JP2003008097A - 積層型圧電トランス - Google Patents
積層型圧電トランスInfo
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Abstract
が良く、機械的強度の高い圧電トランスを提供する。 【課題】分極方向が異なる駆動部と発電部の境界付近に
おいて、分極時や駆動時に内部応力が発生し、その結
果、圧電体が破壊したり、マイクロクラックが発生して
機械的強度が低下する場合がある。 【解決手段】駆動部における入力内部電極の層間に複数
の浮遊内部電極を設け、前記浮遊内部電極を前記駆動部
と発電部との境界面近辺に、長手方向に対して略垂直に
配置したことを特徴とする。
Description
ス、特に液晶ディスプレイのバックライト用インバー
タ、蛍光燈点灯用インバータ、複写機等の高圧電源回路
に用いられる積層型圧電トランスに関する。
状の圧電体を備え、その圧電体の長手方向の一方側略半
分を駆動部、他方側略半分を発電部として構成される。
ここで、駆動部には厚み方向に対向する1対の入力電極
が形成され、他方側の発電部の端面には、出力電極が形
成される。上述の入力電極間に、圧電体の長手寸法で決
まる固有周波数の入力電圧を印加すると、圧電体は、電
歪効果により長手方向に強い機械的振動を起こし、これ
により、圧電体の他方側では、圧電効果により電荷が発
生する。これを入力電極の一方と出力電極との間で交番
高電圧として取り出すことができる。このように、圧電
トランスは、電気エネルギから機械エネルギへの変換、
さらに機械エネルギから電気エネルギへの変換を通して
昇圧作用を行う。このような圧電トランスにおいて、圧
電体としては、例えばチタン酸ジルコン酸鉛系のような
圧電体磁器が通常用いられている。そして、比較的大き
な昇圧比が得られる圧電トランスとして、積層タイプの
圧電トランスが提案されている。この積層タイプの圧電
トランスは、圧電体が複数の圧電体磁器層からなる積層
体によって与えられ、駆動部部分には複数の入力内部電
極が各々隣り合う電極に対して圧電体磁器を介して対向
するように形成されている。また、積層体の外面表面上
には、駆動部側に1対の入力外部電極が、発電部側に出
力電極が形成されており、前記複数の入力内部電極は、
対向する入力外部電極に交互に電気的に接続され、発電
部側端面には出力電極が形成されている。
ランスにおいては、入出力用に厚さ方向と長手方向に形
成された電極を用いて駆動部及び発電部の分極処理が施
されている。駆動部においては入力外部電極に電圧を印
加し、厚み方向に分極し、発電部においては1対の入力
外部電極を短絡した電極と、出力電極間に電圧を印加し
て長手方向に分極している。したがって、分極方向が異
なる駆動部と発電部の境界付近において、分極時や駆動
時に内部応力が発生し、その結果、圧電体が破壊した
り、マイクロクラックが発生して機械的強度が低下する
場合があるという問題点があった。また、駆動時に、対
向する入力内部電極間に電圧が印加されると、入力内部
電極の入力外部電極に接続されていない側の終端部に電
界が集中する。その電界集中箇所には、圧電効果または
電歪効果により歪みが発生し、その結果電界集中箇所に
応力が集中し、マイクロクラックが発生するという問題
点があった。本発明の目的は、上述の問題を鑑みてなさ
れたものであり、これらの問題を解決し、分極時及び駆
動時における応力集中を低減し、歩留まりが良く、機械
的強度の高い圧電トランスを提供することを目的として
いる。
本発明の圧電トランスは、入力内部電極と圧電セラミッ
クスが交互に積層されるとともに、入力内部電極を1層
おきに接続する一対の入力外部電極が形成され、かつ厚
み方向に分極された駆動部と、一部に出力電極が形成さ
れ、かつ長手方向に分極された発電部とが長手方向に隣
接して配置された矩形状の積層圧電体からなる積層型圧
電トランスにおいて、前記駆動部における前記入力内部
電極の層間であって、前記駆動部と前記発電部との境界
面近辺に、前記入力外部電極及び前記出力電極のいずれ
とも接続しない複数の短冊形状の浮遊内部電極を、前記
積層圧電体の長手方向に対して略垂直方向に設けたこと
を特徴とする。そして、前記短冊形状の浮遊内部電極
が、その両端から、前記入力外部電極に沿って延長部分
を有することを特徴とする。そして、前記浮遊内部電極
がコの字状に形成されたことを特徴とする。これによ
り、分極時及び駆動時における応力集中を低減し、歩留
まりが良く、機械的強度の高い圧電トランスを提供する
ことができる。
ミックグリーンシート間に、同様の電極ペーストを用い
て浮遊内部電極を印刷したセラミックグリーンシートを
挟む構造にすることで、昇圧比に影響を及ぼすことなく
電界集中の度合いを低減し、機械的強度の高い圧電トラ
ンスを得ることが可能である。
トランスを、図1〜図4に基づいて説明する。図1は本
発明による一実施例である積層型圧電トランスの斜視図
(一部透視斜視図)である。同図において、1は積層型
圧電トランス、2及び3は入力外部電極、4は出力電
極、5a〜5dは入力内部電極を示す。図2は図1に示す
圧電トランスのa−a'線断面図である。図3は本発明の
一実施例による、圧電トランスの、焼成前の積層圧着体
の分解斜視図である。まず、図3を参照しながら、本発
明の一実施例に用いた積層圧着体の製造方法を説明す
る。図3において、6a〜6jはセラミックグリーンシ
ートである。まず、圧電体材料からなるグリーンシート
6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6i、6jを
用意した。これら圧電体材料からなるグリーンシート
は、Pb(Zr、Ti)O3系磁器材料粉末をバインダ
及び溶剤などと混練してペースト状にした後、ドクター
ブレード法でシート状にしたものである。次に、グリー
ンシート6a、6d、6g、及び6j上に入力内部電極5
a、5b、5c、5dをそれぞれ電極ペーストの印刷により
形成した。次に、入力内部電極が印刷されたグリーンシ
ート6a、6d、6g、及び6jのそれぞれ層間にあたるグ
リーンシート6b、6c、6e、6f、6h、及び6i上に、
短冊形状の浮遊内部電極7a、7b、7c、7d、7e、7f
をそれぞれ電極ペーストの印刷により形成した。次に、
下からグリーンシート6j、6i、6h、6g、6f、6e、
6d、6c、6b、6aの順に重ね合せた。さらに最上面
に、入力内部電極を露出させないためにもう1枚セラミ
ックグリーンシート(図示せず)を重ね合せた。その
後、このように重ね合せたグリーンシートを圧着して積
層圧着体を得た。次に、この積層圧着体を1100℃で
焼結させて、内部及び外部に電極を有する圧着体1を得
た。その後、図1に示すように圧電体1の表面に電極ペ
ーストを用いて、入力内部電極5a、5cに電気的に接続
した入力外部電極2を形成し、入力内部電極5b、5dに
電気的に接続した入力外部電極3を形成した。また、発
電部側の端面に発電用の出力電極4を形成した。次に、
駆動部における入力外部電極2、3間に直流電圧を印加
して厚み方向に分極し、他方側の発電部を、入力外部電
極2、3を短絡した状態で入力外部電極2、3と出力電
極4との間に直流電圧を印加して長手方向に分極した。
本発明による積層型圧電トランスの機械的特性及び電気
的特性を、従来の積層型圧電トランス(浮遊内部電極な
し)のそれらと比較し、機械的強度及び昇圧比を測定し
た。機械的強度を測る手段として、入力外部電極面に垂
直な方向から力を加える3点曲げ試験で抗折強度を測定
した。結果を下記の表1に示す。
比を損なうことなく、機械的強度を上げていることが分
かる。次に、本発明の第2の実施例を図4に示す。図4
は、第1の実施例の図3に相当する分解斜視図である。
ここで、第1の実施例と同一部分は同一符号を付し、そ
の説明を省略する。図4に示すように、第2の実施例に
おいては、駆動部と発電部の境界面近辺において、入力
内部電極5a〜5dの層間に配置された浮遊内部電極8
a〜8fは、積層圧電体の長手方向に対して略垂直方向
になっているだけでなく、さらに外部入力電極に沿って
延長形成された部分を有し、コの字状になっている。以
上、第1の実施例及び第2の実施例を説明したが、第1
の実施例においては、分極及び駆動時に、駆動部と発電
部の境界面近辺における電界集中、及び応力集中による
マイクロクラックの発生、及びそれによる機械的強度の
低下を防ぐことが出来る。加えて第2の実施例において
は、入力内部電極の入力外部電極と電気的に接続されな
い側の終端部近辺における電界集中、及び応力集中によ
るマイクロクラックの発生、及びそれによる機械的強度
の低下をも防ぐことが出来る。なお、本発明の積層型圧
電トランスは、入力内部電極の数や積層するセラミック
グリーンシートの枚数等が上記実施例により限定される
ものではない。
電極間に浮遊内部電極を設け、それを駆動部と発電部と
の境界面近辺に、長手方向に略垂直となるように配置す
ることによって、分極時及び駆動時において、内部応力
の発生によるマイクロクラックの発生を抑えることがで
きる。
スの斜視図(一部透視斜視図)である。
ある。
成前の積層圧着体の分解斜視図である。同図において、
6a〜6jはセラミックグリーンシートを示す。
である。
ックグリーンシート 7a,7b,7c,7d,7e,7f,8a,8b,8c,8d,8e,8f
浮遊内部電極
Claims (3)
- 【請求項1】入力内部電極と圧電セラミックスが交互に
積層されるとともに、入力内部電極を1層おきに接続す
る一対の入力外部電極が形成され、かつ厚み方向に分極
された駆動部と、一部に出力電極が形成され、かつ長手
方向に分極された発電部とが長手方向に隣接して配置さ
れた矩形状の積層圧電体からなる積層型圧電トランスに
おいて、前記駆動部における前記入力内部電極の層間で
あって、前記駆動部と前記発電部との境界面近辺に、前
記入力外部電極及び前記出力電極のいずれとも接続しな
い複数の短冊形状の浮遊内部電極を、前記積層圧電体の
長手方向に対して略垂直方向に設けたことを特徴とする
積層型圧電トランス。 - 【請求項2】前記短冊形状の浮遊内部電極が、その両端
から、前記入力外部電極に沿って延長部分を有すること
を特徴とする請求項1に記載の積層型圧電トランス。 - 【請求項3】請求項2に記載の積層型圧電トランスにお
いて、前記浮遊内部電極がコの字状に形成されたことを
特徴とする積層型圧電トランス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001184980A JP4940509B2 (ja) | 2001-06-19 | 2001-06-19 | 積層型圧電トランス |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100612800B1 (ko) | 2004-06-10 | 2006-08-18 | 한국과학기술연구원 | 전계에 의한 응력발생을 감소시킬 수 있도록 구성된 압전적층 액추에이터 |
WO2008049415A1 (de) | 2006-10-24 | 2008-05-02 | Epcos Ag | Piezoelektrischer transformator |
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JP2000183416A (ja) * | 1998-12-17 | 2000-06-30 | Nippon Soken Inc | 圧電セラミックトランス |
-
2001
- 2001-06-19 JP JP2001184980A patent/JP4940509B2/ja not_active Expired - Fee Related
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