JP2002537234A - 医薬品グレードのジチオカルバメートの製造方法 - Google Patents

医薬品グレードのジチオカルバメートの製造方法

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JP2002537234A JP2000599268A JP2000599268A JP2002537234A JP 2002537234 A JP2002537234 A JP 2002537234A JP 2000599268 A JP2000599268 A JP 2000599268A JP 2000599268 A JP2000599268 A JP 2000599268A JP 2002537234 A JP2002537234 A JP 2002537234A
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ethanol
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バッシレブ、バッシル、ピー
− チェン リアウ、ウェイ
− サン ライ、チン
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メデイノックス,インコーポレイテッド
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C333/00Derivatives of thiocarbamic acids, i.e. compounds containing any of the groups, the nitrogen atom not being part of nitro or nitroso groups
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、少なくとも1種類の2級アミンと、医薬品として使用可能な希釈剤(二硫化炭素にとっては溶媒であり2級アミンにとっては非溶媒)を不活性ガス雰囲気中で激しく接触させ、当該混合物を冷却してジチオカルバメートを沈殿させ、ジチオカルバメートの当該沈殿を冷却混合物から分離することにより、2級アミンから医薬品グレードの微粒子状ジチオカルバメートを製造する方法を提供するものである。優先的に使用される溶媒の例として、絶対エタノールを挙げることができる。その他の態様においては、本発明はさらにジチオカルバメートを精製して医薬品グレードの微粒子状ジチオカルバメートを原料ジチオカルバメートから得る方法、及び医薬品グレードの滅菌ジチオカルバメートを原料ジチオカルバメートから製造する方法を提供するものでもある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明はジチオカルバメートの合成方法に関するものである。さらに詳しくは
、本発明は医薬品グレードのジチオカルバメートの製造方法に関するものである
【0002】 (発明の背景) ジチオカルバメートは、数多くの医薬品用途を有し、例えば炎症性及び感染性
の病気を治療するために使用する一酸化窒素の捕捉剤(例えば米国特許第5,741,
815号; 第5,756,540号; 第5,757,532号及び第5,847,004号記載のLaiによる最近
の研究結果を参照のこと;いずれも本明細書中に完全引用した)として使用し得
ることが見いだされている。ジチオカルバメートの医薬品としての用途が発見さ
れる前においては、さらに伝統的な用途として化学的又は商業的な努力、例えば
化学分析又はヘテロ環状化合物の合成において金属の沈殿剤として使用されてき
た(Thorn及びLudwig、ジチオカルバメート及びその関連化合物、Elsevier社、
アムステルダム、1962年、pp. 61-126)。これらの伝統的な用途においては、通
常医薬品グレードのジチオカルバメートに最も望まれる属性、例えば滅菌状態、
純度及び安定且つ微細な微粒子形態を必要としない。従って、ジチオカルバメー
トのこれら伝統的な合成方法は、医薬品グレードのジチオカルバメートの調製に
は適していない。
【0003】 酸性条件下において不安定であるというジチオカルバメートの化学的性格から
、ジチオカルバメートは有機又は無機の塩としてこれを調製する必要がある(Th
orn及びLudwig、pp. 7-42)。ジチオカルバメートの一つの合成法は、有機アミ
ンを過剰に使用する方法である。しかし、有機アミンは比較的に高価であり、こ
れを使用すると製造コストが押し上げられてしまう。これに加え、有機アミンの
存在により、得られたジチオカルバメートは医薬品用途には適さないものとなっ
てしまう。
【0004】 有機アミンを使用しないこれに代わる合成方法においては、ジチオカルバメー
トがナトリウム塩などのアルカリ金属塩の形で得られる。ナトリウム塩は一般に
水に溶けるので、当該アルカリ金属塩法によるジチオカルバメート調製法におい
ては、溶剤として水を使用する(H. Xianら、Hangzhou Daxue Xuebao, Ziran Ke
xueban 9, 81-84, 1982; Chemical Abstracts 97, 23417, 1982 )。しかし、当
該合成反応を比較的高温で行うと好ましくない副産物が生成するので、これを避
けるために当該合成反応の温度はこれを約20〜30 ℃以下に管理しなければなら
ない。従って、当該反応温度は通常これを-5 ℃〜10 ℃の範囲内に制御してい
る(B.H. Leeら、J. Med. Chem. 37, 3154-3162, 1994)。
【0005】 ジチオカルバメートを安定な固体として得るために、反応混合物から最終製品
を沈殿させるための沈殿開始剤として有機溶媒がしばしば使用される。一般に、
メタノール、アセトン、又はメタノールとエタノールの混合物がこの目的の溶剤
として使用される(L.A. Shinobuら、Acta Pharm. Toxicol. 54, 189-194, 1984
; P.K. Singhら、Chem. Res. Toxicol. 7, 614-620, 1994)。しかし、メタノー
ル及びアセトンはこれらを摂取した場合には毒性があり、この方法で製造した製
品は医薬品用途には適していない。
【0006】 当分野におけるジチオカルバメートの製造方法は数多く知られているが、それ
にも拘わらず、これまでの方法より優れた医薬品グレードの微粒子状ジチオカル
バメート又は微粒子状滅菌ジチオカルバメートの新しい製造方法が求められてい
る。
【0007】 (発明の要約) 本発明は、医薬品グレードのジチオカルバメートの製造方法を提供するもので
ある。本発明の方法は、好ましくはこれを滅菌状態において実施し、医薬品グレ
ードの滅菌ジチオカルバメートを製造するものである。本発明の方法における一
態様においては、二硫化炭素、少なくとも1種類の2級アミン、及び医薬品グレ
ードの希釈剤から成る混合物を、不活性ガス雰囲気下において混合ゾーンで激し
く接触させる。ここに、当該希釈剤は二硫化炭素にとっては溶媒であるが、ジチ
オカルバメートにとっては非溶媒である。本発明の方法においては、さらに当該
混合物を冷却してこれからジチオカルバメートを沈殿させ、ジチオカルバメート
の当該沈殿を冷却された混合物から分離する。好ましくは、当該希釈剤としてエ
タノールを使用する。
【0008】 本発明の他の態様においては、二硫化炭素、少なくとも1種類の2級アミン及
び医薬品グレードの希釈剤から成る混合物を不活性ガス雰囲気の混合ゾーンにお
いて、ジチオカルバメートを沈殿させるのに適した沈殿条件で激しく接触させる
。当該希釈剤は二硫化炭素にとっては溶媒であっても、ジチオカルバメートにと
っては非溶媒である。本発明の合成方法においては、さらにジチオカルバメート
の当該沈殿を当該混合物から分離する。当該希釈剤として、通常はエタノールを
使用する。当該二硫化炭素も混合ゾーンへ液状、例えばエタノール溶液としてこ
れを導入することができる。当該2級アミンも、当該混合ゾーンへアルカリ性水
溶液として導入することができる。
【0009】 本発明の方法においては、ジチオカルバメートの当該沈殿を医薬品グレードの
水に溶かして得た水溶液を、さらに第2混合ゾーンにおいて激しく攪拌し、医薬
品グレードのエタノールをジチオカルバメートの微細沈殿を含む懸濁液の形成に
適した条件下でこれに添加し、得られたジチオカルバメートの微細沈殿を当該懸
濁液から、例えば濾過又はその他の手段により分離することもできる。
【0010】 本発明は、ジチオカルバメートから医薬品グレードのジチオカルバメートを得
る方法を提供するものでもある。当該態様においては、本発明の方法は、ジチオ
カルバメートを医薬品グレードの水に溶かして得た溶液を激しく攪拌し、これに
医薬品グレードのエタノールをジチオカルバメートの微細沈殿を含む懸濁液の形
成に適した条件下で添加し、ジチオカルバメートの当該沈殿を当該懸濁液から分
離することにより構成される。ジチオカルバメートの当該微細沈殿は、好ましく
はこれを約70%エタノール〜絶対エタノールの濃度範囲内にあるエタノールで洗
浄し、医薬品グレードのジチオカルバメートを得る。
【0011】 本発明は、さらに滅菌した医薬品グレードのジチオカルバメートの製造方法を
提供するものである。本態様において、本発明の方法はジチオカルバメートを医
薬品グレードの水に溶かして得た溶液を滅菌し、当該溶液を滅菌混合ゾーンの中
で激しく攪拌し、その間に滅菌した医薬品グレードのエタノールをジチオカルバ
メートの微細沈殿を含む懸濁液の形成に適した条件下でこれに添加し、得られた
ジチオカルバメートの当該沈殿を当該懸濁液から滅菌条件下で分離することによ
り構成される。ジチオカルバメートの当該水溶液及びエタノールは、滅菌用フィ
ルターを通して当該混合ゾーンに添加することにより、これを滅菌することがで
きる。
【0012】 (特定態様の説明) 本発明は、医薬品グレードのジチオカルバメートを製造する方法を提供するも
のである。本発明の方法は、好ましくはこれを滅菌条件下で実施し、これにより
医薬品グレードの滅菌ジチオカルバメートを製造するものである。
【0013】 その一態様において、本発明は二硫化炭素、少なくとも1種類の2級アミン、
及び医薬品グレードの希釈剤から成る混合物を、不活性ガス雰囲気の混合ゾーン
中、ジチオカルバメートを沈殿させるのに適した条件下で激しく接触させる。当
該希釈剤は二硫化炭素に対しては溶媒であっても、ジチオカルバメートに対して
は非溶媒である。本発明の方法においては、さらにジチオカルバメートの当該沈
殿を分離する。医薬品グレードのジチオカルバメートを製造する本発明の方法は
、連続法又はバッチ法によりこれを実施することができる。
【0014】 医薬品グレードのジチオカルバメートの調製に適した2級アミンの中には、式
12NHを有する2級アミンが含まれる。 ここに、各R1及びR2がC1〜C18のアルキル、置換アルキル、シクロアルキ
ル、置換シクロアルキル、ヘテロ環状、置換ヘテロ環状、アルケニル、置換アル
ケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリー
ル、置換ヘテロアリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、アリール
アルキル、置換アリールアルキル、アリールアルケニル、置換アリールアルケニ
ル、アリールアルキニル、置換アリールアルキニル、アロイール、置換アロイー
ル、アシル、置換アシル基からそれぞれ独立に選ばれ; R1及びR2は互いに協力してN、R1及びR2を含む5、6又は7員環を形成
し、或いは R1又はR2はアルキレン、置換アルキレン、オキシアルキレン、置換オキシ
アルキレン、アルケニレン、置換アルケニレン、アリーレン、置換アリーレン、
アルカリレン、置換アルカリレン、アラルキレン及び置換アラルキレン基から成
るグループから選ばれる2価部分であり、 当該2価部分が2個のジチオカルバメート分子に対して同じ置換基として作
用し、これにより当該分子同士を結合させてビス(ジチオカルバメート)など、
及びこれら化合物の適切な組合せを形成させる。
【0015】 例えば、当該2級アミンは式R12NHで表すことができ、当該R1及びR2
各々がC1〜C12のアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、ア
ルキニル、又は置換アルキニル基であり、当該置換基がカルボキシル、−C(O
)H、オキシアシル、フェノール、フェノキシ、ピリジニル、ピロリジニル、ア
ミノ、アミド、ヒドロキシ、ニトロ、又はスルフリル基である。例えばR1は、
2〜C8のアルキル又は置換アルキル基であり;当該置換基がカルボキシル、ア
セチル、ピリジニル、ピロリジニル、アミノ、アミド、ヒドロキシ又はニトロ基
であり、R2はC1〜C6のアルキル又は置換アルキル基を構成し、或いはR2はR 1 と協力してN、R2及びR1を含む5、6又は7員環を形成することができる。
本発明によるジチオカルバメートの調製方法を実施するに当たり、現在優先され
る当該2級アミンにおいて、R1はC2〜C8のアルキル又は置換アルキルであり
、当該置換基はカルボキシ、アセチル、アミド又はヒドロキシ基から選ばれ、R 2 はC1〜C4のアルキル又は置換アルキル基である。当該2級アミンは、好まし
くはこれをアルカリ性水溶液として混合ゾーンに導入する。
【0016】 得られたジチオカルバメートが医薬品として受け入れることのできないような
溶媒に汚染されることの無いように、又当該ジチオカルバメートが反応混合物か
ら安定な固体として沈殿し易くなるように、一般に希釈剤としてエタノールを使
用し、メタノール又はアセトンなど医薬品に不適切な溶媒の使用はこれを排除す
る。例えば、エタノール及び二硫化炭素を二硫化炭素のエタノール溶液の形で一
緒に混合ゾーンに導入することができる。当該エタノールには、例えば絶対エタ
ノールを使用することができる。当該希釈剤には、さらに水、及びナトリウムな
どの適切なカチオンを添加して、ジチオカルバメートの塩を形成させることがで
きる。ジチオカルバメートのアルカリ金属塩は水に溶けるので、当該カチオンに
はアルカリ金属カチオンを使用するのが好ましい。
【0017】 医薬品グレードのジチオカルバメートを製造する本発明の優先態様において、
当該二硫化炭素は水酸化ナトリウムの水溶液に溶解してこれを反応混合物に添加
する。或いは、当該2級アミンをアルカリ性水溶液としてこれを混合ゾーンに導
入することもできる。
【0018】 本発明においては、二硫化炭素と2級アミンを混合ゾーンの中で激しく接触さ
せる。当該強力接触は、当分野で知られる如何なる手段でこれを行っても良い。
当該手段としては遠心分離、混合、攪拌、散布、当該反応混合物中への不活性ガ
スの強力吹込みなどの方法がある。或いはこれらを2種類以上組合わせた方法を
使用することもできる。例えば、ジチオカルバメートが反応ソーンに沈殿して形
成するスラリーを激しく攪拌できるような磁気的又は機械的な攪拌装置を用いて
混合を行うことができる。一つの態様においては、当該攪拌装置として磁気的な
攪拌装置を使用し、当該攪拌装置の攪拌速度を約10 rpm〜約200 rpmに調節する
【0019】 一般に、ジチオカルバメートの沈殿に適した条件としては、大気圧下において
当該反応混合物を、好ましくは約 -10 ℃〜約20 ℃の温度になるまで冷却するよ
うな条件を挙げることができる。当該反応混合物の冷却は、当分野に公知の方法
によりこれを達成することができる。これらの方法としては当該混合物の入った
反応容器を氷水又は氷/塩水浴の中に浸漬する方法などを挙げることができるが
、これらには限定されない。或いは、当該反応容器を公知の方法で冷凍する方法
もある。
【0020】 ジチオカルバメートを反応混合物から沈殿させるのに適した条件としては、例
えば当該反応混合物を分離容器、例えば減圧状態に維持できる分離容器などの分
離ゾーンの中に通して、さらに当該反応混合物を減圧状態とする(即ち混合ゾー
ンを減圧状態とする)方法がある。
【0021】 本発明の方法に従って調製した場合、当該ジチオカルバメートは微粒子状の固
体形状、好ましくはそのサイズ範囲が約100 μm〜約1 cm以下の細かい微粒子状
の固体になっている。当該微粒子状ジチオカルバメートを反応混合物から分離す
る場合、その分離速度は、当該反応混合物をフィルター、スクリーン、又はこれ
らを組合わせた装置の中に通し、ジチオカルバメートをケーキとして回収するこ
とによりこれを速めることもできる。通常孔サイズが約0.1μm〜約50 μmの範囲
内、例えば約10 μm〜約50 μm、好ましくは約10 μm〜約20 μmの範囲内にある
スクリーン又はフィルターが、医薬品用の微細なジチオカルバメート製品を得る
ためには特に有用である。
【0022】 本発明による医薬品グレードのジチオカルバメートを調製する方法において、
ジチオカルバメートの当該沈殿は、そのエタノール含有量が約70%から絶対エタ
ノールまでの範囲内にあるエタノールでこれをさらに洗浄することもできる。例
えば、当該洗浄工程において、当該エタノール含有量を約70%から絶対エタノー
ルの水準まで増加させることもできる。当該エタノール濃度の増加は、徐々に行
っても段階的に行っても良い。
【0023】 医薬品グレードのジチオカルバメートを製造する本発明の他の態様において、
窒素、アルゴンなどの不活性ガス又はこれらの組合せを反応ゾーンに導入するこ
ともできる。当該不活性ガスは、例えば一般に1分間当たり約0.1 立方リットル
から約300立方リットル、代表的な流量として1分間当たり約30立方リットルか
ら約100立方リットル、又は1分間当たり約0.1リットルから約50リットルの範囲
の流量で混合物ゾーンにこれを導入することができる。ここに、1分間当たり約
1.0リットルから約20リットルの流量が現在のところ好ましい流量である。当該
混合ゾーンは、不活性ガスを使用するために事実上密閉状態にすることもできる
【0024】 本発明のジチオカルバメート合成法は、下記例のステップI及び図1でこれを
さらに説明する。図1は、本発明の合成法に基づくバッチスケール工程及び医薬
品グレードのジチオカルバメートを製造する設備の説明図である。図1に示す通
り、2級アミンを水に溶解させ、反応容器15に供給するまでこれをフード17
の下に保持する。二硫化炭素の絶対エタノール溶液をサイホンによりフィードホ
ルダー16から反応容器15に移す。反応容器中の反応混合物を攪拌機6により
激しく攪拌し、当該反応容器15を冷却浴9の中に浸漬して冷却する。冷却浴9
には水と氷のスラリーが入っている。当該反応容器にパージガス源8からガス吹
込器10を通して連続して窒素ガスを流す。パージガス及び生成したジチオカル
バメートの沈殿を含む当該反応混合物を当該反応容器から蠕動式ポンプ5で分離
容器18の中へ汲み出す。分離容器18はこれを真空ポンプ1を用いて減圧状態
に維持し、反応混合物からその中へグラスフィルター4を通してジチオカルバメ
ートの沈殿を分離し、廃棄濾過液をオーバーフロー廃棄物容器7を備えた濾過フ
ラスコ2の中に入れる。真空ポンプ1により廃棄物容器7からフード17へパー
ジガスを吸い出す。
【0025】 他の態様において、本発明の方法は、上記のようにして本発明の合成法で合成
されたジチオカーバメートをさらに精製する段階で構成される。この態様におい
ては、本発明の合成方法は、さらに第2混合ゾーンでジチオカルバメートの沈殿
を医薬品グレードの水に溶解させて得た溶液を激しく攪拌しながら、ジチオカル
バメートの微細沈殿粒子を含む懸濁液の形成に適した条件下で医薬品グレードの
エタノールをこれに添加し、ジチオカルバメートの当該微粒子を当該懸濁液から
分離することにより構成される。当該沈殿を医薬品グレードの水に溶解させ、当
該溶液を医薬品グレードのエタノール、好ましくは絶対アルコールに接触させる
ことにより滅菌製品を得ることができ、好ましくない副産物をジチオカルバメー
トの当該沈殿から除去することができる。
【0026】 或いはこの精製段階は、微粒子状のジチオカルバメートを別途原料として供給
し、医薬品グレード ジチオカルバメートの上記製造方法とは独立にこれを実施
することもできる。当該精製段階を独立に実施した場合、本発明の精製方法は、
混合ゾーンでジチオカルバメートを医薬品グレードの水に溶解させて得た溶液を
激しく攪拌しながら、ジチオカルバメートの微粒子状沈殿を含む懸濁液の形成に
適した条件下でこれに医薬品グレードのエタノールを添加し、ジチオカルバメー
トの当該沈殿を当該懸濁液から分離する方法により構成される。
【0027】 本発明の精製法に適したジチオカルバメートの供給原料の中には、下記の構造
(I)で示される原料が含まれる。即ち当該原料は構造: [R12N−C(S)−S-]x M (I) を有し; 各R1及びR2がC1〜C18のアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置
換シクロアルキル、ヘテロ環状、置換ヘテロ環状、アルケニル、置換アルケニル
、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置
換ヘテロアリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、アリールアルキ
ル、置換アリールアルキル、アリールアルケニル、置換アリールアルケニル、ア
リールアルキニル、置換アリールアルキニル、アロイール、置換アロイール、ア
シル、置換アシル基、又は R1及びR2が協力してN、R1及びR2を含む5、6又は7員環を形成するこ
とができ; R1又はR2がアルキレン、置換アルキレン、オキシアルキレン、置換オキシ
アルキレン、アルケニレン、置換アルケニレン、アリーレン、置換アリーレン、
アルカリーレン、置換アルカリーレン、アラルキレン及び置換アラルキレンから
選ばれた2価部分であり;当該2価部分が2個のジチオカルバメート構造に対し
て同じ置換基として作用し、これにより当該構造を互いに結合してビス(ジチオ
カルバメート)を形成し; xは1又は2であり、Mは適切な対イオンである。また、これら化合物を適
切に組み合わせた混合原料も使用することができる。
【0028】 現在優先される、一般式Iで示されるジチオカルバメート化合物においては、 R1及びR2或いはR1又はR2がアルキレン、置換アルキレン、オキシアルキ
レン、置換オキシアルキレン、アルケニレン、置換アルケニレン、アリーレン、
置換アリーレン、アルカリーレン、置換アルカリーレン、アラルキレン及び置換
アラルキレンから選ばれた2価部分であり;当該2価部分が2個のジチオカルバ
メート構造に対して同じ置換基として作用し、これにより当該構造を互いに結合
してビス(ジチオカルバメート)を形成する。
【0029】 一般式Iで示される他の優先ジチオカルバメート化合物は、 R1及びR2或いはR1又はR2が多価部分であり、当該多価部分が複数のジチ
オカルバメート構造に対して同じ置換基として作用し、これにより当該構造(複
数)を結合してポリ(ジチオカルバメート)を形成させるような化合物である。
【0030】 一般式Iで示されるさらに他の優先ジチオカルバメート化合物は、 各R1及びR2=C1〜C12のアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換ア
ルケニル、アルキニル、置換アルキニル基であり、当該置換基はカルボキシル、
−C(O)H−、オキシアシル、フェノール、フェノキシ、ピリジニル、ピロリ
ジニル、アミノ、アミド、ヒドロキシ、ニトロ又はスルフリル基から選ばれ、 M=Fe+2又はFe+3であるような化合物である。
【0031】 一般式Iで示されるさらに他の優先ジチオカルバメート化合物は、 R1がC2〜C8のアルキル又は置換アルキル基から選ばれ、当該置換基がカ
ルボキシル、アセチル、ピリジニル、ピロリジニル、アミノ、アミド、ヒドロキ
シ又はニトロ基から選ばれ、 R2がC1〜C8のアルキル又は置換アルキル基から選ばれ、 M=Fe+2であるような化合物である。
【0032】 一般式Iで示されるさらに他の優先ジチオカルバメート化合物は、 R1がC2〜C6のアルキル又は置換アルキル基から選ばれ、当該置換基がカ
ルボキシル、アセチル、アミド又はヒドロキシ基から選ばれ、 R2がC1〜C6のアルキル又は置換アルキル基から選ばれ、 M=Fe+2であるような化合物である。
【0033】 式Iで考えられる1価のカチオンには、H+、Na+、NH4+、テトラアルキル
アンモニウムなどがある。しかし、当分野に精通した人であるなら、得られるジ
チオカルバメートが水媒体中において比較的に不安定であるために、一般的にH + がこの方法に適さないことを理解できるであろう。式Iで考えられる生理適応
性のある2価又は3価の金属カチオンには、鉄、コバルト、銅、マンガン、ルテ
ニウム(例えばFe+2、Fe+3、Co+2、Co+3、Cu+2、Mn+2、Mn+3、又はRu+3)などの
荷電形態がある。本発明によれば、ジチオカルバメート種の対イオンMに対する
比率は広範囲に変化し得る。従って、遷移金属カチオンとジチオカルバメート種
の比率が最高約1:2(即ちジチオカルバメート:遷移金属カチオン=2:1の
錯体)までの金属対イオンを持たないジチオカルバメート(即ちM=H+、又は
遷移金属カチオンとジチオカルバメート種の比率が0)を考慮に入れるものとす
る。
【0034】 本明細書において、「置換アルキル」は、ヒドロキシ、(低級アルキル基の)
アルコキシ、(低級アルキル基の)メルカプト、シクロアルキル、置換シクロア
ルキル、ヘテロ環状、置換ヘテロ環状、アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロ
アリール、アリールオキシ、置換アリールオキシ、ハロゲン、トリフルオロメチ
ル、シアノ、ニトロン、アミノ、アミド、−C(O)H、アシル、オキシアシル
、カルボキシル、カルバメート、ジチオカルバモイル、スルホニル、スルホンア
ミド、スルフリルなどから選ばれた、さらに1個又は2個以上の置換基を有する
アルキル基で構成される。
【0035】 本明細書において、「シクロアルキル」は、環構造を含む炭素数約3〜8個の
環状基を意味し、「置換シクロアルキル」はさらに1個又は2個以上の置換基を
持つ、上記シクロアルキル基を意味している。
【0036】 本明細書において、「シクロアルキレン」は、約3個〜8個の炭素原子を含む
2価の環含有基を意味し、「置換シクロアルキレン」はさらに1個又は2個以上
の置換基を有する上記シクロアルキレン基を意味している。
【0037】 本明細書において、「アルキレン」は通常約2〜12個の炭素原子を有する2価
の直鎖又は分岐飽和ヒドロカルビル基を意味し、「置換アルキレン」はさらに1
個又は2個以上の置換基を持つ上記アルキレン基を意味している。
【0038】 本明細書において、「アルケニル」は通常は約2個〜12個の炭素原子と少なく
とも1個の炭素−炭素二重結合を持つ直鎖又は分岐ヒドロカルビル基を意味し、
「置換アルケニル」はさらに1個又は2個以上の置換基を有する上記アルケニル
基を意味している。
【0039】 本明細書において、「アルケニレン」は少なくとも1個の炭素−炭素二重結合
を持ち、通常は約2〜12個の炭素原子を有する2価の直鎖又は分岐ヒドロカルビ
ル基を意味し、「置換アルケニレン」はさらに1個又は2個以上の置換基を有す
る上記アルケニレン基を意味している。
【0040】 本明細書において、「アルキニル」は約2〜12個の炭素原子と少なくとも1個
の炭素−炭素三重結合を持つ直鎖又は分岐ヒドロカルビル基を意味し、「置換ア
ルキニル」はさらに1個又は2個以上の置換基を有する上記アルキニル基を意味
している。
【0041】 本明細書において、「アリール」は6〜14個の炭素原子を持つ芳香族基を意味
し、「置換アリール」はさらに1個又は2個以上の置換基を有する上記アリール
基を意味している。
【0042】 本明細書において、「アルキルアリール」はアルキル置換したアリール基を意
味し、「置換アルキルアリール」はさらに1個又は2個以上の置換基を有する上
記アルキルアリール基を意味している。
【0043】 本明細書において、「アリールアルキル」はアリール置換アルキル基を意味し
、「置換アリールアルキル」はさらに1個又は2個以上の置換基を有する上記ア
リールアルキル基を意味している。
【0044】 本明細書において、「アリールアルケニル」はアリール置換アルケニル基を意
味し、「置換アリールアルケニル」はさらに1個又は2個以上の置換基を有する
上記アリールアルケニル基を意味している。
【0045】 本明細書において、「アリールアルキニル」はアリール置換アルキニル基を意
味し、「置換アリールアルキニル」はさらに1個又は2個以上の置換基を有する
上記アリールアルキニル基を意味している。
【0046】 本明細書において、「アリーレン」は通常6〜14個の炭素原子を持つ2価の芳
香族基を意味し、「置換アリーレン」はさらに1個又は2個以上の置換基を有す
る上記アリーレン基を意味している。
【0047】 本明細書において、「アルカリーレン」は通常7〜16個の炭素原子を持つ2価
のアルキル置換アリール基を意味し、「置換アリールアルカリーレン」はさらに
1個又は2個以上の置換基を有する上記アルカリーレン基を意味している。
【0048】 本明細書において、「アラルキレン」は通常7〜16個の炭素原子を持つ2価の
アリール置換アルキル基を意味し、「置換アラルキレン」はさらに1個又は2個
以上の置換基を有する上記アラルキレン基を意味している。
【0049】 本明細書において、「アラルケニレン」は通常8〜16個の炭素原子を持つ2価
のアリール置換アルケニル基を意味し、「置換アラルケニレン」はさらに1個又
は2個以上の置換基を有する上記アラルケニレン基を意味している。
【0050】 本明細書において、「アラルキニレン」は通常8〜16個の炭素原子を持つ2価
のアリール置換アルキニル基を意味し、「置換アラルキニレン」はさらに1個又
は2個以上の置換基を有する上記アラルキニレン基を意味している。
【0051】 本明細書において、「ヘテロ環状基」は1個又は2個以上のヘテロ原子(例え
ばN、0、Sなど)を環構造の一部に含み且つ3〜14個の炭素原子で構成される
環状(即ち環構造を含む)基を意味し、「置換ヘテロ環状基」はさらに1個又は
2個以上の置換基を含む上記ヘテロ環状基を意味している。
【0052】 本明細書において、「ヘテロシクロアルキレン」は1個又は2個以上のヘテロ
原子(例えばN、O、Sなど)を環構造の一部に含み且つ3〜14個の炭素原子で
構成される2価の環状(即ち環構造を含む)基を意味し、「置換ヘテロシクロア
ルキレン」はさらに1個又は2個以上の置換基を有する上記ヘテロシクロアルキ
レン基を意味している。
【0053】 本明細書において、「アロイール」はベンゾイル基などのアリール−カルボニ
ル種を意味し、「置換アロイール」はさらに1個又は2個以上の置換基を有する
上記アロイール基を意味している。
【0054】 本明細書において、「アシル」はアルキルカルボニル種を意味している。
【0055】 本明細書において、「ハロゲン」はフッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を意味
している。
【0056】 本発明により医薬品グレードのジチオカルバメートを合成する法においても、
(ジチオカルバメートの沈殿微粒子を含む懸濁液の形成に適した条件下で行う)
攪拌及び減圧下の分離操作は、通常は上記と同じ手法で行われる。本発明による
精製法及び本発明による合成法の精製段階については、下記例のステップIIにこ
れを示す。
【0057】 他の態様において、本発明は滅菌ジチオカルバメートの製造方法を提供するも
のである。この態様は、ジチオカルバメートを医薬品グレードの水に溶解させて
得た水溶液を滅菌し、当該溶液を滅菌混合ゾーンの中で激しく攪拌しながらこれ
に滅菌した医薬品グレードのエタノールを、ジチオカルバメートの沈殿微粒子を
含む懸濁液の形成に適した条件で添加し、当該懸濁液から減圧、滅菌状態で当該
ジチオカルバメートの沈殿を分離する過程で構成される。
【0058】 医薬品グレードの滅菌ジチオカルバメートを得る本発明の方法を実施するに当
たり、当該分離は当該沈殿を減圧状態に維持された分離ゾーンに通すことにより
行われる。当該分離工程においては、本発明の合成法に関する上記記述にあるよ
うに、当該沈殿を含む懸濁液を、(例えば分離ゾーンにおいて)さらにフィルタ
ー、スクリーン、又はこれらを組み合わせた装置に通すことができる。
【0059】 滅菌ジチオカルバメートの当該製造方法において、分離した当該沈殿は、例え
ば分離ゾーンの中でエタノール含有量が濃度70%〜絶対エタノールの範囲にある
洗浄用エタノールで、これをさらに洗浄することができる。一つの態様として、
当該洗浄工程において、使用するエタノールの濃度を約70%から絶対エタノール
まで、例えば徐々に或いは1段階又は2段階以上の段階を経て変化させることも
できる。当該洗浄用エタノールにはジチオカルバメートの滅菌及び乾燥を助ける
働きもある。
【0060】 さらに滅菌製品の生成を助けるために、ジチオカルバメートの溶液及びエタノ
ールをそれぞれ当分野で知られているような滅菌フィルター、例えば混合セルロ
ースエステルとポリスルホンでできた膜フィルター(Millipore社, マサチュー
セッツ州ベッドフォード)に通してから混合ゾーンに供給することにより、これ
らを滅菌することができる。このような滅菌用フィルターの孔サイズは通常は微
生物が当該フィルターを通過できない程度に小さく、本明細書で開示したエタノ
ール分子又はジチオカルバメート分子のような小溶解分子を通過できる程度に大
きい。例えば当該孔サイズは、通常約0.2 μm〜約75 μmの範囲内にある。当該
洗浄用エタノールも、これをこのような滅菌用フィルターを通して分離ゾーンの
中に導入して滅菌することができる。
【0061】 本発明による滅菌ジチオカルバメートの製造方法においては、分離した当該沈
殿をさらに恒量になるまで、例えば滅菌した不活性ガスを分離ゾーンで分離した
沈殿上に通すことにより乾燥することができる。当該不活性ガスの滅菌は、滅菌
用フィルターを通して分離ゾーンに供給することにより行うことができる。
【0062】 滅菌ジチオカルバメートを製造する本発明の方法においては、例えばクラス10
0の滅菌室の中で、単位投与量の乾燥無菌ジチオカルバメートを個々の滅菌容器
の中へさらに無菌移行させることができる。医薬品グレードの乾燥滅菌ジチオカ
ルバメートの単位投与量は通常約100 mg〜約10グラムの範囲内にあり、代表的な
単位投与量は約200 mg〜約3グラムである。
【0063】 本発明による医薬品グレードの滅菌ジチオカルバメートの製造方法を、さらに
これを下記例1、ステップIII並びに図2及び5により説明する。下記例1、ス
テップ3並びに図2及び5では、本発明の態様に基づく滅菌ジチオカルバメート
製造用のベンチスケール工程図及び設備図並びにフローチャートを示す。ここに
滅菌用フィルターは、供給ジチオカルバメート溶液、供給エタノール、及び供給
不活性ガスの滅菌を行うために使用される。図2記載の態様において、供給ジチ
オカルバメートを医薬品グレードの水に溶解させ、これを換気フード20の下に
保持する。フード20からジチオカルバメートの水溶液を、蠕動式ポンプ22で
滅菌用フィルター24を通して反応容器26に導入する。その間に、エタノール
をエタノール貯槽28から反応容器26の中へ蠕動式ポンプ30、滅菌用フィル
ター32、及びシリコンチューブ2を通して導入する。容器26中の反応混合物
を攪拌機34で激しく混合し、次に弁13を通して分離容器36の中へ移す。真
空ポンプ14を用いて分離容器36を減圧下に維持し、その中へガス供給源9か
ら窒素ガスを吹き込み、当該反応混合物をグラスフィルター42に通すことによ
り、当該反応混合物からジチオカルバメートの懸濁微粒子を集める。
【0064】 次に、下記例を用いて、本発明をさらに詳細に説明する。但し、これらの例が
本発明の適用範囲を限定するものと解釈されるようなことがあってはならない。
【0065】 (例) 医薬品グレードのジチオカルバメートをN-メチル-D-グルカミン(NMG)か
ら調製する方法 第1部:N-メチル-D-グルカミンジチオカルバメート(MGD)の合成方法 本明細書、図3に示したフローチャートに従い、図1に示した方法を使用して
医薬品グレードのMGDを調製した。水7.5リットル中に溶解させた水酸化ナト
リウム0.6 kgを含む注入液(WFI)を調製し、これを反応容器の中へ注入した
(図1)。当該反応容器中の水酸化ナトリウム溶液を室温になるまで氷/塩浴で
冷却し、次に当該アルカリ性溶液にN-メチル-D-グルカミン(NMG)3 kgを添
加し、攪拌して溶解させ、NMG:NaOH比=1:1の溶液を調製した。温度
が-10 ℃〜10 ℃になるまで当該溶液の冷却を続行した。当該反応容器を窒素ガ
スでパージし、その後の合成過程中、常に窒素雰囲気中でこれを保存した。
【0066】 これとは別に二硫化炭素1.5 リットルを絶対エタノール4.5リットル中に溶解
させ、当該溶液を-10 ℃〜10 ℃に冷却した。反応容器内にあるNMGの冷却N
aOH溶液を攪拌しながら、これに当該冷却二硫化炭素溶液を20〜25分間にかけ
てゆっくりと添加した。CS2の全溶液を反応容器に導入し終ってからさらに20
分間、当該反応混合物の冷却及び攪拌を継続した。次に、エタノール15リットル
を反応容器に導入し、さらに2時間攪拌した。固体のジチオカルバメートの製品
を得るために、フィルターの全面を真空で吸引しながらMGDの沈殿を含む反応
混合物を当該フィルターに通して当該製品を集め、得られたフィルターケーキを
、次第にエタノール濃度を上げながら洗浄用エタノールで洗浄した。即ち、最初
に70%エタノール5リットルで、次に95%エタノール10リットルで、最後に絶対
エタノール4リットルでそれぞれ洗浄した。集めた固体を乾燥するために3時間
真空状態を維持し、次に当該MGDを空気で完全に乾燥した。
【0067】 第II部:MGDの精製 図1に示した方法により、本明細書、図4に示したフローチャートに従って上
記第I部で調製したMGDを精製した。MGDを清浄な反応容器の中に移し、最
大8リットルまでのWFIの中に溶解させた。当該MGDを固体として沈殿させ
るために、当該MGD溶液をさらに25分間攪拌しながら95%エタノール19リット
ルを添加した。次に、フィルター全面を真空で吸引しながらMGDの沈殿を当該
フィルターに通して当該沈殿を集め、得られたフィルターケーキをエタノールで
洗浄した。当該エタノールは次第に高純度のものに置換しながら洗浄を実施した
。即ち、先ず70%エタノール5リットルで、次に95%エタノール10リットルで、
最後に絶対エタノール4リットルでそれぞれ洗浄を行った。集めた固体を乾燥す
るために、真空状態を3時間維持し、次にMGDを空気で完全に乾燥した。
【0068】 第III部:MGDの滅菌 本明細書、図5に示したフローチャートに従い、図2の方法を使用して上記第
II部で調製したMGDを滅菌した。精製したMGDを最大7リットルまでの水に
溶解させ、孔サイズが0.2 μmの滅菌用フィルターを通して滅菌沈殿容器に導入
した(図2)。MGDを沈殿させるために、最高20リットルの95%エタノールを
孔サイズ0.2 μmの滅菌用フィルターを通して当該滅菌沈殿容器に導入した。次
にMGDの当該沈殿を孔サイズ50〜75 μmのグラスフィルターを通して濾過し、
上記第I部及び第II部と同様にして得られたフィルターケーキを真空下で洗浄し
た。但しこの場合には、エタノールは孔サイズ0.2 μmの滅菌用フィルターを通
して沈殿/濾過システムに導入した。滅菌MGDの沈殿フィルターケーキは、滅
菌用フィルターを通して窒素ガスを流し、これを(完全に乾燥したことを確認す
るために)恒量になるまで乾燥した。医薬品グレードの滅菌MGD2.4 kgが得ら
れた。
【0069】 乾燥したMGDを滅菌条件下でクラス100の滅菌室に移し、個々の滅菌ガラス
ビンの中に単位投与量(100 mg〜10 g)を無菌移入し、室温でこれを保管した。
【0070】 本発明において、その精神及び適用範囲から逸脱すること無く種々の変更をこ
れに加え得ることは、当分野に精通した人達にとっては自ずと明らかであろう。
従って本明細書の中で特に開示した態様に加え、本発明はその他にも種々の態様
を網羅するものであり、その範囲は、付属請求範囲によりこれを示すこととする
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による医薬品グレードのジチオカルバメートを、エタノール中に溶解さ
せた二硫化炭素、及び2級アミンから製造する方法を説明するための図である。
2級アミンの水溶液及び二硫化炭素の絶対エタノール溶液を氷浴中に浸漬した反
応容器に供給し、連続的に攪拌する。生成したジチオカルバメートの沈殿をグラ
スフィルターに通して分離容器中の反応混合物から分離し、濾過廃液を集める。
【図2】 本発明による医薬品グレードのジチオカルバメートを、本明細書、図1に示し
た方法でジチオカルバメートの水溶液から製造する方法を説明する図である。医
薬品グレードのエタノール及びジチオカルバメートを医薬品グレードの水に溶解
させて得た水溶液のフィード流を、常に攪拌を行いながら反応容器の中へポンプ
送入する。反応容器内に沈殿したジチオカルバメートを、窒素ガス置換した分離
容器の中へ導入することにより反応混合物から分離する。エタノール及びジチオ
カルバメートのフィード流並びに窒素ガス流をそれぞれ滅菌用フィルターに通し
て滅菌し、医薬品グレードの滅菌ジチオカルバメート製品を得る。
【図3】 本発明により医薬品グレードのジチオカルバメートを2級アミンから製造する
方法において、その態様を示すフローチャートである。
【図4】 本発明の方法によりジチオカルバメートを精製して医薬品グレードのジチオカ
ルバメートを得る方法において、その態様を示すフローチャートである。
【図5】 本発明により医薬品グレードの滅菌ジチオカルバメートを製造する方法に関し
て、その態様を説明するためのフローチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ライ、チン − サン アメリカ合衆国 カリフォルニア、エンシ ニタス、ロリータ ストリート 209 Fターム(参考) 4C206 AA04 JA68 NA20 ZB11 ZB31 4H006 AA01 AA02 AC60 AD15 BB14 BB31 BC10 BE10 TN30 TN90

Claims (72)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二硫化炭素、少なくとも1種類の2級アミン、及びメタノー
    ルを含まない医薬的に許容できる希釈剤であって、二硫化炭素に対して溶剤であ
    るがジチオカルバメートに対しては溶剤ではない希釈剤から成る混合物を不活性
    ガス雰囲気下の混合ゾーンにおいて激しく接触させ、 当該混合物を冷却してジチオカルバメートを沈殿させ、 当該冷却混合物からジチオカルバメートの沈殿を分離し、当該ジチオカルバメ
    ート沈殿物はメタノールを含まない ことからなるメタノールを含まない医薬品グレードのジチオカルバメートを製造
    する方法。
  2. 【請求項2】 当該希釈剤がエタノールからなる請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 二硫化炭素のエタノール溶液として、当該エタノールと二硫
    化炭素を一緒に混合ゾーンに導入する請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 アルカリ性水溶液として当該2級アミンを当該混合ゾーンに
    導入する請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 滅菌条件下で当該方法を実施する請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 二硫化炭素、少なくとも1種類の2級アミン、及びメタノー
    ルを含まない医薬的に許容できる希釈剤であって、二硫化炭素に対して溶剤であ
    るがジチオカルバメートに対しては溶剤ではない希釈剤から成る混合物を不活性
    ガス雰囲気中、当該ジチオカルバメートを沈殿させるのに適した条件下で混合ゾ
    ーンで激しく接触させ、 沈殿したジチオカルバメートを当該混合物から分離し、当該ジチオカルバメー
    ト沈殿物はメタノールを含まない ことからなるメタノールを含まない医薬品グレードのジチオカルバメートを製造
    する方法。
  7. 【請求項7】 当該二硫化炭素を液として混合ゾーンに導入する請求項6記
    載の方法。
  8. 【請求項8】 当該希釈剤がエタノールからなる請求項6記載の方法。
  9. 【請求項9】 当該エタノールが絶対エタノールである請求項8記載の方法
  10. 【請求項10】 当該希釈剤がさらに水からなる請求項8記載の方法。
  11. 【請求項11】 当該エタノール及び二硫化炭素を二硫化炭素のエタノール
    溶液として混合ゾーンに一緒に導入する請求項7記載の方法。
  12. 【請求項12】 当該エタノールが絶対エタノールである請求項11記載の
    方法。
  13. 【請求項13】 当該2級アミンをアルカリ性水溶液として混合ゾーンに導
    入する請求項6記載の方法。
  14. 【請求項14】 当該不活性ガスが窒素又はアルゴンガスである請求項6記
    載の方法。
  15. 【請求項15】 当該方法を滅菌条件下で実施する請求項6記載の方法。
  16. 【請求項16】 当該2級アミンが式R12NHを有する請求項6記載の方
    法であって、 各R1及びR2がC1〜C18のアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換
    シクロアルキル、ヘテロ環状、置換ヘテロ環状、アルケニル、置換アルケニル、
    アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換
    ヘテロアリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、アリールアルキル
    、置換アリールアルキル、アリールアルケニル、置換アリールアルケニル、アリ
    ールアルキニル、置換アリールアルキニル、アロイール、置換アロイール、アシ
    ル、置換アシル基からそれぞれ独立に選ばれ、又は R1及びR2は互いに協力してN、R1及びR2を含む5、6又は7員環を形成
    し、或いは R1又はR2はアルキレン、置換アルキレン、オキシアルキレン、置換オキシ
    アルキレン、アルケニレン、置換アルケニレン、アリーレン、置換アリーレン、
    アルカリレン、置換アルカリレン、アラルキレン及び置換アラルキレン基から成
    るグループから選ばれる2価部分であり、当該2価部分が2個のジチオカルバメ
    ート分子に対して同じ置換基として作用し、これにより当該分子同士を結合させ
    てビス(ジチオカルバメート)を形成させる上記方法。
  17. 【請求項17】 R1及びR2の各々がC1〜C12のアルキル、置換アルキル
    、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、又は置換アルキニル基であり、当
    該置換基がカルボキシル、ジチオカルバモイル、−C(O)H、オキシアシル、
    フェノール、フェノキシ、ピリジニル、ピロリジニル、アミノ、アミド、ヒドロ
    キシ、ニトロ、又はスルフリル基から選ばれる請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 R1がC2〜C8のアルキル又は置換アルキル基であり、当
    該置換基がカルボキシル、ジチオカルバモイル、アセチル、ピリジニル、ピロリ
    ジニル、アミノ、アミド、ヒドロキシ又はニトロ基から選ばれ、 R2がC1〜C6のアルキル又は置換アルキル基から選ばれ、或いはR2がR1
    と協力してN、R2及びR1を含む5、6又は7員環を形成することのできる請求
    項16記載の方法。
  19. 【請求項19】 R1がC2〜C8のアルキル又は置換アルキル基であり、当
    該置換基がカルボキシル、ジチオカルバモイル、アセチル、アミド又はヒドロキ
    シ基から選ばれ、R2がC1〜C4のアルキル又は置換アルキル基である請求項1
    6記載の方法。
  20. 【請求項20】 さらに、沈殿したジチオカルバメートを約70%エタノール
    から絶対エタノールまでの範囲のエタノール含量を有するエタノールで洗浄する
    ことからなる請求項6記載の方法。
  21. 【請求項21】 当該洗浄過程において当該エタノールの含有量を約70%か
    ら絶対エタノールまで増加させる請求項20記載の方法。
  22. 【請求項22】 当該沈殿ジチオカルバメートの平均サイズが約100 μm〜
    約1 cmである請求項6記載の方法。
  23. 【請求項23】 当該不活性ガスを、1分間当たり約0.1立方リットル〜約3
    00立方リットルの流量で当該混合ゾーンに導入する、請求項6記載の方法。
  24. 【請求項24】 当該不活性ガスを約30立方リットル〜約100立方リットル
    の流量で当該混合ゾーンに導入する請求項23記載の方法。
  25. 【請求項25】 当該溶液を毎分約約0.1リットル〜約50リットルの流量で
    導入する請求項11記載の方法。
  26. 【請求項26】 当該溶液を毎分約1.0リットル〜約20リットルの流量で導
    入する請求項11記載の方法。
  27. 【請求項27】 当該混合ゾーンが閉じている請求項6記載の方法。
  28. 【請求項28】 当該接触が混合、攪拌、遠心分離、及び散布から選ばれる
    方法により行われる請求項6記載の方法。
  29. 【請求項29】 当該接触が遠心分離により行われる請求項28記載の方法
  30. 【請求項30】 当該接触が攪拌装置で攪拌することによる請求項28記載
    の方法。
  31. 【請求項31】 当該攪拌装置の攪拌速度が約10 rpm〜約200 rpmの範囲内
    にある請求項30記載の方法。
  32. 【請求項32】 当該攪拌装置が磁気で駆動される請求項31記載の方法。
  33. 【請求項33】 当該攪拌装置が機械的に駆動される請求項30記載の方法
  34. 【請求項34】 当該混合物を約マイナス10 ℃〜約20 ℃の温度まで冷却す
    る請求項6記載の方法。
  35. 【請求項35】 ジチオカルバメートの沈殿に適した減圧沈殿条件を使用す
    る請求項6記載の方法。
  36. 【請求項36】 当該分離操作にフィルター、スクリーン、又はこれらの組
    合せ装置を通過させる操作が含まれる請求項6記載の方法。
  37. 【請求項37】 当該フィルターの孔サイズが約0.1 μm〜約50 μmである
    請求項36記載の方法。
  38. 【請求項38】 当該フィルターの孔サイズが約10 μm〜約50 μmの範囲に
    ある請求項36記載の方法。
  39. 【請求項39】 当該フィルターの孔サイズが約10 μm〜約20 μmの範囲に
    ある請求項36記載の方法。
  40. 【請求項40】 当該方法がバッチ法である請求項6記載の方法。
  41. 【請求項41】 当該方法が連続法である請求項6記載の方法。
  42. 【請求項42】 さらに、医薬品グレードの水に溶かした沈殿ジチオカルバ
    メートの水溶液を混合ゾーンで激しく攪拌しながら、この中に、ジチオカーバメ
    ートの微細沈殿を含有する懸濁液を形成するのに適した条件下で医薬品グレード
    のエタノールを添加し、 ジチオカルバメートの当該微細沈殿を当該懸濁液から分離し、当該ジチオカ
    ルバメート微細沈殿物はメタノールを含まない ことからなる請求項6記載の方法。
  43. 【請求項43】 さらに、ジチオカルバメートの当該微細沈殿を、メタノー
    ルを含まないエタノールであって、約70%エタノール〜絶対エタノールの範囲内
    のエタノール含量を有するエタノールで洗浄することからなる請求項42記載の
    方法。
  44. 【請求項44】 医薬品グレードの水に溶かしたジチオカルバメートの溶液
    を激しく攪拌しながら、この中に、ジチオカーバメートの微細沈殿を含有する懸
    濁液を形成するのに適した条件下で医薬品グレードのエタノールを添加し、 ジチオカルバメートの沈殿を減圧下に懸濁液から分離し、当該ジチオカルバ
    メート沈殿物はメタノールを含まない ことからなるメタノールを含まない医薬品グレードのジチオカルバメート粒子を
    製造する方法。
  45. 【請求項45】 原料ジチオカルバメートが構造(I): [R12N−C(S)−S-]x M (I) を有し、 各R1及びR2がC1〜C18のアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置
    換シクロアルキル、ヘテロ環状、置換ヘテロ環状、アルケニル、置換アルケニル
    、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置
    換ヘテロアリール、アルキルアリール、置換アルキルアリール、アリールアルキ
    ル、置換アリールアルキル、アリールアルケニル、置換アリールアルケニル、ア
    リールアルキニル、置換アリールアルキニル、アロイール、置換アロイール、ア
    シル、置換アシル基、又は R1及びR2が協力してN、R1及びR2を含む5、6又は7員環を形成するこ
    とができ、或いは R1及びR2がアルキレン、置換アルキレン、オキシアルキレン、置換オキシ
    アルキレン、アルケニレン、置換アルケニレン、アリーレン、置換アリーレン、
    アルカリーレン、置換アルカリーレン、アラルキレン及び置換アラルキレンから
    選ばれた2価部分であり、当該2価部分が2個のジチオカルバメート構造に対し
    て同じ置換基として作用し、これにより当該構造を互いに結合してビス(ジチオ
    カルバメート)を形成し; xは1又は2であり、Mは適切な対イオンである請求項44記載の方法。
  46. 【請求項46】 各R1及びR2がC1〜C12のアルキル、置換アルキル、ア
    ルケニル、置換アルケニル、アルキニル又は置換アルキニル基であり、当該置換
    基がカルボキシ、ジチオカルバモイル、−C(O)H、オキシアシル、フェノー
    ル、フェノキシ、ピリジニル、ピロリジニル、アミノ、アミド、ヒドロキシ、ニ
    トロ又はスルフリル基から選ばれる請求項45記載の方法。
  47. 【請求項47】 R1がC2〜C8のアルキル又は置換アルキル基であり、当
    該置換基がカルボキシル、ジチオカルバモイル、アセチル、ピリジニル、ピロリ
    ジニル、アミノ、アミド、ヒドロキシ又はニトロ基から選ばれ、 R2がC1〜C6のアルキル又は置換アルキル基から選ばれ、或いはR2がR1
    と協力してN、R2及びR1を含む5、6又は7員環を形成することのできる請求
    項45記載の方法。
  48. 【請求項48】 R1がC2〜C8のアルキル又は置換アルキル基であり、当
    該置換基がカルボキシル、ジチオカルバモイル、アセチル、アミド又はヒドロキ
    シ基から選ばれ、R2がC1〜C4のアルキル又は置換アルキル基である請求項4
    5記載の方法。
  49. 【請求項49】 当該エタノールが絶対エタノールである請求項45記載の
    方法。
  50. 【請求項50】 さらに、ジチオカルバメートの当該微細沈殿を、メタノー
    ルを含まないエタノールであって、70%エタノール〜絶対エタノールの範囲のエ
    タノール含量を有するエタノールで洗浄することからなる請求項44記載の方法
  51. 【請求項51】 分離ゾーンで当該分離操作を行い、さらに、当該分離ゾー
    ンに不活性ガスを導入することからなる請求項44記載の方法。
  52. 【請求項52】 当該不活性ガスを滅菌フィルターを通して導入する請求項
    51記載の方法。
  53. 【請求項53】 当該不活性ガスが窒素又はアルゴンである請求項51記載
    の方法。
  54. 【請求項54】 さらに、滅菌フィルターを通して当該溶液を混合ゾーンに
    通すことからなる請求項53の方法。
  55. 【請求項55】 当該方法を滅菌条件下で実施して滅菌ジチオカルバメート
    粒子を製造する請求項44記載の方法。
  56. 【請求項56】 当該方法をバッチ法で行う請求項44記載の方法。
  57. 【請求項57】 当該方法を連続法で行う請求項44記載の方法。
  58. 【請求項58】 医薬品グレードの水に溶かしたジチオカルバメートの溶液
    を滅菌し、 当該溶液を滅菌混合ゾーンで激しく攪拌しながら、この中に、ジチオカーバメ
    ートの微細沈殿を含有する懸濁液を形成するのに適した条件下でメタノールを含
    まない医薬品グレードのエタノールを添加し、 当該懸濁液から減圧下、滅菌状態で当該ジチオカルバメートの沈殿を分離し、
    当該ジチオカルバメート沈殿物はメタノールを含まない ことからなるメタノールを含まない滅菌ジチオカルバメートを製造する方法。
  59. 【請求項59】 当該分離操作が当該沈殿を分離ゾーンに通す操作を含む、
    請求項58記載の方法。
  60. 【請求項60】 さらに、当該分離沈殿をメタノールを含まない滅菌洗浄エ
    タノールであって、約70%のエタノール〜絶対エタノールのエタノール含量を有
    するエタノールで洗浄することからなる請求項58記載の方法。
  61. 【請求項61】 当該洗浄工程において、当該洗浄用エタノール中のエタノ
    ール含有量を約70%から絶対エタノールまで増加させる請求項60記載の方法。
  62. 【請求項62】 各ジチオカルバメート溶液及びメタノールを、滅菌用フィ
    ルターを通して混合ゾーンに導入することにより滅菌する請求項60記載の方法
  63. 【請求項63】 当該洗浄用エタノールを滅菌用フィルターに通して滅菌す
    る請求項62記載の方法。
  64. 【請求項64】 当該分離操作において当該沈殿をフィルター又はスクリー
    ン或いはフィルター及びスクリーンを通す請求項58記載の方法。
  65. 【請求項65】 さらに、当該分離沈殿を恒量になるまで乾燥することから
    なる請求項58記載の方法。
  66. 【請求項66】 当該乾燥操作において、分離された沈殿上に滅菌不活性ガ
    スを通す請求項65の方法。
  67. 【請求項67】 滅菌用フィルターに通して当該不活性ガスを滅菌する請求
    項66記載の方法。
  68. 【請求項68】 さらに、当該沈殿ジチオカルバメートを1回分ずつ、滅菌
    条件下で各容器に収めることからなる請求項58記載の方法。
  69. 【請求項69】 請求項5記載の方法により製造された、メタノールを含ま
    ない医薬品グレードの滅菌ジチオカルバメート。
  70. 【請求項70】 請求項15記載の方法により製造された、メタノールを含
    まない医薬品グレードの滅菌ジチオカルバメート。
  71. 【請求項71】 請求項55記載の方法により製造された、メタノールを含
    まない医薬品グレードの滅菌ジチオカルバメート。
  72. 【請求項72】 請求項58記載の方法により製造された、メタノールを含
    まない医薬品グレードの滅菌ジチオカルバメート。
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