JP2003003915A

JP2003003915A - 蒸発燃料処理用キャニスタ

Info

Publication number: JP2003003915A
Application number: JP2001192935A
Authority: JP
Inventors: Koichi Ikuma; 公一生熊; Kazuhiro Yamaguchi; 和弘山口; Nobutomo Endo; 宣智遠藤; Kazuya Matsuura; 和也松浦
Original assignee: Toyo Roki Mfg Co Ltd
Current assignee: Roki Co Ltd
Priority date: 2001-06-26
Filing date: 2001-06-26
Publication date: 2003-01-08
Also published as: US20040007135A1; WO2003001047A1; CA2413774A1; DE10292400T1; GB2392712A; GB0230229D0; US6959698B2

Abstract

(57)【要約】【課題】本発明は、形状を変えることなく、ダストの
除去及びフィルタエレメントの目詰まりを防止できるキ
ャニスタを提供する。【解決手段】本発明は、大気連絡口８ａを有し、内部
に吸着剤１６が充填されているキャニスタ１Ａのケーシ
ング２において、大気連絡口８ａと連通するケーシング
２の内部に、大気連絡口８ａから吸気される空気が蛇行
するように空気通路１８が形成され、空気通路１８と吸
着剤１６との間にはフィルタエレメント１７が設けられ
ている蒸発燃料用キャニスタである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車両の燃料供給源
から蒸発した燃料を処理するキャニスタに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、この種のキャニスタとしては、
大気連絡通路に通じる吸着室の端部にはフェルト等で形
成されたシート状のフィルタエレメントが配置されてい
る。このフィルタエレメントは、吸着室内に充填された
活性炭が車両の振動等で相互に擦れ合って発生する微粉
炭を捕捉し、その微粉炭が大気連絡通路を介してケース
外へ放出することを防止する。

【０００３】また、キャニスタには、パージ時に大気連
絡通路からキャニスタ内に取り込まれる大気の塵埃等の
ダストを除去する目的で、上記フィルタエレメントとは
異なるダスト除去用のフィルタエレメントを収容したキ
ャニスタが開示されている。

【０００４】例えば、特開平１１−２８０５６９号公報
には、吸着剤ケース内に吸着室と別個に区分してフィル
タ室を形成し、そのフィルタ室に、大気連絡通路から取
り込まれる空気を濾過するフィルタエレメントを収容し
たキャニスタが開示されている。上記フィルタ室は、キ
ャニスタの一面と溶着されたり、キャニスタとは別個に
接続されるなどして設けられる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報に記
載のキャニスタにおいては、キャニスタ本体の横幅が増
して形状が大型化することにより、車両のキャニスタ設
置スペースに与える影響が大きくなるという問題点があ
る。また、フィルタ室を別体として設けると部品点数の
増加や、溶着等によりコストが高くなるという問題点が
ある。また、大気連絡通路から吸気される塵埃等のダス
トによりフィルタエレメントが目詰まり等を起こし、ラ
イフサイクルが短くなるという問題点がある。

【０００６】そこで、本発明は、形状を変えることな
く、ダストの除去及びフィルタエレメントの目詰まりを
防止できるキャニスタを提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】以下、本発明について説
明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図
面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本
発明が図示の形態に限定されるものではない。

【０００８】請求項１の発明は、燃料蒸気導入口（４
ａ）とパージ口（４ｂ）、及び大気連絡口（８ａ）が形
成されるケーシング（２）と、前記ケーシング（２）内
に収納される吸着剤（１６）と、を有するキャニスタ
（１Ａ）において、前記大気連絡口と連通する前記ケー
シングの内部に、前記大気連絡口から吸気される空気が
水平方向に蛇行するように空気通路（１８）が形成さ
れ、前記空気通路と吸着剤との間にはフィルタエレメン
ト（１７）が設けられていることを特徴とする。また、
請求項２の発明は、前記空気通路は、一部に開口部（１
９ａ）を有する底板（１９）と、前記大気連絡口から前
記開口部に向かって吸気される空気が直進するのを防ぐ
ように前記底板の上面に配設された仕切壁（２０）と、
から形成されることを特徴とする。

【０００９】これらの発明によれば、吸気される空気が
底板に沿って水平方向に蛇行するような空気通路を形成
できる。また、大気連絡口から吸気される空気に含まれ
るダストは、空気通路を通過する際に空気通路の通路壁
に衝突し、その衝突時にダストが空気と分離し、ダスト
が空気通路上に積載されるため、空気通路の内部でダス
トを除去することができる。また、空気通路内でダスト
が除去されるため、下流側に設けられるダスト除去用の
フィルタエレメントには、ダストが除去された空気が流
入するためダストにより目詰まりすることがなくなり、
長期に亘ってフィルタエレメントが使用できる。更に、
空気に含まれるダストを除去するための空気通路とフィ
ルタエレメントとをケーシングの内部に備えるようにし
たので、キャニスタの形状を変えずにすむ。

【００１０】請求項３の発明は、燃料蒸気導入口（４
ａ）とパージ口（４ｂ）、及び大気連絡口（８ａ）が形
成されるケーシング（２）と、前記ケーシング（２）内
に収納される吸着剤（１６）と、を有するキャニスタ
（１Ｃ）において、前記大気連絡口と連通する前記ケー
シングの内部に、前記大気連絡口から吸気される空気が
垂直方向に蛇行するように空気通路（３５）が形成さ
れ、前記空気通路と吸着剤との間にはフィルタエレメン
ト（１７）が設けられていることを特徴とする。また、
請求項４の発明は、前記空気通路は、一部に開口部（１
９ａ）を有する底板（１９）と、前記大気連絡口から前
記開口部に向かって吸気される空気が直進するのを防ぐ
ように前記空気通路の内側面の上面から下方向、及び前
記底板の上面から上方向に略千鳥状に配設された仕切壁
（３６、３７）と、から形成されることを特徴とする。

【００１１】これらの発明によれば、通路内部の上下に
千鳥状に配設された仕切壁により、吸気される空気が垂
直方向に蛇行するような空気通路を形成できる。また、
大気連絡口から吸気される空気に含まれるダストは、空
気通路を通過する際に空気通路の仕切壁に衝突し、その
衝突時にダストが空気と分離し、底板上に積載されるた
め、空気通路の内部でダストを除去することができる。
また、空気通路内でダストが除去されるため、下流側に
設けられるダスト除去用のフィルタエレメントには、ダ
ストが除去された空気が流入するためダストにより目詰
まりすることがなくなり、長期に亘ってフィルタエレメ
ントが使用できる。更に、空気に含まれるダストを除去
するための空気通路とフィルタエレメントとをケーシン
グの内部に備えるようにしたので、キャニスタの形状を
変えずにすむ。

【００１２】請求項５の発明は、請求項２及び請求項４
に記載の底板と前記底板の上面に配設された仕切壁とか
ら構成されるユニット（２５）が形成され、前記ユニッ
トが前記ケーシング内に挿入されて前記空気通路が形成
されることを特徴とする。

【００１３】この発明によれば、空気通路を形成する部
材をユニット化し、そのユニットをケーシング内に挿入
するのみで空気通路が形成できる。また、ユニット化す
ることにより個々の部品の製造が容易になる。また、キ
ャニスタ本体の内部にダストを除去するための空気通路
が形成されるので、キャニスタの形状を変えないです
む。

【００１４】請求項６の発明は、前記空気通路は、前記
ケーシングに一体形成されることを特徴とする。

【００１５】この発明によれば、ケーシングに一体に空
気通路が形成されるため、キャニスタを形成するための
部品点数を少なくできる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の第１の実施の形態
に係るキャニスタを説明する。

【００１７】図１は本実施形態におけるキャニスタの全
体構造を示す縦断面図、図２は図１のＡ−Ａ断面図、図
３は空気通路における、（ａ）図２のＢ−Ｂ断面図、
（ｂ）底面図である。このキャニスタ１Ａは、内燃機関
を原動機とする自動車に搭載され、燃料供給源（燃料タ
ンク）にて発生した燃料蒸気を処理するためのものであ
る。なお、以下の説明では図１の上下左右方向を便宜的
にキャニスタの上下左右として表現するが、それにより
キャニスタの使用時の向きが限定されるものではない。

【００１８】このキャニスタ１Ａは、樹脂製のケーシン
グ２を有しており、このケーシング２は、吸着剤ケース
３と、これに溶着される上部カバー４と、を備えてい
る。吸着剤ケース３は、上方からみてほぼ矩形状の上部
壁３ａとこの上部壁３ａの外周から下方に垂直に延ばさ
れた４枚の側壁３ｂ、３ｂ、３ｂ、３ｂ（図示は左側面
と右側面の２枚のみ）とから構成される角筒型のケース
本体３ｃと、そのケース本体３ｃの下端の開口部を塞ぐ
ボトムカバー５とを備えている。

【００１９】吸着剤ケース３の内部は上部壁３ａのほぼ
中央から下方に向かって側壁３ｂと同一方向に延ばされ
た隔壁６により第１空間部７と、第２空間部８と、に区
分されている。また、第２空間部８は、第２空間部８の
高さ方向上部に配置された中間壁９により、更に区分さ
れている。中間壁９は上下方向に関して多数の貫通孔を
有するグリッド９ａと、その上下に密着するシート状の
フィルタエレメント９ｂ、９ｂとを有する。

【００２０】中間壁９の上方にはフィルタエレメント１
７が備えられる。また、第２空間部８の上端には大気連
絡口８ａと連通するように空気通路１８が吸着剤ケース
３の内部に一体形成されている。

【００２１】図２、図３により空気通路の構造を説明す
る。空気通路１８は、第２空間部８の上部に設けた底板
１９と、仕切壁２０（２０ａ〜２０ｃ）と、により形成
される。底板１９には、下方のフィルタエレメント１７
に連通するように、一部に矩形状の開口部１９ａが設け
られている。また、底板１９の下方側の表面には、一定
間隔に複数の凸部２１、２１・・・２１が設けられてい
る。凸部２１の端部は、フィルタエレメント１７と接し
ている。この凸部２１により、フィルタエレメント１７
と底板１９との間に空間部を設けることができる。空間
部を設けることにより、底板１９の一部に設けられた開
口部１９ａから吸気された空気がフィルタエレメント１
７へと吸気される際に、フィルタエレメント１７の全表
面から吸気される。

【００２２】空気通路１８を形成する仕切壁２０は、大
気連絡口８ａが形成された側壁１ｂから対向する隔壁６
方向に延び、上部壁３ａと底板１９とに接しており、か
つ、大気連絡口８ａから空気が直進するのを防ぐように
設けられている略Ｌ字状の仕切壁２０ａと、大気連絡口
８ａが形成された側壁３ｂから対向する隔壁６方向に延
び、上部壁３ａと底板１９とに接するように設けられて
いる仕切壁２０ｂと、隔壁６から対向する側壁３ｂ方向
に延び、上部壁３ａと底板１９とに接するように設けら
れている仕切壁２０ｃと、が略千鳥状に設けられてい
る。

【００２３】吸着剤ケース３の下端には弾力性があると
ともに通気性のあるパッド１１が設けられる。更に、パ
ッド１１の下側には、上下方向に関して多数の貫通孔を
有するグリッド１２が配置され、その下側からボトムカ
バー５が被せられる。ボトムカバー５の外周はその全周
に亘ってケース本体３ｃの下端外周に気密に接合され
る。接合には例えば溶着が用いられる。ボトムカバー５
の接合により吸着剤ケース３の下端が密閉される。これ
により、ボトムカバー５が吸着剤ケース３の下部壁とし
て機能する。接合されたボトムカバー５によってグリッ
ド１２が加圧され、その反発力でパッド１１が押し上げ
られる。これにより、吸着剤層の活性炭が適度に押し固
められる。

【００２４】第１空間部７の上端にはシート状のフィル
タエレメント１５が配置される。このフィルタエレメン
ト１５の下方には吸着剤１６としての活性炭が充填され
て吸着剤層１６ａが形成される。また、中間壁９の下方
にも吸着剤１６としての活性炭が充填されて吸着剤層１
６ａが形成される。

【００２５】上部カバー４には、燃料タンクと接続され
る燃料蒸気導入口４ａと、内燃機関の吸気系と接続され
るパージ口４ｂとが設けられる。燃料蒸気導入口４ａと
パージ口４ｂとは、第１空間部７に連通する。また、第
２空間部８と接する側壁１ｂの上部の一部には、第２空
間部８と連通するように大気連絡口８ａが設けられる。
車両の機関停止時に燃料タンクで発生する燃料蒸気は燃
料蒸気導入口４ａから吸着剤ケース３内に導入され、そ
の蒸気に含まれる燃料成分が吸着剤層１６ａに吸着され
る。機関の運転時には、吸気系に発生する負圧によりパ
ージ口４ｂから空気が吸引され、それにより大気連絡口
８ａから大気が吸気され、その大気と一緒に吸着剤層１
６ａに吸着された燃料成分が内燃機関の吸気系へと取り
込まれる。

【００２６】図４は、キャニスタに空気通路を設けた場
合と設けない場合の投入ダスト量に対する通気抵抗測定
の結果を示す。空気通路の有無による違いは、空気通路
を有しないキャニスタが、ダストを含む空気がフィルタ
エレメントのみを介して吸着剤層に吸気されるのに対
し、空気通路を有するキャニスタは、空気通路より空気
に含まれるダストを除去した後、フィルタエレメントを
介して吸着剤層に吸気される点にある。

【００２７】図４における測定は、投入ダストの目標値
を１２（ｇ）として、大気連絡口からダストを含ませた
空気を吸気して測定を行った。ダストは０〜１２（ｇ）
の範囲で除々にダストを増加して測定を行った。この結
果、図４より空気通路を有しないキャニスタは、投入ダ
スト量が増加するほど、通気抵抗が極端に増加し、目標
値まで吸気することができなかった。一方、空気通路を
有するキャニスタにあっては、投入ダスト量が増加して
も、通気抵抗はさほど変化せず、目標値を超えても吸気
することができた。

【００２８】本結果により、空気通路を有しないキャニ
スタは、空気に含まれるダストがそのままフィルタエレ
メントにより除去されるため、ダスト投入量の増加に伴
い、フィルタエレメントが目詰まりし、通気抵抗が極端
に増加することが考えられる。また、空気通路を有する
キャニスタにあっては、空気に含まれるダストが空気通
路を通過する過程において、通路壁や仕切壁等に衝突し
ながら、ダストが分離され、その後フィルタエレメント
に吸気されるので、フィルタエレメントが目詰まりしな
いため、投入ダスト量の増加にかかわらず、通気抵抗が
ほとんど変化しないと考えられる。

【００２９】以上のように、大気連絡口８ａから空気が
取り込まれるときは、空気は空気通路１８を通過した
後、フィルタエレメント１７、吸着剤層１６ａを介し
て、パージ口４ｂから内燃機関の吸気系へと吸気され
る。大気連絡口８ａから吸気された空気はダストを含ん
でいるが、このダストが空気通路１８を通過する過程に
おいて、空気通路１８の通路壁（隔壁６や側壁３ｂ、３
ｂ）又は仕切壁２０（２０ａ〜２０ｃ）に衝突し、その
衝突時にダストが分離して空気通路１８の底板１９上に
まんべんなく蓄積される。そのため、フィルタエレメン
ト１７を空気が通過する際には、空気通路１８ですでに
ダストが除去されるので、フィルタエレメント１７が目
詰まりを起こすことがなく、フィルタエレメント１７を
長期に亘って使用できる。更に、ダスト除去手段として
の空気通路１８とフィルタエレメント１７とが、吸着剤
ケース３の内部に一体形成されることにより、キャニス
タ本体３ｃの形状を変えることなく、コンパクトにまと
めることができる。また、吸着剤ケース３の内部に一体
形成するため、部品点数を少なくできる。

【００３０】図５〜図６により本発明の第２の実施形態
に係るキャニスタを説明する。なお、図５〜図６におい
て、図１〜図３と共通する部分には同一符号を付し、そ
れらの説明は省略する。

【００３１】図５は本実施形態におけるキャニスタの全
体構造を示す縦断面図、図６は空気通路を形成するユニ
ットの、（ａ）図５のＣ−Ｃ断面図、（ｂ）（ａ）のＤ
−Ｄ断面図、（ｃ）底面図である。

【００３２】このキャニスタ１Ｂは、第２空間部８の上
端にユニット２５を挿入して空気通路が形成される。

【００３３】このユニット２５は、側壁３ｃ、３ｃ、３
ｃと隔壁６とに囲まれた空間を仕切る基板２６と、基板
２６の外周に立設する支持板２７と、仕切壁２８と、か
ら形成される。基板２６には、下方のフィルタエレメン
ト１７に連通するように、一部に矩形状の開口部２６ａ
が設けられている。また、基板２６の下方側の表面に
は、一定間隔に複数の凸部２９、２９・・・２９が設けら
れている。支持板２７は、端部が上部壁３ａと下方に設
けられるフィルタエレメント１７とに接するように設け
られている。

【００３４】仕切壁２８は、大気連絡口が形成された側
壁から対向する隔壁方向に延びるように設けられ、か
つ、大気連絡口から吸気される大気が直進するのを防ぐ
ような略Ｌ字状の仕切壁２８ａと、大気連絡口が形成さ
れた側壁から対向する隔壁方向に延びるような仕切壁２
８ｂと、隔壁から対向する側壁方向に延びるような仕切
壁２８ｃと、が略千鳥状に一方の基板の表面に立設され
ている。

【００３５】図７により空気通路を形成するユニットの
他の実施形態を説明する。なお、図７において、図６と
共通する部分には同一符号を付し、それらの説明は省略
する。

【００３６】図７は空気通路を形成するユニットの、
（ａ）平面図、（ｂ）（ａ）のＥ−Ｅ断面図である。こ
のユニット３０は、上記第２の実施形態と同様に、第２
空間部８の上端に挿入し、空気通路が形成される。この
ユニット３０は、側壁３ｃ、３ｃ、３ｃと隔壁６とに囲
まれた空間を仕切る基板３１と、基板３１の外周に立設
する支持板３２と、仕切壁３３と、から形成される。基
板３１には、下方のフィルタエレメント１７に連通する
ように、一部に矩形状の開口部３１ａが設けられてい
る。また、基板３１の下方側の表面には、一定間隔に複
数の凸部３４、３４・・・３４が設けられている。支持板
３２は、端部が上部壁３ａと下方に設けられるフィルタ
エレメント１７に接するように設けられている。

【００３７】仕切壁３３は、大気連絡口８ａから吸気さ
れる空気が開口部３１ａに直進するのを防ぐように、大
気連絡口８ａが形成された側壁３ｃから対向する隔壁６
方向に延びるように設けられ、かつ、大気連絡口８ａか
ら吸気される大気が直進するのを妨げないような略Ｌ字
状の仕切壁３３が一方の基板３１の表面に立設される。

【００３８】以上のように、上記第２、第３の実施形態
に係るキャニスタによれば、空気通路がユニット２５、
３０を挿入することにより形成され、そのユニット２
５、３０を第２空間部８の上端に挿入するのみで空気通
路を形成することができる。また、空気通路の一方は大
気連絡口８ａと連通し、他方は下方のフィルタエレメン
ト１７及び吸着剤層１６ａと連通する。また、ユニット
化することにより、個々の部品の製造が容易になる。ま
た、ケーシング内部にダストを除去するための空気通路
を形成できるので、キャニスタの形状を変えないです
む。

【００３９】図８により本発明の第３の実施形態に係る
キャニスタを説明する。なお、図８において、図１と共
通する部分には同一符号を付し、それらの説明は省略す
る。

【００４０】図８は本実施形態におけるキャニスタの全
体構造を示す縦断面図である。

【００４１】このキャニスタ１Ｃは、大気連絡口８ａと
吸着剤１６との間に設けられるダスト除去手段としての
空気通路１８とフィルタ１７のうち、空気通路１８が、
空気が垂直方向に蛇行するように形成されている。

【００４２】この空気通路３５は、第２空間部８の上部
に設けた底板１９と、第１の仕切壁３６と、第２の仕切
壁３７と、により形成される。底板１９には、下方のフ
ィルタエレメント１７に連通するように、一部に矩形状
の開口部１９ａが設けられている。また、底板１９の下
方側の表面には、一定間隔に複数の凸部２１、２１・・・
２１が設けられている。凸部２１の端部は、フィルタエ
レメント１７と接している。

【００４３】空気通路を形成する第１の仕切壁３６は、
吸着剤ケース３の上部壁３ａから対向する底板１９方向
に延び、吸着剤ケース３の幅方向（図中前後方向）の両
端部が、側壁３ｂ、３ｂと接するように一体形成されて
設けられている。

【００４４】一方、第２の仕切壁３７は、底板１９と対
向する上部壁３ａ方向に延び、吸着剤ケース３の幅方向
の両端部が、側壁３ｂ、３ｂと接するように一体形成さ
れて設けられている。

【００４５】この第１の仕切壁３６と第２の仕切壁３７
とは、空気通路を通過する空気が垂直（上下）方向に蛇
行するように略千鳥状に設けられている。

【００４６】以上のように、空気通路３５を吸気される
空気が垂直方向に蛇行するように形成したので、吸気さ
れる空気に含まれるダストが、仕切壁３６、３７に衝突
し、空気と分離され、底板１９の上面に積載されるの
で、ダストを除去できる。また、積載されたダストは、
底板１９から垂設された仕切壁３７が壁となって、分離
した場所からフィルタエレメント１７方向へ移動するこ
とを阻止できる。

【００４７】本発明は以上の実施形態に限定されること
なく、種々の形態にて実施してよい。

【００４８】例えば、仕切壁の数は限定されず、複数で
あってもよいし、第３の実施の形態において示した空気
通路をユニットを挿入して形成する形態としてもよい。

【００４９】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、ダスト除去用の空気通路を大気連絡口近傍に設ける
ことにより、空気通路の内部でダストが除去されるので
フィルタエレメントの目詰まりを防止することができ
る。また、ダスト除去用の空気通路をキャニスタの内部
に設けることにより、キャニスタの形状を変えないです
む。また、キャニスタを形成するための部品点数を少な
くし、コストを低く抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施の形態におけるキャニスタの全体構
造を示す縦断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】空気通路における（ａ）図２のＢ−Ｂ断面図、
（ｂ）底面図である。

【図４】空気通路にダストを含む空気を投入した場合に
おける、通気抵抗特性の図である。

【図５】第２の実施の形態におけるキャニスタの全体構
造を示す縦断面図である。

【図６】空気通路を形成するユニットの、（ａ）図５の
Ｃ−Ｃ断面図、（ｂ）（ａ）のＤ−Ｄ断面図（ｃ）底面
図である。

【図７】他の空気通路の実施形態におけるユニットの、
（ａ）平面図、（ｂ）（ａ）のＥ−Ｅ断面図である。

【図８】第３の実施の形態におけるキャニスタの全体構
造を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１Ａ、１Ｃキャニスタ２ケーシング４ａ燃料蒸気導入口４ｂパージ口８ａ大気連絡口１６吸着剤１７フィルタエレメント１８、３５空気通路１９底板１９ａ開口部２０、３６、３７仕切壁２５ユニット

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者遠藤宣智静岡県浜北市中瀬7800番地東洋▲ろ▼機製造株式会社内 (72)発明者松浦和也静岡県浜北市中瀬7800番地東洋▲ろ▼機製造株式会社内Ｆターム(参考） 3G044 BA20 BA32 GA12 GA13 GA14 GA15 GA16 GA20 GA28 GA30

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】燃料蒸気導入口とパージ口、及び大気連
絡口が形成されるケーシングと、前記ケーシング内に収
納される吸着剤と、を有するキャニスタにおいて、前記大気連絡口と連通する前記ケーシングの内部に、前
記大気連絡口から吸気される空気が水平方向に蛇行する
ように空気通路が形成され、前記空気通路と吸着剤との間にはフィルタエレメントが
設けられていることを特徴とする蒸発燃料用キャニス
タ。
【請求項２】前記空気通路は、一部に開口部を有する
底板と、前記大気連絡口から前記開口部に向かって吸気される空
気が直進するのを防ぐように前記底板の上面に配設され
た仕切壁と、から形成されることを特徴とする請求項１に記載の蒸発
燃料用キャニスタ。
【請求項３】燃料蒸気導入口とパージ口、及び大気連
絡口が形成されるケーシングと、前記ケーシング内に収
納される吸着剤と、を有するキャニスタにおいて、前記大気連絡口と連通する前記ケーシングの内部に、前
記大気連絡口から吸気される空気が垂直方向に蛇行する
ように空気通路が形成され、前記空気通路と吸着剤との間にはフィルタエレメントが
設けられていることを特徴とする蒸発燃料用キャニス
タ。
【請求項４】前記空気通路は、一部に開口部を有する
底板と、前記大気連絡口から前記開口部に向かって吸気される空
気が直進するのを防ぐように前記空気通路の内側面の上
面から下方向、及び前記底板の上面から上方向に略千鳥
状に配設された仕切壁と、から形成されることを特徴とする請求項３に記載の蒸発
燃料用キャニスタ。
【請求項５】請求項２及び請求項４に記載の底板と前記
底板の上面に配設された仕切壁とから構成されるユニッ
トが形成され、前記ユニットが前記ケーシング内に挿入されて前記空気
通路が形成されることを特徴とする蒸発燃料用キャニス
タ。
【請求項６】前記空気通路は、前記ケーシングに一体形
成されることを特徴とする請求項２、又は４に記載の蒸
発燃料用キャニスタ。