JP2002534962A - Fc融合タンパク質としての抗肥満症タンパク質の発現および輸送 - Google Patents

Fc融合タンパク質としての抗肥満症タンパク質の発現および輸送

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JP2002534962A
JP2002534962A JP2000592323A JP2000592323A JP2002534962A JP 2002534962 A JP2002534962 A JP 2002534962A JP 2000592323 A JP2000592323 A JP 2000592323A JP 2000592323 A JP2000592323 A JP 2000592323A JP 2002534962 A JP2002534962 A JP 2002534962A
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protein
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fusion protein
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キン−ミン ロー,
ジンヤン ジャン,
ステファン ディー. ギリス,
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レキシジェン ファーマシューティカルズ コーポレイション
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    • C07K2319/01Fusion polypeptide containing a localisation/targetting motif
    • C07K2319/02Fusion polypeptide containing a localisation/targetting motif containing a signal sequence

Abstract

(57)【要約】 ヌクレオチド配列(例えば、免疫グロブリンFc−レプチン融合タンパク質をコードする、DNA配列またはRNA配列)が開示される。ヌクレオチド配列は、適切な発現ベクターに挿入され得、そして哺乳動物細胞において発現され得る。このようなヌクレオチド配列の発現によって産生され得る免疫グロブリンFc−レプチン融合タンパク質のファミリーもまた、開示される。このようなヌクレオチド配列および融合タンパク質を用いて、レプチンの投与によって緩和される状態を処置するための方法もまた、開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願) 本出願は、1999年1月7日に出願された、米国仮出願番号60/115,
079号に対して優先権を主張し、この開示は、本明細書中で参考として援用さ
れる。
【0002】 (発明の分野) 本発明は、一般的には、抗肥満症タンパク質を含む融合タンパク質を作製し、
そして使用するための方法および組成物に関する。より特に、本発明は、免疫グ
ロブリンFc領域およびレプチン(leptin)(抗肥満症タンパク質)を含
む融合タンパク質を作製し、そして使用するための方法および組成物に関する。
【0003】 (発明の背景) 肥満症は、多くの疾患(例えば、糖尿病、高血圧症、心臓病および特定の型の
癌)に関連する、主要な生理学的障害である。米国では、成人人口の30%を超
える人が肥満(すなわち、少なくとも理想体重を20%超える)であると推定さ
れる。肥満は、急速に、世界的に深刻な健康問題となっているという、増加した
指摘もまた存在する。多くの場合において、特に、肥満となる素因をつくる遺伝
的特性を受け継ぐ人においては、食餌および運動単独では、体重の減少を達成す
るに不十分であることが認識される。従って、人々の減量を助け得、そして肥満
症関連障害の危険度を低下させ得る薬物の必要性が存在する。より詳細には、適
した用量レベルで、実質的な体重の減少を引き起こすために十分な効能を有する
抗肥満症薬物の必要性が存在する。肥満症は、理想体重を20%を超えていると
定義されるので、少なくとも20%の体重減少が望ましい。より重篤な場合にお
いては、30〜60%の体重減少が、人の体重を健康な範囲にまで下げるために
、必要であり得る。
【0004】 肥満症は、生理学的因子、心理学的因子、遺伝的因子および環境的因子の組み
合わせから生じ得る、多因子性の表現型である。肥満症に関連する1つの因子は
、現在クローニングされた肥満(ob)遺伝子である(Zhangら(1994
)NATURE 372:425)。正常なマウスにおいては、このob遺伝子
は、レプチンと呼ばれるホルモンをコードする(Friedmanら(1998
)NATURE 395:763)。十分に満たされた状態においては、過剰な
エネルギーが、脂肪細胞中にトリグリセリドとして変換され、そして貯蔵され、
このトリグリセリドは、順に、血流中にレプチンを分泌する。レプチンは、その
レセプターに結合することによって、メッセンジャーとして機能し、このレセプ
ターの長い形態は、シグナル伝達をし得る細胞質ドメインを有し、そして主に、
視床下部において見出される。ホルモンレセプターの結合は、脂肪組織が、エネ
ルギー貯蔵の状態について脳に知らせ得ることを通じた、シグナル伝達メカニズ
ムであることが意図される。レプチンが、血液脳関門を横切り、視床下部に位置
するレプチンレセプターへの接近を獲得することが意図される(Spiegel
manら(1996)CELL 87:377)。脳が、エネルギー貯蔵が豊富
であるというメッセージを受け取る場合に、食物取り込みの減少および/または
エネルギー消費の増加によって、体に、それに応じて調整するよう告げる。
【0005】 ob/obマウスといわれる、病的に肥満のマウスの系統は、2つの変異ob
対立遺伝子を有するホモ接合体である。変異対立遺伝子は、短縮型レプチンを産
生し、この短縮型レプチンは、非機能的であり、そしておそらく、インビボで急
速に分解する。ob/obマウスにおけるレプチンの欠乏の結果としては、嗜眠
、低体温症、高血糖症、高インスリン血症および不妊症が挙げられる。ヒトにお
いては、体重増加、およびレプチンの欠乏に対する肥満症に関連する証拠がまた
存在するが(Montagueら(1997)NATURE 387:903;
Ravussinら(1997)NATURE MEDICINE 3:238
)、肥満の人々の大多数が、高レベルの循環レプチンを有することが報告されて
いる(Considineら(1995)N.ENGL.J.MED.334:
292)。
【0006】 ob/obマウスにおけるレプチンの欠乏に関連する症状は、組換えレプチン
の投与によって改善され得る。レプチンの毎日の腹腔内注射が、食物取り込み、
体重、体脂肪百分率、ならびにグルコースおよびインスリンの血清濃度を減少し
得る。これには、代謝速度、体温および移動活性(locomotor act
ivity)における増加が付随し、これらのすべては、エネルギー消費を必要
とする(Pelleymounterら(1995)SCIENCE 269:
540;Halaasら(1995)SCIENCE 269:543)。同じ
研究において、正常なマウスはまた、レプチン処置から利益を得るが、体重、食
物取り込みおよび体脂肪における減少は、有意により小さかった。組換えレプチ
ンはまた、雌性および雄性ob/obマウスの両方における不妊症を治すために
、用いられている(Chebabら(1996)NATAURE GENETI
CS 12:318;Mounzibら(1997)ENDOCRINOLOG
Y 138:1190)。さらに、トランスジェニックマウスを用いた最近の実
験は、比較的正常なまたは低いレプチンのレベルを有する、約5〜10%の肥満
のヒトが、レプチン処置に対して応答性であり得ることを示唆した(Ioffe
ら(1998)PROC.NATL.ACAD.SCI.USA 95:118
52)。
【0007】 その存在形態におけるレプチンの使用は、数ヶ月間、一日複数回注射されるべ
き高用量のタンパク質を必要とし、所望の臨床成果を達成する。例えば、最近の
臨床試験において、高用量の範囲に対する数人のボランティアは、6ヶ月間、一
日3回注射されるべきレプチンを必要とした(WALL STREET JOU
RNAL、June 15、1998)。おそらく、頻繁な高用量が、レプチン
の低い効力および短い血清半減期の組み合わせに起因して、必要とされる。この
知見はまた、ob/obマウスモデルにおける知見と矛盾せず、一日当たり5〜
20mg/kgのレプチンの腹腔内注射が、有意な体重減少を実証するために必
要であった(Pelleymounterら(1995)SCIENCE 26
9:540;Hallasら(1995)SCIENCE 269:543;C
hebabら(1996)NATURE GENETICS 12:318;M
ounzihら(1997)ENDOCRINOLOGY 138:1190)
。レプチンの「最適以下の薬物動態」を克服するために、1時間当たり400n
gでのレプチンの皮下長期注入が、マウスにおいて生理学的な血漿レベルのレプ
チンを達成するために必要とされた(Halaasら(1997)PROC.N
ATL.ACAD.SCI.USA 94:8878)。
【0008】 頻繁な、高用量についての主要な理由は、1つ以上の内因性の特性(例えば、
レプチンのサイズおよび薬理学的な薬剤が調製される方法)に起因するようであ
る。レプチンは、約16kDの分子量を有し(Halaasら(1995)SC
IENCE 269:543)、従って、腎臓濾過によって浄化されるに十分な
程小さい。故に、高用量が、インビボでの短い血清半減期を補うために必要とさ
れ得る。
【0009】 さらに、より小さいタンパク質(例えば、レプチン)が、細菌(例えば、E.
coli)において産生され得る。特定の環境下で、組換えレプチンは、E.c
oliにおいて、不溶性の封入体として産生される。使用の前に、この封入体を
、変性剤(例えば、塩酸グアニジン)で可溶化し、変性条件下で精製し、そして
機能性タンパク質を産生するための適切な条件下でフォールドしなければならな
い。さらに、レプチンは、分子内ジスルフィド結合に関与する2つのシステイン
残基を含む。従って、可溶性の生物学的に活性な分子の回収を最大にするために
、フォールディングプロセスは、不溶性タンパク質の凝集体および分子内ジスル
フィド結合の形成を最小化するために、慎重に制御される必要がある。
【0010】 このような複雑な産生プロセスの結果として(すなわち、原核生物において作
製された封入体から精製されたレプチン)、十分な生物学的活性を有する、よく
定義された均質なタンパク質サンプルを提供することが、可能ではないかもしれ
ない。レプチンの溶解度を改善するための試みは、特定のアミノ酸残基を、アス
パラギン酸またはグルタミン酸に変異させることを含み、これによって、レプチ
ンの等電点(pI)を、5.84〜5.5未満に低下させる(米国特許第5,7
19,266号)。このような操作は、より容易に処方され、そして保存され得
る産物を生じるが、この産物はまた、意図されたレシピエントにおいて免疫原性
であり得る変異タンパク質である。
【0011】 高用量、低い効力、短い血清半減期、ならびにレプチンの産生および精製に関
与する、非常に複雑なプロセスを仮定すれば、この産生を高め、そしてこの抗肥
満症薬剤の薬理学的特性を改善する方法についての当該分野における必要性が存
在する。
【0012】 (発明の要旨) 本発明は、抗肥満症タンパク質(例えば、レプチン)を含む融合タンパク質の
作製および使用に有用な、方法および組成物を特徴とする。この融合タンパク質
は、生物学的に活性な抗肥満症タンパク質の高レベルの発現を容易にし得る。こ
の融合タンパク質は、哺乳動物(例えば、ヒト)への投与の前に、薬学的に受容
可能なキャリアと組み合わせられ得る。特定の環境下で、この抗肥満症タンパク
質は、処方および/または投与の前に、この融合タンパク質から切断され得る。
あるいは、融合タンパク質を含む抗肥満症タンパク質をコードする核酸配列は、
薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせられ得、そして哺乳動物に投与され得
る。
【0013】 レプチンの産生および分泌を容易にする新規の核酸配列(例えば、DNAおよ
びRNA)を提供することが、本発明の目的である。特に、本発明の目的は、以
下の通りである:(i)レプチンの効率的な産生および分泌を容易にする新規の
核酸配列を提供すること;(ii)種々の哺乳動物宿主細胞における、レプチン
の迅速かつ効率的な産生および分泌のための核酸構築物を提供すること;ならび
に(iii)組換えレプチンまたは遺伝子操作されたその改変体(非ネイティブ
なレプチンタンパク質、生合成レプチンタンパク質または別の人工的レプチンタ
ンパク質(例えば、合理的な設計によって作成されたタンパク質)を含む)を産
生し、分泌し、そして収集するための方法を提供すること。
【0014】 本発明の他の目的は、ポリヌクレオチド配列を提供することであり、このポリ
ヌクレオチド配列は、レプチンをコードするポリヌクレオチドに融合される場合
に、通常の試薬および技術を用いて精製され得る融合ポリペプチドを含むレプチ
ンをコードする。なお別の目的は、分泌カセットとコードされたレプチンタンパ
ク質との間にタンパク質分解性切断部位を挿入することであり、その結果、この
分泌カセットは、レプチンドメインから切断され得、そのため、レプチンは、独
立的に精製され得る。
【0015】 本発明の別の目的は、レプチンを含む融合タンパク質を提供することである。
本発明の融合タンパク質は、ネイティブのレプチンを超える、改良された生物学
的特性(例えば、増大した溶解度、長期化した血清半減期およびそのレセプター
への増大した結合)を示す。これらの特性は、レプチンの臨床効力を顕著に改善
し得る。好ましい実施形態においては、この融合タンパク質は、N末端からC末
端方向において、必要に応じて、免疫グロブリンFc領域とレプチンの間に挿入
された他の部分(例えば、タンパク質分解性切断部位)を有する免疫グロブリン
Fc領域およびレプチンを含む。得られた融合タンパク質は、好ましくは、正常
なグリコシル化部位(すなわち、通常、鋳型抗体中に存在する)で、Fc領域を
グリコシル化する細胞において、合成される。グリコシル化は、少なくとも部分
的に、融合タンパク質の増強された循環半減期に寄与する。
【0016】 本発明の他の目的は、レプチン融合タンパク質の多価形態および多量体形態な
らびにその組み合わせを提供することである。
【0017】 本発明の別の目的は、融合タンパク質または切断されたレプチンを用いる処置
の方法を提供することである。本発明の全体的な目的は、効率的および安価の両
方であるプロセスを提供すること、ならびに生物学的に活性な抗肥満症タンパク
質を得ることである。
【0018】 従って、1つの局面において、本発明は、免疫グロブリンFc領域−レプチン
融合タンパク質をコードする核酸分子(例えば、DNA分子またはRNA分子)
を提供する。この核酸分子は、シグナル配列、免疫グロブリンFc領域および少
なくとも1つの標的タンパク質(本明細書中で、抗肥満症タンパク質(例えば、
レプチン)としてもいわれる)をコードする。好ましい実施形態において、この
核酸分子は、連続的に、5’から3’方向において、シグナル配列、免疫グロブ
リンFc領域および標的タンパク質配列をコードする。別の実施形態において、
この核酸分子は、連続的に、5’から3’方向において、シグナル配列、標的配
列および免疫グロブリンFc領域をコードする。この核酸は、X−Fc構造また
はFc−X構造をコードし得、ここで、Xは、レプチンのような標的タンパク質
である。好ましい実施形態は、Fc−X構造であり、これはFc−X構造の優れ
たレベルの発現のためである。
【0019】 好ましい実施形態において、免疫グロブリンFc領域は、免疫グロブリンヒン
ジ領域を含み、そして好ましくは、少なくとも1つの免疫グロブリン定常重鎖(
constant heavy)領域ドメイン(例えば、免疫グロブリン定常重
鎖2(CH2)ドメイン、免疫グロブリン定常重鎖3(CH3)ドメイン、およ
びFc領域を産生するために用いられる免疫グロブリンの型に依存して、必要に
応じて、免疫グロブリン定常重鎖4(CH4)ドメイン)を含む。より好ましい
実施形態においては、免疫グロブリンFc領域は、少なくとも免疫グロブリン定
常重鎖1(CH1)ドメインを欠如する。免疫グロブリンFc領域は、任意の免
疫グロブリンクラス(例えば、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM)
に基づき得るが、IgGに基づく免疫グロブリンFc領域が好ましい。
【0020】 本発明の核酸は、複製可能な発現ベクターに、作動的な結合において組み込ま
れ得、次いでこのベクターは、哺乳動物宿主細胞コンピテントに導入されて、レ
プチンに基づく融合タンパク質を産生し得る。得られたレプチンに基づく融合タ
ンパク質は、哺乳動物宿主細胞から効率的に産生され、そして分泌される。分泌
されたレプチンに基づく融合タンパク質は、哺乳動物宿主細胞を溶解することな
く、培養培地から収集され得る。このタンパク質産物は、活性についてアッセイ
され得、そして/または所望されるように通常の試薬を用いて精製され得、なら
びに/あるいは従来技術をすべて用いて、融合パートナーから切断され得る。
【0021】 別の局面において、本発明は、ポリペプチド結合を直接的に通じてか、または
間接的にポリペプチドリンカーを介してのいずれかで標的タンパク質に連結され
る、免疫グロブリンFc領域を含む融合タンパク質を提供する。標的タンパク質
は、この標的タンパク質のC末端を介して、免疫グロブリンFc領域のN末端に
融合され得る。しかし、より好ましい実施形態において、標的タンパク質は、こ
の標的タンパク質のN末端を介して、免疫グロブリンFc領域のC末端に融合さ
れる。
【0022】 1つの実施形態において、本発明の融合タンパク質は、少なくとも約50グラ
ムの初期体重を有するob/obマウスに、1日当たり約0.25mg/kgの
用量で5日間投与される場合に、約10%(約5グラム)、より好ましくは、約
12%(約6グラム)、またはより好ましくは、約15%(約7.5グラム)の
初期体重減少を誘導する。より好ましい実施形態において、本発明の融合タンパ
ク質は、少なくとも約50グラムの初期体重を有するob/obマウスに、1日
当たり約0.1mg/kgの用量で5日間投与される場合に、約10%(約5グ
ラム)、より好ましくは、約12%(約6グラム)、またはより好ましくは、約
15%(約7.5グラム)の初期体重減少を誘導する。
【0023】 別の実施形態において、この融合タンパク質は、第二の標的タンパク質(例え
ば、成熟レプチン、全長レプチンまたはその生理活性フラグメント)を含み得る
。この型の構築物においては、第一および第二の標的タンパク質が、同じタンパ
ク質または異なるタンパク質であり得る。この第一および第二の標的タンパク質
は、直接的またはポリペプチドリンカーによってのいずれかによって、互いに連
結され得る。あるいは、両方の標的タンパク質は、直接的またはポリペプチドリ
ンカーを介してのいずれかによって、免疫グロブリンFc領域に連結され得る。
後者の場合においては、第一の標的タンパク質は、免疫グロブリンFc領域のN
末端に結合され得、そして第二の標的タンパク質は、免疫グロブリンFc領域の
C末端に結合され得る。
【0024】 別の実施形態において、2つの融合タンパク質は、共有結合的(例えば、ジス
ルフィド結合もしくはポリペプチド結合によって)、または非共有結合的のいず
れかによって結合し、二量体タンパク質を産生し得る。好ましい実施形態におい
て、この2つの融合タンパク質は、システイン残基(好ましくは、各々の鎖の免
疫グロブリンFc領域内に配置される、免疫グロブリンヒンジ領域内に位置した
)を介した、少なくとも1つ、そしてより好ましくは2つの鎖内ジスルフィド結
合によって、共有結合的に結合される。
【0025】 別の局面において、本発明は、免疫グロブリンFc領域および標的タンパク質
を含む融合タンパク質を産生する方法を提供する。この方法は、以下の工程:(
a)シグナル配列を用いてか、または用いずにのいずれかで、このような融合タ
ンパク質をコードするDNA分子を含む、哺乳動物細胞を提供する工程、および
(b)この哺乳動物細胞を培養して、融合タンパク質を産生する工程、を包含す
る。次いで、得られた融合タンパク質を収集し、再フォールドし、必要に応じて
、当該分野で周知であり、そして使用される従来の精製技術を用いて、精製し得
る。この融合タンパク質は、免疫グロブリンFc領域と標的タンパク質の間に配
置された、タンパク質分解性切断部位を含むと仮定すると、この標的は、従来の
タンパク質分解酵素を使用して融合タンパク質から切断され得、そして必要に応
じて、使用の前に精製され得る。
【0026】 さらに別の局面において、本発明は、本発明の方法によって産生されたレプチ
ンおよび/または本発明の融合構築物の有効量を哺乳動物に投与することによっ
て、レプチンまたはその活性な改変体によって緩和される状態を処置するための
方法を提供する。本発明はまた、本発明のDNAまたはRNA(例えば、「裸の
DNA」あるいは本発明のDNAまたはRNAを含むベクター)を、レプチンま
たはその活性な改変体によって緩和される状態を有する哺乳動物に投与すること
によって、この状態を処置するための方法を提供する。
【0027】 本発明の前述の目的および他の目的、特徴および利点は、続く詳細な説明、図
面および特許請求の範囲からより明らかとなる。
【0028】 (発明の詳細な説明) 本発明は、抗肥満症タンパク質の産生に有用な融合タンパク質を提供する。本
発明の融合タンパク質および/またはこのような融合タンパク質をコードする核
酸は、抗肥満症タンパク質を用いて処置される必要のある哺乳動物に直接的に投
与され得る。しかし、この抗肥満症タンパク質は、使用の前にこの融合タンパク
質から切断され得ることが意図される。
【0029】 従って、本発明は、免疫グロブリンFc領域および少なくとも1つの標的タン
パク質(本明細書中でレプチンといわれる)を含む、融合タンパク質を提供する
。本発明を具体化するタンパク質構築物の5つの例示的な実施形態は、図1A〜
1Eとして図面に例示される。二量体構築物が好ましいので、全ては、隣接する
サブユニット中のシステイン間のジスルフィド結合の対によって架橋された二量
体として例示される。この図面において、ジスルフィド結合は、2つの免疫グロ
ブリン重鎖Fc領域とともに、各重鎖内の免疫グロブリンヒンジ領域を介して結
合するように示され、そして従って、この結合は、これらの分子のネイティブ形
態の特徴である。Fcのヒンジ領域を含む構築物が好ましく、そして治療剤とし
ての見込みを示したが、本発明は、所望されるように他の位置での架橋が選択さ
れ得ることを意図する。さらに、いくつかの状況下で、本発明の実施において有
用な二量体または多量体は、非共有結合的会合(例えば、疎水性相互作用)によ
って生成され得る。
【0030】 ホモ二量体構築物は本発明の重要な実施形態であるので、図面は、このような
構築物を例示する。ヘテロ二量体構造もまた、本発明の実施において有用である
ことが理解されるべきである。しかし、種々の哺乳動物種(ヒトを含む)におい
て肥満症を阻害するために有用な、実行可能な構築物が構築され得る(例えば、
全長レプチンを含む二量体Fc融合タンパク質の1つの鎖およびレプチン改変体
を含む二量体Fc融合タンパク質の他の鎖)。
【0031】 図1Aは、本明細書中に記載される原理に従って生成された二量体構築物を示
す(例えば、実施例1および4を参照のこと)。実施例1は、マウス構築物を表
し、そして実施例4は、ヒト構築物を表す。ホモ二量体の各単量体は、免疫グロ
ブリンFc領域1(ヒンジ領域、CH2ドメインおよびCH3ドメインを含む)
を含む。Fc領域のC末端に直接的に(すなわち、ポリペプチド結合を介して)
結合されるのは、レプチン2である。Fc領域は、ポリペプチドリンカーを介し
て標的タンパク質に結合され得ることが理解されるべきである(示していない)
【0032】 図1Bおよび1Cは、タンデムに配置されそしてリンカーによって連結される
、複数の抗肥満症タンパク質を標的タンパク質として含む、本発明のタンパク質
構築物を示す。図1Bにおいて、標的タンパク質は、全長レプチン2、グリシン
残基およびセリン残基から作製されるポリペプチドリンカー4、ならびにレプチ
ンの活性改変体3を含む。図1Cは、ほとんどのC末端タンパク質ドメインがレ
プチン2の第2の全長コピーを含むことにおいて、図1Bの構築物と異なる。
【0033】 図1A〜1Cは、Fc−X構築物を示す(ここで、Xは、標的タンパク質であ
る)が、X−Fc型構築物はまた、本発明の実施において有用であり得ることが
、意図される。従って、図1Dおよび1Eは、本明細書中に示される原理に従っ
て作製されるX−Fc型構築物を示す(例えば、実施例5および6を参照のこと
)。図1Dにおいて示されるX−Fc型構築物は、そのN末端に全長レプチン2
’を含む。レプチンのC末端に直接的に連結されるのは、ヒンジ領域を含むFc
領域1’である。図1Eにおいて、例示される構築物は、そのN末端に全長レプ
チン2’を有する。しかし、図1Dの構築物とは対照的に、図1Eに示されるレ
プチン2’は、Fc領域1’に対してポリペプチドリンカー4’によって連結さ
れる。さらに、本発明の有用なタンパク質はまた、式X−Fc−Xによって示さ
れ得ることが意図される。ここで、Xは、同じまたは異なる標的タンパク質を示
し得る。
【0034】 本明細書中で使用される場合、用語「ポリペプチドリンカー」は、天然におい
てはともに天然に結合しない2つのタンパク質を一緒に結合し得るペプチド配列
を意味することが、理解される。ポリペプチドリンカーは、好ましくは、複数の
アミノ酸(例えば、アラニン、グリシンおよびセリンまたはこのようなアミノ酸
の組合せ)を含む。好ましくは、ポリペプチドリンカーは、一連の、約10〜1
5残基長のグリシンペプチドおよびセリンペプチドを含む。例えば、米国特許第
5,258,698号を参照のこと(この開示は、本明細書中に参考として援用
される)。しかし、最適なリンカー長およびアミノ酸組成は、慣用的な実験によ
って決定され得ることが、意図される。
【0035】 本明細書中で使用される場合、用語「多価」は、2つ以上の生物学的に活性な
セグメントを組み込む組換え分子をいう。多価分子を形成するタンパク質フラグ
メントは、構成部分を結合しかつ各々独立して機能することを許容するポリペプ
チドリンカーを通じて結合され得る。
【0036】 本明細書中で使用される場合、用語「二価」は、配置Fc−XまたはX−Fc
を有する多価組換え分子をいう。ここで、Xは、標的分子である。免疫グロブリ
ンFc領域は、例えば、鎖内ジスルフィド結合を介して会合されて、図1Aおよ
び1Dに示される型の構築物を生成し得る。本発明の融合構築物が配置Fc−X
−Xを有する場合、得られるFc二量体分子は、図1Cに示される。2つの標的
タンパク質は、ペプチドリンカーを通じて結合され得る。図1Aに示される型の
構築物は、標的分子とそのレセプターとの間のみかけの結合親和性を増大し得る
。例えば、Fc−レプチン融合タンパク質の1つのレプチン部分が特定の親和性
を有する細胞上のレセプターに結合し得る場合、同じFc−レプチン融合タンパ
ク質の第2のレプチン部分は、非常により高いアビディティー(みかけの親和性
)で同じ細胞上の第2のレセプターに結合し得る。これは、第1のレプチン部分
がすでに結合した後に、第2のレプチン部分のレセプターへの物理的近接のため
に生じ得る。抗原に対する抗体結合の場合、みかけの親和性は、少なくとも数万
倍(すなわち、104)増大され得る。各タンパク質サブユニット(すなわち、
「X」)は、それ自体独立した機能を有し、その結果、多価分子において、タン
パク質サブユニットの機能は、相加的または相乗的であり得る。
【0037】 本明細書中で使用される場合、用語「多量体(の)」は、共有的(例えば、共
有的相互作用(例えば、ジスルフィド結合)による)かまたは非共有的(例えば
、疎水性相互作用による)のいずれかでの、2つ以上のポリペプチド鎖の安定な
会合をいう。用語多量体は、ホモ多量体(サブユニットが同じである)ならびに
ヘテロ多量体(サブユニットが異なる)の両方を含むことが、意図される。
【0038】 本明細書中で使用される場合、用語「二量体(の)」は、2つのポリペプチド
鎖が、共有的または非共有的相互作用によって安定に会合される、特定の多量体
分子をいう。免疫グロブリンFc領域(少なくともヒンジ領域の一部、CH2ド
メインおよびCH3ドメインを含む)は、代表的に二量体を形成することが理解
されるべきである。多くのタンパク質リガンドXが、それらのレセプターにリガ
ンドとして結合することが公知である。タンパク質リガンドXが天然に二量体化
する場合、Fc−X分子のX部分は、より大きな程度まで二量体化する。なぜな
ら、二量体化プロセスは、濃度依存性であるからである。Fcによって連結され
る2つのX部分の物理的近接は、二量体化を分子内プロセスにし、二量体を支持
する平衡を大きく移動させ、そしてレセプターに対するその結合を増強する。
【0039】 本明細書中で使用される場合、用語「レプチン」は、全長成熟レプチンタンパ
ク質(例えば、配列番号2および配列番号4を参照のこと(これらは、それぞれ
、成熟ヒトレプチンおよびマウスレプチンを示す))のみならず、それらの改変
体および生物活性フラグメントもまた意味することが、理解される。用語生物活
性フラグメントは、ob/obマウスモデルを使用して決定されるような成熟鋳
型レプチンタンパク質の生物学的活性の、少なくとも30%、より好ましくは、
少なくとも70%、そして最も好ましくは、少なくとも90%を有する、任意の
レプチンタンパク質フラグメントをいう。用語改変体は、種改変体および対立遺
伝子改変体、ならびに他の天然に存在する改変体または天然に存在しない改変体
(例えば、遺伝子操作プロトコルによって生成される)を含み、本明細書中で開
示されるレプチンの天然に存在する配列のいずれかに対して、少なくとも70%
類似または60%同一、より好ましくは、少なくとも75%類似または65%同
一、そして最も好ましくは、少なくとも80%類似または70%同一である。
【0040】 候補ポリペプチドが参照ポリペプチドに対して必須の類似性パーセンテージま
たは同一性パーセンテージを有するか否かを決定するために、候補アミノ酸配列
および参照アミノ酸配列は、最初に、HenikoffおよびHenikoff
(1992)、「Amino acid substitution matr
ices from protein blocks」、PROC.NATL.
ACAD.Sci.USA 89:10915〜10919の図2に記載される
BLOSUM62置換マトリクスを組み合わせて、SmithおよびWater
man(1981)J.MOL.BIOL.147:195〜197に記載され
るダイナミックプログラミングアルゴリズムを使用して整列される。本発明につ
いて、ギャップ挿入ペナルティー(gap insertion penalt
y)についての適切な値は、−12であり、そしてギャップ伸長ペナルティー(
gap extension penalty)についての適切な値は、−4で
ある。Smith−WatermanのアルゴリズムおよびBLOSUM62マ
トリクスを使用する整列を実施するコンピュータープログラム(例えば、GCG
プログラムスート(Oxford Molecular Group,Oxfo
rd,England)は、市販されており、そして当業者によって広範に使用
される。
【0041】 一旦、候補配列と参照配列との間の整列が作製されると、パーセント類似性ス
コアが計算され得る。各々の配列の個々のアミノ酸は、互いにこれらの類似性に
従って、連続的に比較される。2つの整列されたアミノ酸に対応するBLOSU
M62マトリクスにおける値が0または負の数である場合、対合(pair−w
ise)類似性スコアは、0であるか;そうでなければ、対合類似性スコアは、
1.0である。生の類似性スコアは、整列されたアミノ酸の対合類似性スコアの
合計である。次いで、生のスコアは、この生のスコアを、候補配列または参照配
列の小さいほうのアミノ酸の数で除算することによって正規化される。正規化さ
れた生のスコアは、パーセント類似性である。あるいは、パーセント同一性を計
算するために、各配列の整列されたアミノ酸は、再び連続的に比較される。アミ
ノ酸が同一でない場合、対合同一性スコアは、0であるか;そうでなければ、対
合同一性スコアは、1.0である。生の同一性スコアは、整列された同一のアミ
ノ酸の合計である。次いで、生のスコアは、この生のスコアを、候補配列または
参照配列の小さいほうのアミノ酸の数で除算することによって正規化される。正
規化された生のスコアは、パーセント同一性である。挿入および欠失は、パーセ
ント類似性およびパーセント同一性を計算する目的のために無視される。従って
、ギャップペナルティーは、この計算において使用されないが、これらは、最初
の整列において使用される。
【0042】 改変体はまた、レプチン様活性を有する他のレプチンムテインを含み得る。例
えば、米国特許第5,719,266号を参照のこと。この開示は、本明細書中
で参考として援用される。種改変体は、ヒトレプチン配列およびマウスレプチン
配列(例えば、それぞれ、配列番号2および配列番号4を参照のこと)を含むが
、これらに限定されず、そして種改変体は、例えば、登録番号U72873(P
ongo pygmaeus)、登録番号U96450(Pan troglo
gytes)、登録番号U66254(Sus scrota)、登録番号U5
0365(Bos taurus)、登録番号D49653(Rattus n
orvegicus)、登録番号U58492(Macaca mulatta
)、登録番号U72872(Gorilla gorilla)、登録番号U6
2123(Ovis aries)、登録番号AF082500(Gallus
gallus)、登録番号AF082501(Meleagris gall
opavo)、登録番号AB020986(Canis familiaris
)、登録番号AF097582(Equus caballus)、および登録
番号AF159713(Sminthopsis crassicaudata
)に基づく、Genbankおよび/またはEMBLデータベースにおいて開示
されるヌクレオチド配列によってコードされる。これらの開示は、本明細書中で
参考として援用される。
【0043】 さらに、レプチン配列は、配列番号20に示されるコンセンサス配列の一部ま
たは全てを含み得る。ここで、レプチンは、ob/obマウスモデルを使用して
決定されるように、成熟全長ヒトレプチンの生物学的活性の、少なくとも30%
、より好ましくは、少なくとも70%、そして最も好ましくは、少なくとも90
%を有する。配列番号20のコンセンサス配列は、マウス、ラット、ニワトリ、
ヒト、チンパンジー、雌ウシ、ヒツジ、ローランドゴリラ、アカゲザル、ブタ、
オランウータンおよびイヌ由来のレプチン配列から生成された。例えば、レプチ
ンは、以下:
【0044】
【化1】 (配列番号20)のコンセンサス配列の一部または全てを含み得る。ここで、必
要に応じて、Xaa3は、IleまたはCysであり得、Xaa4は、Arg、
Trp、GlnまたはHisであり得、Xaa5は、Lys、ArgまたはIl
eであり得、Xaa6は、ValまたはPheであり得、Xaa19は、Ala
またはThrであり得、Xaa28は、Glnまたはペプチド結合であり得、X
aa32は、SerまたはAlaであり得、Xaa33は、LysまたはArg
であり得、Xaa35は、ArgまたはLysであり得、Xaa37は、Ala
またはThrであり得、Xaa46は、GlnまたはHisであり得、Xaa4
8は、Val、IleまたはLysであり得、Xaa50は、SerまたはTh
rであり得、Xaa53は、Arg、LysまたはGlnであり得、Xaa60
は、IleまたはValであり得、Xaa64は、IleまたはValであり得
、Xaa66は、Ans、Thr、IleまたはAlaであり得、Xaa67は
、LeuまたはMetであり得、Xaa68は、LeuまたはMetであり得、
Xaa69は、HisまたはProであり得、Xaa71は、ArgまたはGl
nであり得、Xaa73は、ValまたはMetであり得、Xaa74は、Va
l、IleまたはLeuであり得、Xaa77は、SerまたはAlaであり得
、Xaa78は、AsnまたはHisであり得、Xaa89は、LeuまたはV
alであり得、Xaa92は、Ser、PheまたはAlaであり得、Xaa9
7は、Pro、HisまたはSerであり得、Xaa100は、Arg、Qln
、TrpまたはLeuであり得、Xaa101は、Ala、ValまたはThr
であり得、Xaa102は、ArgまたはSerであり得、Xaa103は、G
lyまたはAlaであり得、Xaa105は、GluまたはGlnであり得、X
aa106は、Thr、SerまたはLysであり得、Xaa107は、Phe
、LeuまたはProであり得、Xaa108は、GluまたはAspであり得
、Xaa111は、GlyまたはAspであり得、Xaa112は、Gly、A
spまたはValであり得、Xaa118は、LeuまたはGlyであり得、X
aa131は、Ala、GlyまたはArgであり得、Xaa132は、Ala
またはSerであり得、Xaa136は、MetまたはIleであり得、Xaa
138は、Arg、TrpまたはQlnであり得、Xaa139は、Argまた
はGlnであり得、Xaa142は、LeuまたはValであり得、あるいはX
aa145は、GlyまたはGluであり得る。
【0045】 好ましい実施形態において、標的タンパク質は、全長のレプチンの成熟配列を
含む。ヒトレプチンタンパク質およびマウスレプチンタンパク質をコードするヌ
クレオチド配列およびヒトレプチンタンパク質およびマウスレプチンタンパク質
を定義するアミノ酸配列は、配列番号1〜4に示される。
【0046】 本明細書中に開示される標的タンパク質は、免疫グロブリンのFc領域を有す
る融合タンパク質として表され得る。公知のように、各免疫グロブリン重鎖定常
領域は、4つまたは5つのドメインを含む。このドメインは、連続的に以下のよ
うに名付けられる:CH1−ヒンジ−CH2−CH3(CH4)。重鎖ドメイン
のDNA配列は、免疫グロブリンクラスのうちで交差相同性を有する。例えば、
IgGのCH2ドメインは、IgAおよびIgDのCH2ドメイン、ならびにI
gMおよびIgEのCH3ドメインに相同である。
【0047】 本明細書中で使用される場合、用語「免疫グロブリンFc領域」は、免疫グロ
ブリン鎖定常領域、好ましくは、免疫グロブリン重鎖定常領域、またはその一部
のカルボキシル末端部分を意味することが、理解される。例えば、免疫グロブリ
ンFc領域は、以下を含み得る:1)CH1ドメイン、CH2ドメインおよびC
H3ドメイン、2)CH1ドメインおよびCH2ドメイン、3)CH1ドメイン
およびCH3ドメイン、4)CH2ドメインおよびCH3ドメイン、または5)
2つ以上のドメインおよび免疫グロブリンヒンジ領域の組合せ。好ましい実施形
態において、免疫グロブリンFc領域は、少なくとも免疫グロブリンヒンジ領域
、CH2ドメインおよびCH3ドメインを含み、そして好ましくは、CH1ドメ
インを欠如する。
【0048】 重鎖定常領域が由来する免疫グロブリンの現在の好ましいクラスは、IgG(
Igγ)(γサブクラス1、2、3または4)である。ヒトFcγ−1のヌクレ
オチド配列およびアミノ酸配列は、配列番号5および6に示される。マウスFc
γ−2aのヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は、配列番号7および8に示さ
れる。免疫グロブリンの他のクラス(IgA(Igα)、IgD(Igδ)、I
gE(Igε)およびIgM(Igμ))が、使用され得る。適切な免疫グロブ
リン重鎖定常領域の選択は、米国特許第5,541,087号および同第5,7
26,044号において詳細に議論される。特定の結果を達成するための、特定
の免疫グロブリンクラスおよびサブクラスからの特定の免疫グロブリン重鎖定常
領域配列の選択は、当該分野の技術レベル内であるとみなされる。免疫グロブリ
ンFc領域をコードするDNA構築物の一部は、好ましくは、少なくともヒンジ
ドメインの一部を含み、そして好ましくは、IgA、IgD、IgEまたはIg
Mのいずれかにおける少なくともFcγのCH3ドメインの一部もしくは相同性
ドメインを含む。
【0049】 適用に依存して、ヒト以外の種(例えば、マウスまたはラット)由来の定常領
域遺伝子が、使用され得る。DNA構築物における融合パートナーとして使用さ
れる免疫グロブリンFc領域は、一般に、任意の哺乳動物種由来であり得る。F
c領域に対して宿主細胞または宿主動物における免疫応答を惹起することが望ま
しくない場合、Fc領域は、宿主細胞または宿主動物と同じ種由来であり得る。
例えば、ヒト免疫グロブリンFc領域は、宿主動物または宿主細胞がヒトである
場合に使用され得る;同様に、マウス免疫グロブリンFc領域は、宿主動物また
は宿主細胞がマウスである場合に使用され得る。
【0050】 本発明の実施において有用なヒト免疫グロブリンFc領域およびマウス免疫グ
ロブリンFc領域をコードする核酸配列およびこの領域を定義するアミノ酸配列
は、配列番号5〜8に示される。しかし、本発明の実施において有用な他の免疫
グロブリンFc領域配列が見出されることが、意図される(例えば、Genba
nkおよび/またはEMBLデータベースに開示されるヌクレオチド配列(例え
ば、AF045536.1(Macaca fuscicularis)、AF
045537.1(Macaca mulatta)、AB016710(Fe
lix catus)、K00752(Oryctolagus cunicu
lus)、U03780(Sus scrofa)、Z48947(Camel
us dromedarius)、X62916(Bos taurus)、L
07789(Mustela vison)、X69797(Ovis ari
es)、U17166(Cricetulus migratorius)、X
07189(Rattus rattus)、AF57619.1(Trich
osurus vulpecula)またはAF035195(Monodel
phisdomestica))によってコードされる配列による)。これらの 開示は、本明細書中に参考として援用される。
【0051】 さらに、免疫グロブリン重鎖定常領域内のアミノ酸の置換または欠失は、本発
明の実施において有用であり得ることが、意図される。1つの例は、Fcレセプ
ターについての親和性を減少するFc改変体を作製するために、上部CH2領域
においてアミノ酸置換を導入することである(Coleら(1997)J.IM
MUNOL.159:3613)。当業者は、周知の分子生物学的技術を使用し
て、このような構築物を調製し得る。
【0052】 Fc領域配列としてのヒトFcγ1の使用は、いくつかの利点を有する。例え
ば、Fc融合タンパク質が生物薬剤(biopharmaceutical)と
して使用される場合、Fcγ1ドメインは、融合タンパク質に対してエフェクタ
ー機能活性を付与し得る。エフェクター機能活性は、生物学的活性(例えば、胎
盤移動、および血清半減期の増加)を含む。免疫グロブリンFc領域はまた、抗
FcELISAによる検出およびStaphylococcus aureus
プロテインA(「プロテインA」)に対する結合を介する精製について提供する
。しかし、特定の適用において、免疫グロブリンFc領域からの特定のエフェク
ター機能(例えば、Fcレセプター結合および/または補体固定化)を欠失する
ことが、望ましくあり得る。
【0053】 本発明の融合タンパク質において、免疫グロブリンFc領域は、レプチンタン
パク質の適切なフォールディングを容易にして、活性レプチンタンパク質を生じ
、そしてまた、少なくとも細胞外媒体において活性な部分に対して溶解度を与え
る。免疫グロブリンFc領域は親水性であるので、レプチン含有融合タンパク質
は、細菌宿主において発現されるレプチン対応物とは異なり、可溶性である。D
iMarchiら(米国特許第5,719,266号)は、特定のアミノ酸残基
をアスパラギン酸またはグルタミン酸へ変異し、それによりレプチンの等電点(
pI)が5.84から5.5未満に低下することによって、レプチンの溶解度を
改善した。融合パートナーとしての免疫グロブリンFc領域の使用は、より低い
pIを有するレプチンムテインの作製のための必要性を減少させる。なぜなら、
Fcは、グリコシル化され、そして生理学的pIで高度に荷電されており、それ
ゆえに、レプチンを可溶化するためのキャリアとして作用するからである。結果
として、レプチン含有融合タンパク質は、水溶液(例えば、薬学的に受容可能な
キャリア)中で完全に可溶性である。
【0054】 本発明は、本発明の実施において有用なFc融合タンパク質を作製するための
従来の組換えDNA方法論を利用することが理解される。好ましくは、Fc融合
構築物は、DNAレベルで作製され、そして得られたDNAは、発現ベクターに
組み込まれ、そして発現し、本発明の融合タンパク質を産生する。本明細書中で
用いられる場合、用語「ベクター」は、宿主細胞に組み込まれ、そして宿主細胞
のゲノムと組替えられ、そして宿主細胞のゲノムと統合されるヌクレオチド配列
形質転換受容体を含む任意の核酸を意味することが理解される。このようなベク
ターは、直線化核酸、プラスミド、ファージミド、コスミド、RNAベクター、
ウイルスベクターなどを含む。ウイルスベクターの制限されない例は、レトロウ
イルス、アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルスを含む。本明細書中で用いら
れる場合、用語「遺伝子発現」または標的タンパク質の「発現」は、DNA配列
の転写、mRNA転写物の翻訳、およびFc融合タンパク質産物の選択を意味す
ることが理解される。
【0055】 有用な発現ベクターは、pdCs(Loら(1988)、Protein E
ngineering 11:495、この開示は、本明細書中に参考として援
用される)であり、ここで、Fc−X遺伝子の転写は、ヒトサイトメガロウイル
スのエンハンサー/プロモーターおよびSV40のポリアデニル化シグナルを利
用する。用いたヒトサイトメガロウイルスのエンハンサー配列およびプロモータ
ー配列は、Boshartら(1985)Cell 41:521(この開示は
、本明細書中に参考として援用される)に提供される配列のヌクレオチド−60
1〜+7由来である。このベクターはまた、選択マーカーとして変異ジヒドロ葉
酸レダクターゼ遺伝子を含む(SimonsenおよびLevinson(19
83)PROC.NAT.ACAD.SCI.USA 80:2495(この開
示は、本明細書中に参考として援用される))。
【0056】 適切な宿主細胞は、本発明のDNA配列で形質転換またはトランスフェクトさ
れ得、そして標的タンパク質の発現および/または選択に利用され得る。現在、
本発明における使用のために好ましい宿主細胞は、不死化ハイブリドーマ細胞、
NS/Oミエローマ細胞、293細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞、HE
LA細胞およびCOS細胞を含む。
【0057】 哺乳動物細胞における融合タンパク質の高レベルな発現を産生するために使用
されてきた発現系の1つは、分泌カセット(シグナル配列および免疫グロブリン
Fc領域、ならびに標的タンパク質を含む)を5’から3’の方向にコードする
DNA構築物である。いくつかの標的タンパク質は、このような系において満足
に発現され、そして、例えば、IL2、CD26、Tat、Rev、OSF−2
、βIG−H3、IgEレセプター、PSMAおよびgp120を含む。これら
の発現構築物は、Loらの米国特許第5,541,087号および同5,726
,044号(これらの開示は、本明細書中に参考として援用される)に開示され
る。
【0058】 本明細書中で用いられる場合、用語「シグナル配列」は、レプチン融合タンパ
ク質の分泌を指向し、その後宿主細胞において翻訳に引き続いて切断されるセグ
メントを意味することが理解される。本発明のシグナル配列は、小胞体の幕を横
切ってタンパク質の移行を開始するアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド
である。本発明において有用なシグナル配列は、抗体軽鎖シグナル配列(例えば
、抗体14.18(Gilliesら(1989)J.IMMUNOL.MET
H.125:191))、抗体重鎖シグナル配列(例えば、MOPC141抗体
重鎖シグナル配列(Sakanoら(1980)NATURE 286:557
4))、および当該分野において公知の他のシグナル配列(例えば、Watso
n(1984)NUCLEIC ACIDS RESEARCH 12:514
5を参照のこと)を含む。これらの参考文献のそれぞれが、本明細書中に参考と
して援用される。
【0059】 シグナル配列は、当該分野において十分特徴付けられており、そして代表的に
は、16〜30アミノ酸残基を含むことが公知であり、そしてより多いまたはよ
り少ないアミノ酸残基を含み得る。代表的なシグナルペプチドは、3つの領域か
らなる:塩基性N末端領域、中央の疎水性領域、およびより極性のC末端領域。
中央の疎水性領域は、初期のポリペプチド移行の間、シグナルペプチドを膜脂質
二重層を横切って固着させる4〜12の疎水性残基を含む。開始後、シグナルペ
プチドは通常、シグナルペプチダーゼとして公知の細胞性酵素によって、小胞体
の内腔で切断される。シグナルペプチドの潜在的な切断部位は、一般的に、「(
−3,−1)規則」に従う。従って、代表的なシグナルペプチドは、−1位およ
び−3位で小さい中性のアミノ酸残基を有し、そしてこの領域におけるプロリン
残基を欠く。このシグナルペプチダーゼは、−1のアミノ酸と+1のアミノ酸と
の間のこのようなシグナルペプチドを切断する。従って、このシグナル配列は、
分泌の間に融合タンパク質のアミノ末端から切断され得る。これは、免疫グロブ
リンのFc領域および標的タンパク質からなるFc融合タンパク質の分泌を生じ
る。シグナルペプチド配列の詳細な説明は、von Heijne(1986)
NUCLEIC ACIDS RES.14:4683によって提供される(こ
の参考文献のそれぞれが、本明細書中に参考として援用される)。
【0060】 当業者に明らかなように、分泌カセットにおける使用のための特定のシグナル
配列の安定性は、いくつかの慣用的実験を要求し得る。このような実験は、Fc
融合タンパク質の分泌を指向するためのシグナル配列の能力を決定すること、お
よびFc融合タンパク質の効果的な分泌を達成するために使用される配列の最適
な配置(ゲノムまたはcDNA)の決定をまた包含する。さらに、当業者は、v
on Heijne(上記で参照される)によって示される規則に従って、合成
シグナルペプチドを作製し得、慣用的な実験によってこのような合成シグナル配
列の有効性について試験し得る。シグナル配列はまた、「シグナルペプチド」「
リーダー配列」または「リーダーペプチド」として言及され得る。
【0061】 シグナル配列および免疫グロブリンFc領域の融合は、時々本明細書中に分泌
カセットとして言及される。本発明の実施に有用な模範的分泌カセットは、免疫
グロブリン軽鎖遺伝子シグナル配列およびヒト免疫グロブリンγ1遺伝子のFc
γ1領域を、5’から3’の方向にコードするポリヌクレオチドである。免疫グ
ロブリンFcγ1遺伝子のFcγ1領域は、好ましくは、少なくとも免疫グロブ
リンのヒンジドメインの一部、および少なくともCH3ドメイン、またはより好
ましくは、少なくともヒンジドメイン、CH2ドメインおよびCH3ドメインの
一部を含む。本明細書中で用いられる場合、免疫グロブリンヒンジドメインの「
一部」は、鎖間ジスフィルド結合を形成し得る少なくとも1つ、好ましくは2つ
のシステイン残基を含む免疫グロブリンヒンジの一部を意味することが理解され
る。分泌カセットをコードするDNAは、そのゲノム配置またはそのcDNA配
置に置かれ得る。特定の環境下で、これは、ヒト免疫グロブリンFcγ2重鎖配
列からFc領域を産生するために有利であり得る。ヒト免疫グロブリンγ1配列
およびγ2配列に基づくFc融合物は、マウスにおいて同様に振舞うが、γ2配
列に基づくFc融合物は、ヒトにおいてより優れた薬物動態を示し得る。
【0062】 別の実施形態において、DNA配列は、選択カセットと標的タンパク質との間
に挿入されたタンパク質分解性切断部位をコードする。切断部位は、コードされ
た融合タンパク質のタンパク質分解性切断を提供し、従って、標的タンパク質か
らFcドメインを分離する。本明細書中で用いられる場合、「タンパク質分解性
切断部位」は、タンパク質分解酵素または他のタンパク質分解性因子によって優
先的に切断されるアミノ酸配列を意味することが理解される。有用なタンパク質
分解性切断部位は、トリプシン、プラスミンまたはエンテロキナーゼKのような
タンパク質分解酵素によって認識されるアミノ酸配列を含む。多くの切断部位/
切断因子対が公知である。例えば、米国特許第5,726,044号(この開示
は、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。
【0063】 本明細書中に開示される実施例において、高レベルのFc−レプチン融合タン
パク質が産生された。最初のクローンは、約50μg/mLのFc−レプチンを
産生した。このFc−rレプチンを、プロテインAクロマトグラフィーによって
容易に均質に精製し得る。発現レベルを、しばしばサブクローニングによって数
倍に増加し得る。さらに、Fc−レプチン融合タンパク質は、切断され得、さら
に精製(例えば、アフィニティ精製によって)され得る。上述のように、レプチ
ンがFc融合分子として発現される場合、高レベルの発現が得られ、おそらくは
Fc部分はキャリアとして働くので、C末端においてポリペプチドを正確に維持
しそして有効に分泌するように補助する。さらに、Fc領域はグリコシル化され
、そして生理的pHで高度に荷電され、従って、Fc領域は、疎水性タンパク質
を可溶化することを補助し得る。
【0064】 高レベルな発現に加え、レプチン融合タンパク質は、それらのより大きな分子
サイズに一部起因して、レプチン単体に比べて長い血清半減期を示した。例えば
、マウスFc−マウスレプチンは、マウスにおいて、マウスレプチンについての
18分に比べて、8.8時間の循環半減期を有する(以下の実施例14を参照の
こと)。約16kDの分子量を有するレプチンは、腎臓での濾過によって効率よ
く清澄化するに十分小さい。逆に、Fc−レプチン融合タンパク質は、約90k
Dの分子量を有する。なぜなら、2つのレプチン部分が各々免疫グロブリンFc
領域に結合するからである。ここで、Fc領域は、互いに共有結合する。このよ
うな二量体構造は、レプチンレセプター(この配列は、2つのリガンド結合ドメ
インを含むことを示唆する)に対して、より高い結合親和性を示すべきである(
Tartagliaら(1995)CELL 83:1263)。レプチン活性
がレセプター媒介性であるようであるので、レプチン融合タンパク質は、レプチ
ン自体よりも潜在的により有効である。
【0065】 さらに、多くのタンパク質リガンドは、二量体としてそれらのレセプターに結
合することが公知である。レプチンが二量体タンパク質リガンドのクラスに属す
る場合、レプチン上の免疫グロブリンFc領域によって課される物理的制限は、
二量体化を分子内プロセスにし、従って、二量体のために平衡をシフトし、そし
てそのレセプターに対する結合を増強する。システイン残基はまた、標準的な組
換えDNA技術によって、適切な場所で、この単量体に対して導入されて、共有
結合性ジスフィルド結合形成を通じてこの二量体を安定化し得る。
【0066】 本発明の融合タンパク質は、いくつかの重要な臨床的利点を提供する。ob/
obマウスモデルにおいて示されるように、muFc−muレプチンの形態での
、0.1mg/kg/日のマウスレプチンの腹腔内注射または皮下注射は、5〜
20mg/kg/日の細菌的に産生されたレプチンと比較する場合、体重におい
て匹敵する減少を達成するに十分であった(Pelleymounterら(1
995)SCIENCE 269:540;Hallasら(1995)SCI
ENCE 269:543;Chebabら(1996)NATURE GEN
ETICS 12:318;Mounzihら(1997)ENDOCRINO
LOGY 138:1190)。0.25mg/kgの用量が使用された場合、
注射頻度は、週に3回まで下げられ得た。さらに、0.25mg/kgのmuF
c−muレプチンで毎日4ヶ月以上にわたって注射されるob/obマウスは、
検出可能な副作用を有さずに、まだ都合よく処置に応答した。確かに、このマウ
スは、食欲の減退ならびに産熱および移動活性の増加を伴って、非常に健康であ
り続けた。これらの結果を考慮して、本発明のFc−レプチンの種々の構造的コ
ンフォメーションを構築する能力は、ネイティブの抗肥満症タンパク質を超える
改善された効力を示し得る分子を提供する。
【0067】 少なくとも約50グラムの最初の体重を有するob/obマウスへ、約0.2
5mg/kg/日の用量で5日間の注射によって投与される場合、本発明の融合
タンパク質は、最初の体重の約10%(約5グラム)、より好ましくは、約12
%(約6グラム)またはさらにより好ましくは、約15%(約7.5グラム)の
喪失を誘導する。より好ましくは、少なくとも約50グラムの最初の体重を有す
るob/obマウスへ、約0.1mg/kg/日の用量で5日間の注射によって
投与される場合、本発明の融合タンパク質は、最初の体重の約10%(約5グラ
ム)、より好ましくは、約12%(約6グラム)またはさらにより好ましくは、
約15%(約7.5グラム)の喪失を誘導する。このような投薬は、好ましくは
、体重の10〜20%減少を生じる。
【0068】 本発明の別の実施形態は、種々の構造的コンフォメーションを有する構築物(
例えば、二価構築物または多価構築物、二量体構築物または多量体構築物、およ
びこれらの組み合わせ)を提供する。本発明の分子のこのような機能的コンフォ
メーションは、動物モデルにおいて調査されるべきレプチンおよび他の抗肥満症
タンパク質の相乗効果を可能にする。
【0069】 本発明はまた、Fc融合タンパク質のような非ヒト種のレプチンの産生のため
の方法を提供する。非ヒトレプチン融合タンパク質は、レプチンの前臨床的研究
のために有用である。なぜなら、タンパク質薬物の有効性の研究および毒性の研
究は、ヒトにおける試験の前に、動物モデル系において実施されなければならな
いからである。特定の状況下で、ヒトタンパク質は、マウスモデルにおいて働か
ないかもしれない。なぜなら、このタンパク質は、免疫応答を誘起し得るか、お
よび/または、異なる薬物動態(それによってこの試験結果を歪める)を示し得
るからである。従って、特定の状況下で、等価のマウスタンパク質は、マウスモ
デルにおける試験のための、ヒトタンパク質についてのよりよい代理であり得る
【0070】 本発明は、肥満症および関連する状態およびそれらの原因を、このような状態
を有する哺乳動物への本発明のDNA、RNAまたはタンパク質の投与によって
処置する方法を提供する。関連する状態は、糖尿病、高血圧、心疾患、癌および
関連する障害を含み得るが、これらに限定されない。神経内分泌応答の調節にお
けるレプチンによって果たされる広い役割において(FreidmanおよびH
alaas(1998)NATURE 395:763)、本発明はまた、レプ
チンの投与によって緩和される状態の処置のための方法を提供する。これらの方
法は、肥満症に直接関連してもよいしまたは関連しなくてもよい状態を有する哺
乳動物に、有効量の本発明の組成物を投与する工程を包含する。
【0071】 本発明のタンパク質は、治療剤として有用なだけでなく、当業者は、これらの
タンパク質が診断的使用のための抗体の産生に有用であることを認識する。同様
に、例えば、ベクターまたはこのような使用のための他の送達系におけるDNA
またはRNAの適切な投与は、本発明の使用方法に包含される。さらに、本発明
の構築物は、哺乳動物における美容目的のために体重を制御するために有用であ
る。美容目的は、哺乳動物の体重を制御して肉体の外観を改善するように努める
。哺乳動物は必ずしも肥満であるとは限らない。このような美容の使用は、本発
明の一部を形成する。さらに、他の哺乳動物(例えば、ウシおよびブタ)由来の
Fc−レプチンの使用は、やせた動物を食用に飼育するために有用である。
【0072】 Fc−レプチン融合タンパク質が血液脳関門を越えて視床下部におけるレセプ
ターに到達し得るかどうかは公知ではない。Fc−レプチン融合タンパク質が血
液脳関門を越えない場合、抗肥満症薬剤としてのこの優れた効力は、作用の新た
な機構を示唆するか、または脳の外にレプチンレセプターが存在することを示唆
する。免疫グロブリンFc領域を有する融合タンパク質として、Fc−レプチン
融合タンパク質は、非常に好都合な組織分布、および臨床的効力を達成するため
のわずかに異なる作用様式を有し得、そしてさらに、長い血清半減期および投与
され得る高用量の可溶性タンパク質を特に考慮して、レプチン耐性を克服し得る
。マウスにおける皮下注射からのデータは、ヒトにおける筋肉内注射が等しく成
功するべきであることを示唆する。鼻腔スプレー、吸入調製物、皮膚パッチまた
は点眼薬としてFc−レプチン融合タンパク質を投与することもまた、望ましく
あり得る。Fc−レプチン融合タンパク質が吸入調製物として投与される場合、
この融合タンパク質は、この融合タンパク質を処方するために有用である。その
結果、この融合タンパク質は、肺上皮を越えるトランスサイトーシスを受け得る
小粒子内に凝集される。
【0073】 本発明のDNA構築物(または遺伝子構築物)はまた、遺伝子治療プロトコー
ルの一部として使用され、レプチンまたはその融合タンパク質構築物をコードす
る核酸を送達し得る。本発明は、レプチンの機能を再構成または補充するために
、特定の細胞型における、レプチンまたはその融合タンパク質構築物のインビボ
でのトランスフェクションおよび発現のための発現ベクターを特徴とする。レプ
チンの構築物またはその融合タンパク質構築物の発現は、任意の生物学的に有効
なキャリア(例えば、レプチン遺伝子またはその融合タンパク質構築物を、イン
ビボで細胞に効果的に送達し得る任意の処方物または組成物)において投与され
得る。アプローチは、ウイルスベクター(組換えレトロウイルス、アデノウイル
ス、アデノ随伴ウイルス、および単純ヘルペスウイルス1型、または組換え細菌
プラスミドまたは真核生物プラスミドを含む)中への被験体の遺伝子の挿入を含
む。
【0074】 本発明の組成物は任意の適切な手段によって、直接的に(例えば、注射による
ような局所的、組織位置への移植または局所投与)あるいは全身的に(例えば、
非経口または経口で)動物に提供され得ることが考慮される。組成物が非経口的
に投与される場合(例えば、静脈内、皮下、眼科的、腹腔内、筋肉内、口腔内、
経直腸、経膣、眼窩内、脳内、頭蓋内、脊髄内、心室内、髄膜内、くも膜内、莢
膜内、鼻腔内またはエアロゾルによる投与)、好ましくは、組成物は、水溶性ま
たは生理的適合性の液体懸濁物または溶液の一部を含む。従って、キャリアまた
はビヒクルは、生理的に受容可能である。その結果、患者への所望の組成物の送
達に加えて、さもなくば、患者の電解質および/または容量バランスに悪影響し
ない。従って、薬剤のための液体媒体は、正常の生理的な生理食塩水を含み得る
【0075】 本発明の融合タンパク質の投与あたりの好ましい投薬量は、50ng/m2
1g/m2の範囲内、より好ましくは、5μg/m2〜200mg/m2、最も好
ましくは、100μg/m2〜10mg/m2である。本発明の融合タンパク質を
コードする核酸の投与あたりの好ましい投薬量は、1μg/m2〜100mg/
2の範囲内、より好ましくは、20μg/m2〜10mg/m2、最も好ましく
は、400μg/m2〜4mg/m2である。しかし、投与の最適な様式、および
投与量は、十分当業者のレベル内で慣用的な実験によって決定され得る。
【0076】 本発明はさらに、以下の限定されない実施例によって示される。
【0077】 (実施例) (実施例1.muFc−muレプチンの発現) mRNAのサンプルを、正常C57/BL6マウスの脂肪細胞から調製し、m
RNAを、逆転写酵素を用いて逆転写した。得られたcDNAをポリメラーゼ連
鎖反応(PCR)の鋳型に用いて、マウスレプチンcDNAをクローニングし、
そしてmuFc−muレプチン融合タンパク質としての発現のために適合させた
。順方向プライマーは、
【0078】
【化2】 であり、ここで、TAAAが引き続く配列CCCGGG(XmaI制限部位)は
免疫グロブリン重鎖のカルボキシ末端をコードする。太字の配列は、マウスレプ
チンのN末端をコードする。逆方向プライマーは、5’CTC GAG TCA
GCA TTC AGG GCT AAC ATC(配列番号10)で、これ
は翻訳STOPコドン(アンチコドン、TCA)を有するレプチンのC末端配列
をコードし、そしてこれはXhoI部位(CTCGAG)が後に続く。得られた
450塩基対のPCR産物をクローニングし、そして配列決定した。配列分析は
、産物が発現に適合される(すなわち、その5’末端にXmaI部位およびその
3’末端にXhoI部位)成熟マウスレプチンをコードすることを確認した。
【0079】 発現ベクターpdCs−muFc−muレプチンを、以下のように構築した。
次いで、マウスレプチンcDNAを含むXmaI−XhoI制限フラグメントを
、Loら(PROTEIN ENGINEERING(1998)11:495
)に従って、pdCs−muFcベクターのXmaI−XhoIフラグメントに
連結した。muFcは、マウス免疫グロブリンγ2aのマウスFcフラグメント
である。得られたベクター、pdCs−muFc−muレプチンを使用して、m
uFc−muレプチンの発現のために哺乳動物細胞にトランスフェクトした。
【0080】 (実施例2.トランスフェクトおよびタンパク質の発現) 一過性のトランスフェクトのために、リン酸カルシウムを用いるプラスミドD
NAの同時沈澱(Sambrookら(1989)「Molecular Cl
oning−A Laboratory Manual」,Cold Spri
ng Harbor,NY)によって、または製造業者の手引きに従ってLip
ofectamine Plus(Life Technologies、Ga
ithersburg、MD)を用いるリポフェクションによって、プラスミド
をヒト腎臓293細胞に導入した。
【0081】 安定にトランスフェクトしたクローンを得るために、プラスミドDNAをマウ
スミエローマNS/0細胞に、エレクトロポーレーションによって導入した。N
S/0細胞を、10% ウシ胎児血清、2mM グルタミンおよびペニシリン/
ストレプトマイシンを補充したDulbeccoの改変Eagle培地中で増殖
させた。約5×106の細胞をPBSで一度洗浄し、そして0.5mlのPBS
中に再懸濁した。次いで、10μgの直線化プラスミドDNAを、Gene P
ulser Cuvette(0.4cmの電極ギャップ、BioRad)中で
、氷上にて10分間細胞と共にインキュベートした。0.25Vおよび500μ
Fの設定でGene Pulser(BioRad、Hercules、CA)
を使用して、エレクトロポーレーションを実施した。細胞を10分間氷上で回復
させ、その後、細胞を増殖培地中に再懸濁し、次いで、2つの96ウェルプレー
ト上にプレートした。安定にトランスフェクトされたクローンを、トランスフェ
クト2日後に導入された100nM メトトレキセート(MTX)の存在下にお
ける増殖によって選択した。細胞に3日ごと、2〜3回以上培地を与え、そして
MTX耐性クローンは2〜3週間で現れた。クローンからの上清を、抗Fc−E
LISAによってアッセイして、高いプロデューサーを同定した。高いプロデュ
ーサークローンを単離して、100nM MTXを含む増殖培地中に増殖させた
【0082】 ゲル電気泳動による慣用的特徴付けについて、馴化培地中のFc融合タンパク
質を、Protein A Sepharose(Repligen、Camb
ridge、MA)上に捕獲して、次いで、2−メルカプトエタノールを含むか
または含まないタンパク質サンプル緩衝液中での煮沸によって溶出した。SDS
ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)による分画の後、タンパ
ク質バンドをCoomassie染色によって可視化した。muFc−muレプ
チンは、SDS−PAGEを介して約50kDの見かけの分子量を有した。
【0083】 精製について、融合タンパク質をProtein A Sepharoseに
結合し、続いてリン酸ナトリウム緩衝液(100mM NaH2PO4(pH 3
)および150mM NaCl)中に溶出した。次いで、0.1容量の2M T
ris塩酸(pH8)で溶出物を直ちに中和した。
【0084】 (実施例3.ELISA手順) ELISAを使用して、MTX耐性クローンの上清および他の試験サンプルに
おけるタンパク質産物の濃度を決定した。ヒトFc含有タンパク質およびマウス
Fc含有タンパク質の量を、それぞれ抗huFc ELISAおよび抗muFc
ELISAによって決定した。
【0085】 抗huFc ELISAを、以下に詳細に記載する: (A.プレートのコーティング) ELISAプレートを、PBS中に5μg/mLで、96ウェルプレート(N
unc−Immuno plate Maxisorp)に100μL/ウェル
で、AffiniPure Goat anti−Human IgG(H+L
)(Jackson Immuno Research Laboratori
es、West Grove、PA)でコートした。コートしたプレートを覆い
、そして4℃で一晩インキュベートした。次いで、プレートをPBS中に0.0
5% Tween(Tween 20)で4回洗浄し、そしてPBS中に1%
BSA/1% ヤギ血清(ウェル当たり200μL)でブロッキングした。37
℃で2時間のブロッキング緩衝液でのインキュベートの後、プレートをPBS中
に0.05% Tweenで4回洗浄し、紙タオル上で軽くたたいて乾燥した。
【0086】 (B.試験サンプルおよび二次抗体とのインキュベート) 試験サンプルを、PBS中に1% BSA/1% ヤギ血清/0.05% T
weenを含むサンプル緩衝液で適切な濃度に希釈した。既知の濃度のキメラ抗
体(ヒトFcを有する)を用いて、標準曲線を調製した。標準曲線を調製するた
めに、連続希釈をサンプル緩衝液で行い、125ng/mL〜3.9ng/mL
の範囲の標準曲線を得る。希釈サンプルおよび標準をプレートに添加し(100
μL/ウェル)そしてプレートを37℃で2時間インキュベートした。インキュ
ベート後、PBS中に0.05% Tweenで8回、プレートを洗浄した。次
いで、各ウェルに100μLの二次抗体(西洋ワサビペルオキシダーゼ結合抗ヒ
トIgG(Jackson Immuno Research)、サンプル緩衝
液で約1:120,000に希釈した)を添加した。二次抗体の正確な希釈を、
HRP結合抗ヒトIgGの各ロットに対して決定しなければならない。37℃で
2時間のインキュベート後、PBS中に0.05% Tweenで8回、プレー
トを洗浄した。
【0087】 (C.発色) 基質溶液を100μL/ウェルでプレートに添加した。この基質溶液を、30
mgのOPD(o−フェニレンジアミンジヒドロクロリド、1錠)を15mLの
(新たに添加した0.03% H22を含んでいた)0.025M クエン酸/
0.05M Na2HPO4緩衝液(pH5)に溶解することにより調製した。色
素を、遮光して室温で30分間発色させた。発色時間は、コーティングしたプレ
ート、二次抗体などのロット間の可変性に依存して、変化しやすい。標準曲線で
の発色を観察して、反応を停止する時間を決定する。反応を、1ウェルあたり1
00μLの4N H2SO4を添加することにより停止した。このプレートを、プ
レートリーダーで読みとり、このプレートリーダーを、490nmおよび650
nmの両方で設定し、そして490nmのODから650nmのバックグラウン
ドODを差し引くようにプログラムする。
【0088】 抗muFc ELISAについての手順は、ELISAプレートが、PBS中
5μg/mLおよび100μL/ウェルのAffiniPureヤギ抗マウスI
gG(H+L)(Jackson Immuno Research)でコーテ
ィングされており;そして二次抗体が西洋ワサビペルオキシダーゼ結合体化ヤギ
抗muIgG(Southern Biotechnology Assoc.
,Birmingham,AL)であり、1:5000希釈で使用している以外
は、同様であった。
【0089】 (実施例4.huFc−huレプチンの発現) ヒト脂肪細胞Quick−Clone cDNA(Clontech,Pal
o Alto,CA)をPCRの鋳型として用いて、huFc−huレプチン融
合タンパク質として発現するためのヒトレプチンcDNAをクローニングし、そ
して適合させた。正方向プライマーは、
【0090】
【化3】 (配列番号11)であった。ここで、配列
【0091】
【化4】 (配列番号12)は、免疫グロブリン重鎖のカルボキシ末端をコードし、続いて
配列(太字)はレプチンの成熟N末端をコードする。C CCG GG配列は、
サイレント変異により導入されたXmaI制限部位である(Loら(1998)
PROTEIN ENGINEERING 11:495)。逆方向プライマー
は、
【0092】
【化5】 (配列番号13)であった。この配列は、翻訳停止コドン(アンチコドンTCA
)を有するレプチンのカルボキシ末端のアンチセンス配列をコードする。そして
このコドンは、XhoI部位(CTCGAG)の前にある。得られた450塩基
対PCR産物をクローニングし、そして配列決定した。配列分析により、成熟ヒ
トレプチンをコードする産物が、発現のために適合された(すなわち、その5’
末端でXmaI部位およびその3’末端でXhoIを有する)ことを確認した。
【0093】 発現ベクターpdCs−huFc−huレプチンを、以下のとおりに構築した
。ヒトレプチンcDNAを含むXmaI−XhoI制限フラグメントを、Loら
(PROTEIN ENGINEERING(1998)11:495)に従っ
てpdCs−huFcベクターのXmaI−XhoIフラグメントに連結した。
huFcは、ヒト免疫グロブリンγ1のヒトFcフラグメントである。得られた
ベクターpdCs−huFc−huレプチンを用いて、huFc−huレプチン
を発現するために哺乳動物細胞にトランスフェクトした。
【0094】 (実施例5.muレプチン−muFcおよびmuレプチン−Gly−Ser−
リンカー−muFcについての発現ベクターの構築) マウスレプチンcDNAを、PCRによりmuレプチン−muFc融合タンパ
ク質として発現するために適合させた。正方向プライマー
【0095】
【化6】 (配列番号14)には、マウスレプチン(太字の配列)の成熟N末端をコードす
るcDNA配列をシグナルペプチドをコードするDNAに連結するためのAfl
II(CTTAAG)部位を導入した。逆方向プライマー
【0096】
【化7】 (配列番号15)には、停止コドンなしのマウスレプチンのカルボキシ末端をコ
ードする配列(太字のアンチセンス配列)の直ぐ下流にEcoRV部位を導入し
た。EcoRV部位は、以下で議論するように、マウスレプチンをマウスFcへ
インフレームで融合するためのリンカーアダプターとして働いた。得られた45
0塩基対PCR産物をクローニングし、そして完全に配列決定した。次いで、成
熟マウスレプチンをコードするAflII−EcoRVフラグメントを、pdC
s−muレプチン−muFc発現ベクターの構築のために使用した。
【0097】 成熟マウスレプチンをコードするAflII−EcoRVフラグメントと、免
疫グロブリン軽鎖のシグナルペプチドをコードするXbaI−AflIIフラグ
メントとの連結産物(Loら(1998)PROTEIN ENGINEERI
NG 11:495)を、サブクローニングした。得られたXbaI−EcoR
Vフラグメントは、シグナルペプチド、次いで、停止コドンなしの成熟マウスレ
プチンをコードする。
【0098】 EcoRV部位をmuFc DNAの5’末端に適合させるために、マウスF
cをコードするAflII−XhoIフラグメント(Loら(1998)PRO
TEIN ENGINEERING 11:495)と、以下のリンカー−アダ
プターとの連結産物を、EcoRI−XhoIクローニングベクターにサブクロ
ーニングした。
【0099】
【化8】 前述のリンカー−アダプターは、EcoRIおよびAflII付着末端を含み、
そしてEcoRV部位(GATATC)もまた含む。サブクローニング後、停止
コドンありのmuFcフラグメントをコードするEcoRV−XhoIを単離し
た。次いで、このフラグメントを、シグナルペプチドおよび成熟マウスレプチン
(上記)およびXbaI−XhoI消化したpdCsベクターフラグメントをコ
ードするXbaI−EcoRVフラグメントを用いて連結した。得られた発現プ
ラスミドは、pdCs−muレプチン−muFcと指定され、哺乳動物細胞のト
ランスフェクションのために用いた。
【0100】 pdCs−muレプチン−Gly−Ser−リンカー−muFcの構築のため
に、pdCs−muレプチン−muFc DNAを独特のEcoRV部位で直鎖
化し、そして以下の非リン酸化リンカー:
【0101】
【化9】 を連結によって挿入した。
【0102】 正確な構築を、正確なリンカー配列が正確な配向で確実に挿入されるように、
DNA配列決定によって確認した。得られたベクターpdCs−muレプチン−
Gly−Ser−リンカー−muFcを、哺乳動物細胞のトランスフェクション
のために使用した。
【0103】 (実施例6.muレプチン−muFcおよびmuレプチン−Gly−Ser−
リンカー−muFcの発現レベルの減少) レプチンのC末端システイン残基がシステイン−117との分子内ジスルフィ
ド結合に関与するので、これを、レプチンが、レプチン−Fc融合タンパク質と
して作製される場合に、タンパク質フォールディングおよびその後の分泌に問題
を提起し得る。これが実際にそのような場合であるか否かを試験するために、m
uレプチン−muFcおよびmuレプチン−Gly−Serリンカー−muFc
についての発現ベクターを、実施例5に記載のように構築した。後者の構築物は
、レプチンについてのより多くの自由度によりジスルフィド結合が形成され、そ
して正しくフォールディングされるように、レプチンとFcとの間に置かれたグ
リシン残基およびセリン残基が豊富な可撓性リンカーをコードする。293細胞
における一時的な発現を抗muFc ELISAおよび抗muFc抗体(西洋ワ
サビペルオキシダーゼ結合体化ヤギ抗muIgG、Fcγ、Jackson I
mmunoResearchから)および抗muレプチン抗体(ビオチン化抗マ
ウスレプチンポリクローナル抗体、R&D Systems,Minneapo
lis,MNから)の両方を用いたウェスタンブロット分析により分析した。非
常に低い発現レベルは、各構築物の上清中で検出された。総細胞溶解物の分析は
、muレプチン−muFcおよびmuレプチン−Gly−Serリンカー−mu
Fcの大部分が、細胞内に存在することを示した。安定なNS/0クローンもま
た、単離した。muレプチン−muFc(リンカーありまたはなしで)の発現レ
ベルは、muFc−muレプチンの多くて約10%の発現レベルであった。
【0104】 さらに、その後の研究により、レプチン−Fc融合タンパク質が、Fc−レプ
チン融合タンパク質(図6を参照のこと)ほどインビボで活性ではないことが示
唆される。ob/obマウスに、レプチン−Fcを0.25mg/kg/日で腹
腔内注射した場合、有意な体重減損は観察されなかった。Fc−レプチンおよび
レプチン−Fcが、同じ部分を含み、各ポリペプチド鎖中でその部分の順番のみ
が異なるので、Fc−レプチンが、レプチン−Fcよりも有効であることは驚く
べきことである。
【0105】 (実施例7.muFc−muレプチンの腹腔内(IP)注射によるob/ob
マウスの処置) 5〜6週齡のC57BL/6J ob/obIJマウス(このマウスは、肥満遺
伝子変異についてのホモ接合体である(ob/obマウス))を、Jackso
n Laboratories,Barr Harbor,MEから購入した。
1群につき2匹のマウスに、muFc−muレプチンまたはPBSのみのいずれ
かを与えた。muFc−muレプチンをPBSに溶解し、そして毎日(最初の1
2日間は毎日;そしてその後は、月曜日から金曜日のみ)腹腔内注射により投与
した。注射したレプチンの量は、マウスの体重1kgあたり0.25mgのレプ
チンに標準化した。コントロール群には、PBSのみを与えた。全てのマウスは
自由給餌であり、そして体重を注射の前に毎日測定した。
【0106】 4ヶ月間にわたり、コントロール群(図3中、四角)は、体重の40%という
一定の増加(50gから70gへ)を有した。毎日muFc−muレプチンの腹
腔内注射を受けた群は、最初の1ヶ月間にわたり、体重の45%が減少し(50
.5gから28gまで)、その後は、約27〜31gで体重が安定した(図3中
、菱形)。マウスは、週末にわたっては処置を受けなかったので、体重は、月曜
日までに30gを超えて増加したが、毎日の処置のために、金曜日までには約2
7〜28gへの体重の一定の減少が引き起こされた。図3に示したように、mu
Fc−muレプチンは、4ヶ月間にわたり有効であることが示された。
【0107】 処置の最初の2週間の間、飼料摂取は、検出限界未満であったことに注意のこ
と。3〜4週間後に、約30gまで体重が減少し、そして脂肪組織が明らかに激
減したとき、マウスは、マウス1匹あたり平均約3g/日の飼料を消費した。こ
のことは、Mounzihら(Mounzihら(1997)ENDOCRIN
OLOGY 138:1190)の結果と一致した。このことは、20mg/k
gのレプチン処理を受けたob/obマウスの飼料消費が、45日目に約2.6
〜3.2gに回復したことを示した。
【0108】 (実施例8.muFc−muレプチンの皮下(SC)注射によるob/obマ
ウスの処置) muFc−muレプチンの皮下注射は、ob/obマウスの体重減少において
腹腔内注射と同じくらい有効であることを見いだした。5〜6週齡のob/ob
マウス(1群につき3匹のマウス)に、毎日(月曜日から金曜日のみ)SC注射
によりmuFc−muレプチンを処置した。注射したレプチンの量は、マウスの
体重1kgあたり0.25mgまたは0.1mgのレプチンに標準化した。全て
のマウスは自由給餌であり、そして体重を注射の前に毎日測定した。17日後に
、0.1mgおよび0.25mgレプチン/kgを受けたマウスは、それぞれ、
14%および22%の体重減少を有したが、一方PBSを受けたコントロール群
は、15%の体重増加を有した。SC注射を受けたマウスにおける飼料摂取の減
少は、等用量のIP注射を受けたマウスのものと類似していた。
【0109】 (実施例9.muFc−muレプチンの静脈内(IV)注射によるob/ob
マウスの処置) muFc−muレプチンの静脈内(IV)注射は、ob/obマウスの体重減
少において等しく有効であることを見いだした。ob/obマウス(1群あたり
2匹のマウス)に、1kgあたり0.25mgもしくは1mgのレプチンでmu
Fc−muレプチン、またはPBSのIV注射を毎日処置した。全てのマウスは
自由給餌であり、そして体重を注射の前に毎日測定した。処置を5日後に中止し
たが、体重は毎日記録し続けた。図4に示すように、muFc−muレプチンと
しての0.25mg/kgおよび1mg/kgのレプチンでの処置(それぞれ、
三角および丸)は、それぞれ、次の48時間および72時間に体重減少を生じた
。 これらの結果は、muFc−muレプチンが、体重減少に必要な、高く、頻繁な
レプチン用量に基づくと、マウスレプチンよりはるかに長い循環半減期を有する
ことを示唆する。
【0110】 (実施例10.週に3回または4日に1回のmuFc−muレプチンを用いた
ob/obマウスの処置) 図5は、ob/obマウスの体重に対する異なる投薬スケジュールの効果を示
す。具体的には、3匹のob/obマウスの群(黒菱形)に、0.25mg/k
gのマウスレプチンを、muFc−muレプチンの形態でSC注射によりA点ま
で月曜日から金曜日まで毎日与えた;A点からB点までは、注射の頻度を月曜日
と金曜日のみに減少させた;その後、注射の頻度を週3回(月曜日、水曜日およ
び金曜日)に増加させた。別の群(これもまた、3匹のob/obマウスからな
る)(四角)に、0.1mg/kgのマウスレプチンを、muFc−muレプチ
ンの形態でSC注射によりC点まで月曜日から金曜日まで毎日与えた;C点から
D点までは、注射の頻度を週3回(月曜日、水曜日および金曜日)に減少させた
;しかし、D点の後、投薬を4日に1回、1mg/kgに増加した。3匹のob
/obマウスのコントロール群(三角)に、月曜日から金曜日までPBSを毎日
与えた。全てのマウスは自由給餌であり、そして体重を、毎日注射の前に測定し
た。
【0111】 図5に示すように、1週間に3回(月曜日、水曜日および金曜日)、0.25
mg/kgのmuFc−muレプチンのSC注射は、9週間にわたり約36〜3
9gで体重を安定させることに有効であった。そして4日に1回、1mg/kg
のSC注射は、4週間で51gから34gへの減少を生じた。その後、体重は、
30〜33gの間で安定した。1週間に3回、0.1mg/kgの投薬スケジュ
ールは、体重の減少において有効ではなかった。これらの結果は、muFc−m
uレプチンの毎日の注射が、適切な用量で注射した場合の長期間の持続効果を考
えれば、不必要であることを示唆する。
【0112】 (実施例11.muFc−muレプチンを用いた、痩せたマウスおよびdb/
dbマウスの処置) ob/obマウスと比較するために、正常C57BL/6Jマウス、C57B
L/KSマウスおよびBalb/Cマウス、ならびに糖尿病C57BL/KS
db/dbマウス(全てJackson Laboratories,Barr
Harbor,MEから購入した)に全て、PBS中のmuFc−muレプチ
ンの腹腔内注射または皮下注射を毎日(月曜日から金曜日)与えた。注射したレ
プチンの量は、マウスの体重1kgあたり0.25mgまたは1mgのレプチン
に標準化した。表1に示すように、両方の投薬レベルにおけるmuFc−muレ
プチンは、レプチンに対するレセプターを欠如するdb/dbマウスに対して効
果を有さなかった。正常C57BL/6Jマウス、C57BL/KSマウスおよ
びBalb/Cマウスに対しては、低用量が非常に適度な効果を有した。しかし
、高用量は、マウスの年齢とは独立して、19日間にわたり、顕著な体重減少を
生じた(表1)。
【0113】
【表1】 (実施例12.huFc−huレプチンの腹腔内(IP)注射によるob/o
bマウスの処置) huFc−huレプチンを、SCの代わりにIPにより投与して、マウスの免
疫原性を減少させた。1匹のob/obマウスに、0.1mg/kgのヒトレプ
チンをhuFc−huレプチンの形態でIP注射により毎日(最初の17日間は
毎日、その後、月曜日から金曜日のみ)与えた。もう1匹のob/obマウスに
、より高用量の0.5mg/kgを33日目まで毎日(最初の17日間は毎日、
その後、月曜日から金曜日のみ)与え、その後、注射の頻度を、週に3回(月曜
日、水曜日および金曜日)まで減少させた。コントロールob/obマウスには
、PBSを毎日(最初の17日間は毎日、その後、月曜日から金曜日のみ)与え
た。全てのマウスは自由給餌であり、そして体重を注射の前に毎日測定した。
【0114】 図6は、huFc−huレプチンが、ob/obマウスの体重の減少において
muFc−muレプチンと同程度に有効であったことを示す。2匹のより老齢の
ob/obマウスの別の群に、毎日(最初の10日間は毎日、その後月曜日から
金曜日のみ)、0.25mg/kgの中間用量を与えた。それらの体重は、23
日間で65gから31gへ減少し(−51.4%)、その後、体重は、月曜日で
約31gと金曜日で約26gの間で変動した(データは示さず)。処置のほぼ2
ヶ月後、huFc−huレプチンは、その効果を維持し、そしてヒトタンパク質
に対して発生し得る免疫学的応答により有害な影響を受けないようであったこと
が注目に値する。
【0115】 この実験をより大きなマウス群(n=8)を用いて反復された。さらに、ob
/obマウスを、Fc−レプチンを用いて15ヶ月間にわたり処置した。その結
果、マウスの体重は、20〜30gの範囲で維持された。この期間にわたり、マ
ウスは、明らかな有害な副作用を受けなかった。
【0116】 さらなる実験によってもまた、Fc−レプチンの腹腔内注射、皮下注射、およ
び静脈内注射による毎日の投与は全て、同様の結果を生じたことが示された。従
って、注射経路は、ob/obマウスにおいてFc−レプチンのインビボ活性を
定量する場合は、重要ではないようである。
【0117】 (実施例13.muFc−muレプチンの腹腔内(IP)注射によるob/o
bマウスにおける不妊症の処置) ob/obの雄およびob/obの雌を、毎日、0.25mg/kgのIP注
射によりmuFc−muレプチンで処置した。各ob/ob雄を、最初に、1匹
のob/ob雌および1匹の正常C57BL/6J雌とともに飼育した。妊娠を
示す体重の急激な増加があった場合には、妊娠したマウスを隔離した。処置の約
2〜4週間後、6匹のob/ob雄は全て、その不妊欠損が較正され、そして正
常雌および/またはob/ob雌を妊娠させた。全ての正常C57BL/6J母
は出産し、そしてそれらの仔を正常に授乳した。6匹の妊娠ob/ob雌のうち
、4匹のみが正常に出産し、ホモ接合性のob/ob仔を導いた。しかし、いず
れの仔も、ob/ob母が正常に泌乳しなかったので、初日を超えては生存しな
かった。
【0118】 (実施例14.薬物動態学) muFc−muレプチンおよびマウスレプチン(R&D Systems,M
inneapolis,MN)の薬物動態を比較した。ob/obマウス(1群
につき6匹のマウス)に、尾静脈に注射した。注射したレプチンの量は、マウス
の体重1kgにつき1mgのレプチンに標準化した。血液を、注射後すぐ(0分
)に、そして注射の0.1時間後、0.5時間後、1時間後、2時間後、4時間
後、8時間後、24時間後および48時間後に眼窩採血により得た。血液サンプ
ルを、凝固を防ぐためにヘパリンを含有するチューブ中に採取した。細胞をEp
pendorf高速微量遠心分離中で4分間遠心分離することにより除去した。
血漿中のマウスレプチンの濃度を、マウスレプチンイムノアッセイキット(R&
D Systems,Minneapolis,MN)を用いて測定した。mu
Fc−muレプチンおよびマウスレプチンの循環半減期は、それぞれ8.8時間
および18分であると決定された。
【0119】 同様に、huFc−huレプチンが、マウスにおいて10時間を超える循環半
減期を有することを見いだした。
【0120】 (実施例15.huFc(N→Q変異)−huレプチンの構築) 免疫グロブリンFc領域のN結合型グリコシル化がhuFc−huレプチンの
血清半減期に影響を及ぼすか否かを試験するために、組換えhuFc−huレプ
チン変異体を生成し、この変異体では、Fc領域のグリコシル化部位におけるア
スパラギン残基がグルタミンに変異した。簡潔には、huFc−huレプチン
DNAにおいてコードされるNグリコシル化部位(Asn−Ser−Thr)の
みが、正方向プライマー5’GAG CAG TAC CAA AGT ACG
TAC CGT GTG GTC AGC(配列番号16)および逆方向プラ
イマー5’ACG GTA CGT ACT TTG GTA CTG CTC
CTC CCG CG(配列番号17)を用いてPCRにより変異した。この
プライマーは、Asn−Ser−ThrからGln(CAA)−Ser−Thr
への変化をコードし、これは、もはやNグリコシル化部位ではない。た。さらに
、プライマーには、AsnからGln(NからQ)への変異についてのスクリー
ニングを容易にするために、サイレント変異によりSnaBI部位(TACGT
A)を導入した。PCRによる変異誘発の後に、NからQへの置換を含むSac
II−SmaIフラグメントを、DNA配列決定により確認し、次いで、これを
用いて、pdCs−huFc−huレプチンにおける、対応するフラグメントを
置換し、pdCs−huFc(N→Q)−huレプチンを生じた。
【0121】 発現プラスミドpdCs−huFc(N→Q)−huレプチンを、実施例2に
記載のように、哺乳動物細胞にトランスフェクトした。次いで、精製huFc(
N→Q)−huレプチンタンパク質を、実施例14に記載のように薬物動態学研
究のために使用した。直接比較するために、等量のhuFc−huレプチン(1
kgあたり1mgのレプチン)またはhuFc(N→Q)−huレプチン(1k
gあたり1mgのレプチン)を並行してマウスに注射した。マウス血清中のhu
Fc(N→Q)−huレプチンおよびhuFc−huレプチンの濃度を、実施例
3に記載のように、抗huFc ELISAにより測定した。図7に示した結果
は、huFc−huレプチン(菱形)が、huFc(N→Q)−huレプチン(
四角)よりも長い循環半減期を有したことを示す。
【0122】 (均等物) 本発明は、本発明の趣旨または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定
の形態で具現化され得る。従って、前述の実施形態は、本明細書中に記載される
発明に限定されるのではなく、全て例示と見なされるべきである。従って、本発
明の範囲は、前述の説明ではなく添付の特許請求の範囲により示され、そして特
許請求の範囲の均等の意味および範囲内にある全ての変更は、それゆえに、均等
の範囲内に含まれると意図される。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1A〜Eは、本発明に従って構築された例示的な抗肥満症融合タンパク質の
模式図である。この図は、それぞれ、図1A、二量体Fc−レプチン;図1B、
二量体Fc−レプチン−GlySerリンカーレプチンフラグメント;図1C、
二量体Fc−レプチン−GlySerリンカー−レプチン;図1D、二量体レプ
チン−Fc;および図1E、二量体レプチン−GlySerリンカー−Fcを示
す。垂線は、各免疫グロブリン領域のヒンジ領域内に配置されたシステイン残基
(C)を連結する、任意のジスルフィド結合を示す。
【図2】 図2は、0.25mg/kgのmuレプチン−リンカー−muFc(菱形)、
0.25mg/kgのmuレプチン−muFc(四角)、0.25mg/kgの
muFc−Muレプチン(三角)、またはリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)(
十字)のIP注射を用いて処置されたob/obマウスの体重(グラム)を示す
グラフである。
【図3】 図3は、0.25mg/kgのmuFc−muレプチン(菱形)またはリン酸
緩衝化生理食塩水(PBS)(四角)のいずれかの、毎日(最初の12日間毎日
、その後、月曜日〜金曜日のみ)の腹腔内(IP)注射を用いて処置されたob
/obマウスの体重を示すグラフである。
【図4】 図4は、5日間、0.25mg/kgのmuFc−muレプチン(三角)、1
.0mg/kgのmuFc−muレプチン(丸)またはPBS(四角)の毎日の
静脈内(IV)注射を用いて処置され、続いて処置されなかったob/obマウ
スの体重(グラム)を示すグラフである。
【図5】 図5は、muFc−muレプチン(0.25mg/kg(菱形);および0.
1mg/kg続いて1.0mg/kg(四角))またはPBS(三角)の皮下(
SC)注射を用いて処置されたob/obマウスの体重に対する異なる用量スケ
ジュールの効果を示すグラフである。
【図6】 図6は、0.1mg/kgのhuFc−huレプチン(菱形)、0.5mg/
kgのhuFc−huレプチン(四角)、またはPBS(三角)の腹腔内(IP
)注射を用いて処置されたob/obマウスの体重(グラム)を示すグラフであ
る。
【図7】 図7は、投与後の時間(時間)の関数として、グリコシル化huFc−huレ
プチン(菱形)およびグリコシル化されていないhuFc(N→Q変異)−hu
レプチン(四角)の血清における循環レベルを示すグラフである。循環レベルは
、初期用量の割合として示される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/47 C07K 19/00 4H045 16/46 C12P 21/00 C 19/00 C12N 15/00 ZNAA C12N 5/10 5/00 B C12P 21/00 A61K 37/24 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ジャン, ジンヤン アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02474, アーリントン, アパートメン ト 9, ブラトル ドライブ 8 (72)発明者 ギリス, ステファン ディー. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 01741, カーライル, サンセット ロ ード 159 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA01 CA04 CA12 DA02 GA11 HA03 HA17 4B064 AG01 AG26 CA10 CA19 CC24 DA01 4B065 AA90 AB04 BA02 CA24 CA44 4C084 AA02 AA13 BA41 BA44 CA01 CA53 CA62 DB01 MA65 NA05 ZA702 ZC032 ZC612 4C087 AA02 BC83 NA05 ZA70 ZC03 ZC61 4H045 AA10 AA20 AA30 BA42 CA40 EA27 EA30 FA74

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融合タンパク質をコードする核酸であって、該融合タンパク
    質が、以下: (a)シグナル配列; (b)免疫グロブリンFc領域;および (c)レプチンを含む標的タンパク質配列、 を含む、核酸。
  2. 【請求項2】 前記シグナル配列、前記免疫グロブリンFc領域および前記
    標的タンパク質配列が、5’から3’方向において、連続的にコードされる、請
    求項1に記載の核酸。
  3. 【請求項3】 前記シグナル配列、前記標的配列および前記免疫グロブリン
    Fc領域が、5’から3’方向において、連続的にコードされる、請求項1に記
    載の核酸。
  4. 【請求項4】 前記免疫グロブリンFc領域が、免疫グロブリンヒンジ領域
    を含む、請求項1に記載の核酸。
  5. 【請求項5】 前記免疫グロブリンFc領域が、免疫グロブリンヒンジ領域
    および免疫グロブリン定常重鎖ドメインを含む、請求項1に記載の核酸。
  6. 【請求項6】 前記免疫グロブリンFc領域が、ヒンジ領域およびCH3ド
    メインを含む、請求項1に記載の核酸。
  7. 【請求項7】 前記免疫グロブリンFc領域が、少なくともCH1ドメイン
    を欠如する、請求項1に記載の核酸。
  8. 【請求項8】 前記免疫グロブリンFc領域が、少なくとも免疫グロブリン
    γの一部をコードする、請求項1に記載の核酸。
  9. 【請求項9】 哺乳動物細胞をトランスフェクトするための、複製可能な発
    現ベクターであって、該ベクターが、請求項1に記載の核酸を含む、複製可能な
    発現ベクター。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の核酸を収容する、哺乳動物細胞。
  11. 【請求項11】 融合タンパク質であって、該融合タンパク質が、免疫グロ
    ブリンFc領域、およびレプチンを含む標的タンパク質を含み、ここで、該融合
    タンパク質が、少なくとも約50グラムの初期体重を有するob/obマウスに
    、1日当たり約0.25mg/kgの用量で5日間投与される場合に、10%ま
    たは5グラムの体重減少を誘導する、融合タンパク質。
  12. 【請求項12】 前記融合タンパク質が、1日当たり約0.1mg/kgの
    用量で投与される場合に、10%または5グラムの体重減少を誘導する、請求項
    11に記載の融合タンパク質。
  13. 【請求項13】 前記標的タンパク質が、配列番号2または配列番号4にお
    いて示されるアミノ酸配列を含む、請求項11に記載の融合タンパク質。
  14. 【請求項14】 請求項11に記載の融合タンパク質であって、ここで、レ
    プチン前記標的タンパク質が、少なくとも2つのレプチン分子を含み、ここで、
    該2つのレプチン分子が、ペプチドリンカーによって連結される、融合タンパク
    質。
  15. 【請求項15】 前記標的タンパク質が、前記免疫グロブリンFc領域のN
    末端に連結される、請求項11に記載の融合タンパク質。
  16. 【請求項16】 前記標的タンパク質が、前記免疫グロブリンFc領域のC
    末端に連結される、請求項11に記載の融合タンパク質。
  17. 【請求項17】 請求項11に記載の融合タンパク質であって、該融合タン
    パク質が、前記免疫グロブリンFc領域を、前記標的タンパク質に連結する、ペ
    プチドリンカーをさらに含む、融合タンパク質。
  18. 【請求項18】 多量体タンパク質であって、該多量体タンパク質が、共有
    結合を介して連結した、請求項11に記載の少なくとも2つの融合タンパク質を
    含む、多量体タンパク質。
  19. 【請求項19】 前記共有結合が、ジスルフィド結合である、請求項18に
    記載のタンパク質。
  20. 【請求項20】 多量体タンパク質であって、該多量体タンパク質が、共有
    結合を介して連結した、請求項11に記載の少なくとも2つの融合タンパク質を
    含む、多量体タンパク質。
  21. 【請求項21】 前記共有結合が、ジスルフィド結合である、請求項20に
    記載のタンパク質。
  22. 【請求項22】 前記免疫グロブリンFc領域が、少なくとも1つのグリコ
    シル化部位をグリコシル化される、請求項11に記載の融合タンパク質。
  23. 【請求項23】 融合タンパク質を産生する方法であって、該方法が、以下
    の工程: (a)請求項10に記載の哺乳動物細胞を提供する工程;および (b)該哺乳動物細胞を培養して、該融合タンパク質を産生する工程、 を包含する、方法。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の方法であって、該方法が、前記融合タ
    ンパク質を収集する、さらなる工程を包含する、方法。
  25. 【請求項25】 請求項23に記載の方法であって、該方法が、前記融合タ
    ンパク質を精製する、さらなる工程を包含する、方法。
  26. 【請求項26】 請求項23に記載の方法であって、該方法が、前記免疫グ
    ロブリンFc領域を、前記標的タンパク質から切断する、さらなる工程を包含す
    る、方法。
  27. 【請求項27】 請求項26に記載の方法であって、該方法が、前記標的タ
    ンパク質を、内部切断部位で、哺乳動物細胞に対して内因性のタンパク質分解酵
    素を用いて切断する、さらなる工程を包含する、方法。
  28. 【請求項28】 レプチンの投与によって緩和される状態を処置する方法で
    あって、該方法が、請求項1に記載の核酸を、該状態を有する哺乳動物に投与す
    る工程を包含する、方法。
  29. 【請求項29】 レプチンの投与によって緩和される状態を処置する方法で
    あって、該方法が、請求項9に記載のベクターを、該状態を有する哺乳動物に投
    与する工程を包含する、方法。
  30. 【請求項30】 レプチンの投与によって緩和される状態を処置する方法で
    あって、該方法が、請求項11に記載の融合タンパク質を、該状態を有する哺乳
    動物に投与する工程を包含する、方法。
  31. 【請求項31】 レプチンの投与によって緩和される状態を処置する方法で
    あって、該方法が、請求項18に記載の多量体タンパク質を、該状態を有する哺
    乳動物に投与する工程を包含する、方法。
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