JP2003001656A - 積層板の製造方法 - Google Patents

積層板の製造方法

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JP2003001656A
JP2003001656A JP2001192576A JP2001192576A JP2003001656A JP 2003001656 A JP2003001656 A JP 2003001656A JP 2001192576 A JP2001192576 A JP 2001192576A JP 2001192576 A JP2001192576 A JP 2001192576A JP 2003001656 A JP2003001656 A JP 2003001656A
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thermosetting resin
prepreg
resin plate
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JP2001192576A
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Eiji Motobe
英次 元部
Masachika Mori
正至 森
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 近年の生産性向上の目的から熱盤間に多数の
積層構成体をセットして成形したり、成形時間短縮のた
めに昇温速度を上昇させて成形したりする際に、積層板
の内部にクラックが無く、ミーズリングが発生しないと
共に、表面形状が良好な積層板を製造することができる
積層板の製造方法を提供する。 【解決手段】 表面に回路が形成されたコア基板にプリ
プレグを重ねると共にこの外側に金属箔を重ねて積層構
成体を形成する。また、プリプレグに金属箔を重ねて積
層構成体を形成する。そして、これらの積層構成体のう
ち少なくとも一方の積層構成体を金属プレートを介して
複数段積載する。このとき、最も外側の金属プレートに
熱伝導率が0.2〜0.5W/(m・℃)である熱硬化
性樹脂板を重ねると共にこの外側にクッション材を配
し、これを加熱加圧成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板に
加工して使用される積層板の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】電子・電気機器に利用されるプリント配
線板は、積層板を加工して製造されているが、このよう
な積層板は、例えば、所要枚数を重ねたプリプレグに銅
箔等の金属箔を重ねたものを積層構成体とし、この積層
構成体を金属プレートを介して熱盤間にセットし、熱盤
で加熱しながらプレス盤で加圧することによって、成形
されている。従来はこのような成形に際して、金属プレ
ートと熱盤とが傷付け合うのを防止したり、成形時にお
ける圧力ムラや樹脂の流動ムラを緩和したりするため
に、金属プレートと熱盤との間にクッション材を介在さ
せるようにしていた。
【0003】このようにクッション材を使用すると、成
形された積層板はその板厚が均一になり、しかも樹脂の
流動ムラに起因するカスレ不良も低減されるのである。
そして、これまで提案されてきたクッション材として
は、例えば、クラフト紙とフッ素樹脂やシリコーンゴム
等のシートとを組み合わせて重ねたもの(特開平2−1
20009号公報)や、表面層が金属箔で芯層が耐熱ク
ロスや不織布等からなるもの(特開昭61−74840
号公報)や、表面層が樹脂コーティングした織布や不織
布や紙等で芯層が芳香族ポリアミド繊維とロックウール
の混抄物からなるもの(特開昭61−61839号公
報)等を挙げることができ、また、クッション材の市販
品としては、フェルト材(市川毛織(株)製「KG35
5ET」)、ゴム材(ヤマウチ(株)製「F−12FG
K」)等を挙げることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで近年は、生産
性向上の観点から熱盤間に多数の積層構成体を積載して
成形したり、成形時間短縮のために昇温速度を上昇させ
て成形したりすることが行われている。しかし、このよ
うな成形を上記のようなクッション材を使用して行って
も、熱盤の最も近くに位置する積層構成体は、成形時に
おいて大きな温度変化を受けることになり、この積層構
成体から成形された積層板の内部にはクラックが入り、
ミーズリングが発生するという問題が生じるものであっ
た。
【0005】このようなミーズリングは、具体的には、
加圧下における急激な高温加熱の段階や、高温時から急
激な冷却に移行する段階などの急激な温度変化による歪
みによって起こる現象である。そしてこの歪みは、加圧
下で加熱されたプリプレグの樹脂が溶融した後、硬化す
る際の硬化収縮により発生する応力や、冷却時において
樹脂が収縮する際の冷却収縮により発生する応力による
ものであり、上記の加熱時や冷却時の温度変化の割合が
小さいところではこの応力は小さくなり、歪みも小さく
なるが、逆に温度変化の割合が大きいところではこの応
力は大きくなり、これに伴って歪みも大きくなる。従っ
て、熱盤の最も近くで成形された積層板においては、成
形時における樹脂の硬化収縮と冷却による収縮によっ
て、基材を構成する縦糸と横糸との交点で剥離が起こ
り、クラックが入ってミーズリングが発生するものであ
る。
【0006】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、近年の生産性向上の目的から熱盤間に多数の積層
構成体をセットして成形したり、成形時間短縮のために
昇温速度を上昇させて成形したりする際に、積層板の内
部にクラックが無く、ミーズリングが発生しないと共
に、表面形状が良好な積層板を製造することができる積
層板の製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
積層板の製造方法は、表面に回路が形成されたコア基板
8にプリプレグ6を重ねると共にこの外側に金属箔5を
重ねて形成される積層構成体7と、プリプレグ6に金属
箔5を重ねて形成される積層構成体7の少なくとも一方
の積層構成体7を金属プレート4を介して複数段積載
し、最も外側の金属プレート4に熱伝導率が0.2〜
0.5W/(m・℃)である熱硬化性樹脂板3を重ねる
と共にこの外側にクッション材2を配し、これを加熱加
圧成形することを特徴とするものである。
【0008】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、熱硬化性樹脂板3として、板厚が1.0〜2.0m
mであるものを用いることを特徴とするものである。
【0009】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、熱硬化性樹脂板3として、ガラス転移温度が5
0〜80℃であるものを用いることを特徴とするもので
ある。
【0010】また請求項4の発明は、請求項1乃至3の
いずれかにおいて、熱硬化性樹脂板3として、ガラス転
移温度以上の温度における貯蔵弾性率が1.0×106
〜1.0×108Paであるものを用いることを特徴と
するものである。
【0011】また請求項5の発明は、請求項1乃至4の
いずれかにおいて、熱硬化性樹脂板3として、ガラス織
物、ガラス不織布、アラミド織物、アラミド不織布から
選ばれる補強材を基材とする積層板を用いることを特徴
とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0013】図1は本発明の実施の形態の一例を示すも
のであり、積層板としては、1枚のプリプレグ6又は2
枚以上のプリプレグ6を重ねたものの片側又は両側に金
属箔5を重ねて形成される積層構成体7から、プリント
配線板に加工して使用される金属張積層板を製造するこ
とができる。例えば、図1における1組の積層構成体7
は、プリプレグ6を3枚重ね合わせると共に、この両側
に金属箔5を重ね合わせて形成されている。そして上記
のプリプレグ6としては、特に限定されるものではな
く、下記のような基材に樹脂ワニスを含浸させると共に
半硬化させることによって、作製することができる。す
なわち基材としては、例えば、ガラス等の無機繊維の織
布もしくは不織布、又はポリアミド、芳香族ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリアクリル等の有機繊維の織布も
しくは不織布を使用することができ、また樹脂ワニスと
しては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラ
ミン樹脂、ポリイミド樹脂、芳香族ポリエーテル樹脂等
の熱硬化性樹脂を主成分とし、必要に応じてカップリン
グ剤や難燃剤等が添加されて調製されたものを使用する
ことができる。また上記の金属箔5としては、特に限定
されるものではなく、例えば、12〜70μmの銅箔を
使用することができる。
【0014】一方、図2は本発明の実施の形態の他例を
示すものであり、積層板としては、表面に回路が形成さ
れたコア基板8の片側又は両側にプリプレグ6を1枚又
は2枚以上重ねると共にこの外側に金属箔5を重ねて形
成される積層構成体7から、特に多層プリント配線板に
加工して使用される金属張積層板を製造することができ
る。例えば、図2における1組の積層構成体7は、コア
基板8の両側に1枚のプリプレグ6を重ね合わせると共
に、さらにこの両側に金属箔5を重ね合わせて形成され
ている。そして上記のコア基板8としては、特に限定さ
れるものではなく、公知のものを使用することができ、
またこのコア基板8の表面に回路を形成するにあたって
は、公知の方法によって行うことができる。またプリプ
レグ6と金属箔5は、上述したものと同様のものを使用
することができる。
【0015】本発明において金属プレート4としては、
特に限定されるものではなく、例えば、板厚が1〜3m
mのステンレス鋼板や鉄板の表面にクロムメッキを施し
た鏡面板を使用することができる。
【0016】またクッション材2としても、特に限定さ
れるものではなく、例えば、クラフト紙、ゴム層単体、
フェルト層単体、あるいはこれらのものを複合したもの
等を使用することができる。
【0017】そして、本発明において積層板を製造する
にあたっては、以下のようにして行うことができる。す
なわち、上述のようにして形成される積層構成体7のう
ち、少なくとも一方の積層構成体7を図1や図2に示す
ように、対向配置される熱盤1,1間に金属プレート4
を介して複数段積載する。このとき積層構成体7の積載
段数は、特に限定されるものではなく、必要に応じて増
減させることができるが、より多くの積層構成体7を積
載しておけば、それだけ製造される積層板の枚数を増加
させることができ、生産性向上の目的を果たすことがで
きるものである。
【0018】さらに、最も外側の金属プレート4に、熱
硬化性樹脂、好ましくはエポキシ樹脂を板状に形成して
得られる熱硬化性樹脂板3を重ねると共に、この外側に
クッション材2を配し、これを熱盤1で加熱しながらプ
レス盤(図示省略)で加圧して成形することによって、
積層板を製造することができる。このように本発明にお
いては、金属プレート4とクッション材2との間に熱硬
化性樹脂板3を介挿するものであるが、この熱硬化性樹
脂板3としては、特に熱伝導率が0.2〜0.5W/
(m・℃)であるものを使用するものである。このとき
熱硬化性樹脂板3としては、熱硬化性樹脂を単に板状に
形成したものの他に、離型紙に熱硬化性樹脂を塗布した
ものや、これを所要枚数重ね合わせたもの等を用いるこ
とができる。
【0019】そして、熱硬化性樹脂板3の熱伝導率が上
記の範囲に設定されていると、熱盤1,1間に積載する
積層構成体7の段数を増加させたり、昇温速度を上昇さ
せたりしても、積層構成体7を構成する各層の面内にお
ける温度バラツキが抑制され、各積層構成体7を均一に
加熱することが可能となるものである。このため、プリ
プレグ6中に含まれる熱硬化性樹脂が硬化する際に歪み
が発生しなくなり、内部にクラックが無く、しかもミー
ズリングが発生せずに表面形状が良好な積層板を製造す
ることができるものである。ところが、熱伝導率が0.
2W/(m・℃)未満であると、熱の伝わり方が大きく
低下し、成形時間が長くなるものであり、逆に熱伝導率
が0.5W/(m・℃)を超えると、熱の伝わり方が著
しく上昇し、熱盤1,1間に積載する積層構成体7の段
数を増加させたり、昇温速度を上昇させたりした場合
に、積層構成体7を構成する各層の面内における温度バ
ラツキが抑制されず、各積層構成体7の加熱が不均一と
なるものであり、プリプレグ6中に含まれる熱硬化性樹
脂が硬化する際において歪みが発生し、これによってク
ラックやミーズリングが発生してしまうものである。
【0020】また熱硬化性樹脂板3としては、板厚が
1.0〜2.0mmであるものを用いるのが好ましい。
板厚がかかる範囲に設定されていると、熱盤1,1間に
セットする際にホイスト等の機械による自動搬送が行い
やすくなり、生産効率を高めることができるものであ
る。一方、熱硬化性樹脂板3の板厚が1.0mm未満で
あると、薄くなり過ぎてホイストによる自動搬送が困難
となるおそれがあり、逆に板厚が2.0mmを超える
と、熱硬化性樹脂板3の総質量が増加し、この熱硬化性
樹脂板3を搬送するホイストの数を増やしたり、ホイス
トによる引き上げ力を増加させたりする必要が生じるお
それがある。
【0021】また熱硬化性樹脂板3としては、これを形
成する熱硬化性樹脂のガラス転移温度が50〜80℃で
あるものを用いるのが好ましい。通常、積層プレスの際
にプリプレグ6中に含まれる熱硬化性樹脂が溶融・流動
し始める温度は約80℃であるため、熱硬化性樹脂板3
における熱硬化性樹脂のガラス転移温度が上記の範囲に
設定されていると、積層プレス時の温度(約80℃)に
よって熱硬化性樹脂板3の弾性率が低下してクッション
性が増加することになり、つまり熱硬化性樹脂板3がゴ
ム状態となり、プリプレグ6中の熱硬化性樹脂の流動に
起因する歪みを緩和することができ、クラックやミーズ
リングの発生が抑制され、1枚のプリプレグ6からなる
極薄の積層板であっても、その成形性を向上させること
ができるものである。一方、熱硬化性樹脂板3を形成す
る熱硬化性樹脂のガラス転移温度が50℃未満である
と、室温における熱硬化性樹脂板3の弾性率が低くな
り、搬送が行い難くなるなど取り扱い性が低下するおそ
れがあり、逆にガラス転移温度が80℃を超えると、積
層プレス時の温度下にあっても熱硬化性樹脂板3の弾性
率は高い状態のままであり、クッション性を充分に得る
ことができないおそれがある。
【0022】また熱硬化性樹脂板3としては、これを形
成する熱硬化性樹脂のガラス転移温度以上の温度におけ
る貯蔵弾性率が1.0×106〜1.0×108Paであ
るものを用いるのが好ましい。かかる熱硬化性樹脂板3
を用いると、プリプレグ6中に含まれる熱硬化性樹脂が
硬化収縮する際や冷却される際に発生する歪みを緩和す
ることができるものであり、特に1枚のプリプレグ6か
らなる極薄の積層板の成形性向上の効果を一層高く得る
ことができるものである。一方、ガラス転移温度以上の
温度における貯蔵弾性率が1.0×106Pa未満であ
るものは、現在のところ存在せず、逆に上記の貯蔵弾性
率が1.0×108Paを超えると、極薄の積層板の成
形性向上の効果を高く得ることができないおそれがあ
る。
【0023】また熱硬化性樹脂板3としては、ガラス織
物、ガラス不織布、アラミド織物、アラミド不織布から
選ばれる補強材を基材とする積層板を用いるのが好まし
い。すなわちこの熱硬化性樹脂板3は、所要枚数のプリ
プレグ6からなる積層板であって、特にプリプレグ6に
おける基材として上記のような補強材を用いたものであ
り、この補強材によって室温における熱硬化性樹脂板3
としての弾性率の低下を軽減することができ、ホイスト
等の機械による自動搬送を容易に行うことができるなど
取り扱い性を向上させることができるものである。な
お、基材としての上記の補強材に含浸させる樹脂ワニス
としては、上述したものと同様のものを用いることがで
き、また上記の熱硬化性樹脂板3としては、上述したよ
うな金属箔5を表面に配して金属張積層板としたものも
用いることができ、さらに金属箔5の代わりに離型紙を
配したものも用いることができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0025】(実施例1)熱硬化性樹脂板3として、ガ
ラス布基材(旭シュエーベル(株)製「7628AS4
50S」)に、エポキシ樹脂ワニス(東都化成(株)製
「YDB500EK80」を100質量部、日本カーバ
イド工業(株)製「ジシアンジアミド」を3質量部、四
国化成工業(株)製「2E4MZ」を0.2質量部含
み、溶媒としてDMFを用いたもの)を含浸乾燥して得
られたプリプレグ6を8枚重ね合わせ、さらにその両側
に厚さ35μmの銅箔(古河サーキットフォイル(株)
製「GT−MP35」)を貼り合わせ、加熱加圧成形し
て得られたものを用いた。
【0026】またクッション材2として、ゴム層と不織
布層が一体になっているタイプのもの(ヤマウチ(株)
製「K2−20MGK−H」)を用いた。
【0027】そして、積層板は次のようにして成形し
た。まずエポキシ樹脂ワニス(東都化成(株)製「YD
B500EK80」を100質量部、日本カーバイド工
業(株)製「ジシアンジアミド」を3質量部、四国化成
工業(株)製「2E4MZ」を0.2質量部含み、希釈
溶媒としてDMFを用いたもの)をガラス布基材(旭シ
ュエーベル(株)製「7628AS450S」)に含浸
乾燥してレジンコンテント45質量%の半硬化したプリ
プレグ6を作製した。
【0028】次に、上記のプリプレグ6の1枚の両側に
厚さ35μmの銅箔を重ね合わせて積層構成体7を形成
した。この積層構成体7を20組金属プレート4を介し
て積載し、さらに最も外側に位置する金属プレート4に
熱硬化性樹脂板3を重ねると共にこの外側にクッション
材2を配置し、これらを熱盤1,1間に挟み込んで、温
度170℃、圧力2.9MPaで2時間加熱加圧成形し
た後、同圧力下で冷却して積層板を製造した。
【0029】(実施例2)熱硬化性樹脂板3として、ア
ラミド不織布基材(デュポン帝人アドバンスドペーパー
(株)製「N718」)に、エポキシ樹脂ワニス(油化
シェルエポキシ(株)製「Epiclon1007」を
100質量部、試薬「トリエチレンテトラミン」を1.
2質量部含み、有機溶媒としてMEKを用いたもの)を
含浸乾燥して得られたプリプレグ6を7枚重ね合わせ、
さらにその両側に離型紙を貼り合わせ、加熱加圧成形し
て得られたものを用いた。その他は実施例1と同様にし
て積層板を製造した。
【0030】(実施例3)熱硬化性樹脂板3として、エ
ポキシ樹脂ワニス(東都化成(株)製「YDB500E
K80」を100質量部、日本カーバイド工業(株)製
「ジシアンジアミド」を3質量部、四国化成工業(株)
製「2E4MZ」を0.2質量部含み、溶媒としてDM
Fを用いたもの)を、コンマコーターによって厚さ20
0μmとなるように離型紙に塗布し、これを8枚重ね合
わせ、加熱加圧成形して得られたものを用いた。その他
は実施例1と同様にして積層板を製造した。
【0031】(実施例4)熱硬化性樹脂板3として、ア
ラミド不織布基材(デュポン帝人アドバンスドペーパー
(株)製「N718」)に、エポキシ樹脂ワニス(油化
シェルエポキシ(株)製「Epiclon1007」を
100質量部、試薬「トリエチレンテトラミン」を1.
2質量部含み、有機溶媒としてMEKを用いたもの)を
含浸乾燥して得られたプリプレグ6を4枚重ね合わせ、
さらにその両側に厚さ35μmの銅箔を貼り合わせ、加
熱加圧成形して得られたものを用いた。その他は実施例
1と同様にして積層板を製造した。
【0032】(実施例5)熱硬化性樹脂板3として、ア
ラミド不織布基材(デュポン帝人アドバンスドペーパー
(株)製「N718」)に、ポリイミド樹脂ワニス(チ
バガイギー(株)製「ケルイミド601」を100質量
部、試薬「N−メチルピロリドン」を50質量部、有機
溶媒としてDMFを用いたもの)を含浸乾燥して得られ
たプリプレグ6を8枚重ね合わせ、さらにその両側に厚
さ35μmの銅箔を貼り合わせ、加熱加圧成形して得ら
れたものを用いた。その他は実施例1と同様にして積層
板を製造した。
【0033】(比較例1)熱硬化性樹脂板3として、ガ
ラス布基材(旭シュエーベル(株)製「7628AS4
50S」に、エポキシ樹脂ワニス(東都化成(株)製
「YDB500EK80」を100質量部、日本カーバ
イド工業(株)製「ジシアンジアミド」を3質量部、四
国化成工業(株)製「2E4MZ」を0.2質量部含
み、溶媒としてDMFを、フィラーとして四国化成工業
(株)製「アルボレックス」100質量部を用いたも
の)を含浸乾燥して得られたプリプレグ6を3枚重ね合
わせ、さらにその両側に離型紙を貼り合わせ、加熱加圧
成形して得られたものを用いた。その他は実施例1と同
様にして積層板を製造した。
【0034】(比較例2)熱硬化性樹脂板3として、比
較例1と同様のものを用い、また積層構成体7の積載段
数を13組にした以外は、実施例1と同様にして積層板
を製造した。
【0035】(比較例3)熱硬化性樹脂板3を用いなか
った以外は、実施例1と同様にして積層板を製造した。
【0036】(熱伝導率の測定)上記の熱硬化性樹脂板
3の形成に用いた熱硬化性樹脂のみで樹脂板を作製し、
この樹脂板の熱伝導率をレーザフラッシュ法にて測定し
た。
【0037】(ガラス転移温度の測定)熱機械分析(T
MA)を行い、圧縮モードにて、10℃/分の昇温速度
で測定した。
【0038】(貯蔵弾性率の測定)熱伝導率の測定の場
合と同様にして樹脂板を作製し、この樹脂板の動的粘弾
性の温度分散を測定し、得られた貯蔵弾性率からガラス
転移温度以上の温度における熱硬化性樹脂の貯蔵弾性率
を求めた。
【0039】(積層板の成形性の評価)0.2t(厚さ
0.2mm)の積層板の成形性の評価は、以下のように
して行った。まずガラス布基材(旭シュエーベル(株)
製「7628AS450S)に、エポキシ樹脂ワニス
(東都化成(株)製「YDB500EK80」を100
質量部、日本カーバイド工業(株)製「ジシアンジアミ
ド」を3質量部、四国化成工業(株)製「2E4MZ」
を0.2質量部含み、溶媒としてDMFを用いたもの)
を含浸乾燥してレジンコンテント45質量%の半硬化し
たプリプレグ6を作製し、次いでこのプリプレグ6の1
枚の両側に厚さ35μmの銅箔を配し、各実施例及び比
較例の成形条件及び積載段数で成形を行って積層板を製
造し、その後、表面の銅箔をエッチングによって除去
し、外観を目視及び拡大鏡にて観察した。そして、ミー
ズリングが無いものを「○」、1mm以下のミーズリン
グが1m 2当たり2個以内発生したものを「△」、1m
mを超えるミーズリングが発生したり、1m2当たり3
個以上のミーズリングが発生したものを「×」として評
価した。
【0040】一方、0.04t(厚さ0.04mm)の
積層板の成形性の評価は、以下のようにして行った。ま
ずガラス布基材(日東紡績(株)製「WEA106 F
257」)に、エポキシ樹脂ワニス(東都化成(株)製
「YDB500EK80」を100質量部、日本カーバ
イド工業(株)製「ジシアンジアミド」を3質量部、四
国化成工業(株)製「2E4MZ」を0.2質量部含
み、溶媒としてDMFを用いたもの)を含浸乾燥してレ
ジンコンテント70質量%の半硬化したプリプレグ6を
作製し、次いでこのプリプレグ6の1枚の両側に厚さ3
5μmの銅箔を配し、各実施例及び比較例の成形条件及
び積載段数で成形を行って積層板を製造し、その後、表
面の銅箔をエッチングによって除去し、外観を目視及び
拡大鏡にて観察した。そして、ミーズリングが無いもの
を「○」、1mm以下のミーズリングが1m2当たり2
個以内発生したものを「△」、1mmを超えるミーズリ
ングが発生したり、1m2当たり3個以上のミーズリン
グが発生したものを「×」として評価した。
【0041】(面内温度バラツキ)熱盤1,1間に積載
した積層構成体7のプリプレグ6に、測定箇所が30c
2当たり1点となるように、直接熱電対温度計を取り
付け、プリプレグ6面内の温度を測定し、温度のバラツ
キを求めた。
【0042】(コスト)各実施例及び比較例のコストに
ついて、成形サイクルと積載段数を考慮して生産性を相
対的に比較し、生産性の高いものから順に「○」、
「△」、「×」と判定した。なお、昇温時間の短いもの
ほど成形サイクルが短くなることから、成形サイクルの
評価は昇温時間で代用して行った。
【0043】
【表1】
【0044】金属プレート4のサイズ(断面積)は1m
×1mである。
【0045】表1にみられるように、各実施例のものは
概ね、面内温度バラツキが小さく成形性に優れているこ
とが確認される。
【0046】特に実施例1及び3のものは、熱硬化性樹
脂板3のガラス転移温度が高いために、積層プレス時の
温度によって充分なクッション性が得られず、極薄の積
層板の成形性が若干悪くなっているのが確認される。
【0047】また実施例5のものは、熱硬化性樹脂板3
のガラス転移温度が高いことに加えて、この温度以上の
温度における貯蔵弾性率も高いために、極薄の積層板の
成形性が悪くなっているのが確認される。
【0048】一方、比較例1のものは、熱硬化性樹脂板
3のガラス転移温度が高い点もあるが、主として熱硬化
性樹脂板3の熱伝導率が低い点が原因となって、面内温
度バラツキが大きくなり、成形性が悪くなっているのが
確認される。
【0049】また比較例2のものは、面内温度バラツキ
が小さく成形性に優れているが、これは、積載段数が他
のものよりも少ないためであって、これでは積層板の生
産性向上の目的を充分に果たすことはできない。
【0050】さらに比較例3のものは、熱硬化性樹脂板
3が用いられていないので、従来と同様に面内温度バラ
ツキが大きくなり、成形性が悪くなっているのが確認さ
れる。
【0051】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る積
層板の製造方法は、表面に回路が形成されたコア基板に
プリプレグを重ねると共にこの外側に金属箔を重ねて形
成される積層構成体と、プリプレグに金属箔を重ねて形
成される積層構成体の少なくとも一方の積層構成体を金
属プレートを介して複数段積載し、最も外側の金属プレ
ートに熱伝導率が0.2〜0.5W/(m・℃)である
熱硬化性樹脂板を重ねると共にこの外側にクッション材
を配し、これを加熱加圧成形するので、生産性を向上さ
せる目的で積層構成体の積載段数を増加させたり、成形
時間を短縮する目的で昇温速度を上昇させたりしても、
積層構成体を構成する各層の面内における温度バラツキ
が抑制され、各積層構成体を均一に加熱することが可能
となり、プリプレグ中に含まれる熱硬化性樹脂が硬化す
る際に歪みが発生しなくなり、内部にクラックが無く、
しかもミーズリングが発生せずに表面形状が良好な積層
板を製造することができるものである。
【0052】また請求項2の発明は、熱硬化性樹脂板と
して、板厚が1.0〜2.0mmであるものを用いるの
で、ホイスト等の機械による自動搬送が行いやすくな
り、生産効率を高めることができるものである。
【0053】また請求項3の発明は、熱硬化性樹脂板と
して、ガラス転移温度が50〜80℃であるものを用い
るので、積層プレス時の温度(約80℃)によって熱硬
化性樹脂板の弾性率が低下してクッション性が増加する
ことになり、プリプレグ中の熱硬化性樹脂の流動に起因
する歪みを緩和することができ、クラックやミーズリン
グの発生が抑制され、1枚のプリプレグからなる極薄の
積層板であっても、その成形性を向上させることができ
るものである。
【0054】また請求項4の発明は、熱硬化性樹脂板と
して、ガラス転移温度以上の温度における貯蔵弾性率が
1.0×106〜1.0×108Paであるものを用いる
ので、プリプレグ中に含まれる熱硬化性樹脂が硬化収縮
する際や冷却される際に発生する歪みを緩和することが
できるものであり、特に1枚のプリプレグからなる極薄
の積層板の成形性向上の効果を一層高く得ることができ
るものである。
【0055】また請求項5の発明は、熱硬化性樹脂板と
して、ガラス織物、ガラス不織布、アラミド織物、アラ
ミド不織布から選ばれる補強材を基材とする積層板を用
いるので、上記の補強材によって、室温における熱硬化
性樹脂板としての弾性率の低下を軽減することができ、
ホイスト等の機械による自動搬送を容易に行うことがで
きるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の実施の形態の他例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 熱盤 2 クッション材 3 熱硬化性樹脂板 4 金属プレート 5 金属箔 6 プリプレグ 7 積層構成体 8 コア基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 9:00 B29L 9:00 Fターム(参考) 4F204 AA37 AA39 AD03 AD04 AD05 AD16 AD35 AG03 AH36 AM32 FA01 FB01 FF06 FN11 FN15 FQ17 5E346 AA04 AA12 AA15 AA22 AA32 AA51 CC02 CC08 CC32 DD02 DD12 EE06 EE07 EE09 EE13 GG28 HH31 HH33

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に回路が形成されたコア基板にプリ
    プレグを重ねると共にこの外側に金属箔を重ねて形成さ
    れる積層構成体と、プリプレグに金属箔を重ねて形成さ
    れる積層構成体の少なくとも一方の積層構成体を金属プ
    レートを介して複数段積載し、最も外側の金属プレート
    に熱伝導率が0.2〜0.5W/(m・℃)である熱硬
    化性樹脂板を重ねると共にこの外側にクッション材を配
    し、これを加熱加圧成形することを特徴とする積層板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂板として、板厚が1.0〜
    2.0mmであるものを用いることを特徴とする請求項
    1に記載の積層板の製造方法。
  3. 【請求項3】 熱硬化性樹脂板として、ガラス転移温度
    が50〜80℃であるものを用いることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の積層板の製造方法。
  4. 【請求項4】 熱硬化性樹脂板として、ガラス転移温度
    以上の温度における貯蔵弾性率が1.0×106〜1.
    0×108Paであるものを用いることを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載の積層板の製造方法。
  5. 【請求項5】 熱硬化性樹脂板として、ガラス織物、ガ
    ラス不織布、アラミド織物、アラミド不織布から選ばれ
    る補強材を基材とする積層板を用いることを特徴とする
    請求項1乃至4のいずれかに記載の積層板の製造方法。
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