JP2003011620A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP2003011620A JP2001203761A JP2001203761A JP2003011620A JP 2003011620 A JP2003011620 A JP 2003011620A JP 2001203761 A JP2001203761 A JP 2001203761A JP 2001203761 A JP2001203761 A JP 2001203761A JP 2003011620 A JP2003011620 A JP 2003011620A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のサイドプロテクタの耐カット性を向上
させる。 【解決手段】 サイドプロテクタ7は、その外端部7U
の隆起高さDUを、内端部7Lの隆起高さDLより大と
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サイドプロテクタ
を有し、サイドウォール部におけるカット傷に対する補
強効果を向上した空気入りタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】岩盤路や瓦礫路などの不整地を走行する
機会が多い四輪駆動用等の空気入りタイヤでは、路上の
鋭利な石等がサイドウォール部と接触することによって
カット傷を受けやすい。このカット傷はカーカスまで成
長して、カーカスの損傷やパンク等の発生原因となる。
【0003】そこで、図3に略示する如く、通常のタイ
ヤをなすタイヤ基体aのサイドウォール部bに、外に隆
起してタイヤ周方向にのびるサイドプロテクタcを形成
するものが、例えば特開平5−294115号公報等に
提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このサイドプロテクタ
cは、サイドウォール部bにおけるゴム厚さが増すこと
により、カット傷が生じた場合にも、このカット傷がカ
ーカスまで達するのを抑制できるという利点がある。し
かし、該サイドプロテクタcは、その外面csにおける
カット傷の受け易さ自体については改善されておらず、
サイドウォール部における補強効果を不十分なものとし
ていた。
【0005】他方、又前記サイドプロテクタcでは、そ
の外面csに周方向にのびる複数の凹溝dが形成され、
サイドプロテクタcの縦剛性が減じられる結果、操縦安
定性や乗心地性が確保されるが、その反面、この凹溝d
の溝底にカット傷を受ける恐れがあるという問題もあ
る。
【0006】そこで本発明は、従来のサイドプロテクタ
が有する利点を維持しながら、サイドプロテクタの外面
や凹溝溝底において、カット傷を受け難くくすることが
でき、タイヤの耐久性を向上した空気入りタイヤの提供
を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本願請求項1の発明は、一対のビード部からタイヤ
半径方向外側にのびるサイドウォール部の各外端間をト
レッド部で継ぐトロイド状のタイヤ基体の前記サイドウ
ォール部に、前記タイヤ基体から外に隆起してタイヤ周
方向に連続してのびるリブ状のサイドプロテクタを形成
した空気入りタイヤであって、前記サイドプロテクタ
は、その半径方向外端部のトレッド縁からの半径方向の
距離LUがタイヤ断面高さHの5〜20%、かつ半径方
向内端部のトレッド縁からの半径方向の距離LLがタイ
ヤ断面高さHの25〜50%であり、しかも前記外端部
の前記タイヤ基体からの隆起高さDUを、前記内端部の
前記タイヤ基体からの隆起高さDLより大とするととも
に、前記サイドプロテクタの外面に、タイヤ周方向に連
続してのびる複数の凹溝を設けたことを特徴としてい
る。
【0008】又請求項2の発明では、前記隆起高さDU
は1.0〜7.0mmであり、かつ隆起高さの差DU−
DLが1.0mm以上であることを特徴としている。
【0009】又請求項3の発明では、前記凹溝は、その
溝巾中心線がタイヤ軸方向線に対して角度αでビード部
側に下傾斜することを特徴としている。
【0010】又請求項4の発明では、前記角度αは、0
より大かつ45度未満の範囲であることを特徴としてい
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を、
図示例とともに説明する。図1は、本発明の空気入りタ
イヤが、不整地を高速走行するラリー用のラジアルタイ
ヤである場合の子午断面を示している。
【0012】図において、空気入りタイヤ1は、ビード
コア2が通る一対のビード部3と、各ビード部3からタ
イヤ半径方向外方にのびるサイドウォール部4と、該サ
イドウォール部4の各外端間を継ぐトレッド部5とを有
するトロイド状のタイヤ基体6を具えるとともに、この
タイヤ基体6の前記サイドウォール部4に、前記タイヤ
基体6から外に隆起してタイヤ周方向に連続してのびる
リブ状のサイドプロテクタ7を形成している。
【0013】なお前記タイヤ基体6には、前記トレッド
部5からサイドウォール部4をへてビードコア2に至る
カーカス9と、該カーカス9の半径方向外側かつトレッ
ド部5の内方に配されるベルト層10とが配される。
【0014】前記カーカス9は、カーカスコードをタイ
ヤ赤道Cに対して例えば70゜〜90゜の角度で配列し
た1枚以上、本例では2枚のカーカスプライ9A、9B
から構成されている。カーカスコードとして、本例では
ポリエステルが用いられるが、その他ナイロン、レーヨ
ン若しくは芳香族ポリアミドなどの各種の有機繊維コー
ド、さらには必要に応じてスチールコードなども好適に
採用される。
【0015】また前記カーカスプライ9A、9Bは、前
記ビードコア2、2間を跨る本体部9aの両端に、該ビ
ードコア2の廻りをタイヤ軸方向内から外に向けて折り
返される折返し部9bを有し、この本体部9aと折返し
部9bとの間に、ビードコア2から半径方向外方にのび
るビードエーペックスゴム8を配することにより、ビー
ド部3からサイドウォール部4にかけて補強している。
【0016】また、前記ベルト層10は、ベルトコード
をタイヤ赤道に対して例えば10〜35°の角度で配列
した2枚以上、本例では2枚のベルトプライ10A、1
0Bから構成されている。各ベルトプライ10A、10
Bは、ベルトコードがプライ間相互で交差するように、
傾斜の向きを違えて重置され、これによってベルト剛性
を高めトレッド部5を優れたタガ効果を有して補強す
る。なお、前記ベルトコードとして、本例ではスチール
コードを用いた場合を例示しているが、これ以外にも、
芳香族ポリアミド、レーヨン、その他の高弾性の有機繊
維コードも必要に応じて用いうる。
【0017】そして、このようなカーカス9、ベルト層
10等をタイヤゴム内に埋設したタイヤ基体6の前記サ
イドウォール部4には、該タイヤ基体6から隆起してタ
イヤ周方向に連続してのびるリブ状のサイドプロテクタ
7を形成している。
【0018】このサイドプロテクタ7は、岩等の衝突や
擦れからサイドウォール部4を保護するためのものであ
り、従って、その半径方向の外端部7Uのトレッド縁T
Eからの半径方向の距離LUをタイヤ断面高さHの5〜
20%、かつ半径方向内端部7Lのトレッド縁TEから
の半径方向の距離LLをタイヤ断面高さHの25〜50
%とすることが必要である。
【0019】前記距離LUがタイヤ断面高さHの5%未
満では、タイヤが接地した際に、サイドプロテクタ7の
外端部7Uが路面に当接して、操縦安定性を損ねる恐れ
がある。逆に前記距離LUが20%を越えた場合、或い
は前記距離LLが25%未満では、カット傷を受けやす
い領域を充分にカバーできず、タイヤの保護が不完全な
ものとなってしまう。なお前記距離LLが50%を越え
ると、過剰品質となりかつタイヤ重量を不必要に増加す
る。
【0020】ここで、前記外端部7Uおよび内端部7L
は、その端面が、例えば斜面状又は円弧面状をなして前
記タイヤ基体6と滑らかに連なる。従って、本明細書で
は、前記距離LU、LLを、図の如く、サイドプロテク
タ7の外面7Sにおける半径方向外縁及び半径方向内縁
のトレッド縁TEからの半径方向の距離として定義す
る。
【0021】又前記トレッド縁TEとは、トレッド部5
の外表面とサイドウォール部4の外表面とが、エッジ状
に交差する場合にはそのエッジとし、本例の如く、小円
弧部20を介して滑らかに連なる場合には、トレッド部
5の外表面の延長線と、サイドウォール部4の外表面の
延長線とが交わる交点をPとしたとき、この交点Pを通
る半径方向線が前記小円弧部20と交わる点として定義
する。
【0022】そして本実施形態では、図2に拡大して示
す如く、サイドプロテクタ7の前記外端部7Uの前記タ
イヤ基体6からの隆起高さDUを、前記内端部7Lの前
記タイヤ基体6からの隆起高さDLよりも大(DU>D
L)としている。特に、本例では、サイドプロテクタ7
のタイヤ基体6からの隆起高さDが、前記内端部7Lか
ら外端部7Uに至り漸増させた好ましい場合を例示して
いる。
【0023】このように構成することにより、サイドプ
ロテクタ7の外面7Sは、路面に対して垂直に近づき、
岩等から受ける衝撃力(外力)に対して、剪断方向の成
分力を減じることが可能となる。従って、サイドプロテ
クタ7は、ゴム厚さの増加により、発生するカット傷が
カーカス9まで達するのを抑制するだけでなく、前記外
面7Sにカット傷が生じること自体を抑制するという効
果を奏することができる。そのために、前記隆起高さの
差DU−DLは1.0mm以上、さらには1.5mm以
上であるのが好ましい。
【0024】又前記隆起高さDUは、1.0〜7.0m
mの範囲であり、1.0mm未満では、カットからの保
護効果が不十分であり、又7.0mmを越えると過剰品
質となりかつタイヤ重量を不必要に増加する。
【0025】次に、前記サイドプロテクタ7には、その
外面7Sに、タイヤ周方向に連続してのびる複数本、本
例では3本の凹溝11が形成される。この凹溝11は、
前記サイドプロテクタ7によるタイヤの縦剛性の増加を
抑制し、操縦安定性や乗心地性を確保する。又凹溝11
はサイドプロテクタ7の弾力性を高め、岩等受ける衝撃
力を緩和吸収し、耐カット性をさらに向上しうる。
【0026】なお凹溝11は、例えばU字状、V字状等
の断面形状をなし、溝底を滑らかな円弧とすることによ
り、溝底での応力集中の緩和が図られる。
【0027】ここで、該凹溝11は、本例では、その溝
巾中心線Nが、タイヤ軸方向線Xに対して角度αでビー
ド部3側に下傾斜したものを例示している。このよう
に、溝巾中心線Nを下傾斜とすることで、路上の岩等が
溝底に衝突して、この溝底にカット損傷が生じるのを抑
制することができる。又この抑制効果を高めるために、
前記角度αを0より大かつ45度未満の範囲とするのが
好ましく、0度以下では抑制効果が不十分となり、逆に
45度以上では、凹溝11の形成が難しくまたサイドプ
ロテクタ7の強度を損ねる傾向となる。
【0028】なお溝底をカット損傷から保護するという
同様の目的で、前記凹溝11における半径方向外側の溝
壁面SUを、タイヤ軸方向線Xに対し0度以上の角度β
で下傾斜するのがさらに好ましい。
【0029】又前記凹溝11の前記外面7Sからの溝深
さDGは、3.0mm以下とするのがよく、3.0mm
をこえると衝撃力の緩和吸収効果は向上するものの、サ
イドプロテクタ7の強度を損ねる傾向となる。
【0030】以上、本発明の特に好ましい実施形態につ
いて詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定される
ことなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0031】
【実施例】図1に示す構造をなすタイヤサイズ265/
70R16のタイヤを表1に示す使用で試作するととも
に、各試作タイヤのサイドウォール部における耐カット
性をテストし、その結果を表1に記載した。
【0032】(1)耐カット性 試供タイヤを、リム(16×7JJ)、内圧(200k
Pa)の条件にて車両(4輪駆動車)の前輪に装着し、
高さ35mm、奥行き40mmの金属製のブロックの角
を、前輪のバットレス部で踏みつけて通過した。測定
は、夫々3本のタイヤで実施し、10km/hから10
km/hづつ速度アップして通過し、1本でもパンクが
発生した通過速度で評価した。
【0033】
【表1】
【0034】テストの結果、実施例のタイヤは、いずれ
もバットレス部での耐カット性が向上していることが確
認できた。
【0035】
【発明の効果】叙上の如く本発明は、サイドプロテクタ
の外端部の隆起高さを、内端部の隆起高さより大として
いるため、従来のサイドプロテクタが有する利点を維持
しながら、サイドプロテクタの外面における、カット傷
自体の発生を抑えることができ、サイドウォール部にお
ける耐カット性を向上しうる。
【0036】又サイドプロテクタの外面に設けた周方向
の凹溝11を、その溝巾中心線がタイヤ軸方向線に対し
て下傾斜となるように形成したときには、凹溝溝底にお
けるカット傷の発生を抑制でき、耐カット性をさらに向
上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のタイヤの断面図である。
【図2】サイドプロテクタを拡大して示す断面図であ
る。
【図3】従来技術を説明するタイヤの断面図である。
【符号の説明】
3 ビード部 4 サイドウォール部 5 トレッド部 6 タイヤ基体 7 サイドプロテクタ TE トレッド縁 7U 外端部 7L 内端部 7S サイドプロテクタの外面 11 凹溝 N 溝巾中心線 X タイヤ軸方向線

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対のビード部からタイヤ半径方向外側に
    のびるサイドウォール部の各外端間をトレッド部で継ぐ
    トロイド状のタイヤ基体の前記サイドウォール部に、前
    記タイヤ基体から外に隆起してタイヤ周方向に連続して
    のびるリブ状のサイドプロテクタを形成した空気入りタ
    イヤであって、 前記サイドプロテクタは、その半径方向外端部のトレッ
    ド縁からの半径方向の距離LUがタイヤ断面高さHの5
    〜20%、かつ半径方向内端部のトレッド縁からの半径
    方向の距離LLがタイヤ断面高さHの25〜50%であ
    り、しかも前記外端部の前記タイヤ基体からの隆起高さ
    DUを、前記内端部の前記タイヤ基体からの隆起高さD
    Lより大とするとともに、 前記サイドプロテクタの外面に、タイヤ周方向に連続し
    てのびる複数の凹溝を設けたことを特徴とする空気入り
    タイヤ。
  2. 【請求項2】前記隆起高さDUは1.0〜7.0mmで
    あり、かつ隆起高さの差DU−DLが1.0mm以上で
    あることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】前記凹溝は、その溝巾中心線がタイヤ軸方
    向線に対して角度αでビード部側に下傾斜することを特
    徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】前記角度αは、0より大かつ45度未満の
    範囲であることを特徴とする請求項3記載の空気入りタ
    イヤ。
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