JP2007209240A - 脂質生産性の高い形質転換微生物 - Google Patents

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Abstract

【課題】トリアシルグリセロールなどの脂質を高含量で含む真核微生物変異株を取得するとともに、これを用いて脂質を効率よく製造する。
【解決手段】
脂質合成抑制遺伝子が破壊または機能低下している変異株に、トリアシルグリセロール合成系酵素遺伝子を少なくとも一種以上導入して形質転換体を得、該形質転換体を培養して該形質転換体から脂質を採取する。

Description

本発明は、高い脂質生産性を有する形質転換微生物、及びこれを用いた脂質の製造方法に関するものである。
酵母サッカロミセス・セレビシェは、遺伝子工学技術が確立され、全ゲノム配列も決定されているなどの利点から、遺伝子組み換え技術を利用した物質生産の宿主として盛んに用いられている。また、古来より醸造に用いられるなど産業上重要な微生物であり、菌体そのものも栄養価のあるものとして食用できるものである。
中性脂質は、食用や工業用に様々な用途があり、産業上の供給源としては、植物種子中に含まれるものが主なものである。含まれる脂肪酸の種類によって、生理活性、物性なども異なっており、異なった用途に用いられている。このうち、生理活性をもつ高度不飽和脂肪酸の多くは通常の植物油には含まれず、その生産手段が限られているため、それらの高度不飽和脂肪酸を生産する微生物、藻類などの探索が行われてきた。近年は、さらにこれらの生物由来の高度不飽和脂肪酸の合成酵素である不飽和化酵素、鎖長延長酵素の遺伝子の同定が進み、それらの遺伝子を利用して、高度不飽和脂肪酸を生産させる試みもなされている。
高度不飽和脂肪酸の合成酵素遺伝子を発現させる宿主としては、植物そのものも試みられているが、多細胞生物ゆえに高度不飽和脂肪酸を効率よく生産させることは現時点ではむずかしい。これに対して、単細胞の真核生物であり、遺伝子レベルでの情報も豊富な酵母サッカロミセス・セレビシェは、容易に遺伝子を導入することができることから、合成酵素遺伝子の反応を検出するための宿主として、頻繁に用いられている。
しかしながら、この酵母は、その菌体成分のうち、脂質の占める割合は5%程度で、他の脂質蓄積微生物や植物種子油に比べて、生産性は低いために、遺伝子組み換え技術などを用いて、脂質を生産させることは実用的ではない状況である。これまで、培養条件等の改良によってトリアシルグリセロール(トリグリセリド(TG))の含量を増加させる報告があるが(非特許文献1参照)、大きな増加は見られていない。また、培養中に脂肪酸を加えてこれらを取り込ませることによって、酵母の脂質含量を増加させることも報告されているが(非特許文献2参照)、他の脂質蓄積微生物に比べ充分高い数字とはいえない。
これまでに、カロチノイド(非特許文献3,特許文献1参照)、スクアレン(特許文献2,3参照)、エルゴステロール(特許文献4参照)などの脂質を遺伝子レベルの改変によって酵母に生産させた報告があるが、トリアシルグリセロールを主とした貯蔵中性脂質の増加を遺伝子レベルの改変によって、行った報告は少ない。また、トリアシルグリセロールの合成酵素であるジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ、リン脂質:ジアシルグリセロールトランスアシラーゼについては、遺伝子が同定され、それらの遺伝子の過剰発現も報告されており(非特許文献4、5、特許文献5参照)、トリアシルグリセロールなどの中性脂質の含量の多少の増加は見られるが、充分なものとはいえない。
Ratledge, C. in Microbial lipids Vol 2, 567-668 (1989) Dyer, J.M. et al, Appl. Microbiol.Biotechnol. 59, 224-230 (2002) Yamano, S. et al, Biosci. Biotech. Biochem.58, 1112 (1994) Bouvier-Nave, P. et al Eur. J. Biochem.,267, 85 (2000) Dahlqvist, A. et al Proc. Natl. Acad.Sci.USA, 97, 6487 (2000) WO91/13078 US5460949 特開平06-90743 EP1015597A1 WO00/01713
本発明の課題は、脂質の生物生産、特に、微生物を用いた脂質の生産において、微生物の脂質生産過程に関わる遺伝子発現の改変を行うことにより、トリアシルグリセロール(TG)などの脂質を高含量で含む株を取得し、これを用いて効率よく脂質を製造する点にある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく種々検討を重ねた結果、脂質の生物生産において、このTG合成経路中の数種類の酵素遺伝子の過剰発現と、脂質含量に影響を与える遺伝子として既に同定された遺伝子の破壊を組み合わせることによって、炭素源などの栄養源が脂質生産により多く振り分けられ、脂質生産性を格段に向上させることに成功するとともに、さらに、脂質生産のための培養条件の検討を行い、細胞重量あたりのTGなどの脂質総重量が30%程度に達した株が得られていることを確認し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(13)に示すとおりである。

(1)脂質合成抑制遺伝子が破壊または機能低下している微生物に、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ遺伝子、アシルCoAシンターゼ遺伝子、リン脂質:ジアシルグリセロールトランスフェラーゼ遺伝子、リゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼ遺伝子、グリセロール3リン酸アシルトランスフェラーゼ遺伝子、及びステロールアシルトランスフェラーゼ遺伝子の少なくとも1種以上の遺伝子が導入されていることを特徴とする、高脂質生産性を有する形質転換微生物。
(2)微生物がサッカロミセス・セレビシェに属する微生物であることを特徴とする、上記(1)に記載の形質転換微生物。
(3)DGA1遺伝子、FAA1,遺伝子、FAA2,遺伝子、FAA3,遺伝子、FAA4遺伝子、LRO1遺伝子、SCT1遺伝子、GPT2遺伝子、SLC1遺伝子、ARE1遺伝子、及びARE2遺伝子の少なくとも一種以上の遺伝子を有するベクターにより形質転換されていることを特徴とする、上記(2)に記載の形質転換微生物。
(4)上記ベクターが、マーカー遺伝子として栄養要求性を相補する遺伝子を有するものであることを特徴とする、上記(3)に記載の形質転換体。
(5)マーカー遺伝子がLEU2遺伝子を少なくとも含むことを特徴とする、上記(4)に記載の形質転換体。
(6)LEU2遺伝子が、請求項3に記載の遺伝子と同一のプロモータにより発現制御されていることを特徴とする、上記(5)に記載の形質転換体。
(7)IRA2 遺伝子、PRE9 遺伝子、SNF2遺伝子、SPT21遺伝子、PHO90遺伝子の一種以上が、破壊または機能低下していることを特徴とする、上記(2)〜(6)のいずれかに記載の形質転換微生物。
(8)遺伝子の破壊が、栄養要求性を相補するマーカー遺伝子の挿入によるものであることを特徴とする、上記(7)に記載の形質転換微生物。
(9)マーカー遺伝子がHIS3、URA3またはLEU2遺伝子であることを特徴とする、上記(8)に記載の形質転換微生物。
(10)上記(1)〜(10)のいずれか記載の形質転換体を培地に培養し、培養菌体から脂質を採取することを特徴とする、脂質の製造方法。
(11)窒素源欠乏培地で培養することを特徴とする、上記(10)に記載の製造方法。
(12)ロイシンを培地1L当たり100mg以上含有させることを特徴とする、上記(10)又は(11)に記載の製造方法。
(13)培地が脂肪酸を含有することを特徴とする、上記(10)〜(12)のいずれかに記載の製造方法。
本発明は、脂質の生物生産において遺伝子発現を改変することによって、炭素源などの栄養源をより効率良く脂質生産に振り分けて、高い脂質含量をもつ株を創出するものであり、当該株を使用することにより脂質生産性を格段に向上させることができる。特に、サッカロミセス・セレビシェのように遺伝子レベルでの知見が蓄積しているが、脂質の生産性が低い生物では、本発明による遺伝子改変が効果的である。
本発明は、脂質合成を抑制する遺伝子の変異によって、脂質生産量、脂質含量が増加している変異株にトリアシグリセロール(TG)の合成に関わる酵素の遺伝子(以下、TG合成系酵素遺伝子という場合がある。)を導入させることによって、脂質生産性が向上した形質転換株を取得するものである。
本発明者等は、先に、脂質合成を抑制する遺伝子として、トランスポゾン挿入変異により、サッカロミセス・セレビシェのSNF2遺伝子、IRA2遺伝子、PRE9遺伝子、SPT21遺伝子、PHO90遺伝子を同定し、これら遺伝子を破壊することにより、脂質生産性が向上したサッカロミセス・セレビジェの変異株を得ているが(特願2004-231887)、これらと相同性を有する遺伝子も脂質合成を抑制する機能を有する可能性が高く、これら相同性を有する遺伝子を破壊することにより、酵母等の真核生物のみならず、他の微生物においても脂質生産性を向上させることができる。
本発明において、上記脂質合成抑制遺伝子が破壊された変異株を取得する方法は、既に記載された方法(Nucleic Acids Res. 26, 860 (1998)、特願2004-231887)等によって行うことができる。
例えば、マーカー遺伝子の両端に、破壊しようとする対象遺伝子の上流域、下流域の配列を付加したDNAを作成し、該DNAを用いて宿主を形質転換することにより、導入したDNAが、破壊しようとする遺伝子の上流と下流域部分で、相同的組み替えを起こし、対象遺伝子を破壊することができる。
対象遺伝子が破壊された変異株は、マーカー遺伝子の発現による形質変化により識別できる。
本発明においては、その他の手法でも、遺伝子の機能を欠失あるいは低下させることができるものであれば使用可能である。これらには、上記破壊対象遺伝子を単離した後、適当な制限酵素で切断し、該切断部位にマーカー遺伝子を挿入して得た断片を用いて形質転換する方法、マーカー遺伝子を、破壊対象遺伝子の一部含むプラーマーを用いてPCRにより増幅し、形質転換する方法、あるいは突然変異剤などにより、ランダム変異を生じさせて、対象遺伝子が変異したものをスクリーニングする方法等がある。
マーカー遺伝子としては、例えば、サッカロミセス・セレビジェのHIS3、URA3、LEU2等の栄養要求性変異を相補する遺伝子あるいはこれらと相同性を有する遺伝子が挙げられる。また、抗性物質耐性遺伝子等も用いられる。
また、変異する遺伝子は1つでもよいし、2つ以上の遺伝子が変異したものを用いることも可能である。なお、本明細書にいう変異とは、上記脂質合成抑制遺伝子あるいはこれらと相同性を有する遺伝子を破壊あるいは変異させて、その機能を欠失または低下させることをいう。したがって、本明細書においてTG合成系酵素遺伝子を導入する変異株には、これら遺伝子の機能が完全に欠失した株のみならず、遺伝子の機能が低下している株も含む。
本発明で発現させるTG合成系酵素遺伝子としては、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ遺伝子、アシルCoA合成酵素遺伝子、リン脂質:ジアシルグリセロールトランスアシラーゼ遺伝子、リゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼ遺伝子、グリセロール3リン酸アシルトランスフェラーゼ遺伝子、ステロールアシルトランスフェラーゼ遺伝子などの遺伝子が既に利用可能であり、これらのうちの1つあるいは2つ以上の遺伝子を組み合わせて発現させることによって、脂質生産性を向上させることができる。使用するTG合成系酵素遺伝子の由来となる生物は、発現する微生物と同一でもよいし、他の生物でもよい。発現のしやすさや、酵素活性の強さなどを検討して、至適の酵素遺伝子を選択して使用すればよい。
例えば、サッカロミセス・セレビシェ由来のTG合成系酵素遺伝子としては、DGA1遺伝子、FAA1,遺伝子、FAA2,遺伝子、FAA3,遺伝子、FAA4遺伝子、LRO1遺伝子、SCT1遺伝子、GPT2遺伝子、SLC1遺伝子、ARE1遺伝子、及びARE2遺伝子等があげられる。また、これらと相同性を有する他の生物由来の遺伝子も使用することができる。
本発明におけるTG合成系酵素遺伝子の発現手法は、染色体外で複製するプラスミド等のベクター中に組み込んで行っても、染色体内に組み込まれるベクター中に組み込んで行ってもよく、これらTG合成系遺伝子を含有する組み換えベクターを用いて宿主微生物を形質転換する。
また、上記TG合成系酵素遺伝子を複数導入した形質転換体を作成する際、これら酵素遺伝子が導入された株を選別するため、マーカーとなる遺伝子がそれぞれ異なった何種類かのベクターを用意し、ベクター毎に各TG合成系酵素遺伝子をそれぞれ導入したベクターを調製して、これらベクターにより形質転換を行うこともできる。一方、1種類のベクター中に2つ以上の酵素遺伝子を組み込んで発現させてもよい。
TG合成系遺伝子が導入された形質転換体を選別するためのマーカー遺伝子としては、アミノ酸などの栄養要求性変異を相補する遺伝子や抗生物質薬剤耐性遺伝子などがあげられ、栄養要求性変異を相補する遺伝子としては、例えば、サッカロミセス・セレビジェのHIS3、URA3、LEU2等あるいはこれらと相同性を有する遺伝子が挙げられる。
HIS3はヒスチジン要求性変異を相補する遺伝子であり、ヒスチジン合成に必要なイミダゾールグリセロールリン酸デヒドロゲナーゼをコードするものであり、URA3はウラシル要求性変異を相補する遺伝子で、ウラシル合成に必要なオロチジン5‘リン酸カルボキシラーゼをコードする。また、LEU2は、ロイシン要求性変異を相補する遺伝子で、ロイシン合成に必要な3-イソプロピルリンゴ酸脱水素酵素をコードするものである。
これらのうち、LEU2遺伝子あるいはそれと相同性を有する他の生物の遺伝子をマーカーとするプラスミド等のベクターを少なくとも含むことが望ましい。LEU2遺伝子の導入は脂質生産を増大させる。したがって、LEU2遺伝子あるいはこれと相同性を有する遺伝子は、強力なプロモーターにより発現制御させることが好ましく、このためには、例えば、1種類の強力なプロモーター、ADH1プロモーター等により、LEU2遺伝子あるいはこれと相同性を有する遺伝子とTG合成系遺伝子を共発現させることが便利である。また、単にマーカー遺伝子としてのみ機能させる場合には、このような強力なプロモーターを用いずともよく、また、TG合成系酵素遺伝子のプロモーターと別異のプロモーターを用いてもよいことは当然である。
一方、上記したように、何種類かのプラスミド等のベクターを共存させる場合は、LEU2以外のマーカー遺伝子は、発現させる微生物の形質転換株が選別できるのであれば、どのようなものを用いてもよい。LEU2をマーカー遺伝子として使用しない場合は、LEU2あるいはロイシン合成経路の他の酵素遺伝子及び他の生物でのこれらと相同性を有する遺伝子を、他のマーカー遺伝子をもつプラスミドで発現させることが、脂質生産性の向上に寄与する。
本発明においては、脂質合成を抑制する遺伝子の変異によって、脂質生産量、脂質含量が増加している変異株に、TG合成系酵素遺伝子を発現させた形質転換株を培養するための培地として、例えば後述の実施例に挙げたようなSD培地(グルコースを炭素源とし、イーストナイトロジェンベースを窒素源とし、要求栄養素を加えた培地)を用いる事ができるが、培地の炭素源、窒素源の種類、培養温度、培養時間などについては、脂質生産性が高くなるのに最適な条件を適宜選択することができる。これらの条件としては、培地の窒素源の量が重要で、形質転換株の生育可能な範囲で窒素源欠乏培地を使用すれば、形質転換株の脂質生産性を向上させることができる。また、培地中にロイシンを要求する酵母株については、通常よりも高濃度のロイシンを培地に加えることによって、脂質生産性を向上させることができる。ロイシンの培地に対する添加量は、培地1L当たり100mg以上であり、好ましくは300mg/L〜900mg/Lである。しかし、この場合であっても、トータルの窒素源の含有量は低くすることが望ましい。
さらに、培地に高濃度の脂肪酸を加えると、形質転換株の高い脂肪酸取り込み能によって、細胞内に取り込まれ、細胞内での脂質含量が極めて高い株を作成することができる。このような脂肪酸を含む培地での培養によって、形質転換する株には本来存在しない脂肪酸を高濃度取り込ませることができる。

以下に、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
脂質生産性の高い出芽酵母サッカロミセス・セレビシェ形質転換株の取得
酵母サッカロミセス・セレビシェのSNF2遺伝子の変異株(BY4741Δsnf2株)(Mat a leu2D0 his3D1 ura3D0 met15D0 SNF2::kanMX)(インビトロジェン社製)あるいは野生株(BY4741株)(Mat a leu2D0 his3D1 ura3D0 met15D0) (インビトロジェン社製)を、宿主として用い、これらの株をTG合成系の酵素の遺伝子を組み込んだプラスミドで形質転換した。TGを合成する酵素は何種類か知られているが、最も主要な経路として知られているのは、ジアシルグリセロールとアシルCoAよりTGを合成する経路である(Sandager L., et al J. Biol. Chem. 277, 6478-6482 (2002))。
そこで、この経路を担う酵素であるジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(DGAT)とその基質であるアシルCoAを合成する酵素であるアシルCoA合成酵素の遺伝子の組み合わせで形質転換を行った。遺伝子としては、サッカロミセス・セレビシェのDGATであるDGA1(YOR245c)とアシルCoA合成酵素であるFAA3(YIL009w)を用いた。これらの遺伝子は、サッカロミセス・セレビシェのゲノムDNAを鋳型とし、表1のDGA1用及びFAA3用のプライマーを用いたPCRによって増幅して取得した。これらのプライマーは、既に決定されているゲノムDNA配列にもとづいて、それぞれの遺伝子全長を増幅できるように設計した。また、DGA1-1, FAA3-1はその末端に制限酵素SacI認識部位を含み、DGA1-2, FAA3-2はその末端に制限酵素XbaI認識部位を含んでいる。
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この時のPCRの増幅条件は、0.4 units KOD plus polymerase (Toyobo社製)、0.2 mM dNTP mixture、0.5μM プライマー、10 ng サッカロミセス・セレビシェのゲノムDNAを、1 mM MgCl2を含む添付の緩衝液中で反応させた(全反応液20μl)。増幅条件は、DGA1の場合は、94℃で2分間反応させた後、94℃(30秒間)/55℃(30秒間)/68℃(2分間)を1サイクルとして25回くり返すことで行った。FAA3の場合は、反応液中に1.2 mM MgCl2を含むことと、増幅の1サイクルが94℃(30秒間)/58℃(30秒間)/68℃(2分間)である以外は、DGA1と同様に行った。反応液は、0.7%アガロースゲル電気泳動にかけ、エチジウムブロマイド染色後、紫外線照射して、予期したサイズの単一バンドが得れたことを確認した。増幅したDGA1, FAA3は、PCR purification kit (キアゲン社製)により、プライマーなどを除いて、精製した。
得られたDGA1, FAA3遺伝子は、SacI、XbaI(ニッポンジーン社製)により制限酵素処理を行って、両端がSacI切断による粘着性末端及びXbaI切断による粘着性末端を作成する。ベクターとして、pL1091-5 (2μmを複製開始部位とするマルチコピーベクターで、インサート遺伝子の発現にグルコース培地で高発現のADH1プロモーターをもち、酵母での選択マーカーとしてURA3遺伝子を持ち、大腸菌での選択マーカーとしてアンピシリン耐性遺伝子をもつベクター)及びpL1177-2(pL1091-5と同様だが、選択マーカーとしてLEU2遺伝子を持つベクター)を用い、これらも同様にSacI、XbaIで切断した。
インサート、ベクターともにPCR purification kitにより、制限酵素で切断された低分子のオリゴヌクレオチドを除いた後、ライゲーションによりインサート遺伝子をベクターに組み込んだ。ライゲーションは、ベクター:インサート比が1/1−1/10程度になるように混合し、Ligation high (Toyobo社製)を用いて16℃で1時間−3時間反応させて行った。
ライゲーションしたベクターの大腸菌への形質転換は、大腸菌JM109株コンピテントセル(ニッポンジーン社製)を用いて行った。ライゲーション反応液をコンピテントセルに加え、氷中で20分間インキュベートした後、42℃45秒の熱ショックを加え、再び氷中で2分間静置した後、添付の培地に加えて、37℃、1時間培養した。培養後、アンピシリンを含むLB寒天培地にまいて、37℃で1晩培養後のアンピシリン耐性のコロニーの有無を確認した。アンピシリンを含む培地で生育したコロニーは、アンピシリン耐性遺伝子のあるベクターで形質転換した大腸菌と考えられる。
得られたコロニーのうち、インサート遺伝子のはいったベクターを検出するために、コロニーPCRを行った。このPCRのプライマー(pVT100L-5’及びpVT100L-3’)は、ADH1プロモーターとターミネーターの配列から設計し(表1)、ADH1プロモーターとターミネーターの間のマルチクローニングサイトへのインサート遺伝子の挿入を、そのサイズに相当するバンドの増幅によって確認できる。この時のPCR溶液は、1 unit Ex Taq (Takara社製)、0.2 mM dNTP mixture、0.5μM プライマーを添付の緩衝液に懸濁したものに、コロニーを突き刺した竹串の先端をすすいで調製した(全反応液20μl)。増幅は、95℃で1分間反応させた後、95℃(30秒間)/48℃(30秒間)/72℃(2分間)を1サイクルとして25回くり返すことで行った。
インサート遺伝子のはいったベクターで形質転換されていた大腸菌は、シングルコロニーにした後、アンピシリンを添加したLB培地中で37℃で一晩培養した。得られた大腸菌に含まれるベクターを、プラスミド抽出キット(QIAprep Spin Miniprep Kit, キアゲン社製)を用いて精製した。精製したベクターは、各種の制限酵素によって処理を行い、目的のインサート遺伝子が正しい方向に挿入されていることを確認した。
得られたインサート遺伝子の挿入されたベクター(pL1091-5/DGA1, pL1091-5/FAA3, pL1177-2/DGA1, pL1177-2/FAA3)を用いて、サッカロミセス・セレビシェBY4741野生株及びΔsnf2株を形質転換した。形質転換は、酵母形質転換キット(S.c. EasyComp Transformation Kit, インビトロジェン社製)を用いて行った。URA3あるいはLEU2のマーカー遺伝子をもつベクターで形質転換した場合には、マーカー遺伝子により合成が可能になる栄養素(20 mg/lウラシルまたは60 mg/lロイシン)を含まないSD寒天培地(20 g/l グルコース、6.7 g/l yeast nitrogen base w/o amino acids、20 mg/lヒスチジン、20 mg/lメチオニン、20 g/l 寒天に20 mg/lウラシルまたは60 mg/lロイシンを加えた培地)で増殖してくるコロニーを取得し、シングルコロニーを形質転換株として用いた。また、両方のベクターで形質転換する場合は、ウラシルとロイシンを含まない培地で選択した。
得られた形質転換株は、液体培地中で30℃、120rpmのロータリーシェーカーで培養した。培地は、通常のSD培地(20 g/l グルコース、1.7 g/l yeast nitrogen base w/o amino acids and ammonium sulfate、5 g/l ammonium sulfate、20 mg/lヒスチジン、20 mg/lメチオニンをもとに、形質転換に用いたベクターの種類によって、20 mg/lウラシルまたは60 mg/lロイシンを加えたもの)あるいは、SD窒素源欠乏培地(NLSD)(SD培地で、5 g/l ammonium sulfateを1 g/lに減少させたもの)を用いた。培養は、主に4日間、7日間行った。
培養後、菌体を遠心分離(3000rpm, 5分)によって沈降させ、105℃で3時間加熱して、その乾燥重量を測定した。さらに、乾燥させた菌体に、1 ml 10%塩酸メタノール、0.5 mlジクロロメタンを加えて60℃で3時間反応させて脂肪酸メチルエステルを生成させた後、内部標準として250 nmol heptadecanoic acid methylesterを加え、さらに1 ml ヘキサン、2 ml飽和食塩水を加えて、二層分配した。この時のヘキサン層にきた脂肪酸メチルエステルを、ガスクロマトグラフ(島津製 GC-17A, TC-70カラム)で測定し、内部標準との比により、全脂肪酸量を算出した。
その結果は、表2-表5に示した。
Figure 2007209240
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Figure 2007209240
Figure 2007209240
これらによれば、DGA1の発現が顕著に脂質含量を増加させるのに対し、FAA3の効果はほとんど見られなかった。DGA1とFAA3を両方発現させた場合には、どちらのベクターにいれるかによって、脂質含量の増加に相違が見られた。これらの脂質合成酵素遺伝子を発現させる時に、野生株とΔsnf2株を比較すると、同条件の形質転換ではΔsnf2株で脂質含量の増加が見られた。培養日数を検討した所、増殖は既に定常期に達している4日目と7日目で、ほとんど変化しなかったが、脂質含量は7日目で高い値を示した。さらに10日目まで培養を続けた場合には、脂質含量は、ほとんど変わらないか、むしろ低下した。また、培地の窒素源の濃度を比較した所、硫酸アンモニウムを通常のSD培地の1/5に低下させた窒素源欠乏SD培地が至適であることが見い出された。
上記のように形質転換及び培養条件を至適化した結果、Δsnf2株にDGA1のみあるいはDGA1とFAA3を両方発現させた形質転換株を窒素源欠乏SD培地で7日間培養することによって(表5)、20-30%程度の脂質含量をもつ出芽酵母を得ることができた。
BY4741 Δsnf2株にpL1091-5/DGA1, pL1177-2/FAA3を発現させた脂質含量の高い株について、さらに脂質組成を調べた。脂質抽出は、酵母菌体をメタノール中でガラスビーズにより破砕しながら、クロロホルム/メタノール(1:2)を加えて行った。抽出された脂質は、シリカゲル60のTLCプレート(メルク社製)にアプライし、ヘキサン/ジエチルエーテル/酢酸(80:40:1)を展開溶媒として、各脂質クラスに分離した。トリアシルグリセロール、ステロールエステル、ジアシルグリセロール、遊離脂肪酸、極性脂質(リン脂質などを全て含むTLCプレートの原点部分)をかきとり、既に記載したようにしてガスクロマトグラフにより、各脂質に含まれる脂肪酸を定量した。フリーステロールの分離、定量は別途行った。抽出した脂質をアプライしたTLCをクロロホルム/メタノール/酢酸(97:2:1)で9cmほど展開した後、プレートを乾燥させ、ヘキサン/ジエチルエーテル/酢酸(80:40:1)で上端まで展開した。プレートは、2%硫酸銅を含む13%硫酸溶液で噴霧した後、105℃で一時間加熱した。硫酸発色により生じた黒色を画像解析し、スタンダードと比較して定量した。
脂質クラスを定量した結果、表6のようにトリアシルグリセロール及びフリーステロールが主要脂質として脂質含量の増加に貢献していることが見い出された。両者は、いずれも4日目よりも7日目で増加し、窒素源欠乏SD培地で増加しており、全体としての脂質の増加と対応していた。
Figure 2007209240
表2-表5で、野生株、Δsnf2株ともに、脂質合成酵素遺伝子を発現していない空のベクターでも高い増殖を示し、脂質含量もある程度の増加が見られた。そこで、野生株、Δsnf2株にインサートなしのpL1091-5、pL1177-2を発現した場合について、増殖、脂質含量を比較した(表7)。
Figure 2007209240
その結果、ベクターなしで培養した場合に比べて、pL1177-2を発現させた場合に増殖が顕著に増加し、脂質含量もある程度有意に増加することが見い出された。pL1091-5の発現ではそのような効果はなかった。この効果は、野生株よりもΔsnf2株で特に顕著であり、Δsnf2株ではpL1177-2に含まれているLEU2遺伝子の発現によるロイシンの合成が増殖及び脂質含量の増加に寄与していると考えられた。表2-5での形質転換株での脂質含量の増加には、pL1177-2のLEU2遺伝子の発現の寄与もあると考えられた。
次に、BY4741 Δsnf2株にpL1091-5/DGA1, pL1177-2/FAA3を発現させた株での脂質含量の増加がpL1091-5/DGA1, pL1177-2/FAA3の発現によるものであることを確認するために、この株からベクターを脱落させた。ベクターの脱落は、形質転換株をYPD寒天培地(10 g/l yeast extract、20 g/lポリペプトン、20 g/lグルコース、20 g/l寒天)中に何度か植えついで行った。得られたシングルコロニーをロイシン、ウラシルの存在、非存在下での培地中で増殖させ、どのベクターが脱落したかを確認した。pL1091-5/DGA1, pL1177-2/FAA3の両方及び片方のみが脱落した3種類の株を取得し、増殖、脂質含量を比較した(表8)。
Figure 2007209240
その結果、両方脱落させた場合は、ベクターなしの場合(表7)と同程度の増殖、脂質含量であり、この形質転換株での脂質含量の増加が、脂質合成酵素遺伝子を発現させたベクターによるものであることが確認された。一方、pL1091-5/DGA1のみを脱落させた場合には、増殖はほとんど低下しないが、脂質含量は大幅に低下した。これに対し、pL1177-2/FAA3のみを脱落させた場合は、増殖がベクターのみと同程度まで低下したが、脂質含量は変化しなかった。これらの結果は、表7の結果とも一致し、pL1177-2による形質転換が、特にΔsnf2株で増殖、脂質含量の増加に寄与していることを示している。また、Δsnf2株では脂質含量の増加へのDGA1の効果が高いことも示している。
細胞外脂肪酸の取り込み効率の高い出芽酵母サッカロミセス・セレビシェ形質転換株
実施例1で記載したBY4741 Δsnf2株にpL1091-5/DGA1, pL1177-2/FAA3を発現させた株を、高濃度の脂肪酸を含む培地で培養し、細胞外の脂肪酸の取り込みについて検討した。培養は、窒素源欠乏SD培地(20 g/l グルコース、1.7 g/l yeast nitrogen base w/o amino acids and ammonium sulfate、1 g/l ammonium sulfate、20 mg/lヒスチジン、20 mg/lメチオニン)に、0.25% Tergitol NP-40と2 g/l (100 mg/50 ml)のオレイン酸、リノール酸、αリノレン酸を加えた培地で行った。コントロールとして、野生株、Δsnf2株も同様な培地(ただし、60 mg/lロイシン、20 mg/lウラシルを含む)で培養し、比較した。結果を表9、表10に示す。
Figure 2007209240
Figure 2007209240
これによれば、細胞外のオレイン酸、リノール酸、αリノレン酸の取り込みは、形質転換株で顕著に増加し、酵母が内在的に合成できないリノール酸、αリノレン酸で、計算したところ、取り込みが3倍程度に増加していた。この原因は、外来脂肪酸の細胞膜での取り込みの増加だけではなく、外来脂肪酸の分解などにも差があるかもしれない。この機構については、今後の課題であるが、少なくとも形質転換株では外来性の脂肪酸を細胞内に大量に取り込んで蓄積している事が示された。脂質含量も50%にも達し、このような株はさらに脂肪酸の変換酵素により有用な脂肪酸を生産するために、用いることができる。脂質含量は、コントロールでも高い値を示し、形質転換株でほとんど変わらなかった。
脂質生産性の高い出芽酵母サッカロミセス・セレビシェ形質転換株からの脂質の抽出
実施例1で記載したBY4741 Δsnf2株にpL1091-5/DGA1, pL1177-2/FAA3を発現させた株を、さらに大量に培養し、実際に脂質を抽出した。実施例1では、脂質含量を全脂肪酸で表しており、実際に抽出した脂質量で脂質含量がどの程度かを検討した。培養は、1l フラスコ中の250 ml窒素源欠乏SD培地(20 g/l グルコース、1.7 g/l yeast nitrogen base w/o amino acids and ammonium sulfate、1 g/l ammonium sulfate、20 mg/lヒスチジン、20 mg/lメチオニン)で30℃で行った。4日、7日培養後、菌体を遠心分離(3000 rpm、5分間)及びろ過によって集菌し、100 mlガラスビーズと50 ml クロロホルム/メタノール(2:1)中でホモジナイザー(エースホモジナイザー、日本精機製作所)で10000 rpmで10分間処理して、脂質を抽出した。ガラスビーズを含む細胞破砕液をろ過して、ろ液にクロロホルム、飽和食塩水を加えて、分液漏斗中で二層分配し、脂質を含むクロロホルム層を、ロータリーエバポレーター、窒素気流中で濃縮し、有機溶媒をとばして脂質の重量を測定した。その結果、表11のように4日目で乾燥重量当たり20%程度、7日目で30%程度の脂質を取得することができた。実施例1に比べて高いのは、脂肪酸を含まないフリーステロールなども考慮できているためである。また、培養液を増加させても脂質生産性が高いことが確認された。
Figure 2007209240

Claims (13)

  1. 脂質合成抑制遺伝子が破壊または機能低下している微生物に、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ遺伝子、アシルCoAシンターゼ遺伝子、リン脂質:ジアシルグリセロールトランスフェラーゼ遺伝子、リゾホスファチジン酸アシルトランスフェラーゼ遺伝子、グリセロール3リン酸アシルトランスフェラーゼ遺伝子、及びステロールアシルトランスフェラーゼ遺伝子の少なくとも1種以上の遺伝子が導入されていることを特徴とする、高脂質生産性を有する形質転換微生物。
  2. 微生物がサッカロミセス・セレビシェに属する微生物であることを特徴とする、請求項1に記載の形質転換微生物。
  3. DGA1遺伝子、FAA1,遺伝子、FAA2,遺伝子、FAA3,遺伝子、FAA4遺伝子、LRO1遺伝子、SCT1遺伝子、GPT2遺伝子、SLC1遺伝子、ARE1遺伝子、及びARE2遺伝子の少なくとも一種以上の遺伝子を有するベクターにより形質転換されていることを特徴とする、請求項2に記載の形質転換微生物。
  4. 上記ベクターが、マーカー遺伝子として栄養要求性を相補する遺伝子を有するものであることを特徴とする、請求項3に記載の形質転換体。
  5. マーカー遺伝子がLEU2遺伝子を少なくとも含むことを特徴とする、請求項4に記載の形質転換体。
  6. LEU2遺伝子が、請求項3に記載の遺伝子と同一のプロモータにより発現制御されていることを特徴とする、請求項5に記載の形質転換体。
  7. IRA2 遺伝子、PRE9 遺伝子、SNF2遺伝子、SPT21遺伝子、PHO90遺伝子の一種以上が、破壊または機能低下していることを特徴とする、請求項2〜6のいずれかに記載の形質転換微生物。
  8. 遺伝子の破壊が、栄養要求性を相補するマーカー遺伝子の挿入によるものであることを特徴とする、請求項7に記載の形質転換微生物。
  9. マーカー遺伝子がHIS3、URA3またはLEU2遺伝子であることを特徴とする、請求項8に記載の形質転換微生物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の形質転換微生物を培地に培養し、培養菌体から脂質を採取することを特徴とする、脂質の製造方法。
  11. 窒素源欠乏培地で培養することを特徴とする、請求項10に記載の製造方法。
  12. ロイシンを培地1L当たり100mg以上含有させることを特徴とする、請求項10又は11に記載の製造方法。
  13. 培地が脂肪酸を含有することを特徴とする、請求項10〜12のいずれかに記載の製造方法。

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