JPH06143448A - 積層板の製造方法 - Google Patents

積層板の製造方法

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JPH06143448A
JPH06143448A JP4328788A JP32878892A JPH06143448A JP H06143448 A JPH06143448 A JP H06143448A JP 4328788 A JP4328788 A JP 4328788A JP 32878892 A JP32878892 A JP 32878892A JP H06143448 A JPH06143448 A JP H06143448A
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JP
Japan
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resin
base material
impregnated
adhesive
base materials
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Application number
JP4328788A
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English (en)
Inventor
Tadakatsu Mori
忠勝 毛利
Kiyonori Sakai
清憲 酒井
Akira Tateishi
皓 立石
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Nitto Shinko Corp
Shinko Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shinko Chemical Co Ltd
Shinko Chemical Industries Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、基材に熱硬化性樹脂を含浸させた
樹脂含浸基材を複数枚重ね、これに引き続き、これらを
加熱加圧しつつ乾燥、硬化することにより、予めBステ
ージのプリプレグを形成するための装置を除去してライ
ンの簡素化を図ると共に、製造工程数の低減を図って、
製造時間を短縮できるようにした積層板の製造方法を提
供することを目的とする。 【構成】 本発明は、基材に熱硬化性樹脂を含浸させた
樹脂含浸基材を複数枚重ね、これに引き続き、これらを
加熱加圧しつつ乾燥するとともに、最外層の表面に接着
剤層を形成することを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフレキシブル配線板等の
電気機器或いは電子機器に適用される積層板の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の積層板の製造方法は、例えば特
開昭57−125038号公報、特開昭57−1351
16号公報等に開示されているように、例えば紙、布等
の基材に熱硬化性樹脂を含浸し、乾燥、硬化させてBス
テージのプリプレグを形成し、このプリプレグを所要枚
数積層し、加熱加圧することによりプリプレグを互いに
結合させるという手順が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、電気
機器或いは電子機器に対するコストダウンの要求が厳し
くなり、その部品を構成する積層板についてもコストダ
ウンに対する要求が非常に厳しくなっているが、上記の
従来の積層板の製造方法ではコストダウンを図る上で限
界に達しており、このような社会的要求に応えるために
積層板の製造工程全般を見直して何等かの根本的な解決
策を打ち出すことが必要であると考えられている。
【0004】即ち、このように紙、布等の基材に熱硬化
性樹脂を含浸し、乾燥、硬化させて、予めBステージの
プリプレグを形成し、このプリプレグを所要枚数積層
し、加熱加圧することによりプリプレグを互いに結合さ
せると、製造装置が複雑になるだけでなく、製造工程数
が多くなって生産性に限界が生じるうえ、積層板を製造
するための人員が多くなって製造コストの低減に限界が
生じるのであった。
【0005】本発明は、上記技術的課題を解消するため
に完成されたものであって、基材に熱硬化性樹脂を含浸
させた樹脂含浸基材を複数枚重ね、これに引き続き、こ
れらを加熱加圧しつつ乾燥、硬化することにより、つま
り樹脂含浸基材をBステージのプリプレグとしてから所
要枚数積層するのではなく、熱硬化性樹脂を含浸させた
樹脂含浸基材をそのまま複数枚重ねることにより、予め
Bステージのプリプレグを形成するための装置を除去し
てラインの簡素化を図ると共に、製造工程数の低減を図
って、製造時間を短縮できるようにした積層板の製造方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る積層板の製
造方法は、上記の目的を達成するために、基材に熱硬化
性樹脂を含浸させた樹脂含浸基材を複数枚重ね、これに
引き続き、これらを加熱加圧しつつ乾燥するとともに、
最外層の表面に接着剤層を形成する、という手段を講じ
ている。
【0007】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明において用いられる基材としてはフレキシブル配線板
等の電気機器或いは電子機器に適用した際、破損しない
程度の機械的強度、電気絶縁性、耐熱性を有し、後述す
る熱硬化性樹脂を含浸ないし保持し得るものであれば特
に限定されるものではないが、一般に積層板の基材とし
て用いられる紙、合成樹脂製フィルム、或いは布を用い
ることができる。
【0008】本発明で用いられる紙としては、一般に紙
と呼ばれる種々のものを用いることができるが、クラフ
ト紙、リンタ紙、クラフト・リンタ混抄紙、アンチモン
紙等が代表的であるが、今日では針葉樹を原料として作
られたクラフト紙と綿花の実を原料としたリンタ紙とが
主力である。
【0009】クラフト紙の場合には、安価であり、量産
効果に富み、機械的な強度がリンタ紙に比べて優れ、寸
法変化が少なく、反りも良好である。一方、リンタ紙
は、価格的にはやや高価になり、反りは劣るが、絶縁抵
抗性等の電気的特性、耐湿性及び打抜加工性がクラフト
紙よりも優れている。
【0010】この紙の厚さとしては機械的強度、電気絶
縁性、取扱性更に熱硬化性樹脂の保持量等の観点より、
10〜250μm、特に50〜200μmの範囲とする
のが望ましい。
【0011】本発明で用いられる合成樹脂製フィルムと
しては厚さ13〜150μm程度の種々の素材からなる
パンチングフィルムであれば特に限定されるものではな
い。代表的な素材としてはポリエステル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリイミド、ポリ四フッ化エチレン等が挙げられ
る。
【0012】上記ポリエステル製フィルムとして代表的
な商品はデュポン社のマイラーであり、優れた電気特
性、耐湿特性、耐屈曲性及びかなりの耐熱性を有してい
る。また、価格も含めてバランスのとれた材料で最も広
く使用されている。ただし、熱可塑性樹脂であるため、
ハンダの温度管理を十分注意する必要がある。
【0013】上記ポリ塩化ビニル(PVC)製フィルムと
しては、硬質PVCが使用されるが、使用可能温度が8
0℃以下であるので、温度管理に十分に注意する必要が
ある。又、伸び、耐屈曲性等の各種特性の温度依存性が
大きいことも注意が必要である。このような問題点があ
るにもかかわらず、PVCは安価であることから、温度
条件が低く安定した箇所に限定的に使用できる。
【0014】上記ポリイミド樹脂として代表的な商品は
デュポン社のカプトンであり、耐熱性が非常に良くハン
ダ付け作業が可能であると同時に各種特性の温度依存性
が少ない等の利点がある。
【0015】ポリ四フッ化エチレンとして代表的な商品
はデュポン社のテフロンであり、このフィルムは耐熱性
及び電気絶縁性は優れているが、接着性やフィルム加工
性に難点がある。
【0016】本発明で用いられる布としては電気機器或
いは電子機器の分野で用いられるものであれば特に限定
されるものではない。
【0017】具体的には、例えば編布、織布、不織布な
ど任意の組織の布を採用することができ、素材としては
ガラス繊維、酸化珪素繊維(クォーツ)等の無機系繊維、
ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、エポキシ
樹脂、脂肪族ポリアミドや芳香族ポリアミド等のポリア
ミド、ポリ四フッ化エチレン、アラミド繊維(ケプラ)な
どの有機系繊維、或いは、ガラス・ポリエステル交織布
等のこれらの無機系繊維又は有機系繊維の2種以上で構
成したものなどを挙げることができる。
【0018】これらの中で最も多用されているのは、耐
熱性、耐衝撃性、寸法安定性及び電気絶縁性等の電気特
性に優れるガラス繊維であり、ガラス布は特に機械的強
度が著しく大きいので望ましい。また、ガラス布を改良
したガラスマットやガラスペーパ(ガラス不織布)も好適
に用いられる。
【0019】なお、ガラス基材を用いる場合には、Eガ
ラスとよばれるアルカリ分0.8%以下の無アルカリガ
ラスが最も望ましい。
【0020】また、ガラスは一般に有機物との結合力が
ないか或いは乏しいので、ガラス繊維の表面にも熱硬化
性樹脂の表面にも親和力を強靭にするため化学処理が行
なわれる。
【0021】この種の処理剤としてはボラン系カップリ
ング剤、シラン系カップリング剤或いはチタネート系カ
ップリング剤等の各種カップリング剤が挙げられる。
【0022】これらのカップリング剤のうち、最近では
シラン系カップリング剤が主である。このシラン系カッ
プリング剤としては、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、N−β−アミノエチル−γアミノプロピルトリ
メトキシシランなどのアミノシラン系カップリング剤、
β−3,4−エポキシサイクロヘキシルエチルトリメト
キシシラン、γ−グリシドオキシプロピルトリメトキシ
シランなどのメトキシシラン系カップリング剤などが挙
げられる。
【0023】合成繊維は共通して耐湿性、高絶縁性及び
誘電率が良好であるが、耐熱性及びクリープ特性が悪
い。
【0024】又、この布製基材の厚さは50〜300μ
m程度とすることが好ましく、この厚さが50μmを下回
る時には機械的強度が不足したり、樹脂の保持量が少な
くなり所要の電気特性が得られなくなるので好ましくな
い。また、この厚さが300μmを超えると取扱性が悪
くなったり、不経済になったりするので好ましくない。
【0025】本発明において用いられる熱硬化性樹脂と
しては、一般に積層板の結合剤として使用される熱硬化
性の樹脂であれば特に限定されるものではなく、具体的
には、例えばフェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコー
ン樹脂、テフロン樹脂、ポリイミド樹脂、アルキド樹
脂、アミノアルキド樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、
熱硬化性ポリエステル樹脂又はキシレン樹脂等を含むワ
ニスが挙げられる。
【0026】ワニスは縮合型とブレンド型とに大別さ
れ、縮合型としては、石炭酸とホルマリンとをアルカリ
触媒のもとで縮合反応させた後、脱水して得るフェノー
ル樹脂ワニスをその例として挙げることができる。ま
た、ブレンド型としては、エポキシ樹脂と硬化剤とをア
セトン、メチルエチルケトン、トルオール等を単に混合
したり、単に有機溶剤に溶かしたりして得るエポキシワ
ニスをその例に挙げることができる。
【0027】本発明で用いられるフェノール樹脂は、安
価でこれと言った欠点がない縮合型のレジンであり、紙
基材の結合剤に多用されている。この場合、電気絶縁性
が良好な積層板を形成することができる。しかしなが
ら、寸法安定性や耐湿性が劣るのでその用途を配慮する
必要がある。
【0028】そして、フェノール樹脂ワニスは、フェノ
ール、クレゾール、ノニルフェノール、オクチルフェノ
ール等のフェノール類と、ホルマリン、パラホルムアル
デヒド等のホルムアルデヒドとの付加、縮合反応で合成
される。
【0029】これらの中には塩酸、蓚酸、酢酸などの酸
触媒で合成されたノボラックタイプもあるが、積層板用
にはアンモニア、水酸化ナトリウムなどのアルカリ触媒
で合成されたレゾールタイプが使用される。
【0030】フェノール類、ホルムアルデヒドだけで合
成された樹脂を使用する場合には、硬く、可塑性が無い
ので、例えば銅積層板に要求される打抜加工性(低温打
抜、高密集打抜)を得ることはできない。そこで打抜加
工性を向上させ、耐熱性、機械的強度、電気特性とのバ
ランスをとり、さらに難燃性を得るために変性剤を添加
してフェノール樹脂の変性を種々行ったものも有益であ
る。
【0031】この変性剤としては、アルキルフェノール
類、乾性油類、各種可塑剤などが挙げられるのであり、
乾性油類としては、桐油、脱水ヒマシ油、アマニ油、オ
イチシカ油等がその例として挙げられる。また、各種可
塑剤としてはゴム類、変性エポキシ樹脂等がその例とし
て挙げられる。しかしながら、この変性剤としては、フ
ェノールとの反応性に富み、不純物も少ない桐油を主体
とし、アルキルフェノール類を加えた変性樹脂(油変性
フェノール樹脂)が最も望ましい。
【0032】また、フェノール樹脂への難燃性付与に
は、リン系難燃剤、メラミンなどの窒素系難燃剤、塩素
化パラフィン、TBA、臭素化エポキシ等のハロゲン系
難燃剤などが使用されるが、難燃剤は各種特性の低下を
もたらし、且つ、高価であるので、できるだけ少量で高
い難燃効果が得られるようにすることが望ましい。この
ためには、系の異なる2種以上の難燃剤を複合配合し、
その難燃効果の相乗作用によって単独使用の場合よりも
少量の難燃剤で高い難燃効果を得るようにすることが好
ましい。
【0033】なお、フェノール樹脂の流動性を高めるた
め、メタノール、エタノール、トルエン、アセトン等の
溶剤を添加することは妨げないが、積層時にボイド(気
泡)が発生することを防止するため、溶剤はできるだけ
添加しない方が好ましい。
【0034】本発明で用いられるエポキシ樹脂ワニス
は、接着力が良く、紙基材、テトロン基材等にも使用さ
れるが、ガラス基材、特にガラス布基材の結合剤として
使用された時に最高の効果を発揮する。
【0035】エポキシ樹脂ワニスを紙基材に使用した場
合、電気絶縁性、打抜加工性、耐湿特性が良好であが、
寸法安定性、耐熱性にやや問題があるためスルーホール
を形成する場合には十分な検討が必要である。
【0036】また、テトロン基材に使用する場合には、
高周波特性、打抜加工性が良好であるが、クリープ特性
が悪いためガラス布を補強材に用いるのが望ましい。エ
ポキシ樹脂ワニスをガラス布基材に使用する場合には、
電気絶縁性、耐湿特性、寸法安定性、及び耐熱性が良好
であり、しかも、接着性が良好なため、例えば6層以上
の多層積層板に使用される。しかし、打抜加工は出来な
いので、ドリル加工やルーター加工を行う必要がある。
この場合、厚さの薄い積層板はフレキシブル印刷配線板
に使用されることが多い。
【0037】ところで、この種の積層板にはエポキシ樹
脂が汎用されているが、この理由は、150℃以下の温
度で硬化剤により速やかに硬化し、その途上での収縮が
少ないこと、硬化時にガスや水などの発生がないこと、
エポキシ樹脂中にエーテル結合が存在し、接着強度又は
密着性がよく、接着に圧力を必要としないこと、収縮が
少なく、内部応力や歪みが少ないこと、硬化したエポキ
シ樹脂は優れた電気絶縁性を持つこと、化学薬品に対す
る抵抗性に優れていることなどの各種特性が優れるから
である。
【0038】エポキシ樹脂ワニスは、基本的には、エポ
キシ樹脂、変性剤、難燃剤、硬化剤、硬化促進剤を骨組
みとし、他に充填剤、老化防止剤や酸化防止剤などの安
定剤、染料や顔料などの着色剤、レベリング剤、希釈剤
などが添加される。
【0039】このエポキシ樹脂としては、ビスフェノー
ルA型の樹脂が大部分を占めるが、他のエポキシ樹脂の
例として、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラッ
ク型エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂又はトリグ
リシジルイソシアヌレート等も使用可能である。
【0040】又、積層板に耐燃性を持たせるために、例
えばブロム化エポキシ樹脂、ブロム化モノエポキシ樹脂
などのビスフェノールA型の樹脂にハロゲンを反応させ
た樹脂を使用することもある。
【0041】又、エポキシ樹脂を変性剤で変性したもの
も用いられるが、この変性剤としてはポリエステル樹
脂、キシレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、リン酸エステ
ル、ハロゲン化リン酸エステル、塩素化パラフィンなど
が代表的であり、これらの中で、リン酸エステル、ハロ
ゲン化リン酸エステル、塩素化パラフィンなどは難燃性
を高める効果がある。
【0042】上記難燃剤としては、三酸化アンチモン、
水酸化アルミニウム、無水クロレンディック酸、テトラ
ブロモフタル酸無水物などの酸無水化物が代表的である
が、これらのうち、無水クロレンディック酸、テトラブ
ロモフタル酸無水物などは特に耐湿化処理剤としてのフ
ェノール樹脂縮合物との適合性が良好であり、又、硬化
剤としての機能も備えている。
【0043】上記硬化剤としては、有機ポリアミン、有
機酸などを使用する熱硬化性樹脂の硬化剤が挙げられ
る。有機ポリアミン系硬化剤としては、脂肪族及び脂環
族のポリアミン硬化剤、内在アミダクト硬化剤、分離ア
ダクト硬化剤、ポリアミド硬化剤、芳香族アミン硬化
剤、アミン予備縮合物硬化剤、複合アミン化合物硬化
剤、アミン塩・アミン錯化物硬化剤などが挙げられる。
【0044】また有機酸系硬化剤としては、有機酸無水
物硬化剤、有機酸予備縮合物硬化剤などが挙げられる。
【0045】この硬化剤として代表的なものの一つとし
て挙げられるジシアンジアミドは耐湿化処理剤としての
アミノ系樹脂縮合物との適合性が良好である。また、こ
のジシアンジアミドとベンジルジメチルアミン、イミダ
ゾールなどの硬化促進剤とをビスフェノールA型エポキ
シに添加することにより、ビスフェノールA型エポキシ
の速硬化を図ることができる。
【0046】本発明において、例えばガラス・エポキシ
積層板に使用されるエポキシ樹脂ワニスには、ポットラ
イフをできる限り長くするために、芳香族ポリアミン、
酸無水物、ジアミド類、BF3・アミン酸等の高温硬化
型の硬化剤が添加される。
【0047】なお、硬化剤の添加量は使用するエポキシ
樹脂のエポキシ当量と硬化剤の当量より計算される。
【0048】上記充填剤は必要に応じて使用されるもの
であり、酸化チタン、シリカ、マイカ、水和アルミニウ
ム、石英粉炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの無機質
充填剤が使用される。
【0049】この充填剤の添加量は熱硬化性樹脂100
重量部に対して20〜250重量部とすることが好まし
く、特に50〜150重量部とすることがタック性を高
める上で一層好ましい。
【0050】又、本発明においては、老化防止剤、酸化
防止剤、染料、顔料又はレベリング剤なども必要に応じ
て使用されるが、その配合割合は熱硬化性樹脂100重
量部に対して0.1〜30重量部とすることが適当であ
る。この配合量が、0.1重量部未満になると配合の意
味がなく、一方、30重量部を超えると熱硬化性樹脂の
電気特性、機械的強度などが損なわれる恐れがあるので
好ましくない。
【0051】本発明で用いられるテフロン樹脂ワニス
は、高周波特性に優れているので、主としてガラス布基
材を用いたプリント基板がマイクロ波領域で使用されて
いる。
【0052】本発明で用いられるポリイミド樹脂ワニス
は、主としてガラス布基板に使用される。この場合、耐
熱性、寸法安定性、高周波特性(低誘導率)に優れてお
り、スルーホールメッキが可能である。この厚さの薄い
積層板は、可撓性に富むのでフレキシブル用に使用され
る。
【0053】そして、本発明においては積層板を形成す
る際の加熱、硬化時にボイドが発生して積層板の各種特
性が低下するのを防止するために、特に、熱硬化性樹脂
が無溶剤型熱硬化性樹脂或いは無溶剤エポキシ樹脂ワニ
スを用いるのが望ましい。
【0054】本発明において、熱硬化性樹脂を基材に含
浸させる方法としては、基材を樹脂中に浸漬する方法、
基材に樹脂をスプレーで吹き付ける方法、ロールコー
タ、スピンコータなどにより塗布する方法などがある。
いずれの方法を採用するにしても、基材及び樹脂の歩留
りを良くするため、帯状に連続する基材をロールから必
要なだけ繰り出し、連続して基材に樹脂を含浸させるこ
とが好ましい。
【0055】基材に含浸させる熱硬化性樹脂の樹脂量
は、一般に紙基材では30〜70重量%、特に40〜6
0重量%、ガラス布で20〜60重量%、特に30〜5
0重量%、ガラスマットで40〜80重量%、特に50
〜70重量%程度である。
【0056】樹脂量がこの範囲よりも少ない場合には電
気絶縁性など必要な電気特性が得られなくなる恐れがる
上、機械的強度が不足するので好ましくなく、又、樹脂
量がこれよりも多い場合には、取扱性が悪くなるととも
に、不経済になるので好ましくない。
【0057】この樹脂量の制御方法は、樹脂含浸基材を
一対のロールの間に通し、このロール間の隙間の大きさ
を制御する方法、ドクターブレードによって制御する方
法など公知の方法を採用すれば良い。
【0058】そして、本発明においては、熱硬化性樹脂
が基材に含浸されてなる樹脂含浸基材を乾燥工程を経ず
に、つまりBステージのプリプレグとすることなく、複
数枚重ねられる点に最も大きな特徴を有する。
【0059】この複数枚数の樹脂含浸基材の積込みは、
予め樹脂含浸基材を適当な寸法に裁断してから積込み台
(パレット)上に積み込むという方法も考えられるが、樹
脂の乾燥硬化状態が不均一になることを避けるととも
に、取扱性の問題を無くし、製造時間を短縮して生産性
を向上するために、基材を複数のロールから繰り出しな
がら樹脂を含浸させて帯状に連続する複数枚数の樹脂含
浸基材を同時に作りながら、樹脂を含浸させた直後に一
対のロールの間に複数枚数の樹脂含浸基材を送り込むこ
とにより、連続的に複数枚数の樹脂含浸基材の積込み、
つまり積層を行う方法を採用することが最も好ましい。
【0060】本発明においては、次いで複数枚数積み込
まれた樹脂含浸基材を加熱加圧することにより、未硬化
の樹脂を乾燥硬化させて、一挙に完全硬化することを目
的としている。
【0061】この複数枚数の樹脂含浸基材の積み込みの
後に行う加熱加圧は、予め樹脂含浸基材を適当な寸法に
裁断してから積み込み台(パレット)上に積み込むという
方法を取る場合には、加熱室内でプレスしたり、ホット
プレスを用いたりする方法が採用される。
【0062】しかし、取扱性の問題を無くし、又、製造
時間を短縮するために、複数枚数の樹脂含浸基材の積み
込みを上記のように一対のローラを用いて行い、この積
み込みに用いるローラをそのまま加圧ローラとして利用
する方法を採用することが最も好ましい。
【0063】この場合、積み込みに用いるローラに続い
て一対又は複数対のローラを設け、これらのローラ間の
隙間を次第に狭くすることにより次第に加圧力を高める
ことも可能である。
【0064】又、積み込みに用いるローラでは加圧せ
ず、これらに続いて一対または複数対の加圧ローラを設
け、積み込みと加圧とのローラの役割を分けることも可
能である。
【0065】ところで、加圧と平行して行われる加熱の
熱源は、ローラの内部に設けても、外部に設けてもよ
い。具体的には、例えばローラ内に設けられる熱源とし
ては、電気ヒータ、スチームヒータなどをその例として
挙げることができる。
【0066】この加熱と加圧とは同時にする必要はない
が、製造時間の短縮を図る上では、加熱の効果と加圧の
効果とを相乗的に作用させることが有利であり、従っ
て、加熱と加圧とを同時にすることが好ましい。
【0067】加熱加圧工程を経て形成される完全硬化の
積層板の厚さは、樹脂含浸基材の枚数にも依存するが、
50〜1000μm程度とすることが好ましい。この範
囲よりも薄くなると必要とされる電気特性や機械的強度
を得られなくなる恐れがあるので好ましくなく、又、こ
の範囲よりも分厚くなると必要とされる可撓性が得られ
なくなる恐れがある上、取扱性に問題が生じるので好ま
しくない。
【0068】本発明において、接着剤層は、上記積層板
に他のプリプレグ、金属箔、フレキシブルプリント配線
板などを接着することを主な目的としてプリプレグの片
面又は両面に形成されるが、この他に、表面の凹凸を無
くして樹脂層の電気特性の安定化を図ったり、外観を良
好にしたりすることや、品質や等級を見分けることを目
的として形成されても良い。
【0069】この接着剤層をプリプレグの片面または両
面に形成する方法は特に限定されず、例えば、スプレー
などを用いて吹き付ける方法、ロールコータ、スピンコ
ータ、コーティングブレードなどを用いて塗布する方
法、予め剥離紙、金属箔の片面に形成した接着剤層を積
層する方法などを採用することができる。
【0070】本発明において、接着剤の吹き付け、塗布
或いは積層は、樹脂含浸基材の積み込み前からの任意の
時点で行うことができる。
【0071】即ち、樹脂含浸基材の積み込み前に、最外
層に積み込まれる樹脂含浸基材の外側面に接着剤を吹き
付け、塗布或いは積層してもよい。又、樹脂含浸基材の
積み込み時に最外層に積み込まれる樹脂含浸基材の外側
面に接着剤を吹き付け、塗布或いは積層してもよい。
【0072】樹脂含浸基材の積み込み以後は、樹脂の乾
燥硬化状態とは関係なく積み込まれた最外層の樹脂含浸
基材の外側面に接着剤を吹き付け、塗布或いは積層して
もよい。もちろん、加熱加圧が終了した後に完全硬化の
積層板の外側面に接着剤を吹き付け、塗布或いは積層し
て接着剤層を形成することもできる。
【0073】接着剤層の厚さは0.01〜1mm程度にす
ることが好ましく、0.01mm未満と薄くなり過ぎる
と、所望の接着力が得られなくなる恐れがあるので好ま
しくなく、一方、1mmを超えると、分厚くなり過ぎて電
気特性、表面平滑性、色の安定性、取扱性などが損なわ
れるので好ましくなく、従って、0.02〜0.8mmの
範囲が、バランスの良い接着力、電気特性、表面平滑
性、色の安定性及び取扱性などの諸特性の観点より、一
層好ましい。
【0074】この接着剤層は積層板の片面或いは両面に
全面にわたって形成してもよく、又、さらに積層される
剥離紙などのピール強度を弱めてピール剥離性を良好に
し、これによって、作業性を向上しても良いのである。
【0075】このように、積層板の片面或いは両面に部
分的に接着剤層を形成するには、例えば縞状、格子状、
島状或いは点状に形成すれば良いのである。
【0076】この接着剤層を形成するための接着剤とし
ては、熱硬化性接着剤、ホットメルト系接着剤、粘着剤
などを用いることができる。また、これら接着剤は素材
や種類の異なるものを2層以上積層して用いてもよく、
外表面にシリコーン処理などの離型処理を施してもよ
い。
【0077】本発明で用いられる熱硬化性接着剤として
は、この種の積層板に用いられる接着剤であれば特に限
定されるものではない。
【0078】具体的には、例えばポリイミド、エポキシ
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ジア
リルフタレート樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、シリ
コーン樹脂又はアルキッド樹脂などがその例として挙げ
られる。これらの中では、特に耐熱性、経済性及び電気
特性などが優れたエポキシ樹脂を用いることが推奨され
る。
【0079】もちろん、熱硬化性樹脂には、所望により
各熱硬化性樹脂に対応する硬化剤、硬化促進剤、触媒、
無機質充填剤、老化防止剤や酸化防止剤などの安定剤、
レベリング剤、カップリング剤を添加することは妨げな
い。
【0080】本発明で用いられるホットメルト系接着剤
としては、この種の積層板に用いられるホットメルト系
接着剤であれば特に限定されるものではなく、具体的に
は、例えば飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、セ
ルロヒス系樹脂、ポリアセタール系樹脂などの単独でホ
ットメルト性を示す樹脂の他に、粘着付与剤、可塑剤と
併用される各種ゴム質ポリマー、エチレン−酢酸ビニル
共重合体などの各種ポリマー、及びこれらのポリマーの
2種類以上を混合したものが挙げられる。
【0081】このホットメルト系接着剤には、所望によ
り、無機質充填剤、老化防止剤や酸化防止剤などの安定
剤を配合してもよい。
【0082】本発明で用いられる粘着剤としては、酢酸
ビニル系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、シリ
コーン系粘着剤、ポリビニルアセタール系粘着剤、塩化
ビニール系粘着剤、アクリル系粘着剤、ポリアミド系粘
着剤、ポリエチレン系粘着剤、セルロース系粘着剤、ポ
リビニルエーテル、クロロプレン系粘着剤、ニトリルゴ
ム系粘着剤、スチレンゴム系粘着剤、ポリサルファイド
系粘着剤、ブチルゴム系粘着剤、シリコーンゴム系粘着
剤、ポリイソブチレンなどが代表的であり、積層板の用
途に応じて適宜選択、使用されるのであり、これらの粘
着剤のうち、耐熱性、接着力及び電気特性等の観点よ
り、シリコーン系粘着剤が最も望ましい。
【0083】また、粘着剤には、所望により、増粘剤、
乳化剤、粘着性付与剤、老化防止剤や酸化防止剤などの
安定剤、染料や顔料の着色剤などを0.1〜30重量部
の範囲内で添加してもよい。着色剤の添加は品質や等級
の識別を目的とすることが多く、この場合において、被
着体との接着の際、加熱の必要があるときには、加熱時
に変色したり退色したりしないものを用いることが好ま
しい。
【0084】
【作用】本発明においては、上記構成を有し、基材に熱
硬化性樹脂を結合剤として含浸させた樹脂含浸基材を複
数枚重ねるので、樹脂含浸基材を積層前に乾燥、硬化さ
せて、予め、Bステージのプリプレグにする工程が省略
され、これにより、工程数を削減して製造プロセスの簡
単化を図ることができる。
【0085】又、基材に熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂
含浸基材を複数枚重ね、これらを加熱加圧しつつ硬化、
乾燥するとともに、最外層の表面に接着剤層を形成する
ので、基材への樹脂の含浸、積み込み、加熱加圧、接着
剤層形成を連続して一貫処理することが可能になり、こ
れにより、各工程間の待機時間をなくすことができる。
【0086】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明
に係る積層板の製造方法を、フレキシブルプリント配線
板補強用プリプレグの製造方法に適用した場合を例にと
って説明する。ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポ
キシ当量190、油化シェル製、商品名:エピコート8
28)100重量部、酸無水物硬化剤(酸無水物当量16
8、新日本理化製、商品名リカシッドMH−700)9
0重量部、イミダゾール化合物(四国化成製、商品名:キ
ュアゾール2E4MZ−CN)1重量部を配合して無溶
剤型エポキシ樹脂ワニスを得た。
【0087】基材として、帯状のガラスクロス(打ち込
み44/32、糸使い751/O、旭シェーベル製、商
品名:AS7628/450)を用い、この基材を複数の
ロールから繰り出しながら上記無溶剤型エポキシ樹脂ワ
ニスに含浸した。
【0088】このようにして複数の樹脂含浸量が30〜
50%の樹脂含浸基材を連続して作りながら、一対の第
1積み込みローラに各樹脂含浸基材を送り込んで連続的
に複数枚の樹脂含浸基材を積み込み、更にこの樹脂含浸
基材の連続製造に並行して、帯状に連続する剥離紙を2
つのロールから繰り出し、シリコーン処理されたそれぞ
れの片面に粘着剤からなる接着剤層を筋塗りして形成し
つつ、第1積み込みローラから送り出された複数枚の樹
脂含浸基材の両外側に送り込み、両最外層の樹脂含浸基
材の外表面に接着剤が接するようにして第1積み込みロ
ーラから送り出された複数枚の樹脂含浸基材と2枚の剥
離紙を一対の第2積み込みローラの間に送り込み積み込
みを完了する。
【0089】更に第2積み込みローラから送り出される
複数枚の樹脂含浸基材及び2枚の剥離紙は、例えば16
0℃に室温が保持されている加熱室に送り込まれ、引き
出しローラによって第1及び第2積み込みローラの反対
側に引き出される。
【0090】この加熱室内を通過する間、2枚の剥離紙
及びこの間に接着剤層を介して挟み込まれた複数枚の樹
脂含浸基材は、加熱されながら、複数対の加圧ローラの
間を通過して加圧される。
【0091】この加熱加圧によって結合剤は乾燥硬化し
て、両面に剥離紙を接着された完全硬化した積層板が作
られるが、加熱中に加圧ローラによって加圧されるとと
もに、結合剤が無溶剤であるため、ボイドは発生しな
い。
【0092】また、複数対の加圧ローラの間を通過する
ことにより、加熱室から引き出されるプリプレグの厚さ
は50〜1000μm程度、この場合、上記ガラスクロ
スを3枚重ねにして600μmに調整される。
【0093】加熱室から引き出されたプリプレグは引取
部を経て切断装置により定尺に切断され、アフターキュ
ア処理をしてから4面仕上げされて製品となる。
【0094】この実施例では、ロールから送り出された
基材が樹脂含浸処理された後、直ちに積み込まれ、樹脂
含浸基材を樹脂含浸後に乾燥させるとともに半硬化させ
てBステージのプリプレグを作る工程が積み込み後の加
熱加圧工程に吸収され、省略される。これにより、工程
数が削減されるので、製造プロセスが簡単になり、製造
時間を短縮することができるとともに、その乾燥工程に
用いる装置を省略して設備費用を安価にすることがで
き、大幅なコストダウンを図ることができる。
【0095】また、複数の基材の樹脂含浸をしながら、
樹脂含浸された直後の基材を積み込んでいるので、樹脂
含浸基材を積み重ねるために待機させる時間を省略して
一層製造時間を短縮できるとともに、基材や樹脂の無駄
使いをなくできるのであり、また、ポットライフの管理
をする必要がなくなるので、資材管理が簡単になる上、
樹脂の乾燥硬化状態のばらつきが生じる恐れがなくなる
結果、均質な積層板を得ることができる。
【0096】更に、樹脂含浸基材の形成と同時に接着剤
層を形成し、樹脂含浸基材の積み込みに引き続いて接着
剤層及びその外側に積層される剥離紙の積み込みを行う
ので、樹脂含浸基材を乾燥、硬化してBステージのプリ
プレグを形成し、これを裁断して接着剤層及び剥離紙と
ともに積み込む場合に比べて積み込み完了までの時間を
著しく短縮することができ、製造時間を一層短縮して、
一層大幅にコストダウンを図ることができる。
【0097】そして、この実施例では、裁断までの処
理、即ち、樹脂含浸、樹脂含浸基材の積み込み、接着剤
層及び剥離紙の積み込み、加熱加圧の各処理を一貫して
連続処理しているので、処理時間の待機時間をなくして
製造時間を一層短縮できるとともに、各処理に使用され
る装置の稼動効率を高めることができ、更に一層大幅な
コストダウンが可能になる。
【0098】又、この実施例では、接着剤層を筋塗りす
ることにより、プリプレグの表面に部分的に形成してい
るので、ピール強度を小さくすることができ、製品をフ
レキシブルプリント配線板に張りつける際の剥離紙の剥
離が容易になり、作業性を高めることができる
【0099】本発明は、上記の一実施例に限定されるも
のではなく、その態様の一部分を種々に変形して実施す
ることは可能である。
【0100】
【発明の効果】本発明は、上記構成を有し、樹脂含浸基
材を乾燥、硬化してBステージのプリプレグを形成する
乾燥工程を、積層工程の中に吸収させて省略するので、
製造工程を簡単にして、製造時間を短縮できるととも
に、その乾燥工程に使用する装置を省略して製造設備の
設備費用を安価にすることができる結果、大幅なコスト
ダウンを図ることが可能になる。
【0101】また、積層工程で、複数枚の樹脂含浸基材
の積み込みに引き続き、積み込まれた複数枚の樹脂含浸
基材を加熱加圧しつつ乾燥させるので、積み込まれた複
数枚の樹脂含浸基材が加熱加圧を待機する時間を設ける
必要がなく、製造時間を一層短縮することができ、更に
大幅なコストダウンを図ることができる。
【0102】更に積層工程の加熱加圧と最外層の表面へ
の接着剤層の形成が並行して行なうことができるので、
これらを段階的に分けて行う場合に比べると製造時間を
短縮することができ、これにより、更に一層大幅なコス
トダウンを図ることができる。
【0103】本発明において、特に、複数枚の基材にそ
れぞれ熱硬化性樹脂を含浸させて複数枚の樹脂含浸基材
を形成しながら、一対のロールの間に複数枚の樹脂含浸
基材を引き込んで重ねる場合には、樹脂含浸基材を積み
重ねるために待機させる時間を省略して一層製造時間を
短縮できるとともに、基材や樹脂の無駄使いをなくする
ことができるのであり、また、ポットライフの管理をす
る必要がなくなるので、資材管理が簡単になる上、樹脂
の乾燥硬化状態のばらつきが生じる恐れがなくなるの
で、均質な積層板を得ることができる。
【0104】また、本発明において、熱硬化性樹脂とし
て無溶剤熱硬化性樹脂を用いる場合には、加圧加熱時に
溶剤成分が揮発ないし気化する恐れがなく、ボイドの発
生を無くすことができる。
【0105】特に無溶剤熱硬化性樹脂の中で無溶剤エポ
キシ樹脂ワニスを用いる場合には、接着力が非常に良
く、紙基材、ガラス基材、テトロン基材など他種類の基
材に対応させることができる。紙基材に使用される場合
には、良好な電気絶縁性、打抜加工性、耐湿特性を得る
ことができる。また、テトロン基材に使用する場合に
は、良好な高周波特性、打抜加工性を得ることができ
る。更に、ガラス布基材に使用する場合には、良好な電
気絶縁性、耐湿特性、寸法安定性、及び耐熱性が得られ
る上、接着性が良好なため、例えば6層以上の多層積層
板に使用することが可能になる。
【0106】本発明において、特に接着剤層を部分的に
形成する場合には、ピール剥離強度を小さくできるの
で、これに貼り付けられた剥離紙などの剥離が容易にな
り、その作業性を高めることができる結果、例えばフレ
キシブルプリント配線板補強用積層板のように剥離紙を
貼り付ける積層板に最適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 1/03 D 7011−4E // B29K 105:08 4F

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材に熱硬化性樹脂を含浸させた樹脂含
    浸基材を複数枚重ね、これに引き続き、これらを加熱加
    圧しつつ乾燥するとともに、最外層の表面に接着剤層を
    形成することを特徴とする積層板の製造方法。
  2. 【請求項2】 複数枚の基材をそれぞれ熱硬化性樹脂に
    含浸させて複数枚の樹脂含浸基材を形成しながら、一対
    のロールの間に複数枚の樹脂含浸基材を引き込んで重ね
    ることを特徴とする請求項1に記載の積層板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 熱硬化性樹脂が無溶剤型熱硬化性樹脂か
    らなる請求項1又は2に記載の積層板の製造方法。
  4. 【請求項4】 熱硬化性樹脂が無溶剤エポキシ樹脂ワニ
    スである請求項1ないし3のいずれかに記載の積層板の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 接着剤層が部分的に形成されている請求
    項1ないし4のいずれかに記載の積層板の製造方法。
JP4328788A 1992-11-12 1992-11-12 積層板の製造方法 Pending JPH06143448A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999042516A1 (fr) * 1998-02-20 1999-08-26 Nagoya Oilchemical Co., Ltd. Materiau de moulage, materiau interieur l'utilisant et son procede de production
JP2008085105A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Kyocera Corp 配線基板およびそれを用いた半導体素子の実装構造体
JP2012126133A (ja) * 2010-12-14 2012-07-05 Shinyoung Co Ltd 多重結合素材

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1999042516A1 (fr) * 1998-02-20 1999-08-26 Nagoya Oilchemical Co., Ltd. Materiau de moulage, materiau interieur l'utilisant et son procede de production
JP2008085105A (ja) * 2006-09-28 2008-04-10 Kyocera Corp 配線基板およびそれを用いた半導体素子の実装構造体
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