが好ましい。なお、本発明では、流延膜40や各フィルム中に残留する溶剤量を乾量基準で示したものを残留溶剤量とする。また、その測定方法は、対象のフィルムからサンプルを採取し、このサンプルの重量をx、サンプルを乾燥した後の重量をyとするとき、{(x−y)/y}×100で算出する。
ピンテンタ13では、多数のピンを湿潤フィルム44の耳部に差し込んで固定した後、この湿潤フィルム44を搬送する間に乾燥を促進させてフィルム50とする。そして、まだ溶剤を含んでいる状態のフィルム50をクリップテンタ14に送り込む。ピンテンタ13及びクリップテンタ14を出たフィルム50は、耳切装置53,54により、フィルム50の耳部50aが切り離される。
耳切装置53により切り離された耳部50aは、風送装置53によってクラッシャ55にまで風送される。風送装置53では、耳部50aは、吸引ダクト84に入る前に、フィードローラ対89に挟持される。フィードローラ対89と吸引ダクト84との間には駆動スクレーパー97,98が設けられている。フィードローラ対89に耳部50aが貼り付いた場合であっても、これらスクレーパー97,98によって貼り付いた耳部を掻き落とす。吸引ダクト84内に入った耳部50aは、ロータリーカッタ85によって短冊状に切断された後、クラッシャ55に送られる。なお、風送装置54については、風送装置53と同様であるため、説明を省略する。
耳部が切り離されたフィルム50は、乾燥室15及び冷却室16を順次通過し、各室において所定の処理が施される。冷却室16から送り出されたフィルム50には、除電バー61による除電処理が施される。
ナーリング付与ローラ62は、除電処理が施されたフィルム50をニップして、耳切装置63へ送る。ナーリング付与ローラ62のニップにより、フィルム50の両側端部には、ナーリング部が形成される。その後、耳切装置63は、フィルム50のうちナーリング部よりも外側の部分を切り離す。切り離された耳部50aは、風送装置70によってクラッシャ55に送られる。一方、耳部が切り離されたフィルム50は、巻取機73で巻き取られる。なお、風送装置70は、風送装置53と同様であるため、説明を省略する。
巻取機73で巻き取られるフィルム50の長さLは、長手方向(流延方向)に少なくとも100m以上とすることが好ましい。また、フィルム50の幅Wは1000mm以上3500mm以下であることがより好ましい。また、本発明は、フィルム50の幅が2500mmより広い場合にも効果がある。さらに、フィルム50の厚みが5μm以上80μm以下の薄いフィルムを製造する際にも本発明は適用される。ここで、フィルム50の厚みとは、フィルム50の体積をVとするときに、V/(L・W)で表される。なお、体積Vの求め方としては、フィルム50の重量をフィルム50の比重で除してもよい。
本発明の第2実施形態の溶液製膜設備は、風送装置内のフィードローラ対及びスクレーパー対の構成以外は、第1実施形態の溶液製膜設備と同様の構成を備えている。図7及び図8に示すように、第2実施形態におけるスクレーパー105,106は、駆動ローラ108と押さえローラ109とからなるフィードローラ対110に貼り付いた耳部50aを掻き落とす点については第1実施形態と同様であるが、その先端部に一定のピッチで配列された複数の突起部105a,106aを備えている点が異なる。また、フィードローラ対110には、スクレーパーの突起部105a,106aと一定のクリアランスCL2(図9参照)を設けた状態で嵌合する複数の溝108a,109aが形成されている点が、第1実施形態とは異なっている。溝108a,109aはフィードローラ対110の周全体にわたって形成されており、それら溝108a,109aはフィードローラ対110の幅方向に対して一定のピッチで複数設けられている。
スクレーパー105,106は、第1実施形態のスクレーパー97,98と同様に、フィードローラ対110に貼り付いた耳部50aを掻き落とすことで、フィードローラ対110上に耳部50aの搬送を阻害するものが無くなるため、耳部50aを安定して搬送することができる。さらに、第2実施形態では、フィードローラ対110の周面のうち溝と隣接する溝との間の部分(図9では周面108b)は略フラットとなっているため、耳部50aが一定の圧力で押圧されている場合であっても、耳部50aは溝と隣接する溝との間の部分に食い込むことはない。したがって、耳部50aがフィードローラ対110に貼り付いたり、巻き付いたりするおそれはない。
図9に示すように、溝108aの深さDは1mm以上であることが好ましく、3mm以上であることがより好ましい。また、駆動ローラ108の溝108aとスクレーパー105の突起部105aとの間のクリアランスCL2は0.1mm以上であって溝108aの深さD以下であることが好ましく、0.1mm以上であって(溝108aの深さD)−1mm以下であることがより好ましい。クリアランスCL2及び溝の深さDを前記範囲内にすることで、駆動ローラ108の回転を妨げることなく、駆動ローラ108上に付着した耳部50aを確実に掻き落とすことができる。なお、押さえローラの溝109aとスクレーパー105の突起部105aとの間のクリアランスCL2も上記と同様であり、また、溝109aの深さDも上記と同様である。
なお、図8に示すように、スクレーパー105,106の下端部105b,106bは、第1実施形態と同様に、吸引ダクト84の入口84aから内側に一定の長さ分だけ吸引ダクト84内に入り込んでいる。また、吸引ダクト84の内周面84bには、第1実施形態と同様に、耳部50aとの接触面積を低減させる凹凸部95が形成されている。
上記第1実施形態では、駆動ローラの周面に設けた凹凸部を多数の四角錘台で構成したが、凹凸部は四角錘台の他、上面59bの面積が下面59aの面積よりも小さいもの、例えば円錐などであってもよい。
上記第2実施形態では、スクレーパー対の先端全体に突起部を設けたが、一部にのみ突起部を設けてもよい。この場合、フィードローラ対の溝は、突起部の位置に対応させて形成する。
以下、本発明においてドープ28を調製する際に使用する原料について説明する。
(ポリマー)
本実施形態では、ポリマーとしてセルロースアシレートを用いており、セルロースアシレートとしては、セルローストリアセテート(TAC)が特に好ましい。そして、セルロースアシレートの中でも、セルロースの水酸基へのアシル基の置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するものがより好ましい。なお、以下の式(I)〜(III)において、AおよびBは、セルロースの水酸基中の水素原子に対するアシル基の置換度を表わし、Aはアセチル基の置換度、Bは炭素原子数が3〜22のアシル基の置換度である。なお、TACの90重量%以上が0.1〜4mmの粒子であることが好ましい。ただし、本発明に用いることができるポリマーは、セルロースアシレートに限定されるものではない。
(I) 2.5≦A+B≦3.0
(II) 0≦A≦3.0
(III) 0≦B≦2.9
セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位,3位および6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部を炭素数2以上のアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位,3位および6位それぞれについて、セルロースの水酸基がエステル化している割合(100%のエステル化の場合を置換度1とする)を意味する。
全アシル化置換度、すなわち、DS2+DS3+DS6の値は、2.00〜3.00が好ましく、より好ましくは2.22〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、DS6/(DS2+DS3+DS6)の値は、0.28以上が好ましく、より好ましくは0.30以上であり、特に好ましくは0.31〜0.34である。ここで、DS2は、グルコース単位における2位の水酸基の水素がアシル基によって置換されている割合(以下、2位のアシル置換度と称する)であり、DS3は、グルコース単位における3位の水酸基の水素がアシル基によって置換されている割合(以下、3位のアシル置換度と称する)であり、DS6は、グルコース単位において、6位の水酸基の水素がアシル基によって置換されている割合(以下、6位のアシル置換度と称する)である。
本発明のセルロースアシレートに用いられるアシル基は1種類だけでもよいし、あるいは2種類以上のアシル基が使用されていてもよい。2種類以上のアシル基を用いるときには、その1つがアセチル基であることが好ましい。2位,3位および6位の水酸基がアセチル基により置換されている度合いの総和をDSAとし、2位,3位および6位の水酸基がアセチル基以外のアシル基によって置換されている度合いの総和をDSBとすると、DSA+DSBの値は、2.22〜2.90であることが好ましく、特に好ましくは2.40〜2.88である。
また、DSBは0.30以上であることが好ましく、特に好ましくは0.7以上である。さらにDSBは、その20%以上が6位水酸基の置換基であることが好ましく、より好ましくは25%以上であり、30%以上がさらに好ましく、特には33%以上であることが好ましい。さらに、セルロースアシレートの6位におけるDSA+DSBの値が0.75以上であり、さらに好ましくは、0.80以上であり、特には0.85以上であるセルロースアシレートも好ましく、これらのセルロースアシレートを用いることで、より溶解性に優れた溶液(ドープ)を作製することができる。特に、非塩素系有機溶剤を使用すると、優れた溶解性を示し、低粘度で濾過性に優れるドープを作製することができる。
セルロースアシレートの原料であるセルロースは、リンター,パルプのどちらから得られたものでもよい。
本発明におけるセルロースアシレートの炭素数2以上のアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でもよく、特に限定はされない。例えば、セルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステル、芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどが挙げられ、それぞれ、さらに置換された基を有していてもよい。これらの好ましい例としては、プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、iso−ブタノイル基、t−ブタノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などが挙げられる。これらの中でも、プロピオニル基、ブタノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、t−ブタノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などがより好ましく、特に好ましくは、プロピオニル基、ブタノイル基である。
(溶剤)
ドープを調製する溶剤としては、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン,トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン,クロロベンゼンなど)、アルコール(例えば、メタノール,エタノール,n−プロパノール,n−ブタノール,ジエチレングリコールなど)、ケトン(例えば、アセトン,メチルエチルケトンなど)、エステル(例えば、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸プロピルなど)およびエーテル(例えば、テトラヒドロフラン,メチルセロソルブなど)などが挙げられる。なお、本発明においてドープとは、ポリマーを溶剤に溶解または分散させることで得られるポリマー溶液または分散液を意味している。
上記のハロゲン化炭化水素の中でも、炭素原子数1〜7のハロゲン化炭化水素が好ましく用いられ、ジクロロメタンが最も好ましく用いられる。ポリマーの溶解性、流延膜の支持体からの剥ぎ取り性、フィルムの機械的強度および光学特性などの物性の観点から、ジクロロメタンの他に炭素原子数1〜5のアルコールを1種ないし数種類混合することが好ましい。アルコールの含有量は、溶剤全体に対して2〜25重量%が好ましく、より好ましくは、5〜20重量%である。アルコールとしては、メタノール,エタノール,n−プロパノール,イソプロパノール,n−ブタノールなどが挙げられるが、メタノール,エタノール,n−ブタノール、あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
最近、環境に対する影響を最小限に抑えることを目的に、ジクロロメタンを使用しない溶剤組成も検討されている。この場合には、炭素原子数が4〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステル、炭素数1〜12のアルコールが好ましく、これらを適宜混合して用いる場合もある。例えば、酢酸メチル,アセトン,エタノール,n−ブタノールの混合溶剤が挙げられる。これらのエーテル、ケトン,エステルおよびアルコールは、環状構造を有するものであってもよい。また、エーテル、ケトン,エステルおよびアルコールの官能基(すなわち、−O−,−CO−,−COO−および−OH)のいずれかを2つ以上有する化合物も溶剤として用いることができる。
セルロースアシレートの詳細については、特開2005−104148号公報の[0140]段落から[0195]段落に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。また、溶剤および可塑剤,劣化防止剤,紫外線吸収剤(UV剤),光学異方性コントロール剤,レターデーション制御剤,染料,マット剤,剥離剤,剥離促進剤などの添加剤についても、同じく特開2005−104148号公報の[0196]段落から[0516]段落に詳細に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。
下記の実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明する。
[実施例1−1]
図2に示すように、ピンテンタ13からのフィルム50の耳部50aを耳切装置51で切り離した。切り離した耳部50aを風送装置53でクラッシャ55まで送った。風送装置53では、図3、図5、及び図6に示すように、吸引ダクト84に入る前の耳部50aをフィードローラ対89で挟持した。フィードローラ対89を駆動ローラ90と押さえローラ91とから構成した。駆動ローラ90及び押さえローラ91に貼り付いた耳部50aをスクレーパー97,98で掻き落とした。吸引ダクト84に入った耳部50aに対しては、内周面84bに凹凸部100を形成しなかった。なお、実施例1−1では、駆動ローラ90の周面には、図4に示すような多数の四角錘台95aからなる凹凸部95は形成されていない。
ここで、駆動ローラ90とスクレーパー97との間(押さえローラ91とスクレーパー98との間)のクリアランスCL1を2mmにした。また、内周面84bに接触したときの耳部50aの表面積をSx、耳部50aに接触した内周面84bのうち凸部100bの表面積をSyとした場合、Sy/Sx×100で得られる接触率は100%であった。
また、実施例1−1に類似する他の実施例及び比較例の条件は以下のとおりである。
[実施例1−2]
吸引ダクトの内周面84bへの耳部50aの貼り付きを防止するために、内周面84bに図6に示す凹凸部100を形成し、接触率を20%にした。これ以外は実施例1−1と同様に実施した。
[実施例1−3]
吸引ダクトの内周面84bへの耳部50aの貼り付きを防止するために、内周面84bに図6に示す凹凸部100を形成し、接触率を10%にした。これ以外は実施例1−1と同様に実施した。
[実施例1−4]
クリアランスCL1を1mmにした以外は実施例1−1と同様に実施した。
[実施例1−5]
クリアランスCL1を1mmにした。吸引ダクトの内周面84bへの耳部50aの貼り付きを防止するために、内周面84bに図6に示す凹凸部100を形成し、接触率を20%にした。これ以外は実施例1−1と同様に実施した。
[実施例1−6]
クリアランスCL1を1mmにした。吸引ダクトの内周面84bへの耳部50aの貼り付きを防止するために、内周面84bに図6に示す凹凸部100を形成し、接触率を10%にした。これ以外は実施例1−1と同様に実施した。
[比較例1−1]
クリアランスCL1を10mmにした以外は実施例1−1と同様に実施した。
[比較例1−2]
クリアランスCL1を10mmにした。吸引ダクトの内周面84bへの耳部50aの貼り付きを防止するために、内周面84bに図6に示す凹凸部100を形成し、接触率を20%にした。これ以外は実施例1−1と同様に実施した。
[比較例1−3]
クリアランスCL1を10mmにした。吸引ダクトの内周面84bへの耳部50aの貼り付きを防止するために、内周面84bに図6に示す凹凸部100を形成し、接触率を10%にした。これ以外は実施例1−1と同様に実施した。
[比較例1−4]
クリアランスCL1を5mmにした以外は実施例1と同様に実施した。
[比較例1−5]
クリアランスCL1を5mmにした。吸引ダクトの内周面84bへの耳部50aの貼り付きを防止するために、内周面84bに図6に示す凹凸部100を形成し、接触率を20%にした。これ以外は実施例1−1と同様に実施した。
[比較例1−6]
クリアランスCL1を5mmにした。吸引ダクトの内周面84bへの耳部50aの貼り付きを防止するために、内周面84bに図6に示す凹凸部100を形成し、接触率を10%にした。これ以外は実施例1−1と同様に実施した。
[実施例2−1]
実施例1−1と同様に、耳切装置51で切り離した耳部50aを、風送装置53でクラッシャ55まで送った。風送装置53では、図7、図8に示すように、吸引ダクト84に入る前の耳部50aをフィードローラ対110で挟持した。フィードローラ対110を駆動ローラ108と押さえローラ109とから構成した。それらローラ108,109には、軸方向に対して一定間隔で溝108a,109aを形成した。駆動ローラ108及び押さえローラ109に貼り付いた耳部50aをスクレーパー105,106で掻き落とした。スクレーパー105,106の先端には突起部105a,106aが設けられており、これら突起部105a,106aは、図9に示すように、溝108a,109aとの間に一定のクリアランスCL2を設けた上で、それら溝108a,109aに嵌合させた。なお、吸引ダクト84の内周面84bには、実施例1−1と同様に、内周面84bへの貼り付きを防止する凹凸部100を形成しなかった。
ここで、駆動ローラ108とスクレーパー105との間(押さえローラ109とスクレーパー106との間)のクリアランスCL2を5mmにした。また、溝108a,109aの深さDを5mmとした。
また、実施例2−1に類似する他の実施例及び比較例の条件は以下のとおりである。
[実施例2−2]
クリアランスCL2を3mmにした以外は実施例2−1と同様に実施した。
[実施例2−3]
クリアランスCL2を1mmにした以外は実施例2−1と同様に実施した。
[実施例2−4]
クリアランスCL2を3mmにし、溝の深さDを3mmにした以外は実施例2−1と同様に実施した。
[実施例2−5]
クリアランスCL2を1mmにし、溝の深さDを3mmにした以外は実施例2−1と同様に実施した。
[実施例2−6]
クリアランスCL2を1mmにし、溝の深さDを1mmにした以外は実施例2−1と同様に実施した。
[比較例2−1]
クリアランスCL2を10mmにした以外は実施例2−1と同様に実施した。
[比較例2−2]
溝の深さDを3mmにした以外は実施例2−1と同様に実施した。
[比較例2−3]
クリアランスCL2を3mmに、溝の深さDを1mmにした以外は実施例2−1と同様に実施した。
[参考例3−1]
実施例1−1と同様に、耳切装置51で切り離した耳部50aを、風送装置53でクラッシャ55まで送った。風送装置53では、図3、図5、及び図6に示すように、吸引ダクト84に入る前の耳部50aをフィードローラ対89で挟持した。なお、フィードローラ対89へ向かう耳部50aの搬送速度につき50m/分とした場合と、100m/分とした場合とについてそれぞれ実施した。フィードローラ対89を駆動ローラ90と押さえローラ91とから構成した。駆動ローラ90の周面には、図4に示すように、周面上に耳部50aがスリップすることを防止する凹凸部95を設けた。この凹凸部95を、一定ピッチで規則的に配列された多数の四角錘台95aから構成した。なお、吸引ダクト84の内周面84bには、実施例1−1と同様に、内周面84bへの貼り付きを防止する凹凸部100を形成しなかった。また、参考例3−1では、実施例1−1や実施例2−1のように、フィードローラ対に貼り付いた耳部50aを掻き落とすスクレーパー97,98,105,106を設けなかった。
ここで、四角錐台95aの上面59bの面積をSaとし、下面59aの表面積をSbとした場合において、Sa/Sb×100で表される面積比を90%とした。
また、参考例3−1に類似する他の参考例3−2〜3−5及び実施例3−1〜3−5の条件は以下のとおりである。
[参考例3−2]
面積比を30%とした以外は参考例3−1と同様に実施した。
[参考例3−3]
面積比を10%とした以外は参考例3−1と同様に実施した。
[参考例3−4]
面積比を100%とした以外は参考例3−1と同様に実施した。
[参考例3−5]
面積比を5%とした以外は参考例3−1と同様に実施した。
[実施例3−1]
フィードローラ対89へ向かう耳部50aの搬送の速度を100m/分とし、図3に示すスクレーパ97,98を用いた。これ以外については参考例3−1と同じである。フィードローラ対89へ向かう耳部50aの搬送の速度を50m/分とした場合については実施しなかった。
[実施例3−2]
フィードローラ対89へ向かう耳部50aの搬送の速度を100m/分とし、図3に示すスクレーパ97,98を用いた。これ以外については参考例3−2と同じである。フィードローラ対89へ向かう耳部50aの搬送の速度を50m/分とした場合については実施しなかった。
[実施例3−3]
フィードローラ対89へ向かう耳部50aの搬送の速度を100m/分とし、図3に示すスクレーパ97,98を用いた。これ以外については参考例3−3と同じである。フィードローラ対89へ向かう耳部50aの搬送の速度を50m/分とした場合については実施しなかった。
[実施例3−4]
図3に示すスクレーパ97,98を用い、フィードローラ対89へ向かう耳部50aの搬送の速度につき50m/分とした場合と、100m/分とした場合について実施した。これ以外については参考例3−4と同じである。
[実施例3−5]
図3に示すスクレーパ97,98を用い、フィードローラ対89へ向かう耳部50aの搬送の速度につき50m/分とした場合と、100m/分とした場合について実施した。これ以外については参考例3−5と同じである。
[評価]
実施例1−1〜1−6及び比較例1−1〜1−6では、風送装置53により耳部50aを搬送する際、フィードローラ対89(周面には凹凸部95が設けられていない)への耳部50aの巻き付きが発生したか否か、吸引ダクトの内周面84bに耳部50aが貼り付いたか否かを評価したところ、以下の[表1]のような結果が得られた。
Figure 0005650015
ここで、「ローラへの巻き付き」の評価については、巻き付きが全く発生しなかった場合を「○」、巻き付きがほとんど発生しなかった場合を「△」、巻き付きが発生してした場合を「×」とした。また、「吸引ダクトへの貼り付き」の評価については、吸引ダクトの内周面84bに耳部50aが全く貼り付かなかった場合を「○」、耳部50aの貼り付きがほとんど発生しなかった場合を「△」、吸引ダクトの内周面84bに耳部50aが貼り付いて、耳部50aの搬送不良が発生した場合を「×」とした。
[表1]が示すように、実施例1−1〜1−6では、スクレーパーによってフィードローラ対上に貼り付いた耳部を確実に掻き落とすことができため、フィードローラ対への耳部の巻き付きは生じなかった。なお、これら実施例1−1〜1−6の中には、吸引ダクトへの耳部50aの貼り付きが認められたものもあった。しかし、いずれの実施例1−1〜1−6においても、フィードローラ対89から吸引ダクト84へ耳部50aは案内され、吸引ダクト84の中を通過し、ロータリカッタ85にまで送られた。特に実施例1−3と1−6とにおいては、耳部50aは吸引ダクト84の中を常に安定して良好に通過した。
これに対して、比較例1−1〜1−6では、クリアランスCL1が実施例1−1〜1−6と比較して大きすぎるため、スクレーパーによってフィードローラ対上に貼り付いた耳部を十分に掻き落とすことができなかった。そのため、フィードローラ対への耳部の巻き付きが発生した。
実施例2−1〜2−6及び比較例2−1〜2−3では、風送装置53により耳部50aを搬送する際、フィードローラ対110への耳部50aの巻き付きが発生したか否かを評価したところ、以下の[表2]のような結果が得られた。
Figure 0005650015
なお、[表2]における「ローラへの巻き付き」の評価は、表1と同様である。
実施例2−1〜2−6では、スクレーパーによってフィードローラ対上に貼り付いた耳部を確実に掻き落とすことができため、フィードローラ上フィードローラ対への耳部の巻き付きは生じなかった。これに対して、比較例2−1〜2−3では、スクレーパーによってフィードローラ対上に貼り付いた耳部を十分に掻き落とすことができなかったため、フィードローラ対への耳部の巻き付きが発生した。
参考例3−1〜3−5及び実施例3−1〜3−5では、風送装置53により耳部50aを搬送する際、フィードローラ対89(周面には凹凸部95が設けられている)への耳部50aの巻き付きが発生したか否か、フィードローラ対89上で耳部50aがスリップしたか否かを評価したところ、以下の[表3]のような結果が得られた。
Figure 0005650015
なお、[表3]における「ローラへの巻き付き」の評価は、表1と同様である。また、「スリップ」の評価は、耳部50aのスリップが発生しなかった場合を「○」と、耳部50aのスリップが発生した場合を「×」とした。
参考例3−1〜3−3では、フィードローラ対への耳部の巻き付きや、フィードローラ上での耳部のスリップは発生しなかった。これに対して、参考例3−4では、フィードローラ対の周面が略フラットになり、フィードローラ対の保持力が不足したため、フィードローラ対への耳部の巻き付きが発生した。一方、参考例3−5では、凹凸部の四角錘台の先端が鋭利なため、その四角錘台の先端に耳部が引っかかり、耳部がフィードローラ対に巻き付いてしまった。また、参考例3−1〜3−5では所定の搬送速度のときに耳部の巻き付きやスリップが生じていたが、このような条件の下でも、実施例3−1〜3−5に示すようにスクレーパーを使用することによって、耳部の巻き付きやスリップを無くすことができた(ただし実施例3−4のみ耳部のスリップが発生した)。
10 溶液製膜設備
50 フィルム
50a 耳部
53,54,70 風送装置
55 クラッシャ
80,110 フィードローラ対
84 吸引ダクト
90,108 駆動ローラ
91,109 押さえローラ
108a,109a 溝
95 凹凸部
95a 四角錘台
97,98,105,106 スクレーパー
105a,106a 突起部
100 凹凸部
100a 凹部
100b 凸部

Claims (13)

  1. 搬送中のフィルムの側端部から切り離された耳部を耳部回収部にまで風送するための配管と、
    前記配管に入る前の前記耳部を挟持するローラ対と、
    前記ローラ対と前記配管との間に、前記ローラ対に対して0.1mm以上2mm以下のクリアランスを介して設けられ、前記ローラ対に巻き付いた耳部を掻き落とすスクレーパー対とを有し、
    前記ローラ対の少なくともいずれかの周面には、一定ピッチで配列された多数の錘台からなり、前記耳部のスリップを防止する凹凸部が形成されており、前記錐台の上面の面積をSaとし、下面の表面積をSbとした場合に、Sa/Sb×100で表される面積比は10%以上90%以下であることを特徴とする風送装置。
  2. 前記配管の内周面には、多数の凹部及び凸部からなり、前記耳部の内周面への貼り付きを防止する凹凸部が形成されていることを特徴とする請求項記載の風送装置。
  3. 前記内周面に接触したときの耳部の表面積をSx、前記耳部と接触する内周面のうち凸部の表面積をSyとした場合に、Sy/Sx×100で得られる接触率が20%以下であることを特徴とする請求項記載の風送装置。
  4. 搬送中のフィルムの側端部から切り離された耳部を耳部回収部にまで風送するための配管と、
    前記配管に入る前の前記耳部を挟持するローラ対と、
    前記ローラ対と前記配管との間に設けられ、前記ローラ対に巻き付いた耳部を掻き落とすスクレーパー対とを有し、
    前記配管の内周面には、多数の凹部及び凸部からなり、前記耳部の内周面への貼り付きを防止する凹凸部が形成されていることを特徴とする風送装置。
  5. 前記内周面に接触したときの耳部の表面積をSx、前記耳部と接触する内周面のうち凸部の表面積をSyとした場合に、Sy/Sx×100で得られる接触率が20%以下であることを特徴とする請求項記載の風送装置。
  6. 前記スクレーパー対と前記ローラ対との間には0.1mm以上2mm以下のクリアランスが設けられていることを特徴とする請求項4または5記載の風送装置。
  7. 前記ローラ対の少なくともいずれかには、周全体にわたって形成された溝が幅方向に一定ピッチで複数設けられ、前記スクレーパー対には、前記ローラ対の径方向に対して前記溝との間に一定のクリアランスを設けた状態で、前記溝に嵌合される突起部が設けられていることを特徴とする請求項4ないし6のうちいずれか1項記載の風送装置。
  8. 前記溝の深さは1mm以上であり、前記クリアランスは0.1mm以上であって前記溝の深さ以下であることを特徴とする請求項記載の風送装置。
  9. 前記スクレーパー対の下端部は、前記配管の入口から内側に一定の長さ分だけ前記配管内に入り込んでいることを特徴とする請求項1ないし8のうちいずれか1項記載の風送装置。
  10. 前記フィルムの耳部をピンで差し込んで支持するピンテンタと、前記ピンテンタの下流に設けられ、前記フィルムの耳部をクリップで把持するクリップテンタとを備える溶液製膜設備において、
    請求項1ないし9いずれか1項記載の風送装置は、前記ピンテンタと前記クリップテンタとの間に設けられた第1耳切装置により切り離されたフィルムの耳部を風送する第1風送装置と、クリップテンタの下流に設けられた第1耳切装置により切り離されたフィルムの耳部を風送する第2風送装置とを備えており、
    前記第1風送装置ではローラ対を金属で形成し、前記第2風送装置ではローラ対を金属またはゴムで形成することを特徴とする溶液製膜設備。
  11. 搬送中のフィルムから切り離されたフィルム側端部である耳部を、配管を介して、耳部回収部にまで風送する際、前記配管に入る前の前記耳部をローラ対により挟持し、
    前記ローラ対と前記配管との間に、前記ローラ対に対して0.1mm以上2mm以下のクリアランスを介して設けられたスクレーパー対により、前記ローラ対に巻き付いた耳部を掻き落とす風送方法であり、
    前記ローラ対の少なくともいずれかの周面には、一定ピッチで配列された多数の錘台からなり、前記耳部のスリップを防止する凹凸部が形成されており、前記錐台の上面の面積をSaとし、下面の表面積をSbとした場合に、Sa/Sb×100で表される面積比は10%以上90%以下であることを特徴とする風送方法。
  12. 搬送中のフィルムから切り離されたフィルム側端部である耳部を、配管を介して、耳部回収部にまで風送する際、前記配管に入る前の前記耳部をローラ対により挟持し、
    前記ローラ対と前記配管との間に設けられたスクレーパー対により、前記ローラ対に巻き付いた耳部を掻き落とす風送方法であり、
    前記配管の内周面には、多数の凹部及び凸部からなり、前記耳部の内周面への貼り付きを防止する凹凸部が形成されていることを特徴とする風送方法。
  13. 前記内周面に接触したときの耳部の表面積をSx、前記耳部と接触する内周面のうち凸部の表面積をSyとした場合に、Sy/Sx×100で得られる接触率が20%以下であることを特徴とする請求項12記載の風送方法。
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