JP2003009908A - 保温靴 - Google Patents

保温靴

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JP2003009908A
JP2003009908A JP2001200812A JP2001200812A JP2003009908A JP 2003009908 A JP2003009908 A JP 2003009908A JP 2001200812 A JP2001200812 A JP 2001200812A JP 2001200812 A JP2001200812 A JP 2001200812A JP 2003009908 A JP2003009908 A JP 2003009908A
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moisture
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JP2001200812A
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Masaru Haruta
勝 春田
Ujiteru Niwa
氏輝 丹羽
Masanobu Sato
雅伸 佐藤
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水分子吸着性能を利用した保温効果を最大限に
生かし、かつ、手や足に触れた時に冷たく感じることの
ない保温靴を提供する。 【解決手段】放湿放熱コントロール性能を有する表地に
水分子吸着発熱性能を有す布帛層が積層された積層構造
からなる手袋であって、その放湿放熱コントロール性能
を有する布帛層の透湿度が12,000g/m2・24hr以下
であり、その水分子吸着発熱性能を有す布帛層の発熱エ
ネルギー指数が5以上あり、かつその外側面の接触温冷
感(qmax)が0.1W/cm2以下であることを特徴とす
る保温靴である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アスレチック、ス
キー、スケート、スノーボード等で使用されるスポーツ
シューズや釣りおよびアウトドア活動等に使用される長
靴、さらに通常の生活で使用されるスニーカー、ブーツ
等、快適な保温性を有する靴に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アウトドア活動等に使用される一
部の靴は、保温性を向上させるため表地と裏地の間にス
ポンジ等の含気率を上げた中地を用い、不動空気層を作
ることにより、断熱性を向上させ、保温性の向上が図ら
れていた。また、防寒ブーツ等ではボア裏地を使用して
含気率を上げ保温性の向上が図られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
含気率を上げた素材は、カサ高になったり、重くなり着
用時の運動性が阻害されるという課題があった。
【0004】本発明の目的は、かかる実状に鑑み、水分
子吸着発熱による保温効果を最大限に生かし、かつ、手
や足に触れた時に冷たく感じることのない保温靴を安価
で提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
した結果、水分子吸着発熱性能を有する布帛の上に、気
化熱を制御する放湿放熱コントロール性能を有する布帛
を積層することにより、水分子吸着発熱性能を効率良く
発揮さるのと同時に、肌面に接した場合に冷たく感じる
ことがない靴が得られることを見出した。
【0006】すなわち、上述の目的を達成するために、
本発明は以下の構成を採用する。 (1)放湿放熱コントロール性能を有する表地に水分子
吸着発熱性能を有する布帛層が積層された積層構造から
なる靴であって、該放湿放熱コントロール性能を有する
表地の透湿度が12,000g/m2・24hr以下であり、
該水分子吸着発熱性能を有す布帛層の発熱エネルギー指
数が5以上あり、かつその外側面の接触温冷感(qma
x)が0.10W/cm2以下であることを特徴とする保温
靴。 (2)さらに中地として、発熱エネルギー指数が5以上
の布帛層および/またはスポンジ層を用いてなることを
特徴とする前記(1)記載の保温靴。 (3)表地が合成ゴムまたは合成樹脂の皮膜層からなる
ことを特徴とする前記(1)または(2)記載の保温
靴。 (4)少なくとも布帛の片面に合成樹脂からなる皮膜層
を積層した、放湿放熱コントロール性能を有する布帛を
表地に用いてなることを特徴とする前記(1)〜(3)
のいずれかに記載の保温靴。 (5)水分子吸着発熱性能を有する布帛層が、繊維表面
に吸湿性ポリマーおよび/または吸湿性微粒子を固着さ
せてなる布帛からなることを特徴とする前記(1)〜
(4)記載のいずれかに記載の保温靴。 (6)吸湿性ポリマーがビニルスルホン酸を主成分とし
たポリマーであることを特徴とした前記(5)記載の保
温靴。 (7)吸湿性微粒子がシリカ微粒子であることを特徴と
する前記(5)記載の保温靴。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の保温靴は、放湿放熱コン
トロール性能を有する表地に水分子吸着発熱性能を有す
る布帛層が積層された積層構造からなる靴であって、該
放湿放熱コントロール性能を有する布帛層の透湿度が1
2,000g/m2・24hr以下であり、該水分子吸着発熱
性能を有す布帛層の発熱エネルギー指数が5以上であ
り、かつその外側面の接触温冷感(qmax)が0.10
w/cm2以下であることを特徴とする保温靴である。
【0008】本発明の放湿放熱コントロール性能を有す
る表地としては、使用目的等に応じて適宜なものを用い
ることができる。例えば、アスレチュクシューズやスニ
カー用途には、ポリエステル繊維やポリアミド繊維の如
き合成繊維、アセテート繊維の如き半合成繊維、綿や麻
や羊毛の如き天然繊維を、単独でまたは2種以上を混合
して製編織した織物や編物、あるいは不織布等を挙げる
ことができる。
【0009】また、長靴には、表地としてスチレンゴ
ム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、
ニトリルゴム、プロピレンゴム、ハイパロン、アクリル
ゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムまた
はチオコール等の合成ゴムからなる皮膜層を限定なく用
いることができる。ブーツには、皮革およびウレタン等
からなる合成皮革を表地として使用できる。さらにま
た、スキーブーツにはプラスチックからなる皮膜層を表
地として使用することができる。
【0010】また、水分子吸着性能を有する布帛層に有
用な布帛としては、使用目的等に応じて適宜なものを用
いることができる。例えば、ナイロン繊維やポリエステ
ル繊維、ポリアミド繊維の如き合成繊維、アセテート繊
維の如き半合成繊維、綿や麻や羊毛の如き天然繊維を、
単独で又は2種以上を混合して織物や編物、あるいは不
織布等挙げることができる。
【0011】本発明において表地における放湿放熱コン
トロール性能とは、気化熱を制御することを目的とする
性能である。一方、水分子吸着発熱性能を有する布帛層
においては、身体から不感蒸泄等により放出された水分
を吸着して発熱するが、同時に布帛から系外に水分を蒸
発し、気化熱を奪うため実際に着用した場合の発熱効果
は小さくなる。この気化熱を制御して、小さくすること
によりはじめて、着用時に実感できる発熱効果が得られ
る。該発熱効果を実感できるものとするためには、放湿
放熱コントロール性能を有する表地の、透湿度はJIS l
-1099(A-1法)の測定法で12,000g/m2・24hr以
下にすることが必要である。
【0012】しかしながら、気化熱を制御して小さくし
すぎると、放湿性が小さくなり、着用時の蒸れ感が大き
くなり不快なものとなる。気化熱を防ぐと同時に、着用
時の蒸れ感をなくすためには、放湿放熱コントロール性
能を有する表地の、透湿度は3,000〜12,000
g/m2・24hrの範囲にあることが望ましい。透湿度がこ
の範囲より低いと蒸れ感が大きくなり、また、この範囲
より大きいと気化熱が大きくなり発熱性能が実感できな
いものとなる。透湿度は、好ましくは、4,000〜1
1,000g/m2・24hrの範囲であり、より好ましく
は、6,000〜11,000g/m2・24hrの範囲であ
る。透湿度を上述の範囲にコントロールする方法として
は、特に制限はないが、一例として、透湿防水加工が挙
げられる。透湿防水加工とは、湿式凝固法によるポリウ
レタン微多孔膜や、透湿性を有するポリウレタン無孔膜
およびポリテトラフロロエチレン微多孔膜をコーティン
グまたは、ラミネート手法により基布に積層する加工の
ことであり、防水性と透湿性が同時に得られる。また、
織物の密度を増減して透湿性をコントロールすることも
可能である。各用途において、気化熱制御とむれ感を勘
案して透湿性のレベルを設定すれば良い。すなわち、使
用される環境温度が高く、かつ運動強度の大きい用途で
あれば、透湿性を高目に設定し、また、環境温度が低
く、かつ運動強度の低い用途では、透湿性を低く設定す
ればよい。
【0013】合成ゴムを表地とした長靴は、運動強度が
低い場合での着用が多いため、透湿性が無くとも蒸れ感
はほとんど感じないため、気化熱を制御する目的のた
め、透湿性は0に近いものでも問題無い。
【0014】また、本発明で用いられる水分子吸着発熱
性能を有する布帛層を構成する繊維は、吸湿性を有する
繊維であり、例えば、繊維便覧-原料編-(発行:丸善
(株))の245ページに記載のように、吸湿性を有す
る繊維は、水分子を吸着して発熱することは古くから知
られている。本発明に用いる水分子吸着発熱性能を有す
る布帛層は、これらの吸湿性を有する繊維からなる布帛
を使用しても良いが、望ましくは、合成繊維に吸湿ポリ
マー等を分散して練り込むことにより、吸湿性を向上さ
せた繊維、例えば、ナイロンにポリビニルピロリドン等
の吸湿ポリマーを錬り込み紡糸して得られた吸湿性向上
ナイロン糸等や後加工等により吸湿性のあるポリマーお
よび/または吸湿性のある微粒子を繊維表面にバインダ
ーで固着させることにより吸湿性を増加させ水分子吸着
発熱性能を向上した布帛が実用上好ましく用いられる。
【0015】さらに望ましくは、合成繊維に吸湿ポリマ
ーを分散して練り込むことにより、吸湿性を向上させた
合成繊維に、後加工等により吸湿性のあるポリマーおよ
び/または吸湿性のある微粒子を繊維表面にバインダー
で固着させることにより水分子吸着発熱性能をさらに増
加させた布帛を使用することが好ましい。
【0016】また、上述の後加工等により吸湿性のある
ポリマーおよび/または吸湿性のある微粒子を繊維表面
にバインダーで固着させる方法であれば、通常の染色仕
上加工の中で加工でき、比較的安価に水分子吸着発熱性
能を有する布帛層を得ることができる。
【0017】吸湿性を増加させると、手または身体に触
れたときに冷たく感じ保温衣料には適さなくなる。本発
明は、この現象を防ぐために水分子吸着発熱性能を有す
る布帛層の肌と接する面(接触面または外面側の面)の
接触温冷感(qmax)を0.10W/cm2以下にすること
が望ましい。
【0018】接触温冷感(qmax)が0.10W/cm2
下の布帛は、例えば、接触面、すなわち布帛層の外面側
に凹凸を付け、接触面積を小さくした布帛構造にするこ
とにより得ることができる。また、接触面のみに吸湿性
の低い繊維を用いた2重組織等の多重織編物組織とする
ことによっても得ることができる。また、起毛加工や多
重組織等で肌との接触面積を小さくすることにより、接
触温冷感(qmax)を0.10W/cm2以下にすることも
できるが本発明はこれらに限定されず、いかなる方法で
も接触温冷感(qmax)を0.10W/cm2以下にすれば
良い。接触温冷感(qmax)は、好ましくは、0.08W
/cm2以下であり、より好ましくは、0.05W/cm2
下である。接触温冷感が0.10W/cm2以下であれ
ば、手や肌に触れたときに冷たく感じない。また、接触
温冷感が0.05W/cm2以下であれば、手や肌に触れ
たときに冷たく感ぜず、むしろ暖かく感じる。
【0019】この接触温冷感は、布帛表面の接触面積が
小さい(凹凸がある)ほど、また素材の吸湿率が小さい
ほど接触温冷感は小さくなる。例えば、ポリエチレンテ
レフターレート繊維100%使いの起毛トリコットの起
毛面の接触温冷感は0.04W/cm2であり、起毛され
ていない面の接触温冷感は0.10W/cm2である。同
ポリエチレンテレフターレート繊維100%使いの
起毛トリコットを後加工で吸湿率3%にすると、起毛面
の接触温冷感は変化せず0.04W/cm2であるのに対
し、起毛のない面の接触温冷感は0.12W/cmにな
る。
【0020】本発明において発熱エネルギー指数とは、
ポリエステル100%素材と比較した水分子吸着発熱エネ
ルギーであり、ポリエステル100%素材を1とした場合
の比較値である。具体的な測定法は実施例で詳細に示す
が、アルコール温度計に3gの試料を巻き付け、30
℃、30%RHの環境で調温、調湿させた後、30℃、9
0%RHの環境へ移動させた場合の吸湿時の温度上昇を経
時的に観察し、横軸に時間、縦軸に温度としたグラフに
30℃から上昇し再び30℃に復元するまでプロット
し、その面積を測定する。
【0021】本発明で用いられる水分子吸着発熱性能を
有する布帛層は、上述の発熱エネルギー指数が5以上必
要である。発熱エネルギー指数が5未満では発熱効果が
実感できない。発熱エネルギー指数は好ましくは8以上
であり、さらに好ましくは、10以上30以下である。
発熱エネルギー指数が大きすぎると汗等で湿潤した場合
に暑くなりすぎる傾向を示す。
【0022】発熱エネルギー指数を5以上にするために
は、例えば、ナイロンにポリビニルピロリドンを5重量
%練り込むことにより発熱エネルギー指数が13程度の
糸を得ることができる。また、実施例に示したとおりポ
リエチレンテレフタレート100%素材にアクリルアミ
ドメチルプロパンスルフォン酸とPEG#1000ジメ
タクリレートの共重合物を3重量%付着させることによ
り発熱エネルギー指数が15程度の布帛を得ることがで
きる。
【0023】本発明で用いられる少なくとも布帛の片面
に合成樹脂からなる皮膜層を積層した放湿放熱コントロ
ール性能を有する布帛としては、布帛の片面に、ポリウ
レタンの湿式凝固法による微多孔膜や親水性ポリウレタ
ンの無孔膜および微多孔ポリテトラフルオロエチレン膜
をコーティング法やラミネート法で布帛に積層した透湿
防水加工品等を挙げることができる。
【0024】本発明の保温靴は、これらの透湿防水加工
品を表地とし、中地に発熱エネルギー指数が5以上の中
入れスポンジ層および/または布帛層を使用し、さらに
裏地にも発熱エネルギー指数が5以上で、かつ外側面の
接触温冷感が0.1W/cm2以下の布帛を使用すること
により好適な透湿防水保温靴が得られる。勿論、上述の
構成から中地を省き、透湿防水加工品を表地とし、裏地
に発熱エネルギー指数が5以上で、かつ外側面の接触温
冷感が0.1W/cm2以下の布帛を使用した薄手で軽量
な靴にしても本発明の目的は達成できる。
【0025】また、布帛に水分子吸着発熱性能を付与す
る後加工としては、ビニルスルホン酸と架橋剤をパッデ
ィング等で布帛に付着させた後、熱処理等によりポリマ
ー化して繊維表面に固着する方法がある。ビニルスルホ
ン酸はpHが低く、そのまま用いると綿やナイロン繊維
は脆化するため、予め中和したビニルスルホン酸ナトリ
ウムが用いられる。また、ビニルスルホン酸亜鉛を用い
ると消臭性能も付与できる。ビニルスルホン酸として
は、例えば、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸
が水分子吸着発熱性能の点で好ましく用いられる。ま
た、吸湿率の高いシリカ微粒子をバインダーで繊維表面
に固着することでも得られる。
【0026】スポーツシューズや、スニーカーの場合
は、放湿放熱コントロール性能を有する表地と水分子吸
着発熱性能を有する中地と裏地を縫い合わせて使用され
る場合が多いが、合成ゴムを使用した長靴の場合は、合
成ゴムの表地と水分子吸着発熱性能を有する中地と裏地
がマジックテープ(登録商標)等で取り付けられる様に
なっており、中地と裏地を取り外して洗濯できる様にな
ったものもできる。
【0027】また、合成ゴムを使用した長靴や、プラス
チック成型したスキーブーツの場合は低温環境で使用さ
れるため、蒸れ感は少ないため、気化熱制御を目的とし
て、表地の透湿性は0に近いものが好ましい。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例で詳細に説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0029】(測定方法) (1)透湿度 透湿度の測定は、JIS規格L−1099(A−1)によ
る。
【0030】(2)発熱エネルギー指数 幅約3.5cmの試料3gを、アルコール温度計あるい
は熱電対の測定部に巻き、摂氏30℃×湿度30%RH
の環境下に12時間以上放置後の温度を測定する。次
に、摂氏30℃×湿度90%RHの環境まで湿度を約3
%/分の速度で変化させ、この間1分ごとに4時間後ま
で温度を測定する。測定後、上昇温度を積分したものを
発熱エネルギー量として求め、次の式によって表す。発
熱エネルギー指数=試料の発熱エネルギー量/ポリエス
テルタフタ(JIS染色堅牢度試験用添付布)の発熱エ
ネルギー量 (3)接触温冷感(qmax) カトーテック(株)製のサーモラボ2型測定器を用い、
室温20℃、湿度65%RHの部屋で、BT-Boxを30℃に
調節し、十分調湿したサンプルの上にBT-Box(圧力10
g/cm2)を乗せ、10℃の温度差での単位面積当たり
の熱流束を測定する。
【0031】(4)発熱効果(保温性向上効果) 室温5℃、湿度65%RHの部屋で靴を着用し、エルゴメ
ーターで75Wの運動を15分実施した後、靴を脱ぎ、
裏地側面の温度を熱赤外線画像で測定するとともに着用
感覚を確認した。
【0032】[実施例1]77dtexのナイロンフィラメ
ントヤーンで構成されたナイロンタフタに、フッ素系撥
水剤にて撥水処理を行なった。すなわち、撥水剤アサヒ
ガードAG710(明成化学(株)製)を3重量%に含
有した水分散液に上記タフタを浸漬し、絞り率40%に
ピックアップしヒートセッターにて130℃×30秒の
乾燥熱処理を施した後170℃で1分間キュアリングし
た。次に、下記(処方1)に示した組成のポリウレタン
溶液を、ナイフオーバーロールコーターを使用してクリ
アランス200μで塗工し、次いで80℃にて熱風乾燥
して、透湿度が4800g/m2・24hrの無孔質膜透湿性
防水加工表地を得た。
【0033】 (処方1) ・ハイムレンY−265(大日精化製、ポリエーテル系ポリ・ウレタン(厚さ12 μmの透湿度6,300g/m・24hr)) 100 部 レザミンX−100架橋剤(大日精化製、イソシアネート系架 橋剤) 1部 ・MEK 25部 ・トルエン 25部 次に、厚さ10mmのラテックススポンジに下記組成の
(処方2)の処理液をスプレーで付着率100重量%にな
るように吹き付けた後、120℃で2分間予備乾燥し
た。その後、160℃で1分間熱処理し、繊維表面にシ
リカ粒子を固着させた発熱エネルギー指数20の中入れ
スポンジを得た。
【0034】 (処方2) ・シリカ粒子 サイリシア550(富士シリシア化学(株)製) 60g/l ・バインダー(シリコーン系樹脂) KT7014(固形分40%)(高松油脂(株)製) 25g/l ここで使用したシリカ粒子は、平均粒子径が2.7μ
m、平均比表面積が500m2/gの粒子である。さら
に、ポリエチレンテレフタレート83dtex−24Fを使
用したサテントリコットのカット起毛品に対して、下記
組成の(処方3)の処理液に浸漬後、ピックアップ率8
0%に設定したマングルで絞り、乾燥機で120℃、2
分乾燥させた。
【0035】 (処方3) ・AMPS(アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸) 20g/l ・PEG#1000ジメタクリレート(商品名P303 共栄(社)造 40g/l ・過硫酸アンモニウム 2g/l 乾燥後直ちに、105℃の加熱スチーマーで5分間処理
し、湯水洗、乾燥した。次いで、乾燥機で170℃、1
分でセットして発熱エネルギー指数15の裏地を得た。
上記の表地、中入れスポンジ、裏地と別に用意したブタ
ジエンゴムからなる靴底を使用して靴を作製し評価し
た。結果を表1に示す。
【0036】[実施例2]実施例1の中入れスポンジを
使用せず、実施例1で得られた表地と裏地を使用して靴
を作製し評価した。結果を表1に示す。
【0037】[実施例3]実施例1において、実施例1
の表地を使用せず、クロロプレンゴムで成形した厚さ2
mmの表地を使用したこと以外は、実施例1と同様の素材
を用い、長靴を作製し評価した。結果を表1に示す。
【0038】[比較例1]実施例1で得られた表地と、
実施例1で使用した厚さ10mmのラテックススポンジ
を実施例1の処理無しで中地として使用し、ポリエチレ
ンテレフタレート83dtex−24Fを使用したサテント
リコット(起毛無し)を裏地として実施例1と同様に靴
を作製し評価した。結果を表1に示す。
【0039】[比較例2]比較例1において、中入れス
ポンジを使用しない他は、比較例1と同様に靴を作製し
て評価した。結果を表1に示す。
【0040】[比較例3]実施例3で使用した、クロロ
プレンゴムで成形した厚さ2mmの表地を使用し、比較例
1同様に実施例1で使用した厚さ10mmのラテックス
スポンジを実施例1の処理無しで中地として使用し、ポ
リエチレンテレフタレート83dtex−24Fを使用した
サテントリコット(起毛無し)を裏地として、実施例3
同様に長靴を作製し評価した。結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、放湿放熱コントロール
性能を有する表地に水分子吸着性能を有する布帛を積層
することにより、また肌との接触面の接触温冷感を低下
させた本発明の靴により、水分子吸着性能を発揮する保
温効果の高い靴が得られる。特に、水分子吸着性能を利
用した保温効果を最大限に生かし、かつ、手や足に触れ
た時に冷たく感じることのない保温靴が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F050 AA01 AA06 BA02 BA31 BC03 BC10 BC20 BC43 HA16 HA37 HA41 HA53 HA55 HA59 HA60 HA70 HA80 HA87

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放湿放熱コントロール性能を有する表地
    に水分子吸着発熱性能を有する布帛層が積層された積層
    構造からなる靴であって、該放湿放熱コントロール性能
    を有する表地の透湿度が12,000g/m2・24hr以下
    であり、該水分子吸着発熱性能を有す布帛層の発熱エネ
    ルギー指数が5以上あり、かつその外側面の接触温冷感
    (qmax)が0.10W/cm2以下であることを特徴とす
    る保温靴。
  2. 【請求項2】 さらに中地として、発熱エネルギー指数
    が5以上の布帛層および/またはスポンジ層を用いてな
    ることを特徴とする請求項1記載の保温靴。
  3. 【請求項3】 表地が合成ゴムまたは合成樹脂の皮膜層
    からなることを特徴とする請求項1または2記載の保温
    靴。
  4. 【請求項4】 少なくとも布帛の片面に合成樹脂から成
    る皮膜層を積層した、放湿放熱コントロール性能を有す
    る布帛を表地に用いてなることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の保温靴。
  5. 【請求項5】 水分子吸着発熱性能を有する布帛層が、
    繊維表面に吸湿性ポリマーおよび/または吸湿性微粒子
    を固着させてなる布帛からなることを特徴とする請求項
    1〜4記載のいずれかに記載の保温靴。
  6. 【請求項6】 吸湿性ポリマーが、ビニルスルホン酸を
    主成分としたポリマーであることを特徴とする請求項5
    記載の保温靴。
  7. 【請求項7】 吸湿性微粒子がシリカ微粒子であること
    を特徴とする請求項5記載の保温靴。
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