JP2012009730A - 配線基板及びその実装構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、信号伝送特性に優れた配線基板及びその実装構造体を提供するものである。
【解決手段】本発明の一形態にかかる配線基板3は、樹脂層7と該樹脂層7上に配された導電層13とを備え、樹脂層7は、基材10と、該基材10を被覆するとともに該基材10よりも誘電率の低い樹脂部11と、を有し、基材10は、長手方向が互いに平行な複数の第1繊維10xfからなる第1繊維束10xと、長手方向が互いに平行な複数の第2繊維10yfからなり、第1繊維束10xと交差する第2繊維束10yと、を具備し、樹脂部11の一部は、第1繊維10xf同士の間、第2繊維10yf同士の間及び第1繊維10xfと第2繊維10yfとの間に配されるとともに空隙Vを含んでおり、第1繊維束10xと第2繊維束10yとの交差領域Cにおける空隙Vの密度は、非交差領域Nにおける空隙Vの密度よりも高い。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器(たとえば各種オーディオビジュアル機器、家電機器、通信機器、コンピュータ機器及びその周辺機器)等に使用される配線基板及びその実装構造体に関するものである。
従来、電子機器における実装構造体としては、配線基板に電子部品を実装したものが使用されている。
特許文献1には、ガラス繊維を縦横に織り込んでなるガラスクロスと該ガラスクロスに含浸された樹脂とを含む基板部と、該基板部上に形成された配線と、を備えた配線基板が記載されている。
ところで、電子部品における情報処理を高速化させるため、配線基板には配線の信号伝送速度を高速化させる要求がある。このため、基板部には低誘電率化が求められており、ガラス繊維よりも誘電率の低い樹脂が基板部に用いられることがある。ここで、ガラスクロスは、縦横に織り込まれたガラス繊維同士の交差領域と非交差領域とを有しており、交差領域におけるガラス繊維の含有量は非交差領域よりも大きいことから、ガラス繊維の誘電率が樹脂よりも大きいと、交差領域上における誘電率は非交差領域上における誘電率よりも大きくなる。その結果、交差領域上と非交差領域上とで配線にインピーダンスの不整合が生じるため、該配線によって伝送される信号が減衰し、ひいては配線基板の信号伝送特性が低下しやすい。
特開2009−152281号公報
本発明は、信号伝送特性に優れた配線基板及びその実装構造体を提供するものである。
本発明の一形態にかかる配線基板は、樹脂層と該樹脂層上に配された導電層とを備え、前記樹脂層は、基材と、該基材を被覆するとともに該基材よりも誘電率の低い樹脂部と、を有し、前記基材は、長手方向が互いに平行な複数の第1繊維からなる第1繊維束と、長手方向が互いに平行な複数の第2繊維からなり、前記第1繊維束と交差する第2繊維束と、を具備し、前記樹脂部の一部は、前記第1繊維同士の間、前記第2繊維同士の間及び前記第1繊維と前記第2繊維との間に配されるとともに空隙を含んでおり、前記第1繊維束と前記第2繊維束との交差領域における前記空隙の密度は、非交差領域における前記空隙の密度よりも高い。
本発明の一形態にかかる実装構造体は、上記配線基板と該配線基板に電気的に接続された電子部品とを備えている。
本発明の一形態にかかる配線基板によれば、基材の第1繊維束と第2繊維束との交差領域における空隙の密度が非交差領域よりも高いことから、交差領域における誘電率を低減
することができるため、交差領域と非交差領域との誘電率の差を低減することができる。それ故、交差領域上と非交差領域上とで導電層のインピーダンスの整合性を高め、信号伝送特性に優れた配線基板を得ることができる。
また、本発明の一形態にかかる実装構造体によれば、上記配線基板を備えているため、電子部品の誤作動が少ない実装構造体を得ることができる。
図1(a)は、本発明の一実施形態にかかる実装構造体の厚み方向に沿った断面図であり、図1(b)は、図1(a)に示すR1部分の拡大図である。 図2は、樹脂層の平面方向に沿った断面図である。 図3は、図2に示すR2部分の拡大図である。 図4は、図1に示す実装構造体の製造工程を説明する断面図である。 図5は、図1に示す実装構造体の製造工程を説明する断面図である。
以下に、本発明の一実施形態に係る配線基板を含む実装構造体を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示す実装構造体1は、例えば各種オーディオビジュアル機器、家電機器、通信機器、コンピュータ装置又はその周辺機器などの電子機器に使用されるものである。この実装構造体1は、電子部品2及び該電子部品2が実装された配線基板3を含んでいる。
電子部品2は、例えばIC又はLSI等の半導体素子であり、配線基板3に半田等からなるバンプ4を介してフリップチップ実装されている。この電子部品2は、母材が、例えばシリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガリウム砒素リン、窒化ガリウム又は炭化珪素等の半導体材料により形成されている。また、電子部品2は、厚みが例えば0.1mm以上1mm以下に設定されている。
配線基板3は、コア基板5及び該コア基板5の上下に形成された一対の配線層6を含んでおり、厚みが例えば0.2mm以上1.2mmに設定されている。
コア基板5は、配線基板3の剛性を高めつつ一対の配線層6間の導通を図るものであり、厚み方向(Z方向)に貫通するスルーホールが形成された基体7と、該スルーホールの内壁に被着された筒状のスルーホール導体8と、該スルーホール導体8によって取り囲まれた領域に充填された絶縁体9と、を含んでいる。
基体7は、コア基板5の主要部をなすものであり、複数の樹脂層7aが積層されてなり、厚みが例えば0.1mm以上1mm以下に設定されている。
樹脂層7aは、基材10と、該基材10を被覆する樹脂部11とを含んでいる。なお、樹脂層7aは、高剛性化及び低熱膨張化の観点から、酸化ケイ素からなる多数の無機絶縁粒子によって構成されたフィラーを含んでも構わない。
基材10は、樹脂層7aの剛性を高めつつ熱膨張率を低減するものであり、図2及び図3に示すように、長手方向(X方向)が互いに平行な複数の第1繊維10xfからなる第1繊維束10xと、長手方向(Y方向)が互いに平行な複数の第2繊維10yfからなり、第1繊維束10xと交差する第2繊維束10yと、を含んでいる。本実施形態において、基材10は、第1繊維束10xと第2繊維束10yとが互いに直交するように縦横に織り込まれてなる織布である。
ここで、第1繊維束10xと第2繊維束10yとが平面視にて交差する領域を交差領域Cとし、第1繊維束10x及び第2繊維束10yにおける交差領域C以外の領域を非交差領域Nとする。交差領域Cにおいては、第1繊維束10x及び第2繊維束10yの少なくとも一部が互いに当接している。
また、樹脂層7aを平面透視した場合、樹脂層7a全体の面積に対して基材10が占める面積の割合は、例えば90%以上99%以下に設定されており、樹脂層7a全体の面積に対して交差領域Cが占める面積の割合は、例えば85%以上98%以下に設定されており、樹脂層7a全体の面積に対して非交差領域Nが占める面積の割合は、例えば1%以上5%以下に設定されている。
第1繊維束10xは、第1繊維10xfを例えば100本以上300本以下含んでおり、最大幅(Y方向の長さの最大値)が例えば300μm以上500μm以下に設定され、最大厚み(Z方向の長さの最大値)が例えば20μm以上60μm以下に設定されている。また、第2繊維束10yは、第2繊維10yfを例えば100本以上300本以下含んでおり、最大幅(Y方向の長さの最大値)が例えば300μm以上500μm以下に設定され、最大厚み(Z方向の長さの最大値)が例えば20μm以上60μm以下に設定されている。
第1繊維10xf及び第2繊維10yfは、互いに同一の材料からなるものであって、例えばEガラス、Sガラス又はTガラス等のガラス繊維からなり、長手方向に直交する断面の最大径が例えば4μm以上9μm以下に設定され、誘電率が例えば5以上7以下に設定され、ヤング率が例えば60GPa以上90GPa以下に設定され、熱膨張率が例えば2.5ppm/℃以上6ppm/℃以下に設定されている。なお、第1繊維10xf及び第2繊維10yfの誘電率は、JISR1627‐1996に準じた共振器法により測定される。また、第1繊維10xf及び第2繊維10yfのヤング率は、MTSシステムズ社製Nano Indentor XP/DCMを用いて測定される。また、第1繊維10xf及び第2繊維10yfの熱膨張率は、市販のTMA装置を用いてJISK7197‐1991に準じた測定方法により測定される。
この第1繊維10xf及び第2繊維10yfの誘電率、ヤング率及び熱膨張率は、基材10が第1繊維10xf及び第2繊維10yfからなるため、基材10の誘電率、ヤング率及び熱膨張率と同一である。
樹脂部11は、樹脂層7aの主要部をなすものであり、誘電率が基材10よりも小さい。その結果、樹脂層7aの誘電率を低減し、後述する導電層13の信号伝送速度を高めることができる。
この樹脂部11は、例えばエポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、シアネート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂、芳香族液晶ポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂又はポリエーテルケトン樹脂等の樹脂材料からなり、誘電率が例えば2以上4以下に設定され、ヤング率が例えば0.1GPa以上10GPa以下に設定され、熱膨張率が例えば20ppm/℃以上200ppm/℃以下に設定されている。なお、樹脂部11の誘電率、ヤング率及び熱膨張率は、第1繊維10xf及び第2繊維10yfと同様の測定方法によって測定される。
また、樹脂部11の一部は、第1繊維束10xの内部、第2繊維束10yの内部又は交差領域Cにおける第1繊維束10xと第2繊維束10yとの間に含浸されている。そして
、この樹脂部11の一部は、第1繊維10xf同士の間、第2繊維10yf同士の間又は第1繊維10xfと第2繊維10yfとの間に配されるとともに空隙Vを含んでいる。ここで、樹脂部11の内、第1繊維10xf同士の間に配された部分を第1樹脂部11aとし、第2繊維10yf同士の間に配された部分を第2樹脂部11bとし、第1繊維10xfと第2繊維10yfとの間に配された部分を第3樹脂部11cとする。
空隙Vには空気が充填されている。なお、一般的に空気は誘電率が約1であり、基材10及び樹脂部11の誘電率よりも小さい。。また、空隙Vは、球状の第1空隙V1と、第1繊維10xf又は第2繊維10yfの長手方向(X方向又はY方向)に沿った細長形状の第2空隙V2と、を含んでいる。第1空隙V1は、最大径が例えば0.1μm以上5μm以下に設定されている。また、第2空隙V2は、長手方向への長さが例えば5μm以上40μm以下に設定され、長手方向に直交する最大幅が例えば0.1μm以上5μm以下に設定されている。
スルーホール導体8は、コア基板5の上下の配線層6を電気的に接続するものであり、例えば銅、銀、金、アルミニウム、ニッケル又はクロム等の導電材料からなる。
絶縁体9は、後述するビア導体14の支持するものであり、例えばポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂又はビスマレイミドトリアジン樹脂等の樹脂材料からなる。
一方、コア基板5の上下に設けられる配線層6は、厚み方向(Z方向)に貫通するビア孔が形成された絶縁層12と、基体7上又は絶縁層12上に配された導電層13と、ビア孔内に充填されたビア導体14と、を含んでいる。
絶縁層12は、導電層13を支持するとともに導電層13同士の短絡を抑制するものであり、例えばエポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、シアネート樹脂、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、芳香族液晶ポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂又はポリエーテルケトン樹脂等の樹脂材料からなり、厚みが例えば5μm以上40μm以下に設定されている。なお、絶縁層12は、樹脂層7aと同様に、酸化ケイ素からなる多数の無機絶縁粒子によって構成されたフィラーを含んでも構わない。
導電層13は、接地用配線、電力供給用配線又は信号用配線として機能するものであり、例えば銅、銀、金、アルミニウム、ニッケル又はクロム等の導電材料からなる。
ビア導体14は、厚み方向に離間した導電層13同士を電気的に接続するものであり、断面視における幅がコア基板5に向って小さくなるテーパー状に形成されており、例えば銅、銀、金、アルミニウム、ニッケル又はクロム等の導電材料からなる。
ところで、基材10の交差領域Cは、第1繊維束10x及び第2繊維束10yが交差していることから、厚み方向(Z方向)における繊維(第1繊維10xf及び第2繊維10yf)の含有量が非交差領域Nよりも大きくなり、基材10の厚みが大きくなりやすい。この基材10は、上述したように、樹脂部11よりも誘電率が大きいことから、樹脂層7aは、交差領域C上における誘電率が非交差領域N上における誘電率よりも大きくなりやすい。
一方、本実施形態の配線基板3においては、図1(b)及び図3に示すように、交差領域Cにおける空隙Vの密度が、非交差領域Nにおける空隙Vの密度よりも高い。したがって、基材10及び樹脂部11よりも誘電率の小さい空隙Vが多く含まれることによって、
交差領域Cにおける誘電率を低減することができる。その結果、樹脂層7aの交差領域C上における誘電率と非交差領域N上における誘電率との差を低減することができ、導電層13において、交差領域C上に配された部分と非交差領域N上に配された部分とのインピーダンスの整合性を高めることができ、導電層13によって伝送される信号の減衰を抑制し、ひいては信号伝送特性に優れた配線基板を得ることができる。なお、交差領域Cにおける空隙Vの密度は、交差領域Cにおいて空隙Vが占める体積の割合であり、樹脂層7aの平面方向(XY平面方向)に沿った断面を観察することにより測定される。また、非交差領域Nにおける空隙Vの密度も、交差領域Cと同様に測定される。
また、空隙Vは、非交差領域Nに含まれておらず、交差領域Cのみに含まれていることが望ましい。その結果、樹脂層7aの交差領域C上における誘電率と非交差領域N上における誘電率との差をさらに低減することができる。
また、空隙Vは、第2空隙V2よりも第1空隙V1を多く含むことが望ましい。すなわち、空隙Vに対して、第1空隙V1が占める体積の割合が、第2空隙V2が占める体積よりも大きいことが望ましい。その結果、第1繊維10xf又は第2繊維10yfの長手方向に沿った細長形状の第2空隙V2を低減することによって、隣接するスルーホール導体8同士の短絡を低減することができ、ひいては配線基板3の電気的信頼性を高めることができる。
また、空隙Vは、第1繊維10xf同士の間及び第2繊維10yf同士の間よりも、第1繊維10xfと第2繊維10yfとの間に多く配されていることが望ましい。すなわち、空隙Vに対して、第1樹脂部11a及び第2樹脂部11bに配されたものが占める体積の合計値の割合が、第3樹脂部11cに配されたものが占める体積の割合よりも大きいことが望ましい。その結果、第1繊維10xfと第2繊維10yfとの間にて、長手方向が異なる繊維によって空隙Vを囲むことができるため、空隙Vを起点としたクラックが第1繊維10xf又は第2繊維10yfの長手方向に沿って伸長することを低減でき、隣接するスルーホール導体8同士の短絡を低減することができる。
また、第1空隙V1の最大径は、第1繊維10xf及び第2繊維10yfの長手方向に直交する最大幅よりも小さいことが望ましい。このように個々の第1空隙V1を小さくすることによって、第1空隙V1における体積当たりの個数を増やすことができるため、交差領域C内に第1空隙V1をより分散させて配置させることができる。その結果、交差領域C内における誘電率のより均一にすることができるため、交差領域C上の導電層13におけるインピーダンスの整合性を高めることができる。
かくして、上述した実装構造体1は、配線基板3を介して供給される電源や信号に基づいて電子部品2を駆動若しくは制御することにより、所望の機能を発揮する。
次に、上述した実装構造体1の製造方法を、図4及び図5に基づいて説明する。
(1)図4(a)に示すように、樹脂シート7asを準備し、該樹脂シート7asを積層して、積層体7lを形成する。
樹脂シート7asは、未硬化の樹脂及び溶剤を含む樹脂部前駆体11pを、基材10に含浸させることによって作製される。
この基材10は、樹脂部前駆体11pが含浸される前に、厚み方向に加圧されていることが望ましい。その結果、第1繊維束10x及び第2繊維束10yを交差領域Cにて密着させることができるため、後述する(2)の工程にて、より多くの空隙Vを交差領域Cに
残存させることができる。この加圧の圧力は、0.1MPa以上1MPa以下に設定されていることが望ましい。
また、樹脂部前駆体11pに含まれる溶剤は、例えばメチルエチルケトン、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、N,Nジメチルホルムアミド又はN,N‐ジメチルアセトアミド等を用いることができる。
また、基材10に含浸させる際の樹脂部前駆体11pの粘度は、0.1Pa・s以上10Pa・s以下に設定されていることが望ましい。その結果、樹脂部前駆体11pの粘度を10Pa・s以下とすることによって、基材10の繊維同士の間に樹脂部前駆体を含浸させることができ、さらに、樹脂部前駆体11pの粘度を0.1Pa・s以上とすることによって、基材10の繊維同士の間に空隙Vが生じさせることができる。なお、樹脂部前駆体11pの粘度は、ジャスコインタナショナル社製VAR100 ViscoAnalyzerを用いて測定される。
ここで、第1繊維10xf同士の間又は第2繊維10yf同士の間においては、同一の長手方向に沿った繊維同士の間であるため、該長手方向に沿って空隙Vが移動して他の空隙Vと融合することによって、細長形状の空隙V2が生じやすい。また、第1繊維10xf及び第2繊維10yfの間においては、異なる長手方向に沿った繊維同士の間であるため、一方の長手方向に沿って空隙Vが移動しにくいため、空隙V同士の融合が起きにくく、球状の空隙V1が生じやすい。
基材10に含浸させる際の樹脂部前駆体11pの粘度は、樹脂材料の分子量、溶剤の含有量又は含浸時の温度によって調整できる。例えば、分子量の大きい樹脂材料を用いること、溶剤の含有量を少なくすること、又は含浸時の温度を小さくすることによって、樹脂部前駆体11pの粘度を増加させることができる。
このような樹脂部前駆体11pの例としては、樹脂としてポリイミド樹脂、溶剤としてN,N‐メチルピロリドンを含んでおり、該溶剤の含有量が20%以上60%以下のものを用いることができる。また、樹脂部前駆体11pの他の例としては、樹脂として、芳香族液晶ポリエステル樹脂、溶剤としてN,N‐ジメチルアセトアミドを含んでおり、該溶剤の含有量が20%以上60%以下のものを用いることができる。
また、基材10に樹脂部前駆体11pを含浸させる際の温度は、具体的には、20℃以上60℃以下に設定されていることが望ましい。
(2)図4(b)に示すように、押圧部材15を用いて積層体7lを加熱加圧し、樹脂部前駆体11pを軟化流動させて基材10内の空隙Vを基材10外の樹脂部前駆体11pへ分散させることによって、基材10内の空隙Vを低減させる。
ここで、基材10の交差領域Cに位置する空隙Vは、互いに密着した第1繊維束10x及び第2繊維束10yに取り囲まれているため、積層体7lに強い押圧力を印加しても空隙Vが外へ逃げにくい。したがって、交差領域Cに空隙Vを基材10内に残存させつつ、非交差領域Nの空隙Vを基材10外へ効率良く分散させることができるため、交差領域Cにおける空隙Vの密度を非交差領域Nと比較して高めることができる。
また、積層体7lを加熱加圧する際の温度は、含浸時の温度以上樹脂の硬化開始温度未満に設定されている。その結果、含浸時の温度以上に設定されていることによって、樹脂部前駆体11pを良好に軟化流動させて、非交差領域Nにおける空隙Vを低減することが
でき、また、硬化開始温度未満に設定されていることによって、樹脂部前駆体11pの流動性が高まり過ぎることを抑制し、交差領域Cに空隙Vを残存させることができる。
また、積層体7lを加熱加圧する際の温度は、具体的には、80℃以上200℃未満に設定されていることが望ましい。
また、積層体7lを加熱加圧する際の圧力は、1MPa以上10MPa以下に設定されていることが望ましい。その結果、該圧力が1MPa以上に設定されていることによって、非交差領域Nにおける空隙Vを低減することができ、該圧力が10MPa以下に設定されていることによって、交差領域Cに空隙Vを残存させることができる。
なお、本工程にて、交差領域Cに残存した空隙Vは、加熱加圧によって圧力が印加されて圧縮されるため、体積が小さくなっている。
(3)図4(c)に示すように、積層体7lの上下に金属箔13fを積層した後、押圧部材15を用いて加熱加圧し、互いに接着された複数の樹脂層7aからなる基体7を作製する。
ここで、積層体7lを加熱加圧する際の温度は、樹脂の硬化開始温度以上熱分解温度未満に設定されている。その結果、樹脂を硬化させつつ樹脂シート7as同士を接着させることによって、樹脂部前駆体11pから樹脂部11を形成するとともに樹脂シート7asから樹脂層7aを形成し、基体7を作製することができる。
また、積層体7lを加熱加圧する際の温度は、具体的には、200℃以上300℃未満に設定されていることが望ましい。
また、積層体7lを加熱加圧する際の圧力は、例えば1MPa以上10MPa以下に設定されていることが望ましい。
(4)図5(a)に示すように、押圧部材15を金属箔13fから離間させて、押圧部材15で圧力を印加させることなく基体7を加熱する。
ここで、基体7を加熱する際の温度は、樹脂のガラス転移温度以上熱分解温度未満に設定されている。その結果、樹脂部11が流動して、空隙Vに印加されていた圧力が緩和されるため、圧縮されていた空隙Vを膨張させることができる。それ故、交差領域C内にて空隙Vが占める体積を増加させることができ、交差領域C内における誘電率をより均一にすることができる。
また、基体7を加熱する際の温度は、具体的には、300℃以上350℃未満に設定されていることが望ましい。
(5)図5(b)に示すように、基体7にスルーホール導体8、絶縁体9及び導電層13を形成して、コア基板5を作製する。具体的には、例えば以下のように行う。
まず、例えばドリル加工やレーザー加工等により、基体7を厚み方向に貫通したスルーホールを形成する。次に、例えば無電解めっき法、電気めっき法、蒸着法、CVD法又はスパッタリング法等により、スルーホールの内壁に導電材料を被着させて、スルーホール導体8を形成する。次に、スルーホール導体8の内部に、樹脂材料等を充填し、絶縁体9を形成する。次に、導電材料を絶縁体9の露出部に被着させた後、従来周知のフォトリソグラフィー技術、エッチング等により、金属箔13fをパターニングして導電層13を形
成する。
以上のようにして、コア基板5を作製することができる。
(6)図5(c)に示すように、コア基板5の両面に配線層6を形成し、配線基板3を作製する。具体的には例えば以下のように行う。
まず、未硬化の樹脂を導電層13上に配置し、該樹脂を加熱して流動密着させつつ、更に加熱して硬化させることにより、導電層13上に絶縁層12を形成する。次に、例えばYAGレーザー装置又は炭酸ガスレーザー装置により、絶縁層12にビア孔を形成し、ビア孔内に導電層13の少なくとも一部を露出させる。次に、例えばセミアディティブ法、サブトラクティブ法又はフルアディティブ法等により、ビア孔にビア導体13を形成するとともに絶縁層12の上面に導電層13を形成することにより、配線層6を形成することができる。
以上のようにして、配線基板3を作製することができる。なお、本工程を繰り返すことにより、多層配線の配線基板3も作製できる。
(7)配線基板3に電子部品2を、バンプ4を介してフリップチップ実装することにより、図1に示す実装構造体1を作製できる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
例えば、上述した本発明の実施形態は、基体が3層の樹脂層からなる構成を例に説明したが、基体を構成する樹脂層は何層でも構わない。
また、上述した本発明の実施形態は、樹脂層を基体に用いた構成を例に説明したが、樹脂層を絶縁層に用いても構わない。
また、上述した本発明の実施形態は、配線基板上に電子部品を実装した構成を例に説明したが、配線基板内に電子部品を実装しても構わない。
1 実装構造体
2 電子部品
3 配線基板
4 バンプ
5 コア基板
6 配線層
7 樹脂層
8 スルーホール導体
9 絶縁体
10 基材
10x 第1繊維束
10xf 第1繊維
10y 第2繊維束
10yf 第2繊維
11 樹脂部
12 絶縁層
13 導電層
14 ビア導体
15 押圧部材
V 空隙
C 交差領域
N 非交差領域

Claims (5)

  1. 樹脂層と該樹脂層上に配された導電層とを備え、
    前記樹脂層は、基材と、該基材を被覆するとともに該基材よりも誘電率の低い樹脂部と、を有し、
    前記基材は、長手方向が互いに平行な複数の第1繊維からなる第1繊維束と、長手方向が互いに平行な複数の第2繊維からなり、前記第1繊維束と交差する第2繊維束と、を具備し、
    前記樹脂部の一部は、前記第1繊維同士の間、前記第2繊維同士の間及び前記第1繊維と前記第2繊維との間に配されるとともに空隙を含んでおり、
    前記第1繊維束と前記第2繊維束との交差領域における前記空隙の密度は、非交差領域における前記空隙の密度よりも高いことを特徴とする配線基板。
  2. 請求項1に記載の配線基板において、
    前記空隙は、前記交差領域のみに配されていることを特徴とする配線基板。
  3. 請求項1に記載の配線基板において、
    前記空隙は、前記第1繊維と前記第2繊維との間に配された球状の第1空隙を有することを特徴とする配線基板。
  4. 請求項1に記載の配線基板において、
    前記第1繊維及び前記第2繊維は、ガラスからなることを特徴とする配線基板。
  5. 請求項1に記載の配線基板と該配線基板に電気的に接続された電子部品とを備えたことを特徴とする実装構造体。
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