JP3067573B2 - 積層板の製造方法 - Google Patents

積層板の製造方法

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JP3067573B2
JP3067573B2 JP7032755A JP3275595A JP3067573B2 JP 3067573 B2 JP3067573 B2 JP 3067573B2 JP 7032755 A JP7032755 A JP 7032755A JP 3275595 A JP3275595 A JP 3275595A JP 3067573 B2 JP3067573 B2 JP 3067573B2
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/02Apparatus or processes for manufacturing printed circuits in which the conductive material is applied to the surface of the insulating support and is thereafter removed from such areas of the surface which are not intended for current conducting or shielding
    • H05K3/022Processes for manufacturing precursors of printed circuits, i.e. copper-clad substrates

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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリント配線板として
使用される積層板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1は積層板を成形するときの一対の熱
盤間の構成図である。
【0003】図1に示す如く、積層板の製造方法とし
て、樹脂ワニスを基材に含浸したプリプレグ2を複数枚
重ね、さらに、金属箔3をその外側に重ねた被圧体4
を、対を成す金属プレート1の間に挟み、この対を成す
金属プレート1で挟持した被圧体の複数組を一対の熱盤
5、5に挟んで加熱加圧成形する積層板の製造方法があ
る。
【0004】上記製造方法において、積層板の平面平滑
性の向上とボイドの発生防止のために、熱盤5と、熱盤
5に最も近い金属プレート1の間に、クッション材6を
重ね合わせて成形が行われていた。
【0005】上記クッション材6として、例えば、クラ
フト紙((株)巴川製糸所製:190g/m2 タイプ、
貯蔵弾性率28×107 dyn/cm2 )、また、フェ
ルト(市川毛織(株)製:KG355ET 、貯蔵弾性率17.
2×107 dyn/cm2 )等を使用していた。
【0006】しかしながら、上記クッション材6を使用
して積層板を製造すると、平面平滑及びボイドの発生は
防ぐことができるが、成形時の温度変化の割合が最も大
きい熱盤5に最も近くで成形された積層板には内部にク
ラックが入り、ミーズリングが発生していた。
【0007】このミーズリングは、熱盤5に最も近いと
ころに位置する被圧体において、熱盤5からの温度変化
を著しく受けるので、加圧下で加熱後冷却する成形工程
において、急激な高温加熱の段階や、高温時から急激な
冷却の段階に移行するとき等の温度変化により歪みが生
じることにより発生する。この歪みは、加圧下で加熱し
たプリプレグ2の樹脂が溶融してさらに硬化することに
よる硬化収縮や、冷却の段階にさらに樹脂が収縮する冷
却収縮により発生する応力によるものであり、加熱、冷
却時の温度変化の割合が小さい所では応力は小さく、温
度変化の割合が大きい所では応力が大きくなり緩衝でき
なくなる。つまり、成形時の樹脂硬化収縮と冷却による
収縮により、熱盤5に最も近くで成形された積層板に
は、基材を構成する縦糸と横糸との交点で剥離が起こ
り、クラックが入り、ミーズリングが発生していた。
【0008】このクラックによるミーズリングの発生を
防ぐためにポリプロピレンフィルムを上記のクッション
材6に重ね合わせて使用する方法があるが、ポリプロピ
レンフィルムは、成形温度130℃〜150℃以下で溶
融する熱可塑性樹脂であるので、複数回使用することに
より形状が変化して、平面平滑性が失われ、弾性率が低
下してしまっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
鑑みてなされたもので、その目的とするところは、積層
板の製造方法において、積層板の内部にクラックが無
く、ミーズリングの発生がない、表面形状が良好な積層
板を製造することができる積層板の製造方法を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
積層板の製造方法は、樹脂ワニスを基材に含浸したプリ
プレグ2を複数枚重ね、さらに、金属箔3をその外側に
重ね合わせた被圧体4を、対を成す金属プレート1の間
に挟み、この対を成す金属プレート1で挟持した被圧体
4の複数組を熱盤5、5間に挟んで加熱加圧成形する積
層板の製造方法において、加熱加圧成形するときに熱盤
5と熱盤5に最も近い金属プレート1の間に挿入するク
ッション材6として、貯蔵弾性率が1×107 dyn/
cm2 以上、3×107 dyn/cm2 以下のクッショ
ン材を用いることを特徴とする。
【0011】本発明の請求項2に係る積層板の製造方法
は、上記請求項1記載のクッション材6が、フッ素ゴム
で形成されたクッション材であることを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明に係る積層板の製造方法によると、樹脂
ワニスを基材に含浸したプリプレグを複数枚重ね、さら
に、金属箔をその外側に重ね合わせた被圧体を、対を成
す金属プレートの間に挟み、この対を成す金属プレート
で挟持した被圧体の複数組を熱盤間に挟んで加熱加圧成
形する積層板の製造方法において、熱盤と熱盤に最も近
い金属プレートの間に挿入するクッション材として、貯
蔵弾性率が1×107 dyn/cm2 以上、3×107
dyn/cm2 以下のクッション材を用いるので、被圧
体を構成するプリプレグの熱硬化性樹脂が硬化するとき
に発生する歪みをクッション材に吸収することができ
る。
【0013】また、本発明に係るクッション材がフッ素
ゴムで形成されているので、成形時に熱盤によってクッ
ション材が高温に加熱されても、耐熱性に優れるので、
変形、変質することがない。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。図1は本
発明に係る積層板の製造方法の成形するときの熱盤間内
の構成図である。
【0015】図1に示すごとく、本発明の積層板の製造
方法は、樹脂ワニスを基材に含浸したプリプレグ2を複
数枚重ね、さらに、金属箔3をその外側に重ね合わせた
被圧体4を、対を成す金属プレート1の間に挟み、この
対を成す金属プレート1で挟持した被圧体4の複数組を
熱盤5、5間に挟んで加熱加圧成形する積層板の製造方
法におけるものである。
【0016】上記金属プレート1としては、板厚が1〜
3mmのステンレス綱板や鉄板の表面にクロムメッキを
施した鏡面板を使用することができる。また、被圧体4
を構成するプリプレグ2の基材は、ガラス、アスベスト
等の無機繊維の織布、不織布又はマットその他ポリアミ
ド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアクリ
ル等の有機合成繊維やパルプ紙や木綿等の天然繊維が使
用される。この基材に含浸する樹脂ワニスは、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂
等の熱硬化性樹脂を主成分とし、必要に応じてカップリ
ング剤、難燃剤等を添加した樹脂ワニスを使用すること
ができる。また必要に応じてこの被圧体4の上下または
一方の外側に金属箔3、たとえば12μm〜70μmの
銅箔を配置することができる。
【0017】熱盤5と熱盤5に最も近い金属プレート1
の間に配置されるクッション材6は、貯蔵弾性率が1×
107 dyn/cm2 以上、3×107 dyn/cm2
以下のクッション材で、このクッション材6の貯蔵弾性
率が1×107 dyn/cm 2 以下であると、クッショ
ン材6のクッション性が損なわれ、上記歪みを吸収する
ことができなくなる。また、貯蔵弾性率が3×107
yn/cm2 以上であると、加圧する際の圧力が被圧体
に均一にかけることができなくなり、樹脂の流動を全体
に渡って起こすことができなくなり、得られた積層板の
内部に残留ボイドが生じる。
【0018】このクッション材6を構成する材料として
は、上記貯蔵弾性率を有する材料を使用することがで
き、例えば、ゴムを使用することができるが、そのゴム
としては、ブタジエンスチレンゴム、フッ素ゴム等があ
る。特に、フッ素ゴムを使用したものが、耐熱性、耐久
性に関して優れるので好ましい。
【0019】また、このクッション材6は、0.01m
m以上の厚みを有するものが好ましく、少なくとも1枚
以上を使用するのが好ましい。
【0020】このクッション材6は他のシート材と重ね
合わせ複合材として使用することができ、例えば、アラ
ミド不織布を重ね合わせて使用することができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明する。
【0022】表1は、以下の実施例及び比較例で使用す
るクッション材6の配合比を示す表である。
【0023】
【表1】
【0024】実施例1 まず、表1の配合比に準じて、フッ素ゴム100重量
部、カーボンブラック20重量部、酸化マグネシウム1
5重量部、加硫剤3重量部を混練してフッ素ゴム配合物
を製造し、押し出しロールにより0.03mmの厚みの
クッション材6を形成する。
【0025】このクッション材6の貯蔵弾性率を粘弾性
測定器(岩本製作所(株)製:タイプF−3)により測
定すると、1.1×107 dyn/cm2 (温度170
℃)であった。
【0026】次にガラス布基材(旭シュエーベル(株)
製:7628AS450S)にエポキシ樹脂ワニス(東
都化成(株)製:YDB500EK80,100部、日
本カーバイト(株)製:ジシアンジアミド,3部、四国
化成(株)製:2E4MZ、0.2部,DMF)を含浸
し、170℃で乾燥してレジンコンテント40%の半硬
化したプリプレグを得た。
【0027】図1の段内構成図に示す如く、上記プリプ
レグ2を8枚使用し、さらに、金属箔3として、厚さ3
5μmの銅箔を両外側に重ね合わせて、プリプレグ2と
金属箔3からなる被圧体4を対をなす金属プレート1、
1の間に構成し、この対をなす金属プレート1、1の間
に挟まれた複数の被圧体4を一対の熱盤5、5の間に配
置した。さらに、上下の熱盤5とこの熱盤5に最も近い
金属プレート1の間に上記で得られたクッション材6を
配して、170℃、30kg/cm2 、2時間の条件で
加熱加圧成形した後、同圧化で冷却して積層板を成形し
た。さらに、上記で使用したクッション材6を連続して
10回使用して積層板を成形した。
【0028】上記クッション材6を1回使用して得た積
層板と、クッション材6を10回使用して得た積層板に
ついて、最も熱盤5に近い位置で成形された積層板を使
用して以下の評価を行った。
【0029】得られた積層板の表面の銅箔をエッチング
して取り除き、残留ボイド及びガラスクロスの縦糸と横
糸の交点に発生するミーズリングの発生を目視及び拡大
鏡により確認した。残留ボイド及びミーズリングが発生
している箇所は確認できなかった。この結果を表2に示
す。
【0030】実施例2 上記実施例1で形成したクッション材6を使用し、この
クッション材6を図2に示す如く、厚さ2mmのアラミ
ド不織布7と重ね合わせてプレス機に配置し、加熱温度
160℃、加圧力30kg/cm2 で1時間成形して一
体化し、複合クッション材8を得た。
【0031】この複合クッション材8を上記実施例1の
クッション材6に代えて、図1に示す如く、実施例1と
同様にして対をなす金属プレート1、1の間に上記プリ
プレグ2と金属箔3からなる被圧体4を構成し、この対
をなす金属プレート1、1の間に挟まれた複数の被圧体
4を一対の熱盤5、5の間に配置し、さらに、上下の熱
盤5と熱盤5に最も近い金属プレート1の間に上記で得
られた複合クッション材8を配して、170℃、30k
g/cm2 、2時間の条件で加熱加圧成形した後、同圧
化で冷却して積層板を成形した。さらに、上記で使用し
た複合クッション材8を連続して10回使用して積層板
を成形した。
【0032】上記それぞれに得られた積層板について、
実施例1と同様にして得られた積層板の表面の銅箔をエ
ッチングして取り除き、その外観を目視及び拡大鏡によ
り確認したところ、残留ボイド及びガラスクロスの縦糸
と横糸の交点が白くなるミーズリングが発生している箇
所は確認できなかった。この結果も表2に示す。
【0033】実施例3 表1の配合比に準じて、フッ素ゴム100重量部、カー
ボンブラック20重量部、酸化マグネシウム3重量部、
水酸化カルシウム6重量部を混練してフッ素ゴム配合物
を製造し、押し出しロールにより0.03mmの厚みの
クッション材を形成する。
【0034】このクッション材の貯蔵弾性率を粘弾性測
定器(岩本製作所(株)製:タイプF−3)により測定
すると、2.5×107 dyn/cm2 (温度170
℃)であった。
【0035】上記で得られたクッション材を使用して実
施例2に示す如く、厚さ2mmのアラミド不織布7と重
ね合わせて複合クッション材8を得る。さらに、この複
合クッション材8を上記実施例2と同様にして、図1に
示す如く、対をなす金属プレート1、1の間に上記プリ
プレグ2と金属箔3からなる被圧体4を構成し、この対
をなす金属プレート1、1の間に挟まれた複数の被圧体
4を一対の熱盤5、5の間に配置し、さらに、上下の熱
盤5と熱盤5に最も近い金属プレート1の間に上記で得
られた複合クッション材8を配して、170℃、30k
g/cm2 、2時間の条件で加熱加圧成形した後、同圧
化で冷却して積層板を成形した。さらに、上記で使用し
た複合クッション材8を連続して10回使用して積層板
を成形した。
【0036】上記それぞれに得られた積層板について、
実施例1と同様にして得られた積層板の表面の銅箔をエ
ッチングして取り除き、その外観を目視及び拡大鏡によ
り確認したところ、ガラスクロスの縦糸と横糸の交点が
白くなるミーズリングが発生している箇所は確認できな
かった。クッション材を10回使用したとき、2〜3個
/m2 の残留ボイドが見られた。この結果も表2に示
す。
【0037】実施例4 表1の配合比に準じて、ブタジエンスチレンゴム100
重量部、カーボンブラック20重量部、酸化マグネシウ
ム3重量部、加硫剤3重量部を混練してブタジエンスチ
レンゴム配合物を製造し、押し出しロールにより0.0
3mmの厚みのクッション材を形成する。
【0038】このクッション材の貯蔵弾性率を粘弾性測
定器(岩本製作所(株)製:タイプF−3)により測定
すると、2.3×107 dyn/cm2 (温度170
℃)であった。
【0039】上記で得られたクッション材を使用して実
施例2に示す如く、厚さ2mmのアラミド不織布7と重
ね合わせて複合クッション材8を得る。さらに、この複
合クッション材8を上記実施例2と同様にして、図1に
示す如く、対をなす金属プレート1、1の間に上記プリ
プレグ2と金属箔3からなる被圧体4を構成し、この対
をなす金属プレート1、1の間に挟まれた複数の被圧体
4を一対の熱盤5、5の間に配置し、さらに、上下の熱
盤5と熱盤5に最も近い金属プレート1の間に上記で得
られた複合クッション材8を配して、170℃、30k
g/cm2 、2時間の条件で加熱加圧成形した後、同圧
化で冷却して積層板を成形した。さらに、上記で使用し
た複合クッション材8を連続して10回使用して積層板
を成形した。
【0040】上記それぞれに得られた積層板について、
実施例1と同様にして得られた積層板の表面の銅箔をエ
ッチングして取り除き、その外観を目視及び拡大鏡によ
り確認したところ、ガラスクロスの縦糸と横糸の交点が
白くなるミーズリングが発生している箇所は確認できな
かった。クッション材を10回使用したとき、3〜5個
/m2 の残留ボイドが見られた。この結果も表2に示
す。
【0041】比較例1 表1の配合比に準じて、フッ素ゴム100重量部、カー
ボンブラック20重量部、トリアニルイソシアヌレート
4重量部、パーオキサイト1.5重量部を混練してフッ
素ゴム配合物を製造し、押し出しロールにより0.03
mmの厚みのクッション材を形成する。
【0042】このクッション材の貯蔵弾性率を粘弾性測
定器(岩本製作所(株)製:タイプF−3)により測定
すると、4.2×107 dyn/cm2 (温度170
℃)であった。
【0043】上記で得られたクッション材を使用して実
施例2に示す如く、厚さ2mmのアラミド不織布7と重
ね合わせて複合クッション材8を得る。さらに、この複
合クッション材8を上記実施例2と同様にして、図1に
示す如く、対をなす金属プレート1、1の間に上記プリ
プレグ2と金属箔3からなる被圧体4を構成し、この対
をなす金属プレート1、1の間に挟まれた複数の被圧体
4を一対の熱盤5、5の間に配置し、さらに、上下の熱
盤5と熱盤5に最も近い金属プレート1の間に上記で得
られた複合クッション材8を配して、170℃、30k
g/cm2 、2時間の条件で加熱加圧成形した後、同圧
化で冷却して積層板を成形した。さらに、上記で使用し
た複合クッション材8を連続して10回使用して積層板
を成形した。
【0044】上記それぞれに得られた積層板について、
実施例1と同様にして得られた積層板の表面の銅箔をエ
ッチングして取り除き、その外観を目視及び拡大鏡によ
り確認したところ、残留ボイドは見られなかったが、ガ
ラスクロスの縦糸と横糸の交点が白くなるミーズリング
が発生しているのを確認した。この結果も表2に示す。
【0045】比較例2 クラフト紙((株)巴川製紙所製:190g/m2 タイプ)を
10枚使用してクッション材とし、上記実施例1のクッ
ション材6に代えて、図1に示す如く、実施例1と同様
にして対をなす金属プレート1、1の間に上記プリプレ
グ2と金属箔3からなる被圧体4を構成し、この対をな
す金属プレート1、1の間に挟まれた複数の被圧体4を
一対の熱盤5、5の間に配置し、さらに、上下の熱盤5
と熱盤5に最も近い金属プレート1の間に上記のクラフ
ト紙を配して、170℃、30kg/cm2 、2時間の
条件で加熱加圧成形した後、同圧化で冷却して積層板を
成形した。さらに、上記で使用したクラフト紙を連続し
て10回使用して積層板を成形した。
【0046】上記クラフト紙の貯蔵弾性率を粘弾性測定
器(岩本製作所(株)製:タイプF−3)により測定す
ると、28×107 dyn/cm2 (温度170℃)で
あった。
【0047】上記それぞれに得られた積層板について、
実施例1と同様にして得られた積層板の表面の銅箔をエ
ッチングして取り除き、その外観を目視及び拡大鏡によ
り確認したところ、ガラスクロスの縦糸と横糸の交点が
白くなるミーズリングが発生しているのを確認した。ま
た、上記クッション材を10回使用したとき、残留ボイ
ドを107個/m2 発生していた。この結果も表2に示
す。
【0048】比較例3 フェルト(市川毛織(株)製:KG355ET )を使用してク
ッション材とし、上記実施例1のクッション材に代え
て、図1に示す如く、実施例1と同様にして対をなす金
属プレート1、1の間に上記プリプレグ2と金属箔3か
らなる被圧体4を構成し、この対をなす金属プレート
1、1の間に挟まれた複数の被圧体4を一対の熱盤5、
5の間に配置し、さらに、上下の熱盤5と熱盤5に最も
近い金属プレート1の間に上記のフエルトを配して、1
70℃、30kg/cm2 、2時間の条件で加熱加圧成
形した後、同圧化で冷却して積層板を成形した。さら
に、上記で使用したフエルトを連続して10回使用して
積層板を成形した。
【0049】上記フエルトの貯蔵弾性率を粘弾性測定器
(岩本製作所(株)製:タイプF−3)により測定する
と、17.2×107 dyn/cm2 (温度170℃)
であった。
【0050】上記それぞれに得られた積層板について、
実施例1と同様にして得られた積層板の表面の銅箔をエ
ッチングして取り除き、その外観を目視及び拡大鏡によ
り確認したところ、ガラスクロスの縦糸と横糸の交点が
白くなるミーズリングが発生しているのを確認した。ま
た、上記クッション材を10回使用したとき、残留ボイ
ドを107個/m2 発生していた。この結果も表2に示
す。
【0051】表2に上記実施例1〜実施例4、比較例1
〜比較例3の結果を示すが、ミーズリングの発生が確認
できたものは有、確認できなかったものは無と記載し
た。
【0052】また、上記で得られた積層板の表面粗度
を、東京精密(株)社製、サーフコムを用いて計測し、
その最大値を求め、表2に示した。
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】本発明の積層板の製造方法によると、金
属プレートの間に被圧体を配置して、熱盤に最も近い金
属プレートの間に貯蔵弾性率が1×107 dyn/cm
2 以上、3×107 dyn/cm2 以下のクッション材
を配置して、上記被圧体を加熱加圧成形することによ
り、得られた積層板の成形工程で発生する歪みを上記ク
ッション材により緩衝し、ミーズリングの発生を防ぐこ
とができる。また、クッション材にフッ素ゴムを使用す
ることにより、複数回の成形に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る積層板の製造方法の熱盤
間の層構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施例に係るクッション材の構成を示
す断面図である。
【符号の説明】 1 金属プレート 2 プリプレグ 3 金属箔 4 被圧体 5 熱盤 6 クッション材 7 アラミド不織布 8 複合クッション材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 31/20 B29C 43/20 B32B 15/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂ワニスを基材に含浸したプリプレグ
    (2)を複数枚重ね、さらに、金属箔(3)をその外側
    に重ね合わせた被圧体(4)を、対を成す金属プレート
    (1)の間に挟み、この対を成す金属プレート(1)で
    挟持した被圧体(4)の複数組を熱盤(5)(5)間に
    挟んで加熱加圧成形する積層板の製造方法において、加
    熱加圧成形するときに熱盤(5)と熱盤(5)に最も近
    い金属プレート(1)の間に挿入するクッション材
    (6)として、貯蔵弾性率が1×107 dyn/cm2
    以上、3×107 dyn/cm2 以下のクッション材を
    用いることを特徴とする積層板の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記請求項1記載のクッション材(6)
    が、フッ素ゴムで形成されたクッション材であることを
    特徴とする積層板の製造方法。
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Cited By (2)

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