JP2002541783A - トリアシルグリセロール生成の生合成経路における新規クラスの酵素および該酵素をコードする組換えdna分子 - Google Patents

トリアシルグリセロール生成の生合成経路における新規クラスの酵素および該酵素をコードする組換えdna分子

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JP2002541783A
JP2002541783A JP2000609586A JP2000609586A JP2002541783A JP 2002541783 A JP2002541783 A JP 2002541783A JP 2000609586 A JP2000609586 A JP 2000609586A JP 2000609586 A JP2000609586 A JP 2000609586A JP 2002541783 A JP2002541783 A JP 2002541783A
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ダールクヴィスト、アンダース
スタール、ウルフ
レンマン、マリト
バナス、アントニー
ロンネ、ハンス
スティムネ、ステン
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ビーエーエスエフ プランド サイエンス ゲーエムベーハー
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、トリアシルグリセロールの生合成経路におけるリン脂質からジアシルグリセロールへの脂肪酸の転移を触媒する酵素をコードするヌクレオチド配列の単離、同定および特性決定、ならびに該酵素およびトリアシルグリセロールの製造方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、トリアシルグリセロール生成の生合成経路においてリン脂質からジ
アシルグリセロールへの脂肪酸の転移を触媒する酵素をコードする組換えDNA分
子の単離、同定および特性決定に関する。
【0002】 トリアシルグリセロール(TAG)は、自然界において最も一般的な脂質ベースの
エネルギー貯蔵物である。TAGの主要な合成経路は、アシルCoAからグリセロール
骨格への3連続のアシル転移を含むと考えられている(1,2)。長年にわたって、3
番目のアシル転移反応を触媒するアシルCoA:ジアシルグリセロールアシルトラ
ンスフェラーゼ(DAGAT)が、TAG合成に関与する唯一の酵素であると考えられてき
た。DAGATは、膜脂質合成から得られるジアシルグリセロール(DAG)をTAGに転換
することによって作用する(2)。この酵素をコードする遺伝子が、最近、マウス(
3)と植物(4,5)の両方で同定されており、コードされたタンパク質はアシルCoA:
コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)に相同であることが分かった。
マウスDAGAT、ACAT遺伝子ファミリーまたはその他の既知の遺伝子とは無関係の
別のDAGATが、油産生(oleaginous)真菌であるモルティエラ・ラマニアナ(Mortie
rella ramanniana)に存在することも最近報告された(6)。
【0003】 本発明は、新種の酵素および形質転換のためのそれをコードする遺伝子に関す
る。より具体的には、本発明は、今まで記載されていない種類の酵素(以下、リ
ン脂質:ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(PDAT)と称する)をコ
ードする遺伝子タイプの使用に関し、それによって該酵素はアシルCoA非依存型
反応を触媒する。トランスジェニック生物において単独で発現する該タイプの遺
伝子は、細胞で産生される油(トリアシルグリセロール)の総量を高めるであろう
。PDAT遺伝子を、珍しい(uncommon)脂肪酸の合成のための遺伝子と組み合せてト
ランスジェニック生物で発現させると、トリアシルグリセロールにおけるその珍
しい脂肪酸のレベルが増大するであろう。
【0004】 再生不能な石油化学製品ではなく再生可能な植物資源から工業用途のために脂
肪酸などの化学原料を製造することは世界的にかなり関心を集めている。この概
念は資源保全に基づいて製造者および消費者に広くアピールしており、新たな工
業用の農作物を開発するための重要な機会をもたらすものである。
【0005】 野生植物種から得られる油中には多数の珍しい脂肪酸があり、これらは十分に
特性決定されている。これらの脂肪酸の多くは工業的可能性があり、特定の脂肪
酸の農業生産を可能にするための関連植物種の栽培品種化に関心をもたらした。
【0006】 珍しい脂肪酸の生合成についてのより深い理解に結びついた遺伝子工学的操作
技術の開発は、今や、野生種から得られる特定の脂肪酸の合成に関与している重
要な酵素をコードする遺伝子を栽培品種化された脂肪種子作物に導入することを
可能にする。このようにして、工業用脂肪酸を手ごろなコストで高純度かつ高収
率で製造することができる。
【0007】 ナタネ、ヒマワリ、ギネアアブラヤシのような作物全てにおいては、油(すな
わちトリアシルグリセロール)が、種子または果実の最も価値の高い製品であり
、デンプン、タンパク質および繊維のようなその他の化合物は価値の低い副産物
とみなされている。よって油料作物中のその他の化合物を犠牲にして重量当たり
の油の量を高めると作物の価値は高くなるであろう。油の生成への還元炭素のア
ロケーション(allocation)を調節する遺伝子がアップレギュレート可能である場
合、細胞はその他の製品を犠牲にしてより多くの油を蓄積するであろう。そのよ
うな遺伝子は、すでに高級油産生細胞、例えば油料作物において使用されている
だけでなく、中級または低級油を含む作物(例えば、ダイズ、オートムギ、トウ
モロコシ、ジャガイモ、テンサイ(sugarbeats)、カブなど)ならびに微生物にお
いて重要な油生成を誘導することもできる。
【0008】発明の概要 対象の珍しい脂肪酸、例えば中鎖脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸、エポキシ脂肪酸
およびアセチレン型脂肪酸の多くは、一般的な植物脂肪酸とは明らかに異なる物
理特性を有する。本発明者らは、その種子油(すなわちトリアシルグリセロール)
中のこれらの珍しい脂肪酸を天然で蓄積する植物種では、かかる脂肪酸が種子の
膜(リン)脂質には存在しないか、ごく少量しか存在しないということを見出した
。膜脂質においてこれらの酸の濃度が低いということは、適正な膜機能、よって
適正な細胞機能にとっての必要条件であると考えられる。本発明の1つの態様は
、珍しい脂肪酸が膜脂質から効率よく除去され、種子トリアシルグリセロールに
運ばれる場合、トランスジェニック作物の種子に大量の珍しい脂肪酸を蓄積させ
ることができるということである。
【0009】 本発明者らは、植物において、アシルCoA非依存型反応によるトリアシルグリ
セロールの生成においてリン脂質からジアシルグリセロールへの脂肪酸の転移を
触媒する新規クラスの酵素を同定した。そして、本発明者らは、これらの酵素(
リン脂質:ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ、PDATと省略する)
が、植物におけるリン脂質からの、ヒドロキシル化され、エポキシ化された(epo
xygenated)脂肪酸の除去に、そしておそらくは中鎖脂肪酸などのその他の珍しい
脂肪酸の除去にも関与していることを確認した。
【0010】 この酵素反応は、パン酵母(サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cere
visiae))由来のミクロソーム標品中に存在することがわかった。本発明はさらに
、配列番号2で表されるアミノ酸配列を含む酵素またはその機能的断片、誘導体
、対立遺伝子(allele)、相同体もしくはイソ酵素に関する。各遺伝子が破壊され
た、いわゆる「ノックアウト」酵母突然変異体を取得したところ、該突然変異体
由来のミクロソーム膜はPDAT活性が完全に欠けていることがわかった。したがっ
て、その破壊された遺伝子はPDAT酵素(配列番号1および2)をコードしているこ
とが判明した。さらに、このPDAT酵素は、保存配列ストリングFXKWVEAからなる
リパーゼモチーフを含む、配列番号2で表されるアミノ酸配列を特徴とする。
【0011】 本発明はさらに、配列番号16、20もしくは22で表されるアミノ酸配列を含む酵
素、またはその機能的断片、誘導体、対立遺伝子、相同体もしくはイソ酵素に関
する。
【0012】 さらにこれまで機能が未知であった遺伝子および/またはタンパク質を同定し
た。これらは本発明の範囲に含まれるものである。シゾサッカロミセス・ポンベ
(Schizosaccharomyces pombe)由来の遺伝子SPBC776.14(配列番号3)、SPBC776.1
4の推定オープンリーディングフレームCAA22887(配列番号13)を同定した。さら
に推定タンパク質をコードするシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のゲノム
配列(配列番号4、10および11)、ならびにシロイヌナズナ遺伝子座AC004557由来
の推定オープンリーディングフレームAAC80628(配列番号14)およびシロイヌナズ
ナ遺伝子座AC003027由来の推定オープンリーディングフレームAAD10668(配列番
号15)を同定した。
【0013】 また、アカパンカビ(Neurospora crassa)由来の部分的に配列決定したcDNAク
ローン(配列番号9)ならびにトウモロコシ(Zea mays)EST(Extended Sequence Ta
c)クローン(配列番号7)および対応する推定アミノ酸配列(配列番号8)も同定し
た。最後に、2つのcDNAクローン、すなわちシロイヌナズナEST(配列番号5)お
よびそれに対応する推定アミノ酸配列(配列番号6)を同定し、トマト(Lycopersi
con esculentum)ESTクローン(配列番号12)を同定した。さらに、リパーゼモチー
フFXKWVEAを含む配列番号6、17、18、25または27で表される配列からなる群より
選択されるアミノ酸配列を含むPDATと呼ばれる酵素は本発明の範囲に含まれるも
のである。さらに、配列番号1、3、4、5、7、9、10、11、12、19、21、23、24、
25、26、28、29、30または31で表される配列からなる群より選択されるヌクレオ
チド配列、その一部、誘導体、対立遺伝子または相同体によってコードされるア
ミノ酸配列を含む酵素、または該酵素をコードするアミノ酸配列の機能的断片、
誘導体、対立遺伝子、相同体もしくはイソ酵素も本発明の範囲に含まれる。
【0014】 本発明の酵素の機能的断片は、リン脂質:ジアシルグリセロールアシルトラン
スフェラーゼ(PDAT)の特異的酵素活性を示す任意のポリペプチド配列であると理
解されたい。機能的断片の長さは、例えば、約660±10アミノ酸から660±250ア
ミノ酸の範囲、好ましくは約660±50アミノ酸から660±100アミノ酸の範囲で変
動しうるものであり、この場合、660アミノ酸の「基本数(basic number)」は、
配列番号1のヌクレオチド配列によってコードされる配列番号2のPDAT酵素のポ
リペプチド鎖に対応している。したがって、機能的完全長酵素の「基本数」はそ
れをコードしているヌクレオチド配列に対応して変動し得る。
【0015】 本発明のヌクレオチド配列の一部分とは、リン脂質:ジアシルグリセロールア
シルトランスフェラーゼ(PDAT)の特異的活性を示すポリペプチドをコードする任
意のヌクレオチド配列を意味する。このヌクレオチドの一部分の長さは、遺伝子
のコード領域または高度に保存された配列に基づいて約数百ヌクレオチドの広範
囲で変動しうる。例えば、約1900±10ヌクレオチドから1900±1000ヌクレオチド
の範囲、好ましくは約1900±50ヌクレオチドから1900±700ヌクレオチドの範囲
、より好ましくは約1900±100ヌクレオチドから1900±500ヌクレオチドの範囲で
変動し、よってこの場合1900ヌクレオチドの「基本数」は配列番号1のPDAT酵素
のコードヌクレオチド配列に対応している。したがって、機能的完全長遺伝子の
「基本数」は変動し得る。
【0016】 本発明のヌクレオチド配列の対立遺伝子変異体は、機能的に等価な機能を有す
るポリペプチドをコードする任意の異なるヌクレオチド配列であると理解された
い。対立遺伝子は、本発明のヌクレオチド配列の天然の変異体および当技術分野
で公知の方法によって製造される合成ヌクレオチド配列に関連している。活性お
よび/または調節が変化した酵素、あるいは特異的インヒビターに対して耐性の
ある酵素をもたらす改変ヌクレオチド配列も含まれる。本発明はさらに、最初に
単離されたヌクレオチド配列の天然または合成突然変異体を含む。これらの突然
変異には、1個以上のヌクレオチドの置換、付加、欠失、逆位(inversion)また
は挿入があり得る。
【0017】 相同ヌクレオチド配列は、相補配列および/または本発明のヌクレオチド配列
と特異的にハイブリダイズする配列であると理解されたい。ハイブリダイズする
配列は、当技術分野で公知の少なくとも中度のストリンジェンシー条件下で本発
明のヌクレオチド配列と特異的に相互作用するDNAまたはRNAからなる群から選択
される類似配列を含む。ストリンジェントハイブリダイゼーション条件の好まし
い例は、限定するものではないが、約45℃での6×塩化ナトリウム/クエン酸ナ
トリウム(SSC)、その後50〜65℃での0.2×SSC、0.1%SDSでの1回以上の洗浄で
ある。これはさらに短いヌクレオチド配列、例えば10〜30ヌクレオチド、好まし
くは12〜15ヌクレオチドを含む。プライマーまたはハイブリダイゼーションプロ
ーブも含まれる。
【0018】 本発明の範囲に含まれる相同ヌクレオチド配列は、配列番号1のヌクレオチド
配列に対して、少なくとも約40%、好ましくは少なくとも50%または60%、より
好ましくは少なくとも70%、80%または90%、最も好ましくは少なくとも95%、
96%、97%、98%または99%以上の相同性を有する配列である。
【0019】 上記の定義の全てがアミノ酸配列と機能的酵素にも該当し、当業者によって容
易に転換され得る。
【0020】 イソ酵素は、同一または類似の基質特異性および/または触媒活性を有するが
、一次構造が異なる酵素であると理解されたい。
【0021】 第1の実施形態においては、本発明は、PDATをコードする核酸配列に関する。
これには、生物学的に活性なPDATをコードする配列、およびプローブ、形質転換
のためのベクターまたはクローニング中間体として使用される配列が含まれる。
PDATコード配列は、所期の用途に依存して完全配列または部分配列をコードしう
る。ゲノム配列の全部または一部、cDNA配列、前駆体PDATまたは成熟PDATが含ま
れる。
【0022】 さらに、配列番号1、3、4、10、11、19、21、23、24、29または30で表される
配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列またはその一部分、誘導体、対
立遺伝子もしくは相同体が含まれる。本発明は、配列番号5、7、9、12、25、26
、28または31で表される配列からなる群より選択される完全長ヌクレオチド配列
に対応する部分ヌクレオチド配列、またはその一部、誘導体、対立遺伝子もしく
は相同体に関する。さらに、配列番号1、3、4、5、7、9、10、11、12、19、21、
23、24、25、26、28、29、30または31で表される配列からなる群より選択される
ヌクレオチド配列に対して少なくとも40%の相同性を有するヌクレオチド配列を
含むヌクレオチド配列も本発明の範囲に含まれるものである。
【0023】 本発明は、異種核酸に機能し得る形で連結された本発明の前記ヌクレオチド配
列を含む遺伝子構築物に関する。「機能し得る形で連結された」という用語は、
例えばプロモーター、コード配列、ターミネーターおよび/またはさらなる調節
エレメントの一連の構成を意味し、それによって各エレメントはヌクレオチド配
列の発現の際にその本来の機能を果たし得る。
【0024】 さらに、本発明のヌクレオチド配列を含んでなるベクターが本発明に含まれる
。これには、発現ベクター、ならびに選択マーカー遺伝子および/もしくは宿主
細胞での複製および/もしくは宿主細胞のゲノムへの組込みのためのヌクレオチ
ド配列をさらに含むベクターも含まれる。
【0025】 異なる態様においては、本発明は、宿主細胞またはその子孫(遺伝子工学的に
操作された脂肪種子、酵母およびカビまたは任意のその他の油蓄積生物など)に
おける、該細胞での構築物の発現によるPDATの産生方法に関する。PDATコード配
列の産生の結果としてPDATを含む細胞も本発明の範囲に含まれるものである。
【0026】 さらに、本発明は、前記ヌクレオチド配列および/または前記遺伝子構築物お
よび/または前記ベクターを含むトランスジェニック細胞または生物に関する。
本発明の対象はさらに、真核細胞または真核生物であるトランスジェニック細胞
または生物である。好ましくは、トランスジェニック細胞または生物は酵母細胞
または植物細胞または植物である。さらに本発明は、トリアシルグリセロール生
成の生合成経路が改変された前記トランスジェニック細胞または生物に関する。
油含量が変化したトランスジェニック細胞または生物も本発明の範囲に含まれる
ものである。
【0027】 さらに本発明は、PDATの活性が変化しているトランスジェニック細胞または生
物に関する。PDAT活性の変化は、酵素の遺伝子発現、触媒活性および/または酵
素の活性の調節の変化を特徴とする。さらに、トリアシルグリセロール生成の改
変された生合成経路が、膜脂質において望ましくない脂肪酸の蓄積が阻害されて
いることを特徴とするトランスジェニック細胞または生物が本発明に含まれる。
【0028】 異なる実施形態においては、本発明は、細胞内の油含量を増大させるためのPD
ATをコードするDNA配列の使用方法に関する。
【0029】 本発明の別の態様は、珍しい脂肪酸を細胞の膜脂質から特異的に除去し、該脂
肪酸をトリアシルグリセロールに運ぶPDATを産生するDNA配列を導入することに
よって、細胞内で産生されたトリアシルグリセロールにおける大量の珍しい脂肪
酸の収容(accommodation)に関する。そのような改変を有する植物細胞も本発明
に含まれる。
【0030】 さらに本発明は、前記トランスジェニック細胞または生物を、前記ヌクレオチ
ド配列が発現され、前記トランスジェニック細胞がリン脂質からジアシルグリセ
ロールへの脂肪酸を転移によるトリアシルグリセロールの生成を触媒する前記酵
素を含むような条件下で増殖させることを含む、トリアシルグリセロールの製造
方法に関する。
【0031】 さらに前記方法によって産生されたトリアシルグリセロールは本発明の範囲に
含まれる。
【0032】 本発明の対象はさらに、珍しい脂肪酸を用いた1種以上のトリアシルグリセロ
ールの製造のための本発明のヌクレオチド配列および/または前記酵素の使用で
ある。任意の細胞または生物を形質転換して、該細胞または生物において発現さ
せ、その結果該細胞または生物の油含量を変化させる、好ましくは増大させるた
めの前記の本発明のヌクレオチド配列および/または本発明の前記酵素の使用も
、本発明の範囲に含まれるものである。
【0033】 本発明のPDATは、酵素反応条件下でのリン脂質とジアシルグリセロールからの
トリアシルグリセロールの生成を触媒する能力を示す、微生物、動物または植物
源から取得可能なタンパク質、ポリペプチドまたはペプチド断片などの、任意の
アミノ酸配列を含む。「酵素反応条件」とは、酵素を機能させる環境(例えば温
度、pH、阻害物質の欠如のような要因)で任意の必要条件が利用可能であること
を意味する。
【0034】 その他のPDATは、本発明で提供した特定の配列から取得可能である。さらに、
天然または合成PDAT(例えば改変アミノ酸配列、ならびに例示したPDATおよびか
かる例示配列の使用により得られるPDATから合成タンパク質をモデリングするた
めの出発材料など)が取得可能であることは明白であろう。改変アミノ酸配列に
は、そのような配列が部分的に合成されていようと全体的に合成されていようと
、突然変異された配列、先端切断された配列、増大された配列などが含まれる。
植物標品から実際に精製された配列、または該配列と同一の配列、または該配列
と同一のタンパク質をコードする配列は、そのタンパク質または配列の取得に使
用される方法とは関係なく、一律に天然由来のものとみなされる。
【0035】 さらに、本発明の核酸プローブ(DNAおよびRNA)は、種々の植物および微生物源
由来の「相同」または「近縁」PDATのスクリーニングおよび回収に使用すること
ができる。
【0036】 さらに、当業者が、本出願に示した情報を用いて、あらゆる生物においてPDAT
活性を同定し、この活性を有する酵素を精製し、それによってそのような酵素を
コードする「非相同」核酸配列を同定しうることも明白である。
【0037】 本発明は、下記の態様を本質的に特徴としうる。
【0038】 1.形質転換のためのPDAT遺伝子(ゲノムクローンまたはcDNA)の使用。
【0039】 2.項目1に記載のDNA分子の使用であって、該DNAを任意の生物の形質転換に使
用することにより該DNAを該生物で発現させ、それによって活性組換えPDAT酵素
を生じさせて生物の油含量を増大させることを特徴とする使用。
【0040】 3.項目1に記載のDNA分子の使用であって、該DNAを任意の生物の形質転換に使
用することにより膜脂質における望ましくない脂肪酸の蓄積を阻害することを特
徴とする使用。
【0041】 4.項目1に記載の使用であって、該PDAT遺伝子を、膜脂質中に多量に存在する
と有害である任意の珍しい脂肪酸(例えば中鎖脂肪酸、ヒドロキシル化脂肪酸、
エポキシ化(epoxygenated)脂肪酸およびアセチレン型脂肪酸など)を産生するよ
うに操作されたトランスジェニック油蓄積生物の形質転換に使用することを特徴
とする使用。
【0042】 5.項目1に記載の使用であって、該PDAT遺伝子を生物の形質転換に使用し、該
生物を、膜脂質中に多量に存在すると有害である任意の珍しい脂肪酸(例えば中
鎖脂肪酸、ヒドロキシル化脂肪酸、エポキシ化脂肪酸およびアセチレン型脂肪酸
など)を産生するように操作されたその他の油蓄積生物と交配させることを特徴
とする使用。
【0043】 6.項目1に記載の使用であって、該PDAT遺伝子またはcDNAによりコードされる
酵素が別個の(distinct)アシル特異性を有するPDATをコードしていることを特徴
とする使用。
【0044】 7.項目1に記載の使用であって、該PDATコード遺伝子またはcDNAがサッカロミ
セス・セレビシエ由来のものであるか、または配列番号2で表されるPDATアミノ
酸配列に対して30%以上の同一性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチ
ド配列を含むことを特徴とする使用。
【0045】 8.項目1に記載の使用であって、該PDATコード遺伝子またはcDNAがサッカロミ
セス・セレビシエ由来のものであるか、または配列番号2で表されるPDATアミノ
酸配列に対して40%以上の同一性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチ
ド配列を含むことを特徴とする使用。
【0046】 9.項目1に記載の使用であって、該PDATコード遺伝子またはcDNAがサッカロミ
セス・セレビシエ由来のものであるか、または配列番号2で表されるPDATアミノ
酸配列に対して60%以上の同一性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチ
ド配列を含むことを特徴とする使用。
【0047】 10.項目1に記載の使用であって、該PDATコード遺伝子またはcDNAがサッカロミ
セス・セレビシエ由来のものであるか、または配列番号2で表されるPDATアミノ
酸配列に対して80%以上の同一性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチ
ド配列を含むことを特徴とする使用。
【0048】 11.項目1に記載の使用であって、該PDATコード遺伝子またはcDNAが植物由来の
ものであるか、またはシロイヌナズナ由来のPDATアミノ酸配列もしくはトウモロ
コシ(Zea mays)、トマト(Lycopersicon esculentum)もしくはアカパンカビ(Neur
ospora crassa)の部分cDNAクローンの完全長対応物によりコードされるタンパク
質に対して40%以上の同一性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配
列を含むことを特徴とする使用。
【0049】 12.ゲノム内に、組換えDNA技術または体細胞ハイブリダイゼーションによって
導入されたPDAT遺伝子を含む、トランスジェニック油蓄積生物。
【0050】 13.項目12に記載のトランスジェニック油蓄積生物であって、ゲノム内に、特定
の珍しい脂肪酸を有する基質に対する特異性を有するPDAT遺伝子と、該珍しい脂
肪酸の遺伝子とを含む生物。
【0051】 14.真菌、植物および動物からなる群より選択される、項目12または13に記載の
トランスジェニック生物。
【0052】 15.農芸植物からなる群より選択される、項目12または13に記載のトランスジェ
ニック生物。
【0053】 16.農芸植物からなる群より選択され、該PDAT遺伝子が貯蔵器官特異的プロモー
ターの制御下で発現されることを特徴とする、項目12または13に記載のトランス
ジェニック生物。
【0054】 17.農芸植物からなる群より選択され、該PDAT遺伝子が種子プロモーターの制御
下で発現されることを特徴とする、項目12または13に記載のトランスジェニック
生物。
【0055】 18.項目12〜17のいずれか1つに記載の生物から得られる油。
【0056】 19.天然コード遺伝子のヌクレオチド配列を改変し、この改変の結果、新たなア
シル特異性をもつ酵素をコードする遺伝子を作製することによりPDATのアシル特
異性を改変する方法。
【0057】 20.項目1に記載のDNA分子によってコードされるタンパク質またはその機能的
断片。
【0058】 21.リン脂質:ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼと呼ばれる項目
20に記載のタンパク質。
【0059】 22.別個のアシル特異性を有する、項目21に記載のタンパク質。
【0060】 23.配列番号2、13、14または15で表されるアミノ酸配列(および配列番号1、
3、4、5、7、9、10、11または12で表される完全長または部分遺伝子セット
によりコードされるタンパク質)または該アミノ酸配列に対して少なくとも30%
の相同性を有するアミノ酸配列を有する項目13に記載のタンパク質。
【0061】 24.サッカロミセス・セレビシエから単離された項目23に記載のタンパク質。
【0062】一般法 酵母菌株およびプラスミド 使用した野生型酵母菌株は、FY1679(MATα his3-Δ200 leu2-Δ1 trp1-Δ6 u
ra3-52)またはW303-1A(MATa ADE2-1 can1-100 his3-11,15 leu2-3,112 trp1-1
ura3-1)(7)のいずれかである。YNR008w::KanMX2分裂菌株FVKT004-04C(AL)は、
FY1679とコンジェニックであるが、これはEuroscarfコレクションから入手した(
8)。5’側に583 bp、3’側に183 bpのフランキングDNAを有するYNR008w遺伝子を
含有する2751 bp断片を、W303-1AゲノムDNAから、Taqポリメラーゼを用いて、5
’-TCTCCATCTTCTGCAAAACCT-3’および5’-CCTGTCAAAAACCTTCTCCTC-3’をプライ
マーとして増幅した。得られたPCR産物を、アガロースゲル電気泳動によって精
製し、pBluescript のEcoRVサイトにクローニングした(pbluescript-pdat)。相
補性実験のために、クローニングした断片をpBluescriptから、HindIII-SacI消
化によって切り離し、これをpFL39(9)のHindIIIおよびSacIサイト間に、さらに
クローニングすることによって、pUS1を作成した。PDAT遺伝子を過剰に発現させ
るために、24bpの5’フランキングDNAのみを含有する、pBluescript プラスミド
由来の2202 bp EcoRI断片を、GAL1-TPK2発現ベクターpJN92(12)のBamHIサイトに
クローニングすることによって、pUS4を作成した。
【0063】ミクロソーム標品 ヒマワリ(Helianthus annuus)、トウゴマ(Ricinus communis)およびクレ
ピス・パレスチナ(crepis palaestina)の発芽過程の種子から、StobartおよびSt
ymne(11)の方法を用いて、ミクロソームを調製した。酵母のミクロソームを得る
ために、1g(新鮮重量)の酵母細胞を12 mlガラス製試験管内で8 mlの氷冷バッ
ファー(20 mM Tris-Cl, pH 7.9, 10 mM MgCl2, 1 mM EDTA, 5% (v/v) グリセロ
ール、1 mM DTT, 0.3 M 硫酸アンモニウム)に再懸濁した。この試験管に、4 ml
のガラスビーズ(直径0.45-0.5 mm)を加え、次にその試験管をMSK細胞ホモジナ
イザー(B. Braun Melsungen AG, ドイツ)内で、激しく振盪した(3 x 60 s)
。ホモジナイズされた懸濁液を、6℃で、20,000 x gで15分間遠心分離し、得ら
れた上清をもう一度、6℃で、100,000 x gで2時間遠心分離した。この100,000 x
gのペレットを0.1 M リン酸カリウム(pH 7.2)に再懸濁し、-80℃で保存した
。これを、以後、粗酵母ミクロソーム画分と称する。
【0064】脂質基質 トウゴマ(Ricinus communis)およびクレピス・パレスチナの種子由来のミク
ロソーム標品とともにインキュベートすることによって、それぞれ[1-14C]オレ
イン酸および[1-14C]リノール酸から、放射能標識リシノール酸(12-ヒドロキシ
-9-オクタデセン酸)およびベルノール(vernolic)酸(12,13-エポキシ-9-オクタ
デセン酸)を、酵素的に合成した。sn-2位に14C-標識アシル基を有するホスファ
チジルコリン(PC)またはホスファチジルエタノールアミン(PE)の合成は、[1 4 C]オレイン酸、[14C]リシノール酸、または[14C]ベルノール酸の、酵素による(
13)、または化学合成による(14)アシル化を用いて行なった。sn-1-[14C]オレオ
イル−リゾ-PCおよび非標識オレイン酸から、(14)に記載のように、sn-1位を標
識されたジオレオイル-PCを合成した。(15)の記載にしたがって、B. cereus (Si
gma Chemical Co.)由来のホスホリパーゼCタイプXIを作用させることによってPC
からsn-1-オレオイル-sn-2-[14C]リシノレオイル-DAGを合成した。モノベルノロ
イル-およびジベルノレオイル-DAGは、前記(16)にしたがって、TAG-リパーゼ(R
izhopus arrhizus, Sigma Chemical Co.)を用いて、ユーフォルビア・ラガスケ
(Euphorbia lagascae)種子から抽出したTAGから合成した。同様の方法によって
、トウゴマの実(Castor bean)から抽出されたTAGを用いてモノリシノレオイル-T
AGを合成した。
【0065】脂質分析 BlighおよびDyer(17)の記載にしたがって、酵母の全脂質組成を決定したが、
その材料の細胞は、40 ml培養液から集菌し、ガラスビーズ振盪器内で破壊し、
それをクロロホルム中に抽出した。さらに予め塗布されたシリカゲル60プレート
(Merck)を使用し、ヘキサン/ジエチルエーテル/酢酸(80:20:1)を用いた薄層
クロマトグラフィーによって分離した。短時間I2の蒸気に暴露することによって
、脂質領域の位置を明らかにし、適当な標準物質によって同定した。極性脂質、
ステロール−エステルおよびトリアシルグリセロール、ならびに残りの少数の脂
質クラス(他の脂質と称する)を、上記プレートから掻き取った。乾燥した掻き
取り物質を2% (v/v)硫酸/無水メタノール溶液中で80℃で60分間加熱することに
よって、脂肪酸メチルエステルを調製した。このメチルエステルをヘキサンで抽
出し、内部標準とするメチルヘプタデカン酸とともに50m x 0.32mm CP-Wax58-CB
溶融シリカカラム(Chrompack)に通し、GLCによって分析した。各画分の脂肪酸含
量を定量し、それぞれの脂質クラスの相対量の算出に使用した。全脂質含量を測
定するために、酵母培養液の3 mlアリコートを遠心分離によって集め、得られた
ペレットを蒸留水で洗浄し、凍結乾燥した。細胞の乾燥重量を測定し、脂肪酸含
量は、上記のようにメチルエステルに変換した後GLC分析によって定量した。次
に、脂質含量を酵母乾重量1mgあたりの脂肪酸(nmol)として算出した。
【0066】酵素検定 発芽過程の植物種子または酵母細胞由来の粗ミクロソーム画分のアリコート(
10 nmolミクロソームPCに相当する)を一晩凍結乾燥した。14C-標識した脂質基
質をベンゼンに溶解し、これを乾燥したミクロソームに添加した。ベンゼンを窒
素気流下で蒸発させて、脂質が膜に直接接触する状態とし、さらに0.1 mlの50 m
Mリン酸カリウム(pH 7.2)を加えた。この懸濁液を十分に混合し、90分までの
一定時間、30℃でインキュベートした。クロロホルムを用いて反応混合物から脂
質を抽出し、シリカゲル60プレート(Merck)を用いた薄層クロマトグラフィーで
、ヘキサン/ジエチルエーテル/酢酸(35:90:1.5)で展開して分離した。放射
性脂質を可視化して、電子オートラジオグラフィー(Instant Imager, Packard,
US)によって、プレート上で定量した。
【0067】酵母培養 酵母細胞は、回転振盪器を用いて、28℃で、液体YPD培地(1%酵母エキス、2%
ペプトン、2%グルコース)、2%(v/v)グリセロールおよび2%(v/v)エタノールを含
有する合成培地(18)または16g/l グリセロールを含有する最小培地(19)中で増殖
させた。
【0068】 本発明は下記の実施例によってさらに特徴が明らかとなるが、この実施例に限
定されるものではない。
【0069】実施例 脂肪種子のミクロソームによる アシルCoAに依存しないTAG合成 脂肪種子中には、数多くの珍しい脂肪酸を見出すことができる(20)。たとえ
ばリシノール酸(21)およびベルノール酸(22)のような、こうした脂肪酸の多
くは、直前の前駆体としてsn-2位にそれぞれエステル化されたオレオイルまたは
リノレオイル基を有するホスファチジルコリン(PC)を用いて合成される。しかし
ながら、たとえPCが珍しい脂肪酸合成のための基質となり得るとしても、また、
種子中の主要な膜脂質であるとしても、珍しい脂肪酸が膜に見出されることはめ
ったにない。その代わり、こうした脂肪酸は大概TAGに取り込まれる。したがっ
て、このような珍しいアシル基のPCからTAGへの効率的かつ選択的な転移のメカ
ニズムが、上記のような珍しい脂肪酸を蓄積する脂肪種子中に存在するにちがい
ない。それぞれ高濃度のリシノール酸およびベルノール酸を蓄積する植物である
トウゴマの実(Ricinus communis)およびクレピス・パレスチナならびにその種
子油中に一般的な脂肪酸しか存在しない植物であるヒマワリ(Helianthus annuu
s)の種子を用いて、上記転移反応の生化学的特定の検討を行なった。発芽過程
の種子から得られた粗ミクロソーム画分を14C標識オレオイル、リシノレオイル
またはベルノロイル基をsn-2位に有するPCとともにインキュベートした。インキ
ュベーション後、脂質を抽出し、薄層クロマトグラフィーによって分析した。中
性の脂質画分に取り込まれる放射能の量は4時間にわたって直線的に増加するこ
とを発見した(データは示さず)。80分後に中性脂質画分における[14C]アシル
基の分布を分析した(図1)。興味深いことに、異なる中性脂質間の放射能の総
量および分布は、植物種および[14C]アシル鎖の両者に強く相関していた。した
がって、ヒマワリミクロソームは、[14C]アシル基のタイプに関わらず、標識の
大半をDAGに取り込んだ。これに対して、R. communisミクロソームは、[14C]リ
シノレオイル基および[14C]ベルノロイル基を優先的にTAGに取り込むが、[14C]
オレイル基はほとんどがDAGに見出された。C. palaestinaミクロソームは最終的
に[14C]ベルノロイル基だけをTAGに取り込み、[14C]リシノレオイル基はほとん
どが遊離脂肪酸として検出され、[14C]オレオイル基はDAG中に見出された。この
ことは、R. communisおよびC. palaestinaのTAGプールにおいて、それぞれ、リ
シノール酸およびベルノール酸がin vivoで高水準であることが、これらの生物
における、対応するアシル基のPCからTAGへの効率のよい選択的な転移によって
説明可能であることを示している。
【0070】 発芽過程のトウゴマの実のミクロソーム標品を用いたトリアシルグリセロール
のin vitro合成を表1に要約する。
【0071】PDAT: アシルCoAに依存しないTAG合成を触媒する新規酵素 DAGが、脂肪種子ミクロソームによって触媒される反応において、アシル受容
体としてだけでなくアシル供与体としても機能しうるかどうかを調べた。そのた
めに、非標識ジベルノロイル-DAGをsn-1-オレオイル-sn-2-[14C]リシノレオイル
-DAGまたはsn-1-オレオイル-sn-2-[14C]リシノレオイル-PCのいずれか一方とと
もにR. communisミクロソームの存在下でインキュベートした。[14C]リシノレオ
イル基およびベルノロイル基の両方を含有するTAG分子の合成は、[14C]リシノレ
オイル-PCをアシル供与体としたとき、[14C]リシノレオイル-DAGと比較して5倍
高かった(図1B)。このデータは、脂肪種子ミクロソームによるアシルCoAに依
存しないTAG生成において、PCが直接のアシル供与体であり、DAGはアシル受容体
であることを強く示唆している。したがって、上記反応は、リン脂質:ジアシル
グリセロールアシルトランスフェラーゼ(PDAT)と名付けた新規酵素によって触
媒されうるものである。
【0072】酵母ミクロソームにおけるPDAT活性 野生型酵母細胞を、TAG合成が誘導される条件下で培養した。ミクロソーム膜
を上記細胞から調製し、sn-2-[14C]-リシノレオイル-PCおよびDAGとともにイン
キュベートし、生成した14C標識産物を分析した。中性脂質画分中のPC由来[14C]
リシノレオイル基は、主として遊離脂肪酸またはTAG中に見出され、また、合成
されたTAGの量は、反応に添加したDAGの量に依存した(図2)。外因性の添加さ
れたsn-2-[14C]リシノレオイル-PCおよび非標識ベルノロイル-DAGから、in vivo
では存在しないTAG種である、リシノレオイル基およびベルノロイル基の両方を
含有するTAGがin vitroで合成されること(図2、3レーン)から、酵母ミクロソ
ーム膜においてPCおよびDAGを基質とする、アシルCoAに依存しないTAG合成の存
在が明白に示される。結論として、酵母におけるTAG合成は植物で発見されたPDA
Tに類似した酵素によって触媒されると考えられる。
【0073】酵母におけるPDATをコードする遺伝子 酵母ゲノム中の遺伝子(YNR008w)が知られているが、YNR008wの機能については
、その遺伝子が正常な環境での生育にとって必須ではないということ以外何も知
られていない。ミクロソーム膜を、未知の機能を有する上記遺伝子が破壊されて
いる酵母菌株FVKT004-04C(AL)(8)から調製した。sn-2位に放射能標識脂肪酸を有
するPCを用いてミクロソーム中のPDAT活性を測定した。この破壊菌株には活性が
全くないことが明らかになった(図2、4レーン)。意味深いこととして、単コピ
ープラスミドpUS1上にYNR008wが存在することによって、活性を部分的に回復す
ることが可能であった(図2、5レーン)。さらに、ホスファチジルエタノールア
ミン(PE)のアシル基は、野生型株由来のミクロソームによって効率よくTAGに取
り込まれるが、変異株ではこの基質からの取り込みは生じない(データ示さず)
。上記は、YNR008wが、リン脂質のsn-2位からDATへのアシル基転移を触媒する酵
母PDATをコードし、それによってTAGを生成することを示している。エルゴステ
ロールを添加してインキュベートしても放射性PCからコレステロールは生成せず
、PCから生成した放射性遊離脂肪酸の量もYNR008w遺伝子の破壊によって影響を
受けないことに留意されたい(データ示さず)。上記は、酵母PDATがコレステロ
ールエステル合成活性またはホスホリパーゼ活性をもたないことを明らかに示し
ている。
【0074】PDATを過剰発現する酵母細胞におけるTAG含量の増加 ガラクトース誘導GAL1:TPK2プロモーターから遺伝子を発現するpUS4プラスミ
ドを用いて野生型酵母菌株を形質転換することによって、PDATをコードする遺伝
子の過剰発現の影響を調べた。空の発現ベクターを有する細胞を対照として使用
した。合成グリセロール-エタノール培地で細胞を増殖させ、2時間後(初期対数
増殖期)または25時間後(定常期)に、ガラクトースの添加によって遺伝子の発
現を誘導した。続いて、細胞をさらに21時間インキュベートした後、集菌し、ア
ッセイした。PDATの過剰発現は、光学濃度によって測定される増殖速度には有意
な影響を与えないことが判明した。しかしながら、酵母乾重量1mgあたりの脂肪
酸(μmol)として測定される総脂質含量は、対照よりもPDAT過剰発現株において4
7%(対数期)もしくは29%(定常期)高かった。さらに、極性脂質およびステロ
ールエステル含量は、PDAT過剰発現の影響を受けなかった。それよりも、こうし
た細胞における脂質含量の増加は、完全にTAG含量の増加によっている(図3A,B
)。これより、TAGの量は、PDATを過剰に発現する初期対数期の細胞において2倍
に増加し、定常期の細胞では40%増加した。DAGATが誘導され、したがってそれ
がTAG合成にかなり寄与するような条件下(すなわち定常期)においても、TAG含
量の有意な増加が、PDATの過剰発現によって達成されたことに注目すると、興味
深い。PDAT過剰発現株由来のミクロソームで測定されたin vitro PDAT活性は対
照株より7倍高く、この知見は、in vivoで観察されたTAGレベルの増加と符合す
る(図3C)。このような結果は、トランスジェニック生物における油含量の増加
に関して、PDAT遺伝子の潜在的な利用可能性を明白に示している。
【0075】酵母PDATの基質特異性 PDAT過剰発現株から調製したミクロソームを用いて、酵母PDATの基質特異性を
分析した(図4参照)。ジ-オレオイル-PCをアシル供与体とする図4に示された条
件下で、TAG合成の速度は、0.15 nmol/min/mgタンパク質であった。PCの2つのオ
レオイル基の両方を標識して、所定のアッセイ条件下で、11 pmol/minの[14C]オ
レオイル鎖のTAGへの転移、および15 pmol/minのリゾ-PCの生成を検出すること
ができた。PDAT欠失株由来のミクロソームでは、TAGはまったく検出されず、リ
ゾ-PCも検出量は僅少であって、このことは酵母PDATが、基質としてPCおよびDAG
を供給されたとき、等モル量のTAGおよびリゾ-PCの生成を触媒することを強く示
唆している。TAGよりも若干多くのリゾ-PCが生成するという事実は、酵母ミクロ
ソーム中のホスホリパーゼ(PCからリゾ-PCおよびエステル化されていない脂肪
酸を生成する)の存在によって説明することができる。
【0076】 ミクロソームを、sn-1位(図4A棒グラフ2)またはsn-2位(図4A棒グラフ3)の
いずれかに[14C]アシル基を有するジ-オレオイル-PCとともにインキュベートす
ることによって、異なるアシル基位置に対する酵母PDATの特異性を調べた。前者
の場合、生成した主要な14C-標識産物はリゾ-PCであり、後者では、TAGであるこ
とが判明した。酵母PDATはリン脂質のsn-2位からDAGへのアシル基転移に対して
特異性を示し、それによってsn-1-リゾ-PCおよびTAGを生成すると結論づけた。
所定のアッセイ条件下で、CDP-コリン:コリンホスホトランスフェラーゼの可逆
反応によって、sn-1標識PCから微量の14C-標識DAGが生成する。つぎに、この標
識DAGはPDAT活性によって、さらにTAGに変換されうる。したがって、sn-1位に[1 4 C]アシル基を有するジ-オレオイル-PC存在下で生成する小量の標識TAGが、sn-1
位にも作用しうるPDATによってsn-1標識PCから直接合成されたのか、あるいは、
まずsn-1標識DAGに変換された後、PCのsn-2位のアシル基転移に対して厳密な選
択性を有するPDATによってアシル化されたのかを区別することは不可能である。
総合すれば、上記は、YNR008wによってコードされたPDATがPCのsn-2位からDAGへ
のアシル転移を触媒し、その結果TAGおよびリゾ-PCの生成に至ることを示してい
る。
【0077】 アシル供与体のヘッド基、転移されるアシル基、および受容体DAG分子のアシ
ル鎖に関して、酵母PDATの基質特異性をさらに分析した。S. cerevisiaeの2つの
主要な膜脂質は、PCおよびPEであって、図4B(棒グラフの1および2)に示すよう
に、ジオレオイル-PEはジオレオイル-PCよりもPDAT触媒反応におけるアシル供与
体としてほぼ4倍効率がよい。さらに、アシル転移速度は、転移されるアシル基
のタイプに強く依存する。すなわち、PCのsn-2位のリシノレオイル基は、同じ位
置のオレオイル基よりも2.5倍効率よくTAGに転移される(図4B、棒グラフ1およ
び3)。これに対して、酵母PDATはオレオイル基よりベルノロイル基の転移を優
先することはない(図4B、棒グラフ1および4)。受容体DAG分子のアシル鎖も反
応の効率に影響を与える。すなわち、リシノレオイルまたはベルノロイル基を有
するDAGは、ジオレオイルDAGよりも効率のよいアシル受容体である(図4B、棒グ
ラフ1、5および6)。総合すると、上記の結果は、明らかに、PDAT触媒アシル転
移の効率が基質である脂質の性質に強く依存していることを示している。
【0078】PDAT遺伝子 いくつかのPDAT遺伝子のヌクレオチドおよびアミノ酸配列を配列番号1から15
に示す。さらに暫定配列および/または部分配列をそれぞれ配列番号16から20、
および21から31に示す。シロイヌナズナ(Arabidopsis)のゲノム配列の1つ(
配列番号4)は、シロイヌナズナ EST cDNAクローン; T04806であることが判明し
た。このcDNAクローンは完全に性質が明らかになっており、ヌクレオチド配列は
配列番号5に示される。T04806cDNAおよびシロイヌナズナ(Arabidopsis thalian
a)ゲノムDNA配列(配列番号4)の配列相同性に基づいて、このcDNAクローンに
は417位に追加のAが存在することは明らかである(データは示さない)。このヌ
クレオチドを無視すると、配列番号12に記載されたアミノ酸配列が与えられる。
【0079】酵母PDATを発現するシロイヌナズナの種子におけるTAG含量の増加 酵母PDAT遺伝子をシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)において発現させ
るために、pBluescript-PDAT由来のEcoR1断片をナピンプロモーター(25)とと
もにベクターpGPTV-KAN(26)にクローニングした。正しい方向で酵母PDAT遺伝
子を有するプラスミド(pGNapPDAT)を同定し、アグロバクテリウム・ツメファシ
エンス(Agrobacterium tumefaciens)に形質転換した。根形質転換法(27)を用
いてシロイヌナズナ コロンビア(Arabidopsis thaliana columbia)(C-24)系
統の植物を形質転換するために上記細菌を使用した。空のベクターで形質転換さ
れた植物を対照として使用した。
【0080】 第1世代種子(T1)を集め、カナマイシン含有培地上で発芽させた。第2世代種
子(T2)を、個々の植物から集め、2%硫酸/メタノール溶液を用いてその種子を
85℃で1.5時間メチル化した後、その脂肪酸含量を、気-液クロマトグラフィーに
よるメチルエステルの定量によって分析した。定量は、ヘプタデカン酸メチルエ
ステルを内部標準として行なった。
【0081】 pGNapPDATを用いた形質転換から、1個のT1植物(26-14)は7個のT2植物を生み
だし、そのうちの3植物は、空のベクターで形質転換されたT1植物32-4から発芽
させたT2植物由来の種子より統計学的に(平均差両側検定において)高い脂肪含量
を示す種子を生じた(表2)。
【0082】明細書に引用された参考文献: 1. Bell, R. M. & Coleman, R. A. (1980) Annu. Rev. Biochem. 49, 459-487.
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. Acad. Sci. USA 85, 5536.
【0083】図面の説明 図1 植物ミクロソームによる中性脂質画分中への14C-標識PCの代謝 (A)ヒマワリ、R. communisおよびC. palaestinaの発芽種子由来のミクロソ
ームを、30℃で80分間、sn-1位にオレイン酸を有し、sn-2位には14C-標識オレイ
ン酸、同リシノール酸、または同ベルノール酸のいずれかを有するPC(8 nmol)
とともに、インキュベートした。TAG(白抜きの棒グラフ)、DAG(べた塗りの棒
グラフ)、およびエステル化されていない脂肪酸(斜線の棒グラフ)に取り込ま
れた放射能を、薄層クロマトグラフィーに続いて電子オートラジオグラフィーを
用いて測定し、添加した標識基質に関する百分率で示した。(B)2つのベルノロ
イル基、および1つの[14C]リシノレオイル基を有するTAGの、R. communis由来の
ミクロソームによるin vitro合成。sn-1-オレオイル-sn-2-[14C]リシノレオイル
-DAG(0.4 nmol, 7700 dpm/nmol)またはsn-1-オレオイル-sn-2-[14C]リシノレ
オイル-PC(0.4 nmol, 7700 dpm/nmol)とともに、標識のないジベルノロイル-D
AG(5 nmol)を、基質として添加した。ミクロソームを基質とともに、30℃で30
分間インキュベートした後、「一般法」の節で説明したように、サンプルを脂質
分析のために取り除いた。示したデータは、2回の実験の平均である。
【0084】図2 TLC上で分離された中性脂質産物のオートラジオグラムによって可視化された酵
母ミクロソームにおけるPDAT活性 野生型酵母菌株FY1679(レーン1-3)、YNR008wが破壊されたコンジェニック酵
母菌株(FVKT004-04C(AL))(レーン4)、または、もともと存在するプロモータ
の後ろにYNB008wを有するプラスミドpUS1で形質転換された同様の破壊株(レー
ン5)由来のミクロソーム膜(10 nmol PC)のPDAT活性を測定した。基質として
、5 nmol ジオレオイル-DAG(レーン2, 4および5)またはrac-オレオイル-ベル
ノレオイル-DAG(レーン3)のいずれかとともに、2 nmol sn-1-オレオイル-sn-2
-[14C]リシノレオイル-PCを用いた。酵素検定および脂質分析は、「材料および
方法」に記載のように実施した。細胞を20時間、液体YPD培地中で前培養し、集
菌し、16 g/lグリセロールを含有する同容量の最小培地(19)中に再懸濁した。
次に、その細胞をさらに24時間増殖させた後集菌した。プラスミドの選択は、形
質転換細胞をウラシルを欠いた合成培地中で増殖させることによって維持された
(18)。略号:1-OH-TAG, モノリシノレオイル-TAG;1-OH-1-ep-TAG, モノリシ
ノレオイル-モノベルノロイル-TAG;OH-FA, エステル化されていないリシノール
酸。
【0085】図3 PDAT過剰発現酵母細胞における脂質含量(A, B)およびPDAT活性(C) プラスミドpUS4におけるPDAT遺伝子は、野生型株W303-1Aにおいて、ガラクト
ース-誘導GAL1-TPK2プロモーターから過剰に発現された。増殖の(A)2時間後、
または(B)25時間後に、最終濃度2%(w/v)のガラクトースの添加によって発現を
誘導した。次に、細胞をさらに22時間インキュベートし、集菌した。集められた
細胞の脂質の量を、脂肪酸含量のGLC-分析によって定量し、TAG(白抜きの棒グ
ラフ)、極性脂質(斜線)、ステロールエステル(べた塗り)およびその他の脂
質(たて縞)に関して、乾重量1mg当たりの脂肪酸量(μmol)として示す。示さ
れたデータは、3回の独立した酵母培養で得られた結果の平均値である。(C)空
のベクター(vector)またはPDATプラスミド(+PDAT)を含有する酵母細胞から
調製されたミクロソームによるTAGのin vivo合成。細胞は図3Aの場合と同様に増
殖させた。基質となる脂質、ジオレオイル-DAG(2.5 nmol)およびsn-1-オレオ
イル-sn-2-[14C]-オレオイル-PC(2 nmol)をミクロソームのアリコート(10 nm
ol PC)に添加し、続いてそれを28℃で10分間インキュベートした。TAGに取り込
まれた標識の量を電子オートラジオグラフィーで定量した。提示した結果は、2
実験の平均値である。
【0086】図4 酵母PDATの基質特異性 凍結乾燥ミクロソームのアリコート(10 nmol PC)を基質である脂質とともに
、30℃で、10分間(パネルA)または90分間(パネルB)インキュベートすること
によって、PDAT活性を測定した。図に示すようなさまざまな標識されたリン脂質
とともに、標識のないDAG(2.5 nmol)を基質として使用した。(A)酵母PDATの
アシル供与体基質に関するsn-位置特異性。sn-1-[14C]オレオイル-sn-2-[14C]オ
レオイル-PC(ジ-[14C]-PC)、sn-1-[14C]オレオイル-sn-2-オレオイル-PC(sn-
1-[14C]-PC)またはsn-1-オレオイル-sn-2-[14C]オレオイル-PC(sn-2-[14C]-PC
)のいずれかとともに、ジオレオイル-DAG。(B)リン脂質のヘッド基に関する
、およびリン脂質ならびにジアシルグリセロールのアシル組成についての、酵母
PDATの特異性。sn-1-オレオイル-sn-2-[14C]オレオイル-PC(オレオイル-PC)、
sn-1-オレオイル-sn-2-[14C]オレオイル-PE(オレオイル-PE)、sn-1-オレオイ
ル-sn-2-[14C]リシノレオイル-PC(リシノレオイル-PC)、またはsn-1-オレオイ
ル-sn-2-[14C]ベルノロイル-PC(ベルノロイル-PC)のいずれかとともに、ジオ
レオイル-DAG。右端の2本の棒グラフに示した実験において、モノリシノレオイ
ル-DAG(リシノレオイル-DAG)またはモノベルノロイル-DAG(ベルノロイル-DAG
)をsn-1-オレオイル-sn-2-[14C]オレオイル-PCとともに使用した。TAG(べた塗
り棒グラフ)およびリゾ-PC(LPC、白抜き棒グラフ)に取り込まれた標識を、電
子オートラジオグラフィーによって定量した。記載された結果は、2実験の平均
値である。使用したミクロソームは、図3での記載と同様に、GAL1-TPK2プロモー
ターからPDAT遺伝子を過剰発現するW303-1A細胞由来とした。初期定常期に発現
を誘導し、さらに24時間経過後に細胞を集めた。
【0087】表1 発芽過程のトウゴマの実のミクロソーム標品におけるトリアシルグリセロールの in vivo合成 ミクロソームのアリコート(20 nmol PC)を凍結乾燥し、基質の脂質をベンゼ
ン溶液として添加した:(A) 0.4 nmol [14C]-DAG (7760dpm/nmol)およびこの場
合指示された1.6 nmol非標識DAG;(B)0.4 nmol [14C]-DAG (7760dpm/nmol)お
よび5 nmol非標識ジリシノレオイル-PCおよび(C)0.25 nmol [14C]-PC (4000dp
m/nmol)および5 nmol非標識DAG。ベンゼンを窒素で蒸発させ、0.1 mlの50 mMリ
ン酸カリウムを添加し、十分に混合し、30℃で(A)20分間;(B)および(C)3
0分間インキュベートした。脂質をクロロホルム中に抽出することによって、ア
ッセイを終了させた。次に脂質を、シリカゲル60プレート(Merck; Damrstadt,
ドイツ)上で、ヘキサン/ジエチルエーテル/酢酸35:70:1.5を用いて、薄層ク
ロマトグラフィーによって分離した。放射性脂質を可視化して、電子オートラジ
オグラフィー(Instant Imager, Packard, US)によってプレート上で放射能を
定量した。結果は、2実験の平均値として提示する。
【0088】 生成した異なった種類のトリアシルグリセロール(TAG)における放射能。使
用した略号:1-OH-、モノ-リシノレオイル-;2-OH-、ジ-リシノレオイル-;3-OH
-、トリ-リシノレオイル-;1-OH-1-ver-、モノ-リシノレオイル-モノベルノレオ
イル-;1-OH-2-ver-、モノ-リシノレオイル-ジベルノレオイル-。放射能標識DAG
およびPCを酵素的に調製した。放射能標識リシノレオイル基を脂質のsn-2位に、
非標識オレオイル基をsn-1位に結合させる。Euphorbia lagascaeまたはトウゴマ
の実の油にTAGリパーゼを作用させることによって、それぞれ、ベルノレオイル-
またはリシノレオイル鎖を有する非標識DAGを調製した。合成ジ-リシノレオイル
-PCは、Matapontum Agribios (イタリア)のご厚意により提供された。
【0089】表2 ナピンプロモーター(26-14)の制御下で酵母PDAT遺伝子で形質転換された、
または空のベクター(32-4)で形質転換された、シロイヌナズナ植物個体から集
められたT2種子のmg当りの総脂肪酸。
【0090】 * = α= 5の平均差両側検定における、対照植物およびPDAT形質転換植物間の統
計学的な相違
【0091】配列の説明 配列番号1:サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae) PDAT
遺伝子、YNR008w(GenBank登録番号Z71623およびY13139、ならびにヌクレオチド
ID番号1302481)のゲノムDNA配列および示唆されるアミノ酸配列。 配列番号2:サッカロミセス・セレビシエ由来の、示唆されるオープンリーデ
ィングフレームYNR008wのアミノ酸配列。 配列番号3:サッカロミセス・セレビシエ遺伝子SPBC776.14のゲノムDNA配列。 配列番号4:シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)遺伝子座(GenBank登録
番号AB006704)の一部のゲノムDNA配列。 配列番号5:シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)cDNAクローン(GenBank
登録番号T04806、およびヌクレオチドID番号315966)のヌクレオチド配列。 配列番号6:GenBank登録番号T04806のシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana
)cDNAクローン(GenBank登録番号T04806)の推定アミノ酸配列。 配列番号7:トウモロコシ(Zea mays)ESTクローン(GenBank登録番号AI49133
9、およびヌクレオチドID番号4388167)のヌクレオチドおよびアミノ酸配列。 配列番号8:トウモロコシ(Zea mays)ESTクローン(GenBank登録番号AI49133
9、およびヌクレオチドID番号4388167)の推定アミノ酸配列。 配列番号9:アカパンカビ(Neurospora crassa)ESTクローンW07G1(GenBank
登録番号AI398644、およびヌクレオチドID番号4241729)の一部のDNA配列。 配列番号10:シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)遺伝子座(GenBank登
録番号AC004557)の一部のゲノムDNA配列。 配列番号11:シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)遺伝子座(GenBank登
録番号AC003027)の一部のゲノムDNA配列。 配列番号12:トマト(Lycopersicon esculentum)cDNAクローン(GenBank登録
番号AI486635)の一部のDNA配列。 配列番号13:シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)遺
伝子SPBC776.14のシゾサッカロミセス・ポンベ推定オープンリーディングフレー
ムCAA22887のアミノ酸配列。 配列番号14:シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)遺伝子座(GenBank登
録番号AC004557)由来のシロイヌナズナ推定オープンリーディングフレームAAC8
0628のアミノ酸配列。 配列番号15:シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)遺伝子座(GenBank登
録番号AB003027)由来のシロイヌナズナ推定オープンリーディングフレームAAD1
0668のアミノ酸配列。
【0092】その他の暫定的および/または部分的な配列が下記の配列によって定義される : 配列番号16:サッカロミセス・セレビシエ由来の酵母ORF YNR008wのアミノ酸
配列。 配列番号17:シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ゲノム配列(AC004557
)の領域のアミノ酸配列。 配列番号18:シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ゲノム配列(AB006704
)の領域のアミノ酸配列。 配列番号19:サッカロミセス・セレビシエ由来の酵母ORF YNR008wの対応する
ゲノムDNA配列およびアミノ酸配列。 配列番号20:対応するゲノムDNA配列から得られた、サッカロミセス・セレビ
シエ由来の酵母ORF YNR008wのアミノ酸配列。 配列番号21:サッカロミセス・セレビシエPDAT遺伝子、YNR008w(GenBankヌク
レオチドID番号1302481)のゲノムDNA配列および示唆されるYNR008wアミノ酸配
列。 配列番号22:サッカロミセス・セレビシエ由来の酵母遺伝子YNR008wの示唆さ
れるアミノ酸配列。 配列番号23:シゾサッカロミセス・ポンベ遺伝子SPBC776.14のゲノムDNA配列
。 配列番号24:シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)遺伝子座(GenBank登
録番号AB006704)の一部のゲノムDNA配列。 配列番号25:シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ESTクローン(GenBank
登録番号T04806、およびヌクレオチドID番号315966)のヌクレオチド配列および
対応するアミノ酸配列。 配列番号26:トウモロコシ(Zea mays)cDNAクローン(GenBank ID番号43881
67)のヌクレオチドおよびアミノ酸配列。 配列番号27:トウモロコシ(Zea mays)cDNAクローン(GenBank ID番号438816
7)のアミノ酸配列。 配列番号28:アカパンカビ(Neurospora crassa)cDNAクローンW07G1、ID番号
4241729の一部のDNA配列。 配列番号29:シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)遺伝子座(GenBank登
録番号AC004557)の一部のゲノムDNA配列。 配列番号30:シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)遺伝子座(GenBank登
録番号AC003027)の一部のゲノムDNA配列。 配列番号31:トマト(Lycopersicon esculentum)cDNAクローン(GenBank登録
番号AI486635)の一部のDNA配列。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 植物ミクロソームによる中性脂質画分中への14C-標識PCの代謝を調べた結果を
示すグラフである。
【図2】 TLC上で分離された中性脂質産物のオートラジオグラムによって可視化された
、酵母ミクロソームにおけるPDAT活性を示す図である。
【図3】 PDAT過剰発現酵母細胞における脂質含量(A, B)およびPDAT活性(C)を示す
図である。
【図4】 酵母PDATの基質特異性を示す図である。
【図5】 発芽過程のトウゴマの実のミクロソーム標品におけるトリアシルグリセロール
のin vivo合成において、TAGに取り込まれた[14C]-アシル基の量(mol%)を示す表
である(表1)。
【図6】 ナピンプロモーター(26-14)の制御下で酵母PDAT遺伝子で形質転換された、
または空のベクター(32-4)で形質転換された、シロイヌナズナ植物個体から集
められたT2種子のmg当りの総脂肪酸量(nmol)を示す表である(表2)。
【手続補正書】
【提出日】平成13年11月13日(2001.11.13)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 7/64 C12R 1:91 //(C12P 7/64 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:645) 5/00 C (C12P 7/64 C12R 1:91) (31)優先権主張番号 60/180,687 (32)優先日 平成12年2月7日(2000.2.7) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 レンマン、マリト スウェーデン国 エス−223 59 ルンド、 レヴィンゲゲーテン 13エー (72)発明者 バナス、アントニー ポーランド国 ピーエル−08110 シード ルス、ウィオリノワ 14 (72)発明者 ロンネ、ハンス スウェーデン国 エス−756 54 ユップ サラ、ディリゲントヴェーゲン 169 (72)発明者 スティムネ、ステン スウェーデン国 エス−269 90 スヴァ レフ、トールレーサ 1380 Fターム(参考) 2B030 AA02 AB03 AD08 CA17 CA19 CB03 CD02 CD07 CD09 4B024 AA03 AA08 BA79 BA80 CA01 DA01 DA12 GA11 4B050 CC01 CC03 DD03 DD04 DD13 EE10 LL05 LL10 4B064 AD85 CA06 CA11 CA19 CB30 CC24 DA11 DA20 4B065 AA57Y AA72X AA72Y AA88X AA88Y AB01 AC14 BA02 CA13 CA27 CA29 CA41 CA53 CA60

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリアシルグリセロール生成の生合成経路においてリン脂質
    からジアシルグリセロールへの脂肪酸の転移をアシルCoA非依存型反応で触媒す
    る酵素。
  2. 【請求項2】 配列番号2で表されるアミノ酸配列を含む請求項1に記載の
    酵素またはその機能的断片、誘導体、対立遺伝子、相同体もしくはイソ酵素。
  3. 【請求項3】 リン脂質:ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ
    (PDAT)と呼ばれる、請求項1または2に記載の酵素。
  4. 【請求項4】 配列番号16、20もしくは22で表されるアミノ酸配列を含む請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の酵素またはその機能的断片、誘導体、対立遺
    伝子、相同体もしくはイソ酵素。
  5. 【請求項5】 配列番号6、8、13、14、15、17、18、25または27で表される
    配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む請求項1〜4のいずれか1項
    に記載の酵素またはその機能的断片、誘導体、対立遺伝子、相同体もしくはイソ
    酵素。
  6. 【請求項6】 配列番号1、3、4、5、7、9、10、11、12、19、21、23、24、
    25、26、28、29、30または31で表される配列からなる群より選択されるヌクレオ
    チド配列、その一部、誘導体、対立遺伝子もしくは相同体によりコードされるア
    ミノ酸配列を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の酵素、または該酵素をコ
    ードするアミノ酸配列の機能的断片、誘導体、対立遺伝子、相同体もしくはイソ
    酵素。
  7. 【請求項7】 トリアシルグリセロール生成の生合成経路におけるリン脂質
    からジアシルグリセロールへの脂肪酸の転移をアシルCoA非依存型反応で触媒す
    る酵素をコードするヌクレオチド配列。
  8. 【請求項8】 リン脂質:ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ
    (PDAT)と呼ばれる酵素をコードする、請求項7に記載のヌクレオチド配列。
  9. 【請求項9】 配列番号1、3、4、10、11、19、21、23、24、29または30で
    表される配列からなる群より選択される請求項7または8に記載のヌクレオチド
    配列またはその一部、誘導体、対立遺伝子もしくは相同体。
  10. 【請求項10】 配列番号5、7、9、12、25、26、28または31で表される配
    列からなる群より選択される請求項7〜9のいずれか1項に記載の完全長ヌクレ
    オチド配列に対応する部分ヌクレオチド配列またはその一部、誘導体、対立遺伝
    子もしくは相同体。
  11. 【請求項11】 配列番号1、3、4、5、7、9、10、11、12、19、21、23、24
    、25、26、28、29、30または31で表される配列からなる群より選択されるヌクレ
    オチド配列に対して少なくとも40%の相同性を有するヌクレオチド配列を含む、
    請求項7〜10のいずれか1項に記載のヌクレオチド配列。
  12. 【請求項12】 異種核酸に機能し得る形で連結された請求項7〜11のいず
    れか1項に記載のヌクレオチド配列を含む遺伝子構築物。
  13. 【請求項13】 請求項7〜11のいずれか1項に記載のヌクレオチド配列ま
    たは請求項12に記載の遺伝子構築物を含むベクター。
  14. 【請求項14】 発現ベクターである、請求項13に記載のベクター。
  15. 【請求項15】 選択マーカー遺伝子および/または宿主細胞での複製また
    は宿主細胞のゲノムへの組込みのためのヌクレオチド配列をさらに含む、請求項
    13または14に記載のベクター。
  16. 【請求項16】 請求項7〜11のいずれか1項に記載のヌクレオチド配列
    および/または請求項12に記載の遺伝子構築物および/または請求項13〜1
    5のいずれか1項に記載のベクターを含むトランスジェニック細胞または生物。
  17. 【請求項17】 真核細胞または真核生物である、請求項16に記載のトラ
    ンスジェニック細胞または生物。
  18. 【請求項18】 酵母細胞または植物細胞または植物である、請求項16ま
    たは17に記載のトランスジェニック細胞または生物。
  19. 【請求項19】 トリアシルグリセロール生成の生合成経路が改変されてい
    る請求項16〜18のいずれか1項に記載のトランスジェニック細胞または生物
  20. 【請求項20】 油含量が変化している請求項16〜19のいずれか1項に
    記載のトランスジェニック細胞または生物。
  21. 【請求項21】 PDATの活性が変化している請求項16〜20のいずれか1
    項に記載のトランスジェニック細胞または生物。
  22. 【請求項22】 PDATの活性の変化が、該酵素の遺伝子発現、該酵素の触媒
    活性および/または該酵素の活性の調節における変化を特徴とする、請求項16
    〜21のいずれか1項に記載のトランスジェニック細胞または生物。
  23. 【請求項23】 トリアシルグリセロール生成の改変された生合成経路が、
    膜脂質において望ましくない脂肪酸の蓄積が阻害されていることを特徴とする、
    請求項16〜22のいずれか1項に記載のトランスジェニック細胞または生物。
  24. 【請求項24】 請求項16〜23のいずれか1項に記載のトランスジェニ
    ック細胞または生物を、請求項7〜11のいずれか1項に記載のヌクレオチド配
    列が発現される条件下で増殖させることを含む、トリアシルグリセロールの製造
    方法。
  25. 【請求項25】 請求項24に記載の方法によって製造されたトリアシルグ
    リセロール。
  26. 【請求項26】 珍しい脂肪酸を用いて1種以上のトリアシルグリセロール
    を製造するための、請求項7〜11のいずれか1項に記載のヌクレオチドおよび
    /または請求項1〜6のいずれか1項に記載の酵素の使用。
  27. 【請求項27】 任意の細胞または生物を形質転換して該細胞または生物で
    発現させることにより該細胞または生物の油含量を変化させる、好ましくは増大
    させるための、請求項7〜11のいずれか1項に記載のヌクレオチド配列および
    /または請求項1〜6のいずれか1項に記載の酵素の使用。
JP2000609586A 1999-04-01 2000-03-28 トリアシルグリセロール生成の生合成経路における新規クラスの酵素および該酵素をコードする組換えdna分子 Withdrawn JP2002541783A (ja)

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