JP2002534429A - イミダゾ[4,5−c]ピリジン−4−オン誘導体 - Google Patents

イミダゾ[4,5−c]ピリジン−4−オン誘導体

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JP2002534429A
JP2002534429A JP2000592291A JP2000592291A JP2002534429A JP 2002534429 A JP2002534429 A JP 2002534429A JP 2000592291 A JP2000592291 A JP 2000592291A JP 2000592291 A JP2000592291 A JP 2000592291A JP 2002534429 A JP2002534429 A JP 2002534429A
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ヴェルナー メデルスキー,
ホルスト ユラスツィク,
ハンス ヴルツィガー,
クリストス ツァクラキディス,
ディーター ドルシュ,
サビーネ ベルノタート−ダニエロウスキー,
グイド メルツァー,
ソヘイラ アンザリ,
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、式(I): 【化1】 (式中、R、R、R、Rおよびnは請求項1中に示す意味を有する)で表される新規な化合物に関する。前述の化合物は、凝固因子Xaの阻害剤であり、血栓塞栓疾患の予防および/または治療のために用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、式I:
【化3】 式中、 RはHあるいは1〜6個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルあるい
は3〜6個のC原子を有するシクロアルキルであり、 RはArであり、 RはAr’であり、 RはH、R、R、Hal、CN、COOH、COOAまたはCONHであ
り、 Ar、Ar’はフェニル、ナフチルまたはビフェニルであり、各々の場合におい
て互いに独立して、非置換であるかまたは、R、OH、Hal、CN、NO
CF、NH、NHR、NR、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イ
ル、ベンジルオキシ、SONH、SONHR、SONR、−CONH
R、−CONR、−(CH−NH、−(CH−NHR、−(C
−NR、−O−(CH−NH、−O−(CH−NHR
、−O−(CH−NR、Rで、または一緒に−O−(CH−O
−で一、二または三置換されているかまたはNH置換イソキノリニルであり、
は、−COR、−COOR、−OHにより、または従来のアミノ保護基によ
り非置換または一置換された−C(=NH)−NHまたは−C(=NH)−N
または−NH−C(=NH)−NH、−C(=O)−N=C(NH
【化4】 であり、 Aは1〜4個のC原子を有するアルキルであり、 HalはF、Cl、BrまたはIであり、 mは1または2であり、 nは0または1である、 で表される化合物およびこれらの塩および溶媒化合物に関する。
【0002】 本発明はまた、これらの化合物の光学的に活性な形態、ラセミ体、ジアステレ
オマー並びに水和物および溶媒化合物、例えばアルコレートに関する。 本発明は、有用な特性を有する新規な化合物、特に医薬の製造のために用いる
ことができるものを見出す目的に基づいている。
【0003】 式Iの化合物およびこれらの塩は、良好な許容性と共に極めて有用な薬理学的
特性を有することが見出された。特に、これらは、第Xa因子阻害特性を示し、
従って血栓塞栓障害、例えば血栓症、心筋梗塞、動脈硬化、炎症、脳卒中、狭心
症、血管形成後の再狭窄および間欠性跛行の抑制および防止に用いることができ
る。 本発明の式Iの化合物はさらに、凝固因子の第VIIa因子、第IXa因子お
よび血液凝固カスケードのトロンビンの阻害剤であることができる。
【0004】 抗血栓作用を有する芳香族アミジン誘導体は、例えばEP 0 540 05
1 B1に開示されている。血栓塞栓性障害の治療のための環状グアニジンは、
例えばWO 97/08165に記載されている。第Xa因子阻害活性を有する
芳香族複素環は、例えばWO 96/10022に開示されている。第Xa因子
阻害剤としての置換N−[(アミノイミノメチル)フェニルアルキル]−アザヘ
テロシクリルアミドは、WO 96/40679に記載されている。 本発明の化合物の抗血栓および抗凝血効果は、第Xa因子の名称で知られてい
る活性化凝固プロテアーゼに対する阻害作用または、他の活性化されたセリンプ
ロテアーゼ、例えば第VIIa因子、第IXa因子またはトロンビンの阻害に帰
される。
【0005】 第Xa因子は、血液凝固の複雑なプロセスに関与するプロテアーゼの1つであ
る。第Xa因子は、プロトロンビンのトロンビンへの転化を触媒する。トロンビ
ンは、フィブリノーゲンをフィブリン単量体に開裂し、これは、架橋の後に、基
本的に血栓の形成に寄与する。トロンビンの活性化により、血栓塞栓障害が発生
し得る。しかし、トロンビンの阻害は、血栓形成に伴うフィブリン形成を阻害し
得る。 トロンビンの阻害は、例えば、G.F. Cousins et al. Circulation 1996, 94,
1705-1712の方法により測定することができる。
【0006】 第Xa因子の阻害は、このように、トロンビンが形成されるのを防止し得る。 本発明の式Iの化合物およびこの塩は、第Xa因子の阻害により血液凝固プロ
セスに介入し、従って血栓の形成を阻害する。 本発明の化合物による第Xa因子の阻害並びに抗凝血および抗血栓活性を、一
般的なインビトロまたはインビボ方法により決定することができる。適切な手順
は、例えば、J. Hauptmann et al. Thrombosis and Haemostatis 1990, 63, 220
-223により記載されている。 第Xa因子の阻害は、例えば、T. Hara et al. Thromb. Haemostas. 1994, 71
, 314-319の方法により測定することができる。
【0007】 組織因子に結合した後、凝固因子VIIaは、凝固カスケードの外在性部を開
始し、第X因子の第Xa因子への活性化に寄与する。従って、第VIIa因子の
阻害は、第Xa因子の形成および従ってその後のトロンビンの形成を防止する。 本発明の化合物による第VIIa因子の阻害並びに抗凝血および抗血栓活性を
、一般的なインビトロまたはインビボ方法により決定することができる。第VI
Ia因子の阻害の測定のための一般的な手順は、例えば、H.F. Ronning et al.
Thrombosis Research 1996, 84, 73-81により記載されている。
【0008】 凝固因子IXaは、内在性凝固カスケードにおいて発生し、同様に第X因子の
第Xa因子への活性化に関与する。従って、第IXa因子の阻害は、第Xa因子
が、他の方法で形成するのを防止することができる。 本発明の化合物による第IXa因子の阻害並びに抗凝血および抗血栓活性を、
一般的なインビトロまたはインビボ方法により決定することができる。適切な方
法は、例えば、J. Chang et al. Journal of Biological Chemistry 1998, 273,
12089-12094により記載されている。
【0009】 式Iの化合物を、ヒト用および動物用医薬品における薬学的に活性な化合物と
して、特に血栓塞栓障害、例えば血栓症、心筋梗塞、動脈硬化、炎症、脳卒中、
狭心症、血管形成後の再狭窄および間欠性跛行の抑制および防止のために用いる
ことができる。
【0010】 本発明は、式Iの化合物およびこれらの塩、並びに請求項1に記載の式Iの化合
物およびこれらの塩の製造方法において、 a)これらを、 i)アミジノ基を、このオキサジアゾール誘導体またはオキサゾリジノン誘導体
から、水素添加分解または溶媒化分解により解放し、 ii)溶媒化分解剤または水素添加分解剤で処理するかまたは従来の保護基によ
り保護されたアミノ基を解放することにより、従来のアミノ保護基を水素で置換
する ことにより、溶媒化分解剤または水素添加分解剤で処理することにより、これら
の機能的誘導体を含まないようにすること、または b)式Iの化合物において、R、R、Rおよび/またはRの1つまたは2
つ以上の基を、R、R、Rおよび/またはRの1つまたは2つ以上の基に
、例えば i)エステル基をカルボキシル基に加水分解し、 ii)ニトロ基を還元し、 iii)アミノ基をアシル化し、 iv)シアノ基をアミジノ基に転化する ことにより、転化すること、および/または c)式Iの塩基または酸を、この塩の1つに転化すること を特徴とする前記方法に関する。
【0011】 何回も頻出するすべての基について、これらの意味は、互いに独立しているこ
とが前提である。 上記および下記において、基およびパラメーターR、R、R、Rおよび
nは、他に明白に述べなければ、式Iに示した意味を有する。
【0012】 Rはアルキルであり、非分枝状(直線状)または分枝状であり、1〜6個、好
ましくは1、2、3、4、5または6個のC原子を有する。Rは、好ましくはメ
チル、さらにエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−
ブチルまたはtert−ブチル、さらにまたペンチル、1−、2−または3−メ
チルブチル、1,1−、1,2−または2,2−ジメチルプロピル、1−エチル
プロピル、ヘキシル、1−、2−、3−または4−メチルペンチル、1,1−、
1,2−、1,3−、2,2−、2,3−または3,3−ジメチルブチル、1−
または2−エチルブチル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−
メチルプロピル、1,1,2−または1,2,2−トリメチルプロピルである。
Rはまたシクロアルキルであり、好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、
シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルである。
【0013】 Aは、1、2、3または4個のC原子を有するアルキルであり、好ましくは、
メチル、さらにエチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec
−ブチルまたはtert−ブチルである。 Halは、好ましくは、F、ClまたはBr、またIである。
【0014】 ArおよびAr’は、フェニル、ベンゾジオキソール−5−イル、ナフチルま
たはビフェニルであり、各々の場合において、互いに独立して、非置換であるか
または、R、OH、OR、Hal、CN、NO、CF、NH、NHR、N
、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、ベンジルオキシ、SO NH、SONHA、SONR、フェニルスルホンアミド、−(CH −NH、−(CH−NHR、−(CH−NR、−O−(CH −NH、−O−(CH−NHR、−O−(CH−NR
−O−(CH−O−またはRで一、二または三置換されており、アミジ
ノで一置換されたナフチルまたはビフェニルが好ましい。ビフェニルについての
好ましい置換基は、アミジノ、フッ素、SONHまたはSONHRである
【0015】 ArおよびAr’は、フェニル、ナフチルまたはビフェニルであり、各々の場
合において、互いに独立して、好ましくは、非置換、フェニル、ナフチルまたは
ビフェニルであり、さらに好ましくは、例えば、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フッ素、塩素、臭素、
ヨウ素、ヒドロキシル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチル
オキシ、ヘキシルオキシ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、アミノ、メチ
ルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ピロリジン−1−
イル、ピペリジン−1−イル、ベンジルオキシ、スルホンアミド、メチルスルホ
ンアミド、エチルスルホンアミド、プロピルスルホンアミド、ブチルスルホンア
ミド、ジメチルスルホンアミド、フェニルスルホンアミド、アミノメチル、アミ
ノエチル、N−メチルアミノメチル、N−エチルアミノメチル、N,N−ジメチ
ルアミノメチル、アミノメチルオキシ、アミノエチルオキシまたはRおよびさ
らにベンゾジオキソリルである。
【0016】 ArおよびAr’は、従って、各々の場合において互いに独立して、極めて特
に好ましくは、例えば、o−、m−またはp−トリル、o−、m−またはp−エ
チルフェニル、o−、m−またはp−プロピルフェニル、o−、m−またはp−
イソプロピルフェニル、o−、m−またはp−tert−ブチルフェニル、o−
、m−またはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−またはp−ニトロフェニル、
o−、m−またはp−アミノフェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミ
ノ)フェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノカルボニル)フェニル
、o−、m−またはp−アセトアミドフェニル、o−、m−またはp−メトキシ
フェニル、o−、m−またはp−エトキシフェニル、o−、m−またはp−(N
,N−ジメチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジメチルア
ミノカルボニル)フェニル、o−、m−またはp−(N−エチルアミノ)フェニ
ル、o−、m−またはp−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル、o−、m−ま
たはp−フルオロフェニル、o−、m−またはp−ブロモフェニル、o−、m−
またはp−クロロフェニル、o−、m−またはp−(メチルスルホンアミド)フ
ェニル、o−、m−またはp−アミジノフェニル、7−アミジノ−2−ナフチル
、2’−アミジノビフェニル−3−イル、3−フルオロ−2’−スルファモイル
ビフェニル−4−イル、3−フルオロ−2’−N−tert−ブチルスルファモ
イルビフェニル−4−イル、2’−スルファモイルビフェニル−4−イル、2’
−N−tert−ブチルスルファモイルビフェニル−4−イル、o−、m−また
はp−(ピロリジン−1−イル)フェニル、o−、m−またはp−(ピペリジン
−1−イル)フェニル、o−、m−またはp−{5−メチル[1,2,4]オキ
サジアゾール−3−イル}フェニル、7−{5−メチル[1,2,4]オキサジ
アゾール−3−イル)}ナフト−2−イル、o−、m−またはp−{5−オキソ
[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル}フェニル、7−{5−オキソ[1
,2,4]オキサジアゾール−3−イル}ナフト−2−イル、さらに好ましくは
2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジフルオロ
フェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−
ジクロロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または
3,5−ジブロモフェニル、2,4−または2,5−ジニトロフェニル、2,5
−または3,4−ジメトキシフェニル、3−ニトロ−4−クロロフェニル、3−
アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−3−クロロ−、2−アミノ−4−クロロ−
、2−アミノ−5−クロロ−または2−アミノ−6−クロロフェニル、2−ニト
ロ−4−N,N−ジメチルアミノ−または3−ニトロ−4−N,N−ジメチルア
ミノフェニル、2,3−ジアミノフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,
3,6−、2,4,6−または3,4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−
トリメトキシフェニル、2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル、p−ヨー
ドフェニル、3,6−ジクロロ−4−アミノフェニル、4−フルオロ−3−クロ
ロフェニル、2−フルオロ−4−ブロモフェニル、2,5−ジフルオロ−4−ブ
ロモフェニル、3−ブロモ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−6−メトキシ
フェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニル、3−フルオロ−4−メトキ
シフェニル、3−アミノ−6−メチルフェニル、3−クロロ−4−アセトアミド
フェニルまたは2,5−ジメチル−4−クロロフェニルである。
【0017】 Rは、好ましくは、例えば、H、Hal、COOH、COOAまたはCON
である。 Rは、好ましくは、例えば、非置換−C(=NH)−NH、−NH−C(
=NH)−NH、−C(=O)−N=C(NHであり、これはまた、O
H、
【化5】 により一置換することができ、極めて特に好ましくは非置換またはOH置換−C
(=NH)−NHまたは
【化6】 であり、 mは1または2であり、 nは好ましくは0または1である。
【化7】 は、
【化8】 または
【化9】 である。
【0018】 式Iの化合物は、1つまたは2つ以上のキラルな中心を有することができ、従
って種々の立体異性体形態で存在することができる。式Iは、これらの形態をす
べて含む。
【0019】 従って、本発明は、特に、式Iの化合物であって、前述の基の少なくとも1つ
が前に示した好ましい意味の1つである化合物に関する。化合物のいくつかの好
ましい群を、以下の従属式Ia〜Iiにより表すことができ、これは、式Iに対
応し、ここでさらに詳細には示していない基は、式Iに示す意味を有するが、こ
こで以下の通りである。
【0020】 Iaにおいて、Arは、Rにより一置換されたフェニル、ナフチルまたはビ
フェニルであり; Ibにおいて、Ar’は、SONHまたはRにより一置換されたフェニ
ル、ナフチルまたはビフェニルであり; Icにおいて、Ar、Ar’は、各々の場合において互いに独立してSO
またはRにより一置換されたフェニル、ナフチルまたはビフェニルであり
; Idにおいて、Ar、Ar’は、各々の場合において互いに独立して−CON
、SONHまたはRにより一置換されたフェニル、ナフチルまたはビ
フェニルであり; Ieにおいて、Rは、H、R、Hal、COOHまたはCOOAであり; Ifにおいて、Rは、SONHまたは−C(=NH)−NHまたは
【化10】 であり;
【0021】 Igにおいて、Rは、1〜6個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキ
ルあるいは3〜6個のC原子を有するシクロアルキルであり、 RはArであり、 RはAr’であり、 RはH、R、Hal、COOHまたはCOOAであり、 Ar、Ar’は、各々の場合において互いに独立して−CONR、SONH またはRにより一置換されたフェニル、ナフチルまたはビフェニルであり, Rは、−C(=NH)−NHまたは
【化11】 であり、 Aは、1〜4個のC原子を有するアルキルであり、 Halは、F、Cl、BrまたはIであり、 mは1または2であり、 nは0または1であり、
【0022】 Ihにおいて、Rは、1〜6個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキ
ルあるいは3〜6個のC原子を有するシクロアルキルであり、 RはArであり、 RはAr’であり、 RはH、R、Hal、COOHまたはCOOAであり、 Ar、Ar’は、各々の場合において互いに独立してSONHまたはR
より一置換されたフェニル、ナフチルまたはビフェニルであり, Rは、−C(=NH)−NHまたは
【化12】 であり、 Aは、1〜4個のC原子を有するアルキルであり、 Halは、F、Cl、BrまたはIであり、 mは1または2であり、 nは0または1であり;
【0023】 Iiにおいて、Rは、1〜6個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキ
ルあるいは3〜6個のC原子を有するシクロアルキルであり、 RはArであり、 RはAr’であり、 RはH、R、Hal、COOHまたはCOOAであり、 Ar、Ar’は、各々の場合において互いに独立してSONHRまたはR
より一置換されたフェニル、ナフチルまたはビフェニルであるかまたはNH
換イソキノリニルであり、 Rは、非置換またはOH置換−C(=NH)−NHまたは
【化13】 であり、 Aは、1〜4個のC原子を有するアルキルであり、 Halは、F、Cl、BrまたはIであり、 mは1または2であり、 nは0または1である。
【0024】 式Iの化合物およびまたこれらの製造のための出発物質は、それ自体知られて
いる方法、例えば文献(例えばHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie
[有機化学の方法]、Georg-Thieme-Verlag, Stuttgart)に記載されたそれ自体
知られている方法により、他の方法で、即ち知られており、述べた反応に適する
反応条件下で製造される。また、それ自体知られている変種の場合において用い
ることができるが、ここでは一層詳細には述べない。
【0025】 出発物質はまた、所望により、これらが反応混合物から単離されることなく、
直ちにさらに反応して式Iの化合物を生成するように、その場で生成することが
できる。 式Iの化合物は、好ましくは、式Iの化合物を、溶媒化分解剤または水素添加
分解剤で処理することにより、これらの機能的誘導体を含まないようにすること
により得ることができる。
【0026】 溶媒化分解または水素添加分解のための好ましい出発物質は、その他の点では
、式Iに対応するものであるが、1つまたは2つ以上の遊離アミノ基および/ま
たはヒドロキシル基の代わりに対応する保護されたアミノ基および/またはヒド
ロキシル基、好ましくは、N原子に結合したH原子の代わりに、アミノ保護基、
特にHN基の代わりに、R’がアミノ保護基であるR’−N基を有し、および/
またはヒドロキシル基のH原子の代わりにヒドロキシル保護基、例えば式Iに対
応するものであるが、−COOH基の代わりに−COOR”基(式中R”はヒド
ロキシル保護基である)を含むものである。 好ましい出発物質はまた、オキサジアゾール誘導体であり、これを、対応する
アミジノ化合物に転化することができる。
【0027】 アミジノ基を、このオキサジアゾール誘導体から、例えば触媒(例えばラネー
ニッケル)の存在下で水素で処理することにより、解放することができる。適切
な溶媒は、以下に示すもの、特にアルコール、例えばメタノールまたはエタノー
ル、有機酸、例えば酢酸またはプロピオン酸、またはこれらの混合物である。原
則として、水素添加分解を、約0〜100°の温度および約1〜200バールの
圧力、好ましくは20〜30°(室温)および1〜10バールにおいて実施する
【0028】 オキサジアゾール基を、例えば、シアノ化合物とヒドロキシルアミンとの反応
およびホスゲン、ジアルキルカーボネート、クロルギ酸エステル、N,N’−カ
ルボニルジイミダゾールまたは無水酢酸との反応により導入する。 多くの−同一のまたは異なる−保護アミノおよび/またはヒドロキシル基はま
た、出発物質の分子中に存在することができる。存在する保護基が互いに異なる
場合には、多くの場合においてこれらを選択的に除去することができる。
【0029】 「アミノ保護基」という表現は、一般的に知られており、化学反応からのアミ
ノ基を保護する(ブロッキングする)のに適するが、所望の化学反応を、分子中
の他の位置において実施した後に容易に除去できる基に関する。この種類の代表
的な基は、特に、非置換または置換アシル、アリール、アラルコキシメチルまた
はアラルキル基である。アミノ保護基は、所望の反応(または一連の反応)の後
に除去されるため、これらの性質および大きさは、その他の点では重要ではない
;しかし、1〜20個、特に1〜8個のC原子を有するものが好ましい。「アシ
ル基」という表現は、本方法に関連して最も広い意味で解釈されるべきである。
これは、脂肪族、アラリファティック(araliphatic)、芳香族または複素環式カ
ルボン酸またはスルホン酸および、特に、アルコキシカルボニル、アリールオキ
シカルボニルおよび特にアラルコキシカルボニル基から誘導されたアシル基を含
む。この種類のアシル基の例は、アルカノイル、例えばアセチル、プロピオニル
、ブチリル;アラルカノイル、例えばフェニルアセチル;アロイル、例えばベン
ゾイルまたはトルイル;アリールオキシアルカノイル、例えばPOA;アルコキ
シカルボニル、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、2,2,2−
トリクロロエトキシカルボニル、BOC(tert−ブチルオキシカルボニル)
、2−ヨードエトキシカルボニル;アラルキルオキシカルボニル、例えばCBZ
(「カルボベンゾキシ」)、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、FMOC
;アリールスルホニル、例えばMtrである。好ましいアミノ保護基は、BOC
およびMtr、これに加えてCBZ、Fmoc、ベンジルおよびアセチルである
【0030】 式Iの化合物のこれらの機能的誘導体からの解放は、−用いる保護基に依存し
て−例えば強酸を用いて、便宜的にTFAまたは過塩素酸を用いて、しかし他の
強無機酸、例えば塩酸または硫酸、強有機カルボン酸、例えばトリクロロ酢酸ま
たはスルホン酸、例えばベンゼン−またはp−トルエンスルホン酸を用いて行う
。追加の不活性溶媒の存在は可能であるが、常に必要ではない。適切な不活性溶
媒は、好ましくは有機、例えばカルボン酸、例えば酢酸、エーテル、例えばテト
ラヒドロフランまたはジオキサン、アミド、例えばDMF、ハロゲン化炭化水素
、例えばジクロロメタン、またさらにアルコール、例えばメタノール、エタノー
ルまたはイソプロパノール、およびまた水である。前述の溶媒の混合物も、加え
て適切である。TFAは、好ましくは他の溶媒を加えずに過剰量で、過塩素酸は
酢酸と70%過塩素酸とを9:1の比率の混合物の形態で用いる。開裂のための
反応温度は、便宜的に約0〜約50°である;反応は、好ましくは、15〜30
°(室温)で実施する。
【0031】 基BOC、OButおよびMtrを、例えば好ましくはジクロロメタン中のT
FAを用いるか、またはジオキサン中の約3〜5NのHClを15〜30°で用
いることにより除去することができる;FMOC基を、DMF中のジメチルアミ
ン、ジエチルアミンまたはピペリジンの約5〜50%溶液を15〜30°で用い
て除去することができる。
【0032】 水素添加分解的に除去できる保護基(例えばCBZ、ベンジル)を除去するか
、またはアミジノ基を、このオキサジアゾール誘導体から、例えば触媒(例えば
貴金属触媒、例えば便宜的に支持体、例えば炭素上のパラジウム)の存在下で水
素で処理することにより、解放することができる。ここで適切な溶媒は、前に示
したもの、特に例えばアルコール、例えばメタノールまたはエタノール、あるい
はアミド、例えばDMFである。原則的に、水素添加分解は、約0〜100°の
温度および約1〜200バールの圧力、好ましくは20〜30°および1〜10
バールにおいて生じる。CBZ基の水素添加分解は、例えば、メタノール中の5
〜10%のPd/C上または20〜30°においてメタノール/DMF中のPd
/C上のギ酸アンモニウム(水素の代わりに)を用いて、容易に生じる。
【0033】 適切な不活性溶媒は、例えば、炭化水素、例えばヘキサン、石油エーテル、ベ
ンゼン、トルエンまたはキシレン;塩素化炭化水素、例えばトリクロロエチレン
、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、トリフルオロメチルベンゼン、クロロ
ホルムまたはジクロロメタン;アルコール、例えばメタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノー
ル;エーテル、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒド
ロフラン(THF)またはジオキサン;グリコールエーテル、例えばエチレング
リコールモノメチルまたはモノエチルエーテル(メチルグリコールまたはエチル
グリコール)、エチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム(diglyme));
ケトン、例えばアセトンまたはブタノン;アミド、例えばアセトアミド、ジメチ
ルアセトアミド、N−メチルピロリドン(NMP)またはジメチルホルムアミド
(DMF);ニトリル、例えばアセトニトリル;スルホキシド、例えばジメチル
スルホキシド(DMSO);二硫化炭素;カルボン酸、例えばギ酸または酢酸;
ニトロ化合物、例えばニトロメタンまたはニトロベンゼン;エステル、例えば酢
酸エチルまたは述べた溶媒の混合物である。
【0034】 ビフェニル−SONH基を、好ましくは、このtert−ブチル誘導体の
形態で用いる。tert−ブチル基は、例えば、不活性溶媒を添加してまたは添
加せずに、好ましくは少量のアニソール(1容量%)を添加して、TFAを用い
て除去される。
【0035】 シアノ基は、例えばヒドロキシルアミンとの反応およびその後のN−ヒドロキ
シアミジンの水素での触媒、例えばPd/Cの存在下での還元により、アミジノ
基に転化される。 式I(例えばAr=−C(=NH)−NHで一置換されたフェニル)のアミ
ジンの製造のために、アンモニアをまたニトリルに加えることができる。この添
加は、好ましくは、a)HSを用いてニトリルをチオアミドに転化し、これを
アルキル化剤、例えばCHIを用いて対応するS−アルキルイミドチオエステ
ルに転化し、この部分をNHと反応させてアミジンを得るか、b)ニトリルを
対応するイミドエステルに、アルコール、例えばエタノールを用いて、HClの
存在下で転化し、これをアンモニアで処理するか、またはc)ニトリルをリチウ
ムビス(トリメチルシリル)アミドと反応させ、次に生成物を加水分解すること
により、それ自体知られている方法で多くの段階で実施する。
【0036】 基R(n=0の場合)またはRを、ジヒドロイミダゾ[4,5−c]ピリ
ジン−4−オン系中に、N−アリール化(文献:Chan et al., Tetrahedron Let
ters 1998, 39, 2933ffおよび2941ff)により導入する。 従って、例えば、式(IA)の化合物を製造するために、式II
【化14】 式中、Rは請求項1に示した意味を有し、RおよびRは、各々、アルキル化
することができない種類の基、例えばRについては
【化15】 により置換したフェニル、ベンジルまたはナフチル基である、 で表される化合物を、式III
【化16】 で表される化合物と反応させることができる。
【0037】 これにより、式IV
【化17】 で表される化合物が得られる。 これらを次にさらに反応させて、本発明の化合物を得る。 適切な溶媒は、前述のものである。反応を、例えば、Cu(II)(OAc) の存在下で実施する。用いる条件に依存して、反応時間は、数分間〜14日間
であり、反応温度は、約0°〜150°、通常15°〜80°である。
【0038】 同様に、Rはまた、第1にジヒドロイミダゾール[4,5−c]ピリジン−
4−オン系中に導入し、次に式(V)
【化18】 式中、Rは請求項1に示した意味を有し、RおよびRは、各々、アルキル化
することができない種類の基である、 で表される化合物を、式VI R−(CH−L VI で表される化合物と反応させることができる。
【0039】 式VIの化合物において、nは1であり、Rはアルキル化することができな
い基、例えば5−メチル[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルにより置換
されたフェニル基であり、LはCl、Br、Iまたは遊離または反応性の機能的
に修飾されたOH基である。 Lは、好ましくは、Cl、Br、Iまたは反応性の修飾されたOH基、例えば
活性化エステル、イミダゾリドまたは1〜6個のC原子を有するアルキルスルホ
ニルオキシ(好ましくはメチルスルホニルオキシ)または6〜10個のC原子を
有するアリールスルホニルオキシ(好ましくはフェニル−またはp−トリルスル
ホニルオキシ)である。
【0040】 この方法により、式(IA)および/または(IB)の化合物が得られる。 式II(式中nは0である)の化合物を、式VII
【化19】 で表される化合物と反応させると、式VIII
【化20】 で表される化合物が得られる。
【0041】 式VIIIで表される化合物の式IX
【化21】 で表される化合物とのその後の反応により、式X
【化22】 で表される化合物が得られる。 その後、tert−ブチル基を開裂除去し、オキシジアゾール基をアミジノ基
に転化することにより、式Iの化合物が得られる。
【0042】 さらに、1つまたは2つ以上の基R、R、Rおよび/またはRを1つま
たは2つ以上の基R、R、Rおよび/またはRに転化することにより、例
えばアミノ基をアシル化するかまたはニトロ基を、(例えば不活性溶媒、例えば
メタノールまたはエタノール中での、ラネーニッケルまたはPd−炭素上での水
素化により)アミノ基に還元することにより、式Iで表される化合物を式Iで表
される他の化合物に転化することができる。 エステルを、例えば0〜100°の温度で、酢酸を用いるかまたは水、水−T
HFまたは水−ジオキサン中のNaOHまたはKOHを用いて、加水分解するこ
とができる。
【0043】 さらに、遊離アミノ基を、酸塩化物または無水物を用いて一般的な方法でアシ
ル化するか、あるいは非置換または置換ハロゲン化アルキルを、便宜的に不活性
溶媒、例えばジクロロメタンまたはTHF中で、および/または塩基、例えばト
リエチルアミンまたはピリジンの存在下で、−60〜+30°の温度で用いてア
ルキル化することができる。
【0044】 式Iの塩基を、酸を用いて、例えば等量の塩基と等量の酸とを不活性溶媒、例
えばエタノール中で反応させ、その後蒸発させることにより、関連する酸付加塩
に転化することができる。この反応に適する酸は、特に、生理学的に許容し得る
塩を生成するものである。従って、無機酸、例えば硫酸、硝酸、ハロゲン化水素
酸(hydrohalic acid)、例えば塩酸または臭化水素酸、リン酸、例えばオルトリ
ン酸、スルファミン酸、これに加えて有機酸、特に脂肪族、脂環式、アラリファ
ティック、芳香族または複素環式一塩基または多塩基カルボン酸、スルホン酸ま
たは硫酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、ピバル酸、ジエチル酢酸、マロン
酸、コハク酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、
クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、メタン
−またはエタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホ
ン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンモノ−および
−ジスルホン酸、およびラウリルスルホン酸を用いることができる。生理学的に
許容し得ない酸との塩、例えばピクリン酸塩を、式Iの化合物の単離および/ま
たは精製のために用いることができる。
【0045】 他方、式Iの化合物を、対応する金属塩、特にアルカリ金属またはアルカリ土
類金属塩、あるいは対応するアンモニウム塩に、塩基(例えば水酸化または炭酸
ナトリウムまたはカリウム)を用いて転化することができる。 生理学的に許容し得る有機塩基、例えばエタノールアミンもまた、用いること
ができる。 本発明の式Iの化合物は、これらの分子構造により、キラルであることができ
、従って種々の鏡像体形態で存在することができる。従って、これらは、ラセミ
体または光学的に活性な形態で存在することができる。
【0046】 本発明の化合物のラセミ体または立体異性体の薬学的活性が異なり得るため、
鏡像体を用いることが望ましい。これらの場合において、最終生成物または他に
中間体さえも、当業者に知られている化学的または物理的方法により、鏡像体化
合物に分離することができるか、さらにはそれ自体合成において用いることがで
きる。
【0047】 ラセミ体アミンの場合において、ジアステレオマーが混合物から、光学的に活
性な分解剤との反応により生成する。適切な分解剤は、例えば、光学的に活性な
酸、例えば酒石酸のRおよびS型、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マ
ンデル酸、リンゴ酸、乳酸、適切にN保護アミノ酸(例えばN−ベンゾイルプロ
リンまたはN−ベンゼンスルホニルプロリン)または種々の光学的に活性な樟脳
スルホン酸である。光学的に活性な分解剤(例えばジニトロベンゾイルフェニル
グリシン、三酢酸セルロースあるいはシリカゲルに付着した炭水化物の他の誘導
体またはキラル誘導体化メタクリレート重合体)の補助での鏡像体のクロマトグ
ラフィー分割もまた、有利である。このための適切な溶離剤は、水性またはアル
コール性溶媒混合物、例えばヘキサン/イソプロパノール/アセトニトリルの例
えば82:15:3の比率である。
【0048】 本発明は、さらに、式Iの化合物および/またはこれらの生理学的に許容し得
る塩の、医薬製剤の製造の、特に非化学的方法での使用に関する。これに関連し
て、これらを、少なくとも1種の固体、液体および/または半液体賦形剤または
補助剤と共に、および適切であれば1種または2種以上の他の活性化合物と組み
合わせて、適切な投与形態とすることができる。 本発明はさらに、少なくとも1種の式Iの化合物および/またはこの薬学的に
許容し得る塩の1種を含む医薬製剤に関する。
【0049】 これらの製剤は、ヒト用のまたは動物用医薬品における医薬として用いること
ができる。可能な賦形剤は、腸内(例えば経口)または非経口投与あるいは局所
的適用に適し、新規な化合物と反応しない有機または無機物質、例えば水、植物
油、ベンジルアルコール、アルキレングリコール、ポリエチレングリコール、三
酢酸グリセロール、ゼラチン、炭水化物、例えばラクトースまたはデンプン、ス
テアリン酸マグネシウム、タルク、ワセリンである。特に錠剤、丸薬、糖被覆錠
剤、カプセル、粉末、顆粒、シロップ、果汁または点滴薬が、経口投与のために
用いられ、座剤が直腸内投与のために用いられ、溶液、好ましくは油状または水
性溶液、これに加えて懸濁液、エマルジョンまたはインプラントが、非経口投与
のために用いられ、軟膏、クリームまたは粉末が、局所的適用のために用いられ
る。新規な化合物はまた、凍結乾燥することができ、得られた凍結乾燥物を、例
えば、注入製剤の生成のために用いる。示した製剤は、滅菌することができ、お
よび/または補助剤、例えば潤滑剤、保存剤、安定剤および/または湿潤剤、乳
化剤、浸透圧を生じさせる塩、緩衝物質、着色剤、風味剤および/または1種ま
たは2種以上の他の活性化合物、例えば1種または2種以上のビタミンを含むこ
とができる。
【0050】 式Iの化合物およびこれらの生理学的に許容し得る塩を、血栓塞栓障害、例え
ば血栓症、心筋梗塞、動脈硬化、炎症、脳卒中、狭心症、血管形成後の再狭窄お
よび間欠性跛行の抑制および防止において用いることができる。
【0051】 これに関して、原則として、本発明の物質は、好ましくは、投与単位あたり約
1〜500mg、特に5〜100mgの用量で投与する。毎日の用量は、好まし
くは、体重1kgあたり約0.02〜10mgである。各患者に対する特定の用
量は、すべての類の要因に依存するが、例えば、用いる特定の化合物の効能、年
齢、体重、健康の一般的状態、性別、食事、投与の時間および経路、並びに排出
速度、薬学的組み合わせおよび療法を適用する特定の障害の重篤度に依存する。
経口投与が好ましい。
【0052】 上記および下記において、すべての温度は、℃で示す。以下の例において、「
一般的精製(work-up)」は、以下のことを意味する:水を加え、所要に応じて混
合物を、所要に応じて最終生成物の構成に依存して、2〜10のpHに調整し、
酢酸エチルまたはジクロロメタンで抽出し、抽出物を分離除去し、有機相を硫酸
ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、残留物を、シリカゲル上のクロマトグラフィー
により、および/または結晶により精製する。シリカゲル上のR値;溶離剤:
酢酸エチル/メタノール9:1。 質量分析(MS):EI(電子衝撃イオン化)M FAB(高速原子衝撃)(M+H)
【0053】例1 140mlのイソブチル酸および250mlの発煙塩酸を、50.0gの3,
4−ジアミノ−2−クロロピリジンに加えた。反応混合物を、還流下で7日間加
熱した。これを氷水中に注入し、堆積した沈殿物を分離除去し、2−イソプロピ
ル−3,5−ジヒドロイミダゾ[4,5−c]ピリジン−4−オン(「AB」)
、融点310〜311°(分解)、EI 177が得られた。
【化23】
【0054】 「AB」と4−クロロ−2−イソプロピル−3H−イミダゾ[4,5−c]ピ
リジンとの混合物が、母液中に見出された。 0.877gの「AB」および30mlのDMF中の0.691gの炭酸カリ
ウムの溶液を、室温で30分間かきまぜた。1.5gの3−(3−ブロモメチル
フェニル)−5−メチル[1,2,4]オキサジアゾールを加え、混合物を、1
6時間かきまぜ、一般的な方法で精製した。シリカゲル上のクロマトグラフィー
の後、2種の位置異性体ジアルキル化生成物に加えて、化合物2−イソプロピル
−3−[3−(5−メチル[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)ベンジ
ル]−5H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−4−オン(「CA」)が得られ
た。
【化24】
【0055】 他の方法により、以下のようにして、「CA」が得られる(Mederski et al.,
J. Med. Chem. 1994, 1632 ffと同様に): 3,4−ジアミノ−2−クロロピリジンと無水イソブチル酸とを反応させて、N
−(4−アミノ−2−クロロピリジン−3−イル)イソブチルアミドを得た。そ
の後の3−(3−ブロモメチルフェニル)−5−メチル[1,2,4]オキサジ
アゾールとの反応により、4−クロロ−2−イソプロピル−3−[3−(5−メ
チル[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)ベンジル]−3H−イミダゾ
[4,5−c]ピリジンとN−(4−アミノ−2−クロロピリジン−3−イル)
−N−[3−(5−メチル[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)ベンジ
ル]−イソブチルアミドとの混合物が得られた。両方の化合物を反応させて、「
CA」を得た。
【0056】 10mlのDMF中の0.4gの「CA」の溶液を、0.5gの式IIIの化
合物、50mlのジクロロメタン中の258mgのCu(II)(OAc)
よび1gの分子ふるい(0.4nm)と混合し、混合物を室温で4日間かきまぜ
た。
【0057】 分子ふるいを除去し、一般的な精製により、化合物2−イソプロピル−3−[
(5−メチル[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)ベンジル]−5−(
3−シアノフェニル)−3,5−ジヒドロイミダゾ−[4,5−c]ピリジン−
4−オン(「BC1])、345mg、融点168°、EI 450が得られた
【化25】
【0058】 330mgのBC1を20mlのエタノールに懸濁させ、次に490mgの重
炭酸ナトリウムおよび407mgの塩化ヒドロキシルアンモニウムを連続的に加
えた。さらに2mlの水を加えた後、混合物を還流下で5時間沸騰させた。50
mlの氷水を加え、一般的な精製により、280mgの2−イソプロピル−3−
[(5−メチル[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)ベンジル]−5−
(3−N−ヒドロキシアミジノフェニル)−3,5−ジヒドロイミダゾ−[4,
5−c]ピリジン−4−オン(「BC2」)、EI 483を得た。
【0059】 同様に、化合物2−イソプロピル−3−(7−シアノナフト−2−イルメチル
)−5H−イミダゾ[4,5−c]−ピリジン−4−オンが、化合物「AB」と
2−ブロモメチル−7−シアノナフタレンとの反応およびその後の精製により得
られた。前述の式IIIの化合物との同様の反応により、化合物2−イソプロピ
ル−3−(7−シアノナフト−2−イルメチル)−5−(3−シアノフェニル)
−3,5−ジヒドロイミダゾ[4,5−c]ピリジン−4−オン、EI:[M ]443(74%)、166(100%)が得られた。 その後の塩化ヒドロキシルアンモニウムとの反応により、2−イソプロピル−
3−(7−N−ヒドロキシアミジノナフト−2−イルメチル)−5−(3−N−
ヒドロキシアミジノフェニル)−3,5−ジヒドロイミダゾ[4,5−c]ピリ
ジン−4−オン、EI:[M]509(8%)、166(100%)が得られ
た。
【0060】例2 0.27gの「BC2」を20mlのメタノールに溶解した溶液を、100m
gのラネーニッケルおよび1滴の酢酸と混合し、混合物を室温で8時間水素化し
た。触媒を濾別し、溶媒を除去し、化合物2−イソプロピル−3−(3−アミジ
ノベンジル)−5−(3−アミジノフェニル)−3,5−ジヒドロイミダゾ[4
,5−c]ピリジン−4−オン、FAB 428を得た。 表1に列挙した式IAで表される化合物2〜65を、例1および/または2と
同様にして得た。
【化26】
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】 (1)=3−アミジノフェニル; (2)=2−アミノスルホニルフェニル; (3)=7−アミジノナフト−2−イル; (4)=
【化27】 (5)=
【化28】 (6)=3−[(5−メチル−[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル)
フェニル; (7)=2−(N−tert−ブチルアミノスルホニル)フェニル; (8)=3−アミノカルボニルフェニル; (9)=3−シアノフェニル; (10)=7−[(5−メチル−[1,2,4]−オキサジアゾール−3−イル
)ナフト−2−イル; (11)=4−ブロモフェニル; (12)=3−(N−tert−ブチルアミノスルホニル)フェニル; (13)=3−アミノスルホニルフェニル; (14)=シクロペンチルメチル; (15)=1−アミノイソキノリン−7−イル; (16)=3−N−ヒドロキシアミジノフェニル; Me=メチル;Et=エチル;i−Pr=イソプロピル;Bu=n−ブチル;t
−Bu=tert−ブチル;iso−Bu=イソブチル;Pe=ペンチル。
【0065】 以下の例は、医薬製剤に関する。 例A:注射ビン 100gの式Iの活性化合物および5gのリン酸水素二ナトリウムの溶液を、
3lの二重蒸留水中で2Nの塩酸を用いてpH6.5に調整し、無菌濾過し、注
射ビン中に分配し、無菌条件下で凍結乾燥し、無菌的に密封した。各々の注射ビ
ンは、5mgの活性化合物を含む。
【0066】 例B:座剤 20gの式Iの活性化合物の混合物を、100gの大豆レシチンおよび1400
gのココアバターと溶融させ、型中に注入し、放冷した。各々の座剤は、20m
gの活性化合物を含む。
【0067】 例C:溶液 1gの式Iの活性化合物、9.38gのNaHPO・2HO、28.4
8gのNaHPO・12HOおよび0.1gの塩化ベンザルコニウムを9
40mlの二重蒸留水に溶解した溶液を調製した。これをpH6.8に調整し、
1lに作成し、照射により滅菌した。この溶液を、点眼剤の形態で用いることが
できる。
【0068】 例D:軟膏 500mgの式Iの活性化合物を、99.5gのワセリンと、無菌条件下で混
合した。
【0069】 例E:錠剤 1kgの式Iの活性化合物、4kgのラクトース、1.2kgのジャガイモデ
ンプン、0.2kgのタルクおよび0.1kgのステアリン酸マグネシウムの混
合物を、一般的な方法で圧縮して錠剤を得、各々の錠剤が10mgの活性化合物
を含むようにした。
【0070】 例F:糖で被覆した錠剤 例Eと同様に、錠剤を圧縮し、次にスクロース、ジャガイモデンプン、タルク
、トラガカントおよび着色剤の被覆を用いて一般的な方法で被覆した。
【0071】 例G:カプセル 2kgの式Iの活性化合物を、硬質ゼラチンカプセル中に、一般的方法で分配
して、各々のカプセルが20mgの活性化合物を含むようにした。
【0072】 例H:アンプル 1kgの式Iの活性化合物を60lの二重蒸留水に溶解した溶液を、無菌濾過
し、アンプル中に分配し、無菌条件下で凍結乾燥し、無菌的に密封した。各アン
プルは、10mgの活性化合物を含む。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C U,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD ,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN, IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,L K,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK ,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO, RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,T M,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU ,ZA,ZW (71)出願人 Frankfurter Str. 250, D−64293 Darmstadt,Fed eral Republic of Ge rmany (72)発明者 メデルスキー, ヴェルナー ドイツ連邦共和国 デー−64390 エルツ ハウゼン、アム オーレンベルク 29 (72)発明者 ユラスツィク, ホルスト ドイツ連邦共和国 デー−64342 ゼーハ イム、クライナー リンク 14 (72)発明者 ヴルツィガー, ハンス ドイツ連邦共和国 デー−64291 ダルム シュタット、グラインシュトラーセ 7ベ ー (72)発明者 ツァクラキディス, クリストス ドイツ連邦共和国 デー−69469 ヴァイ ンハイム、ローゼンブルンネンシュトラー セ 25 (72)発明者 ドルシュ, ディーター ドイツ連邦共和国 デー−64372 オベー ル−ラムシュタット、ケーニッヒスベルガ ー シュトラーセ 17アー (72)発明者 ベルノタート−ダニエロウスキー, サビ ーネ ドイツ連邦共和国 デー−61231 バッド ノイハイム、リービックシュトラーセ 5 (72)発明者 メルツァー, グイド ドイツ連邦共和国 デー−65719 ホフハ イム、メリケシュトラーセ 6 (72)発明者 アンザリ, ソヘイラ ドイツ連邦共和国 デー−64342 ゼーハ イム、アム アルテン ベルク 13 Fターム(参考) 4C065 AA05 BB06 CC01 DD03 EE02 HH09 JJ04 KK09 PP03 PP09 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 CB05 MA01 MA04 ZA40 ZA45 ZA54 ZB11

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式I: 【化1】 式中、 RはHあるいは1〜6個のC原子を有する非分枝状または分枝状アルキルあるい
    は3〜6個のC原子を有するシクロアルキルであり、 RはArであり、 RはAr’であり、 RはH、R、R、Hal、CN、COOH、COOAまたはCONHであ
    り、 Ar、Ar’はフェニル、ナフチルまたはビフェニルであり、各々の場合におい
    て互いに独立して、非置換であるかまたは、R、OH、Hal、CN、NO
    CF、NH、NHR、NR、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イ
    ル、ベンジルオキシ、SONH、SONHR、SONR、−CONH
    R、−CONR、−(CH−NH、−(CH−NHR、−(C
    −NR、−O−(CH−NH、−O−(CH−NHR
    、−O−(CH−NR、Rで、または一緒に−O−(CH−O
    −で一、二または三置換されているかまたはNH置換イソキノリニルであり、
    は、−COR、−COOR、−OHにより、または従来のアミノ保護基によ
    り非置換または一置換された−C(=NH)−NHまたは−C(=NH)−N
    または−NH−C(=NH)−NH、−C(=O)−N=C(NH 、 【化2】 であり、 Aは1〜4個のC原子を有するアルキルであり、 HalはF、Cl、BrまたはIであり、 mは1または2であり、 nは0または1である、 で表される化合物およびこれらの塩および溶媒化合物。
  2. 【請求項2】 a)2−イソプロピル−3−(3−アミジノベンジル)−5
    −(3−アミジノフェニル)−3,5−ジヒドロイミダゾ[4,5−c]ピリジ
    ン−4−オンおよびこれらの塩である、請求項1に記載の化合物およびこの塩お
    よび溶媒化合物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の式Iの化合物およびこれらの塩の製造方法
    において、 a)これらを、 i)アミジノ基を、このオキサジアゾール誘導体またはオキサゾリジノン誘導
    体から、水素添加分解または溶媒化分解により解放し、 ii)溶媒化分解剤または水素添加分解剤で処理するかまたは従来の保護され
    た基により保護されたアミノ基を解放することにより、従来のアミノ保護基を水
    素で置換する ことにより、溶媒化分解剤または水素添加分解剤で処理することにより、これら
    の機能的誘導体を含まないようにすること、または b)式Iの化合物において、R、R、Rおよび/またはRの1つまたは2
    つ以上の基を、R、R、Rおよび/またはRの1つまたは2つ以上の基に
    、例えば i)エステル基をカルボキシル基に加水分解し、 ii)ニトロ基を還元し、 iii)アミノ基をアシル化し、 iv)シアノ基をアミジノ基に転化する ことにより、転化すること、および/または c)式Iの塩基または酸を、この塩の1つに転化すること を特徴とする、前記方法。
  4. 【請求項4】 医薬製剤の製造方法において、 請求項1に記載の式Iの化合物および/またはこの生理学的に許容し得る塩の
    1つを、少なくとも1つの固体、液体または半液体賦形剤または補助剤と共に適
    切な投与形態とすることを特徴とする、前記方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の式Iの化合物の少なくとも1種および/ま
    たはこの生理学的に許容し得る塩の1種を含むことを特徴とする、医薬製剤。
  6. 【請求項6】 薬学的に活性な化合物としての、請求項1に記載の式Iの化
    合物およびこれらの生理学的に許容し得る塩。
  7. 【請求項7】 血栓症、心筋梗塞、動脈硬化、炎症、脳卒中、狭心症、血管
    形成後の再狭窄および間欠性跛行の抑制のための、請求項1に記載の式Iの化合
    物およびこれらの生理学的に許容し得る塩。
  8. 【請求項8】 凝固因子Xaの阻害剤としての、請求項1に記載の式Iの医
    薬およびこれらの生理学的に許容し得る塩。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の式Iの化合物および/またはこれらの生理
    学的に許容し得る塩の、医薬の製造への使用。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の式Iの化合物および/またはこれらの生
    理学的に許容し得る塩の、血栓症、心筋梗塞、動脈硬化、炎症、脳卒中、狭心症
    、血管形成後の再狭窄および間欠性跛行の抑制における使用。
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